JP2020085354A - 天井材 - Google Patents

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Abstract

【課題】板材をフレーム材に正確かつ確実に取り付けることが可能で、取付作業も簡便に行うことが可能な天井材を提供する。【解決手段】板材(パネル基材)2がフレーム材(懸架フレーム)17に突き合せて取り付けられた構成を有する天井材(点検口用パネル)16において、板材2およびフレーム材17のうちの一方である板材2に、突き合せ方向に突出する凸部(上向きリブ)5、5が形成されており、板材2およびフレーム材17のうちの他方であるフレーム材17に、突き合せ方向に対して傾斜する傾斜部20R、20Lが形成されており、凸部5、5が傾斜部20R、20Lに当接している構成とする。【選択図】図5

Description

本発明は、天井材に関し、より具体的には、熱媒体を流通させるパイプが板材に配置された構成を有する放射パネル等の天井材に関する。
天井材として、例えば下記特許文献1に記載のように、板材をフレーム材(桟材)に突き合せるように取り付けて構成されたものがある。特許文献1には、熱媒体を流通させるパイプが配置されたプレート(板材)をフレームに突き合せるように取り付けて放射空調機能を有するように構成された放射パネルが開示されている。
特開2018−112362号公報
一般に、上記のような天井材においては、ガタツキや位置ずれを生じることなく正確かつ確実に板材をフレーム材に取り付けることが要求され、例えば特に、複数の板材の間隔が揃っていない部位があったりすると、当該部位が目立って室内の美観が大きく損なわれることとなるという問題がある。また、板材を正確かつ確実に取り付けるには相応の手間を要するという問題もある。
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、板材をフレーム材に正確かつ確実に取り付けることが可能で、取付作業も簡便に行うことが可能な天井材を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る天井材は、板材がフレーム材に突き合せて取り付けられた構成を有する天井材であって、前記板材および前記フレーム材のうちの一方に、突き合せ方向に突出する凸部が形成されており、前記板材および前記フレーム材のうちの他方に、突き合せ方向に対して傾斜する傾斜部が形成されており、前記凸部が前記傾斜部に当接していることを特徴とする。
上記請求項1に記載の構成によれば、凸部が傾斜部に当接することにより、板材を、ガタツキや位置ずれを生じることなく正確かつ確実にフレーム材に取り付けることができ、また取付作業も簡便に行うことができる。
請求項2に記載の発明に係る天井材は、請求項1に記載の天井材において、前記フレーム材に、突き合せ方向に拡がる切欠を形成することにより前記傾斜部が形成され、前記板材に前記凸部が形成されていることを特徴とする。
上記請求項2に記載の構成によれば、簡潔な構成により、容易に傾斜部を形成することができる。
請求項3に記載の発明に係る天井材は、請求項2に記載の天井材において、前記フレーム材の切欠は複数形成されており、少なくとも2つの切欠により、突き合せ方向に先細りするテーパ部を形成し、該テーパ部の両側に前記傾斜部が形成され、前記板材の凸部は複数形成されており、2つの凸部が、前記テーパ部を間に挟むようにして前記傾斜部に当接することを特徴とする。
上記請求項3に記載の構成によれば、2つの凸部がテーパ部を間に挟むことにより、板材をフレーム材に対してより確実に位置決めして取り付けることができる。
請求項4に記載の発明に係る天井材は、請求項3に記載の天井材において、前記テーパ部の先端縁が、前記フレーム材の端縁と同一直線上にくるように形成されていることを特徴とする。
