JP2020082362A - 多層フィルム及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】深絞り包装機を用いて作製可能であり、収容物にシワを生じることなく密着可能であり、立掛け陳列が可能な新規の包装体と、前記包装体を製造するためのフィルムの提供。
【解決手段】ポリエステルを含む外層12と、融点が100℃未満の樹脂を含むシーラント層11と、を備え、外層12の厚さT12が25〜170μmである、多層フィルム1。多層フィルム1を備えた包装体。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層フィルム及び包装体に関する。
硬質トレー上に収容物を置き、フィルムで収容物を密封するようにした包装体は、スキンパックと呼ばれる。スキンパックにおいて、前記フィルム、すなわちスキンパック用フィルムは透明であり、これを介して収容物が容易に視認可能となっている。また、スキンパック用フィルムは、軟質であり、スキンパック内の収納部を真空引きすることによって、シワを生じることなく収容物に密着させることが可能である。そして、スキンパックは、硬質トレーを備えていることで、収容物の位置のずれを生じることなく、立掛け陳列できる。このような特性に鑑み、スキンパックは、おもに食品用の包装体として利用されている。
一方で、スキンパック用の包装機は、まだ広く普及しているとはいえず、スキンパックは高コストである。これに対して、食品や医薬品の包装には、従来、深絞り包装が汎用されている。深絞り包装とは、凹状の収納部を有する底材フィルムを用い、この収納部に目的物を収納して、厚さが薄い蓋材フィルムで密封するようにしたものである(例えば、特許文献1参照)。深絞り包装機は広く普及しているため、深絞包装は低コストである。
特開平10−119193号公報
しかし、深絞り包装体(真空包装体を含む)は、上記のように、底材フィルム及び蓋材フィルムを用いるが、これらフィルムは多層であるものの、薄くて軟質である。そのため、深絞り包装体は、スキンパックの場合とは異なり、立掛け陳列を行うのには不向きである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、深絞り包装機を用いて作製可能であり、立掛け陳列が可能な新規の包装体と、前記包装体を製造するためのフィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
[1].ポリエステルを含む外層と、融点が100℃未満の樹脂を含むシーラント層と、を備え、前記外層の厚さが25〜170μmである、多層フィルム。
[2].前記外層と前記シーラント層との間に、さらに中間層を備えた、[1]に記載の多層フィルム。
[3].前記融点が100℃未満の樹脂が、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びアイオノマーからなる群より選択される1種又は2種以上である、[1]又は[2]に記載の多層フィルム。
[4].前記シーラント層が、前記融点が100℃未満の樹脂以外に、さらに、ポリプロピレン及びエチレン−プロピレン共重合体からなる群より選択される1種又は2種以上を含む、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[5].前記多層フィルムの厚さに対する、前記外層の厚さの割合が50%以上である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[6].前記多層フィルムの厚さが70μm以上である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[7].[1]〜[6]のいずれか一項に記載の多層フィルムを備えた、包装体。
[8].前記包装体が、蓋材及び底材を備えており、前記蓋材が、前記多層フィルムからなり、前記包装体が、前記蓋材及び底材のシールによって構成された深絞り包装体である、[7]に記載の包装体。
[9].前記蓋材の厚さが100μm以上であり、前記底材の厚さが160μm以下である、[8]に記載の包装体。
本発明によれば、深絞り包装機を用いて作製可能であり、シワを生じることなく収容物に密着可能であり、立掛け陳列が可能な新規の包装体と、前記包装体を製造するためのフィルムが提供される。
本発明の一実施形態に係る多層フィルムを模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る包装体を模式的に示す断面図である。
<<多層フィルム>>
本発明の一実施形態に係る多層フィルムは、ポリエステルを含む外層と、融点が100℃未満の樹脂を含むシーラント層と、を備えており、前記外層の厚さが25〜170μmとなっている。
本実施形態の多層フィルムは、従来から汎用されている深絞り包装機を用いて、他のフィルムとともに、包装体を構成できる。そして、このような包装体として、収容物を真空密封可能であり、立掛け陳列が可能なものを製造できる。本明細書において、「包装体の立掛け陳列」とは、陳列面に対して、包装体の平面(より具体的には、蓋材又は底材の露出面)は接触させずに、包装体の縁を接触させて、包装体を起こした状態で陳列することを意味する。
本実施形態の多層フィルムは、特殊な包装機を用いず、深絞り包装機を用いて、従来のスキンパックと同様の特性を有する、スキンパックではない包装体の安価な製造を可能とする。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。なお、以降の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態に係る多層フィルムを模式的に示す断面図である。
ここに示す多層フィルム1は、外層12と、シーラント層11と、を備えている。多層フィルム1において、外層12は一方の最表層であり、シーラント層11は他方の最表層である。
さらに、多層フィルム1は、外層12と、シーラント層11と、の間に、中間層13を備えている。すなわち、多層フィルム1は、シーラント層11と、シーラント層11上に配置された中間層13と、中間層13上に配置された外層12と、を備えて、構成されている。
さらに、中間層13は、シーラント層11側から外層12側へ向けて、接着層139と、接着層139上に配置された第1樹脂層131と、第1樹脂層131上に配置された第2樹脂層132と、第2樹脂層132上に配置された接着層139と、備えており、複数層からなる。
本明細書においては、「シーラント層側の接着層」を「第1接着層」と称し、「外層側の接着層」を「第2接着層」と称することがある。
<シーラント層>
シーラント層11は、融点が100℃未満の樹脂を含む。
シーラント層11は、融点が100℃未満の樹脂のみを含んでいてもよい(すなわち、融点が100℃未満の樹脂からなるものであってもよい)し、融点が100℃未満の樹脂と、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、融点が100℃未満の樹脂と、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
シーラント層11が含む、前記融点が100℃未満の樹脂は、1種のモノマーの重合体である単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーの重合体である共重合体であってもよい。なかでも、前記樹脂は共重合体であることが好ましい。
シーラント層11が含む前記樹脂の融点は、100℃未満であれば特に限定されないが、95℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましい。前記樹脂の融点がこのような範囲であることで、多層フィルム1を加熱によりシールしたときに、シール強度が高くなる。
シーラント層11が含む前記樹脂の融点の下限値は、特に限定されない。例えば、前記樹脂の入手がより容易である点では、前記樹脂の融点は、80℃以上であることが好ましい。
シーラント層11が含む前記樹脂で好ましいものとしては、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等が挙げられる。
