JP2020085123A - クロスローラ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】このクロスローラ軸受は,内輪又は外輪の組込み孔と蓋との接触部分に凹凸を設けて嵌合することで,公差による隙間に影響されず,正確な再現性のある蓋の位置決めを行う。
【解決手段】組込み孔5は,内輪2の端面14の内周面8から外周面9に延びる切欠き部17で形成される平らな接触面18と,切欠き部17の途中から逃げ溝16に達する切欠き部19で形成される平らな切欠き段部20とによって凹凸に形成されている。蓋3は,組込み孔5に嵌合すると共に,下面22の途中から逃げ溝16までに延びて突出し,切欠き段部20に係止する凸状段部21を備えている。
【選択図】図3

Description

この発明は,例えば,外輪,該外輪に対して相対回転する内輪及び両者間に配設された転動体であるころから成り,外輪及び内輪のいずれか一方にころを組み込むための組込み孔が形成されているクロスローラ軸受に関する。
近年,クロスローラ軸受は,複合方向の荷重を受ける関節部,旋回部,揺動部等の旋回部を備えた産業用ロボット,測定・検査装置,医療機器,光学機器等の各種の装置に使用されており,用途に合わせて種々の形式のもの,種々の構造や大きさのものが商品化されており,小形化,軽量化,高精度,製造コストを削減したものが要望されている。
従来,旋回軸受として,外輪と該外輪に転動体であるころを介して相対回転する内輪とから構成されたものが知られている。該旋回軸受は,軌道輪の端面に周方向に平行な切り込み面で切り欠いた切欠き部を形成し,それをころ組込み孔とし,該組込み孔を整合する形状の蓋で塞ぐものである。また,上記旋回軸受は,蓋を挿入窓に嵌め込んでピンで固定した状態で内輪と同時に熱処理及び加工して段差を減らすというものである(例えば,特許文献1参照)。
また,クロスローラベアリングの製造方法として,内輪端面に形成されたコロ挿入孔から円筒コロを軌道溝内に挿入する作業を行うように構成されたものが知られている。該クロスローラベアリングは,内輪の円環状端面にはコロ挿入溝が形成されている。上記製造方法は,内輪にコロ挿入溝を形成した後に,ここに栓を圧入し,この状態で,内輪を研削して真円状態に仕上げる。次に,圧入されている栓を外すと,内輪がわずかに窄まった状態となる。この状態でコロの挿入を行うと,内輪および外輪の間のコロ挿入部の間隔が広がるので,円筒コロの挿入が簡単になる。コロの挿入後は,栓をコロ挿入溝に圧入することにより,内輪は再び真円状態に戻る(例えば,特許文献2参照)。
また,蓋付きクロスローラ軸受として,軌道輪の外面に形成したころ組込み孔に蓋を嵌入し,高速回転で滑らかな回転を実現したものが知られている。該クロスローラ軸受は,外輪と内輪との間の組込孔からころを配設し,組込孔に蓋を嵌入する。蓋の外面は,外輪の外周面と同時研削加工されて外周面より凹んだ位置に固定され,蓋の内面の軌道面は外輪の内周面の軌道面と同時研削加工されて,同一面に形成されている(例えば,特許文献3参照)。
また,クロスローラベアリングとして,内輪又は外輪の端面に挿入孔を形成し,挿入孔を閉塞する埋栓の側面をテーパ部に形成したものが知られている。該クロスローラベアリングは,挿入孔には,円筒ころが転動する転動面,2つの径方向外側面及び周方向外側面を有する軸線方向視で矩形状を成す埋栓が嵌合固定されており,挿入孔の径方向内側面に当接する径方向外側面及び周方向内側面に当接する周方向外側面が,径方向及び周方向の位置決めを行うテーパ状に形成されている(例えば,特許文献4参照)。
また,クロスローラベアリングとして,ピンを打ちつけることなく,内輪に開けたコロ挿入孔に対して栓を位置決めするものが知られている。該クロスローラベアリングは,内輪に形成したコロ挿入孔には栓が固定されている。コロ挿入孔の内周側面には,左右の平坦面部分と,これらに滑らかに連続している半円形の凹面部分が形成されている。栓の外周側面には,上記の平坦面部分に密着する平坦面部分と,上記の凹面部分に密着する半円形の凸面部分が形成されている。栓をコロ挿入孔にはめ込むと,これらの各部分は密着して,栓の半径方向およびそれに直交する方向の位置決めが自動的に行われる。また,ころ挿入孔の軸方向底面に溝を設け,蓋に溝と嵌合する突起を設けて嵌め合うことで位置決めを行う。よって,位置決め用のピン等を用いて栓を固定する必要がなくなる(例えば,特許文献5参照)。
FR2142793号公報 特開2001−065559号公報 特開2005−180578号公報 特開2011−106544号公報 特開2000−179545号公報
ところで,クロスローラ軸受は,ロボット関節部,精密機械等の回転部分に使用され,高い回転精度が求められている。また,クロスローラ軸受は,軌道輪である外輪又は内輪にローラ即ち円筒状ころを組み込むための組込み孔が形成されており,該組込み孔を塞ぐために蓋が設けられている。ところが,クロスローラ軸受が回転する際に,雑音,異音が発生することがある。その原因の1つとして,蓋に位置ずれが発生し,外輪の軌道面又は内輪の軌道面と蓋の軌道面の間に段差が発生し,ころが軌道路を転動する際に,その段差を乗り越える際に発生すると考えられる。そこで,クロスローラ軸受において,蓋を軌道輪に取り付けて軌道輪の軌道面と蓋の軌道面とを同時加工を行った後に,組込み孔に転動体を装填する際に,蓋を軌道輪の組込み孔から取り外し,組込み孔から軌道路に転動体を装填した後に,蓋を組込み孔に再取り付けを行うが,その取付けの際に,蓋の組込み孔への位置ずれの発生を防止するには,如何に組込み孔を構成すればよいかの課題があり,また,クロスローラ軸受について,異音や回転不良の原因となる軌道輪と蓋との間の段差をなくすことが求められていた。
