JP2020089117A - 発電システム - Google Patents

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暁 山中
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Yoonho Kim
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Tomokazu Sakamoto
友和 坂本
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Ju Yeong Kim
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Abstract

【課題】誘電体の温度状態に応じて、応答性よく誘電体に電圧を印加することができ、発電効率の向上を図ることができる発電システムを提供すること。【解決手段】発電システム1は、エンジン11と、排気管17と、誘電体3および電極4を備える積層デバイス5と、電圧センサ15と、電圧印加装置9と、制御装置10とを備え、積層デバイス5は、積層方向における一方側に配置される誘電体3およびその誘電体3に接触配置される電極4により構成され、電圧センサ15に電気的に接続される温度検知部7と、温度検知部7に対して積層方向における他方側に配置される誘電体3およびその誘電体3に接触配置される電極4により構成され、電圧印加装置9に電気的に接続される電力取出部6とを備え、制御装置10は、電圧センサ15で測定される起電力から誘電体3の温度を検知するとともに、誘電体3の温度に応じて電圧印加装置9の作動および停止を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、発電システムに関する。
従来、自動車エンジンなどの内燃機関や、ボイラー、空調設備などの熱交換器、発電機、モータなどの電動機関、照明などの発光装置などの各種エネルギー利用装置では、例えば、排熱、光などとして、多くの熱エネルギーが放出および損失されている。
近年、省エネルギー化の観点から、放出される熱エネルギーを回収し、エネルギー源として再利用することが要求されている。そのようなシステムとして、具体的には、例えば、温度が経時的に上下する熱源と、その熱源の温度変化に応じて電気分極する第1デバイス(誘電体など)と、第1デバイスから電力を取り出すため、第1デバイスを挟むように対向配置される第2デバイス(電極など)とを備える発電システムが提案されている。また、その発電システムを自動車などに積載すること、さらには、そのような場合に第1デバイス(誘電体など)を自動車の排ガスが供給される排気管内に配置することが、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、このような発電システムにおいては、より効率的に発電するために、その第1デバイス(誘電体)の温度条件に応じて、第1デバイス(誘電体)に電圧を印加することが提案されている。
具体的には、例えば、温度が経時的に上下する熱源と、その熱源により加熱される熱媒体が通過する流路と、熱媒体の温度変化により温度が経時的に上下され、電気分極する発電素子を備える発電デバイスと、発電デバイスの上流側で熱媒体の温度を検知する温度検知手段と、発電デバイスに電圧を印加する電圧印加手段と、電圧印加手段を制御するための制御手段とを備える発電システムにおいて、温度検知素子による温度検知に応じて電圧印加手段を作動および停止させ、発電素子に電圧を印加することにより発電効率の向上を図る方法が、提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2011−250675号公報 特開2015−104181号公報
このような発電システムでは、発電素子(誘電体)に温度状態に応じた電圧を印加することができるが、より効率よく電力を取り出すため、さらなる応答性の向上が要求されている。
本発明は、誘電体の温度状態に応じて、応答性よく誘電体に電圧を印加することができ、発電効率の向上を図ることができる発電システムである。
本発明[1]は、温度が経時的に上下する熱源と、前記熱源により加熱される熱媒体が通過する流路と、前記流路内に配置され、前記熱媒体により温度が経時的に上下されることにより電気分極する誘電体、および、前記誘電体に接触配置される前記電極と、前記誘電体の起電力を測定するための電圧測定手段と、前記誘電体に電圧を印加するための電圧印加手段と、前記電圧測定手段および前記電圧印加手段に電気的に接続されており、前記電圧測定手段で測定される起電力から前記誘電体の温度を検知するとともに、前記誘電体の温度に応じて前記電圧印加手段の作動および停止を制御するための制御手段とを備え、複数の前記誘電体および複数の前記電極は、交互に積層されることにより積層デバイスを形成し、前記積層デバイスは、積層方向における一方側に配置される誘電体、および、その誘電体に接触配置される電極により構成され、前記電圧測定手段に電気的に接続される温度検知部と、前記温度検知部に対して前記積層方向における他方側に配置される誘電体、および、その誘電体に接触配置される前記電極により構成され、前記電圧印加手段に電気的に接続される電力取出部とを備えている、発電システムを含んでいる。
本発明の発電システムでは、複数の誘電体および複数の電極が交互に積層されることにより、積層デバイスが形成されている。また、積層方向における一方側に配置される誘電体と、その誘電体に接触配置される電極とによって温度検知部が構成されており、さらに、温度検知部に対して積層方向における他方側に配置される誘電体と、その誘電体に接触配置される電極とによって、電力取出部が構成されている。加えて、温度検知部が電圧測定手段に電気的に接続されるとともに、電力取出部が電圧印加手段に電気的に接続されており、かつ、これら電圧測定手段および電圧印加手段は、制御手段に電気的に接続されている。
