JP2020084839A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排ガスセンサと触媒の劣化診断を並行して実施可能で、高い診断精度を得られる内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】排気ガスの状態を検出する排ガスセンサ(30、31)の劣化診断と、排気経路に設けられる触媒(26)の劣化診断と、を行う内燃機関の制御装置において、排ガスセンサの信号周期の長さと閾値を比較して排ガスセンサの劣化診断を行い、触媒の劣化診断の実行中には、該触媒の劣化診断に伴う条件変化に基づく補正を排ガスセンサの信号周期の長さ又は閾値に加えて、排ガスセンサの劣化診断を行う。触媒の劣化診断の際に生じる変化の影響を除外して排ガスセンサの劣化診断を行うので、触媒の劣化診断と並行実施した場合でも排ガスセンサの劣化を高精度に診断できる。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の空燃比制御として、排気経路に配置されている排ガスセンサによって排気ガスの状態を検出し、センサ出力に基づいて、理論空燃比に近づけるように燃料噴射を調整するフィードバック制御が行われている。具体的には、排ガスセンサにおいて、燃料リッチの状態であると検出されると燃料噴射を抑制し、リーン状態であると検出されると燃料噴射を増加させるように制御する。排ガスセンサとして、O2センサやリニア空燃比センサ(A/Fセンサ)が用いられる。
また、内燃機関の排気装置に設けられる触媒の劣化状態を診断する手法として、触媒の前後に排ガスセンサを設置し、双方の排ガスセンサの出力波形を比較することが行われている。それぞれの排ガスセンサの出力波形の違いから、両センサ間に位置する触媒の酸素ストレージ能力等を推定して診断を行う。触媒診断の診断能力や精度を向上させる手段として、排ガスセンサの出力によるフィードバック制御の適合を変化させて、リッチ、リーンのそれぞれの状態を能動的に長く保たせるアクティブ制御が知られている(例えば、特許文献1)。
以上のような空燃比のフィードバック制御や触媒診断を適切に行うために、排ガスセンサ自体が所要の性能を有していることが必要とされる。そのため、排ガスセンサの劣化診断を行う。上記のフィードバック制御を行っているときには、排ガスセンサでリッチ状態とリーン状態が交互に検出される。その検出の際の応答速度や信号周期の長さを計測して、いずれかが極端に長い場合に、排ガスセンサが劣化していると判断する。
特開2012−241652号公報
触媒診断時にアクティブ制御を実施してリッチ状態とリーン状態を引き延ばすと、排ガスセンサの信号周期が延びる。この状態で排ガスセンサの劣化診断を行うと、実際には劣化していない排ガスセンサを劣化状態にあると誤判定してしまうおそれがある。空燃比のフィードバック制御では、排ガスセンサでのリッチ、リーンの検出後に所定のディレイ時間をおいてからフィードバック補正値を反転させる。特に、このディレイ時間を増加させるタイプのアクティブ制御では、信号周期そのものを直接的に延ばすことになるので、排ガスセンサ診断に対する影響が大きくなってしまう。
このような問題点から、アクティブ制御を伴う触媒診断と排ガスセンサ診断とを同時に行うと、診断精度に影響が及ぶおそれがあり、その対策として触媒診断と排ガスセンサ診断を異なるタイミングで行っていた。しかし、診断に適した限られた走行状態で高頻度に診断を行って排ガスセンサと触媒の信頼性を高めるために、排ガスセンサと触媒の劣化診断を並行して実施したいという要求がある。