JP2020083023A - ブレーキペダル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両前方から外力が作用した場合にブレーキペダルの車両後方への移動を抑制する効果を十分に発揮することができるブレーキペダル装置を提供する。【解決手段】外力が作用してペダルブラケット22が車両後方へ移動するときに、第2リンク部材52,54をプッシュロッド32に当接させて、該プッシュロッド32を屈曲または折損させることで、ダッシュパネル16の車両後方への移動量を吸収する。また、中継アーム26のブラケット当接部26aを固定ブラケット34に当接させて、該中継アーム26の上端部の車両後方への移動を阻止して中継アーム26を移動させることでブレーキペダルパッド20aがペダルブラケット22に対して相対的に車両前方へ移動する方向にブレーキペダル18を回動させる。これにより、ブレーキペダル18の車両後方への移動を抑制する効果を十分に発揮することができる。【選択図】図5
Description
本発明は車両に搭載されるブレーキペダル装置に係る。特に、本発明は、車両前方から外力が作用した場合にブレーキペダルの車両後方(運転席側)への移動を抑制するための構成の改良に関する。
従来、ブレーキペダルへの操作力(運転者の踏力)に応じた液圧を液圧回路内に発生させて、その液圧回路内の液圧をホイールシリンダに供給することにより車両の車輪に制動力を付与する車両用液圧ブレーキ装置が知られている。この種の装置は、ブレーキペダルおよびリンク機構等で構成されるブレーキペダル装置がダッシュパネルよりも車室内側に配設され、車室外側にはブレーキブースタやマスタシリンダ等の液圧発生部が配設されている。そして、ブレーキペダル装置と液圧発生部とはプッシュロッドによって連結されている。
ところで、車両の前突時等において車両前方から外力が作用した場合、その外力によりダッシュパネルが車室内側に変形し、ブレーキペダルが車両後方(運転席側)に大きく移動してしまう虞がある。
この点に鑑み、特許文献1には、車両前方から外力が作用した場合に、この外力の作用によって回動するアームをプッシュロッドに当接させ、該プッシュロッドを折り曲げることでブレーキペダルの車両後方への移動量(後退量)を少なくする構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1の構成にあっては、プッシュロッドを折り曲げることでブレーキペダルの後退量を少なくする効果が、当該後退量が大きくなるに従って小さくなってしまう。このため、未だ改良の余地があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両前方から外力が作用した場合にブレーキペダルの車両後方への移動を抑制する効果を十分に発揮することができるブレーキペダル装置を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、車室の内外を隔てるダッシュパネルに固定されたペダルブラケットと、該ペダルブラケットに回動自在に支持されると共に一端にブレーキペダルパッドを有するブレーキペダルと、長手方向の一端側が前記ペダルブラケットに回動自在に支持されると共に、前記ブレーキペダルへの操作力を液圧を発生させるためのプッシュロッドに伝達するように、これらブレーキペダルとプッシュロッドとの間に配設される中継アームと、該中継アームにおける長手方向の他端側の位置において当該中継アームに回動自在に支持された第1リンク部材と、該第1リンク部材に連結され、外力が作用して前記ペダルブラケットが車両後方へ移動するときに、車体側の固定ブラケットに前記第1リンク部材が当接して該第1リンク部材が回動することに伴い該第1リンク部材から回動力を受けて前記プッシュロッドに対して該プッシュロッドの延在方向に交差する方向から当接する第2リンク部材とを備え、前記中継アームには、前記ペダルブラケットが車両後方へ移動するときに、前記固定ブラケットに当接することにより当該中継アームにおける長手方向の前記他端側の車両後方への移動を阻止するブラケット当接部が設けられ、前記ペダルブラケットが車両後方へ移動するときに、前記ブラケット当接部が前記固定ブラケットに当接し、前記中継アームにおける長手方向の前記一端側が車両後方へ移動することに伴い、当該中継アームにおける長手方向の前記他端側が前記一端側に対して相対的に車両前方へ移動することに伴い、前記ブレーキペダルパッドが前記ペダルブラケットに対して相対的に車両前方へ移動する方向に前記ブレーキペダルを回動させる構成となっていることを特徴とする。
この特定事項により、車両の前突時等においてペダルブラケットが車両後方へ移動するときには、車体側の固定ブラケットに第1リンク部材が当接して該第1リンク部材が回動する。これに伴い該第1リンク部材からの回動力を第2リンク部材が受け、該第2リンク部材は、プッシュロッドに対して該プッシュロッドの延在方向に交差する方向から当接することになる。これにより、プッシュロッドが屈曲または折損することで、ペダルブラケットと共に車両後方へ移動するダッシュパネルと中継アームとの相対距離を小さくすることができ、ダッシュパネルの車両後方への移動量を吸収する(ブレーキペダルの車両後方への移動量を小さくする)ことが可能となる。
