JP2020087768A - スイッチ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電素子に対する二方向の操作に応じた出力を行うことができるスイッチ装置を提供する。【解決手段】スイッチ装置1は、対向して配置され、プッシュ操作がなされる第1の操作部2及び第2の操作部3と、第1の操作部2及び第2の操作部3の間に配置され、第1の操作部2及び第2の操作部3になされたプッシュ操作に伴う圧電体51の凹形状及び凸形状の変形によって正負が逆の出力電圧Vを出力する圧電素子5と、を備えて概略構成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、スイッチ装置に関する。
従来の技術として、基板と、基板上に設けられた銅層と、銅層上に配置された圧電素子と、圧電素子上に配置された導電性箔と、導電性箔が接着され、操作がなされる表面部と、を備えた検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この検出装置は、圧電素子が、ユーザが指で表面部を押圧した際の荷重に応じた電圧出力を行うように構成されている。
この従来の検出装置は、圧電素子に対する一方向の操作に応じた出力しかできない。
従って本発明の目的は、圧電素子に対する二方向の操作に応じた出力を行うことができるスイッチ装置を提供することにある。
本発明の一態様は、対向して配置され、プッシュ操作がなされる第1の操作部及び第2の操作部と、第1の操作部及び第2の操作部の間に配置され、第1の操作部及び第2の操作部になされたプッシュ操作に伴う圧電体の凹形状及び凸形状の変形によって正負が逆の出力電圧を出力する圧電素子と、を備えたスイッチ装置を提供する。
本発明によれば、圧電素子に対する二方向の操作に応じた出力を行うことができる。
(実施の形態の要約)
実施の形態に係るスイッチ装置は、対向して配置され、プッシュ操作がなされる第1の操作部及び第2の操作部と、第1の操作部及び第2の操作部の間に配置され、第1の操作部及び第2の操作部になされたプッシュ操作に伴う圧電体の凹形状及び凸形状の変形によって正負が逆の出力電圧を出力する圧電素子と、を備えて概略構成されている。
実施の形態に係るスイッチ装置は、対向して配置され、プッシュ操作がなされる第1の操作部及び第2の操作部と、第1の操作部及び第2の操作部の間に配置され、第1の操作部及び第2の操作部になされたプッシュ操作に伴う圧電体の凹形状及び凸形状の変形によって正負が逆の出力電圧を出力する圧電素子と、を備えて概略構成されている。
このスイッチ装置は、第1の操作部及び第2の操作部になされたプッシュ操作によって正負が逆の出力電圧を出力するので、圧電素子に対する二方向の操作に応じた出力を行うことができる。従ってスイッチ装置は、二方向の操作に応じた出力に基づいた後段の処理によって第1の操作部になされたプッシュ操作か、第2の操作部になされたプッシュ操作かを判定することができ、一つの圧電素子によって二方向の操作を判定することができる。
[第1の実施の形態]
(スイッチ装置1の概要)
以下に本実施の形態のスイッチ装置1について各図を参照しながら説明する。なお、以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また図1(b)及び図7(c)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。さらに数値範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下の意味で用いるものとする。
(スイッチ装置1の概要)
以下に本実施の形態のスイッチ装置1について各図を参照しながら説明する。なお、以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また図1(b)及び図7(c)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。さらに数値範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下の意味で用いるものとする。
スイッチ装置1は、例えば、電気的に接続された電子機器の二種類の機能のオン、オフやこれらの機能の継続した動作などを指示するように概略構成されている。この機能の継続した動作の指示は、長押操作を行うことによって可能となる。そして機能の継続した動作とは、長押操作がなされている間、電子機器が指示された動作を継続して行うことである。なお長押操作は、例えば、指示された動作の継続以外のことを指示可能とされても良い。