これにより、本発明の発電システムによれば、温度検知部の誘電体の温度を検知して、誘電体の温度に応じて電圧印加手段を制御することができる。
さらに、本発明の発電システムでは、温度検知部の誘電体と、電力取出部の誘電体とが、電極を介して積層されており、これら誘電体および電極が、単一の積層デバイスを形成している。
すなわち、本発明の発電システムでは、温度検知部および電力取出部が密着しているため、温度検知部により電力取出部の温度状態を精度良く検知することができる。その結果、電力取出部の温度状態に応じて、応答性よく誘電体に電圧を印加することができ、発電効率の向上を図ることができる。
本発明の発電システムが車載された一実施形態を示す概略構成図である。 図1に示される発電システムにおける積層デバイスの一実施形態を示す概略構成図である。 図1に示される発電システムにおける積層デバイスの他の実施形態を示す概略構成図である。
1.自動車の構成
図1は、本発明の発電システムの一実施形態の概略構成図である。
図1において、自動車8は、動力システム2と、エネルギー回収システム29とを備えている。
動力システム2は、温度が経時的に上下する熱源としてのエンジン11、エンジン11に空気を供給するための吸気管16、エンジン11により加熱される熱媒体としての排ガスが通過する流路としての排気管17、および、エンジン11に燃料を供給するための燃料供給装置20を備えている。
エンジン11は、動力を発生する装置であって、例えば、単気筒型または多気筒型(例えば、2気筒型、4気筒型、6気筒型)が採用されるとともに、その各気筒において、多サイクル方式(例えば、2サイクル方式、4サイクル方式、6サイクル方式など)が採用される。
以下において、4気筒型が採用されるとともに、その各気筒で4サイクル方式が採用されるエンジン11について、説明する。
このエンジン11は、並列配置される複数(4つ)の気筒12を備えている。なお、図1においては、1つの気筒12を取り出して示し、その他の気筒12については省略している。
各気筒12は、ピストン13、燃焼室14および点火プラグ(図示せず)などを備えており、上流側が吸気管16に接続されるとともに、下流側が排気管17に接続されている。
また、各気筒12は、吸気管16と接続される接続部分において、吸気バルブ18を備えるとともに、排気管17と接続される接続部分において、排気バルブ19を備えている。
吸気バルブ18は、気筒12と吸気管16との接続部分において、気筒12を開閉可能に設けられている。
排気バルブ19は、気筒12と排気管17との接続部分において、気筒12を開閉可能に設けられている。
これら吸気バルブ18および排気バルブ19は、図示しないが、スプリングなどの弾性力によって閉方向に付勢されている。これら吸気バルブ18および排気バルブ19は、例えば、カムシャフトの回転などによって、気筒12を開閉可能としている。
吸気管16は、エンジン11に空気を供給するために設けられ、その下流側端部がエンジン11の気筒12に接続されるとともに、上流側端部が外気に開放されている。
また、吸気管16は、スロットルバルブ27を備えている。スロットルバルブ27は、例えば、アクセルペダルの踏み込みなどの運転操作に伴い、その開閉および開度が調節可能とされており、その開閉によって、エンジン11に空気を取り込み可能としている。
排気管17は、エンジン11から排ガスを排出させるために設けられ、その上流側端部がエンジン11の気筒12に接続されている。
また、図示しないが、複数(4つ)の気筒12に接続される複数(4つ)の排気管17は、所定の箇所で1つに集合され、その集合された排気管17の下流側には、触媒搭載部24および箱型収容ケース50が介在されている。
触媒搭載部24は、例えば、触媒担体およびその担体上にコーティングされる触媒を備えており、エンジン11から排出される排ガスに含まれる炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)などの有害成分を浄化するために、排気管17における排ガスの流れ方向途中部分に接続されている。
箱型収容ケース50は、排気管17の触媒搭載部24よりも下流側の流れ方向途中において、排気管17に連通するように介装される略直方体状の収容ケースであって、その内部空間において排ガスが通過する。
そして、箱型収容ケース50の下流側において、排気管17の下流側端部は、外気に開放されている。これにより、エンジン11から排出される排ガスを、外気に放出可能としている。
燃料供給装置20は、燃料タンク21および燃料供給管22を備えている。
燃料タンク21は、エンジン11に供給される燃料(例えば、ガソリンなど)が貯留されるタンクであって、耐熱耐圧容器などから形成されている。
燃料供給管22は、燃料タンク21からエンジン11に燃料を供給するために設けられており、その上流側端部が燃料タンク21に接続されるとともに、下流側端部が、燃料噴射弁23に接続されている。
燃料噴射弁23は、エンジン11に対する燃料タンク21からの燃料の供給量を調節するとともに、その燃料をエンジン11に対して噴射するための弁であって、燃料供給管22の下流側端部に設けられ、吸気管16の吸気バルブ18よりも上流側に接続されている。
燃料噴射弁23としては、特に制限されず、公知の噴射弁を用いることができる。
このような燃料噴射弁23は、エンジン11のエンジン制御ユニット28に電気的に接続されており、エンジン制御ユニット28によって、その開閉が制御されている。
エンジン制御ユニット28は、エンジン11の運転状態(例えば、図示しない回転計により検知されるエンジン11の回転数、例えば、図示しない圧力センサにより検知されるスロットルバルブ27の下流側の吸気管16内の圧力など)に基づいて燃料供給量を制御するユニットであって、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータから構成されている。