また,上記の特許文献1,2,4,5の一体形の軌道輪タイプの旋回軸受では,軌道輪に転動体を組み込む方法として,軌道輪の一部を切り欠いて軌道路に開口部を形成している。また,特許文献3の蓋付きクロスローラ軸受では,外周または内周から軌道路に達する組込み孔を開けてそれぞれ転動体を組み込む技術が開示されている。また,いずれの特許文献でも,ころ挿入部を塞ぐ蓋を取り付けた状態で熱処理や研削加工を行い,蓋を外して転動体を軌道路に挿入した後に,再度,蓋を組込み孔に取り付ける構成であり,蓋と軌道輪との間に発生する段差を少なくするように構成されている。
また,特許文献1〜3のクロスローラ軸受では,蓋及び軌道面の加工方法では,蓋をピンやねじのみで位置決めしており,部品の寸法差や加工能力によって,蓋を外してころを挿入後,再度蓋をピンやねじで取り付けた際に,軌道面の加工時とは異なる位置に蓋が位置決めされ,位置ずれが発生する可能性があった。また,特許文献4のクロスローラベアリングでは,蓋と切り欠き部の接触面を軸方向にテーパとし,軌道輪の周方向および半径方向に突き当てて位置決めを行うが,軌道輪の半径方向の一部を突き当て面を残して加工するか,蓋本体とは別の部品を使用して突き当て面を形成して位置決めするものであり,また,蓋と切り欠き部をそれぞれ一致するテーパ面に軸方向に加工する必要があり,加工性や部品点数の削減に改善の余地があった。また,特許文献5では,特許文献4と同じように半径方向の一部を残して加工する必要性や,嵌合部の溝および突起を精度良く加工する必要があった。
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,軌道輪である内輪又は外輪に組込み孔を形成した切欠き部と蓋との接触部分に切欠き段部と凸状段部からなる凹凸の係止部を設け,蓋を軌道輪に嵌合させることによって前記凹凸を互いに係止させて位置決め固定させ,或いは,切欠き部と蓋とを周方向に扇形の形状の切欠き部を形成し,蓋を内輪又は外輪に嵌合させることによって蓋と内輪又は外輪とを位置決め固定することによって,従来のピンやねじによる固定状態と比較して部品の公差による隙間に影響されず,より正確に再現性のある蓋の半径方向の位置決め固定を達成し,また,組込み孔と蓋との接触面の凹凸形状及び組込み孔と蓋との扇形形状とを組み合わせれば,半径方向内外どちらにも,より信頼性に富んだ正確な位置決め固定を可能にすることを特徴とするクロスローラ軸受を提供することである。
この発明は,内周面に断面V形で周方向に延びて中央に逃げ溝を備えた第1軌道面を有する外輪,前記外輪の前記第1軌道面に対向して外周面に断面V形で周方向に延びて中央に逃げ溝を備えた第2軌道面を有し且つ前記外輪に対して相対回転自在な内輪,前記内輪及び前記外輪の軸方向のいずれか一方の端面に設けられた組込み孔を通じて前記第1軌道面と前記第2軌道面とで形成される軌道路に互いに交差して配設される複数のころ,及び前記組込み孔を塞ぐと共に前記組込み孔における前記軌道路を形成する第3軌道面を備えた蓋から成るクロスローラ軸受において,
前記組込み孔は,前記内輪の前記端面の内周面及び外周面のいずれか一方から半径方向に延びて形成され且つ前記蓋の下面との接触面を形成する第1切欠き部と,前記第1切欠き部の途中又は前記組込み孔の側面の途中に形成された切欠き段部によって形成された前記内周面及び前記外周面のいずれか他方まで延びる第2切欠き部とによって形成され,
前記蓋は,前記組込み孔の前記第1切欠き部と前記第2切欠き部に嵌合すると共に,前記切欠き段部に係止して嵌合する凸状段部を備えており,前記蓋の半径方向への移動は,前記蓋が前記組込み孔に嵌合して前記蓋の前記凸状段部が前記切欠き段部に係止して位置決め固定されることを特徴とするクロスローラ軸受に関する。また,このクロスローラ軸受は,前記第1切欠き部及び前記第2切欠き部のいずれか一方が他方より前記軸方向に深い又は前記半径方向に長いものである。
又は,この発明は,内周面に断面V形で周方向に延びて中央に逃げ溝を備えた第1軌道面を有する外輪,前記外輪の前記第1軌道面に対向して外周面に断面V形で周方向に延びて中央に逃げ溝を備えた第2軌道面を有し且つ前記外輪に対して相対回転自在な内輪,前記内輪及び前記外輪の軸方向のいずれか一方の端面に設けられた組込み孔を通じて前記第1軌道面と前記第2軌道面とで形成される軌道路に互いに交差して配設される複数のころ,及び前記組込み孔を塞ぐと共に前記組込み孔における前記軌道路を形成する第3軌道面を備えた蓋から成るクロスローラ軸受において,
前記組込み孔は,前記外輪の前記端面の内周面及び外周面のいずれか一方から半径方向に延びて形成され且つ前記蓋の下面との接触面を形成する第3切欠き部と,前記第3切欠き部の途中又は前記組込み孔の側面の途中に形成された切欠き段部によって形成された前記内周面及び前記外周面のいずれか他方まで延びる第4切欠き部とによって形成され,