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、排ガスセンサと触媒の劣化診断を並行して実施可能で、高い診断精度を得られる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、排気ガスの状態を検出する排ガスセンサの劣化診断と、排気経路に設けられる触媒の劣化診断と、を行う内燃機関の制御装置であって、排ガスセンサの信号周期の長さと閾値を比較して排ガスセンサの劣化診断を行い、触媒の劣化診断の実行中に、触媒劣化診断に伴う条件変化に基づく補正を排ガスセンサの信号周期の長さ又は閾値に加えて、排ガスセンサの劣化診断を行うこと特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、触媒劣化診断に伴う条件変化の影響を除外して排ガスセンサの劣化診断を行うので、排ガスセンサと触媒の劣化診断を並行して実施可能であり、高い診断精度を得ることができる。
本実施の形態の内燃機関の制御装置を示す図である。 排ガスセンサの信号波形とフィードバック補正値の関係を示す図である。 排ガスセンサの劣化診断の制御を示すフローチャートである。 触媒の劣化診断の制御を示すフローチャートである。 排ガスセンサの信号波形とフィードバック補正値の関係の変形例を示す図である。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置の構成図である。なお、内燃機関の制御装置は、以下に示す構成に限定されず、適宜変更が可能である。また、以下の説明では、本開示の技術を車両に適用する構成について説明するが、内燃機関が設置される他の乗り物や、乗り物以外に搭載する内燃機関に適用することが可能である。車両の場合は、自動二輪車や自動四輪車等の車種を問わずに適用可能である。また、車両が通常備えている構成については、図1に明示されていなくても備えているものとする。
図1に示すように、本実施の形態に係る内燃機関の制御装置1は、内燃機関としてのエンジン2及びその周辺構成の動作を、ECU(Electronic Control Unit)3で制御するように構成されている。後述する排ガスセンサ30、31を用いた各種制御や診断は、ECU3が概念的な機能ブロックとして備えている制御部、演算部、記憶部、比較部等によって実施される。
エンジン2を構成するシリンダ10内には、ピストン11が往復移動可能に収容されている。ピストン11は、コンロッド12によってクランクシャフト13と連結されている。ピストン11が往復運動することでクランクシャフト13がコンロッド12を介して回転される。
シリンダ10の上部にシリンダヘッド15が取り付けられている。シリンダ10からシリンダヘッド15に続く内部空間は、燃焼室16を構成する。燃焼室16の上部には、点火プラグ14が設けられている。点火プラグ14は、ECU3から出力される点火信号に基づいて所定のタイミングで点火し、燃焼室16内の混合気を着火する。
シリンダヘッド15には、燃焼室16に連通する吸気ポート17及び排気ポート18が形成されている。また、シリンダヘッド15には、吸気ポート17と燃焼室16の間を開閉する吸気バルブ19と、排気ポート18と燃焼室16の間を開閉する排気バルブ20が設置されている。クランクシャフト13の回転が駆動機構を介して伝達されて、吸気バルブ19及び排気バルブ20が所定タイミングで燃焼室16に向けて往復動して開閉される。
吸気ポート17の上流側には吸気管21が接続される。吸気管21と吸気ポート17は、外部から燃焼室16へ空気を導く吸気経路を構成している。吸気管21に設けたスロットルバルブ22の開度をECU3が制御して、吸気経路から取り込まれる空気量を調整する。スロットルバルブ22の下流側には、吸気ポート17内に燃料を噴射する燃料噴射装置としてのインジェクタ23が設けられている。インジェクタ23は、ECU3の指令に応じて吸気ポート17内に所定量の燃料を噴射する。なお、インジェクタの配置はこれに限定されず、燃焼室16内に燃料を噴射する直噴タイプのインジェクタであってもよい。
排気ポート18の下流側には排気管25が接続される。排気ポート18と排気管25は、排気ガスを外部に排出する排気経路を構成する。排気管25の途中には、排気ガス浄化用の触媒26が設けられている。
