JP2020086128A - 光導波路回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】単一の波長帯域のFSRにおける特定の波長の光を取り出す光導波路回路であって、偏波無依存の光導波路回路を提供する。【解決手段】光導波路回路100は、偏波分離手段310、第1モード変換手段330、第2モード変換手段340、偏波変換手段350、第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370を含む光導波路コア30を備える。偏波分離手段は、基本モードのTE偏波を第1モード変換手段に送り、同じくTM偏波を偏波変換手段に送る。第1モード変換手段は、特定の波長帯域のTE偏波を基本モードから1次モードに変換して第2モード変換手段に送る。第2モード変換手段は、TE偏波を1次モードから基本モードに変換して第1波長選択手段に送る。第1波長選択手段は、特定の波長のTE偏波を取り出す。偏波変換手段は、TM偏波をTE偏波に変換して、第2波長選択手段に送る。第2波長選択手段は、特定の波長のTE偏波を取り出す。【選択図】図1

Description

この発明は、特定の波長の光を取り出す機能を有する光導波路回路に関する。
近年、小型化や量産性に有利な光デバイスの開発に当たり、Si(シリコン)を導波路の材料として用いるSi導波路が注目を集めている。
Si導波路では、実質的に光の伝送路となる光導波路コアを、Siを材料として形成する。そして、Siよりも屈折率の低い例えばシリカ等を材料としたクラッドで、光導波路コアの周囲を覆う。このような構成により、光導波路コアとクラッドとの屈折率差が極めて大きくなるため、光導波路コア内に光を強く閉じ込めることができる。その結果、曲げ半径を例えば1μm程度まで小さくした、小型の曲線導波路を実現することができる。そのため、電子回路と同程度の大きさの光回路を作成することが可能であり、光デバイス全体の小型化に有利である。
また、Si導波路では、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の半導体装置の製造過程を流用することが可能である。そのため、チップ上に電子機能回路と光機能回路とを一括形成する光電融合(シリコンフォトニクス)の実現が期待されている。
ところで、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)方式を利用した受動型光加入者ネットワーク(PON:Passive Optical Network)では、加入者側装置(ONU:Optical Network Unit)毎に異なる受信波長が割り当てられる。局側装置(OLT:Optical Line Terminal)は、各ONUへの下り光信号を、送り先の受信波長に対応した送信波長でそれぞれ生成し、これらを多重して送信する。各ONUは、複数の波長で多重された下り光信号から、自身に割り当てられた受信波長の光信号を選択的に受信する。ONUでは、各々の受信波長の下り光信号を選択的に受信するために、波長フィルタが使用される。そして、波長フィルタを、上述したSi導波路によって構成する技術が実現されている。Si導波路を用いる波長フィルタとしては、例えば、マッハツェンダー干渉器を用いたものやアレイ導波路グレーティング(AWG:Arrayed Waveguide Grating)を用いたものがある。また、Si導波路を用いる波長フィルタとして、リング共振器(例えば特許文献1〜3参照)や、グレーティング型(例えば特許文献4参照)又は方向性結合器型(例えば特許文献5参照)の可変波長フィルタがある。これらの可変波長フィルタは、ヒータ電極を設け、電圧を印加することによって、出力波長を可変にできるという利点がある。さらに、TE(Transverse Electric)偏波及びTM(Transverse Magnetic)偏波の双方に対応すべく、波長フィルタの前段に偏波分離素子及び偏波回転素子を設ける構造がある(例えば非特許文献1及び2参照)。
特開2003−215515号公報 特開2013−093627号公報 特開2006−278770号公報 特開2006−330104号公報 特開2002−353556号公報
Optics Express vol.20,No.26,p.B493−B500,2012年12月10日 Optics Express vol.23,No.10,p.12840−12849,2015年5月18日
上述したAWGや可変波長フィルタは、複数の異なる波長帯域の光を繰り返して出力する特性を持つため、複数の自由スペクトル領域(FSR:Free Spectral Range)を有している。従って、これらを用いて特定の波長の光を取り出すためには、単一の波長帯域のFSRを切り出す波長フィルタを別途用意する必要がある。
また、これらAWGや可変波長フィルタには偏波依存性がある。このため、偏波無依存で使用するためには、例えば上述した偏波分離素子及び偏波回転素子を用いて、偏波を揃える必要がある。
そこで、この発明の目的は、単一の波長帯域のFSRにおける特定の波長の光を取り出すことができる光導波路回路であって、偏波無依存で使用できる光導波路回路を提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明の第1の要旨による光導波路回路は、偏波分離手段、第1モード変換手段、第2モード変換手段、偏波変換手段、第1波長選択手段及び第2波長選択手段を含む光導波路コアを備えている。偏波分離手段は、入力される基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を分離して、基本モードのTE偏波を第1モード変換手段に送り、かつ基本モードのTM偏波を偏波変換手段に送る。第1モード変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換して、第2モード変換手段に送る。第2モード変換手段は、1次モードのTE偏波を基本モードのTE偏波に変換して、第1波長選択手段に送る。第1波長選択手段は、入力される特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して出力する。偏波変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTM偏波を、基本モードのTE偏波に変換して、第2波長選択手段に送る。第2波長選択手段は、入力される特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して出力する。