スイッチ装置1は、例えば、図1(a)に示すように、対向して配置され、プッシュ操作がなされる第1の操作部2及び第2の操作部3と、第1の操作部2及び第2の操作部3の間に配置され、第1の操作部2及び第2の操作部3になされたプッシュ操作に伴う圧電体51の凹形状及び凸形状の変形によって正負が逆の出力電圧Vを出力する圧電素子5と、を備えて概略構成されている。
このスイッチ装置1は、例えば、図1(b)に示すように、出力電圧Vの正負に基づいてプッシュ操作が第1の操作部2及び第2の操作部3のいずれになされたかを判定する制御部7を備えている。
上述のように、このスイッチ装置1は、例えば、図1(a)の紙面において上側の操作面20に対するプッシュ操作と、下側の操作面30に対するプッシュ操作と、を検出するように構成されているがこれに限定されず、操作面20と操作面30が縦や斜めなどに配置されても良い。
さらに制御部7は、プッシュ操作を判定したことに対するフィードバックとして圧電素子5を振動させて触覚を呈示するように構成されている。スイッチ装置1は、例えば、図1(a)及び図1(b)に示すように、操作面20又は操作面30に対してプッシュ操作がなされた場合、圧電素子5を振動させて操作指9に伝達させ、プッシュ操作が受け付けられたことを示す触覚を呈示する。
(第1の操作部2及び第2の操作部3の構成)
第1の操作部2及び第2の操作部3は、一例として、樹脂材料を用いて矩形の板形状に形成されている。この第1の操作部2及び第2の操作部3は、例えば、図1(a)に示すように、筐体10の上下に取り付けられている。この筐体10は、一例として、樹脂材料を用いて矩形の枠として形成されている。
第1の操作部2及び第2の操作部3は、一例として、樹脂材料を用いて矩形の板形状に形成されている。この第1の操作部2及び第2の操作部3は、例えば、図1(a)に示すように、筐体10の上下に取り付けられている。この筐体10は、一例として、樹脂材料を用いて矩形の枠として形成されている。
スイッチ装置1は、第1の操作部2と圧電素子5との間、及び第2の操作部3と圧電素子5との間に配置された第1の押子40及び第2の押子41を有している。この第1の押子40及び第2の押子41は、一例として、樹脂材料を用いて円柱形状に形成されている。第1の押子40の端面40a、及び第2の押子41の端面41aは、例えば、平坦であるが、これに限定されず、半球形状などであっても良い。なお第1の押子40及び第2の押子41は、第1の操作部2及び第2の操作部3に取り付けるように構成されても良いし、一体に形成されても良い。
第1の操作部2は、例えば、図1(a)に示すように、裏面21に第1の押子40が配置されている。この第1の押子40の端面40aは、圧電素子5の圧電体51の表面51aの中央と接触している。圧電素子5は、操作面20に対してプッシュ操作が行われた場合、操作指9による荷重が第1の押子40を介して圧電体51に作用し、圧電体51が凹形状に変形する。そして圧電素子5は、例えば、図2(a)に示すように、圧電体51の凹形状の変形に基づいて正の出力電圧Vを出力する。なお図2(a)及び図2(b)は、横軸が時間であり、縦軸が電圧である。
なお図2(a)に示す負の出力電圧Vは、圧電体51が元の形状に戻る、つまり凹形状に変形した状態から変形前の状態に戻ることで出力されるものである。
第2の操作部3は、例えば、図1(a)に示すように、裏面31に第2の押子41が配置されている。この第2の押子41の端面41aは、圧電素子5の金属シム50の裏面50bの中央と接触している。圧電素子5は、操作面30に対してプッシュ操作が行われた場合、操作指9による荷重が第2の押子41及び金属シム50を介して圧電体51に作用し、圧電体51が凸形状に変形する。そして圧電素子5は、例えば、図2(b)に示すように、圧電体51の凸形状の変形に基づいて負の出力電圧Vを出力する。
なお図2(b)に示す正の出力電圧Vは、圧電体51が元の形状に戻る、つまり凸形状に変形した状態から変形前の状態に戻ることで出力されるものである。
(圧電素子5の構成)
圧電素子5は、例えば、円板形状を有する金属シム50と、金属シム50よりも半径が小さい円板形状を有する圧電体51と、を備えたユニモルフ型の圧電素子である。圧電体51は、金属シム50の表面50a上に形成されている。
圧電素子5は、例えば、円板形状を有する金属シム50と、金属シム50よりも半径が小さい円板形状を有する圧電体51と、を備えたユニモルフ型の圧電素子である。圧電体51は、金属シム50の表面50a上に形成されている。
