JP2017013833A - 複合容器およびワイン製品 - Google Patents

複合容器およびワイン製品 Download PDF

Info

Publication number
JP2017013833A
JP2017013833A JP2015131676A JP2015131676A JP2017013833A JP 2017013833 A JP2017013833 A JP 2017013833A JP 2015131676 A JP2015131676 A JP 2015131676A JP 2015131676 A JP2015131676 A JP 2015131676A JP 2017013833 A JP2017013833 A JP 2017013833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plastic member
preform
container body
container
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015131676A
Other languages
English (en)
Inventor
賀 勇 介 須
Yusuke Suga
賀 勇 介 須
脇 琢 磨 宮
Takuma Miyawaki
脇 琢 磨 宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2015131676A priority Critical patent/JP2017013833A/ja
Publication of JP2017013833A publication Critical patent/JP2017013833A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】長期間保管しても、複合容器内へ酸素が侵入することなく、ワインの酸化を効果的に防止することができる複合容器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ワイン充填用複合容器において、
プラスチック材料製の容器本体と、
容器本体の外面にプラスチック製部材とを備え、
容器本体およびプラスチック製部材は、ブロー成形により一体として膨張され、
プラスチック製部材は、ガスバリア層を有していることを特徴とする複合容器である。
【選択図】図1

