JP6423346B2 - 刃先交換式ドリルのボデーおよびドリル - Google Patents

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Description

本発明は穴加工に用いられる刃先交換式ドリルのボデーおよびそのボデーを用いたドリルに関する。
従来、穴明け加工に用いられる工具には、特許文献1に示されるような、先端部に切削インサートがボデーに着脱自在に取り付けられる形式のドリルがある。このような形式のドリルにおいては、ボデー先端の中心部に配された切削インサートで穴の中心部を加工し、ボデー先端の外周側に配された切削インサートで穴の外周部を加工する。加工により切削インサートに摩耗や欠損が生じた際は、その切削インサートの別の稜線部分を切れ刃としたり、別の新しい切削インサートに交換したりされる。従って、そのような刃先交換式のドリルにおいては、ソリッドドリルと異なり、刃先の研磨を行うことなくボデーを継続して利用することが可能になる。
特許文献1に代表されるような刃先交換式ドリルを含め、ドリルには一般に、加工中の振動によって撓みが生じることに起因して加工精度が低下すること、例えば加工される穴の径が目標径に比べて拡大若しくは縮小することで深さ方向に一様な目標径を有する穴が形成されなくなったり、びびり振動等により非加工面が荒れたりすることがある。精度高い安定した穴加工ができるようにするためには、ドリルないしはボデーに十分な剛性を持たせることが重要であって、特に刃先交換式ドリルの場合には、ボデーの撓みによる外周刃の位置変動を防ぐことが重要である。
一方、ボデーの周囲には一般に切れ刃に連続して切りくず排出溝が形成される。この切りくず排出溝の存在はボデーの剛性に大きく影響するため、切りくず排出溝の形状・寸法どのように設定するかは設計上の重要な要素となる。すなわち、ボデーの剛性を確保するためには極力切りくず排出溝の断面積を小さくすることが好ましいが、断面積を小さくし過ぎると、本来的に果たすべき機能である切りくずの排出性能が低下して切りくずの詰まりの原因となる。つまり切りくず排出溝の形状・寸法は、ボデーの剛性を確保しつつ、切りくず排出性も確保するように定められていなければならない。
かかる課題に関し、特許文献2には、リブによってその側面の境界が形成される2本の切りくず排出溝を有し、そのうちの第1の切りくず排出溝が螺旋状に形成される一方、第2の切りくず排出溝が第1の切りくず排出溝と異なるピッチ(すなわち溝がボデーの周りを一回転する間に伸びる回転軸線方向の長さ)の螺旋状に形成されたドリルボデーが開示されている。特許文献2では、穴の外周部を加工する切削インサートで生じる切削力および排出されるべき切りくずの量は、穴の中心部を加工する切削インサートにおけるものよりも大きいため、穴の外周部を加工する切削インサートおよびそれに関連する切りくず排出溝がボデーの振動に大きな影響を与えるとされ、そのため特に穴の外周部を加工する切削インサートに対応した切りくず排出溝の螺旋の程度を相対的に低くした(ピッチを大きくした)ボデーの構成が提案されている。そしてかかる構成によれば、切削インサートが装着されるドリルの先端部側から基端部側に向って、穴の外周部を加工する切削インサートが装着されるリブが幅広となり、中心刃として用いられる切削インサートが装着されるリブが狭くなって行くことから、曲げ力が相殺されるとともに、および捩りに対する剛性が確保されるとしている。
特開2004−330373号公報 特表2010−537839号公報
ボデー全体の撓みを抑制するためには、ボデーの基端側部分(すなわち切りくず排出溝の底が、さらなる基端方向にボデーの外周側面に向かって傾斜し始める箇所)での曲げ剛性を高めることが最も効果的である。しかしながら、特許文献2は、特に曲げ剛性を向上するための基端部側部分におけるボデーの断面形状に関しては具体的な開示がない。すなわち、当該断面における溝の位置やランド幅などについての構成上の規定や、曲げ剛性の指標である断面二次モーメント等については、何ら具体的な指針を与えていない。
本発明は上記の課題を解決するためのものである。すなわち、十分な剛性と十分な切りくず排出性とを備える刃先交換式ドリルのボデーおよびそのボデーを用いた刃先交換式ドリルを提供することを目的とする。
そのために、本発明刃先交換式ドリルのボデーの第1の形態は、第1の切削インサート(21)及び第2の切削インサート(22)を用いる刃先交換式ドリルのボデー(10)であって、
前記ボデー(10)の周囲には、前記第1の切削インサート(21に対応した第1の切りくず排出溝(11および第1のランド(31)と、前記第2の切削インサート(22)に対応した第2の切りくず排出溝(12)および第2のランド(32)とが形成され、
前記ボデーの基端側部分において、前記第1及び第2のランド(31、32)の前記ドリル(10)の周方向長さ(L1、L2)のいずれもが、前記ドリル(10)の周長の1/2未満であり、且つ、前記第2のランド(32)の周方向長さ(L2)が、前記第1のランド(31)の周方向長さ(L1)より大であり、
前記基端側部分とは、前記ボデーの根元の部分であって、かつ、前記第1及び第2の切りくず排出溝の底が、さらなる基端方向に前記ボデーの外周側面に向かって傾斜し始める箇所を指し、