そして、このエンジン制御ユニット28に燃料噴射弁23が電気的に接続されることにより、エンジン制御ユニット28からの制御信号が、燃料噴射弁23に入力可能とされている。これにより、エンジン制御ユニット28が、エンジン11の運転状態に応じて、燃料噴射弁23の開閉および開度、すなわち、燃料噴射弁23による燃料の噴射量(エンジン11に対する燃料の供給量)を制御可能としている。
エネルギー回収システム29は、誘電体3および電極4を備える積層デバイス5と、誘電体3の起電力を測定するための電圧測定手段としての電圧センサ15と、誘電体3に電圧を印加するための電圧印加手段としての電圧印加装置9と、電圧センサ15および電圧印加装置9に接続される制御手段としての制御装置10とを備えている。
積層デバイス5は、排気管17内に配置されており、より具体的には、箱型収容ケース50内に収容されている。
より具体的には、積層デバイス5は、図2に示されるように、複数の誘電体3および複数の電極4を備えており、誘電体3および電極4が所定方向(図1では、排ガスの流れ方向)に沿って交互に積層されることにより、単一の積層体として形成されている。
誘電体3は、エンジン11から排出され、温度が経時的に上下する排ガスが供給されることにより、温度が経時的に上下され、電気分極する素子(発電素子)である。
ここでいう電気分極とは、結晶の歪みにともなう正負イオンの変位により誘電分極し電位差が生じる現象、例えばピエゾ効果、および/または、温度変化により誘電率が変化し電位差が生じる現象、例えば焦電効果などのように、材料に起電力が発生する現象と定義する。
このような誘電体3として、具体的には、例えば、ピエゾ効果により電気分極する素子、焦電効果により電気分極する素子などが挙げられる。
ピエゾ効果は、応力または歪みが加えられたときに、その応力または歪みの大きさに応じて電気分極する効果(現象)である。
このようなピエゾ効果により電気分極する誘電体3としては、特に制限されず、公知のピエゾ素子(圧電素子)を用いることができる。
誘電体3としてピエゾ素子が用いられる場合には、ピエゾ素子は、例えば、その周囲が固定部材により固定され、排ガスに接触(曝露)されるように、箱型収容ケース50内に配置される。
固定部材としては、特に制限されず、例えば、後述する電極4を用いることができる。
そして、このような場合には、ピエゾ素子は、排ガスの経時的な温度変化により、加熱または冷却され、これにより、膨張または収縮する。
このとき、ピエゾ効果(圧電効果)、または、キュリー点付近での相変態により、電気分極する。これにより、詳しくは後述するが、電極4を介して、ピエゾ素子から電力が取り出される。
また、このようなピエゾ素子は、通常、加熱状態または冷却状態が維持され、その温度が一定(すなわち、体積一定)になると、電気分極が中和され、その後、冷却または加熱されることにより、再度、電気分極する。
そのため、後述するように排ガスが経時的に温度変化し、高温状態と低温状態とが経時的に繰り返される場合などには、ピエゾ素子が経時的に繰り返し加熱および冷却されるため、ピエゾ素子の電気分極およびその中和が、経時的に繰り返される。
その結果、後述する電極4により、電力が、経時的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)として取り出される。
焦電効果は、例えば、誘電体3などを加熱および冷却する時に、その温度変化に応じて誘電体が電気分極する効果(現象)であって、第1効果および第2効果を含んでいる。
第1効果は、誘電体の加熱時および冷却時において、その温度変化により自発分極し、誘電体の表面に、電荷を生じる効果とされている。
また、第2効果は、誘電体の加熱時および冷却時において、その温度変化により結晶構造に圧力変形が生じ、結晶構造に加えられる応力または歪みにより、圧電分極を生じる効果(ピエゾ効果、圧電効果)とされている。
このような焦電効果により電気分極する素子としては、特に制限されず、公知の焦電素子を用いることができる。
誘電体3として焦電素子が用いられる場合には、焦電素子は、排ガスに接触(曝露)されるように、箱型収容ケース50内に配置される。
このような場合において、焦電素子は、排ガスの経時的な温度変化により、加熱または冷却され、その焦電効果(第1効果および第2効果を含む)により、電気分極する。これにより、詳しくは後述するが、電極4を介して、焦電素子から電力が取り出される。
また、このような焦電素子は、通常、加熱状態または冷却状態が維持され、その温度が一定になると、電気分極が中和され、その後、冷却または加熱されることにより、再度、電気分極する。
そのため、後述するように排ガスが経時的に温度変化し、高温状態と低温状態とが経時的に繰り返される場合などには、焦電素子が経時的に繰り返し加熱および冷却されるため、焦電素子の電気分極およびその中和が、経時的に繰り返される。
その結果、後述する電極4により、電力が、経時的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)として取り出される。
このような誘電体3は、キュリー点を有する誘電体であって、公知の焦電素子(例えば、BaTiO、CaTiO、(CaBi)TiO、BaNdTi14、BaSmTi12、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O)など)、公知のピエゾ素子(例えば、水晶(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)、ロッシェル塩(酒石酸カリウム−ナトリウム)(KNaC)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)、リチウムテトラボレート(Li)、ランガサイト(LaGaSiO14)、窒化アルミニウム(AlN)、電気石(トルマリン)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など)、Ca(VO、Ca(VO/Ni、LiNbO、LiNbO/Ni、LiTaO、LiTaO/Ni、Li(Nb0.4Ta0.6)O、Li(Nb0.4Ta0.6)O/Ni、Ca{(Nb,Ta)O、Ca{(Nb,Ta)O/Niなどを用いることができる。