また、この発明の第2の要旨による光導波路回路は、偏波分離手段、第1モード変換手段、第2モード変換手段、偏波変換手段及び波長選択手段を含む光導波路コアを備えている。偏波分離手段は、入力される基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を分離して、基本モードのTE偏波を第1モード変換手段に送り、かつ基本モードのTM偏波を偏波変換手段に送る。第1モード変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換して、第2モード変換手段に送る。第2モード変換手段は、1次モードのTE偏波を基本モードのTE偏波に変換して、波長選択手段に送る。偏波変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTM偏波を、基本モードのTE偏波に変換して、波長選択手段に送る。波長選択手段は、第2モード変換手段から送られる、基本モードのTE偏波から、互いに異なる複数の特定の波長を取り出して出力し、かつ偏波変換手段から送られる、基本モードのTE偏波から、互いに異なる複数の特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して出力する。
また、この発明の第3の要旨による光導波路回路は、偏波分離手段、n個(nは2以上の整数)の第1モード変換手段、n個の第2モード変換手段、n個の偏波変換手段、n個の第1波長選択手段及びn個の第2波長選択手段を含む光導波路コアを備えている。偏波分離手段は、入力される基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を分離して、基本モードのTE偏波を第1の第1モード変換手段に送り、かつ基本モードのTM偏波を第1の偏波変換手段に送る。第k(kは1≦k≦n−1の整数)の第1モード変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換して、第kの第2モード変換手段に送り、かつ特定の波長帯域以外の波長帯域の基本モードのTE偏波を、第k+1の第1モード変換手段に送る。第nの第1モード変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換して、第nの第2モード変換手段に送る。各第1モード変換手段は、互いに異なる波長帯域の基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換する。第1〜nの第2モード変換手段は、それぞれ1次モードのTE偏波を基本モードのTE偏波に変換して、それぞれ第1〜nの第1波長選択手段に送る。各第1波長選択手段は、入力される各特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、それぞれ特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して出力する。第kの偏波変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTM偏波を、基本モードのTE偏波に変換して、第kの第2波長選択手段に送り、かつ特定の波長帯域以外の波長帯域の基本モードのTM偏波を、第k+1の偏波変換手段に送る。第nの偏波変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTM偏波を、基本モードのTE偏波に変換して、第nの第2波長選択手段に送る。各偏波変換手段は、互いに異なる波長帯域の基本モードのTM偏波を、基本モードのTE偏波に変換する。各第2波長選択手段は、入力される各特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、それぞれ特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して出力する。
この発明の光導波路回路では、第1モード変換手段及び偏波変換手段によって取り出された単一の波長帯域の光を、第1波長選択手段及び第2波長選択手段、又は波長選択手段に入力することによって、単一の波長帯域のFSRに含まれる特定の波長の光を取り出すことができる。
また、この発明の光導波路回路では、偏波分離手段によって分離したTM偏波を、偏波変換手段によってTE偏波に変換することにより、第1波長選択手段及び第2波長選択手段、又は波長選択手段にそれぞれ入力する光を、TE偏波に揃えることができる。従って、この発明の光導波路回路は、偏波無依存で、特定の波長の光を取り出すことができる。
(A)は、第1の光導波路回路を示す概略的平面図であり、(B)は、(A)に示す構造体をI-I線で切り取った概略的端面図である。 第1の光導波路回路の作用の説明に供する図である。 第2の光導波路回路を示す概略的平面図である。 第3の光導波路回路を示す概略的平面図である。 第4の光導波路回路を示す概略的平面図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
(第1の光導波路回路)
図1を参照して、この発明の第1の実施の形態による光導波路回路(以下、第1の光導波路回路とも称する)について説明する。図1(A)は、第1の光導波路回路を示す概略平面図である。なお、図1(A)では、後述する支持基板及びクラッドを省略して示してある。図1(B)は、図1(A)に示す構造体をI−I線で切り取った概略的端面図である。
以下の説明では、各構成要素について、光伝播方向に沿った方向を長さ方向とする。また、支持基板の厚さに沿った方向を厚さ方向とする。また、長さ方向及び厚さ方向に直交する方向を幅方向とする。
第1の光導波路回路100は、支持基板10、クラッド20、光導波路コア30を備えて構成されている。なお、ここでは、一例として、第1の光導波路回路100を受信回路として利用する場合の構成例について説明する。そこで、この実施の形態では、第1の光導波路回路100が、さらに受光素子40を備えている。
支持基板10は、例えば単結晶Siを材料とした平板状体で構成されている。
クラッド20は、支持基板10上に、支持基板10の上面を被覆し、かつ光導波路コア30を包含して形成されている。クラッド20は、例えばSiOを材料として形成されている。
光導波路コア30は、クラッド20よりも高い屈折率を有する例えばSiを材料として形成されている。その結果、光導波路コア30は、光の伝送路として機能し、光導波路コア30に入力された光が光導波路コア30の平面形状に応じた伝播方向に伝播する。
なお、伝播する光が支持基板10へ逃げるのを防止するために、光導波路コア30は、支持基板10から少なくとも例えば3μm以上離間させて形成されているのが好ましい。また、光導波路コア30は、厚さ方向でシングルモード条件を達成するべく、例えば200〜400nmの範囲内の厚さで形成されるのが好ましい。
