JP2017217703A - 穴あけ工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】切りくずの細分化能力を高めた穴あけ工具を提供することを目的とする。
【解決手段】ボデー10の先端に二枚刃のセンタードリル20と同一形状の二つの切削インサート30とが取り付けられ、二つの切削インサート30はボデー10の回転軸線周りのそれぞれの切れ刃の回転軌跡が重なるように配置され、切削インサート30は上面視したとき階段状に見え、なおかつ段差部33を挟んで両側に延びる二つの部分切れ刃32a、32bの切削領域が一部重なっている階段状切れ刃32を有し、切削インサート30の側面部分は上部側面部分36aと下部側面部分36bとを有し、上部側面部分36aはチップ座12のぬすみ部13aに収容され、下部側面部分36bはチップ座12のインサート拘束部13bと当接する、穴あけ工具100。
【選択図】 図5

Description

本発明は複数の切れ刃を備えるセンタードリルと、センタードリルの周囲に複数配置される切削インサートと、を備える穴あけ工具および中心切れ刃と外周切れ刃とがボデーに一体化した穴あけ工具に関する。
従来、特許文献1が開示するような、ドリル本体と、その先端に着脱自在に取り付けられるドリルヘッドとで構成され、複数の切れ刃を備えるきりもみインサートがドリルヘッドの中央部に着脱自在に取り付けられ、きりもみインサートよりも外方に、着脱自在にドリルヘッドに配置される切削インサートを備える穴あけ工具があった。
このような形態の穴あけ工具の特徴として、切りくずの排出性能が高いこと挙げられる。その理由は、きりもみインサートが備える切れ刃および切削インサートが備える切れ刃のそれぞれから、幅が比較的狭い切りくずが生成されるためである。また、生成される切りくずが細かいので、断面空間が大きい切りくず排出溝が必要なく、特許文献1が示す穴あけ工具は、同じ工具径で比較した際、特許文献2で開示された形態の刃先交換式ドリルよりも工具の剛性が高い。
国際公開第2007/107294号
特開2004−330373号公報
近年、より高能率な加工が可能な穴あけ工具が求められている。高能率加工を行うために切削速度や送り速度を高めると、切りくずの厚みが厚くなり切りくずが変形しにくくなる。そのため、切りくず排出溝の内側で切りくずが詰まりやすくなったり、切りくずが加工した穴の内壁面を傷つけることが多発したりする。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明はより切りくずを細分化することができる穴あけ工具を提供することを目的とする。
第1の発明にかかる穴あけ工具は、回転軸線を有するボデーと、複数の切れ刃を有するセンタードリルと、複数の切削インサートと、を備え、切削インサートは、ボデーの先端部で、かつセンタードリルよりも回転軸線から離れた位置に形成される複数のチップ座に配置され、各々の切削インサートは、端面と、その端面と交差する側面部分とを有し、前記端面に対向する方向から見るとき、前記側面部分のうち工具ボデーの先端方向を向く側面部分と前記端面との交差稜線部は段差部を有し、ボデーの先端視において、段差部の一方端に接続する第1部分交差稜線部の回転軸線周りの回転軌跡と、段差部の他方端に接続する第2部分交差稜線部の回転軸線周りの回転軌跡と、が一部重なり合う。
本発明の穴あけ工具は、前記切削インサートの前記交差稜線部が前記段差部を複数有し、前記端面に対向する方向から見るとき、前記回転軸線からより離れたところに位置する段差部ほど前記ボデーの基端側に位置すると好ましい。
本発明の穴あけ工具は、前記切削インサートが前記端面に対向する第2端面を有し、前記切削インサートの前記側面部分のうち、前記チップ座を構成する壁部に対向する少なくとも一つの前記側面部分が、前記端面に接続する上部側面部分と、前記上部側面部分よりも前記第2端面の近くに位置し、かつ前記上部側面部分よりも前記切削インサートの中心側に位置する下部側面部分と、を有し、前記壁部のうち、前記側面部分に対向する部分が、凹湾曲したぬすみ部と、前記ぬすみ部よりも前記チップ座の底面の近くに位置する切削インサート拘束部とを有し、前記下部側面部分が前記切削インサート拘束部に当接し、前記上部側面部分が前記ぬすみ部(13a)に収容されると好ましい。