誘電体3としては、さらに、LaNbO、LiNbO、KNbO、MgNbO、CaNbO、(K1/2Na1/2)NbO、(K1/2Na1/2)NbO/Ni、(Bi1/21/4Na1/4)NbO、(Sr1/100(K1/2Na1/299/100)NbO、(Ba1/100(K1/2Na1/299/100)NbO、(Li1/10(K1/2Na1/29/10)NbO、SrNaNb15、Sr19/10Ca1/10NaNb15、Sr19/10Ca1/10NaNb15/Ni、BaNaNbO15、BaNb、BaNaNbO15/Ni、BaNb/Niなどの誘電体や、例えば、Pb(Mg1/3Nb2/3)O、Pb(Zn1/3Nb2/3)O、Pb(Mg1/3Ta2/3)O、Pb(Yb1/2Nb1/2)O、Pb(Yb1/2Ta1/2)O、Pb(In1/2Nb1/2)O、Pb(Sc1/2Nb1/2)O、Pb(Sc1/2Ta1/2)O、PbTiOなどのリラクサーペロブスカイト型結晶構造の誘電体などを用いることもできる。
これら誘電体3は、単独使用または2種類以上併用することができる。
例えば、全ての誘電体3が互いに同一の種類であってもよく、また、全ての誘電体3が互いに異なる種類であってもよい。また、例えば、後述する電力取出部6における誘電体3が互いに同一の種類であり、後述する温度検知部7の誘電体3とは異なる種類であってもよい。好ましくは、全ての誘電体3が互いに同一の種類である。
誘電体3のキュリー点は、例えば、−77℃以上、好ましくは、−10℃以上であり、例えば、1300℃以下、好ましくは、900℃以下である。
また、誘電体3の比誘電率は、例えば、1以上、好ましくは、100以上、より好ましくは、2000以上である。
このようなエネルギー回収システム29では、誘電体3の比誘電率が高いほど、エネルギー変換効率が高く、高電圧で電力を取り出すことができるが、誘電体3の比誘電率が上記下限未満であれば、エネルギー変換効率が低く、得られる電力の電圧が低くなる場合がある。
なお、誘電体3は、排ガスの温度変化によって電気分極するが、その電気分極は、電子分極、イオン分極および配向分極のいずれでもよい。
例えば、配向分極によって分極が発現する材料(例えば、液晶材料など)では、その分子構造を変化させることにより、発電効率の向上を図ることができるものと期待されている。
このような誘電体3は、例えば、板状、シート状などとして形成され、箱型収容ケース50内において、図2に示すように、互いに間隔を隔てて複数整列配置されており、各誘電体3は、後述する電極4により、挟持および固定されている。これにより、誘電体3は、それぞれ、箱型収容ケース50内において、電極4を介して、排ガスに接触(曝露)可能とされている。
なお、誘電体3の層数および厚みは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。好ましくは、誘電体3の層数および厚みは、目標発電エネルギーや、電圧印加装置9(後述)による印加電圧などに応じて、設定される。
電極4は、誘電体3から電力を取り出すために設けられる金属部材であり、各誘電体3の間において、それぞれ、誘電体3に接触するように配置されている。
より具体的には、電極4は、互いに異なる極性を有する第1電極4aおよび第2電極4bを備えている。
第1電極4aおよび第2電極4bは、例えば、金電極、銀電極、銅電極などであって、例えば、板状、シート状などに形成されている。なお、第1電極4aおよび第2電極4b厚みは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、第1電極4aおよび第2電極4bは、それぞれ複数(図2では、それぞれ4つ)設けられており、互いに対向するように、誘電体3を介して積層されている。また、第1電極4aおよび第2電極4bは、電極4の積層方向に沿って順次、交互に配置されており、誘電体3は、第1電極4aと第2電極4bとによって挟持されている。
つまり、誘電体3からなる層と、電極4(第1電極4aおよび第2電極4b)からなる層とが、交互に積層されている。これにより、積層デバイス5が形成されている。
換言すれば、積層デバイス5は、複数の電極4(第1電極4aおよび第2電極4b)と、それらの間に介在される複数の誘電体3とからなる積層体である。
このような積層デバイス5は、例えば、排気管17中に単数または複数配置され、好ましくは、複数整列配置される。なお、図1においては、1つの積層デバイス5を取り出して示し、その他の積層デバイス5については省略している。
また、図1では、積層デバイス5は、排気管17中において、誘電体3および電極4の積層方向が、排ガスの流れ方向に沿うように配置される。
そして、積層デバイス5は、図2に示されるように、積層方向における一方側(例えば、排ガスの流れ方向における最上流側)に構成される温度検知部7と、温度検知部7に対して積層方向他方側(例えば、排ガスの流れ方向下流側)に構成される電力取出部6とを備えている。
温度検知部7は、積層方向における一方側(例えば、排ガスの流れ方向における最上流側)に配置される誘電体3、および、その誘電体3に接触配置される一対の電極4(第1電極4aおよび第2電極4b)により構成されている。
換言すれば、温度検知部7は、一対の電極4と、その電極4に挟持される1つの誘電体3とからなり、積層デバイス5中における積層方向一方側(例えば、排ガスの流れ方向における最上流側)に配置されている。
このような温度検知部7は、一対の検知導線51により、後述する電圧センサ15に電気的に接続されている。