光導波路コア30は、偏波分離手段310、第1モード変換手段330及び第2モード変換手段340を含むモード変換手段320、偏波変換手段350、第1波長選択手段360並びに第2波長選択手段370を含んでいる。また、光導波路コア30は、偏波分離手段310と接続されたポート導波路301、偏波分離手段310とモード変換手段320との間を接続する接続導波路302、偏波分離手段310と偏波変換手段350との間を接続する接続導波路303、モード変換手段320と第1波長選択手段360との間を接続する接続導波路304、偏波分離手段310と第2波長選択手段370との間を接続する接続導波路305、第1波長選択手段360と受光素子40との間を接続する接続導波路306、及び第2波長選択手段370と受光素子40との間を接続する接続導波路307を含んでいる。
ポート導波路301及び接続導波路303は、TE偏波及びTM偏波の双方に対してシングルモード条件を達成する厚さ及び幅で形成されている。従って、ポート導波路301及び接続導波路303は、基本モードのTE偏波及びTM偏波を伝播させる。各接続導波路302、304〜307は、基本モードのTE偏波のみを伝播させる。
偏波分離手段310としては、例えば方向性結合器を用いることができる。図1に示す構成例では、偏波分離手段310として、一対の光導波路コア(すなわち第1光導波路コア311及び第2光導波路コア312)を含む方向性結合器が構成されている。
第1光導波路コア311及び第2光導波路コア312は、それぞれ直線導波路として形成されている。そして、これら第1光導波路コア311及び第2光導波路コア312は、互いに離間しかつ並んで配置されている。
第1光導波路コア311は、一端側でポート導波路301と、及び他端側で接続導波路302と、それぞれ接続されている。また、第2光導波路コア312は、一端側で接続導波路305と、及び他端側で接続導波路303と、それぞれ接続されている。そして、第1光導波路コア311の一端と、第2光導波路コア312の一端とが同じ側に配置されている。また、第1光導波路コア311の他端と、第2光導波路コア312の他端とが同じ側に配置されている。
第1光導波路コア311及び第2光導波路コア312は、それぞれ厚さよりも幅が大きく設計されている。これによって、TE偏波に対しては、光導波路コア内への閉じ込め効果が強くなり、光導波路コア間における結合係数が小さくなる。一方、TM偏波に対しては、光導波路コア内への閉じ込め効果が弱くなり、光導波路コア間における結合係数が大きくなる。偏波分離手段310では、このような結合係数の差を利用して、TE偏波とTM偏波とを分離する。
ここでは、後述する第1モード変換手段330及び偏波変換手段350における反射波長帯域を含む波長帯域において、TE偏波に対してはバー状態、及びTM偏波に対してはクロス状態となるように、第1光導波路コア311及び第2光導波路コア312の幅、長さ及びこれらの離間距離が設計される。従って、第1光導波路コア311の一端から入力されたTE偏波は、第1光導波路コア311を伝播して、第1光導波路コア311の他端から出力される。また、第1光導波路コア311の一端から入力されたTM偏波は、第2光導波路コア312に移行して、第2光導波路コア312の他端から出力される。
モード変換手段320は、例えば図1の構成例に示すように、多モード光導波路コア321及びプローブ光導波路コア324を含んでいる。
多モード光導波路コア321は、一端側で接続導波路302と接続されている。また、多モード光導波路コア321は、一端側からこの順に接続された結合部322及び反射部323を含んでいる。
多モード光導波路コア321の反射部323には、グレーティングが形成されており、この反射部323によって、第1モード変換手段330が構成されている。また、多モード光導波路コア321の結合部322とプローブ光導波路コア324とが互いに離間しかつ並んで配置された領域として、第2モード変換手段340が構成されている。
多モード光導波路コア321は、少なくとも基本モードのTE偏波及び1次モードのTE偏波を伝播可能な幅で形成されている。
反射部323は、入力される基本モードのTE偏波を、特定の波長帯域において1次モードのTE偏波に変換して反射する。
反射部323のグレーティングは、長さ方向に沿った両側面それぞれに凹部及び凸部が交互に周期的に形成されることによって構成されている。一方の側面の凹部及び凸部と、他方の側面の凹部及び凸部とは、互いに反対称位置となるように形成される。
波長λにおいて、基本モードのTE偏波と1次モードのTE偏波とを変換して反射する条件は、基本モードのTE偏波の等価屈折率をNTE0、1次モードのTE偏波の等価屈折率をNTE1、及びグレーティング周期(反射部323側面の凸部の形成周期)をΛとして、(NTE0+NTE1)Λ=λで表される。従って、グレーティングの周期は、所望の反射すべき波長に対して上式が成立するように設計される。
さらに、反射部323のグレーティングは、凸部間の離間距離を一定の変化量で周期毎に増加させる、又は凸部の突出量を一定の変化量で周期毎に増加させる、所謂チャープ構造とすることで、反射する波長帯域を拡大することができる。
プローブ光導波路コア324は、接続導波路304が接続された一端に向かって、長さ方向に沿って連続的に幅が拡大するテーパ形状で形成される。そして、多モード光導波路コア321の結合部322を伝播する1次モードのTE偏波の伝播定数と、プローブ光導波路コア324を伝播する基本モードのTE偏波の伝播定数とが一致する部分を含むように、プローブ光導波路コア324の幅が設定される。この結果、多モード光導波路コア321の結合部322を、一端に向かって伝播する1次モードのTE偏波と、プローブ光導波路コア324を一端に向かって伝播する基本モードのTE偏波とが結合される。
偏波変換手段350は、入力される基本モードのTM偏波を、特定の波長帯域において、基本モードのTE偏波に変換して反射する。
偏波変換手段350としては、例えば光導波路コアにグレーティングを形成した偏波変換素子を用いることができる。グレーティングは、長さ方向に沿った両側面それぞれに凹部及び凸部が交互に周期的に形成されることによって構成されている。一方の側面の凹部及び凸部と、他方の側面の凹部及び凸部とは、互いに反対称位置となるように形成される。また、偏波変換を実現するべく、例えばリブ型導波路を用いる構成のグレーティングを用いることができる。
波長λにおいて、基本モードのTM偏波と基本モードのTE偏波とを変換して反射する条件は、基本モードのTM偏波の等価屈折率をNTM0、基本モードのTE偏波の等価屈折率をNTE0、及びグレーティング周期をΛとして、(NTM0+NTE0)Λ=λで表される。従って、グレーティングの周期は、所望の反射すべき波長に対して上式が成立するように設計される。
さらに、偏波変換手段350のグレーティングは、反射部323と同様に凸部間の離間距離を一定の変化量で周期毎に増加させる、又は凸部の突出量を一定の変化量で周期毎に増加させる、所謂チャープ構造とすることで、反射する波長帯域を拡大することができる。
なお、偏波変換手段350のグレーティング及び上述した反射部323のグレーティングは、これらの反射波長帯域が同じになるように設計される。
