JP2020084070A - 重合性液晶組成物、光学異方性層、位相差膜、偏光板、積層体、液晶表示装置および有機電界発光装置 - Google Patents
重合性液晶組成物、光学異方性層、位相差膜、偏光板、積層体、液晶表示装置および有機電界発光装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、熱耐久性に優れた偏光板を作製できる重合性液晶組成物、光学異方性層、位相差膜、偏光板、積層体、液晶表示装置および有機電界発光装置を提供することを課題とする。【解決手段】酸無水物と逆波長分散性を示す重合性液晶化合物とを含有する、重合性液晶組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、重合性液晶組成物、光学異方性層、位相差膜、偏光板、積層体、液晶表示装置および有機電界発光装置に関する。
従来から、光学異方性層と偏光子とを有する偏光板が、光学補償や反射防止などを目的として、液晶表示装置や有機電界発光装置などに用いられている。
近年、可視光域の光線が混在している合成波である白色光に対して、全ての波長の光線に対応して同様の効果を与えることができる偏光板(いわゆる広帯域偏光板)の開発が進められており、特に、偏光板が適用される装置の薄型化の要求から、偏光板に含まれる光学異方性層についても薄型化が求められている。
このような要求に対して、例えば、特許文献1および2においては、光学異方性層の形成に使用する重合性化合物として、逆波長分散性の重合性液晶化合物の利用が提案されている。
近年、可視光域の光線が混在している合成波である白色光に対して、全ての波長の光線に対応して同様の効果を与えることができる偏光板(いわゆる広帯域偏光板)の開発が進められており、特に、偏光板が適用される装置の薄型化の要求から、偏光板に含まれる光学異方性層についても薄型化が求められている。
このような要求に対して、例えば、特許文献1および2においては、光学異方性層の形成に使用する重合性化合物として、逆波長分散性の重合性液晶化合物の利用が提案されている。
本発明者は、特許文献1および2に記載されている化合物(重合性液晶化合物)を含有する重合性液晶組成物を重合して得られる光学異方性層を有する偏光板について検討したところ、実用上の態様(例えば、有機電界発光方式のスマートフォンの反射防止を目的とした円偏光板など)に即して、偏光板を両側からガラスに挟みこみ、高温下の条件に長時間曝した場合、面内の中央部に赤みムラが生じることを明らかとした。
なお、逆波長分散性の重合性液晶化合物は、高温高湿環境での耐久性に劣ることは知られているが、上述したようにガラスで挟み込んだ環境、すなわち、水分の供給されないドライの環境における高温条件で赤みムラが生じることは、意外な問題点である。
なお、逆波長分散性の重合性液晶化合物は、高温高湿環境での耐久性に劣ることは知られているが、上述したようにガラスで挟み込んだ環境、すなわち、水分の供給されないドライの環境における高温条件で赤みムラが生じることは、意外な問題点である。
そこで、本発明は、熱耐久性に優れた偏光板を作製できる重合性液晶組成物、光学異方性層、位相差膜、偏光板、積層体、液晶表示装置および有機電界発光装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、特定の重合性液晶化合物とともに、酸無水物を含有する重合性液晶組成物を用いることで、熱耐久性に優れた偏光板を作製できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1] 酸無水物と逆波長分散性を示す重合性液晶化合物とを含有する、重合性液晶組成物。
[2] 上記酸無水物が、下記式(III)で表わされる化合物である、[1]に記載の重合性液晶組成物。
[2] 上記酸無水物が、下記式(III)で表わされる化合物である、[1]に記載の重合性液晶組成物。
(ここでR1及びR2は互いに連結して環を形成してもよい、R1とR2の合計炭素数が2〜50の置換基であり、さらに置換基を有していても良い。)
[3] 上記酸無水物が、下記式(IV)で表わされる化合物である、[1]に記載の重合性液晶組成物。
[3] 上記酸無水物が、下記式(IV)で表わされる化合物である、[1]に記載の重合性液晶組成物。
(ここでR3及びR4は、互いに連結して環を形成してもよい、R3とR4の合計炭素数が0〜30の置換基である。点線部の結合は単結合もしくは二重結合を表わす。)
[4] 上記酸無水物の分子量が、450以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の重合性液晶組成物。
[5] 上記逆波長分散性を示す重合性液晶化合物が、下記式(II)で表される、[1]に記載の重合性液晶組成物。
L1−G1−D1−Ar−D2−G2−L2 ・・・(II)
ここで、上記式(II)中、
D1およびD2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO−O−、−C(=S)O−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CO−O−CR1R2−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−O−CO−、−CR1R2−O−CO−CR3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、または、−CO−NR1−を表す。
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1およびG2は、それぞれ独立に、炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、上記脂環式炭化水素基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−または−NH−で置換されていてもよい。さらに、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基は複数が単結合していても良い。
L1およびL2は、それぞれ独立に、1価の有機基を表し、L1およびL2の少なくとも一方は、重合性基を有する1価の基を表す。
Arは、下記式(II−1)、(II−2)、(II−3)、または、(II−4)で表される2価の芳香環基を表す。
[4] 上記酸無水物の分子量が、450以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の重合性液晶組成物。
[5] 上記逆波長分散性を示す重合性液晶化合物が、下記式(II)で表される、[1]に記載の重合性液晶組成物。
L1−G1−D1−Ar−D2−G2−L2 ・・・(II)
ここで、上記式(II)中、
D1およびD2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO−O−、−C(=S)O−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CO−O−CR1R2−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−O−CO−、−CR1R2−O−CO−CR3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、または、−CO−NR1−を表す。
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1およびG2は、それぞれ独立に、炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、上記脂環式炭化水素基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−または−NH−で置換されていてもよい。さらに、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基は複数が単結合していても良い。
L1およびL2は、それぞれ独立に、1価の有機基を表し、L1およびL2の少なくとも一方は、重合性基を有する1価の基を表す。
Arは、下記式(II−1)、(II−2)、(II−3)、または、(II−4)で表される2価の芳香環基を表す。
上記式(II−1)〜(II−4)中、
Q1は、−S−、−O−、または、−NR11−を表す。
R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Y1は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR12R13、または、−SR12を表し、Z1およびZ2は、互いに結合して芳香環または芳香族複素環を形成してもよく、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
A1およびA2は、それぞれ独立に、−O−、−NR21−、−S−およびCO−からなる群から選択される基を表し、R21は、水素原子または置換基を表す。
Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14族〜第16族の非金属原子を表す。
Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する炭素数2〜30の有機基を表す。
AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
Q2は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の重合性液晶組成物を用いて形成される光学異方性層。
[7] 酸無水物と液晶化合物を含有し、波長450nmで測定した面内レターデーション値であるRe(450)と、波長550nmで測定した面内レターデーション値であるRe(550)と、波長650nmで測定した面内レターデーションの値であるRe(650)とが、Re(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係にある、光学異方性層。
[8] 上記液晶化合物が、下記式(I)で表される部分構造を有する重合体である、[7]に記載の光学異方性層。
*−D1−Ar−D2−* ・・・(I)
ここで、上記式(I)中、
D1およびD2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO−O−、−C(=S)O−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CO−O−CR1R2−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−O−CO−、−CR1R2−O−CO−CR3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、または、−CO−NR1−を表す。
Arは、下記式(II−1)、(II−2)、(II−3)、または、(II−4)で表される2価の芳香環基を表す。
Q1は、−S−、−O−、または、−NR11−を表す。
R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Y1は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR12R13、または、−SR12を表し、Z1およびZ2は、互いに結合して芳香環または芳香族複素環を形成してもよく、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
A1およびA2は、それぞれ独立に、−O−、−NR21−、−S−およびCO−からなる群から選択される基を表し、R21は、水素原子または置換基を表す。
Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14族〜第16族の非金属原子を表す。
Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する炭素数2〜30の有機基を表す。
AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
Q2は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の重合性液晶組成物を用いて形成される光学異方性層。
[7] 酸無水物と液晶化合物を含有し、波長450nmで測定した面内レターデーション値であるRe(450)と、波長550nmで測定した面内レターデーション値であるRe(550)と、波長650nmで測定した面内レターデーションの値であるRe(650)とが、Re(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係にある、光学異方性層。
[8] 上記液晶化合物が、下記式(I)で表される部分構造を有する重合体である、[7]に記載の光学異方性層。
*−D1−Ar−D2−* ・・・(I)
ここで、上記式(I)中、
D1およびD2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO−O−、−C(=S)O−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CO−O−CR1R2−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−O−CO−、−CR1R2−O−CO−CR3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、または、−CO−NR1−を表す。
Arは、下記式(II−1)、(II−2)、(II−3)、または、(II−4)で表される2価の芳香環基を表す。
上記式(II−1)〜(II−4)中、
Q1は、−S−、−O−、または、−NR11−を表す。
R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Y1は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR12R13、または、−SR12を表し、Z1およびZ2は、互いに結合して芳香環または芳香族複素環を形成してもよく、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
A1およびA2は、それぞれ独立に、−O−、−NR21−、−S−およびCO−からなる群から選択される基を表し、R21は、水素原子または置換基を表す。
Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14族〜第16族の非金属原子を表す。
Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する炭素数2〜30の有機基を表す。
AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
Q2は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
[9] 上記式(I)中、D1およびD2の少なくとも一方が、−O−、または、−CO−O−を表す、[8]に記載の光学異方性層。
[10] 上記酸無水物が、上記式(III)で表わされる化合物である、[7]〜[9]のいずれかに記載の光学異方性層。
[11] 液晶化合物を含有する光学異方性層と、上記式(III)で表わされる化合物を含有する層、とを有する位相差膜であり、上記光学異方性層は、450nmで測定した面内レターデーション値であるRe(450)と、波長550nmで測定した面内レターデーション値であるRe(550)と、波長650nmで測定した面内レターデーションの値であるRe(650)とが、Re(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係にある、位相差膜。
[12] 上記液晶化合物が、下記式(I)で表される部分構造を有する重合体である、[11]に記載の位相差膜。
[13] 上記光学異方性層がポジティブAプレートである、[6]〜[10]のいずれかに記載の光学異方性層、もしくは[11]または[12]のいずれかに記載の位相差膜。
[14] 上記ポジティブAプレートがλ/4板である、[13]に記載の光学異方性層もしくは位相差膜。
[15] [6]〜[10]のいずれかに記載の光学異方性層もしくは[11]または[12]のいずれかに記載の位相差膜と、偏光子を有する、偏光板。
[16] [15]に記載の偏光板を有する、液晶表示装置。
[17] [15]に記載の偏光板を有する、有機電界発光装置。
[18]2枚の基板と、上記2枚の基板の間に配置された[15]に記載の偏光板とを有する積層体であって、上記基板の透湿度が10−3g/m2・day以下である、積層体。
Q1は、−S−、−O−、または、−NR11−を表す。
R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Y1は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR12R13、または、−SR12を表し、Z1およびZ2は、互いに結合して芳香環または芳香族複素環を形成してもよく、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
A1およびA2は、それぞれ独立に、−O−、−NR21−、−S−およびCO−からなる群から選択される基を表し、R21は、水素原子または置換基を表す。
Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14族〜第16族の非金属原子を表す。
Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する炭素数2〜30の有機基を表す。
AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
Q2は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
[9] 上記式(I)中、D1およびD2の少なくとも一方が、−O−、または、−CO−O−を表す、[8]に記載の光学異方性層。
[10] 上記酸無水物が、上記式(III)で表わされる化合物である、[7]〜[9]のいずれかに記載の光学異方性層。
[11] 液晶化合物を含有する光学異方性層と、上記式(III)で表わされる化合物を含有する層、とを有する位相差膜であり、上記光学異方性層は、450nmで測定した面内レターデーション値であるRe(450)と、波長550nmで測定した面内レターデーション値であるRe(550)と、波長650nmで測定した面内レターデーションの値であるRe(650)とが、Re(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係にある、位相差膜。
[12] 上記液晶化合物が、下記式(I)で表される部分構造を有する重合体である、[11]に記載の位相差膜。
[13] 上記光学異方性層がポジティブAプレートである、[6]〜[10]のいずれかに記載の光学異方性層、もしくは[11]または[12]のいずれかに記載の位相差膜。
[14] 上記ポジティブAプレートがλ/4板である、[13]に記載の光学異方性層もしくは位相差膜。
[15] [6]〜[10]のいずれかに記載の光学異方性層もしくは[11]または[12]のいずれかに記載の位相差膜と、偏光子を有する、偏光板。
[16] [15]に記載の偏光板を有する、液晶表示装置。
[17] [15]に記載の偏光板を有する、有機電界発光装置。
[18]2枚の基板と、上記2枚の基板の間に配置された[15]に記載の偏光板とを有する積層体であって、上記基板の透湿度が10−3g/m2・day以下である、積層体。
本発明によれば、熱耐久性に優れた偏光板を作製できる重合性液晶組成物、光学異方性層、位相差膜、偏光板、積層体、液晶表示装置および有機電界発光装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
また、本明細書において、表記される二価の基(例えば、−O−CO−)の結合方向は、結合位置を明記している場合を除き、特に制限されず、例えば、後述する式(II)中のD1が−CO−O−である場合、G1側に結合している位置を*1、Ar側に結合している位置を*2とすると、D1は、*1−CO−O−*2であってもよく、*1−O−CO−*2であってもよい。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」または「メタクリレート」を表す表記であり、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を表す表記であり、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」または「メタクリロイル」を表す表記である。
また、本明細書において、角度に関する「直交」および「平行」とは、厳密な角度±10°の範囲を意味するものとし、角度に関する「同一」および「異なる」は、その差が5°未満であるか否かを基準に判断できる。
また、本明細書において、「可視光」とは、380〜780nmのことをいう。
また、本明細書において、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
次に、本明細書で用いられる用語について説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
また、本明細書において、表記される二価の基(例えば、−O−CO−)の結合方向は、結合位置を明記している場合を除き、特に制限されず、例えば、後述する式(II)中のD1が−CO−O−である場合、G1側に結合している位置を*1、Ar側に結合している位置を*2とすると、D1は、*1−CO−O−*2であってもよく、*1−O−CO−*2であってもよい。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」または「メタクリレート」を表す表記であり、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を表す表記であり、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」または「メタクリロイル」を表す表記である。