より具体的には、図1および図2の二点鎖線が参照されるように、温度検知部7における電極4(各第1電極4aおよび各第2電極4b)には、検知導線51の一方側端部がそれぞれ接続されており、また、検知導線51の他方側端部が、後述する電圧センサ15に、電気的に接続されている。
これにより、第1電極4aおよび第2電極4bは、温度検知部7の誘電体3の起電力を検知するための電極として使用可能とされている。
電力取出部6は、温度検知部7に対して積層方向他方側(例えば、排ガスの流れ方向下流側)に配置される誘電体3(すなわち、積層方向一方側(例えば、排ガスの流れ方向における最上流側)に配置される誘電体3を除いた誘電体3)、および、それら誘電体3に接触配置される電極4により構成されている。
換言すれば、電力取出部6は、複数対の電極4と、それら電極4に挟持される複数の誘電体3とからなり、積層デバイス5中における温度検知部7の下流側に配置されている。
このような電力取出部6は、一対の取出導線52により、バッテリー32に電気的に接続されている。
より具体的には、図1および図2の二点鎖線が参照されるように、電力取出部6における電極4(各第1電極4aおよび各第2電極4b)には、取出導線52の一方側端部が、それぞれ接続されている。つまり、取出導線52の一方側が、電極4の数に応じて分岐し、各電極4に接続されている。また、取出導線52の他方側端部が、昇圧器30(後述)、交流/直流変換器(AC−DCコンバーター)31(後述)およびバッテリー32(後述)に、順次、電気的に接続されている。
これにより、第1電極4aおよび第2電極4bは、電力取出部6の誘電体3から電力を取り出すための電極として使用可能とされる。
さらに、電力取出部6は、一対の印加導線53により、後述する電圧印加装置9に電気的に接続されている。
より具体的には、図1および図2の二点鎖線が参照されるように、電力取出部6における電極4(各第1電極4aおよび各第2電極4b)には、印加導線53の一方側端部が、それぞれ接続されている。つまり、印加導線53の一方側が、電極4の数に応じて分岐し、各電極4に接続されている。また、印加導線53の他方側端部が、後述する電圧印加装置9に、電気的に接続されている。
これにより、第1電極4aおよび第2電極4bは、電力取出部6の誘電体3に電圧を印加するための電極として使用可能とされる。
すなわち、積層デバイス5の電力取出部6では、誘電体3において生じる電力が取り出し可能とされ、かつ、電圧印加装置9(後述)による電圧が誘電体3に対して印加可能とされている。
また、必要に応じて、取出導線52と印加導線53とは、一部が共用されていてもよい。すなわち、図1および図2が参照されるように、各電極4に接続される導線を、取出導線52および印加導線53として共用することができる。
このような場合、取出導線52および印加導線53として共用される共用部分55は、必要に応じて、スイッチ54により切り替え可能とされる。より具体的には、取出導線52と印加導線53との境界部分に、取出導線52と印加導線53とを切り替えるスイッチ54が設けられ、このスイッチ54の切り替えにより、共用部分55が取出導線52または印加導線53として、切り替えて使用される。
電圧センサ15は、温度検知部7における誘電体3の電圧を検知するためのセンサである。電圧センサ15としては、特に制限されず、公知のセンサが用いられる。
電圧センサ15は、検知導線51によって、温度検知部7の誘電体3を挟持する一対の電極4に、電気的に接続されている。また、電圧センサ15は、後述する制御装置10に電気的に接続されている。
これにより、温度検知部7の誘電体3において生じる起電力が、電極4(第1電極4aおよび第2電極4b)を介して取り出し可能とされ、電圧センサ15で計測可能とされている。さらに、電圧センサ15で得られた誘電体3の起電力が、制御装置10に対して電気信号として入力可能とされており、この起電力に基づいて、誘電体3の温度を検知可能としている。
電圧印加装置9は、電力取出部6の誘電体3に電圧を印加するために設けられており、電圧印加電源25を備えている。
電圧印加電源25は、印加導線53によって、電力取出部6の複数の誘電体3を挟持する複数の電極4に、電気的に接続されている。また、電圧印加電源25は、後述する制御装置10に電気的に接続されている。
これにより、制御装置10の制御により、電圧印加電源25の作動および停止が制御可能とされている。そして、電圧印加電源25において生じる電圧が、電極4(第1電極4aおよび第2電極4b)を介して、電力取出部6の誘電体3に対して印加可能とされている。
制御装置10は、自動車8(発電システム1を含む。)における電気的な制御を実行するユニット(例えば、ECU:Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータで構成されている。
この制御装置10は、電圧センサ15および電圧印加装置9に電気的に接続されており、詳しくは後述するが、上記した電圧センサ15により検知される起電力から、誘電体3の温度を検知するとともに、その誘電体3の温度に応じて、電圧印加装置9を作動または停止させる。
より具体的には、制御装置10には、温度検知部7の誘電体3において生じる起電力と、温度検知部7の誘電体3の温度との関係を示すマッピングデータが、格納されている。
すなわち、上記した温度検知部7の誘電体3は、温度が経時的に上下する排ガスが供給されることにより、温度が経時的に上下され、それによって電気分極し、起電力を生じさせる。
このとき、温度検知部7の誘電体3の温度と、温度検知部7の誘電体3において生じる起電力との間に、相関がある。
このような相関関係に基づいて、温度検知部7の誘電体3の温度と、温度検知部7の誘電体3において生じる起電力との関係が、予めマッピングされ、そのマッピングデータが、制御装置10に格納される。
そして、制御装置10は、上記のマッピングデータに基づいて、温度検知部7の誘電体3において生じる起電力から、温度検知部7の誘電体3の温度を、検出(予測)可能としている。