第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370としては、それぞれ例えばリング共振器を利用する可変波長フィルタ、又はグレーティング型若しくは方向性結合器型の可変波長フィルタを用いることができる。第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370は、入力された基本モードのTE偏波に対し、特定の波長の基本モードのTE偏波を透過させて出力する。
第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370を構成する光導波路コア30上には、クラッド20を介してヒータ電極(図示せず)が設けられる。このヒータ電極に電流を流すことでジュール熱が発生し、この発熱による熱光学効果によって、第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370における屈折率を変化させることができる。その結果、第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370によって取り出す波長を変化させることができる。
受光素子40としては、例えばフォトダイオード(PD)を用いることができる。
第1の光導波路回路100では、ポート導波路301から、基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を含む光が入力される。入力された光は、偏波分離手段310の第1光導波路コア311に送られる。偏波分離手段310は、基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を分離する。偏波分離手段310の第1光導波路コア311を伝播する光のうち、基本モードのTE偏波は、接続導波路302を経て、モード変換手段320の多モード光導波路コア321に送られる。また、偏波分離手段310の第1光導波路コア311を伝播する光のうち、基本モードのTM偏波は、第2光導波路コア312に移行し、接続導波路303を経て、偏波変換手段350に送られる。
モード変換手段320の多モード光導波路コア321に送られた基本モードのTE偏波は、第2モード変換手段340の結合部322を経て、第1モード変換手段330の反射部323に入力される。反射部323は、特定の波長帯域において、基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換して反射する。反射された1次モードのTE偏波は、再び第2モード変換手段340の結合部322に送られる。反射部323で反射され、結合部322を伝播する1次モードのTE偏波は、プローブ光導波路コア324に移行しつつ基本モードのTE偏波に変換される。プローブ光導波路コア324を伝播する基本モードのTE偏波は、接続導波路304を経て、第1波長選択手段360に送られる。
第1波長選択手段360は、入力される特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して、受光素子40に送る。
一方、偏波変換手段350は、特定の波長帯域において、基本モードのTM偏波を基本モードのTE偏波に変換して反射する。反射された基本モードのTE偏波は、偏波分離手段310の第2光導波路コア312、及び接続導波路305を順次に経て、第2波長選択手段370に送られる。
第2波長選択手段370は、入力される特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して、受光素子40に送る。
受光素子40は、第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370から送られる、特定の波長の基本モードのTE偏波を受光する。
ここで、図2を参照して、第1の光導波路回路100の作用について説明する。図2は、第1の光導波路回路100の作用の説明に供する図である。図2における曲線101は、第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370における透過率を示している。なお、図2では、横軸に波長を、また縦軸に透過率をとって示している。
第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370を構成する可変波長フィルタは、複数のFSRを有しているため、図2に示すように複数の透過ピークを持つ。
第1の光導波路回路100では、まず、第1モード変換手段330及び偏波変換手段350において、特定の単一の波長帯域の光が取り出される。なお、第1モード変換手段330及び偏波変換手段350における光の反射特性(出力特性)を、図2に曲線102で示す。そして、第1モード変換手段330及び偏波変換手段350で取り出された単一の波長帯域の光が、第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370に入力される。
従って、第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370からは、複数の透過ピークのうち、第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370で取り出される単一の波長帯域と重なる特定の波長(図2において、曲線101と曲線102とが重なる領域Aの波長)の光が出力される。
このように、第1の光導波路回路100では、第1モード変換手段330及び偏波変換手段350によって取り出された単一の波長帯域の光を、第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370に入力することによって、単一の波長帯域のFSRに含まれる特定の波長の光を取り出すことができる。
また、第1の光導波路回路100では、偏波分離手段310によって分離したTM偏波を、偏波変換手段350によってTE偏波に変換することにより、第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370にそれぞれ入力する光を、TE偏波に揃えることができる。従って、第1の光導波路回路100は、偏波無依存で、特定の波長の光を取り出すことができる。
また、偏波分離手段310、第1モード変換手段330、第2モード変換手段340、偏波変換手段350のそれぞれにおける偏波及びモード次数の取扱いは、上述した構成例に限定されない。TE偏波及びTM偏波に対する取扱いを上述した構成例とは逆にする、又はモード次数を上述した構成例から変更する等、用途等に応じて適宜設計を変更することができる。
(第2の光導波路回路)
図3を参照して、この発明の第2の実施の形態による光導波路回路(以下、第2の光導波路回路とも称する)について説明する。図3は、第2の光導波路回路を示す概略平面図である。なお、図3では、支持基板及びクラッドを省略して示してある。また、上述した第1の光導波路回路と共通する構成要素については、共通の符号を付し、重複する説明を省略する。