本発明の穴あけ工具は、前記切削インサートの前記交差稜線部の外周端に曲線状の外周コーナが接続し、前記外周コーナに直線状の稜線部が接続し、前記端面に対向する方向から見るとき、前記直線状の稜線部が前記ボデーの回転軸線に対してほぼ平行に延びていると好ましい。
本発明の穴あけ工具は、前記センタードリルの複数の前記切れ刃が、前記ボデーの前記回転軸線の周りに等間隔で配置されると好ましい。
本発明の穴あけ工具は、複数の前記切削インサートが、前記ボデーの回転軸線の周りに等間隔で配置されると好ましい。
本発明の穴あけ工具は、前記端面の形状がn回回転対称であり、かつ前記nが3以上の自然数であると好ましい。
本発明の穴あけ工具は、前記センタードリルが前記ボデーの回転軸線に対して2回回転対称な位置に二つの切れ刃を有し、二つの前記切削インサートを有し、それら前記切削インサートが前記ボデーの回転軸線に対して2回回転対称な位置に配置され、前記ボデーの先端視において、第1の前記切削インサートの前記交差稜線部の延長線と、前記センタードリルの第1の切れ刃の延長線と、がなす角度θが0°よりも大きく180°未満であると好ましい。
本発明の穴あけ工具は、前記ボデーの外周面には複数の螺旋状の切りくず排出溝が形成され、前記切りくず排出溝は強ねじれ螺旋状部分と、前記強ねじれ螺旋状部分よりも前記ボデーの基端側に位置する弱ねじれ螺旋状部分とを備え、前記強ねじれ螺旋状部分のねじれ角が前記弱ねじれ螺旋状部分のねじれ角よりも大きいと好ましい。
本発明の穴あけ工具は、加工深さが工具直径の6倍以上であり、前記弱ねじれ螺旋状部分の長さが、前記強ねじれ螺旋状部分の長さの2.5倍以上であると好ましい。
本発明の穴あけ工具は、回転軸線を有するボデー先端に一体化された複数の中心切れ刃と、複数の外周切れ刃と、を有し、それぞれの前記中心切れ刃における前記ボデーの回転軸線周りの回転軌跡は互いに重なり合い、前記外周切れ刃は前記中心切れ刃よりも前記回転軸線から遠くに位置し、各前記外周切れ刃に対応するすくい面に対向する方向からそれぞれの前記外周切れ刃を見るとき、前記外周切れ刃は段差部を有し、前記ボデーの先端視において、前記段差部の一方端に接続する第1の部分外周切れ刃の前記回転軸線周りの回転軌跡と、前記段差部の他方端に接続する第2の部分外周切れ刃の前記回転軸線周りの回転軌跡と、が一部重なり合う。
図1は本発明の一実施形態に係る穴あけ工具の斜視図である。 図2は図1の穴あけ工具の拡大斜視図である。 図3は図1の穴あけ工具を別の角度から見た拡大斜視図である。 図4は図1の穴あけ工具の先端図である。 図5は図1の穴あけ工具を切削インサートの上面に対向する方向から見た拡大図である。 図6は図5の切削インサートの斜視図である。 図7は図5のインサートを別の方向から見た斜視図である。 図8は図5の切削インサートの平面図である。 図9は図5の切削インサートの階段状切れ刃の模式図である。 図10は図5の切削インサートの底面図である。 図11は図5の切削インサートの側面図である。 図12は図5切削インサートの別の側面図である。 図13はチップ座を示す斜視図である。 図14は図5のXIV−XIV断面図である。 図15は別の実施形態の切削インサートを示す斜視図である。 図16は別の実施形態のチップ座を示す模式図である。 図17は別の実施形態の切削インサートを示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を用いて説明する。なお、説明の便宜上、「上」や「下」等の二物体の相対的な位置関係を示す文言を用いることがあるが、そのときはあくまで各図面の中での位置関係を説明しているにすぎず、その二物体の絶対的な位置関係を規定するものではない。つまり、「物体Aは物体Bよりも上にある」と記載されていたとしても、特定の図面においてそのように描かれているだけであり、常に物体Aが物体Bよりも絶対的に上方に配置されるということを説明しているわけではない。