また、本明細書において、角度に関する「直交」および「平行」とは、厳密な角度±10°の範囲を意味するものとし、角度に関する「同一」および「異なる」は、その差が5°未満であるか否かを基準に判断できる。
また、本明細書において、「可視光」とは、380〜780nmのことをいう。
また、本明細書において、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
次に、本明細書で用いられる用語について説明する。
<含水量>
本明細書において、「含水量」とは、切り出された試料の初期重量、および120℃で2時間乾燥後の乾燥重量の変化量を単位面積当たりに換算した重量を意味する。
本明細書において、「含水量」とは、切り出された試料の初期重量、および120℃で2時間乾燥後の乾燥重量の変化量を単位面積当たりに換算した重量を意味する。
<遅相軸>
本明細書において、「遅相軸」とは、面内において屈折率が最大となる方向を意味する。なお、光学異方性層の遅相軸という場合は、光学異方性層全体の遅相軸を意図する。
本明細書において、「遅相軸」とは、面内において屈折率が最大となる方向を意味する。なお、光学異方性層の遅相軸という場合は、光学異方性層全体の遅相軸を意図する。
<Re(λ)、Rth(λ)>
本明細書において、「Re(λ)」および「Rth(λ)」は、それぞれ、波長λにおける面内のレターデーション、および、厚さ方向のレターデーションを表す。
ここで、面内レターデーションおよび厚み方向のレターデーションの値は、AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)を用い、測定波長の光を用いて測定した値をいう。
具体的には、AxoScan OPMF−1にて、平均屈折率((Nx+Ny+Nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((nx+ny)/2−nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScan OPMF−1で算出される数値として表示され
るものであるが、Re(λ)を意味している。
本明細書において、「Re(λ)」および「Rth(λ)」は、それぞれ、波長λにおける面内のレターデーション、および、厚さ方向のレターデーションを表す。
ここで、面内レターデーションおよび厚み方向のレターデーションの値は、AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)を用い、測定波長の光を用いて測定した値をいう。
具体的には、AxoScan OPMF−1にて、平均屈折率((Nx+Ny+Nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((nx+ny)/2−nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScan OPMF−1で算出される数値として表示され
るものであるが、Re(λ)を意味している。
[重合性液晶組成物]
本発明の重合性液晶組成物は、酸無水物(以下、単に「特定化合物」とも略す。)と、逆分散性を示す重合性液晶化合物(以下、単に「特定液晶化合物」とも略す。)とを含有する。
本発明の重合性液晶組成物は、酸無水物(以下、単に「特定化合物」とも略す。)と、逆分散性を示す重合性液晶化合物(以下、単に「特定液晶化合物」とも略す。)とを含有する。
本発明においては、上述した通り、特定液晶化合物とともに、酸無水物を配合した重合性液晶組成物を用いることにより、形成される光学異方性層を有する偏光板の熱耐久性が良好となる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者は以下のように推測している。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者は以下のように推測している。
逆波長分散性を示す重合性液晶化合物は水などの求核種による分解を受けやすく、特にアミン化合物が存在する場合において、この問題が顕著になる傾向にある。
具体的には、本発明者は、特定液晶化合物を用いて作製した光学異方性層を高温高湿条件下に曝した場合、一定の誘導期間を経て、光学異方性層に含まれる特定液晶化合物の分解が急激に起こり、面内のレターデーション値の変動が大きくなることを知見している。この理由は、以下の現象によるものと推測される。
特定液晶化合物を逆波長分散性にするための1つの方法として、電子求引性の性質を持たせることがあるが、これにより特定液晶化合物を構成する炭素原子のプラスの分極が大きくなり、求核種(水あるいはアミンと推定)の攻撃を受けやすくなるものと推測される。
具体的には、本発明者は、特定液晶化合物を用いて作製した光学異方性層を高温高湿条件下に曝した場合、一定の誘導期間を経て、光学異方性層に含まれる特定液晶化合物の分解が急激に起こり、面内のレターデーション値の変動が大きくなることを知見している。この理由は、以下の現象によるものと推測される。
特定液晶化合物を逆波長分散性にするための1つの方法として、電子求引性の性質を持たせることがあるが、これにより特定液晶化合物を構成する炭素原子のプラスの分極が大きくなり、求核種(水あるいはアミンと推定)の攻撃を受けやすくなるものと推測される。
その一方で、偏光板を両側からガラスに挟みこんだ環境下においては、水などの求核種が外部からは供給されにくいため微量であり、かつ外部に放出されにくいと推測される。
そのため、本発明においては、限られた量の酸無水物であっても水あるいはアミンと反応することにより分解反応が抑制され改良効果が得られたものと考えられる。
以下、本発明の重合性液晶組成物の各成分について詳細に説明する。
そのため、本発明においては、限られた量の酸無水物であっても水あるいはアミンと反応することにより分解反応が抑制され改良効果が得られたものと考えられる。
以下、本発明の重合性液晶組成物の各成分について詳細に説明する。
〔酸無水物〕
本発明の重合性液晶組成物は酸無水物を含有する。酸無水物は鎖状、環状のいずれであっても効果を発現するが、環状化合物の方が好ましい。
本発明の重合性液晶組成物は酸無水物を含有する。酸無水物は鎖状、環状のいずれであっても効果を発現するが、環状化合物の方が好ましい。
酸無水物の構造は、下記一般式(III)の構造が好ましい。
(ここでR1及びR2は互いに連結して環を形成してもよい、R1とR2の合計炭素数が炭素数2〜50の置換基であり、さらに置換基を有していても良い。)
ここでR1及びR2は互いに連結して環を形成してもよい、R1とR2の合計炭素数が炭素数2〜50の置換基であり、好ましくは炭素数2〜35、より好ましくは炭素数2〜30の置換基である。
置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が挙げられる。
更に詳しくは、水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ、m-n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホンアミド、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5,−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
酸無水物の構造は、下記一般式(IV)の構造がさらに好ましい。
(ここでR3及びR4は、互いに連結して環を形成してもよい、R3とR4の合計炭素数が炭素数0〜20の置換基である。点線部の結合は単結合もしくは二重結合を表わす。)
具体的構造としては、以下に本発明で用いる酸無水物を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。無置換の場合、即ち水素原子が置換している場合は表記を省略している。
更に、本発明においては、液晶化合物の配向性を維持する観点から、上記酸無水物の分子量が450以下であることが好ましい。
上記酸無水物の含有量は、後述する特定液晶化合物の配向性の観点、および、形成される光学異方性層を有する偏光板の熱耐久性が更に向上する理由から、後述する特定液晶化合物100質量部に対して、0.5〜20質量部であることが好ましく、0.8〜10質量部であることがより好ましく、1.0〜6.0質量部であることが更に好ましい。
〔特定液晶化合物〕
本発明の重合性液晶組成物が含有する特定液晶化合物は、重合性液晶化合物であり、「逆波長分散性」を示す化合物である。
ここで、本明細書において「逆波長分散性」を示す化合物とは、これを用いて作製された光学異方性層の特定波長(可視光範囲)における面内のレターデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が同等または高くなるものをいい、後述するようにRe(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係を満たすものをいう。
本発明の重合性液晶組成物が含有する特定液晶化合物は、重合性液晶化合物であり、「逆波長分散性」を示す化合物である。
ここで、本明細書において「逆波長分散性」を示す化合物とは、これを用いて作製された光学異方性層の特定波長(可視光範囲)における面内のレターデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が同等または高くなるものをいい、後述するようにRe(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係を満たすものをいう。
本発明の特定液晶化合物の好ましい構造のひとつは、下記式(II)で表わされる。
L1−G1−D1−Ar−D2−G2−L2 ・・・(II)
上記式(II)中、D1およびD2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO−O−、−C(=S)O−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CO−O−CR1R2−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−O−CO−、−CR1R2−O−CO−CR3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、または、−CO−NR1−を表す。
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R1、R2、R3およびR4のそれぞれが複数存在する場合には、複数のR1、複数のR2、複数のR3および複数のR4はそれぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。
G1およびG2は、それぞれ独立に、炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、上記脂環式炭化水素基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−または−NH−で置換されていてもよい。さらに、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基は複数が単結合していても良い。
L1およびL2はそれぞれ独立に、1価の有機基を表し、L1およびL2の少なくとも一方は、重合性基を有する1価の基を表す。
Arは、下記式(II−1)、(II−2)、(II−3)、または、(II−4)で表される2価の芳香環基を表す。
L1−G1−D1−Ar−D2−G2−L2 ・・・(II)
上記式(II)中、D1およびD2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO−O−、−C(=S)O−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CO−O−CR1R2−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−O−CO−、−CR1R2−O−CO−CR3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、または、−CO−NR1−を表す。
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R1、R2、R3およびR4のそれぞれが複数存在する場合には、複数のR1、複数のR2、複数のR3および複数のR4はそれぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。
G1およびG2は、それぞれ独立に、炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、上記脂環式炭化水素基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−または−NH−で置換されていてもよい。さらに、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基は複数が単結合していても良い。
L1およびL2はそれぞれ独立に、1価の有機基を表し、L1およびL2の少なくとも一方は、重合性基を有する1価の基を表す。
Arは、下記式(II−1)、(II−2)、(II−3)、または、(II−4)で表される2価の芳香環基を表す。
上記式(II−1)〜(II−4)中、Q1は、−S−、−O−、または−NR11−を表し、
R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
Y1は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12の芳香族複素環基を表し(なお、上記芳香族炭化水素基および上記芳香族複素環基は置換基を有していてもよい)、
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR12R13または−SR12を表し、
Z1およびZ2は、互いに結合して芳香環または芳香族複素環を形成してもよく、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
A1およびA2は、それぞれ独立に、−O−、−NR21−、−S−および−CO−からなる群から選ばれる基であって、R21は、水素原子または置換基を表し、Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14族〜第16族の非金属原子(好ましくは、=O、=S、=NR’、=C(R’)R’が挙げられる(ここでR’は置換基を表す))を表し、
Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表し、好ましくは、芳香族炭化水素環基;芳香族複素環基;芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数3〜20のアルキル基;芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数3〜20のアルケニル基;芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数3〜20のアルケニル基が挙げられ、
Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する炭素数2〜30の有機基を表し、この有機基の好適態様は、上記Axの有機基の好適態様と同じであり、
AxおよびAyにおける芳香環はそれぞれ、置換基を有していてもよく、AxとAyは結合して、環を形成していてもよく、
Q2は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
なお、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。
R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
Y1は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12の芳香族複素環基を表し(なお、上記芳香族炭化水素基および上記芳香族複素環基は置換基を有していてもよい)、
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR12R13または−SR12を表し、
Z1およびZ2は、互いに結合して芳香環または芳香族複素環を形成してもよく、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
A1およびA2は、それぞれ独立に、−O−、−NR21−、−S−および−CO−からなる群から選ばれる基であって、R21は、水素原子または置換基を表し、Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14族〜第16族の非金属原子(好ましくは、=O、=S、=NR’、=C(R’)R’が挙げられる(ここでR’は置換基を表す))を表し、
Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表し、好ましくは、芳香族炭化水素環基;芳香族複素環基;芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数3〜20のアルキル基;芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数3〜20のアルケニル基;芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数3〜20のアルケニル基が挙げられ、
Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する炭素数2〜30の有機基を表し、この有機基の好適態様は、上記Axの有機基の好適態様と同じであり、
AxおよびAyにおける芳香環はそれぞれ、置換基を有していてもよく、AxとAyは結合して、環を形成していてもよく、
Q2は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
なお、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルファニル基、炭素数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のN−アルキルスルファモイル基、炭素数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基、またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。
上記式(II)で表される重合性液晶化合物の各置換基の定義および好ましい範囲については、特開2012−21068号公報に記載の化合物(A)に関するD1、D2、G1、G2、L1、L2、R4、R5、R6、R7、X1、Y1、Q1、Q2に関する記載をそれぞれD1、D2、G1、G2、L1、L2、R1、R2、R3、R4、Q1、Y1、Z1、およびZ2について参照でき、特開2008−107767号公報に記載の一般式(I)で表される化合物についてのA1、A2、およびXに関する記載をそれぞれA1、A2、およびXについて参照でき、国際公開第2013/018526号に記載の一般式(I)で表される化合物についてのAx、Ay、Q1に関する記載をそれぞれAx、Ay、Q2について参照できる。Z3については特開2012−21068号公報に記載の化合物(A)に関するQ1の記載を参照できる。
特に、L1およびL2で示される有機基としては、それぞれ、特に、−D3−G3−Sp−P3で表される基であることが好ましい。
D3は、D1と同義である。
G1およびG3は、単結合、炭素数6〜12の2価の芳香環基もしくは複素環基、または炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表し、上記脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−または−NR7−で置換されていてもよく、ここでR7は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
さらに、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基は複数が単結合していても良い。特に、シクロヘキサン環が2個結合した基であることは好ましい。
Spは、単結合、−(CH2)n−、−(CH2)n−O−、−(CH2−O−)n−、−(CH2CH2−O−)m、−O−(CH2)n−、−O−(CH2)n−O−、−O−(CH2−O−)n−、−O−(CH2CH2−O−)m、−C(=O)−O−(CH2)n−、−C(=O)−O−(CH2)n−O−、−C(=O)−O−(CH2−O−)n−、−C(=O)−O−(CH2CH2−O−)m、−C(=O)−N(R8)−(CH2)n−、−C(=O)−N(R8)−(CH2)n−O−、−C(=O)−N(R8)−(CH2−O−)n−、−C(=O)−N(R8)−(CH2CH2−O−)m、または、−(CH2)n−O−(C=O)−(CH2)n−C(=O)−O−(CH2)n−で表されるスペーサー基を表す。ここで、nは2〜12の整数を表し、mは2〜6の整数を表し、R8は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。また、上記各基における−CH2−の水素原子は、メチル基で置換されていてもよい。
P3は重合性基を示す。
D3は、D1と同義である。