前記アイオノマーは、エチレン系アイオノマーであってもよい。すなわち、シーラント層11が含む前記樹脂で好ましいものとしては、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン系アイオノマー等の、エチレンとそれ以外のモノマーとの共重合体(すなわち、エチレン系共重合体)が挙げられる。エチレン系以外のアイオノマーとしては、例えば、スチレン系アイオノマー等が挙げられる。
シーラント層11が含む前記樹脂(融点が100℃未満の樹脂)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
シーラント層11が含む前記樹脂は、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びアイオノマーからなる群より選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
シーラント層11が含む前記他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、例えば、樹脂成分及び非樹脂成分のいずれであってもよい。
樹脂成分である前記他の成分は、融点が100℃以上の樹脂である。
樹脂成分である前記他の成分は、1種のモノマーの重合体である単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーの重合体である共重合体であってもよい。
樹脂成分である前記他の成分として、より具体的には、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系共重合体が挙げられる。これら他の成分(樹脂成分)を含むシーラント層11は、凝集破壊によるイージーピール性がより向上する。
非樹脂成分である前記他の成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤が挙げられる。
前記添加剤としては、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、防曇剤等が挙げられる。
シーラント層11が含む前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
シーラント層11が良好なイージーピール性を有するという点においては、シーラント層11が含む前記他の成分は、ポリプロピレン及びエチレン−プロピレン共重合体からなる群より選択される1種又は2種以上(本明細書においては、「イージーピール性樹脂」と略記することがある)であることが好ましい。すなわち、シーラント層11は、融点が100℃未満の前記樹脂以外に、さらに、ポリプロピレン及びエチレン−プロピレン共重合体からなる群より選択される1種又は2種以上を含むことが好ましい。
シーラント層11が、前記他の成分として、前記イージーピール性樹脂を含有しない場合には、シーラント層11における、シーラント層11の総質量に対する、融点が100℃未満の樹脂の含有量の割合は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、例えば、97質量%以上、及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、多層フィルム1を加熱によりシールしたときに、シール強度が高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されない。例えば、前記割合は100質量%以下であってもよい。
換言すると、シーラント層11が、前記他の成分として、前記イージーピール性樹脂を含有しない場合には、シーラント層11における、シーラント層11の総質量に対する、前記他の成分の含有量の割合は、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、例えば、3質量%以下、及び1質量%以下のいずれかであってもよい。前記割合が前記上限値以下であることで、多層フィルム1を加熱によりシールしたときに、シール強度が高くなる。
前記割合の下限値は特に限定されない。例えば、前記割合は0質量%以上であってもよい。
シーラント層11が、前記他の成分として、前記イージーピール性樹脂を含有する場合には、シーラント層11における、シーラント層11の総質量に対する、融点が100℃未満の樹脂と、前記イージーピール性樹脂と、の合計含有量の割合は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、例えば、97質量%以上、及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、多層フィルム1を加熱によりシールしたときに、シール強度が高くなり、かつ、シール部のイージーピール性も高くなる。
前記割合の上限値は特に限定されない。例えば、前記割合は100質量%以下であってもよい。
換言すると、シーラント層11が、前記他の成分として、前記イージーピール性樹脂を含有する場合には、シーラント層11における、シーラント層11の総質量に対する、前記イージーピール性樹脂以外の前記他の成分の含有量の割合は、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、例えば、3質量%以下、及び1質量%以下のいずれかであってもよい。前記割合が前記上限値以下であることで、多層フィルム1を加熱によりシールしたときに、シール強度が高くなる。
前記割合の下限値は特に限定されない。例えば、前記割合は0質量%以上であってもよい。
シーラント層11が、前記他の成分として、前記イージーピール性樹脂を含有する場合には、シーラント層11において、融点が100℃未満の樹脂と、前記イージーピール性樹脂と、の合計含有量に対する、融点が100℃未満の樹脂の含有量の割合は、60〜90質量%であることが好ましい。
シーラント層11は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。シーラント層11が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
なお、本明細書においては、シーラント層11の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
シーラント層11の厚さT11は、多層フィルム1が後述する包装体の蓋材用及び底材用のいずれであるかによらず、3〜100μmであることが好ましく、5〜60μmであることがより好ましく、例えば、5〜40μm、及び5〜20μmのいずれかであってもよい。シーラント層11の厚さT11が前記下限値以上であることで、シーラント層11の強度がより高くなる。シーラント層11の厚さT11が前記上限値以下であることで、シーラント層11が過剰な厚さとなることが抑制される。
ここで、「シーラント層11の厚さ」とは、シーラント層11全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなるシーラント層11の厚さとは、シーラント層11を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
シーラント層11の、接着層139側とは反対側の露出面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)11aは、シール面である。
<外層>
外層12は、ポリエステルを含む。
外層12は、ポリエステルのみを含んでいてもよい(すなわち、ポリエステルからなるものであってもよい)し、ポリエステルと、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、ポリエステルと、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
外層12が含むポリエステルは、ジカルボン酸とグリコール(ジオール化合物)との重縮合物に相当するポリマーであり、ジカルボン酸から誘導された構成単位と、グリコールから誘導された構成単位と、を有する。
前記ジカルボン酸は、カルボキシ基(−C(=O)−OH)を2個有する化合物であれば、特に限定されない。