Description

本発明は、複合容器および複合容器にワインを充填したワイン製品に関する。
従来、ワインを充填するための容器として、ガラス製のボトルが用いられている。しかしながら、ガラス製のボトルは、重量が大きく、輸送コストがかかるという問題であったり、破損し易いという問題があった。
このような問題を解決するために、特許文献1では、ポリエチレンテレフタラート(PET)により構成された容器が提案されている。
しかしながら、特許文献1において提案される容器は、酸素に対するバリア性などが十分ではなく、長期の保管により酸素が容器内へ侵入し、内容物であるワインが酸化してしまうという問題があった。また、特許文献1において提案される容器を含むPETにより構成された容器は、リサイクル性という観点から、無色透明であることが義務付けられている。そのため、可視光線および紫外線に対する遮光性が低く、内容物であるワインが変性してしまうという問題もあった。
特開2013−159352号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、長期間保管しても、複合容器内へ酸素が侵入することなく、ワインの酸化を効果的に防止することができる複合容器を提供することを目的とする。
本発明は、ワイン充填用複合容器において、
プラスチック材料製の容器本体と、
前記容器本体の外面にプラスチック製部材とを備え、
前記容器本体および前記プラスチック製部材は、ブロー成形により一体として膨張され、
前記プラスチック製部材は、ガスバリア層を有していることを特徴とする複合容器である。
前記容器本体は、酸素バリア層を有していることが好ましい。
本発明の態様において、容器本体および/またはプラスチック製部材が、多層構造を有することが好ましい。
本発明の態様において、ガスバリア層が、ポリエチレン、ポリプロピレン、MXD−6、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール(PVOH)、ビニリデンクロライド/ビニルクロライド共重合体およびビニリデンクロライド/メチルメタクリレート共重合体からなる群より選択される樹脂材料を含んでなることが好ましい。
本発明の態様において、酸素バリア層が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂およびポリアクリロニトリル系樹脂からなる群より選択される基材樹脂を含んでなることが好ましい。
本発明の態様において、酸素バリア層が、酸素吸収剤を含んでなることが好ましい。
本発明の態様において、酸素バリア層が、コバルト、鉄、ニッケル、銅、マンガン、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、これらの混合物、これら金属の塩からなる群より選択される1以上の酸化促進剤を含んでなることが好ましい。
前記プラスチック製部材は、着色剤および/または紫外線吸収剤を含んでなることが好ましい。
本発明は、上記複合容器にワインを充填したワイン製品である。
本発明の他の態様において、複合容器へのワインの充填が、
容器本体の口部からワインを充填する工程と、
口部から、液体窒素を充填する工程と、
口部をキャップで密封する工程と、を含む方法により行われることが好ましい。
本発明の他の態様において、口部より充填されるワインの温度が、15℃以上、80℃以下であることが好ましい。
本発明の複合容器によれば、長期間保管しても、複合容器内へ酸素が侵入することなく、ワインの酸化を効果的に防止することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による複合容器を示す部分垂直断面図。 図2は、本発明の第1の実施の形態による複合容器を示す水平断面図(図1のII−II線断面図)。 図3は、本発明の第1の実施の形態による複合プリフォームを示す垂直断面図。 図4(a)〜(d)は、各種プラスチック製部材を示す斜視図。 図5(a)〜(f)は、本発明の第1の実施の形態によるブロー成形方法を示す概略図。 図6(a)〜(f)は、本発明の第1の実施の形態の変形例によるブロー成形方法を示す概略図。 図7(a)〜(g)は、本発明の第1の実施の形態の変形例によるブロー成形方法を示す概略図。 図8は、本発明の第1の実施の形態による複合容器の変形例を示す部分垂直断面図。 図9は、本発明の第1の実施の形態による複合プリフォームの変形例を示す垂直断面図。 図10(a)〜(f)は、本発明の第1の実施の形態によるブロー成形方法の変形例を示す概略図。 図11は、本発明の第2の実施の形態による複合容器を示す部分垂直断面図。 図12は、本発明の第2の実施の形態による複合容器を示す水平断面図(図11のXII−XII線断面図)。 図13は、本発明の第2の実施の形態による複合プリフォームを示す垂直断面図。 図14(a)〜(d)は、各種内側ラベル部材および各種プラスチック製部材を示す斜視図。 図15(a)〜(f)は、本発明の第2の実施の形態によるブロー成形方法を示す概略図。 図16(a)〜(f)は、本発明の第2の実施の形態の変形例によるブロー成形方法を示す概略図。 図17(a)〜(g)は、本発明の第2の実施の形態の変形例によるブロー成形方法を示す概略図。 図18は、本発明の第2の実施の形態による複合容器の変形例を示す部分垂直断面図。 図19は、本発明の第2の実施の形態による複合プリフォームの変形例を示す垂直断面図。 図20(a)〜(f)は、本発明の第2の実施の形態によるブロー成形方法の変形例を示す概略図。
第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。図1乃至図10は本発明の第1の実施の形態を示す図である。
まず、図1および図2により、本実施の形態によるブロー成形方法によって作製される複合容器の概要について説明する。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ複合容器10Aを正立させた状態(図1)における上方および下方のことをいう。
図1および図2に示す複合容器10Aは、後述するように、ブロー成形金型50を用いてプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを含む複合プリフォーム70(図3参照)に対して2軸延伸ブロー成形を施すことにより、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを一体として膨張させて得られたものである。
このような複合容器10Aは、内側に位置するプラスチック材料製の容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを備えている。
このうち容器本体10は、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。
他方、プラスチック製部材40は、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しない状態で取付けられている。
次に、容器本体10について詳述する。容器本体10は、上述したように口部11と、首部13と、肩部12と、胴部20と、底部30とを有している。
このうち口部11は、図示しないキャップに螺着されるねじ部14と、ねじ部14下方に設けられたフランジ部17とを有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。
首部13は、フランジ部17と肩部12との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部12は、首部13と胴部20との間に位置しており、首部13側から胴部20側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。
さらに、胴部20は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20が四角形筒形状や八角形筒形状などの多角形筒形状を有していても良い。あるいは、胴部20が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していても良い。また、本実施の形態において、胴部20は、凹凸が形成されておらず、略平坦な表面を有しているが、これに限られるものではない。例えば、胴部20にパネル又は溝などの凹凸が形成されていても良い。
一方、底部30は、中央に位置する凹部31と、この凹部31周囲に設けられた接地部32とを有している。なお、底部30の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状など)を有していても良い。
また胴部20における容器本体10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば50μm〜250μm程度に薄くすることができる。さらに、容器本体10の重量についても、これに限定されるものではないが、10g以上、20g以下とすることができる。このように容器本体10の肉厚を薄くすることにより、容器本体10の軽量化を図ることができる。
容器本体10は、酸素バリア層を有することが好ましい。また、容器本体10は、酸素バリア層からなる単層構造を有するものであってもよく、酸素バリア層を備える多層構造を有するものであってもよい。なお、容器本体10は、酸素バリア層を2以上有するものであってもよい。容器本体10が酸素バリア層を有することにより、容器内への酸素の侵入を防ぎ、充填されるワインの酸化を防止することができる。
ブロー成形後の酸素バリア層の厚さは、容器本体10が、単層構造を有する場合、多層構造を有する場合など、容器本体10の構成に応じて適宜変更することができるが、例えば、5μm以上、200μm以下とすることができる。
酸素バリア層は、基材樹脂として、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂およびポリアクリロニトリル系樹脂などを含んでなることが好ましい。また、酸素バリア層は、上記した基材樹脂を2種類以上含んでなることがより好ましい。上記した基材樹脂の中でも、良好なガスバリア性を有するという点からポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂が好ましく、リサイクルできるという点からポリエステル系樹脂が好ましい。特に好ましい態様としては、容器本体10は、ポリアミド系樹脂と、ポリエステル系樹脂とを含んでなる酸素バリア層を有することが好ましい。この場合、酸素バリア層におけるポリアミド系樹脂の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、10質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上、5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以上、3質量%以下である。一方、ポリエステル系樹脂の含有量は、好ましくは90質量%以上、99.9質量%以下であり、より好ましくは95質量%以上、99.5質量%以下であり、さらに好ましくは97質量%以上、99質量%以下である。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン−6、ナイロン−11、ナイロン−12、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10などの脂肪族ポリアミド単独重合体、ナイロン−6/12、ナイロン−6/11、ナイロン−6/9、ナイロン−6/6,6、ナイロン−6/6,6/6,10などの脂肪族ポリアミド共重合体、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD−6)、ヘキサメチレンテレフタラミド/ヘキサメチレンイソフタラミド共重合体(ナイロン−6T/6I)などの芳香族ポリアミドなどを挙げることができる。これらは、それぞれ単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。これらの中でも、良好なガスバリア性を有するナイロン−6、ナイロン−6,6、MXD−6およびナイロン−6/6,6が好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、PET、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)などを挙げることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ビニルエステル単独重合体、またはビニルエステルと他の単量体との共重合体(例えば、ビニルエステルとエチレンとの共重合体)を、アルカリ触媒などを用いてケン化して得られる樹脂である。ビニルエステルとしては、酢酸ビニルが代表的な化合物として挙げられるが、プロピオン酸ビニルやピバリン酸ビニルなど、その他の脂肪酸ビニルエステルを用いても良い。ポリビニルアルコール系樹脂の中でも、溶融成形が容易であり、高湿度下においても良好なガスバリア性を発揮することができるという点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)が特に好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ4−メチルペンテン、ポリ1−ブテンなどを挙げることができる。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニルまたは塩化ビニリデンの単独重合体、酢酸ビニル、マレイン酸誘導体、高級アルキルビニルエーテルなどとの共重合体を挙げることができる。
ポリアクリロニトリル系樹脂としては、アクリロニトリルの単独重合体、アクリル酸エステルなどとの共重合体を挙げることができる。
酸素バリア層における基材樹脂の含有量は、90質量%以上、100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上、100質量%以下であることがより好ましく、98.5質量%以上、100質量%以下であることがさらに好ましい。
また、酸素バリア層は、酸素吸収剤を含んでなることが好ましい。酸素吸収剤としては、鉄系酸素吸収剤および非鉄系酸素吸収剤を挙げることができ、容器本体の透明性を維持することができるため、非鉄系酸素吸収剤がより好ましい。なお、酸素バリア層以外の層が、酸素吸収剤を含んでいてもよい。
鉄系酸素吸収剤としては、還元鉄粉、界面鉄粉、噴霧鉄粉、鉄研削粉、電解鉄粉、粉砕鉄などの鉄粉が挙げられる。
また、非鉄系酸素吸収剤としては、エチレン系不飽和基含有共重合体などを挙げることができる。エチレン系不飽和基含有共重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリ(2−エチルブタジエン)、ポリ(2−ブチルブタジエン)などのポリジエンであって主として1,4位で重合したもの、ポリオクテニレン、ポリペンテニレン、ポリノルボルネンなどのシクロオレフィンの開環メタセシス重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などのスチレン−ジエン系ブロック共重合体などを挙げることができるが、これらの中でも、ポリブタジエン、ポリオクテニレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。
酸素バリア層における酸素吸収剤の含有量は、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましく、0.1〜2質量%であることがさらに好ましい。
また、酸素バリア層は、コバルト、鉄、ニッケル、銅、マンガン、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、これらの混合物、これら金属の塩からなる群より選択される1以上の酸化促進剤を含んでなることが好ましい。これらの中でも、コバルト、鉄、ニッケル、銅、マンガンを含んでなることが好ましく、コバルトを含んでなることが特に好ましい。酸素バリア層が、酸化促進剤を含んでなることにより、分子状酸素により自動酸化され得る酸素吸収剤の酸化が促進され、酸素バリア層の酸素吸収能が向上する。なお、酸素バリア層以外の層が、酸化促進剤を含んでいてもよい。
金属の塩としては、無機塩、有機塩および錯塩などを挙げることができる。無機塩としては、ハロゲン化塩、オキシ塩、オキシ酸塩、ケイ酸塩などが挙げられる。また、有機酸塩としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩などが挙げられる。また、錯塩としては、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとの錯体が挙げられる。
酸素バリア層における酸化促進剤の含有量は、0.01質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上、5質量%以下であることがより好ましい。
容器本体10における酸素バリア層以外の層は、熱可塑性樹脂、特にPE、PP、PET、PENおよびポリカーボネート(PC)などを含んでなることが好ましい。また、上述した基材樹脂や酸素吸収剤、酸化促進剤などをブレンドして用いても良い。