図1から図3に示すように、穴あけ工具100は略円柱状のボデー10と、ボデー10の先端中央に着脱自在に取り付けられるセンタードリル20と、ボデー10の先端外周に着脱自在に取り付けられる二つの同形状の切削インサート30と、を備える。穴あけ工具100はボデー10の回転軸線Cを回転軸線として回転する。
ボデー10の外周面には二つの切りくず排出溝11がある。センタードリル20および切削インサート30の切れ刃によって生成された切りくずは、この切りくず排出溝11の内側を通って、加工した穴の外へ排出される。
切りくず排出溝11は強ねじれ螺旋状部分11aと、弱ねじれ螺旋状部分11bと、で構成される。強ねじれ螺旋状部分11aおよび弱ねじれ螺旋状部分11bのそれぞれは、ボデー10の外周面に螺旋状に形成され、強ねじれ螺旋状部分11aのねじれ角の方が弱ねじれ螺旋状部分11bのねじれ角よりも大きい。なお、本実施形態における「ねじれ角」とはJIS B0171 4004に記載された「リーディングエッジとその一点を通るドリルの軸に平行な直線とがなす角」という定義と同義である。強ねじれ螺旋状部分11aと弱ねじれ螺旋状部分11bとは連続しており、強ねじれ螺旋状部分11aの方がボデー10の先端側に位置する。切りくず排出溝11のねじれ角が途中で変化することにより、切りくず排出性および工具剛性を十分な水準で実現することができる。また、穴あけ工具100の加工深さが工具径の6倍以上20倍以下の場合は、弱ねじれ螺旋状部分11bを強ねじれ螺旋状部分11aの長さの2.5倍以上4倍の範囲内で適宜設定することが好ましい。弱ねじれ螺旋状部分11bがこのような範囲内で設定されることで、深穴加工に対して十分な水準の工具剛性と切りくず排出性を実現できる。
図3に示すように、センタードリル20は先端に二つの面21を有し、各面21のそれぞれはすくい面22に接続する。面21とすくい面22との交差稜線部23は切れ刃として作用し、面21は逃げ面として作用する。以下の説明では、便宜上この交差稜線部を「切れ刃23」と表記する。面21はボデー10の回転軸線Cに対して2回回転対称に配置されており、そのため切れ刃23も回転軸線Cに対して2回回転対称に配置されている。したがって、二つの切れ刃23のボデー10の回転軸線C周りの回転軌跡は一致する。なお、この場合の「一致」とは完全に一致する場合だけではなく、センタードリル20が二枚刃の穴あけ工具として機能する範囲内で、製造誤差等が原因によって多少ずれたり歪んだりした状態も含んだ概念である。
図2に示すように、シンニング面24がすくい面22のボデー10の回転軸線C側に隣接した位置にある。すなわち、シンニング面24はすくい面22よりもボデー10の回転軸線Cに近いところに位置する。図4に示すように、シンニング面24はすくい面22と鈍角に接続しており、そのため面21とシンニング面24との交差稜線部25も切れ刃23と鈍角をなす。さらに、この交差稜線部25も切れ刃として作用する。
図4および図5に示すように、二つの切削インサート30a、30bはそれぞれセンタードリル20よりもボデー10の回転軸線Cから遠い位置に配置される。さらに、二つの切削インサート30はボデー10の回転軸線Cに対して2回回転対称な位置に配置される。
穴あけ工具100を先端視した図4に示すように、後述する切削インサート30aの階段状稜線部32とセンタードリル20の一方の切れ刃23aとがなす角度θは0°よりも大きく180°未満、具体的には約80°である。
図6から図12に示すように、切削インサート30は厚み方向に貫通する貫通孔38を有し、切削インサート30の第1端面31(以下、便宜上「上面31」と表記する)は、貫通孔38の中心軸周りに3回回転対称な形状をなす。具体的には、上面31は二つの段差部33を備える階段状稜線部32(以下、便宜上「階段状切れ刃32」と表記する)と、階段状稜線部32の一方端に接続する曲線状の外周コーナ34と、外周コーナ34に接続し直線状の直線状稜線部35と、を一つの組としたものが三組組み合わされた形状になっている。上述したように、二つの切削インサート30はボデー10の回転軸線Cに対して2回回転対称な位置に配置されるので、各切削インサートの階段状切れ刃32のボデー10の回転軸線C周りの回転軌跡は一致する。この場合の「一致」の概念も上述したセンタードリル20の場合と同様である。