G1およびG3は、単結合、炭素数6〜12の2価の芳香環基もしくは複素環基、または炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表し、上記脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−または−NR7−で置換されていてもよく、ここでR7は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
さらに、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基は複数が単結合していても良い。特に、シクロヘキサン環が2個結合した基であることは好ましい。
Spは、単結合、−(CH2)n−、−(CH2)n−O−、−(CH2−O−)n−、−(CH2CH2−O−)m、−O−(CH2)n−、−O−(CH2)n−O−、−O−(CH2−O−)n−、−O−(CH2CH2−O−)m、−C(=O)−O−(CH2)n−、−C(=O)−O−(CH2)n−O−、−C(=O)−O−(CH2−O−)n−、−C(=O)−O−(CH2CH2−O−)m、−C(=O)−N(R8)−(CH2)n−、−C(=O)−N(R8)−(CH2)n−O−、−C(=O)−N(R8)−(CH2−O−)n−、−C(=O)−N(R8)−(CH2CH2−O−)m、または、−(CH2)n−O−(C=O)−(CH2)n−C(=O)−O−(CH2)n−で表されるスペーサー基を表す。ここで、nは2〜12の整数を表し、mは2〜6の整数を表し、R8は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。また、上記各基における−CH2−の水素原子は、メチル基で置換されていてもよい。
P3は重合性基を示す。
重合性基は特に限定されないが、ラジカル重合またはカチオン重合可能な重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、公知のラジカル重合性基が挙げられ、アクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましい。重合速度はアクリロイル基が一般的に速いことが知られており、生産性向上の観点からアクリロイル基が好ましいが、メタクリロイル基も高複屈折性液晶の重合性基として同様に使用することができる。
カチオン重合性基としては、公知のカチオン重合性が挙げられ、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、および、ビニルオキシ基が挙げられる。中でも、脂環式エーテル基、または、ビニルオキシ基が好ましく、エポキシ基、オキセタニル基、または、ビニルオキシ基がより好ましい。
特に好ましい重合性基の例としては下記が挙げられる。
ラジカル重合性基としては、公知のラジカル重合性基が挙げられ、アクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましい。重合速度はアクリロイル基が一般的に速いことが知られており、生産性向上の観点からアクリロイル基が好ましいが、メタクリロイル基も高複屈折性液晶の重合性基として同様に使用することができる。
カチオン重合性基としては、公知のカチオン重合性が挙げられ、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、および、ビニルオキシ基が挙げられる。中でも、脂環式エーテル基、または、ビニルオキシ基が好ましく、エポキシ基、オキセタニル基、または、ビニルオキシ基がより好ましい。
特に好ましい重合性基の例としては下記が挙げられる。
なお、本明細書において、「アルキル基」は、直鎖状、分枝鎖状および環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、および、シクロヘキシル基が挙げられる。
上記式(II)で表される重合性液晶化合物の好ましい例を以下に示すが、これらの液晶化合物に限定されるものではない。
なお、上記式中、「*」は結合位置を表す。
II−2−8
II−2−9
なお、上記式II−2−8およびII−2−9中のアクリロイルオキシ基に隣接する基は、プロピレン基(メチル基がエチレン基に置換した基)を表し、メチル基の位置が異なる位置異性体の混合物を表す。
上記の好ましい例に加えて、他に好ましい側鎖構造の例を以下に示す。
また、本発明の特定液晶化合物の好ましい構造として、下記の一般式(V)の構造も含まれる。
L1−[D1−G1]m−E1−A−E2−[G2−D2]n−L2 ・・・(V)
上記一般式(V)において、
Aは、炭素数5〜8の非芳香族の炭素環式もしくはヘテロ環式基、または炭素数6〜20の芳香族もしくはヘテロ芳香族基であり;
E1、E2、D1およびD2は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基であり;
L1およびL2は、それぞれ独立に、−H、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NC、−NCO、−OCN、−SCN、−C(=O)NR1R2、−C(=O)R1、−O−C(=O)R1、−NH2、−SH、−SR1、−SO3H、−SO2R1、−OH、−NO2、−CF3、−SF3、置換もしくは非置換のシリル、置換もしくは非置換の炭素数1〜40のカルビルまたはヒドロカルビル、または−Sp−Pであって、上記L1およびL2のうちの少なくとも1つは、−Sp−Pであり、上記Pは、重合性基であり、上記Spは、スペーサー基または単結合であり、上記R1およびR2は、それぞれ独立に、−Hまたは炭素数1〜12のアルキルであり;
mおよびnは、それぞれ独立に、1〜5の整数であって;上記mまたはnが2以上であれば、2以上繰り返される−(D1−G1)−または−(G2−D2)−の各繰り返し単位は、互いに同一であっても異なっていてもよく;
G1およびG2は、それぞれ独立に、炭素数5〜8の非芳香族の炭素環式もしくはヘテロ環式基、または炭素数6〜20の芳香族もしくはヘテロ芳香族基であって、上記G1およびG2のうちの少なくとも1つは、上記炭素環式もしくはヘテロ環式基であり、上記炭素環式もしくはヘテロ環式基に含まれているいずれか1つの水素は、下記一般式(VI)で表される基で置換されている:
*−[Q1]p−B1 ・・・(VI)
上記一般式(VI)において、
pは、1〜10の整数であって、pが2以上であれば、2以上繰り返される−(Q1)−の各繰り返し単位は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
Q1は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CY1=CY2−、および炭素数6〜20の置換もしくは非置換の芳香族基、またはヘテロ芳香族基からなる群より選択された2価基であって、上記Y1およびY2は、それぞれ独立に、−H、−F、−Cl、−CN、または−R1であり、
B1は、−H、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NC、−NCO、−OCN、−SCN、−C(=O)NR1R2、−C(=O)R1、−NH2、−SH、−SR1、−SO3H、−SO2R1、−OH、−NO2、−CF3、−SF3、重合性基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数2〜4のアシル基、末端に炭素数2〜4のアシル基が結合した炭素数2〜6のアルキニレン基、炭素数1〜5のアルコール基、または炭素数1〜12のアルコキシ基であり、上記R1およびR2は、それぞれ独立に、−Hまたは炭素数1〜12のアルキルである。
L1−[D1−G1]m−E1−A−E2−[G2−D2]n−L2 ・・・(V)
上記一般式(V)において、
Aは、炭素数5〜8の非芳香族の炭素環式もしくはヘテロ環式基、または炭素数6〜20の芳香族もしくはヘテロ芳香族基であり;
E1、E2、D1およびD2は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基であり;
L1およびL2は、それぞれ独立に、−H、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NC、−NCO、−OCN、−SCN、−C(=O)NR1R2、−C(=O)R1、−O−C(=O)R1、−NH2、−SH、−SR1、−SO3H、−SO2R1、−OH、−NO2、−CF3、−SF3、置換もしくは非置換のシリル、置換もしくは非置換の炭素数1〜40のカルビルまたはヒドロカルビル、または−Sp−Pであって、上記L1およびL2のうちの少なくとも1つは、−Sp−Pであり、上記Pは、重合性基であり、上記Spは、スペーサー基または単結合であり、上記R1およびR2は、それぞれ独立に、−Hまたは炭素数1〜12のアルキルであり;
mおよびnは、それぞれ独立に、1〜5の整数であって;上記mまたはnが2以上であれば、2以上繰り返される−(D1−G1)−または−(G2−D2)−の各繰り返し単位は、互いに同一であっても異なっていてもよく;
G1およびG2は、それぞれ独立に、炭素数5〜8の非芳香族の炭素環式もしくはヘテロ環式基、または炭素数6〜20の芳香族もしくはヘテロ芳香族基であって、上記G1およびG2のうちの少なくとも1つは、上記炭素環式もしくはヘテロ環式基であり、上記炭素環式もしくはヘテロ環式基に含まれているいずれか1つの水素は、下記一般式(VI)で表される基で置換されている:
*−[Q1]p−B1 ・・・(VI)
上記一般式(VI)において、
pは、1〜10の整数であって、pが2以上であれば、2以上繰り返される−(Q1)−の各繰り返し単位は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
Q1は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CY1=CY2−、および炭素数6〜20の置換もしくは非置換の芳香族基、またはヘテロ芳香族基からなる群より選択された2価基であって、上記Y1およびY2は、それぞれ独立に、−H、−F、−Cl、−CN、または−R1であり、
B1は、−H、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NC、−NCO、−OCN、−SCN、−C(=O)NR1R2、−C(=O)R1、−NH2、−SH、−SR1、−SO3H、−SO2R1、−OH、−NO2、−CF3、−SF3、重合性基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭素数2〜4のアシル基、末端に炭素数2〜4のアシル基が結合した炭素数2〜6のアルキニレン基、炭素数1〜5のアルコール基、または炭素数1〜12のアルコキシ基であり、上記R1およびR2は、それぞれ独立に、−Hまたは炭素数1〜12のアルキルである。
上記一般式(V)の好ましい具体例を下記に示す。
本発明においては、特定液晶化合物の含有量は特に制限されないが、組成物中の全固形分に対して、50〜100質量%が好ましく、70〜99質量%がより好ましい。
固形分とは、組成物中の溶媒を除いた他の成分を意味し、その性状が液状であっても固形分として計算する。
固形分とは、組成物中の溶媒を除いた他の成分を意味し、その性状が液状であっても固形分として計算する。
〔重合性棒状化合物〕
本発明の重合性液晶組成物は、液晶配向性を制御する観点から、上述した特定液晶化合物以外に、重合性棒状化合物を含有していてもよい。なお、上記重合性棒状化合物は、液晶性の有無を問わない。
本発明の重合性液晶組成物は、液晶配向性を制御する観点から、上述した特定液晶化合物以外に、重合性棒状化合物を含有していてもよい。なお、上記重合性棒状化合物は、液晶性の有無を問わない。
上記重合性棒状化合物は、上述した特定液晶化合物との相溶性の観点から、直鎖状のアルキル基で水素原子が1個置換されたシクロヘキサン環を一部に有する化合物(以下、「アルキルシクロヘキサン環含有化合物」とも略す。)であることが好ましい。
ここで、「直鎖状のアルキル基で水素原子が1個置換されたシクロヘキサン環」とは、例えば、下記式(2)に示すように、シクロヘキサン環を2つ有する場合には、分子末端側に存在するシクロヘキサン環の水素原子が直鎖状のアルキル基で1個置換されたシクロヘキサン環をいう。
ここで、「直鎖状のアルキル基で水素原子が1個置換されたシクロヘキサン環」とは、例えば、下記式(2)に示すように、シクロヘキサン環を2つ有する場合には、分子末端側に存在するシクロヘキサン環の水素原子が直鎖状のアルキル基で1個置換されたシクロヘキサン環をいう。
アルキルシクロヘキサン環含有化合物としては、例えば、下記式(2)で表される構造を有する化合物が挙げられ、なかでも、光学異方性層の湿熱耐久性付与の観点から、(メタ)アクリロイル基を有する下記式(3)で表される化合物であるのが好ましい。
ここで、上記式(2)中、*は結合位置を表す。
また、上記式(2)および(3)中、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1または2を表し、W1およびW2はそれぞれアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、また、W1およびW2はこれらが互いに結合し、置換基を有していてもよい環構造を形成していてもよい。
また、上記式(3)中、Zは−COC−または−OCO−を表し、Lは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R3は水素原子またはメチル基を表す。
また、上記式(2)および(3)中、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、nは1または2を表し、W1およびW2はそれぞれアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、また、W1およびW2はこれらが互いに結合し、置換基を有していてもよい環構造を形成していてもよい。
また、上記式(3)中、Zは−COC−または−OCO−を表し、Lは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R3は水素原子またはメチル基を表す。
このようなアルキルシクロヘキサン環含有化合物としては、具体的には、例えば、下記式A−1〜A−5で表される化合物が挙げられる。なお、下記式A−3中、R4は、エチル基またはブチル基を表す。
上記重合性棒状化合物を含有する場合、上記重合性棒状化合物の含有量は、上述した特定液晶化合物および上記重合性棒状化合物の合計質量に対して、1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることが更に好ましい。
〔その他の重合性液晶化合物〕
本発明の重合性液晶組成物は、上述した特定液晶化合物および重合性棒状化合物以外の重合性液晶化合物(以下、「他の重合性液晶化合物」とも略す。)を含有してもよい。
ここで、他の重合性液晶化合物が有する重合性基は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリロイル基を有しているのが好ましい。
本発明の重合性液晶組成物は、上述した特定液晶化合物および重合性棒状化合物以外の重合性液晶化合物(以下、「他の重合性液晶化合物」とも略す。)を含有してもよい。
ここで、他の重合性液晶化合物が有する重合性基は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリロイル基を有しているのが好ましい。
本発明においては、光学異方性層の耐久性が向上する理由などから、他の重合性液晶化合物は、重合性基を2〜4個有する重合性化合物であるのが好ましく、重合性基を2個有する重合性化合物であるのがより好ましい。
このような他の重合性液晶化合物としては、例えば、特開2014−077068号公報の[0030]〜[0033]段落に記載された式(M1)、(M2)、(M3)で表される化合物が挙げられ、より具体的には、同公報の[0046]〜[0055]段落に記載された具体例が挙げられる。
他の重合性液晶化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
他の重合性液晶化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
他の重合性液晶化合物を含有する場合、他の重合性液晶化合物の含有量は、上述した特定液晶化合物、重合性棒状化合物および他の重合性液晶化合物の合計質量に対して、1〜40質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
〔非液晶性の多官能重合性化合物〕
本発明の重合性液晶組成物は、形成される光学異方性層を有する偏光板の熱耐久性が更に向上する理由から、非液晶性の多官能重合性化合物を含有していることが好ましい。
これは、架橋点密度が増えることにより、加水分解反応の触媒となる化合物(液晶分解物と推定)の動きが抑制された結果、加水分解反応の速度が遅くなり、その間に水分の端部への拡散が進行するためと推定している。
本発明の重合性液晶組成物は、形成される光学異方性層を有する偏光板の熱耐久性が更に向上する理由から、非液晶性の多官能重合性化合物を含有していることが好ましい。
これは、架橋点密度が増えることにより、加水分解反応の触媒となる化合物(液晶分解物と推定)の動きが抑制された結果、加水分解反応の速度が遅くなり、その間に水分の端部への拡散が進行するためと推定している。
非液晶性の多官能重合性化合物は、上述した特定液晶化合物の配向性の観点から、アクリル当量が低い化合物が好ましい。
具体的には、アクリル当量が120以下である化合物が好ましく、100以下である化合物がより好ましく、90以下である化合物が更に好ましい。
ここで、アクリル当量とは、分子量をアクリル官能基の数で割ったものである。
具体的には、アクリル当量が120以下である化合物が好ましく、100以下である化合物がより好ましく、90以下である化合物が更に好ましい。
ここで、アクリル当量とは、分子量をアクリル官能基の数で割ったものである。
このような非液晶性の多官能重合性化合物としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが含まれる。
非液晶性の多官能重合性化合物を含有する場合の含有量は、形成される光学異方性層の位相差の発現の観点から、重合性液晶組成物の固形分濃度で、0.1〜20質量%となる量であることが好ましく、0.1〜10質量%となる量であることがより好ましく、1〜6質量%となる量であることが更に好ましい。
〔重合開始剤〕
本発明の重合性液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。
使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報記載)等が挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。
使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報記載)等が挙げられる。
本発明においては、光学異方性層の耐久性がより良好となる理由から、重合開始剤がオキシム型の重合開始剤であるのが好ましく、具体的には、下記式(III)で表される重合開始剤であるのがより好ましい。
ここで、上記式(III)中、Xは、水素原子またはハロゲン原子を表し、Yは、1価の有機基を表す。
また、Ar3は、2価の芳香族基を表し、L6は、炭素数1〜12の2価の有機基を表し、R10は、炭素数1〜12のアルキル基を表す。
また、Ar3は、2価の芳香族基を表し、L6は、炭素数1〜12の2価の有機基を表し、R10は、炭素数1〜12のアルキル基を表す。
上記式(III)中、Xが示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、なかでも、塩素原子であるのが好ましい。
また、上記式(III)中、Ar3が示す2価の芳香族基としては、上記式(II)中のAr2として例示した芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する2価の基などが挙げられる。
また、上記式(III)中、L6が示す炭素数1〜12の2価の有機基としては、例えば、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基が挙げられ、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が好適に挙げられる。
また、上記式(III)中、R10が示す炭素数1〜12のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が好適に挙げられる。
また、上記式(III)中、Yが示す1価の有機基としては、例えば、ベンゾフェノン骨格((C6H5)2CO)を含む官能基が挙げられる。具体的には、下記式(2a)および下記式(2b)で表される基のように、末端のベンゼン環が無置換または1置換であるベンゾフェノン骨格を含む官能基が好ましい。
また、上記式(III)中、Ar3が示す2価の芳香族基としては、上記式(II)中のAr2として例示した芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する2価の基などが挙げられる。
また、上記式(III)中、L6が示す炭素数1〜12の2価の有機基としては、例えば、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基が挙げられ、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が好適に挙げられる。
また、上記式(III)中、R10が示す炭素数1〜12のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が好適に挙げられる。
また、上記式(III)中、Yが示す1価の有機基としては、例えば、ベンゾフェノン骨格((C6H5)2CO)を含む官能基が挙げられる。具体的には、下記式(2a)および下記式(2b)で表される基のように、末端のベンゼン環が無置換または1置換であるベンゾフェノン骨格を含む官能基が好ましい。