金属シム50は、一例として、導電性を有するリン青銅やステンレスなどによって形成されている。金属シム50は、例えば、図1(a)に示すように、周辺が筐体10の側面10a及び側面10bに形成された取付部11に嵌め込まれ、筐体10に支持されている。
圧電体51の材料としては、一例として、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが用いられる。圧電体51は、例えば、これらの材料を用いて形成された膜を積層して形成された積層型の圧電体である。
この圧電素子5は、例えば、圧電体51の表面51a側が上部電極となり、金属シム50が下部電極となる。圧電素子5は、変形によって上部電極と下部電極の間に、変形量に応じた電圧が発生する。この発生した電圧が出力電圧Vとして制御部7に出力される。
圧電素子5は、金属シム50と圧電体51とが一体とされているので、金属シム50や圧電体51に荷重が付加されると、金属シム50と圧電体51とが一体に変形する。
なお変形量とは、例えば、図1(a)に示す基準位置Yを基準とした量である。この基準位置Yは、変形前の圧電体51の表面51aの中央を基準とした位置である。
(制御部7の構成)
制御部7は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部7が動作するためのプログラムが格納されている。またRAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。この制御部7は、例えば、第1のしきい値Th1及び第2のしきい値Th2をRAM又はROMに有している。
制御部7は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部7が動作するためのプログラムが格納されている。またRAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。この制御部7は、例えば、第1のしきい値Th1及び第2のしきい値Th2をRAM又はROMに有している。
第1のしきい値Th1は、出力電圧Vが正の際に使用されるしきい値である。制御部7は、例えば、図2(a)に示すように、監視していた出力電圧Vが第1のしきい値Th1以上となった場合、第1の操作部2にプッシュ操作がなされたと判定する。そして制御部7は、第1の操作部2にプッシュ操作がなされたことを示す操作情報S3を接続された電子機器に出力すると共に触覚を呈示するため、第1の駆動信号S1を圧電素子5に出力する。
この第1の駆動信号S1は、一例として、図2(a)に点線で示すように、圧電体51が凸形状に変形する負のパルス信号である。圧電体51は、凸形状に変形するので、第1の操作部2の操作面20を突き上げるような触覚をユーザに呈示する。つまりスイッチ装置1は、プッシュ操作の方向と逆方向に第1の操作部2を駆動して触覚を呈示する。
第2のしきい値Th2は、出力電圧Vが負の際に使用されるしきい値である。制御部7は、例えば、図2(b)に示すように、監視していた出力電圧Vが第2のしきい値Th2以下となった場合、第2の操作部3にプッシュ操作がなされたと判定する。そして制御部7は、第2の操作部3にプッシュ操作がなされたことを示す操作情報S3を接続された電子機器に出力する共に触覚を呈示するため、第2の駆動信号S2を圧電素子5に出力する。
この第2の駆動信号S2は、一例として、図2(b)に点線で示すように、圧電体51が凹形状に変形する正のパルス信号である。圧電体51は、凹形状に変形するので、第2の操作部3の操作面30を突き上げるような触覚をユーザに呈示する。つまりスイッチ装置1は、プッシュ操作の方向と逆方向に第2の操作部3を駆動して触覚を呈示する。
ここで圧電体51は、例えば、図2(a)に示すように、第1の操作部2の操作面20にプッシュ操作がなされて圧縮される方向の変形、つまり凹形状の変形が生じた場合、変形した瞬間に電圧が生じるので、パルス状の正の電圧が発生する。そして変形した圧電体51が元の形状に戻る際、変形開始時とは正負が逆になるパルス状の負の電圧が圧電素子5から出力される。
また圧電体51は、例えば、図2(b)に示すように、第2の操作部3の操作面30にプッシュ操作がなされて伸長する方向の変形、つまり凸形状の変形が生じた場合、変形した瞬間に電圧が生じるので、パルス状の負の電圧が発生する。そして変形した圧電体51が元の形状に戻る際、変形開始時とは正負が逆になるパルス状の正の電圧が圧電素子5から出力される。
従って制御部7は、出力電圧Vの正負によっていずれの操作部にプッシュ操作がなされたかを判定する。さらに制御部7は、プッシュ操作とプッシュ操作後の長押操作とを判定するように構成されている。そして制御部7は、長押操作の間、周期的に触覚を呈示するように構成されている。