前記ジカルボン酸として、より具体的には、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の鎖状脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の環状脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、前記ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸であることが好ましい。
前記グリコールは、炭化水素中の異なる2個の炭素原子に結合している1個の水素原子(合計で2個の水素原子(−H))が、いずれも水酸基(−OH)で置換されてなる化合物であれば、特に限定されない。
前記グリコールとして、より具体的には、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の鎖状脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール等の環状脂肪族ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族ジオール;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリオキシエチレングリコール等が挙げられる。
これらの中でも、前記グリコールは、エチレングリコールであることが好ましい。
前記ポリエステルにおいて、ジカルボン酸から誘導された構成単位と、グリコールから誘導された構成単位は、いずれも、1種のみであってもよいし2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記ポリエステルとして、より具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(本明細書においては「PET」と略記することがある)、ポリブチレンテレフタレート(本明細書においては「PBT」と略記することがある)、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等の未変性ポリエステル;グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(本明細書においては「PETG」と略記することがある)等の、前記未変性ポリエステルにおいて、グリコールから誘導された構成単位が2種以上である変性ポリエステル等が挙げられる。
外層12が含む前記ポリエステルは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
外層12が含む前記ポリエステルは、PETであることがより好ましい。
外層12が含む前記他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、例えば、樹脂成分及び非樹脂成分のいずれであってもよい。
樹脂成分である前記他の成分は、ポリエステル以外の樹脂である。
非樹脂成分である前記他の成分としては、例えば、シーラント層11が含む他の成分として先に挙げた添加剤と同じものが挙げられる。
外層12が含む前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
外層12における、外層12の総質量に対する、ポリエステルの含有量の割合は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、例えば、97質量%以上、及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、多層フィルム1と、これを用いて構成された包装体と、の剛性がより高くなり、前記包装体は立掛け陳列をするのにより適したものとなる。
前記割合の上限値は特に限定されない。例えば、前記割合は100質量%以下であってもよい。
換言すると、外層12における、外層12の総質量に対する、前記他の成分の含有量の割合は、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、例えば、3質量%以下、及び1質量%以下のいずれかであってもよい。前記割合が前記上限値以下であることで、多層フィルム1と、これを用いて構成された包装体と、の剛性がより高くなり、前記包装体は立掛け陳列をするのにより適したものとなる。
前記割合の下限値は特に限定されない。例えば、前記割合は0質量%以上であってもよい。
外層12は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。外層12が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
外層12の厚さT12は、25〜170μmである。
多層フィルム1を、後述する包装体の蓋材として用いる場合には、外層12の厚さT12は、70〜170μmであることが好ましく、例えば、85〜170μm、100〜170μm、110〜165μm、及び110〜160μmのいずれかであってもよい。上記の場合、外層12の厚さT12が前記下限値以上であることで、多層フィルム1と、これを用いて構成された包装体と、の剛性が高くなり、前記包装体は立掛け陳列をするのに適したものとなる。外層12の厚さT12が前記上限値以下であることで、多層フィルム1のシール特性がより向上する。
本明細書において、「外層12の厚さ」とは、外層12全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる外層12の厚さとは、外層12を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
多層フィルム1を、後述する包装体の底材として用いる場合には、外層12の厚さT12は、25〜100μmであることが好ましく、例えば、25〜80μm、及び25〜60μmのいずれかであってもよい。上記の場合、外層12の厚さT12が前記下限値以上であることで、外層12の強度がより高くなる。外層12の厚さT12が前記上限値以下であることで、多層フィルム1を用いて構成された包装体の、収容物に対する密着性が、より向上する。
多層フィルム1を、後述する包装体の蓋材として用いる場合には、多層フィルム1の厚さTに対する、外層12の厚さT12の割合(T12/T×100)は、特に限定されないが、50%以上であることが好ましく、54%以上であることがより好ましく、58%以上であることがさらに好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、多層フィルム1と、これを用いて構成された包装体と、の剛性がより高くなり、前記包装体は立掛け陳列をするのにより適したものとなる。
多層フィルム1を、後述する包装体の蓋材として用いる場合には、多層フィルム1の厚さTに対する、外層12の厚さT12の割合は、80%以下であることが好ましく、76%以下であることがより好ましく、72%以下であることがさらに好ましい。前記割合が前記上限値以下であることで、多層フィルム1のシール特性がより向上する。
多層フィルム1の厚さTに対する、外層12の厚さT12の割合は、上述の好ましい下限値及び上限値を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。例えば、一実施形態において、前記割合は、50〜80%であることが好ましく、54〜76%であることがより好ましく、58〜72%であることがさらに好ましい。ただし、これらは、好ましい前記割合の一例である。
多層フィルム1を、後述する包装体の底材として用いる場合には、多層フィルム1の厚さTに対する、外層12の厚さT12の割合(T12/T×100)は、特に限定されないが、25〜65%であることが好ましく、28〜60%であることがより好ましく、30〜55%であることがさらに好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、外層12の強度がより高くなる。前記割合が前記上限値以下であることで、多層フィルム1を用いて構成された包装体の、収容物に対する密着性が、より向上する。
なお、本明細書においては、多層フィルム1が底材用である場合には、後述するように、多層フィルムに符号2を付し、外層12に符号12’を付すことがある。
<中間層>