また、必要により、制御装置10は、温度検知部7の誘電体3の温度と、電力取出部6の誘電体3の温度との関係を示すマッピングデータを有している。
つまり、温度検知部7の誘電体3の温度変化と、電力取出部6の誘電体3の温度変化とには、相関がある。このような相関関係に基づいて、温度検知部7の誘電体3の温度変化と、電力取出部6の誘電体3の温度変化との関係が、予めマッピングされ、そのマッピングデータが、制御装置10に格納される。
そのため、制御装置10では、温度検知部7の誘電体3に基づいて、電力取出部6の誘電体3の温度が、検出(予測)可能とされる。
なお、上記の積層デバイス5において、温度検知部7の誘電体3と、電力取出部6の誘電体3とは、極めて近接しているため、通常、それらの誘電体3の温度は、略同一である。
そのため、温度検知部7の誘電体3の温度と、電力取出部6の誘電体3の温度との関係を示すマッピングデータを用いることなく、例えば、温度検知部7の誘電体3の温度を、電力取出部6の誘電体3の温度とみなすこともできる。
さらに、温度検知部7の誘電体3の温度を、電力取出部6の誘電体3の温度とみなす場合には、制御装置10は、温度検知部7の誘電体3の温度と、電力取出部6の誘電体3の温度との関係を示すマッピングデータを、備えていなくともよい。
このようにして、制御装置10は、電圧センサ15により検知される誘電体3の起電力によって、温度検知部7の誘電体3の温度、および、電力取出部6の誘電体3の温度を、検知可能としている。
また、制御装置10は、電圧印加装置9に電気的に接続されており、詳しくは後述するように、上記した電力取出部6の誘電体3の温度(および/または、温度検知部7の誘電体3の温度)に基づいて、電圧印加装置9の作動および停止を、制御可能としている。
また、エネルギー回収システム29は、さらに、昇圧器30、交流/直流変換器31(AC−DCコンバーター)およびバッテリー32を備えている。
昇圧器30、交流/直流変換器31およびバッテリー32は、第1電極4に電気的に接続されている。
そして、動力システム2およびエネルギー回収システム29のうち、エンジン11と、排気管17と、誘電体3および電極4を備える積層デバイス5と、電圧センサ15と、電圧印加装置9と、制御装置10とから、発電システム1が構成されている。
2.発電方法
以下において、上記した発電システム1を用いた発電方法について、詳述する。
この発電システム1では、エンジン11の駆動により、気筒12においてピストンの昇降運動が繰り返されており、これにより、例えば、4サイクル方式では、吸気工程、圧縮工程、爆発工程、排気工程などが順次実施される。
より具体的には、このエンジン11では、まず、スロットルバルブ27が開かれ、吸気管16から空気が供給されるとともに、燃料供給管22から所定量の燃料が燃料噴射弁23によって供給(噴射)され、それらが混合される。そして、空気と燃料との混合気が、吸気バルブ18が開かれることにより、気筒12の燃焼室14に供給される(吸気工程)。
次いで、吸気バルブ18が閉じられ、ピストン13が上昇することにより、燃焼室14の混合気が圧縮され、高温化される(圧縮工程)。
次いで、図示しない点火プラグにより混合気が点火され、爆発的に燃焼されるとともに、ピストン13が爆発により押し下げられる(爆発工程)。
その後、排気バルブ19が開かれ、燃焼により生じたガス(排ガス)が、気筒12から排出される(排気工程)。
このように、エンジン11では、燃料が燃焼され、動力が出力されるとともに、高温の排ガスが、排気管17に排気される。
そして、各気筒12において生じた排ガスは、各気筒12に接続される排気管17内を通過しながら、所定の箇所で1つに集合された後、触媒搭載部24を通過するとともに触媒により浄化され、箱型収容ケース50を通過して、外気に開放される。
そして、このようなエンジン11、および、そのエンジン11から排出される排ガスの温度は、例えば、自動車8の運転状態(エンジン11の駆動状態)などに応じて、経時的に上下する。
具体的には、自動車8では、エンジン11の駆動および停止が経時的に繰り返され、これにより、自動車8の走行および停止が制御される。
このような場合、エンジン11の駆動時には、エンジン11の温度は高温状態とされ、また、エンジン11の停止時には、エンジン11の温度は低温状態とされる。
また、エンジン11の温度は、例えば、自動車8の走行時における負荷(車両重量、路面の傾斜度合など)や、車速、アクセル開度、エンジン11の回転数、吸気系における吸気圧および吸入空気量、燃料流量、さらには、空燃比(吸入空気量/燃料流量)などによっても変化し、経時的に上下する。
このとき、エンジン11の熱が排ガスを介して伝達されるため、排ガスの温度(排気管17および箱型収容ケース50の内部温度)は、エンジン11の状態に応じて、経時的に上下する。
このような発電システム1において、エンジン11および排ガスの温度は、高温状態における温度が、例えば、200〜1200℃、好ましくは、700〜900℃であり、低温状態における温度が、上記の高温状態における温度未満、より具体的には、例えば、100〜800℃、好ましくは、200〜500℃であり、高温状態と低温状態との温度差が、例えば、10〜600℃、好ましくは、20〜500℃である。
そして、この発電システム1では、上記したように、排気管17内において、箱型収容ケース50と、箱型収容ケース50の内に配置される積層デバイス5とを備えている。
例えば、図1では、箱型収容ケース50には、排ガスの流れ方向上流側に温度検知部7が配置され、温度検知部7よりも排ガスの流れ方向下流側に電力取出部6が配置されるように、積層デバイス5が配置されている。そして、温度検知部7は、電圧センサ15に電気的に接続されており、また、電力取出部6は、バッテリー32および電圧印加装置9に電気的に接続されている。さらに、電圧センサ15および電圧印加装置9は、制御装置10に電気的に接続されている。