具体的には、制御部7は、監視していた出力電圧Vが第1のしきい値Th1以上となり、かつ変形が戻る際の負となる出力電圧Vが予め定められた期間の間に検出された場合、操作面20にプッシュ操作がなされ、そして終了したと判定する。
また制御部7は、監視していた出力電圧Vが第1のしきい値Th1以上となり、かつ変形が戻る際の負となる出力電圧Vが予め定められた期間の間に検出されない場合、操作面20にプッシュ操作がなされ、そして継続している、つまり長押操作がなされていると判定する。制御部7は、例えば、長押操作の間、周期的に第1の駆動信号S1を出力し、ユーザに周期的な触覚を呈示する。そして制御部7は、変形が戻る際の負となる出力電圧Vが検出されると、長押操作が終了したと判定する。
同様に制御部7は、監視していた出力電圧Vが第2のしきい値Th2以下となり、かつ変形が戻る際の正となる出力電圧Vが予め定められた期間の間に検出された場合、操作面30にプッシュ操作がなされ、そして終了したと判定する。
また制御部7は、監視していた出力電圧Vが第2のしきい値Th2以下となり、かつ変形が戻る際の正となる出力電圧Vが検出されない場合、操作面30にプッシュ操作がなされ、そのまま長押操作がなされていると判定する。制御部7は、例えば、長押操作の間、周期的に第2の駆動信号S2を出力し、ユーザに周期的な触覚を呈示する。そして制御部7は、変形が戻る際の正となる出力電圧Vが検出されると、長押操作が終了したと判定する。
なお変形が戻る際の出力電圧Vの判定は、例えば、第1のしきい値Th1及び第2のしきい値Th2を用いて行われても良いし、第1のしきい値Th1より低く、また第2のしきい値Th2より高い2つのしきい値によって行われても良いし、出力電圧Vが正及び負になったことで行われても良い。
以下に本実施の形態のスイッチ装置1の動作の一例について図3のフローチャートを参照しながら説明する。
(動作)
スイッチ装置1の制御部7は、圧電素子5から出力される出力電圧Vを監視する(Step1)。
スイッチ装置1の制御部7は、圧電素子5から出力される出力電圧Vを監視する(Step1)。
制御部7は、正の電圧を検出する、つまり出力電圧Vが第1のしきい値Th1以上となった場合(Step2:Yes)、第1の駆動信号S1を圧電素子5に出力してユーザに触覚を呈示する(Step3)。そして制御部7は、第1の操作部2が操作されたことを示す操作情報S3を接続された電子機器に出力する(Step4)。
次に制御部7は、予め定められた期間の間に負の電圧を検出する、つまり予め定められた期間の間に出力電圧Vが負の電圧となった場合(Step5:Yes)、プッシュ操作(又は長押操作)が終了したと判定して、ステップ1に処理を進め出力電圧Vを監視する。なお制御部7は、長押操作が判定されている場合、ステップ3〜ステップ5を繰り返している間に出力電圧Vが負の電圧となるとステップ5において長押操作が終了したと判定する。
ここでステップ2において制御部7は、正の電圧を検出せず(Step2:No)、負の電圧を検出する、つまり出力電圧Vが第2のしきい値Th2以下となった場合(Step6:Yes)、第2の駆動信号S2を圧電素子5に出力してユーザに触覚を呈示する(Step7)。そして制御部7は、第2の操作部3が操作されたことを示す操作情報S3を接続された電子機器に出力する(Step8)。
次に制御部7は、予め定められた期間の間に正の電圧を検出する、つまり出力電圧Vが予め定められた期間の間に正の電圧となった場合(Step9:Yes)、プッシュ操作(又は長押操作)が終了したと判定して、ステップ1に処理を進め出力電圧Vを監視する。なお制御部7は、長押操作が判定されている場合、ステップ7〜ステップ9を繰り返している間に出力電圧Vが正の電圧となるとステップ9において長押操作が終了したと判定する。
またステップ5において制御部7は、予め定められた期間の間に負の電圧を検出しない、つまり出力電圧Vが負の電圧とならない場合(Step5:No)、プッシュ操作が継続する、つまり長押操作がなされていると判定してステップ3に処理を進める。制御部7は、長押操作が検出されている間、周期的に第1の駆動信号S1を出力して周期的な触覚を呈示すると共に、操作情報S3を出力する。
さらにステップ6において制御部7は、負の電圧を検出しない場合(Step6:No)、ステップ1に処理を進めて出力電圧Vを監視する。
またさらにステップ9において制御部7は、予め定められた期間の間に正の電圧を検出しない、つまり出力電圧Vが正の電圧とならない場合(Step9:No)、長押操作がなされていると判定してステップ7に処理を進める。制御部7は、長押操作が検出されている間、周期的に第2の駆動信号S2を出力して周期的な触覚を呈示すると共に、操作情報S3を出力する。