また、中継アームにおけるブラケット当接部が固定ブラケットに当接する状態になると、中継アームにおける長手方向の他端側の車両後方への移動が阻止されることになる。つまり、ダッシュパネルの車両後方への移動に従って中継アームにおける長手方向の一端側が車両後方へ移動することになる。即ち、中継アームは、長手方向の一端側が車両後方へ移動することに伴い、長手方向の他端側が一端側に対して相対的に車両前方へ移動することになり、ブレーキペダルは、この中継アームの移動に従って、ブレーキペダルパッドがペダルブラケットに対して相対的に車両前方へ移動する方向に回動することになる。
このように、プッシュロッドの屈曲または折損だけでなく、中継アームのブラケット当接部が固定ブラケットに当接することに伴う中継アームの移動に従ったブレーキペダルの回動(ブレーキペダルパッドがペダルブラケットに対して相対的に車両前方へ移動する方向への回動)によって、ブレーキペダルの車両後方への移動を抑制する効果を十分に発揮することができる。
本発明では、外力が作用してペダルブラケットが車両後方へ移動するときに、第2リンク部材をプッシュロッドに当接させて、該プッシュロッドを屈曲または折損させることで、ダッシュパネルの車両後方への移動量を吸収する。また、中継アームのブラケット当接部を固定ブラケットに当接させて、該中継アームにおける長手方向の他端側の車両後方への移動を阻止して中継アームを移動させることで、ブレーキペダルパッドがペダルブラケットに対して相対的に車両前方へ移動する方向にブレーキペダルを回動させるようにしている。これにより、ブレーキペダルの車両後方への移動を抑制する効果を十分に発揮することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るブレーキペダル装置10の側面図であって、車両前方からの外力が作用していない状態を示す図である。また、図2は、ブレーキペダル装置10の分解斜視図である。なお、これら図面では、本発明の技術的思想を説明する上で必要となる部品のみを示し、その他の部品は適宜図示を省略している。
−ブレーキペダル装置の構成−
エンジンコンパートメント12と車室内空間14とを仕切る隔壁としてダッシュパネル(図1では仮想線で示している)16が略垂直に配設されている。このダッシュパネル16の上端部は、車幅方向を長手方向として配設されると共に、カウルの一部を構成する図示しないカウルインナパネルにスポット溶接等により接合されている。また、ダッシュパネル16の下端部は、図示しないフロアパネルにスポット溶接等により接合されている。
エンジンコンパートメント12と車室内空間14とを仕切る隔壁としてダッシュパネル(図1では仮想線で示している)16が略垂直に配設されている。このダッシュパネル16の上端部は、車幅方向を長手方向として配設されると共に、カウルの一部を構成する図示しないカウルインナパネルにスポット溶接等により接合されている。また、ダッシュパネル16の下端部は、図示しないフロアパネルにスポット溶接等により接合されている。
ダッシュパネル16よりもエンジンコンパートメント12側には、図示しないブレーキブースタが配設されている。このブレーキブースタは、ブレーキペダル18を構成するブレーキアーム20の一端に固定されたブレーキペダルパッド20aに付与された運転者の踏力を増強するためのものである。また、ブレーキブースタによって増強された圧力を液圧に変換するためのマスタシリンダや液圧系の体積変化に追従してブレーキフルードを貯留および補充するリザーバタンク等もエンジンコンパートメント12側に配設されている。
一方、ダッシュパネル16よりも車室内空間14側、つまり、車両後方側には車幅方向に沿って延在されたインパネリインフォース(図示省略)が配設されている。また、車室内空間14側には、ダッシュパネル16の上端部に配置されたカウルに対する補強を行うと共にインパネリインフォースの補強を行う補強材が配設されている。この補強材がインパネリインフォースに溶接等によって接合されて一体となりインパネリインフォースアッシとなっている。本実施形態の場合、インパネリインフォースアッシの補強材にインパネリインホースブラケットが固定されている。
ダッシュパネル16よりも車室内空間14側には、ペダルブラケット22が固定されている。このペダルブラケット22は、車幅方向に所定間隔を存して対向する2枚の側板22aが接続板22bによって接続されて成り、ボルト等によりダッシュパネル16に強固に固定されている。
側板22aには、ブレーキアーム20の回動中心となる第1回動シャフト24が挿通されている。ブレーキアーム20の上端部は、第1回動シャフト24によってペダルブラケット22に回動自在に支持されている。ブレーキアーム20とペダルブラケット22との間には図示しない第1コイルスプリング(引張コイルスプリング)が架け渡されている。これにより、ブレーキアーム20には、常に図1における反時計回り方向の付勢力が付与されている。