中間層13は、シーラント層11及び外層12とは別に、多層フィルム1に機能を付与する。多層フィルム1は、中間層13を備えていなくてもよいが、中間層13を備えることで、より高機能となる。
[第1樹脂層]
中間層13中の第1樹脂層131は、第1樹脂を含む。
第1樹脂層131としては、例えば、多層フィルム1に強い突刺強度と耐ピンホール性等を付与する保護層が挙げられる。
第1樹脂層131が前記保護層である場合、第1樹脂層131は、前記第1樹脂としてナイロン等のポリアミドを含むことが好ましい。
前記ナイロンとしては、例えば、4−ナイロン、6−ナイロン、7−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、46−ナイロン、66−ナイロン、69−ナイロン、610−ナイロン、611−ナイロン、612−ナイロン、6T−ナイロン、6Iナイロン、6−ナイロンと66−ナイロンとのコポリマー(ナイロン6/66)、6−ナイロンと610−ナイロンとのコポリマー、6−ナイロンと611−ナイロンとのコポリマー、6−ナイロンと12−ナイロンとのコポリマー(ナイロン6/12)、6−ナイロンと612ナイロンとのコポリマー、6−ナイロンと6T−ナイロンとのコポリマー、6−ナイロンと6I−ナイロンとのコポリマー、6−ナイロンと66−ナイロンとの610−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと66−ナイロンとの12−ナイロンのコポリマー(ナイロン6/66/12)、6−ナイロンと66−ナイロンと612−ナイロンとのコポリマー、66−ナイロンと6T−ナイロンとのコポリマー、66−ナイロンと6I−ナイロンとのコポリマー、6T−ナイロンと6I−ナイロンとのコポリマー、66−ナイロンと6T−ナイロンと6I−ナイロンとのコポリマー等が挙げられる。
第1樹脂層131は、第1樹脂がポリアミドであるか否かによらず、第1樹脂のみを含んでいてもよい(すなわち、第1樹脂からなるものであってもよい)し、第1樹脂と、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、第1樹脂と、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
第1樹脂層131が含む第1樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
第1樹脂層131は、ポリアミドを含む場合、ポリアミド以外の樹脂を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
第1樹脂層131が含むポリアミド以外の樹脂は、1種のモノマーの重合体である単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーの重合体である共重合体であってもよい。
第1樹脂層131が含むポリアミド以外の樹脂は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
第1樹脂層131が含む前記他の成分は、非樹脂成分であれば、特に限定されない。
非樹脂成分である前記他の成分としては、例えば、シーラント層11が含む他の成分として先に挙げた添加剤と同じものが挙げられる。
第1樹脂層131が含む前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
第1樹脂がポリアミドであるか否かによらず、第1樹脂層131における、第1樹脂層131の総質量に対する、第1樹脂の含有量の割合は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、例えば、97質量%以上、及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、第1樹脂を用いたことによる効果が、より顕著に得られる。
前記割合の上限値は特に限定されない。例えば、前記割合は100質量%以下であってもよい。
換言すると、第1樹脂層131における、第1樹脂層131の総質量に対する、前記他の成分の含有量の割合は、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、例えば、3質量%以下、及び1質量%以下のいずれかであってもよい。前記割合が前記上限値以下であることで、第1樹脂を用いたことによる効果が、より顕著に得られる。
前記割合の下限値は特に限定されない。例えば、前記割合は0質量%以上であってもよい。
第1樹脂層131がポリアミドを含む場合、第1樹脂層131における、第1樹脂層131の総質量に対する、ポリアミドの含有量の割合は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、例えば、97質量%以上、及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、ポリアミドを用いたことによる効果が、より顕著に得られる。
前記割合の上限値は特に限定されない。例えば、前記割合は100質量%以下であってもよい。
第1樹脂層131は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。第1樹脂層131が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
第1樹脂層131の厚さT131は、多層フィルム1が後述する包装体の蓋材用及び底材用のいずれであるかによらず、また、第1樹脂がポリアミドであるか否かによらず、3〜50μmであることが好ましく、4〜25μmであることがより好ましく、例えば、5〜10μmであってもよい。第1樹脂層131の厚さT131が前記下限値以上であることで、第1樹脂層131の強度がより高くなる。第1樹脂層131の厚さT131が前記上限値以下であることで、第1樹脂層131が過剰な厚さとなることが抑制される。
ここで、「第1樹脂層131の厚さ」とは、第1樹脂層131全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第1樹脂層131の厚さとは、第1樹脂層131を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
[第2樹脂層]
中間層13中の第2樹脂層132は、第2樹脂を含む。
第2樹脂層132としては、例えば、多層フィルム1に強い酸素バリア性(換言すると、酸素ガスの透過を抑制する性質)を付与する酸素バリア層が挙げられる。
第2樹脂層132が前記酸素バリア層である場合、第2樹脂層132が含む前記第2樹脂としては、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(本明細書においては、「EVOH」と略記することがある)等が挙げられる。
第2樹脂層132は、第2樹脂がEVOHであるか否かによらず、第2樹脂のみを含んでいてもよい(すなわち、第2樹脂からなるものであってもよい)し、第2樹脂と、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、第2樹脂と、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
第2樹脂層132が含む第2樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
第2樹脂層132は、EVOHを含む場合、EVOH以外の樹脂を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
第2樹脂層132が含むEVOH以外の樹脂は、1種のモノマーの重合体である単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーの重合体である共重合体であってもよい。
第2樹脂層132が含むEVOH以外の樹脂は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
第2樹脂層132が含む前記他の成分は、非樹脂成分であれば、特に限定されない。
非樹脂成分である前記他の成分としては、例えば、シーラント層11が含む他の成分として先に挙げた添加剤と同じものが挙げられる。