排気経路には、触媒26の上流側(前方)に排ガスセンサ30が設けられ、触媒26の下流側(後方)に排ガスセンサ31が設けられている。本実施形態の排ガスセンサ30、31は、排気ガス中の酸素濃度を測定するO2センサである。
以上のように構成されるエンジン2においては、吸気経路からの吸入空気が、スロットルバルブ22でその流量が調整された後、吸気ポート17に流れ込む。インジェクタ23から所定のタイミングで燃料が噴射され、吸気ポート17内で吸入空気と燃料が混合される。吸入空気と燃料の混合気は、吸気バルブ19が開かれたタイミングで燃焼室16内に流れ込み、燃焼室16内で圧縮された後、点火プラグ14によって所定のタイミングで点火される。
混合気に含まれる燃料の燃焼によってピストン11が押し下げられて、ピストン11の下動がコンロッド12を介してクランクシャフト13に伝達される。ピストン11は下死点を超えると上方に移動される。そして、点火されて燃焼した後の排気ガスは、排気バルブ20が開かれたタイミングで燃焼室16から排気ポート18へ排出され、排気管25を通じて外に排出される。
ECU3は、触媒26の上流に位置する排ガスセンサ30を用いて、排気ガスに含まれる残存酸素量(濃度)を測定し、インジェクタ23の燃料噴射量に補正値をかけるフィードバック制御を行う。排気ガス中の酸素濃度に基づいて、理論空燃比に対して燃料が多い(リッチ状態である)と判定されると、燃料噴射量を減少させる方向の補正をかけ、理論空燃比に対して燃料が少ない(リーン状態である)と判定されると、燃料噴射量を増加させる方向の補正をかける。
図2(A)は、排ガスセンサ30の信号波形と、排ガスセンサ30の出力に基づく燃料噴射補正用のフィードバック補正値との関係を示したものである。排ガスセンサ30の出力電圧が判定電圧Vを上回るとリッチ判定になる。リッチ判定から所定のディレイ時間bの経過後に、インジェクタ23の噴射時間を減らすために、フィードバック補正値をマイナス側に反転させる(この反転をスキップK1とする)。その後、徐々にリーン側にフィードバック補正値を減算していく(減算処理J1とする)。これにより、空燃比がリッチからリーンに向けて推移し、排ガスセンサ30の出力電圧が下降する。排ガスセンサ30の出力電圧が判定電圧Vを下回るとリーン判定になる。リーン判定から所定のディレイ時間cの経過後に、インジェクタ23の噴射時間を増やすために、フィードバック補正値をプラス側に反転させる(この反転をスキップK2とする)。その後、徐々にリッチ側にフィードバック補正値を加算していく(加算処理J2とする)。以上の判定とフィードバック制御を継続的に行って燃料噴射を調整して、最適な空燃比を維持する。
図2(A)において、フィードバック補正値をマイナス側に反転させるスキップK1から次のスキップK1までを、排ガスセンサ30の信号周期aとして示した。信号周期aには、通常のフィードバック制御で設定されるディレイ時間b、cが含まれている。このディレイ時間b、cを通常適合のディレイ時間とする。
排ガスセンサ30が劣化すると、信号周期aが長くなる。排ガスセンサ劣化診断では、信号周期の長さに閾値を設定した上で、実際の信号周期aの長さを測定し、測定した信号周期aが閾値以上の異常値であった場合に、排ガスセンサ30が劣化していると判定する。なお、本実施の形態では、周期計測をスキップK1から次のスキップK1までとしているが、これと異なる基準によって周期計測を行ってもよい。
ECU3は、触媒26の上流と下流に配した排ガスセンサ30と排ガスセンサ31との信号波形を比較して触媒26の劣化診断を行う。触媒劣化診断について、図4のフローチャートを参照して説明する。
ステップS11で、触媒26の前後の排ガスセンサ30と排ガスセンサ31の信号の波形を比較する。比較した波形の一致度mを、ステップS12で算出する。ステップS13で、波形の一致度mが予め設定された所定値以上であるか否かを判定する。波形の一致度mが所定値以上である場合(Yes)、触媒26の酸素ストレージ能力が不足していて所要の排ガス浄化性能が発揮されていないとして、ステップS14へ進んで触媒26が劣化していると判定される。波形の一致度mが所定値未満である場合(No)、触媒26の酸素ストレージ能力が十分で所要の排ガス浄化性能を発揮できているとして、ステップS15へ進んで触媒26が正常(劣化していない)と判定される。