また、側板22aには、後述する中継アーム26の回動中心となる第2回動シャフト28が挿通されている。中継アーム26の下端部(本発明でいう中継アームにおける長手方向の一端側)は、第2回動シャフト28によってペダルブラケット22に回動自在に支持されている。中継アーム26と車体側との間には図示しない第2コイルスプリング(圧縮コイルスプリング)が配設されている。これにより、中継アーム26には、常に図1における時計回り方向の付勢力が付与されている。
また、この中継アーム26は、液圧をホイールシリンダに供給することで制動力を発生させるためのプッシュロッド32とブレーキアーム20とを連結する機能を有する。ブレーキアーム20と中継アーム26とは、アームリンク30によって接続されている。ブレーキアーム20に対するアームリンク30の接続位置は第1回動シャフト24よりも下側である。また、中継アーム26に対するアームリンク30の接続位置は第2回動シャフト28よりも上側である。このため、ブレーキペダルパッド20aが運転者によって矢印A方向に踏み込まれ、ブレーキアーム20が第1回動シャフト24を回動中心として前記第1コイルスプリングの付勢力に抗して矢印B方向に回動すると、中継アーム26が第2回動シャフト28を回動中心として前記第2コイルスプリングの付勢力に抗して矢印C方向に回動することになる。
中継アーム26には、図示しないブレーキブースタに接続されたプッシュロッド32の一端が回動自在に連結され、中継アーム26が矢印C方向に回動すると、プッシュロッド32を矢印D方向に押し込み、マスタシリンダによって液圧を発生させて前記制動力を発生できるように構成されている。
また、中継アーム26には、その上端部(本発明でいう中継アームにおける長手方向の他端側)にブラケット当接部26aが設けられている。このブラケット当接部26aは、車体側の部材である固定ブラケット34に所定間隔(車両前後方向において所定間隔)を存して対向している。このため、車両の前突時等においてペダルブラケット22がダッシュパネル16と共に車両後方へ移動するときには、中継アーム26のブラケット当接部26aが固定ブラケット34に当接することになる(図4に示す状態を参照)。
また、中継アーム26において、第2回動シャフト28から遠い側(上側)には、複数のリンク部材50,52,54が回動自在に連結されている。これらリンク部材としては、第1リンク部材50、左側第2リンク部材52、右側第2リンク部材54が設けられている。
第1リンク部材50は、第3回動シャフト38を回動中心として中継アーム26に回動自在に支持されている。この第3回動シャフト38の配設位置は、ブラケット当接部26aよりも下側に設定されている。また、左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54は、第4回動シャフト40を回動中心として中継アーム26に回動自在に支持されている。この第4回動シャフト40の配設位置は、第3回動シャフト38よりも下側に設定されている。
第1リンク部材50の上部は中継アーム26のブラケット当接部26aよりも上方へ延在されており、その上端部が、固定ブラケット34に所定間隔(車両前後方向において所定間隔)を存して対向している。このため、車両の前突時等においてペダルブラケット22がダッシュパネル16と共に車両後方へ移動するときには、第1リンク部材50の上端部が固定ブラケット34に当接することになる(図3に示す状態を参照)。この所定間隔(第1リンク部材50の上端部と固定ブラケット34との間の所定間隔)は、中継アーム26のブラケット当接部26aと固定ブラケット34との間の所定間隔よりも短く設定されている。このため、車両の前突時等においてペダルブラケット22がダッシュパネル16と共に車両後方へ移動するときには、中継アーム26のブラケット当接部26aが固定ブラケット34に当接するのに先立って、第1リンク部材50の上端部が固定ブラケット34に当接することになる。
一方、左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54は、それぞれ略U字形状で成り、その長手方向の中間部が前記第4回動シャフト40によって中継アーム26に回動自在に支持されている。前述したように、この第4回動シャフト40の配設位置は、第3回動シャフト38よりも下側に設定されている。