第2の光導波路回路200は、上述の第1の光導波路回路100の第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370に変えて、波長選択手段380を備えている。なお、ここでは、一例として、第2の光導波路回路200を受信回路として利用する場合の構成例について説明する。そこで、この実施の形態では、第2の光導波路回路200は、複数の受光素子40を備えている。なお、図3では、4つの受光素子40−1〜4を備える構成例を示している。
波長選択手段380としては、例えばAWGを用いることができる。
波長選択手段380は、接続導波路304によって、第2モード変換手段340のプローブ光導波路コア324と接続されている。また、波長選択手段380は、接続導波路305によって、偏波分離手段310と接続されている。
また、波長選択手段380は、受光素子40のそれぞれと、接続導波路308及び接続導波路309のそれぞれによって接続されている。ここでは、波長選択手段380と受光素子40−1との間が、接続導波路308−1及び接続導波路309−1のそれぞれによって接続されている。また、波長選択手段380と受光素子40−2との間が、接続導波路308−2及び接続導波路309−2のそれぞれによって接続されている。また、波長選択手段380と受光素子40−3との間が、接続導波路308−3及び接続導波路309−3のそれぞれによって接続されている。また、波長選択手段380と受光素子40−4との間が、接続導波路308−4及び接続導波路309−4のそれぞれによって接続されている。
波長選択手段380は、接続導波路304を経て第2モード変換手段340から送られる、特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、互いに異なる複数の特定の波長を取り出して出力する。出力された各波長の基本モードのTE偏波は、波長に応じた接続導波路308−1〜4のいずれかを経て、対応する受光素子40−1〜4に送られる。
また、波長選択手段380は、接続導波路305を経て偏波変換手段350から送られる、特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、互いに異なる複数の特定の波長を取り出して出力する。出力された各波長の基本モードのTE偏波は、波長毎に接続導波路309−1〜4に送られる。
このように第2の光導波路回路200では、第1モード変換手段330及び偏波変換手段350によって取り出された単一の波長帯域の光を、波長選択手段380に入力することによって、単一の波長帯域のFSRに含まれる、複数の異なる波長の光を取り出すことができる。
(第3の光導波路回路)
図4を参照して、この発明の第3の実施の形態による光導波路回路(以下、第3の光導波路回路とも称する)について説明する。図4は、第3の光導波路回路を示す概略平面図である。なお、図4では、支持基板及びクラッドを省略して示してある。また、上述した第1の光導波路回路と共通する構成要素については、共通の符号を付し、重複する説明を省略する。
第3の光導波路回路300は、2つの偏波分離手段310(第1の偏波分離手段310−1及び第2の偏波分離手段310−2)、2つのモード変換手段320(第1のモード変換手段320−1及び第2のモード変換手段320−2)、2つの偏波変換手段350(第1の偏波変換手段350−1及び第2の偏波変換手段350−2)、2つの第1波長選択手段360(第1の第1波長選択手段360−1及び第2の第1波長選択手段360−2)、及び2つの第2波長選択手段370(第1の第2波長選択手段370−1及び第2の第2波長選択手段370−2)を備えている。第1のモード変換手段320−1は、第1の第1モード変換手段330−1及び第1の第2モード変換手段340−1を含んでいる。また、第2のモード変換手段320−2は、第2の第1モード変換手段330−2及び第2の第2モード変換手段340−2を含んでいる。なお、ここでは、一例として、第3の光導波路回路300を受信回路として利用する場合の構成例について説明する。そこで、この実施の形態では、第3の光導波路回路300は、2つの受光素子40(第1の受光素子40−1及び第2の受光素子40−2)を備えている。
第1の偏波分離手段310−1、第1のモード変換手段320−1、第1の偏波変換手段350−1、第1の第1波長選択手段360−1、第1の第2波長選択手段370−1及び第1の受光素子40−1の各構成及び接続関係は、上述した第1の光導波路回路100の偏波分離手段310、モード変換手段320、偏波変換手段350、第1波長選択手段360、第2波長選択手段370及び受光素子40と同様である(図1参照)。ただし、第1の偏波分離手段310−1は、第1の第1モード変換手段330−1及び第1の偏波変換手段350−1における反射波長帯域、並びに第2の第1モード変換手段330−2及び第2の偏波変換手段350−2における反射波長帯域を含む波長帯域において、TE偏波に対してはバー状態、及びTM偏波に対してはクロス状態となるように、第1光導波路コア311−1及び第2光導波路コア312−1の幅及び長さが設計される。
第1のモード変換手段320−1の多モード光導波路コア321−1の、反射部323−1側の端は、第2のモード変換手段320−2の多モード光導波路コア321−2の結合部322−2側の端と接続されている。
第2の第2モード変換手段340−2のプローブ光導波路コア324−2は、接続導波路304−2によって、第2の第1波長選択手段360−2と接続されている。
第2の第1波長選択手段360−2は、接続導波路306−2によって第2の受光素子40−2と接続されている。
第1の偏波変換手段350−1の、接続導波路303と接続されているのとは反対側の端は、接続導波路401によって、第2の偏波分離手段310−2の第1光導波路コア311−2の一端と接続されている。
第2の偏波分離手段310−2の第2光導波路コア312−2の一端は、接続導波路305−2によって、第2の第2波長選択手段370−2と接続されている。また、第2の偏波分離手段310−2の第2光導波路コア312−2の他端は、接続導波路402によって、第2の偏波変換手段350−2と接続されている。そして、第2の偏波分離手段310−2では、第2の偏波変換手段350−2における反射波長帯域を含む波長帯域において、TE偏波に対してはバー状態、及びTM偏波に対してはクロス状態となるように、第1光導波路コア311−2及び第2光導波路コア312−2の幅、長さ及びこれらの離間距離が設計される。
第2の第2波長選択手段370−2は、接続導波路307−2によって第2の受光素子40−2と接続されている。