そのため、このような発電システム1では、エンジン11から排出される排ガスが、箱型収容ケース50において、まず、温度検知部7の誘電体3に接触する。
これにより、エンジン11の熱エネルギーが、排ガスを介して、温度検知部7の誘電体3に伝達され、誘電体3が加熱および/または冷却される。すなわち、温度検知部7の誘電体3が、エンジン11、および、そのエンジン11の熱を伝達する排ガスの経時的な温度変化により、加熱および/または冷却される。
そのため、温度検知部7の誘電体3を、経時的に高温状態または低温状態にすることができ、誘電体3を、その素子(例えば、ピエゾ素子、焦電素子など)に応じた効果(例えば、ピエゾ効果、焦電効果など)により、電気分極させることができる。
次いで、この発電システム1では、エンジン11の熱エネルギーが、温度検知部7の誘電体3よりも排ガスの流れ方向下流側において、電力取出部6の誘電体3に順次伝達され、誘電体3が加熱および/または冷却される。すなわち、電力取出部6の誘電体3が、エンジン11、および、そのエンジン11の熱を伝達する排ガスの経時的な温度変化により、加熱および/または冷却される。
そして、これにより、電力取出部6の誘電体3を、経時的に高温状態または低温状態にすることができ、電力取出部6の誘電体3を、その素子(例えば、ピエゾ素子、焦電素子など)に応じた効果(例えば、ピエゾ効果、焦電効果など)により、電気分極させることができる。
そのため、この発電システム1では、電極4および取出導線52を介して、電力取出部6の各誘電体3から電力を経時的に変動する波形(例えば、交流、脈流など)として、取り出すことができる。取り出された電力は、図1において点線で示されるように、昇圧器30および交流/直流変換器31を介して、バッテリー32に蓄電される。また、バッテリー32に蓄電された電力は、自動車8や、自動車8に搭載される各種電気部品の動力などとして、適宜、用いることができる。
3.電圧印加
上記の発電システム1では、発電効率の向上を図るため、電力取出部6の誘電体3に対して、温度状態に応じた電圧が印加される。
より具体的には、上記の発電システム1では、エンジン11から排出される排ガスにより、温度検知部7の誘電体3が加熱および/または冷却されると、温度検知部7の誘電体3において生じる起電力が、電極4および検知導線51を介して、電圧センサ15で検出される。
電圧センサ15で検出された起電力は、電気信号として、制御装置10に伝達される。
このとき、制御装置10には、上記したように、温度検知部7の誘電体3の温度と、誘電体3において生じる起電力との関係を示すマッピングデータが、格納されている。そのため、上記マッピングデータを参照することにより、温度検知部7の誘電体3の起電力から、温度検知部7の誘電体3の温度状態が検出(予測)される。
また、制御装置10には、必要に応じて、温度検知部7の誘電体3の温度状態と、電力取出部6の誘電体3の温度状態との相関を示すマッピングデータが、格納されている。このような場合には、上記マッピングデータを参照することにより、温度検知部7の誘電体3の温度状態から、電力取出部6の誘電体3が、検出(予測)される。
なお、温度検知部7の誘電体3の温度と、電力取出部6の誘電体3の温度との関係を示すマッピングデータを用いることなく、例えば、温度検知部7の誘電体3の温度を、電力取出部6の誘電体3の温度とみなすこともできる。
そして、この発電システム1では、電力取出部6の誘電体3の温度(および/または温度検知部7の誘電体3の温度)が、昇温状態であると検知されたときには、例えば、スイッチ54を切り替え、印加導線53を閉状態として、取出導線52を開状態とする。そして、制御装置10によって電圧印加装置9を作動させ、電力取出部6の誘電体3に所定の電圧(例えば、50〜1000V)を印加する。
電圧を印加する時間は、電力取出部6の誘電体3が降温状態に至るまでであり、具体的には、昇温状態中である。
そして、電力取出部6の誘電体3が降温状態であると検知されたときには、制御装置10によって電圧印加装置9を停止させ、電力取出部6の誘電体3に対する電圧の印加を停止する。
電圧の印加を停止する時間は、電力取出部6の誘電体3が昇温状態に至るまでであり、具体的には、降温状態中である。
また、電圧印加装置9を作動させてから上記電圧が印加される(すなわち、電場の強さが上記の所定値に達する)までの所要時間、および、電圧印加装置9を停止させてから、電場の強さが0kV/mmに達するまでの所要時間は、実質的に0秒とみなすことができる。
すなわち、この発電システム1では、上記所定値に満たない電圧が印加されている時間は、実質的に0秒であって、上記所定値の電圧が印加されている状態(ON)と、電圧が印加されていない状態(OFF)とが、制御装置10によって切り替えられている。
このように、上記の発電システム1では、電力取出部6の誘電体3の昇温が検知されたときには、電圧印加装置9が作動され、電力取出部6の誘電体3に電圧が印加される。一方、電力取出部6の誘電体3の降温が検知されたときには、電圧印加装置9が停止され、電圧の印加が停止される。
なお、このような発電システム1において、誘電体3は、その加熱および/または冷却の方法によっては、昇温および降温されることなく、定温状態(温度変化が実質的になく、誘電体3から検出された起電力が所定値(例えば、1mV/s)未満)で一時的に維持される場合がある。そのような場合、電圧は、誘電体3の昇温中およびその昇温後の定温状態中に印加され、降温中およびその降温後の定温状態中に、電圧の印加が停止される。なお、熱源として自動車8の動力システム2が採用される場合などには、誘電体3は、実質的に定温状態になることなく、昇温状態および降温状態が繰り返される。
4.作用・効果
上記したように、電力取出部6の誘電体3に対して、その温度状態に応じて電圧を印加することにより、電力取出部6の誘電体3による発電量を増加させることができ、また、より効率的に発電することができる。
