JP2020084182A - フレキシブル銅張積層板用組成物 - Google Patents

フレキシブル銅張積層板用組成物 Download PDF

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朗 繁田
Akira Shigeta
朗 繁田
吉田 猛
Takeshi Yoshida
猛 吉田
祐己 山田
Hiroki Yamada
祐己 山田
耕 竹内
Ko Takeuchi
耕 竹内
洋輔 杉本
Yosuke Sugimoto
洋輔 杉本
良彰 越後
Yoshiaki Echigo
良彰 越後
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Abstract

【課題】銅箔との接着力に優れ、かつ誘電特性に優れた接着層を形成することができるフレキシブル銅張積層板用組成物を提供する。【解決手段】<1> 脂肪族ジアミンをジアミン成分として用いたビスマレイミドと、ポリカルボジイミドとからなり、前記ビスマレイミドの酸価が1mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下であることを特徴とするフレキシブル銅張積層板用組成物。<2> 脂肪族ジアミンが、炭素数10以上のアルキレン基を有するジアミンであることを特徴とする前記フレキシブル銅張積層板用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、誘電特性に優れ、かつ銅箔との接着性に優れたフレキシブル銅張積層板(以下、「FCCL」と略記することがある)を得ることができる組成物に関するものである。
高周波帯域用のプリント回路やアンテナ等の作成に用いられるFCCLにおいては、絶縁層の誘電特性を向上させることが有効であり、絶縁層を形成させるフィルムとして、誘電特性に優れた液晶ポリエステル(LCP)、ポリイミド(PI)等からなるフィルム基材が用いられている。このようなフィルムと銅箔とを接着して、FCCLとするには、接着層が必要であるが、この接着層が誘電特性を損なう傾向があった。
このような問題を解決するため、接着層として、誘電特性に優れたビスマレイミドを含む組成物を用いることが提案されている。例えば、特許文献1には、脂肪族ジアミンをジアミン成分として用いたビスマレイミド(以下、「D−BMI」と略記することがある)と、芳香族ジアミンとを用いた組成物が開示されている。特許文献2には、D−BMIと、シリカ、フッ素樹脂パウダ等からなるフィラと、を用いた組成物が開示されている。また、特許文献1、特許文献2、特許文献3には、前記組成物にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が配合された組成物も開示されている。
しかしながら、これらの組成物をFCCLの接着層として用い、接着層の厚みを薄くした場合、銅箔との接着力が低下するという問題があった。また、誘電正接(Df)等の誘電特性も、改善の必要があった。
国際公開2016/114287号 国際公開2017/017923号 特開2019−182932号公報
本発明は上記課題を解決するものであり、銅箔との接着力が優れ、かつ誘電特性に優れた接着層を形成することができるFCCL用組成物の提供を目的とする。
上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、FCCLの接着層を形成させるための組成物組成を特定のものとすることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
本発明は、下記を趣旨とするものである。
<1> D−BMIと、ポリカルボジイミドとからなり、D−BMIの酸価が1mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下であることを特徴とするFCCL。
<2> 脂肪族ジアミンが、炭素数10以上のアルキレン基を有するジアミンであることを特徴とするFCCL。
本発明の組成物を用いることにより接着層を薄くしても良好な接着性を確保することができる。また、本発明の組成物を用いることにより得られる接着層は良好な誘電特性を有する。従い、本発明の組成物を用いて得られるFCCLは、誘電特性に優れ、かつ銅箔との接着性に優れる。従い、本発明の組成物を用いて得られるFCCLは、高周波帯域用のプリント回路やアンテナ基板等の基板として好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物は、酸価が1mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下であるD−BMIを含むことが必要である。