第2樹脂層132が含む前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
第2樹脂がEVOHであるか否かによらず、第2樹脂層132における、第2樹脂層132の総質量に対する、第2樹脂の含有量の割合は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、例えば、97質量%以上、及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、第2樹脂を用いたことによる効果が、より顕著に得られる。
前記割合の上限値は特に限定されない。例えば、前記割合は100質量%以下であってもよい。
換言すると、第2樹脂層132における、第2樹脂層132の総質量に対する、前記他の成分の含有量の割合は、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、例えば、3質量%以下、及び1質量%以下のいずれかであってもよい。前記割合が前記上限値以下であることで、第2樹脂を用いたことによる効果が、より顕著に得られる。
前記割合の下限値は特に限定されない。例えば、前記割合は0質量%以上であってもよい。
第2樹脂層132がEVOHを含む場合、第2樹脂層132における、第2樹脂層132の総質量に対する、EVOHの含有量の割合は、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、例えば、97質量%以上、及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、EVOHを用いたことによる効果が、より顕著に得られる。
前記割合の上限値は特に限定されない。例えば、前記割合は100質量%以下であってもよい。
第2樹脂層132は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。第2樹脂層132が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
第2樹脂層132の厚さT132は、多層フィルム1が後述する包装体の蓋材用及び底材用のいずれであるかによらず、また、第2樹脂がEVOHであるか否かによらず、3〜20μmであることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましく、5〜10μmであることがさらに好ましい。第2樹脂層132の厚さT132が前記下限値以上であることで、第2樹脂層132の強度がより高くなる(より高い機能発現を期待できる)。第2樹脂層132の厚さT132が前記上限値以下であることで、第2樹脂層132が過剰な厚さとなることが抑制される。
ここで、「第2樹脂層132の厚さ」とは、第2樹脂層132全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第2樹脂層132の厚さとは、第2樹脂層132を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
[接着層]
中間層13中の接着層139は、接着剤を含む。
接着層139は、その両面に隣接する2層を接着する。多層フィルム1において、シーラント層11と第1樹脂層131との間に配置されている接着層(第1接着層)139は、シーラント層11と第1樹脂層131とを接着し、第2樹脂層132と外層12との間に配置されている接着層(第2接着層)139は、第2樹脂層132と外層12とを接着している。
これら2箇所の接着層139は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
接着層139が含む前記接着剤は、接着対象の2層を十分な強度で接着できるものであれば、特に限定されない。
前記接着剤としては、例えば、オレフィン系樹脂(すなわち、1種又は2種以上のモノマーであるオレフィンの重合体)等の接着樹脂が挙げられる。
前記オレフィン系樹脂として、より具体的には、例えば、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、ブテン系共重合体等が挙げられ、極性基を有するポリオレフィンであってもよい。
前記エチレン系共重合体とは、エチレンと、エチレン以外のモノマーと、の共重合体である。
前記プロピレン系共重合体とは、プロピレンと、プロピレン以外のモノマーと、の共重合体である。
前記ブテン系共重合体とは、ブテンと、ブテン以外のモノマーと、の共重合体である。
前記エチレン系共重合体としては、例えば、エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。
エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体としては、例えば、無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリエチレン(本明細書においては、「LLDPE−g−MAH」と略記することがある)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(本明細書においては、「EVA樹脂」と略記することがある)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(本明細書においては、「EMMA樹脂」と略記することがある)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(本明細書においては、「EEA樹脂」と略記することがある)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(本明細書においては、「EMA樹脂」と略記することがある)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(本明細書においては、「E−EA−MAH樹脂」と略記することがある)、エチレン−アクリル酸共重合体(本明細書においては、「EAA樹脂」と略記することがある)、エチレン−メタクリル酸共重合体(本明細書においては、「EMAA樹脂」と略記することがある)、アイオノマー(本明細書においては、「ION樹脂」と略記することがある)、エチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。前記ION樹脂とは、エチレンと少量のアクリル酸又はメタクリル酸との共重合体を、酸部分と金属イオンとの塩形成によってイオン橋かけ構造にしたものを意味する。
接着層139は、接着剤のみを含んでいてもよい(すなわち、接着剤からなるものであってもよい)し、接着剤と、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、接着剤と、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
接着層139が含む接着剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
接着層139が含む前記他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、例えば、樹脂成分及び非樹脂成分のいずれであってもよい。
接着層139が含む前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
接着層139における、接着層139の総質量に対する、接着剤の含有量の割合は、例えば、85〜100質量%であってもよい。
換言すると、接着層139における、接着層139の総質量に対する、前記他の成分の含有量の割合は、0〜15質量%であってもよい。
接着層139は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。接着層139が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
多層フィルム1が後述する包装体の蓋材用及び底材用のいずれであるかによらず、接着層139の厚さは、2〜20μmであることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましく、4〜10μmであることがさらに好ましい。接着層139の厚さが前記下限値以上であることで、接着対象の2層の接着強度がより高くなる。接着層139の厚さが前記上限値以下であることで、接着層139が過剰な厚さとなることが抑制される。