前記蓋は,前記組込み孔の前記第3切欠き部と前記第4切欠き部に嵌合すると共に,前記切欠き段部に係止して嵌合する凸状段部を備えており,前記蓋の半径方向への移動は,前記蓋が前記組込み孔に嵌合して前記蓋の前記凸状段部が前記切欠き段部に係止して位置決め固定されることを特徴とするクロスローラ軸受に関する。また,このクロスローラ軸受は,前記第3切欠き部及び前記第4切欠き部のいずれか一方が他方より前記軸方向に深い又は前記半径方向に長いものである。
或いは,この発明は,内周面に断面V形で周方向に延びて中央に逃げ溝を備えた第1軌道面を有する外輪,前記外輪の前記第1軌道面に対向して外周面に断面V形で周方向に延びて中央に逃げ溝を備えた第2軌道面を有し且つ前記外輪に対して相対回転自在な内輪,前記内輪及び前記外輪の軸方向のいずれか一方の端面に設けられた組込み孔を通じて前記第1軌道面と前記第2軌道面とで形成される軌道路に互いに交差して配設される複数のころ,及び前記組込み孔を塞ぐと共に前記組込み孔における前記軌道路を形成する第3軌道面を備えた蓋から成るクロスローラ軸受において,
前記組込み孔は,前記内輪又は前記外輪の内周側及び外周側のいずれか一方の周方向の長さが他方の周方向の長さより大きい第1扇形状に延びるテーパ面である側面から成る第5切欠き部によって形成され,
前記蓋は,前記組込み孔の前記第5切欠き部に嵌合する第2扇形状に形成され,前記蓋の半径方向への移動は,前記蓋の前記第2扇形状が前記組込み孔の前記第5切欠き部に嵌合することによって位置決め固定されることを特徴とするクロスローラ軸受に関する。また,上記クロスローラ軸受において,前記組込み孔を形成する前記第5切欠き部は,前記内輪の前記端面の内周面及び外周面のいずれか一方から半径方向に延びて形成され且つ前記蓋の下面との接触面を形成する第1切欠き部と,前記第1切欠き部の途中又は前記組込み孔の側面の途中に形成された切欠き段部によって形成された前記内周面及び前記外周面とのいずれか他方まで延びる第2切欠き部とから構成されており,前記蓋は,前記第5切欠き部に形成された前記切欠き段部に係止して嵌合する凸状段部を備えているものである。或いは,前記組込み孔を形成する前記第5切欠き部は,前記外輪の前記端面の内周面及び外周面のいずれか一方から半径方向に延びて形成され且つ前記蓋の下面との接触面を形成する第3切欠き部と,前記第3切欠き部の途中又は前記組込み孔の側面の途中に形成された切欠き段部によって形成された前記内周面及び前記外周面とのいずれか他方まで延びる第4切欠き部とから構成されており,前記蓋は,前記第5切欠き部に形成された前記切欠き段部に係止して嵌合する凸状段部を備えているものである。
また,このクロスローラ軸受において,前記組込み孔に嵌合して前記蓋は,前記内輪又は前記外輪にピン又はねじで前記軸方向に固定されている。
この発明によるクロスローラ軸受は,上記のように,軌道輪である内輪又は外輪に形成した組込み孔と蓋との接触部分に相補性の凹凸状の切欠き段部を形成し,該切欠き段部を互いに整合させて,或いは組込み孔と蓋とを扇形状に形成して,組込み孔と蓋とを正確に位置決め固定し,その状態で蓋と内輪又は外輪との軌道面を加工することができる。次いで,蓋を組込み孔から外して,ころを軌道路に挿入した後に,蓋の再取付の際に取付孔やピン,ねじなどの寸法差に影響されることなく,加工時の取付け位置をより正確に再現できることから,内輪又は外輪と蓋との軌道面の段差が発生せず,ころの転動時に引っ掛かりが発生せず,回転精度が改善し,雑音や異音のより少ない軸受を提供することができる。また,このクロスローラ軸受では,位置決めピンを使用しなくても正確な位置決めが出来るため,部品点数の削減及びコストダウンを達成することができる。
この発明によるクロスローラ軸受の第1実施例を示す平面図である。 図1のクロスローラ軸受について,ころを軌道路に装填する組込み孔を蓋で塞いだ状態を示す部分斜視図である。 図1の線分A−Aにおけるクロスローラ軸受を示す断面図である。 図2に示すクロスローラ軸受における組込み孔から蓋を取り外した状態の組込み孔を示す部分斜視図である。 このクロスローラ軸受における内輪に形成した組込み孔の領域を示し,(a)はクロスローラ軸受から蓋を取り外した状態を示す部分平面図,及び(b)は(a)の線分B−Bにおける状態を示す断面図である。 このクロスローラ軸受における組込み孔を塞ぐための蓋を示し,組込み孔の接触面に接触する蓋の下面に円弧状の切欠き段部を設けた例を示す斜視図である。 このクロスローラ軸受における組込み孔を塞ぐための蓋を示し,組込み孔の接触面に接触する蓋の下面にストレート状の切欠き段部を設けた第2実施例を示す斜視図である。 このクロスローラ軸受について,ころを軌道路に装填する組込み孔を異なる方向に延びる切欠き段部を設けた蓋で塞いだ状態の変形例を示す断面図である。 この発明によるクロスローラ軸受における組込み孔の別の形状を示す部分斜視図である。 図9に示すクロスローラ軸受の内輪に設けた組込み孔に嵌合する扇形状の蓋を示し,(a)は組込み孔の接触面に接触する蓋を下面から見た斜視図,及び(b)は(a)の蓋を図9に示す組込み孔に嵌合した状態を示す説明図である。 このクロスローラ軸受の外輪に設けた組込み孔に嵌合する扇形状の蓋を示し,組込み孔の接触面に接触する蓋を下面から見た斜視図である。 