第3の光導波路回路300では、第2の第1モード変換手段330−2及び第2の偏波変換手段350−2における反射波長帯域が、同じになるように設計される。また、これら第2の第1モード変換手段330−2及び第2の偏波変換手段350−2における反射波長帯域と、第1の第1モード変換手段330−1及び第1の偏波変換手段350−1における反射波長帯域とが、異なるように設計される。
このように構成された第3の光導波路回路300では、第1の第1モード変換手段330−1において反射されずに透過する波長帯域の基本モードのTE偏波が、第2のモード変換手段320−2の多モード光導波路コア321−2に送られる。第2のモード変換手段320−2の多モード光導波路コア321−2に送られた基本モードのTE偏波は、第2の第2モード変換手段340−2の結合部322−2を経て、第2の第1モード変換手段330−2の反射部323−2に入力される。反射部323−2は、第1の第1モード変換手段330−1の反射波長帯域とは異なる特定の波長帯域において、基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換して反射する。反射された1次モードのTE偏波は、再び第2の第2モード変換手段340−2の結合部322−2に送られる。反射部323−2で反射され、結合部322−2を伝播する1次モードのTE偏波は、プローブ光導波路コア324−2に移行しつつ基本モードのTE偏波に変換される。プローブ光導波路コア324−2を伝播する基本モードのTE偏波は、接続導波路304−2を経て、第2の第1波長選択手段360−2に送られる。
第2の第1波長選択手段360−2は、入力される特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して、接続導波路306−2を経て、第2の受光素子40−2に送る。
また、第3の光導波路回路300では、第1の偏波変換手段350−1において反射されずに透過する波長帯域の基本モードのTM偏波が、接続導波路401を経て、第2の偏波分離手段310−2の第1光導波路コア311−2に送られる。第1光導波路コア311−2を伝播する基本モードのTM偏波は、第2光導波路コア312−2に移行し、接続導波路402を経て、第2の偏波変換手段350−2に送られる。
第2の偏波変換手段350−2は、第1の偏波変換手段350−1の反射波長帯域とは異なる特定の波長帯域において、基本モードのTM偏波を基本モードのTE偏波に変換して反射する。反射された基本モードのTE偏波は、第2の偏波分離手段310−2の第2光導波路コア312−2、及び接続導波路305−2を順次に経て、第2の第2波長選択手段370−2に送られる。
第2の第2波長選択手段370−2は、入力される特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して、接続導波路307−2を経て、第2の受光素子40−2に送る。
第2の受光素子40−2は、第2の第1波長選択手段360−2及び第2の第2波長選択手段370−2から送られる、特定の波長の基本モードのTE偏波を受光する。
このように第3の光導波路回路300では、第1の第1モード変換手段330−1及び第1の偏波変換手段350−1と、第2の第1モード変換手段330−2及び第2の偏波変換手段350−2とで、互いに異なる単一の波長帯域の光を取り出すことができる。そして、それぞれの波長帯域の光を第1波長選択手段360及び第2波長選択手段370に入力することによって、各波長帯域のFSRに含まれる各特定の波長の光をそれぞれ取り出すことができる。
なお、ここでは、第3の光導波路回路300が、偏波分離手段310、第1モード変換手段330及び第2モード変換手段340を含むモード変換手段320、偏波変換手段350、第1波長選択手段360、第2波長選択手段370並びに受光素子40をそれぞれ2つずつ備える構成例について説明した。しかし、第3の光導波路回路300では、これらをn個(nは2以上の整数)ずつ備える構成とすることもできる。
この場合には、第k(kは1≦k≦n−1の整数)のモード変換手段320の多モード光導波路コア321と、第k+1のモード変換手段320の多モード光導波路コア321とが接続される。また、各第1モード変換手段330は、互いに異なる波長帯域の基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換して反射するように設計される。また、第nの第2モード変換手段340のプローブ光導波路コア324と、第nの第1波長選択手段360とが接続される。
また、第kの偏波変換手段350と、第k+1の偏波分離手段310の第1光導波路コア311が接続される。また、第k+1の偏波分離手段310の第2光導波路コア312の他端と第k+1の偏波変換手段350が接続される。各偏波変換手段350は、互いに異なる波長帯域の基本モードのTM偏波を、基本モードのTE偏波に変換する。
また、第nの偏波分離手段310の第2光導波路コア312の一端と、第nの第2波長選択手段370とが接続される。
偏波分離手段310、第1モード変換手段330及び第2モード変換手段340を含むモード変換手段320、偏波変換手段350、第1波長選択手段360、第2波長選択手段370並びに受光素子40をそれぞれn個ずつ備える場合には、互いに異なるn個の波長帯域のFSRに含まれる、各特定の波長の光をそれぞれ取り出すことができる。
(第4の光導波路回路)
図5を参照して、この発明の第4の実施の形態による光導波路回路(以下、第4の光導波路回路とも称する)について説明する。図5は、第4の光導波路回路を示す概略平面図である。なお、図5では、支持基板及びクラッドを省略して示してある。また、上述した第1の光導波路回路と共通する構成要素については、共通の符号を付し、重複する説明を省略する。
第4の光導波路回路400は、上述した第1の光導波路回路100、第2の光導波路回路200又は第3の光導波路回路300に追加して、さらに発光素子50、送信側モード変換手段520及び入出力導波路502を備える。図5では、一例として第1の光導波路回路100を利用する場合の構成例の第4の光導波路回路400を示している。
発光素子50としては、例えばレーザダイオード(LD)を用いることができる。発光素子50は、基本モードのTE偏波を出力する。また、発光素子50は、接続導波路501によって、後述するプローブ光導波路コア524と接続されている。
入出力導波路502、送信側モード変換手段520及び接続導波路501は、光導波路コア(図1(B)参照)の一部として形成されている。
接続導波路501は、TE偏波に対してシングルモード条件を達成する厚さ及び幅で形成されている。従って、接続導波路501は、基本モードのTE偏波を伝播させる。
送信側モード変換手段520は、例えば、上述したモード変換手段320(図1参照)と同様に、多モード光導波路コア521及びプローブ光導波路コア524を含んで構成される。そして、送信側モード変換手段520は、上述したモード変換手段320と同様に、第1モード変換手段(送信側第1モード変換手段)530及び第2モード変換手段(送信側第2モード変換手段)540を含んでいる。