D−BMIは、溶媒中で、酸触媒下、脂肪族ジアミンまたは「イミド延長された脂肪族ジアミン」(以下、「ATPI」と略記することがある)と、無水マレイン酸とを反応させて、D−BMI溶液を得た後、これを精製、必要に応じ単離することにより得ることができる。ここでATPIとは、テトラカルボン酸二無水物と、過剰量の脂肪族ジアミンとを反応させて脱水閉環した「両末端にアミノ基を有するポリイミドまたはオリゴイミド」のことである。テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物(BDCP)、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、PMDA、BPDAが好ましい。
ここで用いられる脂肪族ジアミンとしては、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4′−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、1,4−ジアミノブタン、1,10−ジアミノデカン(10−DA)、1,12−ジアミノドデカン(12−DA)、1,16−ヘキサデカメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,5−ジアミノペンタン、1,8−ジアミノオクタン、1,3−ジアミノプロパン、1,11−ジアミノウンデカン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、ダイマジアミン(DDA)を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、10−DA、12−DA、DDAが好ましい。
DDAは、炭素数24〜48のダイマ酸から誘導される脂肪族ジアミンであり、「プリアミン1074、同1075、同1071」(クローダジャパン社製の商品名)、「バーサミン551、同552」(コグニスジャパン社製の商品名)等の市販品を用いることができる。なお、DDAには、トリマトリアミンが全質量に対し10〜20質量%程度含まれていてもよい。
本発明で用いられる脂肪族ジアミンは、その一部が、芳香族ジアミンで置き換えられていてもよい。
芳香族ジアミンの具体例としては、4,4′−ジアミノ−2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFMB)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(F−BAPP)、p−フェニレンジアミン(PDA)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン等のジアミンを挙げることができる。 これらの芳香族ジアミンは、全ジアミンの20モル%以下とすることが好ましい。
DDAを用いたD−BMIは、例えば、米国法定発明登録H424号、特表平10−505599号公報等に開示されている。また、「イミド延長されたDDA」を用いたD−BMIは特開2012−117070号公報等に開示されている。
これらD−BMIは、Designer Molecules Inc.(以下、「DMI社」と略記することがある)から、BMI−689、BMI−1500、BMI−1700、BMI−3000等の品番で市販されており、これらの市販品を用いることもできる。
前記したように、本発明の組成物を構成するD−BMIの酸価は、1mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下であることが必要であり、2mgKOH/g以上、20mgKOH/g以下であることが好ましく、3mgKOH/g以上、15mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。酸価をこのような範囲としたD−BMIとすることにより、ポリカルボジイミドとの反応が効率よく進行する。このような酸価を有するD−BMIは公知であり、例えば、特開2018−115156号公報の参考例1〜5に記載されているD−BMIを挙げることができる。また、この特許文献には、酸価が1mgKOH/g未満のD−BMIも記載されているが、これらと、酸価が1mgKOH/g以上のD−BMIとを混合することにより、酸価が、1mgKOH/g以上、20mKOH/g以下のD−BMIとしてもよい。なお、酸価は、JIS−K0070(1992)の規定に基づき、中和滴定法で測定した値である。