容器本体10は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色などの色に着色されていても良いが、リサイクルのしやすさを考慮した場合、無色透明であることが好ましい。さらに、容器本体10の内面に、容器のバリア性を高めるために、例えばダイヤモンド状炭素膜や酸化珪素薄膜などの蒸着膜を形成しても良い。
一実施形態において、容器本体10は、上記した基材樹脂および酸素吸収剤や酸化促進剤などを含んでなる樹脂組成物を押出成形または射出成形して製作したプリフォーム10a(後述)を二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。
また、押出成形または射出成形する前の樹脂組成物の溶融物に、不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上、100μm以下の発泡セル径を持つ発泡プリフォームを成形し、この発泡プリフォームをブロー成形することによって、容器本体10を作製することができる。このような容器本体10は、発泡セルを内蔵しているため、容器本体10全体の遮光性を高めることができる。
一実施形態において、容器本体10を、酸素バリア層を中間層として備える3層以上からなるプリフォーム10aを多層押出成形または多層射出成形後、ブロー成形することにより酸素吸収性を有する多層成形体として形成しても良い。具体的な層構成としては、PET/MXD−6+酸化促進剤(酸素バリア層)/PETや、PET/PET+MXD−6+酸化促進剤(酸素バリア層)/PETなどが挙げられる。
このような容器本体10の満注容量は特に制限されるものではないが、例えば、100ml以上、2000ml以下のボトルからなっていても良い。あるいは、容器本体10は、満注容量が例えば10L以上、60L以下の大型ボトルであっても良い。
次にプラスチック製部材40について説明する。プラスチック製部材40(40a)は、ガスバリア層を有しており、後述するようにプリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられ、プリフォーム10aの外側に密着された後、プリフォーム10aとともに2軸延伸ブロー成形することにより得られたものである。
プラスチック製部材40は容器本体10の外面に接着されることなく取付けられており、容器本体10に対して移動又は回転しないほどに密着されている。このプラスチック製部材40は、容器本体10の外面において薄く引き延ばされて容器本体10を覆っている。また、図2に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
この場合、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11および首部13を除く、肩部12、胴部20および底部30を覆うように設けられている。これにより、容器本体10の肩部12、胴部20および底部30に対して所望の機能や特性を付与することができる。
なお、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち口部11以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11を除く、首部13、肩部12、胴部20および底部30の全体を覆うように設けられていても良い。さらに、プラスチック製部材40は1つに限らず、複数設けても良い。例えば、2つのプラスチック製部材40を肩部12の外面および底部30の外面にそれぞれ設けても良い。
一方、プラスチック製部材40は、容器本体10に対して溶着ないし接着されていないため、容器本体10から剥離して除去することができる。具体的には、例えば刃物などを用いてプラスチック製部材40を切除したり、プラスチック製部材40に予め図示しない切断線を設け、この切断線に沿ってプラスチック製部材40を剥離したりすることができる。これにより、印刷が施されたプラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができるので、従来と同様に無色透明な容器本体10をリサイクルすることができる。
ブロー成形後のプラスチック製部材40の厚みは、これに限定されるものではないが、容器本体10に取り付けられた状態で例えば5μm以上、50μm以下とすることができる。
ブロー成形後のガスバリア層の厚さは、プラスチック製部材40が、単層構造を有する場合、多層構造を有する場合など、プラスチック製部材40の構成に応じて適宜変更することができるが、例えば、0.1μm以上、20μm以下とすることができる。
次に図3により、本実施の形態による複合プリフォームの構成について説明する。
図3に示すように、複合プリフォーム70は、プラスチック材料製のプリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に設けられた有底円筒状のプラスチック製部材40aとを備えている。
このうちプリフォーム10aは、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。このうち口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、胴部20aは、上述した容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
プラスチック製部材40aは、ガスバリア層を有している。また、プラスチック製部材40aは、ガスバリア層からなる単層構造を有するものであってもよく、ガスバリア層を備える多層構造を有するものであってもよい。なお、プラスチック製部材40aは、ガスバリア層を2以上備えるものであってもよい。なお、ガスバリア層とは、酸素バリア性および/または水蒸気バリア性を有する層である。プラスチック製部材40(40a)がガスバリア層を有していることにより、容器内への酸素の侵入を防ぎ、充填されたワインが酸化することを防止することができる。また、容器内から外部への水蒸気の蒸散を防ぎ、内容量が減少することを防止することができる。
プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの外面に接着されることなく取付けられており、プリフォーム10aに対して移動又は回転しないほどに密着されているか、又は自重で落下しない程度に密着されている。プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、円形状の水平断面を有している。
この場合、プラスチック製部材40aは、胴部20aのうち容器本体10の首部13に対応する部分13aを除く全域と、底部30aの全域とを覆うように設けられている。
なお、プラスチック製部材40aは、口部11a以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40aは、口部11aを除く、胴部20aおよび底部30aの全体を覆うように設けられていても良い。さらに、プラスチック製部材40aは1つに限らず、複数設けても良い。例えば、2つのプラスチック製部材40aを胴部20aの外側2箇所にそれぞれ設けても良い。
このようなプラスチック製部材40aとしては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもたないものであっても良く、収縮する作用をもつもの(収縮チューブ)であっても良い。ブロー成形後において、容器本体と、プラスチック製部材40との間に入り込む空気が少ない、即ち、密着性が高いという観点からは、プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもつものであることが好ましい。
前者の場合、プラスチック製部材40aとしては、例えばブロー成形により作製されたブローチューブ、シート成形により作製されたシート成形チューブ、押出成形により作製された押出チューブ、インフレーション成形により作製されたインフレーション成形チューブ、射出成形チューブなどを用いることができるが、これに限定されるものではなく、上記以外の成形方法を用いても良い。
一方、プラスチック製部材40aが収縮する作用をもつ場合、プラスチック製部材40aは、例えば、外的な作用(例えば熱)が加えられた際、プリフォーム10aに対して収縮するもの(熱収縮チューブ)が用いられても良い。あるいは、プラスチック製部材40は、それ自体が収縮性ないし弾力性を持ち、外的な作用を加えることなく収縮可能なものであっても良い。
プラスチック製部材40a(40)が有するガスバリア層は、PE、PP、MXD−6、EVOH、ポリビニルアルコール(PVOH)、ビニリデンクロライド/ビニルクロライド共重合体およびビニリデンクロライド/メチルメタクリレート共重合体などの樹脂材料を1種または2種以上含んでなることが好ましい。これらの中でも、特にガスバリア性に優れるため、EVOHを含んでなることが好ましい。
プラスチック製部材40aが有するガスバリア層は、上記した樹脂材料以外にも、例えば、PEt、PEN、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹旨、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、フタル酸ジアリル樹脂、フッ素系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリブタジエン、ポリブテン−1、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテレフタル酸エチレン、ポリテレフタル酸ブチレン、ポリナフタレン酸エチレン、Uポリマー、液晶ポリマー、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、エポキシ樹脂などの樹脂材料を含んでなることができる。また、ガスバリア層は、上記した樹脂を構成する2以上のモノマー単位が重合した共重合体を含んでいても良い。さらに、樹脂材料は上記した樹脂を2種以上を含んでなるものであってよい。
またガスバリア層は、その特性が損なわれない範囲において、主成分である上記の樹脂以外にも、各種の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料などを添加することができる。また、上記した樹脂材料の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上、100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用し、この発泡プリフォームを成形することによって、遮光性を高めることができる。
またガスバリア層は、容器本体10(プリフォーム10a)と同一の材料を含んでいても良い。また、プラスチック製部材40(40a)が多層からなる場合、プラスチック製部材40(40a)は、容器本体10(プリフォーム10a)と同一の材料からなる層をガスバリア層とは別に備えていても良い。この場合、複合容器10Aのうち、例えば強度を高めたい部分に重点的にプラスチック製部材40を配置し、当該箇所の強度を選択的に高めることができる。例えば、容器本体10の肩部12周辺および底部30周辺にプラスチック製部材40を設け、この部分の強度を高めても良い。このような材料としては、熱可塑性樹脂、特にPE、PP、PET、PEN、PCを挙げることができる。
またガスバリア層は、紫外線などの光線バリア性を有する材料を含んでいても良い。また、プラスチック製部材40(40a)が多層からなる場合、プラスチック製部材40(40a)は、ガスバリア層とは別に、紫外線などの光線バリア性を有する材料からなる層を備えていても良い。例えば、容器本体10のうち、肩部12、首部13、胴部20および底部30の全域にプラスチック製部材40aを設け、この部分の紫外線バリア性を高めても良い。このような材料としては、ブレンド材料、またはPE、PPに遮光性樹脂を添加した材料が考えられる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることにより作製された、0.5〜100μmの発泡セル径を持つ発泡部材を使用しても良い。
またガスバリア層は、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも保温性又は保冷性の高い材料(熱伝導性の低い材料)を含んでいても良い。また、プラスチック製部材40(40a)が多層からなる場合、プラスチック製部材40(40a)は、ガスバリア層とは別に、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも保温性又は保冷性の高い材料(熱伝導性の低い材料)からなる層を備えていても良い。この場合、容器本体10そのものの厚みを厚くすることなく、内容液の温度が複合容器10Aの表面まで伝達しにくくすることが可能となる。これにより、複合容器10Aの保温性又は保冷性が高められる。例えば、容器本体10のうち胴部20の全部又は一部にプラスチック製部材40を設け、胴部20の保温性又は保冷性を高めても良い。また、使用者が複合容器10Aを把持した際、熱すぎたり冷たすぎたりすることにより複合容器10Aを持ちにくくなることが防止される。このような材料としては、発泡化したポリウレタン、ポリスチレン、PE、PP、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂などが考えられる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることにより作製された、0.5μm以上、100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用しても良い。これら樹脂を含んでなる樹脂材料に、中空粒子を混合することが好ましい。中空粒子の平均粒子径は、1μm以上、200μm以下であることが好ましく、5μm以上、80μm以下であることがより好ましい。なお、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味し、粒度分布・粒径分布測定装置(例えば、ナノトラック粒度分布測定装置、日機装株式会社製など)を用いて公知の方法により測定することができる。また、中空粒子としては、樹脂などから構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラスなどから構成される無機系中空粒子であってもよいが、分散性が優れるという理由から、有機系中空粒子が好ましい。有機系中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂などのスチレン系樹脂、アクリロニトリル−アクリル樹脂などの(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂などを挙げることができる。また、ローペイクHP−1055、ローペイクHP−91、ローペイクOP−84J、ローペイクウルトラ、ローペイクSE、ローペイクST(ロームアンドハース(株)製)、ニポールMH−5055(日本ゼオン(株)製)、SX8782、SX866(JSR(株)製)などの市販される中空粒子を用いることもできる。中空粒子の含有量としては、プラスチック製部材40aが単層からなる場合、プラスチック製部材40aに含有される樹脂材料100質量部に対して、0.01質量部以上、50質量部以下であることが好ましく、1質量部以上、20質量部以下であることがより好ましい。また、プラスチック製部材40aが多層からなる場合、中空粒子が含まれる層に含まれる樹脂材料100質量部に対して、0.01質量部以上、50質量部以下であることが好ましく、1質量部以上、20質量部以下であることがより好ましい。
またガスバリア層は、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも滑りにくい材料を含んでいても良い。また、プラスチック製部材40(40a)が多層からなる場合、プラスチック製部材40(40a)は、ガスバリア層とは別に、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも滑りにくい材料からなる層を最外層として備えていても良い。この場合、容器本体10の材料を変更することなく、使用者が複合容器10Aを把持しやすくすることができる。例えば、容器本体10のうち胴部20の全部又は一部にプラスチック製部材40を設け、胴部20を持ちやすくしても良い。
また、プラスチック製部材40a(40)は、着色剤および/または紫外線吸収剤を含んでなることが好ましい。なお、着色剤および/または紫外線吸収剤は、ガスバリア層に含まれていても良く、その他の層に含まれていても良い。また、2層以上の層が、着色剤および/または紫外線吸収剤を含んでいてもよい。
プラスチック製部材40a(40)が着色剤を含んでなることにより、所望の波長領域の可視光線をカット(吸収または反射)することができ、可視光線により複合容器10Aに充填される内容物であるワインの変性を防止することができる。例えば、波長400〜500nmの可視光線をカットすることが求められる場合、プラスチック製部材40(40a)の全体を茶色に着色することにより、波長400〜500nmの可視光線をカットすることができる。なそ、本明細書中、可視光線とは、波長が380nm〜800nmの光線をいう。
