JP2007112277A - ブレーキペダルの支持構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
ブレーキペダル15に形成された回動軸16の一端部側を回転可能に支持する第1支持部材14cと、ブレーキペダル15から離隔して回動軸16の他端部側を回転可能に支持する第2支持部材14bと、デッキクロスメンバ13と回動軸16との間に設けられた当接部材19と、第1支持部材14cの一部であって回動軸16および当接部材19よりも剛性が低くなるように形成された低剛性部14eとを備えて構成する。
【選択図】 図1
Description
この特許文献1においては、その図1において符号5で示すペダルサポート部材に、符号15,16で示すビードが形成されており、車両前方が衝突した場合には、このビードを変形させることによって符号8で示すブレーキペダルが後退することを防ぐようになっている。
そして、図6中矢印A101で示すように、この車両100の前方が衝突した場合、ダッシュパネル101がブレーキブースタ107とともに車両後方へ変位することとなり、これにより、サポートメンバブラケット102が後方へ変位するとともに、ブレーキペダル103もアーム部材108に押されて車両後方側へ回動しようとする。
このとき、サポートメンバブラケット102に固着された干渉用ブラケット104も後方へ変位するが、干渉用ブラケット104の後端部がガイドプレート106に当接すると同時に、ガイドプレート106に沿って、車両の後下方向へ変位するようになっている(図6中矢印A102参照)。
そして、この座屈により、サポートメンバブラケット102の後端部側が車両の前方側に変位するとともに、ブレーキペダル103がストッパ部109に当接し、ブレーキペダル103の車両後方側への回動が抑制される。
しかしながら、車両の種類によっては、そのレイアウトスペース上、あるいは機能上、ブレーキブースタの配設位置が制限される場合があり、これらの図6および図7に示すように、ブレーキブースタ107をブレーキペダル103の操作方向の延長線上に配設できない場合がある。
そして、この図8に示すブレーキペダルの支持構造120においては、ブレーキブースタ121の位置が、ブレーキペダル103の操作方向の延長線上から図8中左側へオフセットして設けられている。
また、シャフト122の他端部側(図8中左側)にはブレーキブースタ121と連結されたアーム部123が固設されており、ブレーキペダル103とブレーキブースタ121とはシャフト122およびアーム部123を介して連結されている。
つまり、干渉用ブラケット104をブレーキペダル103に近接した壁部102bのみに固着する構成にした場合、車両100前方が衝突すると、ガイドプレート106とダッシュパネル101との間で生じた圧縮力により、サポートメンバブラケット102に形成された座屈ポイント102cで座屈が生じる前に、干渉用ブラケット104とともに壁部102b後端部が容易に変形してしまい、座屈ポイント102cで座屈しないのである。
他方、干渉用ブラケット104の両端をサポートメンバブラケット102の壁部102aおよび壁部102bの両方にそれぞれ固着する構成にした場合、干渉用ブラケット104が大型化してしまうため、限られた車内スペースを有効に活用できなくなるとともに、コストの増大を招き、また、重量の増大を招くといった課題が生じる。
また、請求項3記載の本発明の車両のブレーキペダル支持構造は、請求項1または2記載の内容において、前記ブレーキペダルの回動軸は、前記第1支持部材を貫通して突出した突出部を有し、前記当接部材は、前記第1支持部材に固定された一端部側から前記クロスメンバ側に延出したのち折り返されて他端部側が前記突出部に近接した位置まで延設されることを特徴としている。
また、この低剛性部は、下方ほど幅広な溝部として形成されているので、車両前方の衝突時には、この溝部下方の変形量を大きくすることが可能となり、ブレーキペダルの下端側を積極的に前進させることで、より効果的に、ブレーキペダルの後退を抑制することができる。(請求項2)