ここで、上記式(3a)および上記式(3b)中、*は結合位置、すなわち、上記式(III)におけるカルボニル基の炭素原子との結合位置を表す。
上記式(III)で表されるオキシム型の重合開始剤としては、例えば、下記式S−1で表される化合物や、下記式S−2で表される化合物などが挙げられる。
本発明においては、上記重合開始剤の含有量は特に限定されないが、重合開始剤の含有量は、本発明の重合性液晶組成物に含まれる特定液晶化合物100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。
〔配向制御剤〕
本発明の重合性液晶組成物は、必要に応じて、配向制御剤を含有することができる。
配向制御剤としては、例えば、低分子の配向制御剤や高分子の配向制御剤を用いることができる。低分子の配向制御剤としては、例えば、特開2002−20363号公報の段落0009〜0083、特開2006−106662号公報の段落0111〜0120や、特開2012−211306公報の段落0021−0029の記載を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。また、高分子の配向制御剤としては、例えば、特開2004−198511号公報の段落0021〜0057の記載や、特開2006−106662号公報の段落0121〜0167を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
配向制御剤の使用量は、重合性組成物中における本発明の液晶組成物の固形分の0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがさらに好ましい。配向制御剤を用いることにより、例えば、本発明の液晶化合物を層の表面と並行に配向したホモジニアス配向状態とすることができる。
本発明の重合性液晶組成物は、必要に応じて、配向制御剤を含有することができる。
配向制御剤としては、例えば、低分子の配向制御剤や高分子の配向制御剤を用いることができる。低分子の配向制御剤としては、例えば、特開2002−20363号公報の段落0009〜0083、特開2006−106662号公報の段落0111〜0120や、特開2012−211306公報の段落0021−0029の記載を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。また、高分子の配向制御剤としては、例えば、特開2004−198511号公報の段落0021〜0057の記載や、特開2006−106662号公報の段落0121〜0167を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
配向制御剤の使用量は、重合性組成物中における本発明の液晶組成物の固形分の0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがさらに好ましい。配向制御剤を用いることにより、例えば、本発明の液晶化合物を層の表面と並行に配向したホモジニアス配向状態とすることができる。
〔有機溶媒〕
本発明の重合性液晶組成物は、光学異方性層を形成する作業性等の観点から、有機溶媒を含有するのが好ましい。
有機溶媒としては、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなど)、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなど)、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなど)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の重合性液晶組成物は、光学異方性層を形成する作業性等の観点から、有機溶媒を含有するのが好ましい。
有機溶媒としては、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなど)、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなど)、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなど)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔その他の成分〕
本発明の重合性液晶組成物は、上述した成分以外の成分を含有してもよく、例えば、上述した重合性液晶化合物以外の液晶化合物、界面活性剤、チルト角制御剤、配向助剤、可塑剤、および、架橋剤などが挙げられる。
本発明の重合性液晶組成物は、上述した成分以外の成分を含有してもよく、例えば、上述した重合性液晶化合物以外の液晶化合物、界面活性剤、チルト角制御剤、配向助剤、可塑剤、および、架橋剤などが挙げられる。
[光学異方性層]
本発明の第1の態様に係る光学異方性層は、上述した本発明の重合性液晶組成物を重合して得られる光学異方性層である。
光学異方性層の形成方法としては、例えば、上述した本発明の重合性液晶組成物を用いて、所望の配向状態とした後に、重合により固定化する方法などが挙げられる。
ここで、重合条件は特に限定されないが、光照射による重合においては、紫外線を用いることが好ましい。照射量は、10mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、20mJ/cm2〜5J/cm2であることがより好ましく、30mJ/cm2〜3J/cm2であることが更に好ましく、50〜1000mJ/cm2であることが特に好ましい。また、重合反応を促進するため、加熱条件下で実施してもよい。
なお、本発明においては、光学異方性層は、後述する本発明の偏光板における任意の支持体上や、偏光子上に形成することができる。
本発明の第1の態様に係る光学異方性層は、上述した本発明の重合性液晶組成物を重合して得られる光学異方性層である。
光学異方性層の形成方法としては、例えば、上述した本発明の重合性液晶組成物を用いて、所望の配向状態とした後に、重合により固定化する方法などが挙げられる。
ここで、重合条件は特に限定されないが、光照射による重合においては、紫外線を用いることが好ましい。照射量は、10mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、20mJ/cm2〜5J/cm2であることがより好ましく、30mJ/cm2〜3J/cm2であることが更に好ましく、50〜1000mJ/cm2であることが特に好ましい。また、重合反応を促進するため、加熱条件下で実施してもよい。
なお、本発明においては、光学異方性層は、後述する本発明の偏光板における任意の支持体上や、偏光子上に形成することができる。
本発明の第2の態様に係る光学異方性層は、酸無水物と液晶化合物を含有し、波長450nmで測定した面内レターデーション値であるRe(450)と、波長550nmで測定した面内レターデーション値であるRe(550)と、波長650nmで測定した面内レターデーションの値であるRe(650)とが、Re(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係にある。すなわち、この関係は、上述した逆波長分散性を表す関係といえる。
各波長における面内レターデーション値の測定方法は、上述した通りである。
なお、酸無水物は、上述した本発明の重合性液晶組成物において説明した酸無水物と同様である。
各波長における面内レターデーション値の測定方法は、上述した通りである。
なお、酸無水物は、上述した本発明の重合性液晶組成物において説明した酸無水物と同様である。
本発明の第2の態様に係る上記液晶化合物は、下記式(I)で表される部分構造を有する重合体とを含有することが好ましい。
*−D1−Ar−D2−* ・・・(I)
*−D1−Ar−D2−* ・・・(I)
ここで、上記式(I)中、*は、結合位置を表し、Arは、上述した式(II)中のArと同様であり、D1およびD2は、それぞれ独立に、上述した式(II)中のD1およびD2と同様である。
本発明においては、偏光板の熱耐久性が良好となる効果が顕在化する理由から、上記式(I)中の、D1およびD2の少なくとも一方が、−O−、または、−CO−O−を表すことが好ましい。
上記式(I)で表される部分構造を有する重合体としては、例えば、上述した特定液晶化合物を重合させた重合体が挙げられる。
本発明の第1の態様および第2の態様に係る光学異方性層(以下、特に区別を要しない場合は単に「本発明の光学異方性層」とも略す。)の厚みについては特に限定されないが、1〜5μmであることが好ましく、1〜4μmであることがより好ましく、1〜3μmであることがさらに好ましい。
[位相差膜]
本発明の第3の態様は、液晶化合物を含有する光学異方性層と、上記式(III)で表わされる化合物を含有する層、とを有する位相差膜であり、上記光学異方性層は、450nmで測定した面内レターデーション値であるRe(450)と、波長550nmで測定した面内レターデーション値であるRe(550)と、波長650nmで測定した面内レターデーションの値であるRe(650)とが、Re(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係にある、位相差膜である。
なお、液晶化合物は、上述した本発明の第2の態様に係る光学異方性層において説明した液晶化合物と同様である。
また、この態様においては、上記式(III)で表わされる化合物を含有する層は、上記液晶化合物を含有する光学異方性層と異なる層であれば良い。
本発明の第3の態様は、液晶化合物を含有する光学異方性層と、上記式(III)で表わされる化合物を含有する層、とを有する位相差膜であり、上記光学異方性層は、450nmで測定した面内レターデーション値であるRe(450)と、波長550nmで測定した面内レターデーション値であるRe(550)と、波長650nmで測定した面内レターデーションの値であるRe(650)とが、Re(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係にある、位相差膜である。
なお、液晶化合物は、上述した本発明の第2の態様に係る光学異方性層において説明した液晶化合物と同様である。
また、この態様においては、上記式(III)で表わされる化合物を含有する層は、上記液晶化合物を含有する光学異方性層と異なる層であれば良い。
〔ポジティブAプレート〕
本発明の光学異方性層は、ポジティブAプレートであることが好ましい。
なお、本明細書において、ポジティブAプレートは以下のように定義する。ポジティブAプレート(正のAプレート)は、フィルム面内の遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとしたとき、式(A1)の関係を満たすものである。なお、ポジティブAプレートはRthが正の値を示す。
式(A1) nx>ny≒nz
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(ny−nz)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、−10〜10nm、好ましくは−5〜5nmの場合も「ny≒nz」に含まれる。
本発明の光学異方性層は、ポジティブAプレートであることが好ましい。
なお、本明細書において、ポジティブAプレートは以下のように定義する。ポジティブAプレート(正のAプレート)は、フィルム面内の遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとしたとき、式(A1)の関係を満たすものである。なお、ポジティブAプレートはRthが正の値を示す。
式(A1) nx>ny≒nz
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(ny−nz)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、−10〜10nm、好ましくは−5〜5nmの場合も「ny≒nz」に含まれる。
ポジティブAプレートを得るには、上記重合性液晶組成物のような棒状の重合性液晶化合物を水平配向させることにより得ることができる。ポジティブAプレートの製造方法の詳細は、例えば、特開2008−225281号公報や特開2008−026730号公報などの記載を参酌できる。
〔λ/4板〕
上記ポジティブAプレートは、λ/4板として機能することが好ましい。
λ/4板は、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板であり、特定の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)がRe(λ)=λ/4を満たす板のことをいう。
この式は、可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよいが、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、110nm≦Re(550)≦160nmの関係を満たすことが好ましく、110nm≦Re(550)≦150nmを満たすことがより好ましい。
上記ポジティブAプレートは、λ/4板として機能することが好ましい。
λ/4板は、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板であり、特定の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)がRe(λ)=λ/4を満たす板のことをいう。
この式は、可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよいが、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、110nm≦Re(550)≦160nmの関係を満たすことが好ましく、110nm≦Re(550)≦150nmを満たすことがより好ましい。
〔ポジティブCプレート〕
また好ましい一つの様態として、光学異方性層をポジティブCプレートとすることができる。なお、本明細書において、ポジティブCプレートは以下のように定義する。ポジティブCプレート(正のCプレート)は、フィルム面内の遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとしたとき、式(A1)の関係を満たすものである。なお、ポジティブCプレートはRthが負の値を示す。
式(A2) nx≒ny<nz
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(nx−ny)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、−10〜10nm、好ましくは−5〜5nmの場合も「nx≒ny」に含まれる。
また、ポジティブCプレートでは、上記の定義より、Re≒0となる。
また好ましい一つの様態として、光学異方性層をポジティブCプレートとすることができる。なお、本明細書において、ポジティブCプレートは以下のように定義する。ポジティブCプレート(正のCプレート)は、フィルム面内の遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとしたとき、式(A1)の関係を満たすものである。なお、ポジティブCプレートはRthが負の値を示す。
式(A2) nx≒ny<nz
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(nx−ny)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、−10〜10nm、好ましくは−5〜5nmの場合も「nx≒ny」に含まれる。
また、ポジティブCプレートでは、上記の定義より、Re≒0となる。
ポジティブCプレートを得るには、棒状の重合性液晶化合物を垂直配向させることにより得ることができる。ポジティブCプレートの製造方法の詳細は、例えば、特開2017−187732号公報や特開2016−53709号公報、特開2015−200861号公報などの記載を参酌できる。
[偏光板]
本発明の偏光板は、上述した本発明の光学異方性層と、偏光子と、を有する。
図1A、図1B、図1Cおよび図1Dに、本発明の偏光板の一例を示す模式的な断面図を示す。
ここで、図1Aに示す偏光板10は、偏光子保護膜11、ポリビニルアルコール偏光子膜12、偏光子保護膜13およびポジティブAプレート14をこの順に有する層構成の偏光板である。
また、図1Bに示す偏光板20は、偏光子保護膜11、ポリビニルアルコール偏光子膜12、偏光子保護膜13、ポジティブAプレート14およびポジティブCプレート15をこの順に有する層構成の偏光板である。
また、図1Cに示す偏光板30は、偏光子保護膜11、ポリビニルアルコール偏光子膜12、ポジティブAプレート14およびポジティブCプレート15をこの順に有する層構成の偏光板である。
また、図1Dに示す偏光板40は、偏光子保護膜11、ポリビニルアルコール偏光子膜12、偏光子保護膜13、光配向膜16、ポジティブAプレート14およびポジティブCプレート15をこの順に有する層構成の偏光板である。
本発明の偏光板は、上述した本発明の光学異方性層と、偏光子と、を有する。
図1A、図1B、図1Cおよび図1Dに、本発明の偏光板の一例を示す模式的な断面図を示す。
ここで、図1Aに示す偏光板10は、偏光子保護膜11、ポリビニルアルコール偏光子膜12、偏光子保護膜13およびポジティブAプレート14をこの順に有する層構成の偏光板である。
また、図1Bに示す偏光板20は、偏光子保護膜11、ポリビニルアルコール偏光子膜12、偏光子保護膜13、ポジティブAプレート14およびポジティブCプレート15をこの順に有する層構成の偏光板である。
また、図1Cに示す偏光板30は、偏光子保護膜11、ポリビニルアルコール偏光子膜12、ポジティブAプレート14およびポジティブCプレート15をこの順に有する層構成の偏光板である。
また、図1Dに示す偏光板40は、偏光子保護膜11、ポリビニルアルコール偏光子膜12、偏光子保護膜13、光配向膜16、ポジティブAプレート14およびポジティブCプレート15をこの順に有する層構成の偏光板である。
〔偏光子〕
本発明の偏光板が有する偏光子は、光を特定の直線偏光に変換する機能を有するいわゆる直線偏光子である。偏光子としては、特に限定されないが、吸収型偏光子を利用することができる。
偏光子の種類は、通常用いられているポリビニルアルコールを主成分とする偏光子を利用することができる。例えば、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸することで作製される。ポリビニルアルコールを主成分とするとは、固形分重量パーセントで50%以上であるということである。
一方で、ポリビニルアルコールは非常に親水的で吸水性が高く、偏光板全体の含水量に対する寄与が非常に大きい。偏光子作製時の乾燥条件の変更や偏光子の膜厚低減により含水量を調整することが可能となる。また、特開2015−129826号公報に記載のように、非液晶PET基材に9μm厚のポリビニルアルコール層が製膜された積層体を染色、延伸することで厚さ4μmのポリビニルアルコール層が得られることが開示されており、このような方法を用いることも好ましい。
また、WO2017−195833号公報や特開2017−83843号公報に記載されているように、偏光子として、ポリビニルアルコールをバインダーとして用いずに、液晶化合物と二色性アゾ色素(例えば、WO2017−195833号公報に記載の光吸収性異方性膜に用いられる二色性アゾ色素)を用い、塗布等により作製した塗布型偏光子も好ましい。
偏光子の厚みは特に制限されないが、5〜20μmであることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましく、2〜10μmがさらに好ましい。偏光子厚みを薄くすることで、表示装置の薄型化できるだけでなく、含水量をより下げることが可能となり、熱耐久性をさらに向上することが可能となる。
本発明の偏光板が有する偏光子は、光を特定の直線偏光に変換する機能を有するいわゆる直線偏光子である。偏光子としては、特に限定されないが、吸収型偏光子を利用することができる。
偏光子の種類は、通常用いられているポリビニルアルコールを主成分とする偏光子を利用することができる。例えば、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸することで作製される。ポリビニルアルコールを主成分とするとは、固形分重量パーセントで50%以上であるということである。
一方で、ポリビニルアルコールは非常に親水的で吸水性が高く、偏光板全体の含水量に対する寄与が非常に大きい。偏光子作製時の乾燥条件の変更や偏光子の膜厚低減により含水量を調整することが可能となる。また、特開2015−129826号公報に記載のように、非液晶PET基材に9μm厚のポリビニルアルコール層が製膜された積層体を染色、延伸することで厚さ4μmのポリビニルアルコール層が得られることが開示されており、このような方法を用いることも好ましい。
また、WO2017−195833号公報や特開2017−83843号公報に記載されているように、偏光子として、ポリビニルアルコールをバインダーとして用いずに、液晶化合物と二色性アゾ色素(例えば、WO2017−195833号公報に記載の光吸収性異方性膜に用いられる二色性アゾ色素)を用い、塗布等により作製した塗布型偏光子も好ましい。
偏光子の厚みは特に制限されないが、5〜20μmであることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましく、2〜10μmがさらに好ましい。偏光子厚みを薄くすることで、表示装置の薄型化できるだけでなく、含水量をより下げることが可能となり、熱耐久性をさらに向上することが可能となる。
〔支持体〕
本発明の偏光板は、上記光学異方性層を支持するための支持体を有していてもよい。
このような支持体層は、透明であるのが好ましく、具体的には光透過率が80%以上であるのが好ましい。