ここで、「接着層139の厚さ」とは、接着層139全体の厚さ(例えば、シーラント層11と第1樹脂層131との間に配置されている接着層139全体の厚さ、第2樹脂層132と外層12との間に配置されている接着層139全体の厚さ)を意味し、例えば、複数層からなる接着層139の厚さとは、接着層139を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
多層フィルム1の厚さTは、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
例えば、多層フィルム1を蓋材用として用い、深絞り包装機を用いて、立掛け陳列が可能な包装体を、多層フィルム1から製造する場合であれば、多層フィルム1の厚さTは、例えば、70μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、140μm以上であることがさらに好ましく、180μm以上であることが特に好ましい。多層フィルム1の厚さTがこのような範囲であることで、多層フィルム1と、これを用いて構成された包装体と、の剛性がより高くなり、前記包装体は立掛け陳列をするのにより適したものとなる。
包装体については、後ほど詳しく説明する。
例えば、多層フィルム1を底材用として用い、深絞り包装機を用いて、立掛け陳列が可能な包装体を、多層フィルム1から製造する場合であれば、多層フィルム1の厚さTは、例えば、70μm以上であることが好ましく、85μm以上、及び125μm以上のいずれかであってもよい。多層フィルム1の厚さTがこのような範囲であることで、多層フィルム1の強度がより高くなる。
多層フィルム1の厚さTの上限値は、特に限定されない。
多層フィルム1を蓋材用として用いる場合には、多層フィルム1のシール特性がより向上する点では、多層フィルム1の厚さTは、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることがより好ましい。
多層フィルム1を底材用として用いる場合には、多層フィルム1を用いて構成された包装体の、収容物に密着する密着性がより高くなる点では、多層フィルム1の厚さTは、300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、160μm以下であることがさらに好ましい。
<他の層>
多層フィルム1は、本発明の効果を損なわない範囲内において、外層12と、シーラント層11と、接着層139と、第1樹脂層131と、第2樹脂層132と、のいずれにも該当しない、他の層を備えていてもよい。
前記他の層は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
また、多層フィルム1は、前記他の層を備えている場合、前記他の層をそれ以外の層と接着するための接着層(例えば、接着層139等)をさらに備えていてもよい。
本実施形態の多層フィルムは、上述のものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
例えば、図1に示す多層フィルム1においては、シーラント層11側から外層12側へ向けて、第1樹脂層131及び第2樹脂層132がこの順に積層されているが、これらの積層順は逆であってもよい。
すなわち、本発明の一実施形態に係る多層フィルムは、シーラント層と、前記シーラント層上に配置された中間層と、前記中間層上に配置された外層と、を備えており、さらに前記中間層は、前記シーラント層側から前記外層側へ向けて、接着層と、前記接着層上に配置された第2樹脂層と、前記第2樹脂層上に配置された第1樹脂層と、前記第1樹脂層上に配置された接着層と、備えている。
本実施形態の多層フィルムは、例えば、後述する包装体を構成するための蓋材及び底材のいずれとしても用いることができ、特に蓋材として用いるのに好適である。
<<多層フィルムの製造方法>>
本実施形態の多層フィルムは、例えば、数台の押出機を用いて、各層の形成材料となる樹脂や樹脂組成物等を溶融押出するフィードブロック法や、マルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法等により、製造できる。
また、本実施形態の多層フィルムは、その中のいずれかの層の形成材料となる樹脂や樹脂組成物等を、多層フィルムを構成するための別の層の表面にコーティングして、必要に応じて乾燥させることにより、多層フィルム中の積層構造を形成し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。
また、本実施形態の多層フィルムは、そのうちのいずれか2層以上を構成するための2枚以上のフィルムをあらかじめ別々に作製しておき、接着剤を用いてこれらフィルムを、ドライラミネート法、押出ラミネート法、ホットメルトラミネート法及びウェットラミネート法のいずれかによって貼り合わせて積層し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。このとき、接着剤として、前記接着層を形成可能なものを用いてもよい。
また、本実施形態の多層フィルムは、上記のように、あらかじめ別々に作製しておいた2枚以上のフィルムを、接着剤を用いずに、サーマル(熱)ラミネート法等によって貼り合わせて積層し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。
本実施形態の多層フィルムを製造するときには、ここまでに挙げた、多層フィルム中のいずれかの層(フィルム)の形成方法を、2以上組み合わせてもよい。
<<包装体>>
本発明の一実施形態に係る包装体は、上述の本発明の一実施形態に係る多層フィルムを備えたものである。
本実施形態の包装体は、立掛け陳列が可能な包装体を、従来から汎用されている深絞り包装機を用いて製造できる。このような包装体(例えば、深絞り包装体)は、従来のスキンパックとは異なるが、スキンパックと同様の特性を有しており、スキンパックよりも安価に製造できる。
本実施形態の包装体は、例えば、食品等を包装するための包装袋又は包装容器として好適である。
図2は、本発明の一実施形態に係る包装体を模式的に示す断面図である。
なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここに示す包装体10は、蓋材1と、底材2と、を備えて構成されている。
蓋材1は、図1に示す多層フィルム1からなる。
蓋材1を用いることで、包装体10は、収容物9を収納した状態で、立掛け陳列が可能となる。
なお、図2においては、多層フィルム1中の各層の区別を省略している。
蓋材1の厚さTは、先に説明した多層フィルム1の厚さTと同じである。
底材2は、フィルムを深絞り成形することで得られたものであり、通常は、透明な多層の樹脂フィルム(以下、単に「多層フィルム」と称する)からなる。
底材2には、凹部2cが形成されており、底材2の凹部2cを除く領域の一方の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)2aと、蓋材(多層フィルム)1の第1面11aと、がシールにより、密着している。その結果、底材2の凹部2cの領域において、底材2の第1面2aと、蓋材1の第1面11aと、の間に、収納部10aが形成されている。そして、この収納部10a内に、収容物9が密封されている。
なお、図2においては、包装体10の収納部10a内において、収容物9と蓋材1との間、並びに、収容物9と底材2との間には、一部隙間が見られるが、これら隙間の存在は、収容物9を収納した状態の包装体10において、必須ではない。
底材2を形成するための多層フィルムで好ましいものとしては、先の説明のとおり、その厚さが160μm以下であるものが挙げられ、その厚さは、155μm以下であることがより好ましい。前記多層フィルムの厚さが前記上限値以下であることで、前記収納部10a内において、底材2が収容物9に密着するという効果がより高くなる。