前記基端側部分の、前記ボデーの中心軸線(O)に垂直な断面に対し、前記第1及び第2の切削インサートのうち前記第1の切削インサート(21)の切れ刃(23)の位置を投影させた状態でその断面を観察したとき、当該投影させた前記切れ刃の外周側端部と前記ボデー(10)の中心軸線(O)とを結ぶ方向(X)が最も曲げ剛性が高い方向になっており、
前記垂直な断面における、前記第1及び第2の切りくず排出溝(11、12)の断面積いずれも、前記方向(X)に直交する軸線(Y)によって二等分されず、かつ、当該軸線(Y)に対して一方の側への分割率が65%以上75%以下に設定され
前記方向(X)を規定する前記第1の切削インサート(21)とは、外周刃インサートである、
ものとされる。
また、本発明刃先交換式ドリルのボデーの第2の形態は、第1の切削インサート(21)及び第2の切削インサート(22)を用いる刃先交換式ドリルのボデー(10)であって、
前記ボデー(10)の周囲には、前記第1の切削インサート(21に対応した第1の切りくず排出溝(11および第1のランド(31)と、前記第2の切削インサート(22)に対応した第2の切りくず排出溝(12)および第2のランド(32)とが形成され、
前記ボデーの基端側部分の、前記ボデーの中心軸線(O)に垂直な断面に対し、前記第1及び第2の切削インサートのうち前記第1の切削インサート(21)の切れ刃(23)の位置を投影させた状態でその断面を観察したとき、当該投影させた前記切れ刃の外周側端部と前記ボデー(10)の中心軸線(O)とを結ぶ仮想的な軸線(X)とほぼ平行な方向が最も曲げ剛性が強い方向になっており、
前記垂直な断面における、前記第1及び第2の切りくず排出溝(11、12)の断面積いずれも、前記軸線(X)に直交する軸線(Y)によって二等分されず、かつ、当該軸線(Y)に対して一方の側への分割率が65%以上75%以下に設定され
前記基端側部分とは、前記ボデーの根元の部分であって、かつ、前記第1及び第2の切りくず排出溝の底が、さらなる基端方向に前記ボデーの外周側面に向かって傾斜し始める箇所を指し、
前記軸線(X)を規定する前記第1の切削インサート(21)とは、外周刃インサートである、
ものとされる。
さらに、本発明刃先交換式ドリルのボデーの第3の形態は、第1の切削インサート(21)及び第2の切削インサート(22)を用いる刃先交換式ドリルのボデー(10)であって、
該ボデー(10)の周囲には前記第1の切削インサート(21に対応した第1の切りくず排出溝(11および第1のランド(31)と、前記第2の切削インサート(22)に対応した第2の切りくず排出溝(12)および第2のランド(32)とが形成され、
前記ボデーの基端側部分において、前記第2のランドについてのランド幅が前記第1のランドについてのランド幅よりも大きく、
前記基端側部分とは、前記ボデーの根元の部分であって、かつ、前記第1及び第2の切りくず排出溝の底が、さらなる基端方向に前記ボデーの外周側面に向かって傾斜し始める箇所を指し、
前記ドリル(10)を先端視した場合における前記ボデー(10)の中心軸線(O)と前記第1及び第2の切削インサートのうち前記第1の切削インサートの切れ刃の外周側端部とを結ぶ直線を含み前記中心軸線(O)と平行な平面と、前記基端側部分における前記ボデーの中心軸線(O)に垂直な断面と、の交線を第1基準軸線(X)とするとき、前記断面において前記中心軸線(O)を通過し且つ前記第1基準軸線(X)に対して所定の角度傾斜した第2基準軸線(Y’)に関する前記ボデー(10)の断面二次モーメントが、前記第1基準軸線(X)に関する前記ボデーの断面二次モーメントよりも大きく、
前記断面において、前記第2基準軸線(Y’)と前記第1基準軸線(X)とがなす角度を、前記第1基準軸線(X)を基準にして反時計回りに測った場合、80°以上且つ90°以下であり、
前記断面における、前記第1及び第2の切りくず排出溝(11、12)の断面積いずれも、前記第1基準軸線(X)に直交する軸線(Y)によって二等分されず、かつ、当該軸線(Y)に対して一方の側への分割率が65%以上75%以下に設定され
前記第1基準軸線(X)を規定する前記第1の切削インサート(21)とは、外周刃インサートである、
ものとされる。
加えて、本発明刃先交換式ドリルは、上記第1の形態のボデー(10)と、
前記外周刃インサートとして穴の内周面の加工に関与する切削インサート(21)と、
穴の中心の加工に関与する切削インサート(22)と、
を備える。
また、本発明刃先交換式ドリルは、上記第2または第3の形態のボデー(10)と、
前記外周刃インサートとして穴の内周面の加工に関与する切削インサート(21)と、
穴の中心の加工に関与する切削インサート(22)と、
を備える
なお、本明細書および特許請求の範囲の記載において用いる「ボデー」、「ランド」および「ランド幅」の意味はJIS B 0171における定義に従う。また、「ねじれ角」についてもJIS B 0171における定義に従うが、概略的に説明すれば、ねじれ角とはボデー10の中心軸と切りくず排出溝とがなす角度である。さらに、ボデーの基端側部分」とは、おおよそ切りくず排出溝の底が、さらなる基端方向にボデーの外周側面に向かって傾斜し始める箇所での断面を指すが、厳密にその箇所である必要は無く、そこからボデーの先端方向若しくは基端方向にずれた位置であっても構わない。