このクロスローラ軸受における組込み孔に嵌合する蓋を示し,(a)は内輪に嵌合する扇形状の蓋であってストレート状の切欠き段部を持つ蓋を下面から見た斜視図,(b)は内輪に嵌合する扇形状の蓋であって円弧状の切欠き段部を持つ蓋を下面から見た斜視図,(c)は外輪に嵌合する扇形状の蓋であってストレート状の切欠き段部を持つ蓋を下面から見た斜視図,及び(d)は外輪に嵌合する扇形状の蓋であって円弧状の切欠き段部を持つ蓋を下面から見た斜視図である。 このクロスローラ軸受における組込み孔に嵌合する蓋を示し,(a)は内輪に嵌合する扇形状の蓋であって側面のテーパ面で規制される方向と切欠き段部で規制される方向が逆方向となるストレート状の切欠き段部を持つ蓋を下面から見た斜視図,及び(b)は内輪に嵌合する扇形状の蓋であって側面のテーパ面で規制される方向と切欠き段部で規制される方向が逆方向となる円弧状の切欠き段部を持つ蓋を下面から見た斜視図である。 このクロスローラ軸受における組込み孔を示し,(a)は内輪に設けた組込み孔であって段部となる係止部を組込み孔の側面即ち周方向接触面に設けた例を示す平面図,及び(b)は外輪に設けた組込み孔であって段部となる係止部を組込み孔の側面即ち周方向接触面に設けた別の例を示す平面図である。 このクロスローラ軸受における組込み孔を示し,(a)は内輪に設けたテーパ状の組込み孔であって段部となる係止部を組込み孔の側面即ち周方向接触面に設けた別の実施例を示す平面図,及び(b)は外輪に設けたテーパ状の組込み孔であって段部となる係止部を組込み孔の側面即ち周方向接触面に設けた更に別の実施例を示す平面図である。
以下,図面を参照して,この発明によるクロスローラ軸受の一実施例を説明する。この発明によるクロスローラ軸受は,産業用ロボット等のロボット,光学機器,医療機器,工作機械等の機械装置の旋回部,揺動部等に適用でき,コンパクトで薄肉に構成でき,軽量で取り扱い易く,軽快に作動させることができる。
まず,図1〜図6を参照して,この発明によるクロスローラ軸受の第1実施例を説明する。このクロスローラ軸受は,概して,内周面6に断面V形で中央に逃げ溝15を備えた軌道面11(第1軌道面)を有する外輪1,外輪1の軌道面11に対向して外周面9に断面V形で中央に逃げ溝16を備えた軌道面12(第2軌道面)を有し且つ外輪1に対して相対回転自在である内輪2,内輪2の端面14に設けられた組込み孔5を通じて軌道面11と軌道面12で構成される軌道路10に互いに交差して配設された円筒状のころ4,及び組込み孔5を塞ぐと共に組込み孔5における軌道路10を形成する軌道面23(第3軌道面)を備えた蓋3から構成されている。軌道輪である外輪1及び内輪2には,例えば,素材を研削加工して,外径である外周面7,9,及び内径である内周面6,8,軌道溝である軌道面11,12が形成されている。第1実施例では,軌道路10にころ4を組み込む即ち装填するための組込み孔5は,内輪2に研削加工などの加工方法により,切欠き部17,19によって形成されている。切欠き部17,19は,クロスローラ軸受の半径方向に内輪2の内周面6から外周面9まで達し,組込み孔5の軸方向の深さは,内輪2の2つの軌道面12の中央の接続部に設けられた軌道面研削逃げとなる逃げ溝16まで達する形状に形成されている。内輪2と外輪1とが組み合わされた状態では,4つの軌道面11,12から成る軌道路10が形成され,ころ4を装填即ち挿入可能な開口部31は,内輪2に形成した切欠き部17,19によって形成されている。このクロスローラ軸受では,内輪2と外輪1とを組み合わせ,次いで,内輪2から蓋3を外して,切欠き部17で形成された組込み孔5の開口部31から軌道路10に複数のころ4を挿入する。次いで,内輪2の組込み孔5に蓋3を嵌合し,最後に,ねじ27を蓋3の取付け用孔28に挿通して,ねじ27を内輪2のねじ穴29に螺入し,蓋3を内輪2に固定する。
このクロスローラ軸受は,特に,外輪1及び内輪2のいずれか一方に,即ち,外輪1又は内輪2に形成した組込み孔5,及び組込み孔5を塞ぐ即ち組込み孔5に嵌合する蓋3について特徴を有するものである。第1実施例では,図1〜図5及び図6に示すように,ころ4を軌道路10に組み込むための組込み孔5は,内輪2に形成されている。組込み孔5は,内輪2の端面14に,図4及び図5に示すように,内周面8から外周面9に延びる平らな接触面18でなる切欠き部17(第1切欠き部),及び切欠き部17の途中に形成された円弧状の切欠き段部20によって内輪2の外周面9の逃げ溝16に達する切欠き部19(第2切欠き部)で形成されている。言い換えれば,組込み孔5を構成する内輪2の切欠き部17,19は,略半径方向に平行に延びる隔置して対向する側面25で形成されている。第1実施例では,蓋3と内輪2の切欠き部17,19の軸方向の接触面には,概して,蓋3の半径方向内向きの移動を規制する蓋3に形成された凸状段部21と内輪2に形成された切欠き段部20とが凹凸形状になって係合するように構成されている。切欠き部17,19の軌道面12側の周方向の幅は,ころ4が挿入できるように,ころ4の径及び長さよりわずかに大きいサイズに形成されている。また,組込み孔5を塞ぐために組込み孔5に嵌合される蓋3は,組込み孔5の平らな接触面18に接触する下面22と,切欠き段部20に係止するため下面22の途中から突出した凸状段部21に形成されている。