本発明の偏光板は、上記光学異方性層を支持するための支持体を有していてもよい。
このような支持体層は、透明であるのが好ましく、具体的には光透過率が80%以上であるのが好ましい。
このような支持体としては、例えば、ガラス基板やポリマーフィルムが挙げられ、ポリマーフィルムの材料としては、セルロース系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ラクトン環含有重合体等のアクリル酸エステル重合体を有するアクリル系ポリマー;熱可塑性ノルボルネン系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ポリマー;、塩化ビニル系ポリマー;ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー;ポリフェニレンスルフィド系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマー;またはこれらのポリマーを混合したポリマーが挙げられる。
また、上述した偏光子がこのような支持体を兼ねる態様であってもよい。
また、上述した偏光子がこのような支持体を兼ねる態様であってもよい。
本発明においては、上記支持体の厚みについては特に限定されないが、5〜80μmであるのが好ましく、10〜40μmであるのがより好ましい。
〔配向膜〕
本発明の偏光板は、上述した任意の支持体を有する場合、支持体と光学異方性層との間に、配向膜を有しているのが好ましい。なお、上述した支持体が配向膜を兼ねる態様であってもよい。
本発明の偏光板は、上述した任意の支持体を有する場合、支持体と光学異方性層との間に、配向膜を有しているのが好ましい。なお、上述した支持体が配向膜を兼ねる態様であってもよい。
光学異方性層の一態様であるポジティブAプレートを形成するためには、液晶化合物の分子を所望の配向状態にするための技術が用いられ、例えば、配向膜を利用して、液晶化合物を所望の方向に配向させる技術が一般的である。
配向膜としては、ポリマー等の有機化合物を含む層のラビング処理膜や無機化合物の斜方蒸着膜、マイクログルーブを有する膜、あるいはω−トリコサン酸やジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチルの如き有機化合物のラングミュア・ブロジェット法によるLB(Langmuir-Blodgett)膜を累積させた膜などが挙げられる。さらに光の照射で配向機能が生じる配向膜なども挙げられる。
配向膜としては、ポリマーなどの有機化合物を含む層(ポリマー層)の表面をラビング処理して形成されたものを好ましく用いることができる。ラビング処理は、ポリマー層の表面を紙や布で一定方向(好ましくは支持体の長手方向)に数回こすることにより実施される。配向膜の形成に使用するポリマーとしては、ポリイミド、ポリビニルアルコール、特許第3907735号公報の段落番号[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコール、特開平9−152509号公報に記載された重合性基を有するポリマー等を用いることが好ましい。
配向膜の厚さは、配向機能を発揮することができれば特に限定されないが、0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
配向膜としては、ポリマー等の有機化合物を含む層のラビング処理膜や無機化合物の斜方蒸着膜、マイクログルーブを有する膜、あるいはω−トリコサン酸やジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチルの如き有機化合物のラングミュア・ブロジェット法によるLB(Langmuir-Blodgett)膜を累積させた膜などが挙げられる。さらに光の照射で配向機能が生じる配向膜なども挙げられる。
配向膜としては、ポリマーなどの有機化合物を含む層(ポリマー層)の表面をラビング処理して形成されたものを好ましく用いることができる。ラビング処理は、ポリマー層の表面を紙や布で一定方向(好ましくは支持体の長手方向)に数回こすることにより実施される。配向膜の形成に使用するポリマーとしては、ポリイミド、ポリビニルアルコール、特許第3907735号公報の段落番号[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコール、特開平9−152509号公報に記載された重合性基を有するポリマー等を用いることが好ましい。
配向膜の厚さは、配向機能を発揮することができれば特に限定されないが、0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
配向膜としては、光配向性の素材に偏光または非偏光を照射して配向層とした、いわゆる光配向膜(光配向層)を用いることも好ましい態様である。光配向膜には、垂直方向または斜め方向から偏光照射する工程、または、斜め方向から非偏光照射する工程により配向規制力を付与することが好ましい。
光配向膜を利用することで、特定液晶化合物を優れた対称性で水平配向させることが可能である。そのため、光配向膜を利用して形成されたポジティブAプレートは、特にIPS(In-Place-Switching)モード液晶表示装置のように駆動液晶のプレ傾斜角が必要無い液晶表示装置における光学補償に有用である。
光配向膜を利用することで、特定液晶化合物を優れた対称性で水平配向させることが可能である。そのため、光配向膜を利用して形成されたポジティブAプレートは、特にIPS(In-Place-Switching)モード液晶表示装置のように駆動液晶のプレ傾斜角が必要無い液晶表示装置における光学補償に有用である。
光配向膜に用いられる光配向材料としては、例えば、特開2006−285197号公報、特開2007−76839号公報、特開2007−138138号公報、特開2007−94071号公報、特開2007−121721号公報、特開2007−140465号公報、特開2007−156439号公報、特開2007−133184号公報、特開2009−109831号公報、特許第3883848号、特許第4151746号に記載のアゾ化合物、特開2002−229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002−265541号公報、特開2002−317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミドおよび/またはアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号、特許第4205198号に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003−520878号公報、特表2004−529220号公報、特許第4162850号に記載の光架橋性ポリイミド、ポリアミド、またはエステル、特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報、国際公開第2010/150748号、特開2013−177561号公報、特開2014−12823号公報に記載の光二量化可能な化合物、特にシンナメート化合物、カルコン化合物、クマリン化合物が挙げられる。特に好ましい例としては、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、ポリアミド、エステル、シンナメート化合物、カルコン化合物が挙げられる。
本発明においては、上記配向膜の厚さは特に限定されないが、支持体に存在しうる表面凹凸を緩和して均一な膜厚の光学異方性膜を形成するという観点から、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましく、0.01〜0.5μmであることがさらに好ましい。
〔その他の層〕
<偏光子保護フィルム>
本発明の偏光板は、偏光子の表面上に、偏光子保護フィルムが配置されていてもよい。偏光子保護フィルムは、偏光子の片面上(光学異方性層側とは反対側の表面上)にのみ配置されていてもよいし、偏光子の両面上に配置されていてもよい。
偏光子保護フィルムの構成は特に制限されず、例えば、いわゆる透明支持体やハードコート層であっても、透明支持体とハードコート層との積層体であってもよい。
ハードコート層としては、公知の層を使用することができ、例えば、多官能モノマーを重合硬化して得られる層であってもよい。
また、透明支持体としては、公知の透明支持体を使用することができ、例えば、透明支持体を形成する材料としては、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(以下、「セルロースアシレート」という。)や、熱可塑性ノルボルネン系樹脂(日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等)、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂を使用することができる。熱可塑性ノルボルネン系樹脂やポリスチレン系樹脂等の含水しにくい樹脂は、偏光板のトータル含水量を抑制するためには好ましい。
偏光子保護フィルムの厚みは特に限定されないが、偏光板の厚みを薄くできる等の理由から40μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下が最も好ましい。下限は特に制限されないが、1μm以上の場合が多い。
<偏光子保護フィルム>
本発明の偏光板は、偏光子の表面上に、偏光子保護フィルムが配置されていてもよい。偏光子保護フィルムは、偏光子の片面上(光学異方性層側とは反対側の表面上)にのみ配置されていてもよいし、偏光子の両面上に配置されていてもよい。
偏光子保護フィルムの構成は特に制限されず、例えば、いわゆる透明支持体やハードコート層であっても、透明支持体とハードコート層との積層体であってもよい。
ハードコート層としては、公知の層を使用することができ、例えば、多官能モノマーを重合硬化して得られる層であってもよい。
また、透明支持体としては、公知の透明支持体を使用することができ、例えば、透明支持体を形成する材料としては、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(以下、「セルロースアシレート」という。)や、熱可塑性ノルボルネン系樹脂(日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等)、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂を使用することができる。熱可塑性ノルボルネン系樹脂やポリスチレン系樹脂等の含水しにくい樹脂は、偏光板のトータル含水量を抑制するためには好ましい。
偏光子保護フィルムの厚みは特に限定されないが、偏光板の厚みを薄くできる等の理由から40μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下が最も好ましい。下限は特に制限されないが、1μm以上の場合が多い。
各層の間の密着性担保のために、各層の間に粘着層または接着層を配置してもよい。さらに、各層の間に透明支持体を配置してもよい。
本発明の偏光板は、含水量が5.0g/m2以下が好ましく、3.0g/m2以下がより好ましく、1.5g/m2以下が更に好ましく、0.8g/m2以下が特に好ましい。
[積層体]
本発明の偏光板の好ましい態様の一つとして、2枚の基板と、上記2枚の基板の間に配置された請求項15に記載の偏光板とを有する積層体であって、上記基板の透湿度が10−3g/m2・day以下である、積層体との構成をとり得る。
本発明の偏光板の好ましい態様の一つとして、2枚の基板と、上記2枚の基板の間に配置された請求項15に記載の偏光板とを有する積層体であって、上記基板の透湿度が10−3g/m2・day以下である、積層体との構成をとり得る。
<基板(第1基板および第2基板)>
積層体は、2枚の基板を有する。
基板の透湿度は、10−3g/m2・day以下である。なかでも、積層体が適用される有機電界発光装置および液晶表示装置などの耐久性の点で、10−4g/m2・day以下が好ましく、10−5g/m2・day以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、10−10g/m2・day以上の場合が多い。
基板の透湿度の測定方法は、以下の通りである。測定温度40℃、相対湿度90%の条件下で、水蒸気透過率測定装置(MOCON,INC.製のAQUATRAN2(商標登録))を用いて測定する。
積層体は、2枚の基板を有する。
基板の透湿度は、10−3g/m2・day以下である。なかでも、積層体が適用される有機電界発光装置および液晶表示装置などの耐久性の点で、10−4g/m2・day以下が好ましく、10−5g/m2・day以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、10−10g/m2・day以上の場合が多い。
基板の透湿度の測定方法は、以下の通りである。測定温度40℃、相対湿度90%の条件下で、水蒸気透過率測定装置(MOCON,INC.製のAQUATRAN2(商標登録))を用いて測定する。
基板を構成する材料は特に制限されず、無機物であっても、有機物であってもよい。
基板としては、透湿度が規定より低ければ特に制限されないが、ガラス基板、および、ガスバリアフィルムが挙げられる。より具体的には、有機電界発光装置に用いられる封止ガラス、液晶セル用中のガラス、および、表面カバーガラスなどのガラス基板、並びに、ハイバリアフィルムおよび有機電界発光装置に用いられるバリアフィルムなどのガスバリアフィルムが挙げられる。
基板は、単層構造であってもよいし、複層構造であってもよい。
基板としては、透湿度が規定より低ければ特に制限されないが、ガラス基板、および、ガスバリアフィルムが挙げられる。より具体的には、有機電界発光装置に用いられる封止ガラス、液晶セル用中のガラス、および、表面カバーガラスなどのガラス基板、並びに、ハイバリアフィルムおよび有機電界発光装置に用いられるバリアフィルムなどのガスバリアフィルムが挙げられる。
基板は、単層構造であってもよいし、複層構造であってもよい。
基板は、透明であることが好ましく、いわゆる透明基板であることが好ましい。
なお、本明細書において、「透明」とは、可視光の透過率が60%以上であることを示し、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、100%未満の場合が多い。
なお、本明細書において、「透明」とは、可視光の透過率が60%以上であることを示し、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、100%未満の場合が多い。
基板の厚さは特に制限されないが、薄型化の点から、800μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、10μm以上が好ましい。
[液晶表示装置、有機電界発光装置]
上記偏光板は、有機電界発光装置(好ましくは、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置)や、液晶表示装置などに好ましく用いることができる。
上記偏光板は、有機電界発光装置(好ましくは、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置)や、液晶表示装置などに好ましく用いることができる。
〔液晶表示装置〕
本発明の液晶表示装置は、画像表示装置の一例であり、上述した本発明の偏光板と、液晶セルとを有する。
なお、本発明においては、液晶セルの両側に設けられる偏光板のうち、フロント側の偏光板として本発明の偏光板を用いるのが好ましく、フロント側およびリア側の偏光板として本発明の偏光板を用いるのがより好ましい。また、偏光板に含まれる上記光学異方性層は、液晶セル側に配置されることが好ましい。
すなわち、本発明の光学異方性層は、光学補償フィルムとして好適に使用できる。
以下に、液晶表示装置を構成する液晶セルについて詳述する。
本発明の液晶表示装置は、画像表示装置の一例であり、上述した本発明の偏光板と、液晶セルとを有する。
なお、本発明においては、液晶セルの両側に設けられる偏光板のうち、フロント側の偏光板として本発明の偏光板を用いるのが好ましく、フロント側およびリア側の偏光板として本発明の偏光板を用いるのがより好ましい。また、偏光板に含まれる上記光学異方性層は、液晶セル側に配置されることが好ましい。
すなわち、本発明の光学異方性層は、光学補償フィルムとして好適に使用できる。
以下に、液晶表示装置を構成する液晶セルについて詳述する。
<液晶セル>
液晶表示装置に利用される液晶セルは、VA(Vertical Alignment)モード、OCB(Optical Compensated Bend)モード、IPS(In−Place−Switching)モード、又はTN(Twisted Nematic)であることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、及びPSA(Polymer−Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006−215326号公報、及び特表2008−538819号公報に詳細な記載がある。
IPSモードの液晶セルは、棒状液晶分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シート(光学補償フィルム)を用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10−54982号公報、特開平11−202323号公報、特開平9−292522号公報、特開平11−133408号公報、特開平11−305217号公報、特開平10−307291号公報などに開示されている。
液晶表示装置に利用される液晶セルは、VA(Vertical Alignment)モード、OCB(Optical Compensated Bend)モード、IPS(In−Place−Switching)モード、又はTN(Twisted Nematic)であることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、及びPSA(Polymer−Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006−215326号公報、及び特表2008−538819号公報に詳細な記載がある。
IPSモードの液晶セルは、棒状液晶分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シート(光学補償フィルム)を用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10−54982号公報、特開平11−202323号公報、特開平9−292522号公報、特開平11−133408号公報、特開平11−305217号公報、特開平10−307291号公報などに開示されている。
〔有機EL表示装置〕
本発明の有機電界発光装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、本発明の偏光板と、有機EL表示パネルとをこの順で有する態様が好適に挙げられる。偏光板に含まれる光学異方性層は、有機EL表示パネル側に配置されることが好ましい。
すなわち、本発明の光学異方性層は、いわゆる反射防止フィルムとして使用される。
また、有機EL表示パネルは、電極間(陰極および陽極間)に有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)を挟持してなる有機EL素子を用いて構成された表示パネルである。有機EL表示パネルの構成は特に制限されず、公知の構成が採用される。
本発明の有機電界発光装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、本発明の偏光板と、有機EL表示パネルとをこの順で有する態様が好適に挙げられる。偏光板に含まれる光学異方性層は、有機EL表示パネル側に配置されることが好ましい。
すなわち、本発明の光学異方性層は、いわゆる反射防止フィルムとして使用される。
また、有機EL表示パネルは、電極間(陰極および陽極間)に有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)を挟持してなる有機EL素子を用いて構成された表示パネルである。有機EL表示パネルの構成は特に制限されず、公知の構成が採用される。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[作製例1]
以下のようにして、熱耐久性の評価に使用する偏光板1を作製した。
以下のようにして、熱耐久性の評価に使用する偏光板1を作製した。
〔直線偏光板1の作製〕
セルローストリアセテートフィルムTJ25(富士フイルム製:厚み25μm)の支持体表面をアルカリ鹸化処理した。具体的には、55℃の1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に支持体を2分間浸漬した後、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃の0.1規定の硫酸を用いて中和した。中和した後、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
厚さ60μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中でMD(Machine Direction)方向に連続して延伸し、乾燥して厚さ9μmの偏光子(偏光膜)を得た。上記の偏光子の両方の面に、上記でアルカリ鹸化処理をした偏光子保護フィルムとしてセルローストリアセテートフィルムTJ25を貼り合わせた直線偏光板1を作製した。