また、第1支持部材と第2支持部材との間で、ブレーキペダルの回動軸に対し当接部材の前端部を近接させるスペースがないような場合であっても、第1支持部材から突出したブレーキペダルの回動軸である突出部に対して圧縮力伝達部材の後端部を近接して配設することで、車両前方衝突時にダッシュパネルとデッキクロスメンバとの間で生じた圧縮力を、当接部材および突出部を介して、第1支持部材の低剛性部に確実に伝達させることが可能となる。(請求項3)
また、ブレーキ倍力装置がブレーキペダルに対して車幅方向にオフセットして設けられているので、車両前方の衝突により後退したブレーキ倍力装置がブレーキペダルを押し戻す事態を回避することができる。また、アーム部材をブレーキペダルの回動軸に一体に固設したので、ブレーキ倍力装置がオフセットされた位置にあっても、ブレーキペダルの操作力を確実にブレーキ倍力装置側に伝達させることができる。(請求項4)
また、車両前方が衝突し、当接部材が後方へ変位した際に、この当接部材を車両の後斜め下方向へ延在するガイド部材に沿って強制的に変位させるようにしてあるので、第1支持部材の低剛性部の変形が促進され、ブレーキペダルの後退をより確実に抑制することができる。(請求項5)
図1,図2および図3に示すように、車両1には、車体の一部であって車室11の前面を形成するダッシュパネル12が設けられるとともに、車両1の幅方向に延在し車体を形成するパイプ材であるデッキクロスメンバ13がダッシュパネル12よりも後方において設けられている。
また、これらのブースタ側ブラケット14Bおよびペダル側ブラケット14Cには、それぞれ、円形の穴部14d,14dが形成されている。そして、この穴部14d,14dには、ブッシュ14f,14fが内嵌めされ、さらに、このブッシュ14f,14fに対してパイプ16が挿入されることで、パイプ16がブースタ側ブラケット14Bおよびペダル側ブラケット14Cにより回動可能に支持されている。
また、パイプ16においては、その左端部(他端部)近傍で且つブースタ側ブラケット14Bよりも右側に、ブースタ連結アーム(アーム部材)17が固着され、また、その右端部(一端部)近傍で且つペダル側ブラケット14Cよりも左側に、ブレーキペダル15が固着されている。
また、パイプ16に固設されたブースタ連結アーム17は、ダッシュパネル12よりも車両1の前方において、ブレーキペダル15に対して左方(ブースタ側ブラケット14B側)へオフセットして設けられたブレーキブースタ18に連結されている。
また、図4に示すように、干渉用ブラケット19の前端部19bは、パイプ16の周方向の形状に沿った形状に形成されている。
この干渉用ブラケット19には、図4中紙面手前方向に隆起して形成された補強用のリブ19dが設けられている。さらに、この干渉用ブラケット19の下端部19cは、衝突時にブレーキペダル15に当設して回動を規制するストッパ部を兼用しており、この下端部19cには、ブレーキランプスイッチ22が設けられている。
このガイドプレート21は、ダッシュクロスメンバ13に対して固設された固定部材21Aと、この固定部材21Aと一体に形成され干渉用ブラケット19の後端部19aと近接する位置から車両1の後下方向へ斜めに延在する摺動部材21Bとから構成されている。
そして、この摺動部材21Bは、壁部21B1,21B1との間の開口が干渉用ブラケット19に向くように配設されている。
車両1の前方が衝突し、ダッシュパネル12が後方へ変位すると、サポートメンバブラケット14も後方へ変位し、さらに、図5中矢印A19で示すように、干渉用ブラケット19も後方へ変位する。
これにより、ダッシュクロスメンバ13とダッシュパネル12との間に介装されたガイドプレート21,干渉用ブラケット19,ペダル側ブラケット14Cには圧縮力が作用する。
この座屈変形により、ペダル側ブラケット14Cの後端部側は前方に変位されるので、ストッパを兼用する下端部19Cがブレーキペダル15に当設して、ブレーキペダル15の後退を抑制する。
また、ブレーキペダル15の回動軸であるパイプ部材16において、ペダル側ブラケット14Cとブースタ側ブラケット14Bとの間で干渉用ブラケット19の前端部19bを近接させるスペースがないような場合であっても、ペダル側ブラケット14Cから突出した突出部16aに対して干渉用ブラケット19の前端部19bを近接して配設することで、車両1の前方衝突時にダッシュパネル12とダッシュクロスメンバ13との間で生じる圧縮力を、干渉用ブラケット19およびブレーキペダル15の回動軸であるパイプ部材16の突出部16aを介して、ペダル側ブラケット14Cの座屈部14eに確実に伝達させることが可能となる。