D−BMIは、トルエン等の溶媒に溶解させて光学的に均一な溶液として用いることができる。D−BMI溶液には、D−BMIの硬化を促進するための触媒を、D−BMIの質量に対して0.05〜5質量%配合することができる。このような硬化促進剤としては、ラジカル重合開始剤またはアニオン重合開始剤を用いることができる。 ラジカル重合開始剤の具体例としては、ジクミルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、2−ブタノンパーオキサイド、tert−ブチルパーベンゾエイト、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、tert−ブチルヒドロパーオキシド、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等を挙げることができる。アニオン重合開始剤の具体例としては、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム−トリメリテート、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等を挙げることができる。
本発明の組成物を構成するポリカルボジイミドは、カルボジイミド結合を2個以上有するポリマであり、その数平均分子量は500〜20000とすることが好ましい。このようなポリカルボジイミドの具体例としては、ポリ(1,6−ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(4,4′−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(4,4′−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(4,4′−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼンおよび1,5−ジイソプロピルベンゼンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ポリカルボジイミドは、「カルボジライト」(日清紡ケミカル社製の商品名)、「スタバクゾール」(ラインケミー社製の商品名)等の市販品を用いることもできる。
本発明の組成物において、ポリカルボジイミドの含有量は、D−BMI質量に対し、0.1質量%以上、20質量%以下とすることが好ましく、0.5質量%以上、10質量%以下とすることがより好ましい。ポリカルボジイミドの含有量が0.1質量%未満の場合、D−BMIとポリカルボジイミドとの反応が効率的に進行しないことがあり、接着層と銅箔との良好な接着性が得られないことがある。また、ポリカルボジイミドの含有量が20質量%超の場合、接着層の良好な誘電特性が得られないことがある。
本発明の組成物には、耐熱性、剛性等の特性を向上させるため、フィラを配合することができる。フィラとしては、粒子状のフィラやコロイダル状のフィラを用いることができる。粒子状のフィラは、その平均粒径を0.1μm以上、10μm以下とすることが好ましい。また、コロイダル状のフィラは、その平均粒径を5nm以上、100nm以下とすることが好ましい。ここで、平均粒径は、粒子状のフィラの場合はレーザー回折散乱法で、コロイダル状のフィラの場合は窒素吸着法で測定して確認することができる。このようなフィラとしては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、マイカ、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、焼成クレー、タルク、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素等を挙げることができる。これらは1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。これらの中では、誘電特性にすぐれたシリカが好ましい。フィラは、D−BMIとの密着性を向上させるため、その表面をシランカップリング剤で処理してもよい。フィラの配合量としては、本発明の組成物中の固形分全量に対し、10〜80質量%とすることが好ましい。
本発明の組成物には、耐熱性、剛性等の特性を向上させるため、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、活性エステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等の熱硬化性樹脂を配合することができる。
熱硬化性樹脂の配合量としては、本発明の組成物中の固形分全量に対し、1〜20質量%とすることが好ましい。
本発明の組成物を用いたFCCLは、例えば、以下のような方法で得ることができる。
すなわち、先ず、フィルム基材上に、本発明の組成物を含む溶液を塗布、100〜150℃で乾燥後、本発明の組成物からなる接着層被膜を形成させる。次に、この接着層と銅箔とを熱圧着することにより、銅箔/接着層/フィルム基材がこの順に積層されたFCCLを得ることができる。熱圧着の条件としては、温度160〜220℃、圧力1〜6MPaとすることが好ましい。この熱圧着過程において、D−BMIの硬化と同時に、D−BMIの酸成分とポリカルボジイミドとの反応が進行し、銅箔との接着層との強固な接着を確保することができる。フィルム基材としては、誘電特性、寸法安定性、耐熱性に優れた、LCPフィルム、PIフィルム等を用いることが好ましい。なお、フィルム基材の片面に接着層を形成させて銅箔と積層することにより、片面FCCLとすることができる。 また、フィルム基材の両面に接着層を形成させて銅箔と積層することにより、両面FCCLとすることができる。