上記請求項4に記載の構成によれば、フレーム材に少なくとも2つの切欠を形成するだけで、これら2つの切欠の間にテーパ部を形成することができ、従ってテーパ部の形成を容易とすることができる。
請求項5に記載の発明に係る天井材は、請求項1〜4に記載の天井材において、前記板材が、熱媒体を流通させるパイプが配置された構成を有し、前記凸部が、前記板材に複数形成され、2つの凸部の間に前記パイプが挟まれるようにして配置されていることを特徴とする。
天井材が、熱媒体を流通させるパイプが板材に配置された構成を有するもの、即ち放射パネルである場合、特に、パイプが板材に配置されない箇所があると、板材とフレーム材との間にパイプがないことによって鉛直方向の位置ずれが生じやすいという問題がある。そこで、請求項5に規定のように、天井材が放射パネルである場合に、凸部が傾斜部に当接するという本発明の特徴を適用すれば、簡潔な構成により、鉛直方向の位置ずれを効果的に抑制することができる。換言すれば、本発明は、天井材が放射パネルである場合に特に有用である。
請求項6に記載の発明に係る天井材は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の天井材において、前記板材と前記フレーム材とが、係合片が弾性的に係合することによる係合構造によって、互いに離隔しないよう保持されることを特徴とする。
上記請求項6に記載の構成によれば、係合構造によって板材をフレーム材に容易に取り付けることができる。
本発明によれば、板材をフレーム材に正確かつ確実に取り付けることができるため、高精度・高品質の天井材とすることができ、美観も良好に維持することができる。また、取付作業も簡便に行うことができるため、コストを低減することができる。
実施形態に係る建物の室内の概略図。 放射パネルの平面図。 図2のII−II部矢視断面図。 点検口用パネルの平面図。 図4のIV−IV部矢視断面図。 点検口等におけるパネル基材と懸架フレームとの取付構造の従来例を示す部分平面図。 傾斜部の他の例を示す概略図。 傾斜部の他の例を示す概略図。 上向きリブおよびパネル基材の他の例を示す概略図。 放射パネルの他の例を示す部分平面図。 パネル基材の他の例を示す概略図。
以下、本発明を実施形態に基づいて詳述する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る建物の室内の概略図である。同図に示すように、室内R1の天井部には、天井材である多数の放射パネル1が一面に縦横に整列して配置されている。
放射パネル1は、図2に示すように矩形状(長方形)の外形を有し、並列配置された4枚の板材であるパネル基材2と、その上面に装着されたパイプ3とで構成されている。パネル基材2はそれぞれ長さ方向に細長く延びる外形を有し、長辺同士を隣接させるようにして並列配置され、放射パネル1全体としても長方形状(正方形を含む四角形ないし方形の形状)に構成されている。
パネル基材2は、図3に示すように、アルミニウムを押し出し成型により波板状に成形して得られた部材であり、1枚のパネル基材2には、半円状の下向き突条4が左右に並んで4列形成されている。
各パネル基材2において、長さ方向に沿った両側縁のうち一方側縁は段上がり部2aを有する形状に成形され、他方側縁は段落ち部2bを有する形状に成形されており、隣り合った段上がり部2aと段落ち部2bとを重ね合わせることにより、放射パネル1が全体として1枚板の外観を呈するように連結されている。段上がり部2aは、隣接するパネル基材2の係合リブ9(後述)に当接する位置まで延出するように形成されている。