即ち,内輪2の切欠き部17,19に配設された蓋3は,蓋3の凸状段部21が内輪2の切欠き段部20に係止することによって半径方向内向きへの移動が規制されることになる。更に,内輪2に形成された切欠き部19と蓋3に形成された凸状段部21は,平らな接触面18に対して周方向に延びている。上記構成によって,蓋3を取り付ける際は,蓋3の凸状段部21を内輪2の切欠き段部20に対して内周側に押し当てて隙間が無い状態でねじ27を固定することができる。従って,ころ4を組込み孔5から軌道路10に装填する際に,蓋3を内輪2から取り外し,ころ4の軌道路10への装填後に取り外した蓋3を組込み孔5に位置決めして再取付けする際に,蓋3を元通りに組込み孔5に適正に位置決めして取り付けることができる。また,仮に,クロスローラ軸受に過大なモーメント等の外力がかかり,ころ4に大きな負荷が掛かったとしても蓋3が半径方向内向きにずれることがない。
また,このクロスローラ軸受は,切欠き部17には蓋3を固定するためのねじ27を取り付けるねじ穴29が設けられている。蓋3は,組込み孔5に嵌合して位置決めされると共に,蓋3に形成された取付け用孔28を挿通して内輪2に形成されたねじ穴29に螺入されるピン又はねじ27で内輪2に固定される。蓋3は,接触面となる下面22が切欠き部17,19の形状と一致し,内輪2の軌道面12と連続する段差の無い軌道面23を持つ形状に形成されている。切欠き部17,19は,エンドミル等での切削加工又は放電加工等で形成される。また,蓋3には,ねじ27によって内輪2に固定するため,ねじ27を挿通する取付け用孔28が,内輪2のねじ穴29と対応する位置に設けられている。蓋3の半径方向の幅は,内輪2の半径方向の幅よりやや大きく形成されている。また,蓋3を内輪2の切欠き部17,19に嵌め合せて,ねじ27で固定した状態で,蓋3を内輪2と一体化し,外周面32及び軌道面23を同時仕上げ研削が施されている。蓋3は,内輪2の組込み孔5よりやや大きく形成されているので,上記の工程において,組込み孔5からはみ出した部分が除去され,蓋3と内輪2の軌道面12,及び外形が連続した段差の無い状態に形成されるている。
また,この発明によるクロスローラ軸受について,上記には,内輪2に組込み孔5を形成した実施例を説明したが,図示していないが,外輪1に組込み孔5を形成しても同様の作用効果を得ることができる。外輪1に組込み孔5を形成した場合について,ここでは.概略を説明する。即ち,このクロスローラ軸受において外輪1に組込み孔5を形成した実施例では,概して,組込み孔5は,外輪1の端面39に,内周面6から外周面7に延びる平らな接触面でなる切欠き部(第3切欠き部),及び該切欠き部の途中に形成された円弧状の切欠き段部によって外輪1の内周面6の逃げ溝15に達する切欠き部(第4切欠き部)で形成されている。言い換えれば,組込み孔5を構成する外輪1の両切欠き部は,略半径方向に平行に延びる隔置して対向する側面25で形成されている。この実施例では,蓋3と外輪1の上記両切欠き部の軸方向の接触面には,概して,蓋3の半径方向外向きの移動を規制する蓋3に形成された凸状段部と外輪1に形成された切欠き段部とが凹凸形状になって係合するように構成されている。
次に,図7には,このクロスローラ軸受に適用される蓋3の第2実施例が示されている。第2実施例の蓋3Aは,第1実施例の蓋3の凸状段部21が幅方向に円弧状に形成されているのに対して,蓋3Aの幅方向にストレート状に延びている。第2実施例は,内輪2に形成される組込み孔(図示せず)が蓋3Aに対応する形状に形成されている以外は,第1実施例と実質的に同様の構成を有するものである。また,第2実施例では,内輪2に形成される組込み孔(図示せず)は,蓋3Aが嵌合する形状,即ち,内輪2に形成される切欠き段部がストレート状に延びて形成されることは勿論である。
また,図8には,このクロスローラ軸受に適用される内輪2に形成されて組込み孔5と蓋3との形状が図3とは異なった変形例が示されている。図8に示す内輪2に形成された切欠き部36,37は,図3に示す内輪2に形成された切欠き部17,19に対比して,切欠き段部35が切欠き段部20の逆方向に延びて,切欠き部36が切欠き部37より深く形成されている。この実施例では,内輪2の組込み孔5と蓋3との切欠き段部35にかかる力は,半径方向外向きの移動を規制する構成になっている。従って,内輪2が回転しても,蓋3は,切欠き段部35で係止されて軌道路10への遠心力による飛び出しは規制されることになる。この実施例では,例えば,このクロスローラ軸受を作製する際に内輪2に蓋3を取り付けた状態で,内輪2の軌道面12と蓋3の軌道面23とを一体化して同時研削し,次いで,内輪2から蓋3を取り外して組込み孔5から複数のころ4を挿入し,ころ4の装填後に,再度,蓋3を内輪2の組込み孔5に嵌合させる時に,切欠き部36と切欠き部37との境界の切欠き段部35の段差に押し当てて位置決めし,ねじ27止めするので,正確に蓋3を内輪2の組込み孔5に嵌合させることができる構成になっている。