同様に、プラスチック製部材40a(40)が紫外線吸収剤を含んでなることにより、紫外線による複合容器10Aに充填される内容物であるワインの変性を防止することができる。なお、本明細書中、紫外線とは、波長が10nm〜400nmの光線をいう。また、紫外線の透過率が5%以下であるとは、紫外線の波長領域(10nm〜400nm)の全域でその透過率が5%以下となることをいう。
着色剤としては、茶色、黒色、緑色、白色、青色または赤色など所望の色の着色剤を、使用することができ、単独で使用しても、2以上を併用してもよい。また、着色剤は、顔料であっても、染料であってもよいが、耐光性という観点からは、顔料であることが好ましい。さらに、顔料の中でも、光反射性顔料、光吸収性顔料が好ましい。光反射性顔料としては、例えば、チタンホワイト、アルミニウム粉、マイカ粉、硫化亜鉛、亜鉛華、炭酸カルシウム、カオリン、タルクなどが挙げられ、光吸収性顔料としては、カーボンブラック、セラミックブラック、ボーンブラックなどが挙げられる。プラスチック製部材40(40a)が光反射性着色剤および/または光吸収性着色剤を含んでなることにより、より広い波長領域の可視光線をカットすることができ、複合容器10Aに充填される内容物の変性を防止することができる。上記した着色剤の中でも、プラスチック製部材40の可視光透過率を顕著に低下させることができるため、黒、茶等の光吸収性顔料がより好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤およびベンゾエート系紫外線吸収剤などが挙げられる。
プラスチック製部材40aは、上記したように多層からなるものであってもよく、例えば、最内面と最外面との層を構成する主成分が同じであっても、異なっていてもよい。具体的な層構成としては、最内面から、低密度PE/接着層/EVOH(ガスバリア層)/接着層/低密度PEのもの、PP/接着層/EVOH(ガスバリア層)/接着層/PPのものが挙げられる。接着層を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤などが挙げられる。
さらにプラスチック製部材40(40a)には、デザイン又は印字が施されていても良い。この場合、ブロー成形後に容器本体10に対して別途ラベルなどを付与することなく、複合容器10Aに画像や文字を表示することが可能となる。例えば、容器本体10のうち胴部20の全部又は一部にプラスチック製部材40を設け、胴部20に画像や文字を表示しても良い。印刷は、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などの印刷法により、無地のプラスチック製部材40aにデザイン又は印字が施されて形成されても良い。例えば、インクジェット法を用いる場合、プラスチック製部材40aにUV硬化型インクを塗布し、これにUV照射を行い、硬化することにより印刷層を形成させることができる。この印刷は、プリフォーム10aに取り付けられる前のプラスチック製部材(収縮チューブ)40aに対して施されても良く、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けた状態で施されても良い。さらに、ブロー成形後の複合容器10Aのプラスチック製部材40に印刷が施されても良い。プラスチック製部材40の材料としては、容器本体10と同一のものを用いても良く、容器本体10と異なるものを用いても良い。また、プラスチック製部材40aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色などの色に着色されていても良く、さらに透明であっても不透明であっても良い。
次にプラスチック製部材40aの形状について説明する。
図3および図4(a)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有していても良い。この場合、プラスチック製部材40aの底部42がプリフォーム10aの底部30aを覆うので、複合容器10Aの胴部20に加え、底部30に対しても様々な機能や特性を付与することができる。このようなプラスチック製部材40aは、例えば上述したブローチューブ、シート成形チューブ、射出成形チューブを挙げることができる。
また、図9(後述)および図4(b)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として円管形状(無底円筒形状)からなり、円筒状の胴部41を有していても良い。この場合、プラスチック製部材40aとしては、例えば上述したブローチューブ、押出チューブ、インフレーション成形チューブ、シート成形チューブ、射出成形チューブを用いることができる。
また、図4(c)および図4(d)に示すように、プラスチック製部材40aは、フィルムを筒状に形成してその端部を貼り合わせることにより作製されても良い。この場合、図4(c)に示すように、プラスチック製部材40aは、胴部41を有する管形状(無底円筒形状)に構成されていても良く、図4(d)に示すように、底部42を貼り合わせることにより有底筒形状に構成されていても良い。この場合、プラスチック製部材40aとしては、例えばブローチューブ、押出チューブ、インフレーション成形チューブ、シート成形チューブ、射出成形チューブを用いることができる。
次に、プラスチック製部材40aの製造方法について説明する。
一実施形態において、プラスチック製部材40aは、上記した樹脂材料などを含んでなる樹脂シートを成形することにより製造することができる。成形方法としては、例えば、深絞り成形、または樹脂シートをチューブ状に成形し、その端部を融着、または接着する方法などが挙げられる。また、多層からなるプラスチック製部材40aは、2以上の樹脂シートを、上記した接着剤を介して積層させた積層樹脂シートを成形することにより得ることができる。
上記樹脂シートは、市販品を用いてもよいし、従来公知の方法により製造することができる。本発明においては、押出成形により製造することが好ましく、押出成形が、Tダイ法またはインフレーション法により行われることが好ましい。
例えば、以下の方法で、押出成形により樹脂シートを成形することができる。上記した樹脂材料またはこれを含む混合物を乾燥させた後、熱可塑性樹脂の融点以上の温度(Tm)〜Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、樹脂材料または混合物を加熱溶融し、例えばTダイなどのダイよりシート状に押し出し、押し出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化することにより樹脂シートを成形することができる。溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機などを目的に応じて使用することができる。
加熱温度は、インフレーション法では、好ましくは170〜230℃、より好ましくは180〜220℃、Tダイ法では好ましくは180〜300℃、より好ましくは210〜270℃である。
上記の樹脂材料またはこれを含む混合物は、例えば、0.3〜30g/10分、インフレーション法では好ましくは0.3〜8g/10分、0.3〜6g/10分、Tダイ法では好ましくは0.3〜20g/10分、より好ましくは4〜15g/10分のメルトフローレート(MFR)を有するものである。メルトフローレートとは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。MFRが0.3g/10分以上であれば、成形加工時の押出負荷を低減することができる。また、MFRが30g/10分以下であれば、樹脂シートの機械的強度を高めることができる。
一実施形態において、プラスチック製部材40aは、加熱溶融した樹脂材料またはこれを含む混合物をチューブ状に押し出すことによっても製造することができる。多層からなるプラスチック製部材40aは、2種以上の樹脂材料または混合物を共押し出しすることにより得ることができる。また、上記樹脂材料または混合物の押し出しを金型内で行い、さらにその金型内において、金型の内面に沿って拡径するようにブロー成形することによっても、プラスチック製部材40aを得ることができる。
また、以下の方法により収縮性を有するプラスチック製部材40aを得ることができる。まず、上記樹脂材料またはこれを含む混合物を押し出すことにより得られたチューブの一端を接着、溶着などにより閉鎖する。一端を閉鎖したチューブを、チューブの外径よりも大きい内径を有するチューブ状の金型内に配置し、チューブの他端にブロー装置を配置する。このとき、ブロー装置は、チューブと、これらの間からエアが漏れないよう密着させることが好ましい。次いで、このチューブ、金型およびブロー装置を、この配置のまま加熱炉に送り込み、加熱炉の内部で70℃以上、150℃以下に加熱する。加熱炉としては、その内部を均一な温度にするために、熱風循環式加熱炉を用いても良い。あるいはチューブ、金型およびブロー装置を、加熱した液体中を通過させることにより、これらを加熱しても良い。次に、チューブ、金型およびブロー装置を、加熱炉から取り出し、ブロー装置からチューブ内にエアを噴出することにより、チューブの内面を加圧延伸する。これにより、チューブは、膨張し、金型の内面形状に沿って拡径される。その後、ブロー装置からエアを噴出した状態のまま、チューブを冷水中で冷却し、チューブを金型から取り出す。これを所望の大きさにカットすることにより収縮性を有するプラスチック製部材40aが得られる。
また、一実施形態において、プラスチック製部材40aは、射出成形法によっても得ることができる。具体的には、まず、樹脂材料またはこれを含む混合物を加熱溶融する。次いで、加熱溶融した混合物を金型内に射出する。これを冷却し、金型内から取り出すことによっても、プラスチック製部材40aを得ることができる。
次に図5(a)〜(f)により、本実施の形態による複合容器10Aの製造方法について説明する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図5(a)参照)。この場合、例えば図示しない射出成形機を用いて、射出成形法によりプリフォーム10aを作製しても良い。また、プリフォーム10aとして、従来一般に用いられるプリフォームを用いても良い。
次に、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けることにより、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に密着されたプラスチック製部材40aとを有する複合プリフォーム70を作製する(図5(b)参照)。この場合、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有している。このプラスチック製部材40aは、胴部20aのうち容器本体10の首部13に対応する部分を除く全域と、底部30aの全域とを覆うように装着される。
この場合、プリフォーム10aの外径と同一又はわずかに小さい内径をもつプラスチック製部材40aを、プリフォーム10aに対して押し込むことにより、プリフォーム10aの外面に密着させても良い。あるいは、後述するように、熱収縮性をもつプラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外面に設け、このプラスチック製部材40aを50℃乃至100℃に加熱することにより熱収縮させてプリフォーム10aの外面に密着させても良い。
このように、予めプリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを密着させ、複合プリフォーム70を作製しておくことにより、複合プリフォーム70を作製する一連の工程(図5(a)〜(b))と、複合容器10Aをブロー成形により作製する一連の工程(図5(c)〜(f))とを別々の場所(工場など)で実施することが可能になる。
次に、複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図5(c)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均などに加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
続いて、加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、ブロー成形金型50に送られる(図5(d)参照)。
複合容器10Aは、このブロー成形金型50を用いて成形される。この場合、ブロー成形金型50は互いに分割された一対の胴部金型50a、50bと、底部金型50cとからなる(図5(d)参照)。図5(d)において、一対の胴部金型50a、50b間は互いに開いており、底部金型50cは上方に上がっている。この状態で一対の胴部金型50a、50b間に、複合プリフォーム70が挿入される。
次に図5(e)に示すように、底部金型50cが下がったのちに一対の胴部金型50a、50bが閉鎖され、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cにより密閉されたブロー成形金型50が構成される。次にプリフォーム10a内に空気が圧入され、複合プリフォーム70に対して2軸延伸ブロー成形が施される。
このことにより、ブロー成形金型50内でプリフォーム10aから容器本体10が得られる。この間、胴部金型50a、50bは30℃乃至80℃まで加熱され、底部金型50cは5℃乃至25℃まで冷却される。この際、ブロー成形金型50内では、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが一体として膨張される。これにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、一体となってブロー成形金型50の内面に対応する形状に賦形される。
このようにして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aが得られる。
次に図5(f)に示すように、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cが互いに離れ、ブロー成形金型50内から複合容器10Aが取出される。
複合容器10Aの製造方法の変形例
次に、図6(a)〜(f)により、本実施の形態による複合容器10Aの製造方法の変形例について説明する。図6(a)〜(f)に示す変形例は、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aに対して収縮する作用をもつもの(収縮チューブ)であり、他の構成は、図5(a)〜(f)に示す形態と略同一である。図6(a)〜(f)において、図5(a)〜(f)と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図6(a)参照)。
次に、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設ける(図6(b)参照)。この場合、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有している。このプラスチック製部材40は、胴部20aのうち容器本体10の首部13に対応する部分を除く全域と、底部30aの全域とを覆うように装着される。
次に、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、加熱装置51によって加熱される(図6(c)参照)。このとき、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均などに加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
このように、プラスチック製部材40aが加熱されることにより、プラスチック製部材40aが熱収縮し、プリフォーム10aの外側に密着する(図6(c)参照)。なお、プラスチック製部材40a自体が収縮性を有する場合、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けた時点(図6(b)参照)でプラスチック製部材40aがプリフォーム10aの外側に密着していても良い。
続いて、加熱装置51によって加熱されたプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、ブロー成形金型50に送られる(図6(d)参照)。
プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、このブロー成形金型50を用いて成形され、上述した図5(a)〜(f)の場合と略同様にして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aが得られる(図6(d)〜(f)参照)。
次に図7(a)〜(g)により、本実施の形態によるブロー成形方法(複合容器10Aの製造方法)の他の変形例について説明する。図7(a)〜(g)に示す変形例は、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aに対して収縮する作用をもつものであり(収縮チューブ)、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを2段階で加熱するものであり、他の構成は、図5(a)〜(f)に示す形態と略同一である。図7(a)〜(g)において、図5(a)〜(f)と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図7(a)参照)。