他方、パイプ3は図2に示すように平面視でジグザグに蛇行するように曲げられており、パイプ3の直線部が、各パネル基材2における中央部(一方側縁から2列目;図3では左側縁から2列目)の下向き突条4に嵌まっている。各パネル基材2における上記中央部の下向き突条4には、パイプ3を保持する上向きリブ5を形成している。上向きリブ5は、下向き突条4の周壁を上方にやや延長させるように形成され、パイプ3の左右両端よりもやや上方の位置まで延出して、該パイプ3の外周面における下側半分以上(下側半部からやや上方までの部分)を保持するよう、下向き突条4とともに断面部分円形状をなすように形成されている。パイプ3は、上方から、上向きリブ5を外側へ拡がるように弾性変形させつつ押し込むようにして下向き突条4内に嵌め込まれて保持される(強制嵌合される。)。
パイプ3のうち平面視U形に曲がった部分は、直線部の延長線上よりもやや斜め上方へ引き起こされるようにして、下向き突条4から上方に迫り出している。また、パイプ3の一端部3aと他端部3bとは、図2に示すように、パネル基材2の一短辺部と平行に延びるように曲げられており、一端部3aと他端部3bとは反対方向に向いている。そして、隣り合った一方の放射パネル1におけるパイプ3の一端部3aと、他方の放射パネル1におけるパイプ3の他端部3bとが、図2に点線で示すジョイントパイプ6で接続されている。
パイプ3としては、「三層管」と称される管材が用いられている。この三層管は、金属層を樹脂層で内外から挟んだ3層構造を有し、耐腐食性や結露防止の効果に優れるものである。
パイプ3には、図2および図3に示すように、フレーム材(桟材)である懸架フレーム7が、上から重なるようにして配置されている。懸架フレーム7は下向きに開口した断面コ字形の形態(溝形鋼)よりなり、その側板に、切欠係合溝8が飛び飛びで複数形成されている。切欠係合溝8はそれぞれ、懸架フレーム7の側板の下端縁から上方へ延びる狭小部と、該狭小部の上端で横長の長方形状に拡がる拡大部とを有して、全体として概略T字形状をなすように形成されている。上記狭小部は、中間部から下端部にかけて両側方へ拡大する形状となっている。一方、パネル基材2の長さ方向に沿った両側縁には、切欠係合溝8に嵌合する係合リブ9が一体に形成され、該係合リブ9の先端縁には、パネル基材2の内側へ断面台形状に突出する爪が形成されており、該爪を、切欠係合溝8の狭小部から拡大部にかけて形成される段部に弾性的に係合させることにより、懸架フレーム7によってパイプ3がパネル基材2に押さえつけるようにして保持されると共に、4枚のパネル基材2が1枚板状に連結され、これによって放射パネル1が構成されている。
懸架フレーム7の側板のうちパイプ3に当たる部分は、下向きに拡がる台形状に切欠かれてパイプ受け凹部11が形成されている。懸架フレーム7は、放射パネル1の長さ方向における両端寄り部位と中間部とに3本配置しており、中間部に位置した懸架フレーム7における天板の両端寄り部位の下面に、ナット10を溶接によって固定している。なお、懸架フレーム7の配置本数は任意に設定できる。
一方、図示省略するが、天井スラブには、天井面に沿って枠状に拡がるように構成された中間支持フレームが第1吊りボルトで吊支され、該中間支持フレームには第2吊りボルト14が吊支されており、該第2吊りボルト14が図3に示すように上記ナット10に螺合し他のナット15で上から固定されることにより、懸架フレーム7が天井部に吊支され固定されている。
上述の通り、室内R1の天井部には多数の放射パネル1が整列して配置されており、放射パネル1間ではパイプ3同士がジョイントパイプ6で連結され、これにより、天井部の大部分に熱媒体を行き渡らせるように流通させる熱媒体流路が形成されるが、天井部における部位によっては、パイプ3の配置が困難となることもある。例えば、点検口が設けられる部位においては、この部位を開閉可能とするため、パイプ3を配置することができない。本実施形態においては、当該点検口が設けられる部位に、放射パネル1とは一部の構成の異なるパネルを用いるようにしている。
図4は、点検口用パネル16の平面図であり、図5は、図4のIV−IV部矢視断面図である。図4および図5に示すように、点検口用パネル16は、後述するテーパ部18以外の大部分の構成は放射パネル1と基本的に同様となっている。このため、放射パネル1と同様の部位ないし部材には同一の符号を付し、その説明は必要な場合を除いて基本的に省略する。