次に,図9と図10を参照して,この発明によるクロスローラ軸受の第3実施例を説明する。第3実施例のクロスローラ軸受は,第1実施例のものと比較すると,組込み孔5Aと蓋の形状が扇形に形成されて異なっている。図10には,この発明によるクロスローラ軸受における組込み孔5Aに嵌合する蓋3Bが示されている。組込み孔5Aは,内輪2に形成されている。組込み孔5Aは,内輪2の外周側が内周側に比較して周方向の幅が長い扇形形状(第1扇形形状)となるテーパ面13に形成されている。テーパ面13は対向する側面25が外周側から内周側に向けてテーパ面となっており,蓋3Bの対向する側面24のテーパ面30が組込み孔5Aのテーパ面13に整合するように形成されている。また,蓋3Bは,組込み孔5Aの形状に対応して外周側が内周側に比較して周方向の幅が長い扇形形状(第2扇形形状)のテーパ面30に形成されている。また,蓋3Bの側面24(テーパ面30)と組込み孔5Aの側面25(テーパ面13)とは互いに接触する面を形成し,互いに拡開するテーパ面13となっている組込み孔5Aの切欠き部17T(第5切欠き部)が形成されている。言い換えれば,組込み孔5Aの外周面9の周方向幅が内周面8の周方向幅より大きく形成されて扇形に形成されているので,周方向の幅が狭い方向である半径方向内向きへの移動が規制されており,蓋3Bのテーパ面30と組込み孔5Aのテーパ面13とが嵌合することによって係止部を構成し,第1実施例と同様な効果を果たしている。また,蓋3Bに半径方向内向きに加わる負荷が加わると,テーパ面13である側面25で受けることができる。第3実施例では,組込み孔5Aのテーパ面13である側面25は,内輪2の外周側の周方向の幅が内周側の周方向の幅より大きい扇形状に形成されており,蓋3Bは,組込み孔5Aの扇形状に嵌合して扇形状に形成されており,内輪2の組込み孔5Aに蓋3Bを嵌合させることによって双方の扇形状に係止部34が形成され,内輪2に蓋3Bが位置決め固定されることになる。
図11に示す蓋3Cは,図示していないが,外輪1に形成された組込み孔に嵌合するものである。図11に示す蓋3Cは,外輪1に設けた組込み孔(図示せず)を塞ぐ蓋3Cを示しており,略半径方向に延びる側面24がテーパ面30に形成されている。また,蓋3Cの下面22については,全体が平らな面に形成されている。蓋3Cの側面24は,内周面33が外周面32より周方向に大きいテーパ面30に形成されており,蓋3Cは,外輪1の半径方向外向きの動き即ち移動が規制される構造であるので,転動体のころ4によって負荷を受けても外輪1に対して位置決め固定され,外輪1の軌道面11と蓋3Cの軌道面23との境界に段差が発生することがなく,軌道面11,23を転動するころ4によって段差による騒音を抑えることができる。
また,このクロスローラ軸受について,図12(a)〜図12(d)に示すように,蓋3D〜3Gは,第1実施例〜第3実施例とを組み合わせた構成,即ち,蓋3D〜3Gの下面22と内輪2又は外輪1の切欠き部(図示せず)との段差による半径方向の位置決めを同時に設けるように形成することができる。図示していないが,組込み孔は,内輪2の端面14又は外輪1の端面の内周面から外周面にそれぞれ延びて形成された接触面となる切欠き部と,切欠き部の途中に形成された切欠き段部から外周面まで延びて形成された切欠き部によって形成され,また,蓋3D〜3Gは,組込み孔の切欠き部に嵌合すると共に,切欠き段部に係止して嵌合する凸状段部を備えるように形成されていることは勿論である。蓋3Dと蓋3Eは,内輪2に形成された組込み孔に使用されるものであり,また,蓋3Fと蓋3Gは,外輪1に形成された組込み孔に使用されるものである。内輪2に適用する蓋3D,3Eと外輪1に適用する蓋3F,3Gとは,扇形形状が逆方向に延びることにより,軌道路10を転動するころ4によって負荷を受けても係止部34によって組込み孔に位置決めされて固定されることになる。図12(a)に示す蓋3Dは,略半径方向に延びる側面24がテーパ面30に形成されている。具体的には,蓋3Dの下面22については,平らな切欠き段部20は,ストレート状の段付きの形状に凸状段部21が形成されている。図12(b)に示す蓋3Eは,略半径方向に延びる側面24がテーパ面30に形成されており,また,蓋3Eの下面22については,平らな切欠き段部20は,円弧状の段付きの形状に凸状段部21が形成されている。図12(c)に示す蓋3Fは,外輪1に設けた組込み孔を塞ぐ蓋を示しており,略半径方向に延びる側面25がテーパ面30に形成されている。また,蓋3Fの下面22については,平らな切欠き段部20は,ストレート状の段付きの形状に凸状段部21が形成されている。図12(d)に示す蓋3Gは,外輪1に設けた組込み孔(図示せず)を塞ぐ蓋を示しており,略半径方向に延びる側面24がテーパ面30に形成されている。また,蓋3Gの下面22については,平らな切欠き段部20は,円弧状の段付きに形状に凸状段部21が形成されている。
図12(a)〜図12(d)に示す蓋3D〜3Gについては,上記のように,半径方向に延びる側面24のテーパ面30の位置決めと,蓋3D〜3Gの下面22と組込み孔の切欠き部との段差との位置決めとによって,蓋3D〜3Gは,組込み孔に正確に且つ信頼性に富んだ位置決めを行うことができ,係止部34が有効に機能を果たすことができる。即ち,内輪2に組込み孔を形成した場合には,扇形形状を半径方向外側に開いた形状として蓋3D〜3Gの半径方向内向きの移動の規制を行うことになり,外輪1に組込み孔を形成した場合には,扇形形状を半径方向内側に開いた形状として蓋3D〜3Gの半径方向外向きの移動の規制を行う。更に,蓋3D〜3Gと内輪2又は外輪1の組込み孔の切欠き部との接触面の段差は,内輪2に組込み孔を形成した場合には,切欠き部を半径方向内側を浅く,半径方向外側を深くして半径方向内側への移動を規制するように設定し,また,外輪1に組込み孔を形成した場合には,半径方向内側を深く,半径方向外側を浅くして半径方向外側への移動を規制するように設定されている。更に,内輪2の端面14方向又は外輪1の端面方向への移動は,ねじ27等を,蓋3D〜3Gに形成した取付け用孔28に通して内輪2又は外輪1に螺入して固定することによって規制することができ,半径方向,周方向,及び軸方向へのいずれの方向にも正確な信頼性に富んだ位置決めが可能になる。