刃先交換式ドリルのボデーの第1の形態において、前記第1及び第2の切りくず排出溝(11、12)の少なくとも一方が螺旋状に形成されており、前記第1及び第2のランドのうち一方のランドの周方向長さが、前記基端側部分に向かうほど狭くなるようにするとより好ましい。
また、刃先交換式ドリルのボデーの第2の形態において、「前記基端側部分の、前記ボデーの中心軸線(O)に垂直な断面に対し、前記第1及び第2の切削インサートのうち前記第1の切削インサート(21)の切れ刃(23)の位置を投影させ」るという文言は、先端視したときの前記第1の切削インサート(21)の切れ刃(23)の位置を基端側部分の断面に重ね合わせて観察する状態を想定するという意味である。さらに定性的な表現を用いると、上記文言は、先端図を基端側部分の断面図に重ね合わせて、前記第1の切削インサート(21)の切れ刃(23)の位置と切りくず排出溝の位置とを同じ平面上で把握できるようにすることを意味している。また、ボデーの中心軸線と前記第1の切削インサート(21)の切れ刃(23)の外周端とを結ぶ仮想線と、最も曲げ剛性が強い方向と、が完全に平行である場合のみ本発明の効果が生じるわけではなく、実質的に平行とみなせる程度であれば多少角度がついていても発明の効果は生じる。ただし、二つが平行であれば効果が最も高いので、これらのことを包括して表現するために「ほぼ平行」という文言を用いている。
また、刃先交換式ドリルのボデーの第2の形態において、前記分割率がより好ましくは67%以上73%以下、最も好ましくは68%以上72%以下である。
さらに、刃先交換式ドリルのボデーの第2の形態において、前記基端側部分の、前記ボデーの中心軸線(O)に垂直な断面に対し、前記二つの切削インサートのうち一方の切削インサート(21)の切れ刃(23)の位置を投影させた状態でその断面を観察したとき、前記仮想的な軸線(X)に対して線対称な断面形状を有していればより好ましい。
本発明の刃先交換式ドリルは、これを先端視した場合、前記穴の内周面の切削に関与する切削インサート(21)の切れ刃を角度の基準にして、前記穴の中心の切削に関与する切削インサート(22)の切れ刃に対してなす角度が180°以下の鈍角になっている物とすることが好ましい。
なお、「前記穴の内周面の切削に関与する切削インサート(21)の切れ刃を角度の基準にして、前記穴の中心の切削に関与する切削インサート(22)の切れ刃に対してなす角度」とは、二つの切れ刃を線分に近似し、穴の内周面の切削に関与する切削インサート(21)の切れ刃を基点にして、反時計回りに、穴の中心の切削に関与する切削インサート(22)の切れ刃刃までを計測した角度を意味する。
さらに、以上において、前記ボデー(10)の長さLと、前記ボデーの径Dとの比L/Dが4以上であればより好ましい。
本発明によれば、切りくずの排出性の低下に結びつく切りくず排出溝の断面積の変更を伴わずに、ボデーの基端部側部分における断面において、最も曲げ剛性が高い方向における曲げ剛性の大きさと、最も曲げ剛性が低い方向における曲げ剛性の大きさとの差を極力小さくし、どの方向にもできるだけ均等且つ好ましい曲げ強さを持たせることができるようになる。
図1Aは、本発明の一実施形態のボデーを外周刃インサート用のインサート取付座側から見た斜視図である。 図1Bは、本発明の一実施形態のボデーを中心刃インサート用のインサート取付座側から見た斜視図である。 図2Aは、本発明の一実施形態のボデーに切削インサートを取り付けた状態を外周刃インサート側から見た斜視図である。 図2Bは、本発明の一実施形態のボデーに切削インサートを取り付けた状態を中心刃インサート側から見た斜視図である。 図3は本発明の一実施形態のボデーを外周刃側の切りくず排出溝側から見た側面図である。 図4は本発明の一実施形態のボデーを中心刃側の切りくず排出溝側から見た側面図である。 図5は本発明の一実施形態のボデーを先端側から見た端面図である。 図6は外周刃インサートの切れ刃と中心刃インサートの切れ刃との位置関係を説明するための模式図である。 図7は、本発明の概念をボデーの構成に即した観点から説明するための、図3のVII−VII断面図である。 図8は、本発明の概念を他の観点から説明するための、図3のVIII−VIII断面図である。 図8は従来のボデーの断面形状を示す概略図である。
1.概要
以下、本発明の一実施形態を、図面を用いて説明する。
まず、図9は、特許文献1に開示されたような、一般的なツイストドリル用のボデーの横断面形状を示し、二つの切りくず排出溝Fおよび二つのランドLがボデーの回転中心軸Oに対してそれぞれ対称な位置に形成されている。なお、一般的なツイストドリル用のボデーでは、ボデーの先端側部分すなわち切削インサートが取り付けられる箇所から、基端側部分すなわちボデーの根元側の箇所まで、概ね図示のような一様の断面形状を有するものとなる。
ここで、対向するランドの中心を結んだ、中心軸Oを通る軸Xの周りの断面二次モーメントは、対向する切りくず排出溝Fの中心を結んだ、中心軸Oを通る軸Yの周りの断面二次モーメントよりも有意に小さくなる。このためボデーは、軸Xの方向に作用する力Pxによる曲げ力には強い(曲げ剛性が高い)が、軸Yの方向に作用する力Pyによる曲げ力にはかなり弱いものとなる。加工中にドリルに加わる力の向きは常に一定というわけではないので、極端に曲げ剛性が低くなる方向が生じることは好ましくない。