FCCLにおけるフィルム基材の厚みは、特に限定されるものではないが、5μm以上、100μm以下のものが好ましい。
FCCLにおける銅箔の厚みは、特に限定されるものではないが、5μm以上、20μm以下のものが好ましい。
銅箔は、化学的あるいは機械的な表面処理が施されていてもよい。化学的な表面処理としては、ニッケルメッキ、銅−亜鉛合金メッキ等のメッキ処理、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート、シランカップリング剤等の表面処理剤による処理などが挙げられ、シランカップリング剤による表面処理が好ましい。シランカップリング剤としては、アミノ基を有するシランカップリング剤が好適に使用できる。一方、機械的な表面処理としては、粗面化処理などが挙げることができる。これらの銅箔は市販品を用いることができる。
FCCLにおける接着層の厚みは、0.5μm以上、15μm以下とすることが好ましく、1μm以上、10μm以下とすることより好ましく、1μm以上、5μm以下とすることがさらに好ましい。
銅箔と接着層との接着強度は、7N/cm以上とすることが好ましく、9N/cmとすることがより好ましい。このようにすることにより、銅箔との良好な接着性を確保することができる。本発明の組成物を用いた接着層は、前記したような接着層の厚みが薄い場合でも、このような高い接着強度を確保することができる。
なお、銅箔と接着層との接着強度は、JIS−C6471の規定に基づき、方法A(90°方向引きはがし)で測定することにより確認することができる。
フィルム基材と接着層とからなる絶縁フィルム全体のDfは、0.004以下とすることが好ましく、0.003以下とすることがより好ましい。このようにすることにより、絶縁フィルムの良好な誘電特性を確保したFCLLとすることができ、これを高周波用の基板として用いた際の伝送損失を低減することができる。なお、絶縁フィルム全体のDfは、JIS−C 2138の規定に基づき、共振法により3GHzで測定することにより確認することができる。
本発明の組成物を含む溶液を、銅箔上に、塗布、100〜150℃で乾燥することにより、本発明の組成物からなる接着層被膜を銅箔上に形成させることもできる。このようにして得られる接着層付き銅箔と、FCCLの銅層の一部をエッチング処理して得られる、回路が形成されたFCCLとを用いて、多層基板とすることができる。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
以下の参考例において、実施例および比較例で用いたD−BMI溶液の調製例を示す。
<参考例1>
(D−BMI溶液の作成−1)
反応容器に、250mlのトルエン、0.35モルのトリエチルアミン、0.36モルのメタンスルホン酸を加えて混合した。次に、0.11モルのプリアミン1075(クローダジャパン社製のDDAで分子量は550)および0.05モルのPMDAを、撹拌しつつ加えた。ディーンスタークトラップとコンデンサーとを反応容器に取り付け、混合物を2時間還流して、イミド化による生成する水を系外に除去することによりATPIを得た。反応混合物を、室温に冷却し、0.13モルの無水マレイン酸を反応容器に加え、続いて0.05モルのメタンスルホン酸を加えた。混合物を、さらに12時間還流し、マレイミド化による生成する水を反応系外に除去した。室温に冷却後、さらにトルエン100mlを加え、沈殿物を生成させた。濾過により沈殿物を除去することにより、D−BMIのトルエン溶液を得た。この溶液をメタノールによる溶媒洗浄を行うことにより、D−BMI濃度が50質量%のD−BMI溶液(L−1)を得た。このD−BMIの酸価は21.6mgKOH/gであった。
<参考例2>
(D−BMI溶液の作成−2)
参考例1で得られたL−1を、撹拌下で、大量のメタノールに加え、D−BMIを再沈殿し、これを濾過、乾燥後、トルエンに再溶解することにより、D−BMI濃度が50質量%のBMI溶液(L−2)を得た。このD−BMIの酸価は8.9mgKOH/gであった。
<参考例3>
(D−BMI溶液の作成−3)
参考例2で得られたL−2(200g)に、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド(4g)を加え、80℃で5時間反応させた。冷却後、この溶液をメタノールによる溶媒洗浄を行うことにより、D−BMI濃度が50質量%のD−BMI溶液(L−3)を得た。このD−BMIの酸価は0.7mgKOH/gであった。
<参考例4>
(D−BMI溶液の作成−4)