セルローストリアセテートフィルムTJ25(富士フイルム製:厚み25μm)の支持体表面をアルカリ鹸化処理した。具体的には、55℃の1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に支持体を2分間浸漬した後、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃の0.1規定の硫酸を用いて中和した。中和した後、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
厚さ60μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中でMD(Machine Direction)方向に連続して延伸し、乾燥して厚さ9μmの偏光子(偏光膜)を得た。上記の偏光子の両方の面に、上記でアルカリ鹸化処理をした偏光子保護フィルムとしてセルローストリアセテートフィルムTJ25を貼り合わせた直線偏光板1を作製した。
〔セルロースアシレートフィルム1の作製〕
<コア層セルロースアシレートドープの調製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して、各成分を溶解し、コア層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
─────────────────────────────────
コア層セルロースアシレートドープ
─────────────────────────────────
・アセチル置換度2.88のセルロースアセテート 100質量部
・特開2015−227955号公報の実施例に
記載されたポリエステル化合物B 12質量部
・下記化合物G 2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 430質量部
・メタノール(第2溶剤) 64質量部
─────────────────────────────────
<コア層セルロースアシレートドープの調製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して、各成分を溶解し、コア層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
─────────────────────────────────
コア層セルロースアシレートドープ
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・アセチル置換度2.88のセルロースアセテート 100質量部
・特開2015−227955号公報の実施例に
記載されたポリエステル化合物B 12質量部
・下記化合物G 2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 430質量部
・メタノール(第2溶剤) 64質量部
─────────────────────────────────
化合物G
<外層セルロースアシレートドープの調製>
上記のコア層セルロースアシレートドープ90質量部に下記のマット剤溶液を10質量部加え、外層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
─────────────────────────────────
マット剤溶液
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・平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製) 2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 76質量部
・メタノール(第2溶剤) 11質量部
・上記のコア層セルロースアシレートドープ 1質量部
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上記のコア層セルロースアシレートドープ90質量部に下記のマット剤溶液を10質量部加え、外層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
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マット剤溶液
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・平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製) 2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 76質量部
・メタノール(第2溶剤) 11質量部
・上記のコア層セルロースアシレートドープ 1質量部
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<セルロースアシレートフィルム1の流延>
上記コア層セルロースアシレートドープと上記外層セルロースアシレートドープを平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した後、上記コア層セルロースアシレートドープとその両側に外層セルロースアシレートドープとを3層同時に流延口から20℃のドラム上に流延した(バンド流延機)。溶剤含有率略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンタークリップで固定し、横方向に延伸倍率1.1倍で延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み40μmのセルロースアシレートフィルム1を作製した。セルロースアシレートフィルム1におけるコア層は厚みが36μmであり、コア層の両側に配置された外層はそれぞれ厚みが2μmであった。また、得られたセルロースアシレートフィルム1の面内レターデーションは0nmであった。
上記コア層セルロースアシレートドープと上記外層セルロースアシレートドープを平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した後、上記コア層セルロースアシレートドープとその両側に外層セルロースアシレートドープとを3層同時に流延口から20℃のドラム上に流延した(バンド流延機)。溶剤含有率略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンタークリップで固定し、横方向に延伸倍率1.1倍で延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み40μmのセルロースアシレートフィルム1を作製した。セルロースアシレートフィルム1におけるコア層は厚みが36μmであり、コア層の両側に配置された外層はそれぞれ厚みが2μmであった。また、得られたセルロースアシレートフィルム1の面内レターデーションは0nmであった。
〔光配向膜1の作製〕
特開2012ー155308号公報、実施例3の記載を参考に、光配向膜用塗布液1を調製し、上記セルロースアシレートフィルム1にワイヤーバーで塗布した。60℃の温風で60秒乾燥し、厚み300nmの光配向膜1を作製した。
特開2012ー155308号公報、実施例3の記載を参考に、光配向膜用塗布液1を調製し、上記セルロースアシレートフィルム1にワイヤーバーで塗布した。60℃の温風で60秒乾燥し、厚み300nmの光配向膜1を作製した。
〔光学異方性層1の作製〕
<ポジティブAプレート形成用塗布液A1の調製>
下記組成のポジティブAプレート形成用塗布液A1を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ポジティブAプレート形成用塗布液A1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記重合性液晶化合物X−1 16.00質量部
・下記特定液晶化合物L−1 42.00質量部
・下記特定液晶化合物L−2 42.00質量部
・下記重合開始剤S−1 0.50質量部
・下記酸無水物K−1 4.00質量部
・下記重合性化合物B−1 2.00質量部
・レベリング剤(下記化合物T−1) 0.20質量部
・メチルエチルケトン(溶媒) 230.00質量部
・シクロペンタノン(溶媒) 70.00質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
<ポジティブAプレート形成用塗布液A1の調製>
下記組成のポジティブAプレート形成用塗布液A1を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ポジティブAプレート形成用塗布液A1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記重合性液晶化合物X−1 16.00質量部
・下記特定液晶化合物L−1 42.00質量部
・下記特定液晶化合物L−2 42.00質量部
・下記重合開始剤S−1 0.50質量部
・下記酸無水物K−1 4.00質量部
・下記重合性化合物B−1 2.00質量部
・レベリング剤(下記化合物T−1) 0.20質量部
・メチルエチルケトン(溶媒) 230.00質量部
・シクロペンタノン(溶媒) 70.00質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
作製した光配向膜1に、大気下にて超高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射した。このとき、ワイヤーグリッド偏光子(Moxtek社製, ProFlux PPL02)を光配向膜1の面と平行になるようにセットして露光し、光配向処理を行った。この際用いる紫外線の照度はUV−A領域(紫外線A波、波長380nm〜320nmの積算)において10mJ/cm2とした。
次いで、光配向処理を施した光配向膜1の面上に、ポジティブAプレートA1形成用塗布液A1をバーコーターを用いて塗布した。膜面温度100℃で20秒間加熱熟成し、90℃まで冷却した後に、空気下にて空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて300mJ/cm2の紫外線を照射して、ネマチック配向状態を固定化することにより光学異方性層1(ポジティブAプレートA1)を形成した。
形成されたポジティブAプレートA1は、膜厚が2.5μmであった。
ポジティブAプレートA1について、自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、Reの光入射角度依存性および光軸のチルト角を測定したところ、波長550nmにおいてReが145nm、Rthが73nm、Re(550)/Re(450)が1.12、Re(650)/Re(550)が1.01、光軸のチルト角は0°であり、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
ポジティブAプレートA1について、自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、Reの光入射角度依存性および光軸のチルト角を測定したところ、波長550nmにおいてReが145nm、Rthが73nm、Re(550)/Re(450)が1.12、Re(650)/Re(550)が1.01、光軸のチルト角は0°であり、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
<粘着剤N1の調製>
特開2017−134414号公報、実施例1の記載を参考に、粘着剤N1を調製し、粘着剤付きフィルム1を得た。
特開2017−134414号公報、実施例1の記載を参考に、粘着剤N1を調製し、粘着剤付きフィルム1を得た。
〔偏光板1の作製〕
直線偏光板1の一方の面に対して、ポジティブAプレートA1の光学異方性層側を、上記粘着剤N1を用いて貼合し、光配向膜と光学異方性層の界面で剥離して、光配向膜付きのセルロースアシレートフィルム1を取り除いた。このとき、偏光板の吸収軸に対し遅相軸方向が直交であった(すなわち、特定液晶化合物が偏光板の吸収軸に対して直交に配向していた)。
さらに、適当に調湿条件を調整することにより、偏光板含水量を、2.6g/m2とし、偏光板1とした。その含水量を保ったまま、熱耐久性評価のため、両側から粘着剤1を用いてガラス板に挟み込んだ。
直線偏光板1の一方の面に対して、ポジティブAプレートA1の光学異方性層側を、上記粘着剤N1を用いて貼合し、光配向膜と光学異方性層の界面で剥離して、光配向膜付きのセルロースアシレートフィルム1を取り除いた。このとき、偏光板の吸収軸に対し遅相軸方向が直交であった(すなわち、特定液晶化合物が偏光板の吸収軸に対して直交に配向していた)。
さらに、適当に調湿条件を調整することにより、偏光板含水量を、2.6g/m2とし、偏光板1とした。その含水量を保ったまま、熱耐久性評価のため、両側から粘着剤1を用いてガラス板に挟み込んだ。
[作製例2〜6]
<ポジティブAプレート形成用塗布液A2〜A3の調製>
作製例1で用いたポジティブAプレート形成用塗布液A1において、酸無水物K−1を4.0質量部用いた代わりに、下記表1に示すように、酸無水物の配合量を変更した以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A1と同様の方法で、ポジティブAプレート形成用塗布液A2〜A3を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A2〜A3の調製>
作製例1で用いたポジティブAプレート形成用塗布液A1において、酸無水物K−1を4.0質量部用いた代わりに、下記表1に示すように、酸無水物の配合量を変更した以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A1と同様の方法で、ポジティブAプレート形成用塗布液A2〜A3を調製した。
<粘着剤N2の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器および滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)200部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)8部、AIBN0.4部、および酢酸エチル312部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行うことにより、NV40%のアクリル系ポリマー(P1)溶液を調製した。このアクリル系ポリマー(P1)のTgは−10℃以下であり、Mwは55×104、酸価は0.0mgKOH/gであった。
上記アクリル系ポリマー(P1)溶液に酢酸エチルを加えてNV20%に希釈した溶液100部(20部のアクリル系ポリマー(P1)を含有する。)に対し、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(日本カーリット社製、商品名「CIL−312」、25℃において液状のイオン液体)0.04部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(三井化学社製、商品名「タケネートR700」)0.3部、架橋触媒としてのジラウリン酸ジブチルスズ(1%酢酸エチル溶液)0.4部を加え、25℃で約1分間攪拌混合した。このようにして、アクリル系ポリマー(P1)100部当たり、イオン性化合物としてのイオン液体0.2部を含むアクリル系粘着剤組成物(N2)を調製した。
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器および滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)200部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)8部、AIBN0.4部、および酢酸エチル312部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行うことにより、NV40%のアクリル系ポリマー(P1)溶液を調製した。このアクリル系ポリマー(P1)のTgは−10℃以下であり、Mwは55×104、酸価は0.0mgKOH/gであった。
上記アクリル系ポリマー(P1)溶液に酢酸エチルを加えてNV20%に希釈した溶液100部(20部のアクリル系ポリマー(P1)を含有する。)に対し、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(日本カーリット社製、商品名「CIL−312」、25℃において液状のイオン液体)0.04部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(三井化学社製、商品名「タケネートR700」)0.3部、架橋触媒としてのジラウリン酸ジブチルスズ(1%酢酸エチル溶液)0.4部を加え、25℃で約1分間攪拌混合した。このようにして、アクリル系ポリマー(P1)100部当たり、イオン性化合物としてのイオン液体0.2部を含むアクリル系粘着剤組成物(N2)を調製した。
<粘着シートの作製>
一方の面(第一面)にコロナ処理が施された厚さ38μm、幅30cm、長さ40cmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのコロナ処理面に、バーコーター(#2)を用いてコーティング組成物(D1)を塗布した。この塗布物を130℃で2分間加熱して乾燥させることにより、PETフィルムの第一面に厚さ10nmの帯電防止層を有する基材フィルム(E1a)を作製した。この帯電防止層の上に、イオン液体を含む粘着剤組成物(N2)を塗布し、130℃で2分間加熱して乾燥させることにより、厚さ15μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層に、片面にシリコーン系剥離処理剤による剥離処理が施された厚さ25μmのPETフィルム(剥離ライナー)の剥離処理面を貼り合わせて、本例に係る粘着シートを作製した。
一方の面(第一面)にコロナ処理が施された厚さ38μm、幅30cm、長さ40cmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのコロナ処理面に、バーコーター(#2)を用いてコーティング組成物(D1)を塗布した。この塗布物を130℃で2分間加熱して乾燥させることにより、PETフィルムの第一面に厚さ10nmの帯電防止層を有する基材フィルム(E1a)を作製した。この帯電防止層の上に、イオン液体を含む粘着剤組成物(N2)を塗布し、130℃で2分間加熱して乾燥させることにより、厚さ15μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層に、片面にシリコーン系剥離処理剤による剥離処理が施された厚さ25μmのPETフィルム(剥離ライナー)の剥離処理面を貼り合わせて、本例に係る粘着シートを作製した。
[偏光板2〜6の作製]
表2に示すように、ポジティブAプレート形成用塗布液と粘着剤を変えた以外は、偏光板1と同様にして偏光板2〜6を作製した。
表2に示すように、ポジティブAプレート形成用塗布液と粘着剤を変えた以外は、偏光板1と同様にして偏光板2〜6を作製した。
<作製例1〜6の偏光板の熱耐久評価>
作製例1〜6について、80℃の環境下に400時間放置した後のRe変化を、下記表1に示す。粘着剤をN1からN2に変更することで、Reの変化が顕著に現れたが、酸無水物の添加で非常に大きな改良効果があることが分かった。
粘着剤N2で使用しているヘキサメチレンジイソシアネートが活性の高い触媒(ジラウリン酸ジブチルスズ)の存在下、水と反応することでアミンが副生し、求核剤として作用した結果、液晶分解が促進されたと推定。
作製例1〜6について、80℃の環境下に400時間放置した後のRe変化を、下記表1に示す。粘着剤をN1からN2に変更することで、Reの変化が顕著に現れたが、酸無水物の添加で非常に大きな改良効果があることが分かった。
粘着剤N2で使用しているヘキサメチレンジイソシアネートが活性の高い触媒(ジラウリン酸ジブチルスズ)の存在下、水と反応することでアミンが副生し、求核剤として作用した結果、液晶分解が促進されたと推定。
[作製例7〜31]
<ポジティブAプレート形成用塗布液A4〜A7の調製>
作製例1で用いたポジティブAプレート形成用塗布液A1において、酸無水物K−1を4.0質量部用いた代わりに、下記表2に示すように、酸無水物の種類を変更した以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A1と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A4〜A7を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A4〜A7の調製>
作製例1で用いたポジティブAプレート形成用塗布液A1において、酸無水物K−1を4.0質量部用いた代わりに、下記表2に示すように、酸無水物の種類を変更した以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A1と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A4〜A7を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A8の調製>
作製例1で用いたポジティブAプレート形成用塗布液A1において、重合性液晶化合物X−1、特定液晶化合物L−1、および、特定液晶化合物L−2の代わりに、下記特定液晶化合物L−6を100質量部用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A1と同様の方法で、ポジティブAプレート形成用塗布液A8を調製した。
