JP2020081548A - 車両用シートパッド - Google Patents
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Abstract
【課題】VOCの放散を防止する。【解決手段】車両用シートパッド10は、発泡体13からなるパッド本体12と、パッド本体12を覆うように設けられた保護材14とを備えている。保護材14は、該保護材14におけるパッド本体12に接する内面側に形成されて、前記発泡体13を構成する樹脂が含浸した接合領域R1を備えている。また、保護材14は、前記接合領域R1よりも該保護材14の外面側に形成されて、活性炭繊維を含む吸着領域R2を備えている。【選択図】図3
Description
この発明は、座席のクッション部分を構成する車両用シートパッドに関するものである。
車両の座席におけるクッション部分を構成するシートパッドは、ポリウレタン等の軟質発泡体を主体として構成されており、座席における金属フレームに取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。このような、シートパッドは、金属フレームに触れる面に不織布シートを貼ることで、発泡体と金属フレームが直接接触することに起因する異音の発生を防止している。
特許文献1のシートパッドは、不織布シートにキャッチャー剤を塗布して、成形型にセットし、成形型に発泡体原料を注入して、発泡体を発泡成形することで、発泡体と不織布シートとを一体化して製造している。このように、不織布シートにキャッチャー剤を付与しておくことで、発泡体から出るホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)の放散を抑えている。
特許文献1のように不織布シートにキャッチャー剤を付与すると、固形のキャッチャー剤がシートパッドから脱落すると問題になるので、発泡体と不織布シートとの接着面にキャッチャー剤を塗布することが行われている。このような構成であると、キャッチャー剤が発泡体に取り込まれて、発泡体原料と反応するなどにより、十分なVOCの放散防止作用が得られない。
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、VOCの放散を効果的に防止できる車両用シートパッドを提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る車両用シートパッドは、
発泡体からなるパッド本体と、該パッド本体を覆うように設けられて、シートフレームに面する外面を構成する保護材とを備えた車両用シートパッドであって、
前記保護材は、前記シートフレームに面する該保護材の外面と前記パッド本体に接合する該保護材の内面との間で通気可能に構成され、
前記保護材は、
該保護材の内面側に形成され、前記発泡体を構成する樹脂が含浸した接合領域と、
前記接合領域よりも該保護材の外面側に少なくとも形成され、活性炭繊維を含む吸着領域と、を備えていることを要旨とする。
発泡体からなるパッド本体と、該パッド本体を覆うように設けられて、シートフレームに面する外面を構成する保護材とを備えた車両用シートパッドであって、
前記保護材は、前記シートフレームに面する該保護材の外面と前記パッド本体に接合する該保護材の内面との間で通気可能に構成され、
前記保護材は、
該保護材の内面側に形成され、前記発泡体を構成する樹脂が含浸した接合領域と、
前記接合領域よりも該保護材の外面側に少なくとも形成され、活性炭繊維を含む吸着領域と、を備えていることを要旨とする。
本発明に係る車両用シートパッドによれば、VOCの放散を効果的に防止できる。
次に、本発明に係る車両用シートパッドにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
図1および図2に示すように、実施例に係るシートパッド(車両用シートパッド)10は、シートフレームFに取り付けられて、車両の前部座席において使用者の背中を支持する背もたれ部(シートバック)を構成するものである。図2に示すように、シートパッド10は、ポリウレタンなどの軟質の発泡体13からなるパッド本体12と、パッド本体12を覆うように設けられて、該シートパッド10におけるシートフレームFに面する外面を構成する保護材14とを備えている。シートパッド10には、パッド本体12における乗員の背中と支持する前面と反対側の後面に保護材14が設けられており、パッド本体12の前面は保護材14に覆われずに露出している。なお、以下の説明では、保護材14の厚み方向において、パッド本体12に向く側を内といい、その反対側のシートフレームに向く側を外という。