そこで、本発明は、どの方向にも均等な曲げにくさを持つボデーないしドリルを実現する。これにあたり、本願発明者らは、ボデーの基端側部分(根元の部分)の断面の曲げ剛性がドリル全体の曲げ剛性に大きく影響を与えることに着目し、基端部における断面に主眼を置いてその形状を適切に定めるものとした。本発明の刃先交換式ドリルのボデーの要旨は、切りくずの排出性の低下に結びつく切りくず排出溝の断面積の変更を伴わずに、ボデーの基端部側部分における断面において、最も曲げ剛性が高い方向における曲げ剛性の大きさと、最も曲げ剛性が低い方向における曲げ剛性の大きさとの差を極力小さくし、どの方向にもできるだけ均等且つ好ましい曲げ強さを持つような形状定めるものである。
2.実施形態
2.1 構成
図1A〜図5は本実施形態の刃先交換式ドリルAおよびそのボデー10を示す図である。ボデー10の周囲には、滑らかに湾曲する二つの螺旋状の切りくず排出溝11、12が形成されている。
図3に示すように、ドリル先端から切りくず排出溝11、12の基端側部分までの軸線方向の長さLをドリル径Dで除した値(以降L/Dと呼称する)は、本実施形態では4としている。ここで、「ドリル径」とはボデー10の中心軸線から外周刃の外周端までの距離の2倍のことである。また、長さLは、いわゆる最大加工深さとは必ずしも一致しない。しかし最大加工深さを近似する長さを表わすものとして十分であるため、本実施形態では、長さLとして、ボデー先端から切りくず排出溝11、12の基端側部分までの軸線方向の長さを用いる。前述のとおり、切りくず排出溝11、12の基端側部分とは、おおよそ切りくず排出溝の底が、さらなる基端方向にボデーの外周側面に向かって傾斜し始める箇所を指す。しかし本発明で規定する基端側部分とは、厳密にその箇所である必要は無く、そこからボデー10の先端方向若しくは基端方向に多少ずれた位置であっても構わない。すなわち、本発明で規定する「基端側部分」とは、ボデー10の全体の撓みに大きな影響を与える、ボデー10の根元側に位置する部分であり、そこでの断面形状を適切に定めることが撓みの低減に最も効果的となる部分である。
ボデー10の先端には、対向する略三角形状の上下面とそれらをつなぐ側面とを有する切削インサート11、12を載置するのに適した形状のインサート取付座13、14が形成されている。これらの二つのインサート取付座13、14のうち、相対的に外周側に形成されたインサート取付座13に取り付けられる切削インサート21(以下、便宜的に「外周刃インサート」とも呼称する)は、穴の外周側を加工する外周刃として機能する稜線部分を有し、相対的に中心側に形成されたインサート取付座14に取り付けられる切削インサート22(以下便宜的に「中心刃インサート」とも呼称する)は、穴の中心側を加工する中心刃として機能する稜線部分を有する。二つの切削インサート21、22は、それぞれの切れ刃の回転軌跡が一部重なるようにインサート取付座13、14に配置され、二つの切れ刃の協働により、外周側から中心までの穴加工が行われる。なお、二つの切削インサート21および22は、それぞれ、外周刃および中心刃として機能する専用の稜線部分のみが形成されたものであってもよい。また、それぞれが外周刃および中心刃として機能する稜線部分を有した同一形状の切削インサートとして、インサート座に対する装着姿勢または向きを変更することでいずれかの機能を果たすようにされたものでもよい。
本実施形態では、外周刃インサート21および中心刃インサート22が取り付けられた状態でドリルAを先端視した際に、外周刃インサート21の切れ刃23と中心刃インサート22の切れ刃24とは、それらがなす角度が鈍角(すなわち非平行)になるように配置されている。すなわち、ボデーAの先端側から見たときの外周刃インサート21の切れ刃23と中心刃インサート22の切れ刃24との位置関係を模式的に表わした図6に示すように、外周刃インサート21の切れ刃23を基準にして工具回転方向Tに両方の切れ刃23と切れ刃24とのなす角度θを測った場合、180°以下の鈍角をなすように配置されている。なお、本実施形態においてはθ=178°としている。
一方の切りくず排出溝11は外周刃インサート21によって生成される切りくずを排出するためのもので、他方の切りくず排出溝12は中心刃インサート22によって生成される切りくずを排出するためのものである。切りくず排出溝11のねじれ角と切りくず排出溝12のねじれ角とは同一ではなく、外周刃インサート21に対応する切りくず排出溝11の方がねじれ角が大きい。そのため、ボデー10の断面は、先端部側部分ではほぼ図9に示した形状となるが、基端側に向うにつれて徐々に変化して行き、基端側部分では図7に示した形状となる。本実施形態では、インサート取付座13に対応するボデーのランドすなわち外周面31はボデー10の基端側部分に向かうほど狭くなって行く一方、インサート取付座14に対応する外周面31は狭くなって行く。そしてボデー10の基端側部分における断面を観察すると、図7に示すように、切りくず排出溝11と切りくず排出溝12とがやや接近した状態になる。なお、ねじれ角が異なることは、言い換えればピッチ(すなわち溝がボデーの周りを一回転する間に伸びる回転軸線方向の長さ)が異なることと同義である。
図7は、外周刃インサート21を投影して示している。図7の断面において最も曲げ剛性が高い方向は、投影された外周刃インサート21の切れ刃23の最外周部とボデー10の中心軸線とを結んだ仮想線Xと一致している。なお、図7における外周刃インサート21の投影形状は以下の説明の理解を助けるために簡略して描かれたものであり、インサート取付座13に装着された実際の切削インサートとは形状が異なる。