次に,図13(a),(b)に示す蓋3H,3Jは,図12(a),(b)に示す蓋3D,3Eの変形例であり。内側から外側へ延びるテーパ面30が逆方向に延びている。即ち,図13(a)に示す蓋3Hは,図12(a)に示す蓋3Dと比較すると,略半径方向に延びる側面24が図12(a)のテーパ面30とは逆方向に延びるテーパ面30に形成されている。また,蓋3Hの下面22については,平らな切欠き段部20は,ストレート状の段付きの形状に凸状段部21が形成されている。従って,蓋3Hは,半径方向内向きと半径方向外向きの両者の方向に位置決め固定されることになる。同様に,図13(b)に示す蓋3Jは,図12(b)に示す蓋3Eと比較すると,略半径方向に延びる側面24が図12(b)のテーパ面30とは逆方向に延びるテーパ面30に形成されている。また,蓋3Jの下面22については,平らな切欠き段部20は,円弧状の段付きの形状に凸状段部21が形成されている。従って,蓋3Jは,半径方向内向きと半径方向外向きの両者の方向に位置決め固定されることになる。
次に,図14(a),(b)を参照して,この発明によるクロスローラ軸受を構成する内輪2及び外輪1に形成された組込み孔5B,5Cの別の実施例について説明する。このクロスローラ軸受では,蓋3と組込み孔5B,5Cの接触面の段差は,上記実施例のように,軸方向の接触面に設けるだけでなく,図14(a),(b)に示すように,内輪2又は外輪1に形成した組込み孔5B,5Cに形成した切欠き部17(第1切欠き部)の周方向の接触面即ち側面25,26に切欠き段部となる係止部34を設けることもできる。蓋3には,組込み孔5B,5Cに形成した切欠き部17の側面25,26に形成した係止部34に対応する相補性の凸状段部となる係止部が形成されており,係止部34は互いに係合して蓋3が半径方向に位置決め固定されることは勿論である。図14(a)に示す組込み孔5Bは,内輪2に形成されたものであり,段部である係止部34が組込み孔5Bの側面25である周方向接触面に設けられており,組込み孔5Bは,内輪2の側面25の一方は略半径方向にストレートに延び且つ他方は途中に係止部34が形成された段部を持ってストレートに延び,対向する側面25は互いに平行に延びている。また,図14(b)に示す組込み孔5Cは,外輪1に形成されたものであり,段部である係止部34が組込み孔5Cの側面26である周方向接触面に設けられている。組込み孔5Cに形成した切欠き部17は,外輪1の側面26の一方は略半径方向にストレートに延び且つ他方は途中に係止部34が形成された段部を持ってストレートに延び,対向する側面26は互いに平行に延びている。
次に,図15( a) ,(b)を参照して,この発明によるクロスローラ軸受を構成する内輪2及び外輪1に形成された組込み孔5D,5Eは,内輪2又は外輪1に形成されたものであり,段部である係止部34が組込み孔5D,5Eの側面25である周方向接触面即ち側面25,26に設けられている。図15( a) に示す組込み孔5Dは,内輪2に切欠き部17Tが形成されたものであり,段部である係止部34が組込み孔5Bの切欠き部17Tの側面25である周方向接触面に設けられており,組込み孔5Dに形成された切欠き部17は,内輪2の側面25の一方は略半径方向にテーパ面13に延び且つ他方は途中に係止部34が形成された段部を持ってテーパ面13に延び,対向する側面25は互いに拡開する末広がりに延びている。また,図15(b)に示す組込み孔5Eは,外輪1に形成されたものであり,段部である係止部34が組込み孔5Eの側面26である周方向接触面に設けられている。組込み孔5Eは,外輪1の側面26の一方は略半径方向にテーパ面13に延び且つ他方は途中に係止部34が形成された段部を持ってテーパ面13に延び,対向する側面26は互いに拡開する末広がりに延びている。
この発明によるクロスローラ軸受は,複合荷重を受ける関節部,旋回部,揺動部等の旋回部を備えた産業用ロボット,測定・検査装置,医療機器,光学機器等の各種装置の旋回部に組み込んで使用して好ましいものである。
1 外輪
2 内輪
3,3A〜3H,3J〜3N 蓋
4 ころ
5,5A〜5E 組込み孔
6,8,33 内周面
7,9,32 外周面
10 軌道路
11 軌道面(第1軌道面)
12 軌道面(第2軌道面)
13,30 テーパ面
14,39 端面
15,16 逃げ溝
17,17T,19,36,37 切欠き部
18 接触面
20,35 切欠き段部
21 凸状段部
22 下面
23 軌道面(第3軌道面)
24,25 側面
27 ねじ

Claims (8)