DDAをDA−12とし、PMDAをBPDAとしたこと以外は、参考例1と同様にして、D−BMI溶液を得た。この溶液を、撹拌下で、大量のメタノールに加え、D−BMIを再沈殿し、これを濾過、乾燥後、トルエンに再溶解することにより、D−BMI濃度が50質量%のBMI溶液(L−4)を得た。このD−BMIの酸価は13.7mgKOH/gであった。
<参考例5>
(D−BMI溶液の作成−5)
DDAをDA−10とし、PMDAをBPDAとしたこと以外は、参考例1と同様にして、D−BMI溶液を得た。この溶液を、撹拌下で、大量のメタノールに加え、D−BMIを再沈殿し、これを濾過、乾燥後、トルエンに再溶解することにより、D−BMI濃度が50質量%のBMI溶液(L−5)を得た。このD−BMIの酸価は6.5mgKOH/gであった。
<参考例6>
(D−BMI溶液の作成−6)
参考例1における「D−BMIのトルエン溶液のメタノールによる溶媒洗浄」を、「D−BMIのトルエン溶液の水による溶媒洗浄」としたこと以外は、参考例1と同様にして、D−BMI濃度が50質量%のD−BMI溶液(L−6)を得た。このD−BMIの酸価は30.6mgKOH/gであった。
<実施例1>
参考例2で得られたL−2(100g)に、ポリカルボジイミド(2.5g)、ジクミルパーオキサイド(0.5g)を加えて撹拌することにより、均一な接着層形成用溶液(A−1)を得た。ここで、ポリカルボジイミドは、日清紡社製商品名「カルボジライトV−05」を用いた。
次に、アプリケータを用いて、フィルム基材であるLCPフィルム(クラレ社製商品名「ベクスターCTF25」)上にA−1を硬化後の厚みが4μmとなるように塗布後、130℃で乾燥することにより、積層フィルムを得た。
次に、この積層フィルムの接着層面と銅箔(古河電工社製商品名「F2WS−18」)とが対面するように積層し、熱プレスにて180℃、2MPa、1時間の条件で熱圧着し、銅箔/接着層/LCPフィルムがこの順に積層一体化されたFCCL(F−1)を得た。
F−1の接着層と銅箔との接着強度は、11N/cmであった。
次に、F−1の銅箔をエッチングにより除去することにより、フィルム基材と接着層とからなる絶縁フィルムを得た。この絶縁フィルムのDfは0.0017であった。
<実施例2>
ポリカルボジイミドの配合量を4.0gとしたこと以外は、実施例1と同様に行いFCCL(F−2)を得た。
F−2の接着層と銅箔との接着強度は、12N/cmであった。F−2の絶縁フィルムのDfは、0.0018であった。
<実施例3>
D−BMI溶液としてL−4を用いたこと以外は、実施例1と同様に行いFCCL(F−3)を得た。F−3の接着層と銅箔との接着強度は、12N/cmであった。F−3の絶縁フィルムのDfは、0.0031であった。
<実施例4>
D−BMI溶液としてL−5を用いたこと以外は、実施例1と同様に行いFCCL(F−4)を得た。F−4の接着層と銅箔との接着強度は、12N/cmであった。F−4の絶縁フィルムのDfは、0.0036であった。
<実施例5>
D−BMIとしてL−1を用いたこと以外は、実施例1と同様に行いFCCL(F−5)を得た。F−5の接着層と銅箔との接着強度は、9.5N/cmであった。F−5の絶縁フィルムのDfは、0.0025であった。
<比較例1>
D−BMIとしてL−6を用いたこと以外は、実施例1と同様に行いFCCL(F−6)を得た。F−6の接着層と銅箔との接着強度は、12N/cmであった。F−6の絶縁フィルムのDfは、0.0041であった。
<比較例2>
D−BMIとしてL−3を用いたこと以外は、実施例1と同様に行いFCCL(F−7)を得た。F−7の接着層と銅箔との接着強度は、6.9N/cmであった。F−7の絶縁フィルムのDfは、0.0016であった。
実施例で示したように、本発明の組成物から得られたFCCLは、接着強度が高く、Dfが低いことが判る。 これに対し、比較例の組成物から得られたFCCLは、接着強度またはDfのどちらか一方が、劣っていることが判る。
本発明の組成物を用いて得られるFCCLは、銅箔との接着力が優れ、かつ誘電特性に優れる。このFCCLは高周波帯域用のプリント回路やアンテナ基板等の基板として好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 脂肪族ジアミンをジアミン成分として用いたビスマレイミドと、ポリカルボジイミドとからなり、前記ビスマレイミドの酸価が1mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下であることを特徴とするフレキシブル銅張積層板用組成物。
  2. 脂肪族ジアミンが、炭素数10以上のアルキレン基を有するジアミンであることを特徴とする請求項1記載のフレキシブル銅張積層板用組成物。
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Citations (8)

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