触媒の劣化診断において、空燃比を強制的に振動(加振)させて触媒の酸素吸蔵容量を検出させる、いわゆるアクティブ制御が知られている。図2(B)は、触媒の劣化診断用のアクティブ制御の一例を示したものである。このアクティブ制御では、リッチ判定後に、通常適合のディレイ時間bに追加してディレイ時間(遅延時間)b’を加えている。つまり、リッチ状態を引き延ばす処理を行っている。同様に、リーン判定後に、通常適合のディレイ時間cに追加してディレイ時間(遅延時間)c’を加えている。つまり、リーン状態を引き延ばす処理を行っている。
ところで、高頻度な診断によって信頼性を高めるべく、排ガスセンサ劣化診断と触媒劣化診断を並行して実施したいという要求がある。特に、車両の試験モードでの走行時には、排ガスセンサや触媒の診断に適した走行状態(高負荷で安定した定常走行)になる時間が限られるので、並行した診断実施の要求が強い。しかし、触媒の劣化診断において、図2(B)のようにディレイ時間を延ばすと、排ガスセンサ30の信号周期が長く(a+c’+b’)になる。この状態で排ガスセンサ30の劣化診断を行うと、触媒診断のために延ばしたディレイ時間c’+b’の影響で、通常の信号周期aよりも長い周期が計測されることになる。その結果、実際には劣化が進んでいない排ガスセンサ30を、劣化していると誤判定してしまう可能性が生じる。
上記問題を解決して、排ガスセンサ診断と触媒診断を並行して高精度に実施させるため、本実施の形態では、ECU3でのソフトウェア的な処理において、触媒診断に基づく条件変更の影響を除いて排ガスセンサ診断を行う。具体的には、排ガスセンサ30の劣化判定に使用する信号周期を、触媒診断のアクティブ制御で延ばしたディレイ分(c’+b’)を減算した値(aに近似した値)にして判定を行う。この排ガスセンサ診断を、図3のフローチャートを参照して説明する。
ステップS1で、排ガスセンサ診断を実行するための条件を満たしているか否かを判定する。ステップS1で判定する条件は、車両の走行状態や排ガスセンサ30周りの温度等である。ステップS1の条件が成立しない場合(No)は、処理を進めずに図3のフローチャートから抜ける。ステップS1の条件が成立する場合(Yes)、ステップS2に進む。
ステップS2で、触媒診断を実行するための条件を満たしているか否かを判定する。ステップS2で判定する条件は、車両の走行状態や触媒26の温度等である。ステップS2の条件が成立する場合(Yes)、ステップS3に進む。ステップS3で触媒診断用のアクティブ制御を実行中であるかをチェックする。アクティブ制御実行中である場合(Yes)、ステップS4に進み、アクティブ制御による信号周期の延び分に相当する補正時間Xを演算する。図2(B)の例では、X=c’+b’となる。また、上述した触媒診断のサブルーチン(図4)を実行する。
続くステップS5で、排ガスセンサ診断に用いる判定用の信号周期Zを計測する。そして、ステップS6において、ステップS5で得られた実測値である信号周期Zから、ステップS4で演算した補正時間Xを減じて、排ガスセンサ判定用の信号周期Z1を演算する。この信号周期Z1は、アクティブ制御による周期の延び分(c’+b’)が除外されたものであり、アクティブ制御を行わない場合の信号周期aに近似(もしくは一致)したものになる。
ステップS6の演算で得られた信号周期Z1が、予め設定されている閾値以上であるか否かをステップS7で判定する。信号周期Z1が閾値以上である場合(Yes)、ステップS8へ進んで排ガスセンサ30が劣化していると判定される。信号周期Z1が閾値未満である場合(No)、ステップS9へ進んで排ガスセンサ30は正常(劣化していない)と判定される。ステップS8又はステップS9での判定結果が得られたら、図3のフローチャートから抜ける。