一方、底材2を形成するための多層フィルムの厚さの下限値は、特に限定されない。ただし、底材2の強度がより高くなるという点では、前記多層フィルムの厚さは、先の説明のとおり、70μm以上であることが好ましい。
底材2を形成するための多層フィルムのこれら厚さは、底材2の厚さTと同じである。
本実施形態の包装体の一例としては、前記包装体が、蓋材及び底材を備えており、前記蓋材が、上述の本実施形態の多層フィルムからなり、前記包装体が、前記蓋材及び底材のシールによって構成された深絞り包装体であるものが挙げられる。
本実施形態の包装体において、蓋材及び底材の厚さは、いずれも、上述の好ましい数値範囲の条件を満たすことが好ましい。例えば、このような包装体の一例としては、蓋材の厚さが100μm以上であり、底材の厚さが160μm以下であるものが挙げられる。
収容物9は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されないが、食品であることが好ましい。
収容物9の質量は、特に限定されないが、包装体2が立掛け陳列をするのにより適したものとなる点では、60g以下であることが好ましい。
本実施形態の包装体は、上述のものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
例えば、図2に示す包装体10は、図1に示す多層フィルム1を用いたものであるが、本実施形態の包装体は、図1に示す多層フィルム1以外の多層フィルムを用いたものであってもよい。
<<包装体の使用方法>>
本実施形態の包装体は、その陳列箇所の陳列面に対して、包装体の平面(より具体的には、蓋材又は底材の露出面)は接触させずに、包装体の縁を接触させて、包装体を起こした状態で立掛け陳列できる。このとき、包装体は、1枚を単独で立掛け陳列してもよいし、2枚以上を重ね合わせて立掛け陳列してもよい。
<<包装体の製造方法>>
本実施形態の包装体は、前記蓋材と前記底材とを、前記収納部を形成するように、重ね合わせ、ヒートシールすることにより、製造できる。
包装体の製造時には、蓋材と底材とのヒートシール前に、前記収納部に収容物を収納する。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<<多層フィルム及び包装体の製造>>
[実施例1]
以下に示す手順で、図1に示す構造の多層フィルム、及び、図2に示す構造の包装体を製造した。
<蓋材用多層フィルムの製造>
シーラント層を構成する樹脂として、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(三井デュポンポリケミカル社製「エバフレックスEV460」、融点84℃)を準備した。
外層を構成するポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート(三菱ケミカル社製「ノバペックスGM700Z」)を準備した。
第1樹脂層を構成する第1樹脂として、ポリアミド(宇部興産社製「宇部ナイロン1030B」)を準備した。
第2樹脂層を構成する第2樹脂として、EVOH(クラレ社製「エバールJ171B」)を準備した。
第1接着層を構成する接着樹脂として、極性基を有するポリオレフィン(三菱ケミカル社製「モディックM555」)を準備した。
第2接着層を構成する接着樹脂として、極性基を有するポリオレフィン(三菱ケミカル社製「モディックF515A」)を準備した。
次いで、シーラント層、第1接着層、第1樹脂層、第2樹脂層、第2接着層及び外層を、この順で共押出成形することにより、蓋材用多層フィルムを製造した。
得られた多層フィルムは、シーラント層(厚さT11=35μm)、第1接着層(厚さ10μm)、第1樹脂層(厚さT131=15μm)、第2樹脂層(厚さT132=10μm)、第2接着層(厚さ10μm)及び外層(厚さT12=120μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、厚さTが200μmのものである。
<底材用多層フィルムの製造>
各層を構成するための樹脂の使用量を変更した点以外は、上記の蓋材用多層フィルムの製造時と同じ方法で、底材用多層フィルムを製造した。
得られた多層フィルムは、シーラント層(55μm)、第1接着層(10μm)、第1樹脂層(15μm)、第2樹脂層(10μm)、第2接着層(10μm)及び外層(50μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、厚さが150μmのものである。
<包装体の製造>
上記で得られた底材用多層フィルムを深絞り成形し、底材を製造した。収納部となる底材中の凹部の外形は、直径が100mmで、高さ(深さ)が8mmの円柱状とした。
次いで、上記で得られた底材中の前記凹部に、スライスハム40gを収納した。この状態で、上記で得られた蓋材用多層フィルムを、そのまま蓋材として用い、この蓋材と底材とを、収納部を形成するように重ね合わせ、135℃でヒートシールした。
以上により、収納部に前記スライスハムが収納された包装体を製造した。
[実施例2]
<蓋材用多層フィルムの製造>
各層を構成するための樹脂の使用量を変更した点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、蓋材用多層フィルムを製造した。
得られた多層フィルムは、シーラント層(厚さT11=9μm)、第1接着層(8μm)、第1樹脂層(厚さT131=15μm)、第2樹脂層(厚さT132=10μm)、第2接着層(8μm)及び外層(厚さT12=150μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、厚さTが200μmのものである。
<底材用多層フィルムの製造>
各層を構成するための樹脂の使用量を変更した点以外は、実施例1の蓋材用多層フィルムの製造時と同じ方法で、底材用多層フィルムを製造した。
得られた多層フィルムは、シーラント層(9μm)、第1接着層(8μm)、第1樹脂層(15μm)、第2樹脂層(10μm)、第2接着層(8μm)及び外層(50μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、厚さが100μmのものである。
<包装体の製造>
上記で得られた蓋材用多層フィルム及び底材用多層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、包装体を製造した。
[実施例3]
<蓋材用多層フィルムの製造>
実施例2の場合と同じ方法で、蓋材用多層フィルムを製造した。
<底材用多層フィルムの製造>
各層を構成するための樹脂の使用量を変更した点以外は、実施例1の蓋材用多層フィルムの製造時と同じ方法で、底材用多層フィルムを製造した。
得られた多層フィルムは、シーラント層(7μm)、第1接着層(5μm)、第1樹脂層(15μm)、第2樹脂層(10μm)、第2接着層(5μm)及び外層(28μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、厚さが70μmのものである。
<包装体の製造>
上記で得られた蓋材用多層フィルム及び底材用多層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、包装体を製造した。
[比較例1]
<蓋材用多層フィルム及び底材用多層フィルムの製造>
各層を構成するための樹脂の使用量を変更した点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、蓋材用多層フィルムを製造した。
得られた多層フィルムは、シーラント層(厚さT11=65μm)、第1接着層(10μm)、第1樹脂層(厚さT131=15μm)、第2樹脂層(厚さT132=10μm)、第2接着層(10μm)及び外層(厚さT12=40μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、厚さが150μmのものである。
さらに、底材用多層フィルムとして、同じ多層フィルムを製造した。
なお、本明細書においては、便宜上、比較例の蓋材用多層フィルムの厚さと、前記フィルム中の各層の厚さに対しても、実施例の場合と同じ符号を付している。
<包装体の製造>
上記で得られた蓋材用多層フィルム及び底材用多層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、包装体を製造した。