図2に示すように、保護材14は、内外方向が該保護材14の厚み方向になるように配置されたシート状物であり、通気性を有している。保護材14は、図3において省略しているが、シートフレームFに面する外面とパッド本体12に接合する内面とに亘って形成された複数の通孔を有している。保護材14は、該保護材14の内面側に形成され、パッド本体12となる発泡体13を構成する樹脂が含浸した接合領域R1と、この接合領域R1よりも該保護材14の外面側に少なくとも形成され、活性炭繊維を含む吸着領域R2とを備えている。接合領域R1に含浸した樹脂は、保護材14の内面側にある発泡体13と一体的に繋がっており、これにより発泡体13からなるパッド本体12と保護材14とが接合されている。保護材14をセットした成形型20(図4参照)において発泡体原料を発泡させて発泡体13(パッド本体12)を一体成形する際に、発泡体原料が含浸・硬化して接合領域R1となる部位よりも外面側に吸着領域R2ができるように、活性炭繊維を含む活性炭繊維層16が配置される。換言すると、保護材14には、発泡体13を構成する樹脂(発泡体原料)が含浸していない活性炭繊維からなる吸着領域R2が、パッド本体12から該保護材14の外面側に向かう通気経路(図3の波線矢印参照)に存在するように構成されている。
図3に示すように、実施例の保護材14は、活性炭繊維を含む活性炭繊維層16および活性炭繊維以外の通常繊維を含む通常繊維層18を、内外方向に重ねて構成された複層構造のニードルパンチ不織布である。なお、ニードルパンチ不織布は、ニードル(針)で繊維同士を絡ませるニードルパンチ法により作製された不織布を指す。このように、保護材14は、何れかの層に活性炭繊維を含む通気性を有するシート状物が用いられる。実施例の保護材14は、内面および外面が同じ通常繊維からなる通常繊維層18で構成されると共に、中間部分が活性炭繊維層16で構成され、通常繊維層18と活性炭繊維層16とが交互に配置されている。保護材14は、前記吸着領域R2が活性炭繊維層16によって形成されている。ここで、保護材14の内面側を構成する内通常繊維層18Aの厚み方向の一部または全部だけが接合領域R1になってもよいが、図3に示すように、活性炭繊維層16の内面側の一部まで接合領域R1になっていてもよい。
保護材14の通孔は、活性炭繊維層16をなすウエブ(繊維だけで構成された薄い膜状のシート)と、通常繊維層18をなすウエブとを重ね合わせた積層体を、ニードル(針)で突き刺することで繊維を絡ませて不織布を形成する際に、ニードルに由来して形成される。また、説明の都合上、図3には各層16,18の境界を図示しているが、繊維同士を絡ませて不織布を形成しているので、中間部分に活性炭繊維が多く存在し、内面側部分および外面側部分に通常繊維が多く存在するが、その境界は曖昧になっている。
活性炭繊維としては、セルロース系、ポリアクリロニトル(PAN)系、フェノール系やピッチ系などの何れか1つまたはこれらを組み合わせて用いることができる。活性炭繊維層16は、保護材14での内外方向の配置などによって適宜変更されるが、その目付量を20g/m2〜200g/m2の範囲にすると好ましく、その厚みを0.5mm〜3mmの範囲にすると好ましい。通常繊維としては、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系などの何れか1つまたはこれらを組み合わせて用いることができる。通常繊維層18は、保護材14での内外方向の配置などによって適宜変更されるが、その目付量を20g/m2〜200g/m2の範囲にすると好ましく、その厚みを0.5mm〜3mmの範囲にすると好ましい。なお、保護材14は、各層が同じ目付量であっても、異なる目付量であっても何れであってもよく、また、各層が同じ厚みであっても、異なる厚みであっても何れであってもよい。なお、活性炭繊維層16の目付量等は、吸着領域R2において目的とするVOC吸着性能を得るために適宜設定すればよい。