さらに、上記の発電システム1では、複数の誘電体3および複数の電極4が排ガスの流れ方向に沿って交互に積層されることにより、積層デバイス5が形成されている。また、積層方向における一方側(図1では、排ガスの流れ方向における最上流側)に配置される誘電体3と、その誘電体3に接触配置される電極4とによって温度検知部7が構成されている。さらに、温度検知部7に対して、積層方向における他方側(図1では、排ガスの流れ方向下流側)に配置される誘電体3と、その誘電体3に接触配置される電極4とによって、電力取出部6が構成されている。加えて、温度検知部7が電圧センサ15に電気的に接続されるとともに、電力取出部6が電圧印加装置9に電気的に接続されており、かつ、これら電圧センサ15および電圧印加装置9は、制御装置10に電気的に接続されている。
これにより、上記の発電システム1によれば、温度検知部7の誘電体3の温度を検知して、さらに、必要により電力取出部6の誘電体3の温度を検知し、誘電体3の温度に応じて電圧印加装置9を制御することができる。
さらに、上記の発電システム1では、温度検知部7の誘電体3と、電力取出部6の誘電体3とが、電極4を介して積層されており、これら誘電体3および電極4が、単一の積層デバイス5を形成している。
すなわち、上記の発電システム1では、温度検知部7および電力取出部6が密着しているため、温度検知部7により電力取出部6の温度状態を精度良く検知することができる。その結果、電力取出部6の温度状態に応じて、応答性よく誘電体4に電圧を印加することができ、発電効率の向上を図ることができる。
加えて、温度検知部7の誘電体3と、電力取出部6の誘電体3とを同一種類とすれば、誘電体3の温度変化に対する応答性を同一または近づけることができるため、さらなる応答性の向上を図ることができる。
したがって、上記の発電システム1によれば、電力取出部6の誘電体3から効率的にエネルギーを取り出すことができ、発電効率の向上を図ることができる。
なお、図1および図2では、排ガスの流れ方向上流側に温度検知部7が配置され、温度検知部7よりも排ガスの流れ方向下流側に電力取出部6が配置されるように、積層デバイス5を配置したが、積層方向における一方側が温度検知部7となり、温度検知部7に対する積層方向他方側が電力取出部6となっていれば、積層デバイス5の配置形態は、特に制限されない。
例えば、図3に示すように、積層デバイス5を、その積層方向が排ガスの流れ方向と直交する方向に沿うように、配置することができる。より具体的には、排ガスの流れ方向と直交する方向の一方側(図1における車高方向上側または下側、好ましくは、上側)に温度検知部7が配置され、その他方側(図1における車高方向下側または上側、好ましくは、下側)に電力取出部6が配置されるように、積層デバイス5を配置することができる。
このような場合、温度検知部7および電力取出部6には、エンジン11の熱エネルギーが同時に供給され、温度検知部7の誘電体3と、電力取出部6の誘電体3とが、同時に加熱および/または冷却される。
すなわち、温度検知部7の誘電体3と、電力取出部6の誘電体3とが、エンジン11、および、そのエンジン11の熱を伝達する排ガスの経時的な温度変化により、加熱および/または冷却される。
このような場合でも、温度検知部7の誘電体3と、電力取出部6の誘電体3とが、電極4を介して積層されており、これら誘電体3および電極4が、単一の積層デバイス5を形成している。すなわち、上記の発電システム1では、温度検知部7および電力取出部6が密着している。そのため、温度検知部7により電力取出部6の温度状態を精度良く検知することができる。その結果、電力取出部6の温度状態に応じて、応答性よく誘電体4に電圧を印加することができ、発電効率の向上を図ることができる。
また、上記した説明では、熱源として動力システム2を用いて説明したが、熱源は上記に限定されず、例えば、内燃機関、発光装置などの各種エネルギー利用装置を用いることができる。なお、このような場合、熱媒体は、例えば、光、空気など、種々選択される。
好ましくは、熱源が内燃機関、動力システム2であり、熱媒体が排ガスである。より好ましくは、熱源が動力システム2である。
また、上記した説明では、制御装置10およびエンジン制御ユニット28を、それぞれ別々の装置として説明したが、それらを1つの制御部(ECUなど)として形成することもできる。
1 発電システム
3 誘電体
4 電極
5 積層デバイス
6 電力取出部
7 温度検知部
9 電圧印加装置
10 制御装置
11 エンジン
15 電圧センサ
17 排気管

Claims (1)

  1. 温度が経時的に上下する熱源と、
    前記熱源により加熱される熱媒体が通過する流路と、
    前記流路内に配置され、前記熱媒体により温度が経時的に上下されることにより電気分極する誘電体、および、前記誘電体に接触配置される前記電極と、
    前記誘電体の起電力を測定するための電圧測定手段と、
    前記誘電体に電圧を印加するための電圧印加手段と、
    前記電圧測定手段および前記電圧印加手段に電気的に接続されており、前記電圧測定手段で測定される起電力から前記誘電体の温度を検知するとともに、前記誘電体の温度に応じて前記電圧印加手段の作動および停止を制御するための制御手段と
    を備え、
    複数の前記誘電体および複数の前記電極は、交互に積層されることにより積層デバイスを形成し、
    前記積層デバイスは、
    積層方向における一方側に配置される誘電体、および、その誘電体に接触配置される電極により構成され、前記電圧測定手段に電気的に接続される温度検知部と、
    前記温度検知部に対して前記積層方向における他方側に配置される誘電体、および、その誘電体に接触配置される前記電極により構成され、前記電圧印加手段に電気的に接続される電力取出部と
    を備えていることを特徴とする、発電システム。
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