[比較例2]
<蓋材用多層フィルムの製造>
シーラント層を構成する樹脂として、「エバフレックスEV460」に代えて、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン社製「ユメリット1520F」、融点114℃)を用いた点と、各層を構成するための樹脂の使用量を変更した点、以外は、実施例1の場合と同じ方法で、蓋材用多層フィルムを製造した。
得られた多層フィルムは、シーラント層(厚さT11=25μm)、第1接着層(10μm)、第1樹脂層(厚さT131=15μm)、第2樹脂層(厚さT132=10μm)、第2接着層(10μm)及び外層(厚さT12=180μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、厚さTが250μmのものである。
<底材用多層フィルムの製造>
シーラント層を構成する樹脂として、「エバフレックスEV460」に代えて、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン社製「ユメリット1520F」、融点114℃)を用いた点以外は、実施例2の場合と同じ方法で、底材用多層フィルムを製造した。
得られた多層フィルムは、シーラント層(9μm)、第1接着層(8μm)、第1樹脂層(15μm)、第2樹脂層(10μm)、第2接着層(8μm)及び外層(50μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、厚さが100μmのものである。
<包装体の製造>
上記で得られた蓋材用多層フィルム及び底材用多層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、包装体を製造した。
[比較例3]
<蓋材用多層フィルムの製造>
シーラント層を構成する樹脂として、「エバフレックスEV460」に代えて、直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製「ウルトゼックス2022L」、融点120℃)を用いた点と、各層を構成するための樹脂の使用量を変更した点、以外は、実施例2の場合と同じ方法で、蓋材用多層フィルムを製造した。
得られた多層フィルムは、シーラント層(厚さT11=9μm)、第1接着層(8μm)、第1樹脂層(厚さT131=15μm)、第2樹脂層(厚さT132=10μm)、第2接着層(8μm)及び外層(厚さT12=150μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、厚さTが200μmのものである。
<底材用多層フィルムの製造>
シーラント層を構成する樹脂として、「エバフレックスEV460」に代えて、直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製「ウルトゼックス2022L」、融点120℃)を用いた点以外は、実施例2の場合と同じ方法で、底材用多層フィルムを製造した。
得られた多層フィルムは、シーラント層(9μm)、第1接着層(8μm)、第1樹脂層(15μm)、第2樹脂層(10μm)、第2接着層(8μm)及び外層(50μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、厚さが100μmのものである。
<包装体の製造>
上記で得られた蓋材用多層フィルム及び底材用多層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、包装体を製造した。
<<包装体の評価>>
<シール性の評価>
上記で得られた包装体から、ヒートシール部位を含む幅15mmの試験片を切り取った。得られた試験片のヒートシール部位の一部を、ヒートシール面同士が180°の角度を成すように引き剥がして,このとき生じた剥離面の両方の端部を、引張試験機の両つかみ具に取り付けた。そして、速度200mm/分で引張応力を加えることにより、ヒートシール部位をさらに引き剥がして、ヒートシール部位を完全に剥離させて(すなわち開封して)、その間の最大応力を求め、これを包装体のシール強度とした。
そして、シール強度の測定値が(10N/15mm)以上である場合には、包装体のシール性を「A」と判定し、シール強度の測定値が(10N/15mm)未満である場合には、包装体のシール性を「B」と判定した。結果を表1に示す。
<立掛け陳列性の評価>
上記で得られた包装体の縁を陳列ケースの陳列面に接触させて、包装体の平面(蓋材又は底材の露出面)を陳列面に接触させることなく、包装体を陳列ケース上で立掛け、以降、包装体をこのままの状態で陳列可能か否かを確認した。
そして、このように包装体を立て掛けた状態のまま陳列可能である場合には、包装体の立掛け陳列性を「A」と判定し、包装体を立て掛けた状態のまま陳列可能ではない場合には、包装体の立掛け陳列性を「B」と判定した。結果を表1に示す。
Figure 2020082362
上記結果から明らかなように、実施例1〜3の蓋材及び蓋材用多層フィルムにおいては、シーラント層が含む樹脂の融点が84℃であり、ポリエステルを含む外層の厚さT12が120〜150μmであって、包装体のシール性及び立掛け陳列性は、いずれも良好であった。実施例1〜3の底材及び底材用多層フィルムの厚さTは、70〜150μmであり、蓋材及び蓋材用多層フィルムの厚さTは、200μmであった。
これに対して、比較例1の蓋材及び蓋材用多層フィルムにおいては、ポリエステルを含む外層の厚さT12が40μmであり、薄過ぎたため、包装体の立掛け陳列性が劣っていた。
比較例2の蓋材及び蓋材用多層フィルムにおいては、比較例1とは反対に、ポリエステルを含む外層の厚さT12が180μmであり、厚過ぎ、さらに、シーラント層が含む樹脂の融点が114℃であり、高過ぎたため、包装体のシール性が劣っていた。
比較例3の蓋材及び蓋材用多層フィルムにおいては、シーラント層が含む樹脂の融点が120℃であり、高過ぎたため、包装体のシール性が劣っていた。
本発明は、食品の保存時に用いる包装体に利用可能である。
1・・・多層フィルム(蓋材)
11・・・シーラント層
12・・・外層
13・・・中間層
131・・・第1樹脂層
132・・・第2樹脂層
139・・・接着層
10・・・包装体
2・・・底材
・・・多層フィルム(蓋材)の厚さ
12・・・外層の厚さ
・・・底材の厚さ

Claims (9)

  1. ポリエステルを含む外層と、融点が100℃未満の樹脂を含むシーラント層と、を備え、
    前記外層の厚さが25〜170μmである、多層フィルム。
  2. 前記外層と前記シーラント層との間に、さらに中間層を備えた、請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 前記融点が100℃未満の樹脂が、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びアイオノマーからなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載の多層フィルム。
  4. 前記シーラント層が、前記融点が100℃未満の樹脂以外に、さらに、ポリプロピレン及びエチレン−プロピレン共重合体からなる群より選択される1種又は2種以上を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  5. 前記多層フィルムの厚さに対する、前記外層の厚さの割合が50%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  6. 前記多層フィルムの厚さが70μm以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の多層フィルムを備えた、包装体。
  8. 前記包装体が、蓋材及び底材を備えており、
    前記蓋材が、前記多層フィルムからなり、
    前記包装体が、前記蓋材及び底材のシールによって構成された深絞り包装体である、請求項7に記載の包装体。
  9. 前記蓋材の厚さが100μm以上であり、前記底材の厚さが160μm以下である、請求項8に記載の包装体。
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