ここで、最も曲げ剛性が高い方向に相当する仮想軸線Xを水平軸に取り、この仮想軸線Xと、回転中心軸線Oを通って仮想軸線Xに直交する仮想軸線Yとで構成される直交座標系において、図7の右上部分から反時計回りに区分けされる第1象限、第2象限、第3象限および第4象限を考える。この場合、切りくず排出溝11の断面積の大部分は第3象限に入っており、切りくず排出溝12の断面積の大部分は第2象限に入っている。また、基端側部分におけるボデー10の断面は、最も曲げ剛性が高い方向Xを挟んでほぼ対称な形状となっている。
つまり、図9との比較から明らかなように、切りくず排出溝11および12の断面積のいずれもが、仮想軸線Yによって二等分されず、一方の側(第2および第3象限)に存在する部分の断面積が大きくなっている。当該一方の側に存在する切りくず排出溝11、12の断面積の割合(以下、分割率と呼称する)は、図9に関連して説明した基本概念に照らし、50%超とするべきであるが、50%を僅かに超える程度では効果が期待できない。また、100%(基端側部分の断面において切りくず排出溝11および12の断面が完全に含まれる)若しくはそれに近い分割率では、溝断面同士が近接することで、両者を隔てる部分の厚みが減少してボデーの強度が低下するとともに、第2および第3象限側と第1および第4象限側との質量差が大きくなることで、ドリルの振れ回りが生じることが考えられる。
そこで本発明では、切りくず排出溝11、12の断面積の第3および第2象限側への分割率を好ましくは65%以上75%以下、より好ましくは67%以上73%以下、最も好ましくは68%以上72%以下としており、本実施形態では70%とした。但し、好ましい分割率は、ドリル径、溝の幅、深さおよびボデー強度などとの関係に応じて適宜定め得るものである。
2.2 作用の説明
ボデー10の断面が基端部側部分において上述したような断面形状を有することで、最も曲げ剛性が高い方向であるX方向の曲げ剛性と最も曲げ剛性が低い方向であるY方向の曲げ剛性の差を、図9について説明した従来構成よりも小さくすることができる。
すなわち、特許文献1に開示されたような従来の刃先交換式ドリルのボデーでは、図に示したように、切りくず排出溝の両側にあるボデーの外周面の中点同士を結んだ最も曲げ剛性が高い軸Xの方向に直交する軸Yの方向にあるボデーの肉を大きく抉るような位置に形成されていた。そのため、最も曲げ剛性が高い軸Xの方向の曲げ剛性と、最も曲げ剛性が低い軸Yの方向の曲げ剛性との差は比較的大きくなっている。また、ボデーの基端部側部分における切りくず排出溝をどの切れ刃に対応させてどのような位置に配置するかは殆ど考慮されていない。
これに対し、本実施形態のボデー10の場合は、最も曲げ剛性が高い方向に直交する、最も曲げ剛性が低くなる方向にも極力ボデーの肉が振り分けられるように、切りくず排出溝を軸Yの片側に偏倚させて形成している。そのため、最も弱い曲げ剛性と最も強い曲げ剛性との差が従来よりも小さくなる。その結果、ボデー10全体で方向による剛性のばらつきが小さくなり、ボデー10は全体として変形し難い形状になっている。
別の言葉でこの事を説明すると、今まで必要となる剛性の大きさを超えて大きかった、ある方向の剛性を幾分低くし、その分を剛性が不足していた方向に振り分けて強化することにより、剛性の弱い方向にボデー10が集中的に変形することによる弊害を抑制している。このことにより、本実施形態のボデー10と、本実施形態に形成された切りくず排出溝の断面積と同じ大きさの断面積の切りくず排出溝を有する従来のボデーとを比較したとき、本実施形態のボデーの方が撓み難いものとなる。つまり、本実施形態のボデー10は、切りくず排出性を損なうことなく剛性が高められたものとなる。
さらに、加工穴の径が工具径よりも大きくなる現象は、ボデー10の回転中心と外周刃インサートの切れ刃23の最外周部とを結ぶ半径方向にボデー10が撓むことが主要な原因である。従って、本実施形態のボデー10では、その方向への撓みを抑制することを第一に、その方向の曲げ剛性が最も強くなるように設計されている。
また、本実施形態のボデー10のような断面形状に加えて、図6に示したように、外周刃インサート21の切れ刃と中心刃インサート22の切れ刃とが非平行になるように二つのインサート取付座が形成されることで、穴の各位置における直径のばらつきが低減される。すなわち、外周刃インサートの切れ刃と中心刃インサートの切れ刃とが適切に非平行とされていると、外周刃インサート21に加わる切削抵抗と中心刃インサート22に加わる切削抵抗を均衡させることができ、よりボデー10が撓み難くなる。
さらに本実施形態に係るボデー10は、図7に示したように、仮想軸線Yに対する一方の側(第2および第3象限)に存在する溝の部分の断面積が大きくなっている一方で、曲げ剛性が最も高い方向Xに関して対称となる形状の断面を有する。従って、その断面における曲げ剛性は、最大値が小さく、最小値が大きくなるので、従来よりも曲げ合成の最大値と最小値との差が小さくなる。そのため、横軸に特定の基準軸からの傾斜角度を取り、縦軸にそれぞれの角度の分だけ傾斜した軸まわりの曲げ剛性を取るグラフを考えた場合、各方向における曲げ剛性の大きさの変化の幅が緩やかとなるので、工具全体としてより変形し難い形状を実現することができる。