保護材14は、該保護材14の内面側の繊維の目付量と比べて、吸着領域R2の目付量が小さく設定されている。保護材14は、内通常繊維層18Aの目付量が、活性炭繊維層16の目付量よりも大きく設定されており、例えば、活性炭繊維層16の目付量を40g/m2に設定するのに対して、内通常繊維層18Aの目付量を50g/m2に設定している。また、保護材14の外面側を構成する外通常繊維層18Bは、活性炭繊維層16と同じ目付量であっても、活性炭繊維層16よりも目付量が小さくても、あるいは活性炭繊維層16よりも目付量が大きくてもよいが、実施例では内通常繊維層18Aと外通常繊維層18Bとが同じ目付量である。内通常繊維層18Aおよび外通常繊維層18Bの目付量を同じとした場合、保護材14における内外の向きが無くなるため、保護材14を、内外の向きを気にせず使用できる。保護材14は、発泡体13を構成する樹脂が含浸する接合領域R1となる内面側の目付量を大きく設定し、発泡体13を構成する樹脂が含浸しない吸着領域R2および該吸着領域R2よりも外面側の目付量を小さく設定することが好ましい。これにより、VOCを吸着領域R2(活性炭繊維層16)で効果的に吸着しつつ、保護材14自体の目付量を小さくでき、シートパッド10自体を軽量化することができる。
保護材14は、パッド本体12に接合する内面とシートパッド10の外側へ露出する外面との色を異ならせたり、目印を設けたりするようにしてもよい。特に、内通常繊維層18Aと外通常繊維層18Bとの目付量が異なるなど、保護材14の内外で繊維層が異なる場合、保護材14の内面と外面とで色を異ならせたり、目印を設けたりすることが好ましい。また、保護材14の内面と外面とが同じ色である場合、保護材14の内外を判別可能な目印を設けることが好ましい。これにより、パッド本体12に接合させる内面(保護材14の内外向き)が目視にて確認でき、保護材14を成形型20に正しく配置することができる。保護材14の内外の色の違いは、保護材14の内面を構成する繊維の色と保護材14の外面を構成する繊維の色が異なる構成でよく、例えば、黒色の活性炭繊維と黒色以外の通常繊維との組み合わせが挙げられる。また、保護材14の内外の向きを確認するための目印は、例えば、外通常繊維層18Bに通孔を設けたり、インクやレーザー等でマーキングしたりするなどが挙げられる。
前述したシートパッド10の製造方法について説明する。図4に示すように、シートパッド10の成形に用いる成形型20は、シートパッド10の前側を主に規定する第1型22と、第1型22との間にシートパッド10に合わせたキャビティ26を画成し、シートパッド10の後側を主に規定する第2型24を備えている。成形型20は、第1型22と第2型24とが軸28を介して互いに接続されており、成形型20の一縁部に設けられた軸28を支点として、第1型22と第2型24とが相対的に開閉する。実施例の成形型20は、第1型22が下型であると共に、第2型24が型閉じ時に第1型22の上側に配置される上型であり、第1型22とヒンジ接続された第2型24が第1型22に対して一縁部の軸28を支点として開閉移動する。なお、成形型20は、適温(例えば、60℃)に温調されている。
図4(a)に示すように、型開きした成形型20における第2型24の型面に、保護材14をセットする。実施例の保護材14は、総目付量が140g/m2であり、その内訳は、PP繊維からなる内通常繊維層18Aの目付量が50g/m2、活性炭繊維からなる活性炭繊維層16の目付量が40g/m2、PP繊維からなる外通常繊維層18Bの目付量が50g/m2である。このため、成形型20に保護材14をセットする際に、保護材14の内外の向きを気にする必要がない。ここで、保護材14を構成する内通常繊維層18A(内面)と外通常繊維層18B(外面)との目付量が異なっていても、例えば、内面と外面との色が相違するように構成しておけば、成形型20にセットする際に保護材14の内外の向き(表裏)を間違えることを防止できる。型閉じした成形型20において第1型22と第2型24との間に画成されるキャビティ26に発泡体原料を注入し、発泡体原料を発泡および硬化させて、発泡体13からなるパッド本体12を成形する(図4(b)参照)。次に、第2型24と共にシートパッド10を第1型22から離すように型開きした後、パッド本体12の柔軟性を利用して、第2型24からシートパッド10を取り外すことで、パッド本体12に保護材14が一体的に接合されたシートパッド10が得られる。