作製例1で用いたポジティブAプレート形成用塗布液A1において、重合性液晶化合物X−1、特定液晶化合物L−1、および、特定液晶化合物L−2の代わりに、下記特定液晶化合物L−6を100質量部用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A1と同様の方法で、ポジティブAプレート形成用塗布液A8を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A9の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A8において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A8と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A8を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A8において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A8と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A8を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A10の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A1において、重合性液晶化合物X−1、特定液晶化合物L−1、および、特定液晶化合物L−2の代わりに、下記特定液晶化合物L−9を100質量部用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A1と同様の方法で、ポジティブAプレート形成用塗布液A10を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A1において、重合性液晶化合物X−1、特定液晶化合物L−1、および、特定液晶化合物L−2の代わりに、下記特定液晶化合物L−9を100質量部用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A1と同様の方法で、ポジティブAプレート形成用塗布液A10を調製した。
特定液晶化合物L−9
<ポジティブAプレート形成用塗布液A11の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A10において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A9と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A11を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A10において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A9と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A11を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A12の調製>
下記組成のポジティブAプレート形成用塗布液A12を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ポジティブAプレート形成用塗布液A12の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記特定液晶化合物L−5 95.00質量部
・上記重合性液晶化合物X−1 5.00質量部
・重合開始剤OXE−03(BASFジャパン) 4.00質量部
・アデカアークルズNCI−831(アデカ) 5.00質量部
・上記酸無水物K−1 4.00質量部
・レベリング剤(上記化合物T−1) 0.10質量部
・酸化防止剤BHT(東京化成工業) 0.90質量部
・メチルエチルケトン(溶媒) 60.00質量部
・シクロペンタノン(溶媒) 240.00質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記組成のポジティブAプレート形成用塗布液A12を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ポジティブAプレート形成用塗布液A12の組成
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・下記特定液晶化合物L−5 95.00質量部
・上記重合性液晶化合物X−1 5.00質量部
・重合開始剤OXE−03(BASFジャパン) 4.00質量部
・アデカアークルズNCI−831(アデカ) 5.00質量部
・上記酸無水物K−1 4.00質量部
・レベリング剤(上記化合物T−1) 0.10質量部
・酸化防止剤BHT(東京化成工業) 0.90質量部
・メチルエチルケトン(溶媒) 60.00質量部
・シクロペンタノン(溶媒) 240.00質量部
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<ポジティブAプレート形成用塗布液A13の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A13を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A13を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A14の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、特定液晶化合物L−5の代わりに、下記特定液晶化合物L−7を用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A14を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、特定液晶化合物L−5の代わりに、下記特定液晶化合物L−7を用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A14を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A15の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A14において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A14と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A15を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A14において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A14と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A15を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A16の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、特定液晶化合物L−5の代わりに、下記特定液晶化合物L−8を用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A16を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、特定液晶化合物L−5の代わりに、下記特定液晶化合物L−8を用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A16を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A17の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A16において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A16と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A17を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A16において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A16と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A17を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A18の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、特定液晶化合物L−5の代わりに、下記特定液晶化合物L−10を用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A18を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、特定液晶化合物L−5の代わりに、下記特定液晶化合物L−10を用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A18を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A19の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A18において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A18と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A19を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A18において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A18と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A19を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A20の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、特定液晶化合物L−5の代わりに、下記特定液晶化合物L−11を用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A20を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、特定液晶化合物L−5の代わりに、下記特定液晶化合物L−11を用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A20を調製した。
特定液晶化合物L−11
<ポジティブAプレート形成用塗布液A21の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A20において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A20と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A21を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A20において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A20と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A21を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A22の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、特定液晶化合物L−5の代わりに、下記特定液晶化合物L−12を用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A22を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、特定液晶化合物L−5の代わりに、下記特定液晶化合物L−12を用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A22を調製した。
特定液晶化合物L−12
<ポジティブAプレート形成用塗布液A23の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A22において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A22と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A23を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A22において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A22と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A23を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A24の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、特定液晶化合物L−5の代わりに、下記特定液晶化合物L−13を用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A24を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A12において、特定液晶化合物L−5の代わりに、下記特定液晶化合物L−13を用いた以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A12と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A24を調製した。
特定液晶化合物L−13
<ポジティブAプレート形成用塗布液A25の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A24において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A24と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A25を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A24において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A24と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A25を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A26の調製>
下記組成のポジティブAプレート形成用塗布液A26を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ポジティブAプレート形成用塗布液A26の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記特定液晶化合物L−14 35.00質量部
・上記重合性液晶化合物X−1 15.00質量部
・下記液晶化合物X−2 35.00質量部
・下記液晶化合物X−3 15.00質量部
・重合開始剤OXE−03(BASFジャパン) 5.00質量部
・アデカアークルズNCI−831(アデカ) 4.00質量部
・上記酸無水物K−1 4.00質量部
・レベリング剤(上記化合物T−1) 0.10質量部
・酸化防止剤BHT(東京化成工業) 0.90質量部
・メチルエチルケトン(溶媒) 60.00質量部
・シクロペンタノン(溶媒) 240.00質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記組成のポジティブAプレート形成用塗布液A26を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ポジティブAプレート形成用塗布液A26の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記特定液晶化合物L−14 35.00質量部
・上記重合性液晶化合物X−1 15.00質量部
・下記液晶化合物X−2 35.00質量部
・下記液晶化合物X−3 15.00質量部
・重合開始剤OXE−03(BASFジャパン) 5.00質量部
・アデカアークルズNCI−831(アデカ) 4.00質量部
・上記酸無水物K−1 4.00質量部
・レベリング剤(上記化合物T−1) 0.10質量部
・酸化防止剤BHT(東京化成工業) 0.90質量部
・メチルエチルケトン(溶媒) 60.00質量部
・シクロペンタノン(溶媒) 240.00質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
特定液晶化合物L−14
液晶化合物X−2
液晶化合物X−3
<ポジティブAプレート形成用塗布液A27の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A26において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A26と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A27を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A26において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A26と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A27を調製した。
<ポジティブAプレート形成用塗布液A28の調製>
下記組成のポジティブAプレート形成用塗布液A28を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ポジティブAプレート形成用塗布液A28の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記特定液晶化合物L−15 42.00質量部
・下記特定液晶化合物L−16 42.00質量部
・上記重合性液晶化合物X−1 5.00質量部
・下記重合性液晶化合物X−5 11.00質量部
・上記重合開始剤S−1 0.50質量部
・上記酸無水物K−1 4.00質量部
・上記重合性化合物B−1 2.00質量部
・レベリング剤(上記化合物T−1) 0.23質量部
・メチルエチルケトン(溶媒) 50.00質量部
・シクロペンタノン(溶媒) 250.00質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
下記組成のポジティブAプレート形成用塗布液A28を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ポジティブAプレート形成用塗布液A28の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・下記特定液晶化合物L−15 42.00質量部
・下記特定液晶化合物L−16 42.00質量部
・上記重合性液晶化合物X−1 5.00質量部
・下記重合性液晶化合物X−5 11.00質量部
・上記重合開始剤S−1 0.50質量部
・上記酸無水物K−1 4.00質量部
・上記重合性化合物B−1 2.00質量部
・レベリング剤(上記化合物T−1) 0.23質量部
・メチルエチルケトン(溶媒) 50.00質量部
・シクロペンタノン(溶媒) 250.00質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
特定液晶化合物L−15
特定液晶化合物L−16
重合性液晶化合物X−5
<ポジティブAプレート形成用塗布液A29の調製>
ポジティブAプレート形成用塗布液A28において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A28と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A29を調製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A28において、酸無水物K−1を配合しなかった以外は、ポジティブAプレート形成用塗布液A28と同様の方法で、ポジティブAプレート塗布液A29を調製した。
〔偏光板7〜32の作製〕
ポジティブAプレート形成用塗布液A1に代えて、下記表2に示す塗布液を用いた以外は、偏光板4と同様の方法で、偏光板7〜32を作製した。
ポジティブAプレート形成用塗布液A1に代えて、下記表2に示す塗布液を用いた以外は、偏光板4と同様の方法で、偏光板7〜32を作製した。
[熱耐久性]
上述した各作製例で作製した偏光板について、含水量を保ったまま、両側から粘着剤1を用いてガラス板に挟み込んだ。
Axo Scan(0PMF−1、Axometrics社製)を用いて、波長550nmにおけるレターデーション(Re)値を測定し、下記の指標で評価した。結果を下記表2に示す。
具体的には、初期(作製直後)のRe値と、80℃の環境下に400時間放置した後のReとの差(ΔRe)を算出した。
また、共通する液晶性化合物を配合し、酸無水物を配合していない比較例(例えば、作製例1と対比する比較例は作製例3)に対して、Re良化率が高いほど、耐久性改良効果が良好であると判断することができる。
ここで、Re良化率は下記式で表される。