また、これら左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54は、その長手方向の一端部が第1連結ピン42によって第1リンク部材50の下端部に連結されており、この第1リンク部材50が回動した場合(第1リンク部材50の上端部が固定ブラケット34に当接することによって回動した場合)には、その回動力が伝達されるようになっている。更に、これら左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54は、その長手方向の他端部が第2連結ピン44によって互いに連結されている。この第2連結ピン44の位置は、図1に示す状態においてプッシュロッド32の下側に設定されている。そして、左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54に第1リンク部材50からの回動力(図1において第1リンク部材50が反時計回り方向に回動する回動力)が伝達された場合には、これら左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54が、第4回動シャフト40を回動中心として図1における時計回り方向に回動し、これによって第2連結ピン44がプッシュロッド32に対して下側から当接する構成となっている。このような構成となっているため、左側第2リンク部材52、右側第2リンク部材54および第2連結ピン44によって本発明でいう第2リンク部材が構成されている。
また、右側第2リンク部材54の長手方向の一端部には、第1リンク部材50に取り付けられた係止ピン46に係止可能なフック部54aが設けられている。図1に示す通常時(車両前方からの外力が作用していない状態)にあっては、右側第2リンク部材54のフック部54aが、第1リンク部材50に取り付けられた係止ピン46に係止しており、第1リンク部材50と各第2リンク部材52,54とが一体となって回動するようになっている。
−ブレーキペダルの踏み込み操作時−
以上のように構成されるブレーキペダル装置10において、運転者によるブレーキペダル18の踏み込み操作時には、図1に示すように、ブレーキペダルパッド20aが運転者によって矢印A方向に踏み込まれ、ブレーキアーム20が第1回動シャフト24を回動中心として前記第1コイルスプリングの付勢力に抗して矢印B方向に回動する。その結果、アームリンク30によってブレーキアーム20に連結された中継アーム26が第2回動シャフト28を回動中心として前記第2コイルスプリングの付勢力に抗して矢印C方向に回動し、プッシュロッド32を矢印D方向に押し込み、マスタシリンダによって液圧を発生させて前記制動力を発生させる。
以上のように構成されるブレーキペダル装置10において、運転者によるブレーキペダル18の踏み込み操作時には、図1に示すように、ブレーキペダルパッド20aが運転者によって矢印A方向に踏み込まれ、ブレーキアーム20が第1回動シャフト24を回動中心として前記第1コイルスプリングの付勢力に抗して矢印B方向に回動する。その結果、アームリンク30によってブレーキアーム20に連結された中継アーム26が第2回動シャフト28を回動中心として前記第2コイルスプリングの付勢力に抗して矢印C方向に回動し、プッシュロッド32を矢印D方向に押し込み、マスタシリンダによって液圧を発生させて前記制動力を発生させる。
この場合、第1リンク部材50、左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54は中継アーム26と共に矢印C方向に回動するが、他の構成部品とは接触せず、動作しない。また、中継アーム26のブラケット当接部26aが固定ブラケット34に当接することもない。
−外力作用時−
一方、車両の前突時等において車両前方から外力が作用し、図3に示すように、ダッシュパネル16が車両後方(矢印E方向)に移動した場合には、ダッシュパネル16と固定ブラケット34との相対距離が縮まる。その結果、まず、第1リンク部材50が固定ブラケット34に当接し、該第1リンク部材50は、ダッシュパネル16の移動(車両後方への移動)に伴って第3回動シャフト38を回動中心として矢印F方向に回動する。第1リンク部材50と左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54とは第1連結ピン42によって連結されているため、この第1リンク部材50の回動力は左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54に伝達され、これら左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54が、第4回動シャフト40を回動中心として矢印G方向に回動する。この際、右側第2リンク部材54のフック部54aが係止ピン46から離脱し、左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54が、中継アーム26および第1リンク部材50に対して相対的に回動することになる。これによって、左側第2リンク部材52と右側第2リンク部材54とを連結している第2連結ピン44がプッシュロッド32に対して下側から当接する。プッシュロッド32は、ダッシュパネル16の移動に伴う圧縮力(軸心に沿う方向の圧縮力)を受けているので、第2連結ピン44が当接することによる荷重が付与されることにより、図3に示すように、上側に屈曲されやすくなる。また、その屈曲の進行によってプッシュロッド32は折損に至りやすくなる。プッシュロッド32を積極的に屈曲させることにより、ダッシュパネル16と中継アーム26との相対距離を小さくすることができ、ダッシュパネル16の車両後方への移動量を吸収することが可能となる。これにより、ダッシュパネル16の車両後方への移動量に対して中継アーム26の車両後方への移動量を少なくすることができ、その結果、この中継アーム26に連結されているブレーキペダル18の車両後方への移動量も少なくすることができて、該ブレーキペダル18が車両後方(運転席側)へ移動することが抑制される。この時点(図3に示す状態の時点)でのブレーキペダル18の車両後方への移動量(後退量)は、図3における寸法T1となっている。