前述したシートパッド10は、保護材14におけるパッド本体12に接合する内面側に形成される接合領域R1よりも該保護材14の外面側に配置して、活性炭繊維を含む吸着領域R2を備えている。シートパッド10は、パッド本体12から揮発するVOCを、吸着領域R2の活性炭繊維によって保護材14を通る際に吸着することができ、発泡体13からなるパッド本体12に由来するVOCの放散を防止できる。ここで、吸着領域R2は、パッド本体12をなす発泡体13と保護材14とを一体成形する際に発泡体原料が含浸・硬化して形成された樹脂を含む接合領域R1よりも保護材14の外面側に存在している。従って、内通常繊維層18Aおよび活性炭繊維層16の一部に樹脂が含浸しても、吸着領域R2における活性炭繊維のVOCの吸着性能が阻害されず、吸着領域R2においてVOCの放散を効果的に防止できる。保護材14をセットした成形型20でパッド本体12となる発泡体13を発泡成形して、パッド本体12と保護材14とを一体化すると、保護材14に発泡体原料が含浸してしまうが、前述のように吸着領域R2によりVOCの放散を防止できるので、保護材14をパッド本体12の成形時に接合できる。例えば、別々に形成されたパッド本体12と保護材14とを接着剤で接着した場合、パッド本体12と保護材14との間にできる接着層により通気性が妨げられるので、吸着領域R2におけるVOCの吸着性能が低下し、また、接着剤自体からVOCが発生するおそれがある。前述したシートパッド10は、保護材14をパッド本体12の成形時に発泡体原料を含浸させて接合していて通気を妨げる層がないので、通気性を良好とすることができ、吸着領域R2においてVOCの放散を効果的に防止できる。
保護材14としては、活性炭繊維を含む活性炭繊維層16および活性炭繊維以外の通常繊維を含む通常繊維層18を内外方向に重ねて構成された複層構造のニードルパンチ不織布を用いることで、発泡体原料の含浸度合いに応じて、活性炭繊維層16により形成される吸着領域R2を内外方向の適宜位置に調整して配置できる。従って、保護材14の内外方向の適切な位置に設けられた吸着領域R2によって、VOCの放散を防止できる。また、複層構造のニードルパンチ不織布を用いることで、保護材14の内外方向の位置に応じて求められる機能に合わせて、層を構成する繊維の種類や層の目付量などを、適宜変更することができる。また、ニードルパンチ不織布であると、厚み方向に通る通孔を有しているので、通孔の存在によって保護材14の通気性を向上させることができる。
シートパッド10は、保護材14の内面側の繊維の目付量と比べて、吸着領域R2の目付量が小さく設定されている。これにより、吸着領域R2(活性炭繊維層16)でVOCの放散を防止しつつ、保護材14自体の目付量を小さくでき、シートパッド10自体を軽量化することができる。また、保護材14の内面側を構成する繊維の目付量を比較的大きくすると、発泡体原料が含浸し難くなるようにコントロールすることができ、吸着領域R2を適切に確保できる。保護材14において温調された第2型24の型面に接することになる外面側は、発泡体原料の発泡圧により、温調された型面に押し当てられ、これにより繊維が潰れて、厚みや通気量が変化するおそれがある。実施例のように、保護材14の外面側を外通常繊維層18Bで構成することで、吸着領域R2を構成する活性炭繊維層16にパッド本体12の一体成形に伴う悪影響を与えることなく、VOCの放散を効果的に防止できる。
(変更例)
前述した構成に限らず、例えば以下のように変更してもよい。
(1)実施例では、車両用座席のシートバックを構成するシートパッドを例示したが、これに限らず、車両用座席の座面を構成するシートクッションを構成するシートパッドであってもよい。また、車両の前部座席に限らず、後部座席にも本発明を適用可能である。
(2)実施例では、通常繊維層を、活性炭繊維以外の通常繊維だけで構成したが、これに限らず、通常繊維と活性炭繊維との両方を含んでいてもよい。活性炭繊維層は、活性炭繊維のみで構成することが好ましいが、他の繊維を含んでいてもよい。すなわち、活性炭繊維層は、通常繊維層よりも活性炭繊維を多く含んでいればよい。
(3)実施例のように保護材は、ニードルパンチ不織布を用いることが好ましいが、サーマルボンド不織布やケミカルボンド不織布などの他の不織布であってもよい。また、不織布に限らず、織物などの布地などのシート材であってもよい。なお、通気性が低いシート材を保護材として用いる場合、打ち抜き加工等により通孔を形成して、保護材の通気性を高く確保する構成とすればよい。