  1. 内周面に断面V形で周方向に延びて中央に逃げ溝を備えた第1軌道面を有する外輪,前記外輪の前記第1軌道面に対向して外周面に断面V形で周方向に延びて中央に逃げ溝を備えた第2軌道面を有し且つ前記外輪に対して相対回転自在な内輪,前記内輪及び前記外輪の軸方向のいずれか一方の端面に設けられた組込み孔を通じて前記第1軌道面と前記第2軌道面とで形成される軌道路に互いに交差して配設される複数のころ,及び前記組込み孔を塞ぐと共に前記組込み孔における前記軌道路を形成する第3軌道面を備えた蓋から成るクロスローラ軸受において,
    前記組込み孔は,前記内輪の前記端面の内周面及び外周面のいずれか一方から半径方向に延びて形成され且つ前記蓋の下面との接触面を形成する第1切欠き部と,前記第1切欠き部の途中又は前記組込み孔の側面の途中に形成された切欠き段部によって形成された前記内周面及び前記外周面のいずれか他方まで延びる第2切欠き部とによって形成され,
    前記蓋は,前記組込み孔の前記第1切欠き部と前記第2切欠き部に嵌合すると共に,前記切欠き段部に係止して嵌合する凸状段部を備えており,
    前記蓋の半径方向への移動は,前記蓋が前記組込み孔に嵌合して前記蓋の前記凸状段部が前記切欠き段部に係止して位置決め固定されることを特徴とするクロスローラ軸受。
  2. 前記第1切欠き部及び前記第2切欠き部のいずれか一方が他方より前記軸方向に深い又は前記半径方向に長いことを特徴とする請求項1に記載のクロスローラ軸受。
  3. 内周面に断面V形で周方向に延びて中央に逃げ溝を備えた第1軌道面を有する外輪,前記外輪の前記第1軌道面に対向して外周面に断面V形で周方向に延びて中央に逃げ溝を備えた第2軌道面を有し且つ前記外輪に対して相対回転自在な内輪,前記内輪及び前記外輪の軸方向のいずれか一方の端面に設けられた組込み孔を通じて前記第1軌道面と前記第2軌道面とで形成される軌道路に互いに交差して配設される複数のころ,及び前記組込み孔を塞ぐと共に前記組込み孔における前記軌道路を形成する第3軌道面を備えた蓋から成るクロスローラ軸受において,
    前記組込み孔は,前記外輪の前記端面の内周面及び外周面のいずれか一方から半径方向に延びて形成され且つ前記蓋の下面との接触面を形成する第3切欠き部と,前記第3切欠き部の途中又は前記組込み孔の側面の途中に形成された切欠き段部によって形成された前記内周面及び前記外周面のいずれか他方まで延びる第4切欠き部とによって形成され,
    前記蓋は,前記組込み孔の前記第3切欠き部と前記第4切欠き部に嵌合すると共に,前記切欠き段部に係止して嵌合する凸状段部を備えており,
    前記蓋の半径方向への移動は,前記蓋が前記組込み孔に嵌合して前記蓋の前記凸状段部が前記切欠き段部に係止して位置決め固定されることを特徴とするクロスローラ軸受。
  4. 前記第3切欠き部及び前記第4切欠き部のいずれか一方が他方より前記軸方向に深い又は前記半径方向に長いことを特徴とする請求項3に記載のクロスローラ軸受。
  5. 内周面に断面V形で周方向に延びて中央に逃げ溝を備えた第1軌道面を有する外輪,前記外輪の前記第1軌道面に対向して外周面に断面V形で周方向に延びて中央に逃げ溝を備えた第2軌道面を有し且つ前記外輪に対して相対回転自在な内輪,前記内輪及び前記外輪の軸方向のいずれか一方の端面に設けられた組込み孔を通じて前記第1軌道面と前記第2軌道面とで形成される軌道路に互いに交差して配設される複数のころ,及び前記組込み孔を塞ぐと共に前記組込み孔における前記軌道路を形成する第3軌道面を備えた蓋から成るクロスローラ軸受において,
    前記組込み孔は,前記内輪又は前記外輪の内周側及び外周側のいずれか一方の周方向の長さが他方の周方向の長さより大きい第1扇形状に延びるテーパ面である側面から成る第5切欠き部によって形成され,
    前記蓋は,前記組込み孔の前記第5切欠き部に嵌合する第2扇形状に形成され,
    前記蓋の半径方向への移動は,前記蓋の前記第2扇形状が前記組込み孔の前記第5切欠き部に嵌合することによって位置決め固定されることを特徴とするクロスローラ軸受。
  6. 前記組込み孔を形成する前記第5切欠き部は,前記内輪の前記端面の内周面及び外周面のいずれか一方から半径方向に延びて形成され且つ前記蓋の下面との接触面を形成する第1切欠き部と,前記第1切欠き部の途中又は前記組込み孔の側面の途中に形成された切欠き段部によって形成された前記内周面及び前記外周面とのいずれか他方まで延びる第2切欠き部とから構成されており,前記蓋は,前記第5切欠き部に形成された前記切欠き段部に係止して嵌合する凸状段部を備えていることを特徴とする請求項5に記載のクロスローラ軸受。
  7. 前記組込み孔を形成する前記第5切欠き部は,前記外輪の前記端面の内周面及び外周面のいずれか一方から半径方向に延びて形成され且つ前記蓋の下面との接触面を形成する第3切欠き部と,前記第3切欠き部の途中又は前記組込み孔の側面の途中に形成された切欠き段部によって形成された前記内周面及び前記外周面とのいずれか他方まで延びる第4切欠き部とから構成されており,前記蓋は,前記第5切欠き部に形成された前記切欠き段部に係止して嵌合する凸状段部を備えていることを特徴とする請求項5に記載のクロスローラ軸受。
  8. 前記組込み孔に嵌合する前記蓋は,前記内輪又は前記外輪にピン又はねじで前記軸方向に固定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のクロスローラ軸受。
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