JP2020089949A5 - - Google Patents
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歯下部26は、歯室25の後部(即ち、刃台22の前端部)を形成する部分である。歯下部26は、側面視において、歯底25aの後側の位置から後側に直線状に伸びている。歯背部27は、歯下部26の後側端部から外側に向けて立設した壁面を形成している。歯下部26の上面と歯背部27の前面とによりチップ固定部23が形成される。従って、チップ固定部23は、側面視において略L形状となっている。このチップ固定部23の前面に各チップ30の背面が固定され、チップ固定部23の上面に各チップ30の底面が固定される。
上述したように、傾斜角θ7は傾斜角θ6よりも小さいので、右斜面39bは左斜面38bに比較して緩斜面となっている。このため、第2チップ30bは、便宜上、「左刃」と称呼され、更に「右面取り刃」又は「左右の面取りがなされた左刃」と称呼される場合がある。第2チップ30bにおいて、第1斜面38bと第1斜面38bが連続する左側面41bとのすくい面31bにおける交点45bの高さ(回転鋸10の径方向における回転中心A1と交点45bとの距離)と、第2斜面39bと第2斜面39bが連続する右側面42bとのすくい面31bにおける交点46bの高さ(回転鋸10の径方向における回転中心A1と交点46bとの距離)は実質的に等しい。なお、交点45bの高さと交点46bの高さとが互いに等しくなる(一致する)ように、傾斜角θ6及び傾斜角θ7が決められても良い(但し、θ6>θ7)。
例えば、図8に示した例では、第3チップ30cよりも先行している第2チップ30bによって「被削材本体W0からカール状に分離した部分W1」は、被削材本体W0から完全に分離させられて切り屑W2となる。このとき、中すくい面34bの下部及び下すくい面35bは基準面Lr2よりも前方に突出しているから、切り屑W2は、前方外側に向かって押し出され易くなる。よって、切り屑W2は歯室25内に留まり難くなり、歯室25から容易に排出される。他のチップもこの点に関し同様に作用する。これによっても、切削抵抗が低減される。以上から、回転鋸10は、切削抵抗をより効果的に低減することができる。
図10に示したように、第2回転鋸10Aは、刃台22Aを含む台金20Aと、刃台22Aに固定される複数のチップ30Aと、により構成されている。複数のチップ30Aは、第1回転鋸10の複数のチップ30と同様に、第1チップ30a、第2チップ30b及び第3チップ30cをそれぞれ複数含んでいる。第2回転鋸10Aが被削材を切削するために順回転方向に回転させられた場合、複数のチップ30Aは、第1チップ30a、第2チップ30b、第3チップ30cの順に繰り返し被削材と当接するように複数の刃台22Aに配置される。
第4ピッチ角φ4、第5ピッチ角φ5及び第6ピッチ角φ6は互いに等しい。言い換えると、第4ピッチL4、第5ピッチL5及び第6ピッチL6は互いに等しい(L4=L5=L6)。即ち、回転鋸10Aは、所謂「等ピッチ」を有する回転鋸である。本例において、第4ピッチ角φ4、第5ピッチ角φ5及び第6ピッチ角φ6は、10.9°である。台金20Aの厚さは、台金20と同様に0.95mmである。
このように形成された従来の回転鋸の平刃チップ及び交互刃は、すくい面視において直角部分又は鋭角部分を含んでいる。これに対し、第1回転鋸10と同様、第2回転鋸10Aの第2チップ30b及び第3チップ30cは、すくい面視において、逃げ面を形成する3つの面、左側面及び右側面の間にできる4つの「角」がすべて鈍角である。従って、第1回転鋸10と同様、第2回転鋸10Aのチップの先端は従来の回転鋸のチップに比較して欠け難い。
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