切削インサート30の側面は形状が異なる二種類の側面部分を有し、一つは階段状切れ刃32に対応する第1側面部分36であり、もう一つは直線状稜線部35に対応する第2側面部分37である。第1側面部分36は階段状切れ刃32に接続する上部側面部分36aと、上部側面部分36aよりも下方、すなわち上面31に対向する第2端面40(以下、便宜上「下面40」と表記する)の近くに位置し、なおかつ上部側面部分36aよりも切削インサート30の中心側に位置している下部側面部分36bと、で構成される。上部側面部分36aは階段状切れ刃32に対応した階段状の面になっている。上部側面部分36aと上面31とのなす角度は鋭角で、上部側面部分36aには逃げ角が付与されている。
下部側面部分36bは平面であり、逃げ角が付与されている。下部側面部分36bと下面40との間には、上部側面部分36aや下部側面部分36bと比べて小さい傾斜面がある。
図5に示すように、切削インサート30の上面31に対向する方向から穴あけ工具100を見たとき、階段状切れ刃32が有する段差部33はボデー10の回転軸線Cから離れた場所に位置するものほど穴あけ工具100の基端側に位置する。いっぽう、直線状稜線部35はボデー10の回転軸線Cに対してほぼ平行に延びる。
図9に示すように、各階段状切れ刃32において、段差部33の一方端からボデー10の回転軸線C側へ延びる部分を第1部分交差稜線部32a(以下、便宜上「第1部分切れ刃32a」と表記する)とし、段差部33の他方端からボデー10の外周側へ延びる部分を第2部分交差稜線部32b(以下、便宜上「第2部分切れ刃32b」と表記する)とし、穴あけ工具100を先端視するとき、ボデー10の回転軸線C周りの第1部分切れ刃32aの回転軌跡と、第2部分切れ刃32bの回転軌跡と、は段差部33の付近で一部重なり合う。つまり、第1部分切れ刃32aの回転軌跡および第2部分切れ刃32bの回転軌跡をボデー10の回転軸線Cに垂直な面に射影すると、それぞれの回転軌跡の一部が重なり合う。すなわち言いかえると、第1部分切れ刃32aの加工領域と第2部分切れ刃32bの加工領域とは、重複する部分がある。別の説明をすると、ボデー10の回転軸線Cから第1部分切れ刃32aと段差部33との交差部までの長さよりも、ボデー10の回転軸線Cから第2部分切れ刃32bと段差部33との交差部までの長さの方が短い。これらのことは、もう一つの段差部33bの両端から延びる第2部分切れ刃32bおよび第3部分切れ刃32cにも当てはまる。したがって、一つの切削インサート30の階段状切れ刃32は、センタードリル20が切削しない穴底の外周領域を全て切削する。
図6および図7に示すように、直線状稜線部35に対応する第2側面部分37は第1側面部分36とは異なり二つの平面で構成され、下面40にほぼ垂直な上側部分37aと、上面31から下面40にかけて先すぼまりになった部分を有する下側部分37bとで構成される。
切削インサート30はボデー10に形成されたチップ座12に配置され、貫通孔38に挿通されるねじによって固定される。チップ座12の周りを囲む壁部は、凹湾曲したぬすみ部13aと、切削インサート30の下部側面部分36bに当接する切削インサート拘束部13bと、を有する。図13および図14に示すように、インサート拘束部13bはぬすみ部13aよりもチップ座の底面14に近い位置にある。切削インサート30がチップ座12に配置されたとき、切削インサート30の上部側面部分36aはぬすみ部13aに収容され、ぬすみ部13aと上部側面部分36aとは当接しない。切削インサート拘束部13bは下部側面部分36bとほぼ同じ角度で傾斜する平面であるので、インサート拘束部13bは下部側面部分36bと面接触または線接触する。