点検口用パネル16において、上述の放射パネル1と最も異なる主要な相違点は、パイプ3が配置されない点と、懸架フレーム17において、放射パネル1における懸架フレーム7ではパイプ受け凹部11が形成されていた部位に、テーパ部18が形成されている点とである。
懸架フレーム17における側板の下端部には、パネル基材2における一対の上向きリブ5、5に対応する位置に、それぞれ楔形状(略逆V字形状)の切欠19、19が形成され、これにより、両側の切欠19、19の間に、下方に先細りする台形状をなして突出するテーパ部18が形成されている。
テーパ部18の右上端と左上端との間隔、即ち両側の切欠19、19の上端の間隔は、パネル基材2における上向きリブ5、5の上端の間隔より大となっており、一方、テーパ部18の右下端と左下端との間隔は、上向きリブ5、5の上端の間隔より小となっている。また、テーパ部18の先端縁(下端縁)は、懸架フレーム17の端縁(下端縁)と同一直線上にくるように形成されている。
点検口用パネル16の懸架フレーム17は、放射パネル1の懸架フレーム7の場合と同様に、係合リブ9による係合構造を利用して、4枚のパネル基材2を1枚板状に連結するようにして配置され、これにより点検口用パネル16が構成される。
その際、より具体的には、パネル基材2の両側の係合リブ9の先端部を切欠係合溝8に下方から挿入し、係合リブ9の爪を切欠係合溝8の段部に弾性的に係合させることにより、パネル基材2を懸架フレーム17に取り付ける。
このとき、パネル基材2が懸架フレーム17に突き合せて取り付けられるのであるが、パネル基材2には上向きリブ5、5が突き合せ方向(上方)に突出しており、一方、懸架フレーム17には、テーパ部18の両側縁が、突き合せ方向に対して傾斜する傾斜部20R、20Lとなっている。そして、パネル基材2を懸架フレーム17に突き合せると、その途上で、上向きリブ5、5の先端がテーパ部18の両側縁に当接する。これにより、パネル基材2の突き合せ方向(上方)への移動が規制されるとともに、懸架フレーム17の長さ方向(図5では左右方向)に沿った移動も規制される。即ち、パネル基材2が懸架フレーム17に対して位置決めされる。
また一方、前述の通り、パネル基材2は、係合リブ9による係合構造によって、下方への移動が規制されている。従って以上の取付構造により、パネル基材2と懸架フレーム17とが、突き合せ方向(上下方向)ならびに懸架フレーム17の長さ方向(左右方向)にずれないよう正確に位置決めして、ガタツキなしに確実に取り付けられるようになっている。
さらにまた、点検口用パネル16においては、パネル基材2を懸架フレーム17に突き合せて圧しつけるようにするだけで、係合リブ9が切欠係合溝8に弾性的に係合することにより固定され、またこれにともなって上述の通り上向きリブ5、5がテーパ部18の傾斜部20R、20Lに当接することにより位置決めされるので、単一の操作でパネル基材2を懸架フレーム17に容易に位置決めして取り付けることができる。
ここで、上述の取付構造において、係合リブ9による係合構造によれば、上述の通りパネル基材2の下方への移動が規制されるのであるが、切欠係合溝8の拡大部においては、挿入された係合リブ9より上方に遊びP1を確保しておく必要がある(図3および図5参照)ため、この部分ではパネル基材2の上方への移動は規制されず、従ってこの遊びP1の部分で鉛直方向にズレが生じることがある。放射パネル1の場合は、図3に示すように、懸架フレーム7におけるパイプ受け凹部11の内奥縁(上端縁)にパイプ3の上端を当接させることにより、パネル基材2の上方への移動を規制するようにしている。