次に、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設ける(図7(b)参照)。この場合、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有している。このプラスチック製部材40は、胴部20aのうち容器本体10の首部13に対応する部分を除く全域と、底部30aの全域とを覆うように装着される。
次に、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、第1の加熱装置55によって加熱される(図7(c)参照)。このとき、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば50℃乃至100℃としても良い。
プラスチック製部材40aが加熱されることにより、プラスチック製部材40aが熱収縮し、プリフォーム10aの外側に密着する。これにより、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に密着されたプラスチック製部材40aとを有する複合プリフォーム70が得られる(図7(c)参照)。
このように、第1の加熱装置55を用いて予めプリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを加熱密着させ、複合プリフォーム70を作製しておくことにより、複合プリフォーム70を作製する一連の工程(図7(a)〜(c))と、複合容器10Aをブロー成形により作製する一連の工程(図7(d)〜(g))とを別々の場所(工場など)で実施することが可能になる。
次に、複合プリフォーム70は、第2の加熱装置51によって加熱される(図7(d)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、第2の加熱装置51によって周方向に均などに加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
続いて、第2の加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、ブロー成形金型50に送られる(図7(e)参照)。
複合プリフォーム70は、このブロー成形金型50を用いて成形され、上述した図5(a)〜(f)の場合と略同様にして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられた収縮チューブ40とを備えた複合容器10Aが得られる(図7(e)〜(g)参照)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ブロー成形金型50内で複合プリフォーム70に対してブロー成形を施すことにより、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを一体として膨張させ、容器本体10とプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aを作製する。これにより、プリフォーム10a(容器本体10)とプラスチック製部材40a(プラスチック製部材40)とを別部材から構成することができる。したがって、プラスチック製部材40の種類や形状を適宜選択することにより、複合容器10Aに様々な機能や特性を自在に付与することができる。
また、本実施の形態によれば、複合容器10Aを作製する際、一般的なブロー成形装置をそのまま用いることができるので、複合容器10Aを作製するための新たな成形設備を準備する必要が生じない。
変形例
次に図8、図9および図10(a)〜(f)により本発明の第1の実施の形態の変形例について説明する。
図8、図9および図10(a)〜(f)に示す変形例は、プラスチック製部材40aとして胴部と底部とを有するものではなく、円筒状のプラスチック製部材40aを用いたものである。
図8に示す複合容器10Aにおいて、プラスチック製部材40は、容器本体10の肩部12から胴部20の下方部分まで延びているが、底部30まで達していない。また、図9に示す複合プリフォーム70において、プラスチック製部材40aはプリフォーム10aの胴部20aのみを覆うように密着されており、より詳細には、胴部20aのうち容器本体10の首部13に対応する部分13aと胴部20aの下部に対応する部分とを除く領域を覆っている。
図8、図9および図10(a)〜(f)において他の構成は、図1乃至図5に示す実施の形態と略同一である。図8、図9および図10(a)〜(f)に示す変形例において、図1乃至図5に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
このほか、複合容器10Aの構成および製造方法、ならびに複合プリフォーム70の構成および製造方法については、図1乃至図5に示す実施の形態と略同様であるので、詳細な説明を省略する。また、図8、図9および図10(a)〜(f)において、プラスチック製部材40がプリフォーム10aに対して収縮する作用をもつものを用いても良い。
ワイン製品
上記した複合容器10Aにワインを充填することにより、ワイン製品を得ることができる。
一実施形態において、複合容器10Aへのワインの充填は、
容器本体10の口部11からワインを充填する工程と、
口部11から、液体窒素を充填する工程と、
口部11をキャップで密封する工程と、を含む方法により行われる。
容器本体10の口部11からワインを充填する際、ワインの温度は、15℃以上、90℃以下であることが好ましく、50℃以上、75℃以下であることがより好ましい。充填の際のワインの温度が上記範囲内であれば、ワインに溶存する酸素を追い出すことができ、保管時のワインの酸化を防止することができる。
容器本体10の口部11からの液体窒素の充填は、ワインの充填前または充填後のいずれで行ってもよい。容器本体10へ液体窒素を充填することにより、容器本体10内が陽圧状態となり、容器本体10内の酸素を追い出すことができ、保管時のワインの酸化を防止することができる。
ワインおよび液体窒素を容器本体10へ充填後、口部11へキャップを取り付け、密封することにより、ワイン製品を得ることができる。
上記方法によりワインが充填されたワイン製品は、複合容器10A内の溶存酸素が極めて少なく、更に、プラスチック製部材が有するガスバリア層により、長期間保管しても、複合容器内へ酸素が侵入することなく、ワインの酸化を効果的に防止することができる。
第2の実施の形態
次に、図面を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図11乃至図20は本発明の第2の実施の形態を示す図である。図11乃至図20において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、図11および図12により、本実施の形態によるブロー成形方法によって作製される複合容器の概要について説明する。
図11および図12に示す複合容器10Aは、後述するように、ブロー成形金型50を用いてプリフォーム10a、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aを含む複合プリフォーム70(図13参照)に対して2軸延伸ブロー成形を施すことにより、複合プリフォーム70のプリフォーム10a、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aを一体として膨張させて得られたものである。
このような複合容器10Aは、内側に位置するプラスチック材料製の容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられた内側ラベル部材60と、内側ラベル部材60の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを備えている。
このうち容器本体10は、酸素バリア層を有していることが好ましく、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。
一方、内側ラベル部材60は、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しないほどに密着されている。
また、プラスチック製部材40は、容器本体10の外面かつ内側ラベル部材60の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しないほどに密着されている。
プラスチック製部材40は、その少なくとも一部が半透明又は透明であることが考えられ、この場合、この半透明又は透明な部分を介して、内側ラベル部材60を外方から視認できる。なお、プラスチック製部材40は、その全体が半透明又は透明であっても良く、あるいは不透明な部分と半透明又は透明な部分(例えば窓部)とを有していても良い。なお、本実施の形態ではプラスチック製部材40の全体が透明である場合を例にとって説明する。
次に内側ラベル部材60について説明する。内側ラベル部材60(60a)は後述するようにプリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられ、このプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aと一体となって2軸延伸ブロー成形されることにより得られたものである。
内側ラベル部材60は容器本体10の外面に接着されることなく取付けられており、容器本体10に対して移動又は回転しないほどに密着されている。この内側ラベル部材60は、容器本体10の外面において薄く引き延ばされて容器本体10を覆っている。図12に示すように、内側ラベル部材60は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
この場合、内側ラベル部材60は、容器本体10のうち、口部11および首部13を除く、肩部12、胴部20および底部30を覆うように設けられている。これにより、容器本体10の肩部12、胴部20および底部30に所望の文字、画像などを付与し、複合容器10Aに対して装飾性をもたせたり、情報を表示させたりすることができる。
なお、内側ラベル部材60は、容器本体10のうち口部11以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、内側ラベル部材60は、容器本体10のうち、口部11を除く、首部13、肩部12、胴部20および底部30の全体を覆うように設けられていても良い。さらに、内側ラベル部材60は1つに限らず、複数設けても良い。なお、内側ラベル部材60は、プラスチック製部材40と同一の領域に設けられていても良く、プラスチック製部材40よりも狭い領域に設けられていても良い。後者の場合、内側ラベル部材60はプラスチック製部材40によって完全に覆われることが好ましい。
また内側ラベル部材60の厚みは、これに限定されるものではないが、容器本体10に取り付けられた状態で例えば5μm以上、50μm以下程度とすることができる。
次にプラスチック製部材40について説明する。プラスチック製部材40(40a)は後述するように内側ラベル部材60aの外側を取り囲むように設けられ、プリフォーム10aおよび内側ラベル部材60aと一体となって2軸延伸ブロー成形されることにより得られたものである。
プラスチック製部材40は内側ラベル部材60の外面に接着されることなく取付けられており、容器本体10に対して移動又は回転しないほどに密着されている。このプラスチック製部材40は、内側ラベル部材60の外面において薄く引き延ばされて内側ラベル部材60を覆っている。図12に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
このほか、容器本体10およびプラスチック製部材40の構成は、上述した第1の実施の形態の場合と略同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
次に図13により、本実施の形態による複合プリフォームの構成について説明する。
図13に示すように、複合プリフォーム70は、プラスチック材料製のプリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に密着して設けられた有底円筒状の内側ラベル部材60aと、内側ラベル部材60aの外側に密着して設けられた有底円筒状のプラスチック製部材40aとを備えている。
内側ラベル部材60aは、プリフォーム10aの外面に密着されており、プリフォーム10aに対して容易に移動又は回転しない状態で密着されている。内側ラベル部材60aは、プリフォーム10aを取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
内側ラベル部材60aには、予めデザイン又は印字が施されていても良い。例えば、図柄や商品名などのほか、内容液の名称、製造者、原材料名などの文字情報が記載されていても良い。この場合、ブロー成形後に容器本体10に対して別途ラベルなどを付与することなく、複合容器10Aに画像や文字を表示することが可能となる。例えば、プリフォーム10aのうち胴部20aの全部又は一部に内側ラベル部材60aを設け、成形後に容器本体10の胴部20に画像や文字が表示されるようにしても良い。これにより、容器を密栓した後、ラベラーを用いてラベルを付与する工程が不要となるので、製造コストを抑制することができるとともに、歩留まりが低下することを防止することができる。
このような内側ラベル部材60aとしては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂などのフィルムを用いることができる。内側ラベル部材60aは、容器本体10(プリフォーム10a)および/またはプラスチック製部材40aと同一の材料からなっていても良く、異なる材料からなっていても良い。
また、内側ラベル部材60aとして、以下に説明する各種材料を用いることもできる。
例えば内側ラベル部材60aは、酸素バリア性又は水蒸気バリア性などのガスバリア性を有する材料からなっていても良い。この場合、容器本体10のみでなく、内側ラベル部材60もガスバリア性を有することとなるため、極めてガスバリア性の高い複合容器10Aを得ることができる。このような材料としては、PE、PP、MXD−6(ナイロン)、EVOHまたはこれらの材料に脂肪酸塩などの酸素吸収材を混ぜることも考えられる。
また内側ラベル部材60aは、紫外線などの光線バリア性を有する材料からなっていても良い。この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォームなどを用いることなく、複合容器10Aの光線バリア性を高め、容器内への酸素の侵入を防ぎ、内容液が劣化することを防止し、また、容器内から外部への水蒸気の蒸散を防ぎ、内容量が減少することを防止することができる。このような材料としては、ブレンド材料、またはPETやPE、PPに遮光性樹脂を添加した材料が考えられる。
また内側ラベル部材60aは、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも保温性又は保冷性の高い材料(熱伝導性の低い材料)からなっていても良い。この場合、容器本体10そのものの厚みを厚くすることなく、内容液の温度が複合容器10Aの表面まで伝達しにくくすることが可能となる。これにより、複合容器10Aの保温性又は保冷性が高められる。このような材料としては、発泡化したポリウレタン、ポリスチレン、PE、PP、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂などが考えられる。さらに中空粒子を含んでなることが好ましい。中空粒子の平均粒子径は、1μm以上、200μm以下であることが好ましく、5μm以上、80μm以下であることがより好ましい。また、中空粒子としては、樹脂などから構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラスなどから構成される無機系中空粒子であってもよいが、分散性が優れるという理由から、有機系中空粒子が好ましい。有機系中空粒子を構成する樹脂としては、上記したものと同様のものを挙げることができる。また、上記市販される中空粒子を用いることもできる。中空粒子の含有量としては、内側ラベル部材60aに含有される樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上、50質量部以下であることが好ましく、1質量部以上、20質量部以下であることがより好ましい。
一方、プラスチック製部材40aは、内側ラベル部材60aの外面に接着されることなく取付けられており、プリフォーム10aに対して移動又は回転しないほどに密着されている。プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
この場合、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aは、胴部20aのうち容器本体10の首部13に対応する部分13aを除く全域と、底部30aの全域とを覆うように設けられている。