一方、車両の前突時等において車両前方から外力が作用し、図3に示すように、ダッシュパネル16が車両後方(矢印E方向)に移動した場合には、ダッシュパネル16と固定ブラケット34との相対距離が縮まる。その結果、まず、第1リンク部材50が固定ブラケット34に当接し、該第1リンク部材50は、ダッシュパネル16の移動(車両後方への移動)に伴って第3回動シャフト38を回動中心として矢印F方向に回動する。第1リンク部材50と左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54とは第1連結ピン42によって連結されているため、この第1リンク部材50の回動力は左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54に伝達され、これら左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54が、第4回動シャフト40を回動中心として矢印G方向に回動する。この際、右側第2リンク部材54のフック部54aが係止ピン46から離脱し、左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54が、中継アーム26および第1リンク部材50に対して相対的に回動することになる。これによって、左側第2リンク部材52と右側第2リンク部材54とを連結している第2連結ピン44がプッシュロッド32に対して下側から当接する。プッシュロッド32は、ダッシュパネル16の移動に伴う圧縮力(軸心に沿う方向の圧縮力)を受けているので、第2連結ピン44が当接することによる荷重が付与されることにより、図3に示すように、上側に屈曲されやすくなる。また、その屈曲の進行によってプッシュロッド32は折損に至りやすくなる。プッシュロッド32を積極的に屈曲させることにより、ダッシュパネル16と中継アーム26との相対距離を小さくすることができ、ダッシュパネル16の車両後方への移動量を吸収することが可能となる。これにより、ダッシュパネル16の車両後方への移動量に対して中継アーム26の車両後方への移動量を少なくすることができ、その結果、この中継アーム26に連結されているブレーキペダル18の車両後方への移動量も少なくすることができて、該ブレーキペダル18が車両後方(運転席側)へ移動することが抑制される。この時点(図3に示す状態の時点)でのブレーキペダル18の車両後方への移動量(後退量)は、図3における寸法T1となっている。
そして、車両前方からの外力の作用が継続し、図4に示すように、ダッシュパネル16が車両後方(矢印E方向)に更に移動した場合には、ダッシュパネル16と固定ブラケット34との相対距離が更に縮まり、中継アーム26のブラケット当接部26aが固定ブラケット34に当接する状態になる。図5は、図4に示す状態から更に車両後方にダッシュパネル16が移動した場合を示している。
このように、中継アーム26のブラケット当接部26aが固定ブラケット34に当接する状態になると、中継アーム26の上端部の車両後方への移動が阻止されることになる。つまり、ダッシュパネル16の車両後方への移動に従って中継アーム26の下端部が車両後方へ移動することになる(図4および図5における矢印Hを参照)。即ち、中継アーム26は、下端部が車両後方へ移動することに伴い、上端部が下端部に対して相対的に車両前方へ移動することになる。つまり、中継アーム26が図4および図5における反時計回り方向に回動(矢印Cを参照)することになる。この中継アーム26の回動に伴う回動力はアームリンク30を介してブレーキペダル18に伝達されることになり、ブレーキペダル18は、第1回動シャフト24を回動中心として矢印B方向に回動することになる。この回動は、ブレーキペダルパッド20aがペダルブラケット22に対して相対的に車両前方へ移動する方向の回動である。このようにしてブレーキペダルパッド20aがペダルブラケット22に対して相対的に車両前方へ移動する方向にブレーキペダル18が回動することになる。この時点(図5に示す状態の時点)でのブレーキペダル18の車両後方への移動量(後退量)は、図5における寸法T2となっており、図3および図4に示す位置よりも車両前方側であって、図1に示すブレーキペダル18の位置(車両前方からの外力が作用していない状態での位置)に近い位置となっている。
−実施形態の効果−