ところが、点検口のようにパイプ3を配置することができない場合には、パネル基材2の上方への移動を規制する手段が欠如することとなる。このため従来、点検口等においては図6に示すように、懸架フレーム7の幅をやや上回る程度の長さとなるようにパイプを切断して短尺の充填材パイプ21とし、この充填材パイプ21を、パイプ3の代わりにパネル基材2の下向き突条4に嵌め込み、懸架フレーム7におけるパイプ受け凹部11の内奥縁に充填材パイプ21の上端を当接させることにより、パネル基材2の上方への移動を規制するようにしていた。このような取付構造によれば、パイプの切断や嵌め込みに手間を要し、コストを増大させる要因ともなっていた。
これに対し、本実施形態に係る点検口用パネル16においては、上述の通り、上向きリブ5、5をテーパ部18の傾斜部20R、20Lに当接させることにより位置決めしているので、パイプの切断や嵌め込みといった手間もなく、簡便にパネル基材2を懸架フレーム17に取り付けることができる。
また、パイプ3ないし充填材パイプ21によってパネル基材2の上方への移動を規制する取付構造においては、係合リブ9が弾性変形するため、左右方向(懸架フレーム7の長さ方向)に沿ったパネル基材2の移動は厳密には規制されておらず、従って左右方向にズレが生じる可能性もあるのに対し、本実施形態に係る点検口用パネル16においては、上述の通り、上向きリブ5、5と傾斜部20R、20Lとの当接によって左右方向への移動も規制されてずれないよう正確に位置決めされるようになっている。
さらにまた、構造物同士を所定位置で正確に突き合わせるようにして当接させる場合には、当該構造物を高精度に成形しておく必要があるが、これに対し、本実施形態に係る点検口用パネル16においては、突起構造物である上向きリブ5、5を、突き合せ方向に対して傾斜する傾斜部20R、20Lと当接させるようにしているので、寸法に多少の誤差があっても当接が確実になされるようにしやすく、特に、上向きリブ5、5は多少の弾性変形も可能となっているので、例えば上向きリブ5、5の突出長が多少過大となっていても、弾性変形して傾斜部20R、20Lに当接することができる。また、上向きリブ5、5を傾斜部20R、20Lと当接させることにより、該傾斜部20R、20Lがガイドとして機能して上向きリブ5、5を所定の取付位置へ案内して位置決めするように機能することができる。
本実施形態に係る点検口用パネル16は、放射パネル1と同一の寸法および形状を有し、パネル基材2の構成や係合リブ9による係合構造も放射パネル1の場合と同様となっており、例えば、図1に示す室内R1の天井部において、整列して配置されている多数の放射パネル1のうちのいずれか1つの放射パネル1にかえるようにして配置され、開閉機構により開閉可能に取り付けられる(図示省略)。このため、配置状態の点検口用パネル16は、室内R1から視る限り周囲の放射パネル1とほとんど見分けがつかないようになっている。
(変更態様)
本発明においては、上記実施形態の他にも、例えば以下に列挙するように様々な変更態様が可能である。以下の変更態様において、上記実施形態の場合と同様の部位や部材には同一の符号を付し、必要な場合を除きその説明は省略する。
(1)上記実施形態では、点検口用パネル16において、パネル基材2の上向きリブ5、5が、懸架フレーム17におけるテーパ部18を間に挟み込むようにして、該テーパ部18の傾斜部20R、20Lに当接することにより位置決めがなされる構成となっていたが、例えば図7に示すように、上向きリブ5、5が、これより外側の傾斜部22R、22Lに、内側から当接することにより位置決めがなされる構成としてもよい。
本変更態様(1)に係る点検口用パネル23においては、懸架フレーム24における側板の下端部に、下向きに拡がる台形状に切欠かれて位置決め凹部25が形成されており、該位置決め凹部25の両側縁が傾斜部22R、22Lとなっている。位置決め凹部25は、パネル基材2を懸架フレーム24に取り付けたときに上向きリブ5、5の上端が到達する深さよりもやや深くなるような上下寸法(切欠深さ)H1を有するように形成されている。また、位置決め凹部25の右上端と左上端との間隔、即ち上端縁(内奥縁)の長さは、上向きリブ5、5の右上端と左上端との間隔(上向きリブ5、5の上端における各々の外側縁の間の間隔)より小となっており、一方、位置決め凹部25の右下端と左下端との間隔は、上向きリブ5、5の右上端と左上端との間隔より大となっている。