多モード光導波路コア521は、一端側で入出力導波路502と接続されている。また、多モード導波路コア521は、他端側で第1の光導波路回路100のポート導波路301と接続されている。また、多モード光導波路コア521は、一端側からこの順に接続された結合部522及び反射部523を含んでいる。
多モード光導波路コア521の反射部523には、グレーティングが形成されており、この反射部523によって、第1モード変換手段530が構成されている。また、多モード光導波路コア521の結合部522とプローブ光導波路コア524とが互いに離間しかつ並んで配置された領域として、第2モード変換手段540が構成されている。
多モード光導波路コア521は、少なくとも基本モードのTE偏波及び1次モードのTE偏波を伝播可能な幅で形成されている。
反射部523は、入力される基本モードのTE偏波を、特定の波長帯域において1次モードのTE偏波に変換して反射する。なお、反射部523の反射波長帯域は、第1の光導波路回路100における第1モード変換手段330及び偏波変換手段350の反射波長帯域とは異なる波長帯域に設定される。
プローブ光導波路コア524は、接続導波路501が接続された一端に向かって、長さ方向に沿って連続的に幅が拡大する(すなわち一端から他端に向かって連続的に幅が縮小する)テーパ形状で形成される。そして、多モード光導波路コア521の結合部522を伝播する1次モードのTE偏波の伝播定数と、プローブ光導波路コア524を伝播する基本モードのTE偏波の伝播定数とが一致する部分を含むように、プローブ光導波路コア524の幅が設定される。この結果、プローブ光導波路コア524を一端から他端に向かって伝播する基本モードのTE偏波と、多モード光導波路コア521の結合部522を、一端から他端に向かって伝播する1次モードのTE偏波とが結合される。
入出力導波路502は、TE偏波及びTM偏波の双方に対してシングルモード条件を達成する厚さ及び幅で形成されている。従って、入出力導波路502は、基本モードのTE偏波及びTM偏波を伝播させる。
第4の光導波路回路400では、発光素子50から出力される基本モードのTE偏波が、接続導波路501を経て、第2モード変換手段540のプローブ光導波路コア524に送られる。プローブ光導波路コア524を伝播する基本モードのTE偏波は、結合部522に移行しつつ1次モードのTE偏波に変換される。1次モードのTE偏波は反射部523に送られる。反射部523は、特定の波長帯域(送信波長帯域)において、1次モードのTE偏波を基本モードのTE偏波に変換して反射する。反射された基本モードのTE偏波は、結合部322を経て、入出力導波路502から出力される。
また、第4の光導波路回路400では、入出力導波路502から、受信波長帯域の、基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を含む光が入力される。入力された光は、送信側モード変換手段520の多モード光導波路コア521に送られる。光は、反射部523を透過して、ポート導波路301から第1の光導波路回路100に入力される。
このように、第4の光導波路回路400では、送信波長の光を入出力導波路502から出力し、かつ受信波長の光を第1の光導波路回路100に入力する、送受信回路として使用することができる。
なお、第4の光導波路回路400では、図5に示す第1の光導波路回路100に変えて、第2の光導波路回路200(図3参照)又は第3の光導波路回路300(図4参照)を用いることもできる。
(製造方法)
上述した第1の光導波路回路100、第2の光導波路回路200、第3の光導波路回路300及び第4の光導波路回路400は、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板を利用することによって、簡易に製造することができる。
すなわち、まず、支持基板層、SiO層、及びSi層が順次積層されて構成されたSOI基板を用意する。次に、例えばエッチング技術を用い、Si層をパターニングすることによって、光導波路コア30を形成する。その結果、支持基板10としての支持基板層上にSiO層が積層され、さらにSiO層上に光導波路コア30が形成された構造体を得ることができる。次に、例えばCVD法を用いて、SiO層上に、SiOを、光導波路コア30を被覆して形成する。その結果、クラッド20によって光導波路コア30が包含された第1の光導波路回路100、第2の光導波路回路200、第3の光導波路回路300及び第4の光導波路回路400を製造することができる。
なお、受光素子40は、Si層のパターニング後に、受光素子40を形成する領域のSi層に必要な不純物を導入し、その上に光吸収層を堆積することによって、形成することができる。また、クラッド20形成後に、例えばエッチング技術を用いて、発光素子50の形成領域のクラッドを除去することによって、このクラッドを除去した領域に、発光素子50を実装することができる。
10:支持基板
20:クラッド
30:光導波路コア
40:受光素子
50:発光素子
100:第1の光導波路回路
200:第2の光導波路回路
300:第3の光導波路回路
301:ポート導波路
302、303、304、305、306、307、401、402、501:接続導波路
310:偏波分離手段
311:第1光導波路コア
312:第2光導波路コア
320:モード変換手段
321:多モード光導波路コア
322:結合部
323:反射部
324:プローブ光導波路コア
330:第1モード変換手段
340:第2モード変換手段
350:偏波変換手段
360:第1波長選択手段
370:第2波長選択手段
380:波長選択手段
400:第4の光導波路回路
502:入出力導波路

Claims (7)

  1. 偏波分離手段、第1モード変換手段、第2モード変換手段、偏波変換手段、第1波長選択手段及び第2波長選択手段を含む光導波路コアを備え、
    前記偏波分離手段は、入力される基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を分離して、基本モードのTE偏波を前記第1モード変換手段に送り、かつ基本モードのTM偏波を前記偏波変換手段に送り、
    前記第1モード変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換して、前記第2モード変換手段に送り、
    前記第2モード変換手段は、1次モードのTE偏波を基本モードのTE偏波に変換して、前記第1波長選択手段に送り、
    前記第1波長選択手段は、入力される特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して出力し、
    前記偏波変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTM偏波を、基本モードのTE偏波に変換して、前記第2波長選択手段に送り、