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係るスイッチ装置1は、圧電素子に対する二方向の操作に応じた出力を行うことができる。具体的には、スイッチ装置1は、第1の操作部2及び第2の操作部3になされたプッシュ操作によって正負が逆の出力電圧Vを出力するので、圧電素子5に対する二方向の操作に応じた出力を行うことができる。従ってスイッチ装置1は、二方向の操作に応じた出力電圧Vに基づいた制御部7による判定によって第1の操作部2になされたプッシュ操作か、第2の操作部3になされたプッシュ操作かを判定することができ、一つの圧電素子5によって二方向の操作を判定することができる。
本実施の形態に係るスイッチ装置1は、圧電素子に対する二方向の操作に応じた出力を行うことができる。具体的には、スイッチ装置1は、第1の操作部2及び第2の操作部3になされたプッシュ操作によって正負が逆の出力電圧Vを出力するので、圧電素子5に対する二方向の操作に応じた出力を行うことができる。従ってスイッチ装置1は、二方向の操作に応じた出力電圧Vに基づいた制御部7による判定によって第1の操作部2になされたプッシュ操作か、第2の操作部3になされたプッシュ操作かを判定することができ、一つの圧電素子5によって二方向の操作を判定することができる。
スイッチ装置1は、一つの圧電素子5によって電気的に接続された電子機器の二種類の機能のオン、オフなどを指示することができるので、一つの圧電素子5によって一種類の機能のオン、オフなどを指示する場合と比べて、より多くの機能を指示することができると共に、小型化することができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、圧電素子5にプリロード(初期荷重)が付加されている点で第1の実施の形態と異なっている。
第2の実施の形態は、圧電素子5にプリロード(初期荷重)が付加されている点で第1の実施の形態と異なっている。
なお以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
本実施の形態のスイッチ装置1は、例えば、図4(a)〜図4(c)に示すように、圧電体51が凹形状に変形するようにプリロードFaが付加されている。
スイッチ装置1は、例えば、図4(a)に示すように、第1の押子40及び第2の押子41の長さを変えてプリロードFaを圧電体51に付加するように構成されている。図4(a)に示すスイッチ装置1は、圧電体51を凹形状に変形させる第1の押子40の方が第2の押子41よりも長さが長くなっている。
なお変形例として図4(b)に示すスイッチ装置1は、第1の押子40及び第2の押子41が同じ長さを有するが圧電素子5の取付位置を、圧電体51が凹形状となる取付位置とすることで、圧電体51にプリロードFaを付加している。この取付位置は、図4(b)に示すように、圧電体51が凹形状となるよう、第1の押子40及び第2の押子41が圧電素子5に接触する位置から上側となる。
また他の変形例として図4(c)に示すスイッチ装置1は、第1の押子40及び第2の押子41が同じ長さを有するが第1の操作部2の操作面20、及び第2の操作部3の操作面30を圧電素子5と同様に湾曲させることにより圧電体51にプリロードFaを付加している。
なおスイッチ装置1は、上述の変形例などを組み合わせて圧電素子5にプリロードFaを付加するように構成されても良く、またこれに限定されない。
ここで圧電体51は、圧縮される方向の変形、つまり凹形状の変形の方が伸長される方向の変形、つまり凸形状の変形よりも強度が高い。つまり圧電体51は、破壊されない変形の許容範囲内において、凹形状の変形による変形量が凸形状の変形による変形量よりも大きい。この変形量とは、例えば、図4(a)に示す基準位置Yを基準とした量である。この基準位置Yとは、上述のように、変形前の圧電体51の表面51aである。
従ってスイッチ装置1は、凹形状と凸形状では、変形量の許容範囲が異なる。図4(a)では、一例として、基準位置Yから凸形状に変形する際の許容範囲内の最大変形量を+a、凹形状に変形する際の許容範囲内の最大変形量を−3aとしている。なお許容範囲は、一例として、圧電素子5の厚みや材料などに依存するがおよそ−40μm〜+10μmである。
このように凹形状と凸形状とで変形量の許容範囲が異なる場合、変形量が小さい第2の操作部3に対するプッシュ操作を判定するため、僅かな変形でプッシュ操作を判定するように第1のしきい値Th1及び第2のしきい値Th2を設定しなければならない。その結果、スイッチ装置1は、ユーザの意図しないプッシュ操作の判定が発生する可能性がある。