以上説明したように、本実施形態にあっては、車両の前突時等においてペダルブラケット22が車両後方へ移動するときには、車体側の固定ブラケット34に第1リンク部材50の上端部が当接して該第1リンク部材50が回動する。これに伴い該第1リンク部材50からの回動力を各第2リンク部材52,54が受け、第2連結ピン44は、プッシュロッド32に対して該プッシュロッド32の延在方向に交差する方向から(下側から)当接することになる。これにより、プッシュロッド32が屈曲または折損することで、ペダルブラケット22と共に車両後方へ移動するダッシュパネル16と中継アーム26との相対距離を小さくすることができ、ダッシュパネル16の車両後方への移動量を吸収する(ブレーキペダル18の車両後方への移動量を小さくする)ことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態にあっては、車両の前突時等においてペダルブラケット22が車両後方へ移動するときには、車体側の固定ブラケット34に第1リンク部材50の上端部が当接して該第1リンク部材50が回動する。これに伴い該第1リンク部材50からの回動力を各第2リンク部材52,54が受け、第2連結ピン44は、プッシュロッド32に対して該プッシュロッド32の延在方向に交差する方向から(下側から)当接することになる。これにより、プッシュロッド32が屈曲または折損することで、ペダルブラケット22と共に車両後方へ移動するダッシュパネル16と中継アーム26との相対距離を小さくすることができ、ダッシュパネル16の車両後方への移動量を吸収する(ブレーキペダル18の車両後方への移動量を小さくする)ことが可能となる。
また、中継アーム26の上端部に設けられているブラケット当接部26aが固定ブラケット34に当接する状態になると、中継アーム26の上端部の車両後方への移動が阻止されることになる。つまり、ダッシュパネル16の車両後方への移動に従って中継アーム26の下端部が車両後方へ移動することになる。即ち、中継アーム26は、下端部が車両後方へ移動することに伴い、上端部が下端部に対して相対的に車両前方へ移動することになり、ブレーキペダル18は、この中継アーム26の移動に従って、ブレーキペダルパッド20aがペダルブラケット22に対して相対的に車両前方へ移動する方向に回動することになる。
このように、プッシュロッド32の屈曲または折損だけでなく、中継アーム26のブラケット当接部26aが固定ブラケット34に当接することに伴う中継アーム26の移動に従ったブレーキペダル18の回動(ブレーキペダルパッド20aがペダルブラケット22に対して相対的に車両前方へ移動する方向への回動)によって、ブレーキペダル18の車両後方への移動を抑制する効果を十分に発揮することができる。
−他の実施形態−
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態では、プッシュロッド32を屈曲または折損させる構成として、左右一対の第2リンク部材52,54同士の間に第2連結ピン44を架け渡し、この第2連結ピン44をプッシュロッド32に当接させる構成としていた。本発明はこれに限らず、一つの第2リンク部材を備えさせ、この第2リンク部材の先端部をプッシュロッド32に当接させる構成としてもよい。
また、前記実施形態では、プッシュロッド32に対して下側から第2連結ピン44を当接させる構成としていた。これに限らず、プッシュロッド32に対して上側から第2連結ピン44を当接させる構成としてもよい。
また、前記実施形態では、ブレーキアーム20と中継アーム26とをアームリンク30を介して連結していた。本発明はこれに限らず、ブレーキアーム20と中継アーム26とを直接的に連結するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、車両の前突時等においてペダルブラケット22がダッシュパネル16と共に車両後方へ移動する際、第1リンク部材50の上端部が固定ブラケット34に当接し、その後、中継アーム26のブラケット当接部26aが固定ブラケット34に当接する構成としていた。つまり、外力が作用していない状態(図1に示す状態)において、第1リンク部材50の上端部と固定ブラケット34との間の所定間隔が、中継アーム26のブラケット当接部26aと固定ブラケット34との間の所定間隔よりも短く設定されていた。本発明はこれに限らず、第1リンク部材50の上端部と固定ブラケット34との間の所定間隔と、中継アーム26のブラケット当接部26aと固定ブラケット34との間の所定間隔とを同一間隔とするようにしてもよい。この場合、車両の前突時等においてペダルブラケット22がダッシュパネル16と共に車両後方へ移動する際、第1リンク部材50の上端部が固定ブラケット34に当接するタイミング(プッシュロッド32を屈曲または折損させるために左側第2リンク部材52および右側第2リンク部材54の回動が開始されるタイミング)とが一致することになる。
本発明は、車両前方から外力が作用した場合にブレーキペダルの車両後方への移動を抑制するブレーキペダル装置に適用可能である。
10 ブレーキペダル装置
12 エンジンコンパートメント