2.3 より明確な構成上の規定
なお、上述した実施形態では、上述した作用効果を得るための基端側部分におけるボデー10の断面形状を、第2および第3象限に包含させる切りくず排出溝11、12の断面積の分割率で規定した。しかしながら、ボデー10の外観に直接現れる構成上の諸元を用いて規定することができる。
例えば、図7に示すように、ボデー10の基端部側部分の断面において、広さが異なる二つのランド(外周面)31および32が存在している。従って、例えば幅広のランド32について、上記分割率に対応して周方向長さL2、ランド幅L2’または中心軸に対するランド32の中心角θ2を規定することができる。これらの場合、基本的な条件として、周方向長さL2はドリル周長の1/2未満、ランド幅L2’はドリル径D未満、中心角θ2は180度未満とされるべきである。狭い方のランド31についても、周方向長さL1、ランド幅L1’または中心角θ1の範囲を適宜定め得るが、幅広のランド32の周方向長さL2、ランド幅L2’または中心角θ2に対する比率で規定することもできる。例えば、周方向長さL2とL1との比を1.5:1〜3:1とすることができる。いずれにしても、以上の諸元は、上述した切りくず排出溝11、12の断面積の第3および第2象限側への好ましい分割率やボデー強度などを勘案して設定することができる。
2.4 機能に基づく作用の説明
次に、図8を用い、以上とは別の観点から本実施形態の作用効果を説明する。図8において軸線Xは、ボデー10を先端視したときにおけるボデー10の中心軸線と外周刃インサート21の外周端とを結んだ仮想線およびボデー10の中心軸線を含む仮想平面と、ボデー10の基端側部分における断面との交線を示し、図7における仮想線Xと一致している。なお、以下の説明においては軸線Xを「第1基準軸線」と呼称する。軸線Y’はボデー10の中心軸線を通過し、なお且つ第1基準軸線Xと85°で交差する軸線であり、本発明のドリルで想定している外周刃インサート21に加わる切削抵抗の主分力と主分力に直交する成分(以下便宜的に「径方向切削力」という)との合力の方向と垂直な方向にほぼ一致している。なお、以下の説明においては軸線Y’を「第2基準軸線」と呼称する。また、第1基準軸線Xと第2基準軸線Y’とがなす角度は、図7のように先端側からみた断面において、第1基準軸線Xを基準にして反時計回りを正として測定されるものである。
ボデー10においては、第2基準軸線Y’に関する断面二次モーメントの大きさが、第1基準軸線Xに関する断面二次モーメントの大きさよりも大きくなり、なお且つ中心軸線を通過する各軸線に関する断面二次モーメントのなかでほぼ最大の値にするとよい。別の表現をすれば、図8の断面形状は第2基準軸線Y’に直交する方向の荷重に対して最も撓み難い形状にするとよい。
従来の刃先交換式ドリルのボデーでは、図9について説明したように、各切りくず排出溝FがY軸に関して対称形状とされているため、X軸に関する断面二次モーメントが著しく小さい。そのため、従来のボデーにX軸に垂直な方向の切削力が加わると比較的大きく撓む。つまり、従来のボデーは荷重方向による撓みやすさの差が大きかった。
一方、本実施形態のボデー10においては、主分力と径方向切削力との合力の方向で最も撓みが大きくなることを考慮して、第2基準軸線Y’に関する断面二次モーメントがほぼ最大となるような構成を有している。なお且つ、径方向切削力に対して相対的に大きくなりやすい主分力による撓みをさらに抑制するために、主分力方向に直交する軸線に近似できる第1基準軸線Xに関する断面二次モーメントの大きさも、図9のような従来のドリルよりも大きくなっている。このように、外周刃インサート21に加わる力の方向を考慮した断面形状になっているので、ボデー10は従来のドリルよりも、実際に切削力が加わる方向に関して撓み難い形状になっている。
なお、主分力と径方向切削力との合力の方向は、外周刃インサートの形状や切削条件等により種々変化するが、本発明者らは、実験により、主分力と径方向切削力との合力の方向が概ね第1基準軸線Xに対して所定の角度、具体的には0°から−10°の範囲で傾斜するものとすると、よい結果が得られることを確認した。つまり、第2基準軸線Y’は第1基準軸線Xに対して80°以上90°以下の角度で交差するようにすればよい。
3.その他
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、この発明の本質を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態ではL/D=4としたが、L/D値は4よりも大きくても良いし、小さくても良い。しかしボデーの剛性の低下の影響が加工穴の形状に対して顕著に現れ始めるのがL/D値が4以上であることから、本発明はL/D≧4のときに特に有効である。
上記実施形態においては、ボデー基端部側部分の断面における、軸Yの一方の側への切りくず排出溝11、12の断面積の分割率を70%として説明し、また、ランド幅L1、ランドの周方向長さL1’または中心角θ1をそれぞれランド幅L2、ランドの周方向長さL2’または中心角θ2の約2倍に設定するものとして説明したが、本発明はこれらの大きさ関係に限定されるものではなく、剛性強化の効果が得られる範囲で適宜設定できるものである。