    前記第2波長選択手段は、入力される特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して出力する
    ことを特徴とする光導波路回路。
  2. 受光素子をさらに備え、
    前記第1波長選択手段は、取り出した特定の波長の基本モードのTE偏波を、前記受光素子に送り、
    前記第2波長選択手段は、取り出した特定の波長の基本モードのTE偏波を、前記受光素子に送り、
    前記受光素子は、前記第1波長選択手段から送られる基本モードのTE偏波、及び前記第2波長選択手段から送られる基本モードのTE偏波を受光する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光導波路回路。
  3. 偏波分離手段、第1モード変換手段、第2モード変換手段、偏波変換手段及び波長選択手段を含む光導波路コアを備え、
    前記偏波分離手段は、入力される基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を分離して、基本モードのTE偏波を前記第1モード変換手段に送り、かつ基本モードのTM偏波を前記偏波変換手段に送り、
    前記第1モード変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換して、前記第2モード変換手段に送り、
    前記第2モード変換手段は、1次モードのTE偏波を基本モードのTE偏波に変換して、前記波長選択手段に送り、
    前記偏波変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTM偏波を、基本モードのTE偏波に変換して、前記波長選択手段に送り、
    前記波長選択手段は、前記第2モード変換手段から送られる、基本モードのTE偏波から、互いに異なる複数の特定の波長を取り出して出力し、かつ前記偏波変換手段から送られる、基本モードのTE偏波から、互いに異なる複数の特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して出力する
    ことを特徴とする光導波路回路。
  4. 複数の受光素子をさらに備え、
    前記波長選択手段は、取り出した互いに異なる複数の特定の波長の基本モードのTE偏波を、波長毎に異なる前記受光素子に送り、
    各前記受光素子は、前記波長選択手段から送られる基本モードのTE偏波を受光する
    ことを特徴とする請求項3に記載の光導波路回路。
  5. 偏波分離手段、n個(nは2以上の整数)の第1モード変換手段、n個の第2モード変換手段、n個の偏波変換手段、n個の第1波長選択手段及びn個の第2波長選択手段を含む光導波路コアを備え、
    前記偏波分離手段は、入力される基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を分離して、基本モードのTE偏波を第1の前記第1モード変換手段に送り、かつ基本モードのTM偏波を第1の前記偏波変換手段に送り、
    第k(kは1≦k≦n−1の整数)の前記第1モード変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換して、第kの前記第2モード変換手段に送り、かつ特定の波長帯域以外の波長帯域の基本モードのTE偏波を、第k+1の前記第1モード変換手段に送り、
    第nの前記第1モード変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換して、第nの前記第2モード変換手段に送り、
    各前記第1モード変換手段は、互いに異なる波長帯域の基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換し、
    第1〜nの前記第2モード変換手段は、それぞれ1次モードのTE偏波を基本モードのTE偏波に変換して、それぞれ第1〜nの前記第1波長選択手段に送り、
    各前記第1波長選択手段は、入力される各特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、それぞれ特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して出力し、
    第kの前記偏波変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTM偏波を、基本モードのTE偏波に変換して、第kの前記第2波長選択手段に送り、かつ特定の波長帯域以外の波長帯域の基本モードのTM偏波を、第k+1の前記偏波変換手段に送り、
    第nの前記偏波変換手段は、特定の波長帯域の基本モードのTM偏波を、基本モードのTE偏波に変換して、第nの前記第2波長選択手段に送り、
    各前記偏波変換手段は、互いに異なる波長帯域の基本モードのTM偏波を、基本モードのTE偏波に変換し、
    各前記第2波長選択手段は、入力される各特定の波長帯域の基本モードのTE偏波から、それぞれ特定の波長の基本モードのTE偏波を取り出して出力する
    ことを特徴とする光導波路回路。
  6. n個の受光素子をさらに備え、
    第1〜nの前記第1波長選択手段は、取り出した特定の波長の基本モードのTE偏波を、それぞれ第1〜nの前記受光素子に送り、
    第1〜nの前記第2波長選択手段は、取り出した特定の波長の基本モードのTE偏波を、それぞれ第1〜nの前記受光素子に送り、
    各前記受光素子は、前記第1波長選択手段から送られる基本モードのTE偏波、及び前記第2波長選択手段から送られる基本モードのTE偏波を受光する
    ことを特徴とする請求項5に記載の光導波路回路。
  7. 光導波路コアは、入出力導波路、送信側第1モード変換手段、送信側第2モード変換手段及び発光素子をさらに含み、
    前記発光素子は、基本モードのTE偏波を出力して、前記送信側第2モード変換手段に送り、
    前記送信側第2モード変換手段は、基本モードのTE偏波を1次モードのTE偏波に変換して、前記送信側第1モード変換手段に送り、
    前記送信側第1モード変換手段は、送信波長帯域の1次モードのTE偏波を基本モードのTE偏波に変換して、前記入出力導波路に送り、
    前記入出力導波路は、入力される受信波長帯域の基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を、前記送信側第1モード変換手段に送り、
    前記送信側第1モード変換手段は、受信波長帯域の基本モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を、前記偏波分離手段に送る
    ことを特徴とする請求項2、4及び6のいずれか一項に記載の光導波路回路。
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