Re良化率=〔(酸無水物を配合しない比較例のΔRe)−(酸無水物を配合する実施例のΔRe)〕/(酸無水物を配合する実施例のΔRe)
上述した各作製例で作製した偏光板について、含水量を保ったまま、両側から粘着剤1を用いてガラス板に挟み込んだ。
Axo Scan(0PMF−1、Axometrics社製)を用いて、波長550nmにおけるレターデーション(Re)値を測定し、下記の指標で評価した。結果を下記表2に示す。
具体的には、初期(作製直後)のRe値と、80℃の環境下に400時間放置した後のReとの差(ΔRe)を算出した。
また、共通する液晶性化合物を配合し、酸無水物を配合していない比較例(例えば、作製例1と対比する比較例は作製例3)に対して、Re良化率が高いほど、耐久性改良効果が良好であると判断することができる。
ここで、Re良化率は下記式で表される。
Re良化率=〔(酸無水物を配合しない比較例のΔRe)−(酸無水物を配合する実施例のΔRe)〕/(酸無水物を配合する実施例のΔRe)
AA:Re良化率が、90%以上
A:Re良化率が、70%以上90%未満
B:Re良化率が、20%以上70%未満
C:Re良化率が、20%未満
A:Re良化率が、70%以上90%未満
B:Re良化率が、20%以上70%未満
C:Re良化率が、20%未満
上記表2に示す結果から、酸無水物を含有するポジティブAプレートを有する偏光板は、いずれも熱耐久性が良いことが分かった。
なお、比較例として酸無水物ではない化合物K−5を含む作製例10は熱耐久性改良効果が小さかった。
なお、比較例として酸無水物ではない化合物K−5を含む作製例10は熱耐久性改良効果が小さかった。
[作製例33〜36]
<ポジティブCプレート1の作製>
仮支持体として、市販されているトリアセチルセルロースフィルム「Z−TAC」(富士フイルム社製)を用いた。これを「セルロースアシレートフィルム2」という。
セルロースアシレートフィルム2を温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/m2で塗布し、110℃に加熱し、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。
次いで、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。
次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアシレートフィルム2を作製した。
<ポジティブCプレート1の作製>
仮支持体として、市販されているトリアセチルセルロースフィルム「Z−TAC」(富士フイルム社製)を用いた。これを「セルロースアシレートフィルム2」という。
セルロースアシレートフィルム2を温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/m2で塗布し、110℃に加熱し、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。
次いで、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。
次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアシレートフィルム2を作製した。
─────────────────────────────────
アルカリ溶液の組成(質量部)
─────────────────────────────────
・水酸化カリウム 4.7質量部
・水 15.8質量部
・イソプロパノール 63.7質量部
・含フッ素界面活性剤SF−1
(C14H29O(CH2CH2O)20H) 1.0質量部
・プロピレングリコール 14.8質量部
─────────────────────────────────
アルカリ溶液の組成(質量部)
─────────────────────────────────
・水酸化カリウム 4.7質量部
・水 15.8質量部
・イソプロパノール 63.7質量部
・含フッ素界面活性剤SF−1
(C14H29O(CH2CH2O)20H) 1.0質量部
・プロピレングリコール 14.8質量部
─────────────────────────────────
上記アルカリ鹸化処理されたセルロースアシレートフィルム2を用い、下記の組成の配向層形成用塗布液を#8のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、配向層を形成した。
─────────────────────────────────
配向層形成用塗布液の組成
─────────────────────────────────
・ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA103) 2.4質量部
・イソプロピルアルコール 1.6質量部
・メタノール 36質量部
・水 60質量部
─────────────────────────────────
配向層形成用塗布液の組成
─────────────────────────────────
・ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA103) 2.4質量部
・イソプロピルアルコール 1.6質量部
・メタノール 36質量部
・水 60質量部
─────────────────────────────────
上記で形成した配向層を有するセルロースアシレートフィルム2上に、下記塗布液ポジティブCプレート形成用塗布液C−1を塗布し、60℃60秒間熟成させた後に、空気下にて70mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて1000mJ/cm2の紫外線を照射して、その配向状態を固定化することにより、重合性棒状液晶化合物を垂直配向させ、膜厚600nmのポジティブCプレート1を作製した。波長550nmにおいてReが0nm、Rthが−60nmであった。
─────────────────────────────────
ポジティブCプレート形成用塗布液C1の組成
─────────────────────────────────
・上記液晶性化合物X−5 80質量部
・下記液晶性化合物X−6 20質量部
・下記垂直配液晶化合物向剤(S01) 1質量部
・エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 8質量部
・上記重合開始剤S−1 0.50質量部
・下記化合物B03 0.4質量部
・メチルエチルケトン 170質量部
・シクロヘキサノン 30質量部
─────────────────────────────────
ポジティブCプレート形成用塗布液C1の組成
─────────────────────────────────
・上記液晶性化合物X−5 80質量部
・下記液晶性化合物X−6 20質量部
・下記垂直配液晶化合物向剤(S01) 1質量部
・エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 8質量部
・上記重合開始剤S−1 0.50質量部
・下記化合物B03 0.4質量部
・メチルエチルケトン 170質量部
・シクロヘキサノン 30質量部
─────────────────────────────────
重合性液晶化合物X−6
<ポジティブCプレート2,3の作製>
ポジティブCプレート形成用塗布液C1に対して、表3に示すように酸無水物K−1を加えたこののみ変えたポジティブCプレート形成用塗布液C2、C3を作製し、ポジティブCプレートC1と同様にして、ポジティブCプレートC2、C3を作製した。
ポジティブCプレート形成用塗布液C1に対して、表3に示すように酸無水物K−1を加えたこののみ変えたポジティブCプレート形成用塗布液C2、C3を作製し、ポジティブCプレートC1と同様にして、ポジティブCプレートC2、C3を作製した。
<偏光板33〜36の作製>
作製例4の偏光板のポジティブAプレート側に、上記粘着剤N1を介して上記で作製したポジティブCプレート1を張り合わせ、配向膜とセルロースアシレートフィルム1を除去して、偏光板33を作製した。
さらに、作製例6の偏光板のポジティブAプレート側に、上記粘着剤N1を介して、表2に示すようにポジティブCプレートを貼り合わせ、配向膜とセルロースアシレートフィルム1を除去して、偏光板34〜36を作製した。
作製例4の偏光板のポジティブAプレート側に、上記粘着剤N1を介して上記で作製したポジティブCプレート1を張り合わせ、配向膜とセルロースアシレートフィルム1を除去して、偏光板33を作製した。
さらに、作製例6の偏光板のポジティブAプレート側に、上記粘着剤N1を介して、表2に示すようにポジティブCプレートを貼り合わせ、配向膜とセルロースアシレートフィルム1を除去して、偏光板34〜36を作製した。
[熱耐久性評価]
上述した偏光板33〜36について、含水量を保ったまま、両側から粘着剤1を用いてガラス板に挟み込み、上記と同様の熱耐久性評価を行った結果を表3に示す。
上述した偏光板33〜36について、含水量を保ったまま、両側から粘着剤1を用いてガラス板に挟み込み、上記と同様の熱耐久性評価を行った結果を表3に示す。
上記表3に示す結果から、酸無水物を含有しないポジティブAプレートを有する偏光板でも他層に酸無水物が存在すれば熱耐久性が良いことが分かった。
<有機EL装置の作製>
有機ELパネル(有機EL表示素子)搭載のSAMSUNG社製GALAXY S5を分解し、有機EL表示装置から、円偏光板付きタッチパネルを剥離し、さらにタッチパネルから円偏光板を剥がし、有機EL表示素子、タッチパネルおよび円偏光板をそれぞれ単離した。次いで、単離したタッチパネルを有機EL表示素子と再度貼合し、さらに上記で作製した偏光板33〜36をポジティブCプレート側がパネル側になるようにタッチパネル上に貼合し、有機EL表示装置を作製した。
有機ELパネル(有機EL表示素子)搭載のSAMSUNG社製GALAXY S5を分解し、有機EL表示装置から、円偏光板付きタッチパネルを剥離し、さらにタッチパネルから円偏光板を剥がし、有機EL表示素子、タッチパネルおよび円偏光板をそれぞれ単離した。次いで、単離したタッチパネルを有機EL表示素子と再度貼合し、さらに上記で作製した偏光板33〜36をポジティブCプレート側がパネル側になるようにタッチパネル上に貼合し、有機EL表示装置を作製した。
作製した有機EL表示装置について、λ/4板として、ピュアエースWR(帝人株式会社製)を用いた場合と同様の評価を行ったところ、λ/4板として、ポジティブAプレートとポジティブCプレートの光学積層体を用いた場合でも同様の効果が発揮されることを確認した。
10、20、30,40 偏光板
11 偏光子保護膜
12 ポリビニルアルコール偏光子
13 偏光子保護膜
14 ポジティブAプレート
15 ポジティブCプレート
16 光配向膜
11 偏光子保護膜
12 ポリビニルアルコール偏光子
13 偏光子保護膜
14 ポジティブAプレート
15 ポジティブCプレート
16 光配向膜
Claims (18)
- 酸無水物と逆波長分散性を示す重合性液晶化合物とを含有する、重合性液晶組成物。
- 前記酸無水物が、下記式(III)で表わされる化合物である、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
- 前記酸無水物が、下記式(IV)で表わされる化合物である、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
- 前記酸無水物の分子量が、450以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物。
- 前記逆波長分散性を示す重合性液晶化合物が、下記式(II)で表される、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
L1−G1−D1−Ar−D2−G2−L2 ・・・(II)
ここで、前記式(II)中、
D1およびD2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO−O−、−C(=S)O−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CO−O−CR1R2−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−O−CO−、−CR1R2−O−CO−CR3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、または、−CO−NR1−を表す。
R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
G1およびG2は、それぞれ独立に、炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を表し、前記脂環式炭化水素基を構成する−CH2−の1個以上が−O−、−S−または−NH−で置換されていてもよい。さらに、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基は複数が単結合していても良い。
L1およびL2は、それぞれ独立に、1価の有機基を表し、L1およびL2の少なくとも一方は、重合性基を有する1価の基を表す。
Arは、下記式(II−1)、(II−2)、(II−3)、または、(II−4)で表される2価の芳香環基を表す。
Q1は、−S−、−O−、または、−NR11−を表す。
R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Y1は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR12R13、または、−SR12を表し、Z1およびZ2は、互いに結合して芳香環または芳香族複素環を形成してもよく、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
A1およびA2は、それぞれ独立に、−O−、−NR21−、−S−およびCO−からなる群から選択される基を表し、R21は、水素原子または置換基を表す。
Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14族〜第16族の非金属原子を表す。
Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する炭素数2〜30の有機基を表す。
AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
Q2は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物を用いて形成される光学異方性層。
- 酸無水物と液晶化合物を含有し、波長450nmで測定した面内レターデーション値であるRe(450)と、波長550nmで測定した面内レターデーション値であるRe(550)と、波長650nmで測定した面内レターデーションの値であるRe(650)とが、Re(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係にある、光学異方性層。
- 前記液晶化合物が、下記式(I)で表される部分構造を有する重合体である、請求項7に記載の光学異方性層。
*−D1−Ar−D2−* ・・・(I)
ここで、前記式(I)中、
D1およびD2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO−O−、−C(=S)O−、−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−、−O−CR1R2−、−CR1R2−O−CR3R4−、−CO−O−CR1R2−、−O−CO−CR1R2−、−CR1R2−CR3R4−O−CO−、−CR1R2−O−CO−CR3R4−、−CR1R2−CO−O−CR3R4−、−NR1−CR2R3−、または、−CO−NR1−を表す。
Arは、下記式(II−1)、(II−2)、(II−3)、または、(II−4)で表される2価の芳香環基を表す。
Q1は、−S−、−O−、または、−NR11−を表す。
R11は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Y1は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3〜12の芳香族複素環基を表す。
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR12R13、または、−SR12を表し、Z1およびZ2は、互いに結合して芳香環または芳香族複素環を形成してもよく、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
A1およびA2は、それぞれ独立に、−O−、−NR21−、−S−およびCO−からなる群から選択される基を表し、R21は、水素原子または置換基を表す。
Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14族〜第16族の非金属原子を表す。
Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する、炭素数2〜30の有機基を表す。
Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも一つの芳香環を有する炭素数2〜30の有機基を表す。
AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
Q2は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。 - 前記式(I)中、D1およびD2の少なくとも一方が、−O−、または、−CO−O−を表す、請求項8に記載の光学異方性層。
- 前記酸無水物が、上記式(III)で表わされる化合物である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の光学異方性層。
- 液晶化合物を含有する光学異方性層と、上記式(III)で表わされる化合物を含有する層、とを有する位相差膜であり、前記光学異方性層は、450nmで測定した面内レターデーション値であるRe(450)と、波長550nmで測定した面内レターデーション値であるRe(550)と、波長650nmで測定した面内レターデーションの値であるRe(650)とが、Re(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係にある、位相差膜。
- 前記液晶化合物が、下記式(I)で表される部分構造を有する重合体である、請求項11に記載の位相差膜。
- 前記光学異方性層がポジティブAプレートである、請求項6〜10のいずれか1項に記載の光学異方性層、もしくは請求項11または12のいずれか1項に記載の位相差膜。
- 前記ポジティブAプレートがλ/4板である、請求項13に記載の光学異方性層もしくは位相差膜。
- 請求項6〜10のいずれか1項に記載の光学異方性層もしくは請求項11または12のいずれか1項に記載の位相差膜と、偏光子を有する、偏光板。
- 請求項15に記載の偏光板を有する、液晶表示装置。
- 請求項15に記載の偏光板を有する、有機電界発光装置。
- 2枚の基板と、前記2枚の基板の間に配置された請求項15に記載の偏光板とを有する積層体であって、前記基板の透湿度が10−3g/m2・day以下である、積層体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018221953A JP2020084070A (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | 重合性液晶組成物、光学異方性層、位相差膜、偏光板、積層体、液晶表示装置および有機電界発光装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018221953A JP2020084070A (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | 重合性液晶組成物、光学異方性層、位相差膜、偏光板、積層体、液晶表示装置および有機電界発光装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2020084070A true JP2020084070A (ja) | 2020-06-04 |
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JP2018221953A Pending JP2020084070A (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | 重合性液晶組成物、光学異方性層、位相差膜、偏光板、積層体、液晶表示装置および有機電界発光装置 |
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JP (1) | JP2020084070A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022059662A1 (ja) * | 2020-09-15 | 2022-03-24 | 富士フイルム株式会社 | 積層体および画像表示装置 |
-
2018
- 2018-11-28 JP JP2018221953A patent/JP2020084070A/ja active Pending
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WO2022059662A1 (ja) * | 2020-09-15 | 2022-03-24 | 富士フイルム株式会社 | 積層体および画像表示装置 |
JPWO2022059662A1 (ja) * | 2020-09-15 | 2022-03-24 |
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