本変更態様(1)に係る懸架フレーム24に、パネル基材2を突き合せて圧しつけるようにすると、上前記実施形態の場合と同様に係合構造によって固定されるが、これにともない、図7に示すように、上向きリブ5、5が傾斜部22R、22Lに内側から当接し、これにより突き合せ方向(上方)および左右方向への移動が規制されて位置決めがなされる。
(2)また、例えば図8に示すように、上向きリブ5、5の各々の上端部が、これより内側および外側すなわち両側の傾斜部26、26に当接することにより位置決めがなされる構成としてもよい。
本変更態様(2)に係る点検口用パネル27においては、懸架フレーム28における側板の下端部において、パネル基材2を取り付けたときに上向きリブ5、5の各々の上端が到達する位置に頂点がくるように、楔形状(略逆V字形状)の位置決め切欠29、29がそれぞれ形成されており、該位置決め切欠29、29のそれぞれの両側縁が傾斜部26、26となっている。
本変更態様(2)に係る懸架フレーム28に、パネル基材2を突き合せて圧しつけるようにすると、上前記実施形態の場合と同様に係合構造によって固定されるが、これにともない、図8に示すように、上向きリブ5、5の各々が傾斜部26、26に両側から挟まれるように当接し、これにより突き合せ方向(上方)および左右方向への移動が規制されて位置決めがなされる。
(3)上記実施形態ならびに変更態様(1)〜(2)においては、上向きリブ5、5の対向する内面が、パイプ3の周面に沿った湾曲形状を有し、パイプ3が上向きリブ5、5の間に嵌入させるようにしてパネル基材2に取り付けられる構成となっていたが、例えば図9に示すように、上向きリブ30、30の対向する内面がパイプ3の周面に沿った湾曲形状となっていないようなものとしてもよい。
本変更態様(3)に係る放射パネル31においては、上向きリブ30、30が、並走する2条の直立する平板状となるように形成されている。該上向きリブ30、30の対向する内面も鉛直方向に沿って拡がる平面状となっており、この対向する内面の間隔はパイプ3の外径にほぼ等しく、この対向する内面の間にパイプ3が挿入されて保持されるようになっている。本変更態様(3)に係る上向きリブ30、30も、上記実施形態に係る上向きリブ5、5の場合と同様に、パイプ3を保持する機能に加えて、位置決め凸部としても機能することができる。また、本変更態様(3)に係るパネル基材32は、全体として、上記実施形態に係るパネル基材2のような波板状ではなく、平板状となっている。
(4)上記実施形態ならびに変更態様(1)〜(2)においては、本発明に係る特徴を備える天井材が点検口用パネル16、23、27となっていたが、本発明に係る特徴は、点検口が設けられる部位以外にも適用することができる。
例えば、天井部のレイアウトによっては、例えば図10に示すように、同一の放射パネル33においても、パイプ34が配置可能な領域D1と、パイプ34の配置が困難な領域D2とが形成される場合もある。このような場合には、例えば同図に示す放射パネル33のように、パイプ34が配置可能な領域D1においては、懸架フレーム35に、上記実施形態に係る放射パネル1におけると同様のパイプ受け凹部を形成し、パイプ34の配置が困難な領域D2においては、懸架フレーム35に、上記実施形態に係る点検口用パネル16におけると同様のテーパ部を形成するようにしてもよい。即ち、図10に示す懸架フレーム35は、図には表れていないが、パネル基材2においてパイプ34が配置される下向き突条4と交差する4箇所のうち、上方2箇所にパイプ受け凹部が、下方2箇所にテーパ部が形成された構成となっている。さらには、例えば、該テーパ部にかえて、上記変更態様(1)に係る点検口用パネル23におけると同様の位置決め凹部や、あるいは上記変更態様(2)に係る点検口用パネル27におけると同様の位置決め切欠等を形成するようにしてもよい。換言すれば、本発明に係る特徴は、例えば放射パネルに部分的に適用することも可能である。