なお、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aは、口部11a以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aは、口部11aを除く、胴部20aおよび底部30aの全体を覆うように設けられていても良い。さらに、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aはそれぞれ1つに限らず、複数設けても良い。例えば、2つの内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aを胴部20aの外側2箇所にそれぞれ設けても良い。
このようなプラスチック製部材40aとしては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもたないものであっても良く、収縮する作用をもつものであっても良い。
後者の場合、プラスチック製部材40aとしては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもつものであれば良い。なお、プラスチック製部材(収縮チューブ)40aは、外的な作用(例えば熱)が加えられた際、プリフォーム10aに対して収縮するもの(熱収縮チューブ)が用いられることが好ましい。
このほか、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの構成は、上述した第1の実施の形態の場合と略同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
次にプラスチック製部材40aおよび/または内側ラベル部材60aの形状について説明する。
図13および図14(a)に示すように、プラスチック製部材40a(内側ラベル部材60a)は、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41(胴部61)と、胴部41(胴部61)に連結された底部42(底部62)とを有していても良い。この場合、プラスチック製部材40a(内側ラベル部材60a)の底部42(底部62)がプリフォーム10aの底部30aを覆うので、複合容器10Aの胴部20に加え、底部30に対しても様々な機能や特性を付与することができる。
また、図19(後述)および図14(b)に示すように、プラスチック製部材40a(内側ラベル部材60a)は、全体として円管形状(無底円筒形状)からなり、円筒状の胴部41(胴部61)を有していても良い。この場合、プラスチック製部材40a(内側ラベル部材60a)としては、例えば押出チューブを用いることができる。
また、図14(c)および図14(d)に示すように、プラスチック製部材40a(内側ラベル部材60a)は、フィルムを筒状に形成してその端部を貼り合わせることにより作製されても良い。この場合、図14(c)に示すように、プラスチック製部材40aは、胴部41(胴部61)を有する管形状(無底円筒形状)に構成されていても良く、図14(d)に示すように、底部42(底部62)を貼り合わせることにより有底筒形状に構成されていても良い。
次に図15(a)〜(f)により、本実施の形態によるブロー成形方法(複合容器10Aの製造方法)について説明する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図15(a)参照)。
次に、プリフォーム10aの外側に内側ラベル部材60aを設けるとともに、内側ラベル部材60aの外側にプラスチック製部材40aを設ける。これにより、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に密着された内側ラベル部材60aと、内側ラベル部材60aの外側に密着されたプラスチック製部材40aとを有する複合プリフォーム70を作製する(図15(b)参照)。この場合、内側ラベル部材60aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部61と、胴部61に連結された底部62とを有している。
この際、プリフォーム10aの外径と同一又はわずかに小さい内径をもつ内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aを、それぞれプリフォーム10aに対して押し込むことにより、プリフォーム10aの外面に密着させても良い。あるいは、熱収縮性をもつ内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外面に設け、この内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aを50℃乃至100℃に加熱することにより熱収縮させてプリフォーム10aの外面に密着させても良い。
また、予め内側ラベル部材60aの周囲にプラスチック製部材40aを設けておき、これら内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aを一体としてプリフォーム10aの外側に装着しても良い。あるいは、プリフォーム10aの外側に内側ラベル部材60aを設け、その後、内側ラベル部材60aの外側にプラスチック製部材40aを設けてもよい。
このように、予めプリフォーム10aおよび内側ラベル部材60aの外側にプラスチック製部材40aを密着させ、複合プリフォーム70を作製しておくことにより、複合プリフォーム70を作製する一連の工程(図15(a)〜(b))と、複合容器10Aをブロー成形により作製する一連の工程(図15(d)〜(f))とを別々の場所(工場など)で実施することが可能になる。
次に、複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図15(c)参照)。
続いて、加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、ブロー成形金型50に送られる。複合容器10Aは、このブロー成形金型50を用いて成形され、上述した第1の実施の形態の場合と略同様にして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられた内側ラベル部材60と、内側ラベル部材60の外側に設けられたプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aが得られる(図15(d)−(f)参照)。
このほか、本実施の形態によるブロー成形方法(複合容器10Aの製造方法)は、上述した第1の実施の形態の場合と略同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
ブロー成形方法の変形例
次に図16(a)〜(f)により、本実施の形態によるブロー成形方法(複合容器10Aの製造方法)の変形例について説明する。図16(a)〜(f)に示す変形例は、プラスチック製部材(収縮チューブ)40aがプリフォーム10aに対して収縮する作用をもつもの(収縮チューブ)であり、他の構成は、図15(a)〜(f)に示す形態と略同一である。図16(a)〜(f)において、図15(a)〜(f)と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図16(a)参照)。
次に、プリフォーム10aの外側に内側ラベル部材60aを設けるとともに、内側ラベル部材60の外側にプラスチック製部材40aを設ける(図16(b)参照)。内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aは、胴部20aのうち容器本体10の首部13に対応する部分を除く全域と、底部30aの全域とを覆うように装着される。このプラスチック製部材40aは、その少なくとも一部が半透明又は透明になっていてもよい。
この場合、予め内側ラベル部材60aの周囲にプラスチック製部材40aを設けておき、これら内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aを一体としてプリフォーム10aの外側に装着しても良い。あるいは、プリフォーム10aの外側に内側ラベル部材60を設け、その後、内側ラベル部材60aの外側にプラスチック製部材40aを設けてもよい。
次に、プリフォーム10a、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aは、加熱装置51によって加熱される(図16(c)参照)。このとき、プリフォーム10a、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aは、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均などに加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10a、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
このように、プラスチック製部材40aが加熱されることにより、プラスチック製部材40aが熱収縮し、プリフォーム10aの外側に密着する(図16(c)参照)。なお、プラスチック製部材40a自体が収縮性を有する場合、内側ラベル部材60aの外側にプラスチック製部材40aを設けた時点(図16(b)参照)でプラスチック製部材40aが内側ラベル部材60aの外側に密着していても良い。
続いて、加熱装置51によって加熱されたプリフォーム10a、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aは、ブロー成形金型50に送られる(図16(d)参照)。
プリフォーム10a、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aは、このブロー成形金型50を用いて成形され、上述した図15(a)〜(f)の場合と略同様にして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられた内側ラベル部材60と、内側ラベル部材60の外側に設けられたプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aが得られる(図16(d)〜(f)参照)。
次に図17(a)〜(g)により、本実施の形態によるブロー成形方法(複合容器10Aの製造方法)の他の変形例について説明する。図17(a)〜(g)に示す変形例は、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aに対して収縮する作用をもち、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを2段階で加熱するものであり、他の構成は、図15(a)〜(f)に示す形態と略同一である。図17(a)〜(g)において、図15(a)〜(f)と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図17(a)参照)。
次に、プリフォーム10aの外側に内側ラベル部材60aを設けるとともに、内側ラベル部材60aの外側にプラスチック製部材40aを設ける(図17(b)参照)。プラスチック製部材40aは、胴部20aのうち容器本体10の首部13に対応する部分を除く全域と、底部30aの全域とを覆うように装着される。このプラスチック製部材40aは、その少なくとも一部が半透明又は透明になっていても良い。
この場合、予め内側ラベル部材60aの周囲にプラスチック製部材40aを設けておき、これら内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aを一体としてプリフォーム10aの外側に装着しても良い。あるいは、プリフォーム10aの外側に内側ラベル部材60aを設け、その後、内側ラベル部材60aの外側にプラスチック製部材40aを設けてもよい。
次に、プリフォーム10a、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aは、第1の加熱装置55によって加熱される(図17(c)参照)。このとき、プリフォーム10a、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば50℃以上、100℃以下としても良い。
プラスチック製部材40aが加熱されることにより、プラスチック製部材40aが熱収縮し、プリフォーム10aの外側に密着する。これにより、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に密着された内側ラベル部材60aと、内側ラベル部材60aの外側に密着されたプラスチック製部材40aとを有する複合プリフォーム70が得られる(図17(c)参照)。
このように、第1の加熱装置55を用いて予めプリフォーム10aおよび内側ラベル部材60aの外側にプラスチック製部材40aを加熱密着させ、複合プリフォーム70を作製しておくことにより、複合プリフォーム70を作製する一連の工程(図17(a)〜(c))と、複合容器10Aをブロー成形により作製する一連の工程(図17(d)〜(g))とを別々の場所(工場など)で実施することが可能になる。
次に、複合プリフォーム70は、第2の加熱装置51によって加熱される(図17(d)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、第2の加熱装置51によって周方向に均などに加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10a、内側ラベル部材60およびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃以上、130℃以下としても良い。
続いて、第2の加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、ブロー成形金型50に送られる(図17(e)参照)。
複合プリフォーム70は、このブロー成形金型50を用いて成形され、上述した図15(a)〜(f)の場合と略同様にして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられた内側ラベル部材60と、内側ラベル部材60の外側に設けられたプラスチック製部材(収縮チューブ)40とを備えた複合容器10Aが得られる(図17(e)〜(g)参照)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ブロー成形金型50内で複合プリフォーム70に対してブロー成形を施すことにより、複合プリフォーム70のプリフォーム10a、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aを一体として膨張させ、容器本体10と内側ラベル部材60とプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aを作製する。このためプリフォーム10aを用いて複合容器10Aを製造する段階で、予め複合容器10Aに内側ラベル部材60を設けておくことができる。したがって、複合容器10Aに内容液を充填して密栓した後、ラベラーによってラベルを付与する工程を設ける必要がない。これにより、最終製品を製造するための製造コストを抑制することができる。
また、ラベラーの不具合などにより最終製品を製造する際に歩留まりが低下することを防止することができる。
また本実施の形態によれば、プリフォーム10a(容器本体10)とプラスチック製部材40a(プラスチック製部材40)とを別部材から構成することができる。したがって、プラスチック製部材40の種類や形状を適宜選択することにより、複合容器10Aに様々な機能や特性を自在に付与することができる。
また、本実施の形態によれば、複合容器10Aを作製する際、一般的なブロー成形装置をそのまま用いることができるので、複合容器10Aを作製するための新たな成形設備を準備する必要が生じない。
変形例
次に図18、図19および図20(a)〜(f)により本発明の変形例について説明する。
図18、図19および図20(a)〜(f)に示す変形例は、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aとして胴部と底部とを有するものではなく、円筒状の内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aを用いたものである。
図18に示す複合容器10Aにおいて、内側ラベル部材60およびプラスチック製部材40は、容器本体10の肩部12から胴部20の下方部分まで延びているが、底部30まで達していない。また、図19に示す複合プリフォーム70において、内側ラベル部材60aおよびプラスチック製部材40aはプリフォーム10aの胴部20aのみを覆うように密着されており、より詳細には、胴部20aのうち容器本体10の首部13に対応する部分13aと胴部20aの下部に対応する部分とを除く領域を覆っている。
図18、図19および図20(a)〜(f)において他の構成は、図11乃至図15に示す実施の形態と略同一である。図18、図19および図20(a)〜(f)に示す変形例において、図11乃至図15に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
このほか、複合容器10Aの構成および製造方法、ならびに複合プリフォーム70の構成および製造方法については、図11乃至図15に示す実施の形態と略同様であるので、詳細な説明を省略する。また、図18、図19および図20(a)〜(f)において、プラスチック製部材40がプリフォーム10aに対して収縮する作用をもつもの(収縮チューブ)を用いても良い。