以上の処理は、触媒診断用のアクティブ制御が実行されている場合のものである。アクティブ制御の非実行下の制御として、ステップS2で触媒診断条件が成立しない場合(No)と、ステップS3でアクティブ制御が実行中でない場合(No)には、ステップS10に進む。ステップS10では、排ガスセンサ診断に用いる判定用の信号周期を計測する。この段階でアクティブ制御を利用した触媒診断が実行されていないため、ステップS10では触媒診断用のディレイ分を含まない通常の信号周期aが計測される。上述したアクティブ制御の実行下でのステップS6では、計測値の信号周期Zから補正時間Xを減ずる演算によって信号周期Z1を得たが、アクティブ制御の非実行下でのステップS10では、計測値で信号周期aが得られる。そして、ステップS10で得られた計測値の信号周期aに基づいて、ステップS7〜S9で排ガスセンサ30の劣化診断を実行する。
以上のように、触媒診断用のアクティブ制御で延ばされたディレイの値(補正時間X)をECU3で数学的に演算し、この演算値を信号周期の計測値(信号周期Z)から減算することで、アクティブ制御を実行した場合でも、適切に補正した(アクティブ制御を実行しない場合の信号周期aに近似した)判定用の信号周期Z1で排ガスセンサ診断を行う。従って、アクティブ制御による周期の延び(c’+b’)の影響による誤判定が生じず、触媒26の劣化診断を行いながら排ガスセンサ30の劣化診断を高精度に実行することが可能である。これにより、触媒劣化診断と排ガスセンサ劣化診断を、従来に比して高頻度で実行できるので、診断の信頼性が向上し、内燃機関の性能維持が容易になる。
なお、触媒診断時に空燃比を加振させる手段として、図2(B)のようにディレイ時間を延ばす代わりに、減算処理J1や加算処理J2の積分値を大きくさせることも可能である。この場合、単位時間あたりのフィードバック補正量が多くなるので、減算処理J1や加算処理J2におけるグラフの傾斜角が大きく(急に)なり、空燃比が短周期で大きく変動する。すると、理論空燃比から外れる時間が長くなり、排ガス性能が悪化する。また、エンジン回転数も短周期で大きく変動するので、車両の挙動への影響が大きく、ドライバビリティが悪化する傾向が顕著となる。図2におけるスキップK1、K2でのスキップ値を大きくさせる処理でも、同様の問題が生じる。
これに対し、図2(B)のようなディレイ時間を延ばす制御では、空燃比とエンジン回転数が長周期に変動するので、排ガス性能の悪化を抑制できると共に、車両挙動に与える影響を比較的小さくできる。そして、ディレイ時間を長くしても、その影響が及ばないように判定用の信号周期を補正して排ガスセンサ診断を行うので、アクティブ制御におけるディレイ時間の設定自由度が向上する。つまり、ディレイ時間を延ばす形態で行う触媒診断の利点を得ながら、ディレイ時間を延ばすことによる排ガスセンサ診断への不利益を受けないようにして、触媒診断と排ガスセンサ診断の並行実施を実現できる。
アクティブ制御による信号周期の延びは、通常の走行では実行されず、触媒診断時に限定して発生するものである。そして、ECU3での簡単な演算(信号周期Z−補正時間X)によってセンサ判定用の補正した信号周期Z1が得られるので、ECU3での処理負荷が軽く、高速でレスポンスに優れた処理が可能である。また、アクティブ制御により設定される2つのディレイ時間b’、c’の和として補正時間Xを設定するので、信号周期の延び分をシンプルかつ正確に再現でき、一層信頼性の高いセンサ劣化診断が可能になる。
なお、本実施の形態では、ECU3での演算によってアクティブ制御のディレイ時間を算出しているが、ECU3の記憶部に予め規定値(テーブルデータ)としてディレイ時間を記憶させ、当該規定値を読み込んでディレイ時間を設定するようにしてもよい。また、本実施の形態では、図3のステップS4で、ECU3での演算によって補正時間Xを算出しているが、ECU3の記憶部に補正時間の情報を規定値(テーブルデータ)として記憶させておき、当該規定値を読み込んで補正時間Xを設定するようにしてもよい。つまり、ディレイ時間や補正時間の設定は、演算による算出と規定値の読み込みのいずれで行ってもよい。