(4)実施例では、保護材14の内面から2層目の一部まで接合領域になっているが、これに限らず、保護材14の内面から1層目の一部まで接合領域になる構成や、保護材14の内面から2層目以上まで接合領域になっていてもよいが、何れの場合であっても、接合領域R1よりも吸着領域R2が保護材14の外面側に存在するように構成される。
前述した構成に限らず、例えば以下のように変更してもよい。
(1)実施例では、車両用座席のシートバックを構成するシートパッドを例示したが、これに限らず、車両用座席の座面を構成するシートクッションを構成するシートパッドであってもよい。また、車両の前部座席に限らず、後部座席にも本発明を適用可能である。
(2)実施例では、通常繊維層を、活性炭繊維以外の通常繊維だけで構成したが、これに限らず、通常繊維と活性炭繊維との両方を含んでいてもよい。活性炭繊維層は、活性炭繊維のみで構成することが好ましいが、他の繊維を含んでいてもよい。すなわち、活性炭繊維層は、通常繊維層よりも活性炭繊維を多く含んでいればよい。
(3)実施例のように保護材は、ニードルパンチ不織布を用いることが好ましいが、サーマルボンド不織布やケミカルボンド不織布などの他の不織布であってもよい。また、不織布に限らず、織物などの布地などのシート材であってもよい。なお、通気性が低いシート材を保護材として用いる場合、打ち抜き加工等により通孔を形成して、保護材の通気性を高く確保する構成とすればよい。
(4)実施例では、保護材14の内面から2層目の一部まで接合領域になっているが、これに限らず、保護材14の内面から1層目の一部まで接合領域になる構成や、保護材14の内面から2層目以上まで接合領域になっていてもよいが、何れの場合であっても、接合領域R1よりも吸着領域R2が保護材14の外面側に存在するように構成される。
(5)保護材の層構造は、実施例のように3層に限らず、例えば2層や4層以上であってもよい。また、活性炭繊維層だけの単層であってもよい。図5(a)に示すように、保護材14が2層である場合、通常繊維層18を保護材14の内面側に配置して、活性炭繊維層16を保護材14の外面側に配置するとよい。保護材14が3層以上である場合、通常繊維層18を保護材14の内面側に配置することが好ましく、接合領域R1よりも保護材14の外面側については、活性炭繊維層16と通常繊維層18とを交互に配置しても、図5(b)に示すように活性炭繊維層16を隣り合わせて配置しても、図5(c)に示すように通常繊維層18を隣り合わせて配置しても、接合領域R1よりも吸着領域R2が外面側に存在すれば何れの構成であってもよい。そして、保護材14の外面は、活性炭繊維層16または通常繊維層18のどちらで構成してもよい。
10 シートパッド(車両用シートパッド),12 パッド本体,14 保護材,
16 活性炭繊維層,18 通常繊維層,R1 接合領域,R2 吸着領域
16 活性炭繊維層,18 通常繊維層,R1 接合領域,R2 吸着領域
Claims (4)
- 発泡体からなるパッド本体と、該パッド本体を覆うように設けられて、シートフレームに面する外面を構成する保護材とを備えた車両用シートパッドであって、
前記保護材は、前記シートフレームに面する該保護材の外面と前記パッド本体に接合する該保護材の内面との間で通気可能に構成され、
前記保護材は、
該保護材の内面側に形成され、前記発泡体を構成する樹脂が含浸した接合領域と、
前記接合領域よりも該保護材の外面側に少なくとも形成され、活性炭繊維を含む吸着領域と、を備えている
ことを特徴とする車両用シートパッド。 - 前記保護材は、前記活性炭繊維を含む活性炭繊維層および該活性炭繊維以外の繊維を含む通常繊維層を該保護材の内外方向に重ねて構成された複層構造のニードルパンチ不織布であり、前記吸着領域が前記活性炭繊維層によって形成される請求項1記載の車両用シートパッド。
- 前記保護材は、該保護材の内面側の繊維の目付量と比べて、前記吸着領域を構成する活性炭繊維の目付量が小さく設定されている請求項1または2記載の車両用シートパッド。
- 前記保護材は、内面と外面との色が異なっている請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用シートパッド。
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