そこで第1の操作部2に合わせてプッシュ操作の判定を行うように第1のしきい値Th1及び第2のしきい値Th2を設定した場合、圧電体51は、第2の操作部3に対するプッシュ操作によって破壊される可能性がある。またスイッチ装置1は、圧電体51の許容される変形量に応じてプッシュ操作を判定するように構成した場合、第1の操作部2の操作感と第2の操作部3の操作感のばらつきが大きくなってしまう。
そこで本実施の形態のスイッチ装置1は、圧電体51を凹形状とするプリロードFaが付加されることにより、凹形状とする変形量と凸形状とする変形量とが等しくなるように構成されている。
具体的には、圧電素子5は、圧電体51が許容範囲内で凹形状及び凸形状に最も変形する量である第1の許容変形量及び第2の許容変形量の中間位置を、プリロードFaが付加された際の基準位置Yとする。
図4(a)では、一例として、許容範囲内で凹形状に最も変形する第1の許容変形量が−3aであり、凸形状に最も変形する第2の許容変形量が+aである。従ってこれらの中間位置は、−aである。従って圧電体51は、中央の表面51aが−aの位置になるプリロードFaが付加される。
図5(a)及び図5(b)は、荷重Fとなるプッシュ操作が第1の操作部2及び第2の操作部3になされた一例を示している。スイッチ装置1は、例えば、図4(a)及び図5(a)に示すように、第1の操作部2になされたプッシュ操作に対する圧電体51の許容される変形量が2aとなる。またスイッチ装置1は、例えば、図4(a)及び図5(b)に示すように、第2の操作部3になされたプッシュ操作に対する圧電体51の許容される変形量が2aとなる。このように、スイッチ装置1は、第1の操作部2及び第2の操作部3に対する許容される変形量が等しくなる。
なお本実施の形態のスイッチ装置1の動作は、第1の実施の形態の動作と同様である。
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態のスイッチ装置1は、圧電体51にプリロードFaを付加することにより、圧電体51が凹形状となる第1の操作部2に対するプッシュ操作と、凸形状となる第2の操作部3に対するプッシュ操作と、における許容される変形量が等しくなるので、プリロードを付加しない場合と比べて、第1の操作部2及び第2の操作部3に対する操作感のばらつきを抑制することができる。
本実施の形態のスイッチ装置1は、圧電体51にプリロードFaを付加することにより、圧電体51が凹形状となる第1の操作部2に対するプッシュ操作と、凸形状となる第2の操作部3に対するプッシュ操作と、における許容される変形量が等しくなるので、プリロードを付加しない場合と比べて、第1の操作部2及び第2の操作部3に対する操作感のばらつきを抑制することができる。
スイッチ装置1は、第1の操作部2のプッシュ操作に対する耐性と、第2の操作部3のプッシュ操作に対する耐性と、が等しくなるので、プリロードを付加しない場合と比べて、圧電素子5の破壊が抑制され、耐性が向上する。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、圧電体51の変形量を規制するストッパを有する点で他の実施の形態と異なっている。
第3の実施の形態は、圧電体51の変形量を規制するストッパを有する点で他の実施の形態と異なっている。
本実施の形態のスイッチ装置1は、圧電体51の凹形状及び凸形状の許容される最大変形量を超過しないための構成を有している。
具体的には、スイッチ装置1は、例えば、図6(a)〜図6(c)に示すように、圧電素子5の圧電体51が許容範囲内で凹形状及び凸形状に最も変形する量である第1の許容変形量及び第2の許容変形量に到達しないように第1の操作部2及び第2の操作部3の間に設けられたストッパ6を備えている。
このストッパ6は、例えば、図6(a)〜図6(c)に示すように、第1のストッパ60及び第2のストッパ61を有している。第1のストッパ60及び第2のストッパ61は、一例として、非導電性の樹脂材料や金属材料を用いて円板形状に形成されている。この第1のストッパ60及び第2のストッパ61は、筐体10に支持されている。
第1のストッパ60は、中央に貫通孔60bが形成されている。この貫通孔60bには、第1の押子40が挿入されている。また第2のストッパ61は、中央に貫通孔61bが形成されている。この貫通孔61bには、第2の押子41が挿入されている。