(5)上記実施形態ならびに変更態様(1)〜(4)においては、本発明に係る特徴を備える天井材が点検口用パネル16、23、27や放射パネル33となっていたが、本発明は、放射空調を目的として構成されたもの以外にも、任意の天井パネル等の天井材にも適用することができる。
さらには、本発明は、天井材以外にも、例えば壁材、床材等の内装材にも適用することができる。
(6)上記実施形態ならびに変更態様(1)〜(3)においては、パイプ3を保持するための上向きリブ5、30が、位置決めのための凸部としても機能する構成となっていたが、例えば、上向きリブにかえて、あるいは上向きリブとは別に、位置決めのための凸部を設けるようにしてもよい。特に、例えば放射空調を目的としない天井パネル等の場合には、パイプを保持する構成は不要であるため、位置決め専用の凸部を設けるようにすればよい。
(7)上記実施形態ならびに変更態様(1)〜(3)においては、位置決めのための凸部が、パイプ3を両側から保持する上向きリブ5、5、30、30となっており、このような上向きリブ5、5、30、30は、特にテーパ部を間に挟む構成とするとより確実に左右方向の位置決めがなされて有用なものであるが、例えば、単一の突起構造からなる凸部としても、傾斜部に当接させることにより、突き合せ方向ならびに突き合せ方向に直交する方向の位置決め効果を得ることができる。
(8)また、位置決めのための凸部の構成としても、傾斜部に当接し得るものであれば特に限定されず、例えば柱状、立板状、ブロック(直方体)状、半球状等の任意の形状が可能である。
(9)上記実施形態ならびに変更態様(1)〜(4)においては、懸架フレーム17、24、28、35の側板を、斜辺を有する台形状、三角形状等の形状に切り欠くことにより傾斜部が形成されていたが、傾斜部の構成としても、凸部に当接し得るものであれば特に限定されない。例えば、凸部が上記実施形態に係る上向きリブ5のように長く延びる突条のような形状となっている場合、上述のように懸架フレーム17、24、28、35の側板を切り欠いて形成されていることから該側板の厚み方向にはあまり広がりのない縁状の傾斜部であっても、凸部に対し交差する体勢で突き合せられるため確実に当接させることができるが、一方、凸部が例えば柱状、半球状等のような形状の場合は、これを確実に当接させるためには傾斜部がある程度の広がりを有する面状(斜面)となっていることが望ましい。
(10)上記実施形態においては、懸架フレーム17に、下方に先細りする台形状のテーパ部18が形成され、該テーパ部18の側縁が傾斜部20R、20Lとなっていたが、テーパ部の形状としては、傾斜部を形成し得るものであればよく、例えば三角形状(略V字形状)、弧形状、略U字形状等としてもよい。
また、上記実施形態に係るテーパ部18は、懸架フレーム17における側板の下端部を切り欠くことにより形成され、このため図5に示すようにテーパ部18の突出端縁(下端縁)は懸架フレーム17における側板の下端縁と同一直線状にあったが、例えば、テーパ部を懸架フレームにおける側板の下端よりも大きく突出させるように形成してもよく、これによれば傾斜部がそのぶん大きくなるため、パネル基材2の上向きリブ5をより容易かつ確実に当接させて取付位置に案内することができる。
(11)また、上記実施形態ならびに変更態様(1)〜(4)においては、板材であるパネル基材2、32に凸部である上向きリブ5、5、30、30が形成され、フレーム材(桟材)である懸架フレーム17、24、28、35に傾斜部20R、20L、22R、22L、26、26が形成されていたが、例えば、板材に傾斜部が形成され、フレーム材に凸部が形成された構成としてもよい。