また、ブレーキペダル15の回動軸であるパイプ部材16にブースタ接続部材17を一体に固設したので、ブレーキブースタ18がオフセットされた位置にあっても、ブレーキペダル15の操作力が確実にブレーキブースタ18に伝達される
また、車両1の前方が衝突し、干渉用ブラケット19が後方へ変位した際に、この干渉用ブラケット19の後端部19aを、摺動部材21Bの底部21B2に沿って車両1の後方斜め下方向へ強制的に変位させることが可能となり、ブレーキペダル15の後退をさらに確実に抑制をすることができる。
上述の実施形態においては、ペダル側ブラケット14Cの後端部14C1には干渉用ブラケット19の後端部19aが固設され、また、パイプ16の突出部16a近傍には干渉用ブラケット19の前端部19bが配設されている場合を例にとって説明したが、このような構成に限定するものではない。
12 ダッシュパネル
13 デッキクロスメンバ
14B ブースタ側ブラケット(第2支持部材)
14C ペダル側ブラケット(第1支持部材)
14e 座屈部(低剛性部)
15 ブレーキペダル
16 パイプ部材(回動軸)
16a 突出部
18 ブレーキブースタ(ブレーキ倍力装置)
19 干渉用ブラケット(当接部材)
19b 干渉用ブラケットの前端部(当接部材の他端部)
19c 干渉用ブラケットの下端部(ストッパ部材)
21 ガイドプレート(ガイド部材)
Claims (5)
- 車両の車室前壁を構成するダッシュパネルと、
前記ダッシュパネルよりも後方で車幅方向に延在されるデッキクロスメンバと、
前記車両のドライバによって操作されるブレーキペダルと、
前記ブレーキペダル近傍で前記ダッシュパネルに固定され、前記ブレーキペダルの回動軸の一端部側を回転可能に支持する第1支持部材と、
前記第1支持部材よりも前記ブレーキペダルから離間して前記ダッシュパネルに固定され、前記回動軸の他端部側を回転可能に支持する第2支持部材と、
前記第1支持部材の後端部に設けられ、前記デッキクロスメンバと前記ブレーキペダルの回動軸との間に位置して、前記車両の衝突時に前記デッキクロスメンバに当接して前記回動軸に当接する当接部材と、
前記第1支持部材もしくは、前記当接部材のいずれかに設けられ、車両衝突時に前記ブレーキペダルの後退を規制するストッパ部と、
前記第1支持部材の一部であって、前記ブレーキペダルの回動軸および前記当接部材よりも剛性が低く、かつ前記回動軸よりも車両前方側に形成された低剛性部とを備える
ことを特徴とする車両のブレーキペダル支持構造。 - 前記低剛性部は、前記第1支持部材の上下方向中央近傍から下方に向けて扇型に広がる溝部である
ことを特徴とする、請求項1記載の車両のブレーキペダル支持構造。 - 前記ブレーキペダルの回動軸は、前記第1支持部材を貫通して突出した突出部を有し、
前記当接部材は、前記第1支持部材に固定された一端部側から前記クロスメンバ側に延出したのち折り返されて他端部側が前記突出部に近接した位置まで延設される
ことを特徴とする、請求項1または2記載の車両のブレーキペダル支持構造。 - 前記車両に前記ブレーキペダルの操作を補助するブレーキ倍力装置が備えられるとともに、
前記ブレーキ倍力装置は、前記ブレーキペダルに対して車両幅方向にオフセットして配置され、
前記ブレーキペダルの回動軸に一体に固設され前記ブレーキペダルの操作力を前記ブレーキ倍力装置に伝達するアーム部材を備える
ことを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項記載の車両のブレーキペダル支持構造。 - 前記車両の衝突時に、前記デッキクロスメンバと前記当接部材とが当接する位置において該デッキクロスメンバに固設され前記車両の後斜め下方向へ延在するガイド部材を備える
ことを特徴とする、請求項1〜4いずれか1項記載の車両のブレーキペダル支持構造。
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