Claims (11)

  1. ワイン充填用複合容器において、
    プラスチック材料製の容器本体と、
    前記容器本体の外面にプラスチック製部材とを備え、
    前記容器本体および前記プラスチック製部材は、ブロー成形により一体として膨張され、
    前記プラスチック製部材は、ガスバリア層を有していることを特徴とする、複合容器。
  2. 前記容器本体が、酸素バリア層を有している、請求項1に記載の複合容器。
  3. 前記容器本体および/またはプラスチック製部材が、多層構造を有する、請求項1または2に記載の複合容器。
  4. 前記ガスバリア層が、ポリエチレン、ポリプロピレン、MXD−6、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール(PVOH)、ビニリデンクロライド/ビニルクロライド共重合体およびビニリデンクロライド/メチルメタクリレート共重合体からなる群より選択される樹脂材料を含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合容器。
  5. 前記酸素バリア層が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂およびポリアクリロニトリル系樹脂からなる群より選択される基材樹脂を含んでなる、請求項2〜4のいずれか一項に記載の複合容器。
  6. 前記酸素バリア層が、酸素吸収剤を含んでなる、請求項2〜5のいずれか一項に記載の複合容器。
  7. 前記酸素バリア層が、コバルト、鉄、ニッケル、銅、マンガン、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、これらの混合物、これら金属の塩からなる群より選択される1以上の酸化促進剤を含んでなる、請求項2〜6のいずれか一項に記載の複合容器。
  8. 前記プラスチック製部材が、着色剤および/または紫外線吸収剤を含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合容器。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の複合容器にワインを充填したワイン製品。
  10. 前記複合容器へのワインの充填が、
    前記容器本体の口部からワインを充填する工程と、
    前記口部から、液体窒素を充填する工程と、
    前記口部をキャップで密封する工程と、を含む方法により行われる、請求項9に記載のワイン製品。
  11. 前記口部より充填されるワインの温度が、15℃以上、90℃以下である、請求項9または10に記載のワイン製品。
JP2015131676A 2015-06-30 2015-06-30 複合容器およびワイン製品 Pending JP2017013833A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131676A JP2017013833A (ja) 2015-06-30 2015-06-30 複合容器およびワイン製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131676A JP2017013833A (ja) 2015-06-30 2015-06-30 複合容器およびワイン製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017013833A true JP2017013833A (ja) 2017-01-19