(12)パネル基材としては、上記実施形態に係るパネル基材2のようなアルミニウム等の金属や樹脂を材料にした押し出し加工品の他にも、例えば、樹脂を材料にした射出成形品や、金属ダイキャスト品、金属焼結加工品、或いは板金加工品など、様々な素材・態様のものを採用できる。
パネル基材の形状としても特に限定されず、例えば、上記変更態様(3)に係るパネル基材32のように、全体として水平方向に拡がる平板状であってこの上に直立する平板状の上向きリブ30、30が形成されたものや、図11に示すように、全体として水平方向に拡がる平板状であって、この上にパイプの周面に沿った湾曲形状を有する上向きリブ36、36が形成されたパネル基材37等も可能である。
(13)上記実施形態ならびに変更態様(4)においては、放射パネル1、33および点検口用パネル16のそれぞれが4枚のパネル基材2で構成されていたが、放射パネルないし点検口用パネルを1枚のパネル基材で構成することも可能であるし、2枚以上の任意枚数のパネル基材で構成してもよい。
(14)熱媒体を流通させるパイプとしては、上記実施形態に係るパイプ3のような三層管以外にも任意の構成のものが使用でき、例えば、金属層と樹脂層との2層構造を有するもの、金属や樹脂の単層品等も採用できる。また、丸パイプ以外にも角パイプ等も用いることができる。
(15)上記実施形態においては、パネル基材2と懸架フレーム17とが、係合リブ9が弾性的に係合することによる係合構造によって互いに離隔しないよう保持される構成となっていたが、板材とフレーム材とを互いに離隔しないよう保持する構造としては特に限定されず、例えば、ねじ止め等による保持構造としてもよい。
(16)上記実施形態においては、放射パネル1が、第1吊りボルト、中間支持フレームおよび第2吊りボルト14を介して天井スラブに吊支される構成となっていたが、例えば、放射パネルを吊りボルトのみを介して天井スラブに吊支するようにしてもよく、またこれ以外の任意の吊支構造も適用できる。
本発明は、天井パネル等の天井材に適用することができる。
2 パネル基材(板材)
5、5 上向きリブ(凸部)
16 点検口用パネル(天井材)
17 懸架フレーム(フレーム材)
20R、20L 傾斜部

Claims (6)

  1. 板材がフレーム材に突き合せて取り付けられた構成を有する天井材であって、
    前記板材および前記フレーム材のうちの一方に、突き合せ方向に突出する凸部が形成されており、
    前記板材および前記フレーム材のうちの他方に、突き合せ方向に対して傾斜する傾斜部が形成されており、
    前記凸部が前記傾斜部に当接していることを特徴とする天井材。
  2. 前記フレーム材に、突き合せ方向に拡がる切欠を形成することにより前記傾斜部が形成され、前記板材に前記凸部が形成されている、請求項1に記載の天井材。
  3. 前記フレーム材の切欠は複数形成されており、少なくとも2つの切欠により、突き合せ方向に先細りするテーパ部を形成し、該テーパ部の両側に前記傾斜部が形成され、前記板材の凸部は複数形成されており、2つの凸部が、前記テーパ部を間に挟むようにして前記傾斜部に当接する、請求項2に記載の天井材。
  4. 前記テーパ部の先端縁が、前記フレーム材の端縁と同一直線上にくるように形成されている、請求項3に記載の天井材。
  5. 前記板材が、熱媒体を流通させるパイプが配置された構成を有し、
    前記凸部が、前記板材に複数形成され、2つの凸部の間に前記パイプが挟まれるようにして配置されている、請求項1〜4に記載の天井材。
  6. 前記板材と前記フレーム材とが、係合片が弾性的に係合することによる係合構造によって、互いに離隔しないよう保持される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の天井材。
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