次に、穴あけ工具100が奏する効果について説明する。穴あけ工具100は二つの切れ刃の回転軌跡が一致する二枚刃のセンタードリル20を有し、なおかつ二つの切削インサート30においてはそれぞれが有する階段状切れ刃32の回転軌跡が一致するように配置されているので、能率の高い加工が可能である。また、切削インサート30は階段状切れ刃32を有しているので、より幅の狭い細分化された切りくずを生成することができる。そのため、切りくずが切りくず排出溝11の内部で詰まるなどが発生することを抑制できる。切りくずが細分化されるので、切りくず排出溝11の断面積を小さくすることも可能である。
階段状切れ刃32がボデー10の回転軸線Cに対して傾斜するように切削インサート30が配置されているので、穴あけ工具100を被加工物へ挿入する際は、階段状切れ刃32の中心側の部分から外周部分にかけて段階的に食いついていく。つまり、階段状切れ刃32の中心側から外周側に向って徐々に切削に関与していく。このことにより、一度に切れ刃全体に切削抵抗が加わる場合と比べて、穴あけ工具100が被加工物に対して曲がらず真っ直ぐに挿入することが可能になる。
切削インサート30がチップ座12に固定されるとき、切削インサート30の下部側面部分36bとチップ座12の切削インサート拘束部13bとが当接する。このように、階段状になっている上部側面部分36aではなく平面状の下部側面部分36bがチップ座12の壁部との当接部となることで、切削インサート30はより強固にチップ座12に固定される。
また、上部側面部分36aは凹湾曲したぬすみ部13aに収容されており、上部側面部分36aを含む下部側面部分36bよりも外方に突出する部分とぬすみ部13aとの間には間隙が形成されている。穴あけ工具100からクーラントを噴射させて加工する場合、穴底に跳ね返って加工穴から排出されようとするクーラントの一部は、この間隙を通って再び穴底へ戻る。そのため、一定量クーラントが穴底に溜まり切れ刃が効果的に冷却される。
ボデー10の回転軸線Cに対してほぼ平行に延びる直線状稜線部35に接続する上側部分37aがマージンとして機能し、これが穴壁と接触することで穴あけ工具100の挙動を安定させる。
切削インサート30は3回回転対称な形状になっているため、3回使用することが可能であり、経済的である。
図4に示すように、センタードリル20の切れ刃23と切削インサート30の階段状切れ刃32とは、穴あけ工具100を先端視したとき、平行もしくは同一直線状上に配置されるのではなく、所定の角度をなす。言いかえると、切削インサート30aの階段状切れ刃32の延長線とセンタードリル20の一方の切れ刃23aの延長線とがなす角度θは0°よりも大きく180°よりも小さい。このように切れ刃が配置されることで、加工中のびびり振動を抑制することができる。また、このような切れ刃の配置であると、四つの切れ刃の長さをほぼ均等にすることができる。つまり、センタードリル20の切れ刃23と切削インサート30の階段状切れ刃32とが同一直線上に載るように配置される場合、チップ座12の強度を確保するために、チップ座12の壁部は上記実施形態よりもボデー10の外周側に移動される必要があり、その分チップ座12は小さくなる。チップ座12が小さくなると、それに伴い切削インサート30も小さくなり、階段状切れ刃32は短くなる。上記実施形態では四つの切れ刃の長さがほぼ同じであるので、穴あけ工具100の中心部分に加わる抵抗と、外周部分に加わる抵抗との差が小さく、穴あけ工具100の挙動は安定する。
以上、本発明についてその一実施形態を例に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば、図15の切削インサート300のように、階段状切れ刃32に対応する側面部分全体を階段状に形成することも可能である。その場合、図16の模式図に示すように、チップ座312が階段状の側面部分の形状に倣った形状の壁部を有すると切削インサート300との当接面積が増えて切削インサート300がチップ座312に強固に固定される。
上記実施形態では、階段状切れ刃32の段差部33の数は二つであったが、一つでも三つ以上あっても構わない。また階段状切れ刃32は上記実施形態のような完全な階段状ではなく、図17に示すような、一つ目の段差部331とその隣の段差部332とで段違いに形成される向きが反対になる形状も可能である。