また、上記実施形態では切削インサートの形状を略三角形状のものとしたが、正方形や平行四辺形等、別の多角形形状を有するものでも構わない。また、これに合わせてインサート取付座の形状も適宜定め得るものである。
加えて、上記実施形態では、二つの切りくず排出溝はともに螺旋状に形成されていたが、切りくず排出溝の一方は直線状でも構わない。切りくず排出溝が直線状であれば、相対的にボデーから除去される体積が小さくなるので、その分ボデーの剛性が高まる。
さらに、上記実施形態における切りくず排出溝のねじれ角は互いに異なっていたが、本願発明はボデーの基端部側部分における切りくず排出溝ないしはランドの断面形状に特徴を有するものであるので、先端から基端部側部分に至る前の断面形状は適宜定め得るものである。例えば、それぞれの切りくず排出溝が途中まで同じねじれ角で形成されていてもよく、あるいは、途中から同じねじれ角で形成されていても構わない。
また、切りくず排出溝の断面形状についても、上記実施形態のように湾曲面で構成される必要は無く、いくつかの平面が組み合わさった形状でも構わない。
さらに加えて、上述の実施形態では、図6に示したように外周刃インサートの切れ刃と中心刃インサートの切れ刃とが鈍角をなすように配置されるものとしたが、平行であっても本発明の効果は失われない。
また、上記実施形態では外周刃側のインサート取付座に対応する切りくず排出溝のねじれ角を、中心刃側の切りくず排出溝のねじれ角よりも大きいものとしたが、その大小関係は切削抵抗に応じて適宜設定されるものであり、上述の実施形態とは逆に、中心刃側のインサート取付座に対応する切りくず排出溝のねじれ角の方が大きくても構わない。
さらに加えて、上記の説明では、基端側部分の断面において、いずれの切りくず排出溝についてもその断面積の分割率は第2象限および第3象限において大であるものと説明したが、第1象限および第4象限において大であっても構わない。つまり、図7を上下逆にして見れば第3象限であった箇所が第1象限に変わり、第4象限であった箇所が第2象限に変わるように、軸線Xを座標の水平軸とすれば見る方向によって各象限の順番は2パターン存在する。したがって、軸線Xを座標の水平軸とすることを前提にすれば、溝の断面積の分割率が第2象限および第3象限において大であることと、第1象限および第4象限において大であることとは等価である。さらに換言すれば、いずれの切りくず排出溝の分割率も軸線Yの一方の側において大となるものであればよい。

Claims (15)

  1. 第1の切削インサート(21)及び第2の切削インサート(22)を用いる刃先交換式ドリルのボデー(10)であって、
    前記ボデー(10)の周囲には、前記第1の切削インサート(21に対応した第1の切りくず排出溝(11および第1のランド(31)と、前記第2の切削インサート(22)に対応した第2の切りくず排出溝(12)および第2のランド(32)とが形成され、
    前記ボデーの基端側部分において、前記第1及び第2のランド(31、32)の前記ドリル(10)の周方向長さ(L1、L2)のいずれもが、前記ドリル(10)の周長の1/2未満であり、且つ、前記第2のランド(32)の周方向長さ(L2)が、前記第1のランド(31)の周方向長さ(L1)より大であり、
    前記基端側部分とは、前記ボデーの根元の部分であって、かつ、前記第1及び第2の切りくず排出溝の底が、さらなる基端方向に前記ボデーの外周側面に向かって傾斜し始める箇所を指し、
    前記基端側部分の、前記ボデーの中心軸線(O)に垂直な断面に対し、前記第1及び第2の切削インサートのうち前記第1の切削インサート(21)の切れ刃(23)の位置を投影させた状態でその断面を観察したとき、当該投影させた前記切れ刃の外周側端部と前記ボデー(10)の中心軸線(O)とを結ぶ方向(X)が最も曲げ剛性が高い方向になっており、
    前記垂直な断面における、前記第1及び第2の切りくず排出溝(11、12)の断面積いずれも、前記方向(X)に直交する軸線(Y)によって二等分されず、かつ、当該軸線(Y)に対して一方の側への分割率が65%以上75%以下に設定され
    前記方向(X)を規定する前記第1の切削インサート(21)とは、外周刃インサートである刃先交換式ドリルのボデー。
  2. 前記第2のランドの周方向長さ(L2)と前記第1のランドの周方向長さ(L1)との比が1.5:1〜3:1の範囲である請求項1に記載の刃先交換式ドリルのボデー。
  3. 前記第1及び第2の切りくず排出溝(11、12)の少なくとも一方が螺旋状に形成されており、前記第1及び第2のランドのうち一方のランドの周方向長さが、前記基端側部分に向かうほど狭くなる請求項1または2に記載の刃先交換式ドリルのボデー。
  4. 第1の切削インサート(21)及び第2の切削インサート(22)を用いる刃先交換式ドリルのボデー(10)であって、
    前記ボデー(10)の周囲には、前記第1の切削インサート(21に対応した第1の切りくず排出溝(11および第1のランド(31)と、前記第2の切削インサート(22)に対応した第2の切りくず排出溝(12)および第2のランド(32)とが形成され、
    前記ボデーの基端側部分の、前記ボデーの中心軸線(O)に垂直な断面に対し、前記第1及び第2の切削インサートのうち前記第1の切削インサート(21)の切れ刃(23)の位置を投影させた状態でその断面を観察したとき、当該投影させた前記切れ刃の外周側端部と前記ボデー(10)の中心軸線(O)とを結ぶ仮想的な軸線(X)とほぼ平行な方向が最も曲げ剛性が強い方向になっており、