第1のストッパ60は、圧電体51と対向する接触面60aが圧電体51の凸形状の変形に対して許容される第2の許容変形量(+a)より基準位置Y側に位置するように配置されている。例えば、図6(c)に示すように、第2の操作部3に対して荷重Fのプッシュ操作が行われた場合、凸形状に変形した圧電体51の表面51aが第1のストッパ60の接触面60aと接触するので、第2の許容変形量以上の変形が防止される。
第2のストッパ61は、金属シム50と対向する接触面61aが圧電体51の凹形状の変形に対して許容される第1の許容変形量(−3a)より基準位置Y側に位置するように配置されている。例えば、図6(b)に示すように、第1の操作部2に対して荷重Fのプッシュ操作が行われた場合、凹形状に変形した金属シム50の裏面50bが第2のストッパ61の接触面61aと接触するので、第1の許容変形量以上の変形が防止される。
なお本実施の形態のスイッチ装置1の動作は、第1の実施の形態の動作と同様である。
(第3の実施の形態の効果)
本実施形態のスイッチ装置1は、ストッパ6によって許容範囲より大きく圧電体51が変形することを防止するので、ストッパが配置されない場合と比べて、意図しない大きな荷重が付加されても圧電素子5の破壊を抑制することができる。
本実施形態のスイッチ装置1は、ストッパ6によって許容範囲より大きく圧電体51が変形することを防止するので、ストッパが配置されない場合と比べて、意図しない大きな荷重が付加されても圧電素子5の破壊を抑制することができる。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、スイッチ装置1が車両のパワーウインドウスイッチとして用いられる点で他の実施の形態と異なっている。
第4の実施の形態は、スイッチ装置1が車両のパワーウインドウスイッチとして用いられる点で他の実施の形態と異なっている。
本実施の形態のスイッチ装置1は、一例として、図7(a)〜図7(c)に示すように、車両8の前後左右の4つのウインドウの開閉行うウインドウ駆動装置86に用いられている。なお図7(a)では、車両8の前方右側のドア80に配置されたウインドウ駆動装置86を図示している。以下では、このドア80に配置されたウインドウ駆動装置86について説明する。
ウインドウ駆動装置86は、例えば、4つのスイッチ装置1を有するパワーウインドウスイッチ84と、車両8の前後左右のウインドウを駆動する駆動装置85と、を備えて概略構成されている。この駆動装置85は、車両8のドアごとに配置されている。
パワーウインドウスイッチ84は、例えば、図7(a)に示すように、ドア80のアームレスト82に配置されている。そしてパワーウインドウスイッチ84は、車両8の前後のウインドウに応じて4つのスイッチ装置1を備えて概略構成されている。
スイッチ装置1は、例えば、図7(b)に示すように、パワーウインドウスイッチ84の本体840に回転可能に取り付けられている。スイッチ装置1は、操作指によって下方に押し下げる操作、及び空間841に操作指を挿入して上方に引き上げる操作が可能となっている。スイッチ装置1は、この操作の際にユーザの操作指による第1の操作部2及び第2の操作部3に対する荷重を検出してウインドウ81の開閉を指示する。なおスイッチ装置1は、本体840に対して必ずしも回転するように構成されなくても良い。
ウインドウ81を駆動するスイッチ装置1の第1の操作部2が押し下げられ、出力電圧Vが第1のしきい値Th1以上となると、第1の駆動信号S1を出力してユーザに触覚を呈示すると共に、第1の操作部2が操作されたことを示す操作情報S3を、ウインドウ81を駆動する駆動装置85に出力する。駆動装置85は、操作情報S3に基づいてウインドウ81を閉めるように駆動する。なお駆動装置85は、長押操作に基づいて操作情報S3が連続的に入力する場合、ウインドウ81を閉めるように、連続して駆動する。
ウインドウ81を駆動するスイッチ装置1の第2の操作部3が引き上げられ、出力電圧Vが第2のしきい値Th2以下になると、第2の駆動信号S2を出力してユーザに触覚を呈示すると共に、第2の操作部3が操作されたことを示す操作情報S3を、ウインドウ81を駆動する駆動装置85に出力する。駆動装置85は、操作情報S3に基づいてウインドウ81を開けるように駆動する。なお駆動装置85は、長押操作に基づいて操作情報S3が連続的に入力する場合、ウインドウ81を開けるように、連続して駆動する。
(第4の実施の形態の効果)
本実施の形態のスイッチ装置1は、ウインドウ駆動装置86のパワーウインドウスイッチ84として使用された場合、一つの圧電素子5によって、ウインドウの開閉の指示を行うことができるので、二つの圧電素子によって開閉の指示を可能とする構成と比べて、部品点数が少なくなってパワーウインドウスイッチ84のコストが抑制されると共に、小型化することができる。