切削インサート30の直線状稜線部35に接続する上側部分37aは上述したようにマージンとして適切に機能する範囲内でボデー10の回転軸線Cに対して傾斜していてもよい。例えば、上面31に対向する方向から見たとき、直線状稜線部35が回転軸線Cに対して0.75°以下の範囲内で傾斜している場合でも、上側部分37aは十分にマージンとして機能する。
センタードリル20が有する切れ刃23の数に限定はなく、三つ以上であっても構わない。またそのとき、切れ刃23どうしは必ずしもボデー10の回転軸線に対して回転対称に配置される必要はないが、回転対称に配置されることが好ましい。同様に配置する切削インサート30の数にも限定はなく、三つ以上用いることが可能である。切削インサート30を三つ以上用いる場合は、それぞれをボデー10の回転軸線に対して回転対称に配置することが好ましい。
本発明において、センタードリル20として採用可能な形状は、複数の切れ刃を有し、それぞれの切れ刃の切削領域が一致するような形状に一体化されたものであれば上記実施形態に限定されない。例えば、スペードドリルやヘッド交換式ドリルと呼ばれる穴あけ工具も本発明のセンタードリルとして採用が可能である。
切削インサート30の上面31の形状は上記実施形態に限定されず、4角形や5角形といった別の略多角形形状も採用が可能である。このときの上面の形状が回転対称な形状であると、切れ刃を交代しながら使用できるので経済的である。
上記実施形態では切削インサート30はチップ座12にねじによって着脱自在に固定されていたが、ろう付けや接着剤等を用いて切削インサート30を完全に固定することも可能である。
本発明の穴あけ工具は上記実施形態のように交換可能なセンタードリルおよび切削インサートで構成されるものに限定されず、例えばソリッドドリルのように、切れ刃とボデーとが一体になった形態であってもよい。
10…ボデー
11…切りくず排出溝
11a…強ねじれ螺旋状部分
11b…弱ねじれ螺旋状部分
12…チップ座
13a…ぬすみ部
13b…インサート拘束部
20…センタードリル
21…面
22…すくい面
23…交差稜線部(切れ刃)
24…シンニング面
25…先端面とシンニング面との交差稜線部
30…切削インサート
31…第1端面(上面)
32…階段状稜線部(階段状切れ刃)
32a…階段状切れ刃において、段差部の一方端からボデーの回転軸線側へ延びる部分(第1部分切れ刃)
32b…階段状切れ刃において、段差部の他方端からボデーの外周側へ延びる部分(第2部分切れ刃)
33…段差部
34…外周コーナ
35…直線状稜線部
36…第1側面部分
36a…上部側面部分
36b…下部側面部分
37…第2側面部分
37a…上側部分
37b…下側部分
40…第2端面(下面)
100…穴あけ工具

Claims (11)

  1. 回転軸線を有するボデー(10)と、
    複数の切れ刃を有するセンタードリル(20)と、
    複数の切削インサート(30)と、を備え、
    前記切削インサート(30)は、前記ボデー(10)の先端部で、かつ前記センタードリル(20)よりも前記回転軸線から離れた位置に形成される複数のチップ座(12)に配置され、
    各々の前記切削インサート(30)は、端面(31)と、前記端面(31)と交差する側面部分(36、37)とを有し、
    前記端面(31)に対向する方向から見るとき、前記側面部分(36、37)のうち前記工具ボデー(10)の先端方向を向く前記側面部分(36)と前記端面(31)との交差稜線部(32)は段差部(33)を有し、
    前記ボデー(10)の先端視において、前記段差部(33)の一方端に接続する第1部分交差稜線部(32a)の前記回転軸線周りの回転軌跡と、前記段差部(33)の他方端に接続する第2部分交差稜線部(32b)の前記回転軸線周りの回転軌跡と、が一部重なり合う穴あけ工具。
  2. 前記切削インサート(30)の前記交差稜線部(32)は前記段差部(33)を複数有し、
    前記端面(31)に対向する方向から見るとき、前記回転軸線からより離れたところに位置する前記段差部(33)ほど前記ボデー(10)の基端側に位置する請求項1に記載の穴あけ工具。