    前記垂直な断面における、前記第1及び第2の切りくず排出溝(11、12)の断面積いずれも、前記軸線(X)に直交する軸線(Y)によって二等分されず、かつ、当該軸線(Y)に対して一方の側への分割率が65%以上75%以下に設定され
    前記基端側部分とは、前記ボデーの根元の部分であって、かつ、前記第1及び第2の切りくず排出溝の底が、さらなる基端方向に前記ボデーの外周側面に向かって傾斜し始める箇所を指し、
    前記軸線(X)を規定する前記第1の切削インサート(21)とは、外周刃インサートである刃先交換式ドリルのボデー。
  5. 前記分割率より好ましくは67%以上73%以下、最も好ましくは68%以上72%以下である請求項4に記載の刃先交換式ドリルのボデー。
  6. 前記基端側部分の、前記ボデーの中心軸線(O)に垂直な断面に対し、前記第1及び第2の切削インサートのうち前記第1の切削インサート(21)の切れ刃(23)の位置を投影させた状態でその断面を観察したとき、前記仮想的な軸線(X)に対して線対称な断面形状を有している請求項4または5に記載の刃先交換式ドリルのボデー。
  7. 第1の切削インサート(21)及び第2の切削インサート(22)を用いる刃先交換式ドリルのボデー(10)であって、
    該ボデー(10)の周囲には前記第1の切削インサート(21に対応した第1の切りくず排出溝(11および第1のランド(31)と、前記第2の切削インサート(22)に対応した第2の切りくず排出溝(12)および第2のランド(32)とが形成され、
    前記ボデーの基端側部分において、前記第2のランドについてのランド幅が前記第1のランドについてのランド幅よりも大きく、
    前記基端側部分とは、前記ボデーの根元の部分であって、かつ、前記第1及び第2の切りくず排出溝の底が、さらなる基端方向に前記ボデーの外周側面に向かって傾斜し始める箇所を指し、
    前記ドリル(10)を先端視した場合における前記ボデー(10)の中心軸線(O)と前記第1及び第2の切削インサートのうち前記第1の切削インサートの切れ刃の外周側端部とを結ぶ直線を含み前記中心軸線(O)と平行な平面と、前記基端側部分における前記ボデーの中心軸線(O)に垂直な断面と、の交線を第1基準軸線(X)とするとき、前記断面において前記中心軸線(O)を通過し且つ前記第1基準軸線(X)に対して所定の角度傾斜した第2基準軸線(Y’)に関する前記ボデー(10)の断面二次モーメントが、前記第1基準軸線(X)に関する前記ボデーの断面二次モーメントよりも大きく、
    前記断面において、前記第2基準軸線(Y’)と前記第1基準軸線(X)とがなす角度を、前記第1基準軸線(X)を基準にして反時計回りに測った場合、80°以上且つ90°以下であり、
    前記断面における、前記第1及び第2の切りくず排出溝(11、12)の断面積いずれも、前記第1基準軸線(X)に直交する軸線(Y)によって二等分されず、かつ、当該軸線(Y)に対して一方の側への分割率が65%以上75%以下に設定され
    前記第1基準軸線(X)を規定する前記第1の切削インサート(21)とは、外周刃インサートである刃先交換式ドリルのボデー。
  8. 前記ボデー(10)の長さLと、前記ボデーの径Dとの比L/Dが4以上である請求項1から7のいずれかに記載の刃先交換式ドリルのボデー。
  9. 請求項1から3のいずれかに記載のボデー(10)と、
    前記外周刃インサートとして穴の内周面の加工に関与する切削インサート(21)と、
    穴の中心の加工に関与する切削インサート(22)と、
    を備える刃先交換式ドリル。
  10. 前記穴の内周面の加工に関与する切削インサート(21)が、前記第2のランドに対応して取り付けられている請求項9に記載の刃先交換式ドリル。
  11. 請求項4から6のいずれかに記載のボデー(10)と、
    前記外周刃インサートとして穴の内周面の加工に関与する切削インサート(21)と、
    穴の中心の加工に関与する切削インサート(22)と、
    を備える刃先交換式ドリル。
  12. 請求項7に記載のボデー(10)と、
    前記外周刃インサートとして穴の内周面の加工に関与する切削インサート(21)と、
    穴の中心の加工に関与する切削インサート(22)と、
    を備える刃先交換式ドリル。
  13. 前記第2基準軸線(Y’)は、前記穴の内周面の加工に関与する切削インサート(21)の切れ刃に加わる切削抵抗の主分力と該主分力に直交する成分との合力の方向と一致している請求項12に記載の刃先交換式ドリル。
  14. 前記ドリル(10)を先端視した場合、前記穴の内周面の切削に関与する切削インサート(21)の切れ刃を角度の基準にして、前記穴の中心の切削に関与する切削インサート(22)の切れ刃に対してなす角度が180°以下の鈍角になっている請求項9から13のいずれかに記載の刃先交換式ドリル。
  15. 前記ボデー(10)の長さLと、前記ボデーの径Dとの比L/Dが4以上である請求項9から14のいずれかに記載の刃先交換式ドリル。
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