触媒劣化診断の実行中は、アクティブ制御を実行する度に補正時間Xの設定(算出や規定値の読み込み)を行う。これにより、触媒の状態(温度等)に応じた最適の補正時間Xを用いて、触媒劣化診断を行うことができる。その結果、触媒劣化診断のためにリッチ状態やリーン状態を延長する時間を合理的に最小限にして、エンジン2の燃焼状態を良好に保ち易くなり、排ガス浄化性能やドライバビリティの向上を図ることができる。また、触媒劣化診断実行中は、ディレイ時間b’とディレイ時間c’についても、アクティブ制御実行の都度、設定(算出や規定値の読み込み)することが望ましい。
本実施の形態では、図3のステップS6で、計測した信号周期Zからディレイ分の補正時間Xを差し引いて適切な信号周期Z1を算出している。これとは異なり、排ガスセンサ30の劣化診断に用いる信号周期の長さの閾値を変更することも可能である。すなわち、アクティブ制御でのディレイ時間c’+b’の影響を加味して、信号周期の長さの閾値を引き上げる補正を行う。そして、図3のステップS7に代わる処理として、計測した信号周期Zと補正後(引き上げ後)の閾値との大小関係を比較する。信号周期Zが補正後の閾値以上である場合には、排ガスセンサ30が劣化していると判定し、信号周期Zが補正後の閾値未満である場合には、排ガスセンサ30が正常であると判定する。
図5は、アクティブ制御におけるディレイ時間の設定の変形例を示す。図5(A)に示す減算処理J11や加算処理J12でのフィードバック補正値の変化率は、図2(A)での減算処理J1や加算処理J2でのフィードバック補正値の変化率よりも大きい。その一方で、図5(A)でフィードバック補正値を反転させるスキップK11、KI2でのスキップ値は、図2(A)のスキップK1、K2でのスキップ値よりも小さい。その結果、図5(B)に示すように、触媒診断用に設定したディレイ時間b’とディレイ時間c’での積分値によるフィードバック補正量に対して、スキップK11とスキップK12でのスキップ値が小さくなっている。
図5(B)に示すように、スキップK11後のディレイ時間dと、スキップK12後のディレイ時間eを設定し、ディレイ時間d、eでのそれぞれの積分値によって、スキップK11、K12でのそれぞれのスキップ値ではカバーできない分の補正量を補うことができる。このように制御した場合、ディレイ時間b’、c’に加えてディレイ時間d、eの延びが追加されるため、排ガスセンサ30の信号周期が、図2(B)の形態よりも長く(a+c’+b’+d+e)なる。
図2の形態では、フィードバック補正値を反転させる際のスキップ値がある程度大きい場合を想定している。そして、計測値の信号周期Zから、触媒診断用に延ばしたディレイ時間b’、c’(補正時間X)を単純に減算して、排ガスセンサ30の劣化診断を行うものとした。一方、図5の形態のように、排ガスフィードバックの適合によっては、スキップ値が相対的に小さくディレイ時間をさらに延ばすことでアクティブ制御に対応する場合もある。
図5の形態では、各ディレイ時間による延び分(c’+b’+d+e)を補正時間Xとして設定して、信号周期の計測値(Z=a+c’+b’+d+e)から補正時間Xを減算して、補正した信号周期Z1を得る。あるいは、各ディレイ時間による延び分(c’+b’+d+e)に基づいて閾値を補正し、補正した閾値と、信号周期の計測値(Z)とを比べる。これにより、図2の形態と同様に、触媒診断による条件変化の影響を除いた、精度の高い排ガスセンサ30の劣化診断を行うことができる。このように、本発明を適用することで、排ガスセンサ診断への影響を与えずに、アクティブ制御におけるディレイ時間の設定自由度を向上させることができる。