  3. 前記切削インサート(30)は、前記端面(31)に対向する第2端面(40)を有し、
    前記切削インサート(30)の前記側面部分(36、37)のうち、前記チップ座(12)を構成する壁部に対向する少なくとも一つの前記側面部分(36)は前記端面(31)に接続する上部側面部分(36a)と、前記上部側面部分(36a)よりも前記第2端面(40)の近くに位置し、かつ前記上部側面部分(36a)よりも前記切削インサート(30)の中心側に位置する下部側面部分(36b)と、を有し、
    前記壁部のうち、前記側面部分(36)に対向する部分は、凹湾曲したぬすみ部(13a)と、前記ぬすみ部(13a)よりも前記チップ座(12)の底面の近くに位置する切削インサート拘束部(13b)とを有し、
    前記下部側面部分(36b)が前記切削インサート拘束部(13b)に当接し、前記上部側面部分(36a)が前記ぬすみ部(13a)に収容される請求項1または2に記載の穴あけ工具。
  4. 前記切削インサート(30)の前記交差稜線部(32)の外周端に曲線状の外周コーナ(34)が接続し、
    前記外周コーナ(34)に直線状の稜線部(35)が接続し、
    前記端面(31)に対向する方向から見るとき、前記直線状の稜線部(35)は前記ボデー(10)の回転軸線に対してほぼ平行に延びている請求項1から3のいずれか一項に記載の穴あけ工具。
  5. 前記センタードリル(20)の複数の前記切れ刃は、前記ボデー(10)の前記回転軸線の周りに等間隔で配置される請求項1から4のいずれか一項に記載の穴あけ工具。
  6. 複数の前記切削インサート(30)は、前記ボデー(10)の回転軸線の周りに等間隔で配置される請求項1から5のいずれか一項に記載の穴あけ工具。
  7. 前記端面(31)の形状がn回回転対称であり、かつ前記nが3以上の自然数である請求項1から6のいずれか一項に記載の穴あけ工具。
  8. 前記センタードリル(20)が前記ボデー(10)の回転軸線に対して2回回転対称な位置に二つの切れ刃を有し、
    二つの前記切削インサート(30)を有し、それら前記切削インサート(30)が前記ボデー(10)の回転軸線に対して2回回転対称な位置に配置され、
    前記ボデー(10)の先端視において、第1の前記切削インサート(30)の前記交差稜線部(32)の延長線と、前記センタードリル(20)の第1の切れ刃の延長線と、がなす角度θが0°よりも大きく180°未満である請求項1から7のいずれか一項に記載の穴あけ工具。
  9. 前記ボデー(10)の外周面には複数の螺旋状の切りくず排出溝(11)が形成され、
    前記切りくず排出溝(11)は強ねじれ螺旋状部分(11a)と、前記強ねじれ螺旋状部分(11a)よりも前記ボデー(10)の基端側に位置する弱ねじれ螺旋状部分(11b)とを備え、
    前記強ねじれ螺旋状部分(11a)のねじれ角が前記弱ねじれ螺旋状部分(11b)のねじれ角よりも大きい請求項1から8のいずれか一項に記載の穴あけ工具。
  10. 加工深さが工具直径の6倍以上であり、
    前記弱ねじれ螺旋状部分(11b)の長さが、前記強ねじれ螺旋状部分(11a)の長さの2.5倍以上である請求項9に記載の穴あけ工具。
  11. 回転軸線を有するボデー先端に一体化された複数の中心切れ刃と、複数の外周切れ刃と、を有し、
    それぞれの前記中心切れ刃における前記ボデーの回転軸線周りの回転軌跡は互いに重なり合い、
    前記外周切れ刃は前記中心切れ刃よりも前記回転軸線から遠くに位置し、
    各前記外周切れ刃に対応するすくい面に対向する方向からそれぞれの前記外周切れ刃を見るとき、前記外周切れ刃は段差部を有し、
    前記ボデーの先端視において、前記段差部の一方端に接続する第1の部分外周切れ刃の前記回転軸線周りの回転軌跡と、前記段差部の他方端に接続する第2の部分外周切れ刃の前記回転軸線周りの回転軌跡と、が一部重なり合う穴あけ工具。

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