Family

ID=57829961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015131676A Pending JP2017013833A (ja) 2015-06-30 2015-06-30 複合容器およびワイン製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017013833A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019031048A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 旭化成株式会社 筒状成形体
WO2020044912A1 (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 サントリーホールディングス株式会社 選択的光透過抑制容器入りアルコール飲料
JP2020090295A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 凸版印刷株式会社 劣化防止部材
KR102123492B1 (ko) * 2019-10-11 2020-06-16 주식회사 제팩 재활용 가능한 페트용기 및 그 제조방법
JP7466989B2 (ja) 2020-02-28 2024-04-15 株式会社吉野工業所 バリア性キャップ

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5717758A (en) * 1980-06-25 1982-01-29 Sanyo Shiki Kk Vessel
JPH1080981A (ja) * 1997-07-24 1998-03-31 Kuraray Co Ltd ガスバリヤー性に優れた多層包装体
JP2006027701A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Toyo Seikan Kaisha Ltd 果実飲料充填プラスチック多層容器
JP2006168741A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Asahi Breweries Ltd 遮光性ボトル
JP2007099365A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Kirinzan Shuzo Kk 飲料を詰め密封外包袋で被覆された飲料用容器及びその製造方法
JP2009012443A (ja) * 2007-06-07 2009-01-22 Toyo Seikan Kaisha Ltd 酸素吸収性多層体及びその多層体から成る包装体
JP2012101839A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 Dainippon Printing Co Ltd 液化ガス添加用ノズル
JP2015009494A (ja) * 2013-06-28 2015-01-19 大日本印刷株式会社 ブロー成形方法および複合容器

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5717758A (en) * 1980-06-25 1982-01-29 Sanyo Shiki Kk Vessel
JPH1080981A (ja) * 1997-07-24 1998-03-31 Kuraray Co Ltd ガスバリヤー性に優れた多層包装体
JP2006027701A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Toyo Seikan Kaisha Ltd 果実飲料充填プラスチック多層容器
JP2006168741A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Asahi Breweries Ltd 遮光性ボトル
JP2007099365A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Kirinzan Shuzo Kk 飲料を詰め密封外包袋で被覆された飲料用容器及びその製造方法
JP2009012443A (ja) * 2007-06-07 2009-01-22 Toyo Seikan Kaisha Ltd 酸素吸収性多層体及びその多層体から成る包装体
JP2012101839A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 Dainippon Printing Co Ltd 液化ガス添加用ノズル
JP2015009494A (ja) * 2013-06-28 2015-01-19 大日本印刷株式会社 ブロー成形方法および複合容器

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019031048A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 旭化成株式会社 筒状成形体
WO2020044912A1 (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 サントリーホールディングス株式会社 選択的光透過抑制容器入りアルコール飲料
JP2020031610A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 サントリーホールディングス株式会社 選択的光透過抑制容器入りアルコール飲料
JP7038028B2 (ja) 2018-08-31 2022-03-17 サントリーホールディングス株式会社 選択的光透過抑制容器入りアルコール飲料
JP2020090295A (ja) * 2018-12-04 2020-06-11 凸版印刷株式会社 劣化防止部材
KR102123492B1 (ko) * 2019-10-11 2020-06-16 주식회사 제팩 재활용 가능한 페트용기 및 그 제조방법
JP7466989B2 (ja) 2020-02-28 2024-04-15 株式会社吉野工業所 バリア性キャップ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6582512B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォーム、プラスチック製部材、内側ラベル部材、ならびにラベル
JP2017013833A (ja) 複合容器およびワイン製品
JP6657560B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、プラスチック製部材、ならびに複合プリフォーム
JP6593672B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォーム、ならびにプラスチック製部材
JP6582408B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォーム、ならびにプリフォーム
JP6681036B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、プラスチック製部材ならびに複合プリフォーム
JP2016117165A (ja) ブロー成形方法、複合プリフォーム、複合容器、内側ラベル部材およびプラスチック製部材
JP2016107541A (ja) ブロー成形方法、複合プリフォーム、複合容器、内側ラベル部材およびプラスチック製部材
JP2016117166A (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォーム、ならびにプラスチック製部材
JP2016120681A (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォームならびにプラスチック製部材
JP2016097670A (ja) ブロー成形方法、複合プリフォーム、複合容器、内側ラベル部材およびプラスチック製部材
JP2017047554A (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォームならびにプラスチック製部材
JP6575843B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォーム、ならびにプリフォーム
JP6607431B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォーム、ならびにプリフォーム
JP6819944B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォーム、ならびにプラスチック製部材
JP2017144584A (ja) 複合容器、複合プリフォームおよびプラスチック製部材
JP2016120689A (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォームおよびその製造方法、ならびにプラスチック製部材
JP6583706B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォーム、ならびにプラスチック製部材
JP6489417B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、プラスチック製部材、ならびに複合プリフォーム
JP6895107B2 (ja) 複合プリフォームおよび複合容器
JP2016107540A (ja) ブロー成形方法、複合プリフォーム、複合容器、内側ラベル部材およびプラスチック製部材
JP2021045980A (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォーム、ならびにプラスチック製部材
JP6561458B2 (ja) ブロー成形方法、複合プリフォーム、複合容器、内側ラベル部材およびプラスチック製部材
JP2016124137A (ja) 複合容器およびその製造方法、プリフォームならびに複合プリフォーム
JP6620966B2 (ja) ブロー成形方法、複合プリフォーム、複合容器、内側ラベル部材およびプラスチック製部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200722

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200722

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200731

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200804

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20200911

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20200915

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210105

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210129

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20210319

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20210319