14 車室内空間
16 ダッシュパネル
18 ブレーキペダル
20 ブレーキアーム
20a ブレーキペダルパッド
22 ペダルブラケット
24 第1回動シャフト
26 中継アーム
26a ブラケット当接部
28 第2回動シャフト
30 アームリンク
32 プッシュロッド
34 固定ブラケット
38 第3回動シャフト
44 第2連結ピン
50 第1リンク部材
52 左側第2リンク部材
54 右側第2リンク部材
12 エンジンコンパートメント
14 車室内空間
16 ダッシュパネル
18 ブレーキペダル
20 ブレーキアーム
20a ブレーキペダルパッド
22 ペダルブラケット
24 第1回動シャフト
26 中継アーム
26a ブラケット当接部
28 第2回動シャフト
30 アームリンク
32 プッシュロッド
34 固定ブラケット
38 第3回動シャフト
44 第2連結ピン
50 第1リンク部材
52 左側第2リンク部材
54 右側第2リンク部材
Claims (1)
- 車室の内外を隔てるダッシュパネルに固定されたペダルブラケットと、
該ペダルブラケットに回動自在に支持されると共に一端にブレーキペダルパッドを有するブレーキペダルと、
長手方向の一端側が前記ペダルブラケットに回動自在に支持されると共に、前記ブレーキペダルへの操作力を液圧を発生させるためのプッシュロッドに伝達するように、これらブレーキペダルとプッシュロッドとの間に配設される中継アームと、
該中継アームにおける長手方向の他端側の位置において当該中継アームに回動自在に支持された第1リンク部材と、
該第1リンク部材に連結され、外力が作用して前記ペダルブラケットが車両後方へ移動するときに、車体側の固定ブラケットに前記第1リンク部材が当接して該第1リンク部材が回動することに伴い該第1リンク部材から回動力を受けて前記プッシュロッドに対して該プッシュロッドの延在方向に交差する方向から当接する第2リンク部材とを備え、
前記中継アームには、前記ペダルブラケットが車両後方へ移動するときに、前記固定ブラケットに当接することにより当該中継アームにおける長手方向の前記他端側の車両後方への移動を阻止するブラケット当接部が設けられ、
前記ペダルブラケットが車両後方へ移動するときに、前記ブラケット当接部が前記固定ブラケットに当接し、前記中継アームにおける長手方向の前記一端側が車両後方へ移動することに伴い、当該中継アームにおける長手方向の前記他端側が前記一端側に対して相対的に車両前方へ移動することに伴い、前記ブレーキペダルパッドが前記ペダルブラケットに対して相対的に車両前方へ移動する方向に前記ブレーキペダルを回動させる構成となっていることを特徴とするブレーキペダル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018219947A JP2020083023A (ja) | 2018-11-26 | 2018-11-26 | ブレーキペダル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018219947A JP2020083023A (ja) | 2018-11-26 | 2018-11-26 | ブレーキペダル装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020083023A true JP2020083023A (ja) | 2020-06-04 |
Family
ID=70909602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018219947A Pending JP2020083023A (ja) | 2018-11-26 | 2018-11-26 | ブレーキペダル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020083023A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022046974A (ja) * | 2020-09-11 | 2022-03-24 | 豊田鉄工株式会社 | 車両用ペダル装置 |
WO2023058390A1 (ja) * | 2021-10-06 | 2023-04-13 | 豊田鉄工株式会社 | 車両用操作ペダル装置 |
-
2018
- 2018-11-26 JP JP2018219947A patent/JP2020083023A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022046974A (ja) * | 2020-09-11 | 2022-03-24 | 豊田鉄工株式会社 | 車両用ペダル装置 |
WO2023058390A1 (ja) * | 2021-10-06 | 2023-04-13 | 豊田鉄工株式会社 | 車両用操作ペダル装置 |
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