以上説明した通り、本実施形態の内燃機関の制御装置によれば、触媒診断に基づく条件変更の影響を除く(相殺する)補正をかけて排ガスセンサ診断を行うので、診断の精度を損なわずに、排ガスセンサと触媒の劣化診断を並行して実施することが可能である。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている構成や制御等については、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、触媒診断用のアクティブ制御をディレイ時間の追加で実施しているが、他の方法で空燃比を制御して触媒診断を行う場合でも適用が可能である。すなわち、触媒の劣化診断に伴う条件変化が、排ガスセンサの信号検出(周期)に影響を及ぼす場合に、その影響を除くように排ガスセンサの信号周期又はセンサ劣化判定用の閾値に補正をかけるという要件を満たしていればよい。
上記実施の形態では、触媒26の上流に配置した排ガスセンサ30の信号を参照して空燃比のフィードバック制御を行っているが、触媒26の下流に配置した排ガスセンサ31の信号を併用して同様のフィードバック制御を行うことも可能である。すなわち、本発明は、排ガスセンサ30の劣化診断だけでなく、排ガスセンサ31の劣化診断にも適用が可能である。
上記実施の形態の排ガスセンサ30、31は、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサであるが、空燃比をリニアに信号出力する空燃比センサ(A/Fセンサ)を排ガスセンサとして用いることも可能である。
以上説明したように、本発明は、排ガスセンサと触媒の劣化診断を高精度に並行して実施できるという効果を有し、特に、排ガスセンサや触媒の高精度な診断が求められる内燃機関に有用である。
1 :内燃機関の制御装置
2 :エンジン
3 :ECU
16 :燃焼室
17 :吸気ポート
18 :排気ポート
21 :吸気管
23 :インジェクタ
25 :排気管
26 :触媒
30 :排ガスセンサ
31 :排ガスセンサ

Claims (4)

  1. 排気ガスの状態を検出する排ガスセンサの劣化診断と、排気経路に設けられる触媒の劣化診断と、を行う内燃機関の制御装置であって、
    前記排ガスセンサの信号周期の長さと閾値を比較して、前記排ガスセンサの劣化診断を行い、
    前記触媒の劣化診断の実行中に、該触媒の劣化診断に伴う条件変化に基づく補正を前記排ガスセンサの信号周期の長さ又は前記閾値に加えて、前記排ガスセンサの劣化診断を行うこと特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記触媒の劣化診断の実行中に発生する前記排ガスセンサの信号周期の延び分を補正時間として設定し、前記排ガスセンサの信号周期の計測値から前記補正時間を減算した補正後の信号周期と前記閾値とを比較して、前記排ガスセンサの劣化診断を行うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記排ガスセンサによるリッチ状態の検出に応じて燃料噴射用のフィードバック補正値をリーン側に反転させ、前記排ガスセンサによるリーン状態の検出に応じて燃料噴射用のフィードバック補正値をリッチ側に反転させるフィードバック制御を行い、
    前記触媒劣化診断時に、前記フィードバック補正値の反転のタイミングを遅らせるアクティブ制御を行い、
    前記アクティブ制御中に前記排ガスセンサの劣化診断を行うとき、前記リーン側と前記リッチ側のそれぞれの前記フィードバック補正値の反転タイミングの遅延時間の和を前記補正時間として設定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記触媒劣化診断の実行中に、前記アクティブ制御を行う度に前記補正時間の設定を行うことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
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