本実施の形態のスイッチ装置1は、ウインドウ駆動装置86のパワーウインドウスイッチ84として使用された場合、一つの圧電素子5によって、ウインドウの開閉の指示を行うことができるので、二つの圧電素子によって開閉の指示を可能とする構成と比べて、部品点数が少なくなってパワーウインドウスイッチ84のコストが抑制されると共に、小型化することができる。
以上述べた少なくとも1つの実施の形態のスイッチ装置1によれば、圧電素子5に対する二方向の操作に応じた出力を行うことが可能となる。
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…スイッチ装置、2…第1の操作部、3…第2の操作部、5…圧電素子、6…ストッパ、7…制御部、8…車両、9…操作指、10…筐体、10a,10b…側面、11…取付部、20…操作面、21…裏面、30…操作面、31…裏面、40…第1の押子、40a…端面、41…第2の押子、41a…端面、50…金属シム、50a…表面、50b…裏面、51…圧電体、51a…表面、60…第1のストッパ、60a…接触面、60b…貫通孔、61…第2のストッパ、61a…接触面、61b…貫通孔、80…ドア、81…ウインドウ、82…アームレスト、84…パワーウインドウスイッチ、85…駆動装置、86…ウインドウ駆動装置、840…本体、841…空間、Fa…プリロード、S1…第1の駆動信号、S2…第2の駆動信号、S3…操作情報、Th1…第1のしきい値、Th2…第2のしきい値、F…荷重、V…出力電圧、Y…基準位置
Claims (7)
- 対向して配置され、プッシュ操作がなされる第1の操作部及び第2の操作部と、
前記第1の操作部及び前記第2の操作部の間に配置され、前記第1の操作部及び前記第2の操作部になされたプッシュ操作に伴う圧電体の凹形状及び凸形状の変形によって正負が逆の出力電圧を出力する圧電素子と、
を備えたスイッチ装置。 - 前記圧電体が凹形状に変形するようにプリロードが付加された、
請求項1に記載のスイッチ装置。 - 前記圧電素子は、前記圧電体が許容範囲内で凹形状及び凸形状に最も変形する量である第1の許容変形量及び第2の許容変形量の中間位置を、前記プリロードが付加された際の基準位置とする、
請求項2に記載のスイッチ装置。 - 前記第1の操作部と前記圧電素子との間、及び前記第2の操作部と前記圧電素子との間に配置された第1の押子及び第2の押子を有し、
前記第1の押子及び前記第2の押子の長さを変えて前記プリロードを前記圧電体に付加する、
請求項2又は3に記載のスイッチ装置。 - 前記圧電素子の圧電体が許容範囲内で凹形状及び凸形状に最も変形する量である第1の許容変形量及び第2の許容変形量に到達しないように前記第1の操作部及び前記第2の操作部の間に設けられたストッパを備えた、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスイッチ装置。 - 前記出力電圧の正負に基づいてプッシュ操作が前記第1の操作部及び前記第2の操作部のいずれになされたかを判定する制御部を備えた、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスイッチ装置。 - 前記制御部は、プッシュ操作を判定したことに対するフィードバックとして前記圧電素子を振動させて触覚を呈示する、
請求項6に記載のスイッチ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018221965A JP2020087768A (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | スイッチ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=70908634
Family Applications (1)
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JP2018221965A Pending JP2020087768A (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | スイッチ装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020087768A (ja) |
-
2018
- 2018-11-28 JP JP2018221965A patent/JP2020087768A/ja active Pending
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