JP2012522551A - 靴用のソールユニット及びそれを有する靴 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アウトソール材料から構成され、できれば多数の部分片から形成され、及び/又はその下に配置されたアウトソール部分を有するアウトソール層41であって、このアウトソール層が周領域の内側で、アウトソール層41の上側から延びる肉抜き部43によって厚みを減少されており、かつその厚みを貫いて延びるアウトソール層貫通穴45を有するアウトソール層を有する水蒸気透過性のソールユニット15を提供する。ソールユニット15は、アウトソール層41の肉抜き部43内に少なくとも部分的に配置され、肉抜き部43の高さの一部だけにわたって延びる水蒸気透過性のバリア層47を有し、バリア層が、異物の突き抜けに対抗するべく構成されたバリア材料によって形成されている。ソールユニット15は、肉抜き部43内でバリア層47の上方に配置された水蒸気透過性のコンフォート層49を有し、コンフォート層が、アウトソール材料よりも小さい硬度及び/又は小さい比重を有するコンフォート層材料によって構成されている。

Description

ずっと以前から、水密で水蒸気を通すアッパーを有する靴があるので、この種の靴は、アッパー領域内の水密性にかかわらず汗の水分を放出することができる。ソール領域内でも汗の水分を逃がすことができるようにするために、その厚みを貫いて延びる貫通穴を備えたアウトソール及びその上に水密で水蒸気を通す、例えば膜の形式のソール機能層を有するソール構造へ移行している。例を示すのが、欧州特許出願公開第0382904号明細書であって、そのアウトソールは、水蒸気透過性の然るべき制限を有する微細孔の形式の貫通穴を有している。
人の足の著しい発汗傾向をさらに良く考慮するために、欧州特許出願公開第0275644号明細書において、特に高い水蒸気透過性を得るために微細孔に比較して大きい貫通穴をアウトソールに設けることが提案された。
アウトソールの貫通穴が大きくなるほど、アウトソールの上にある水密の膜が、貫通穴を押し進む例えば小石のような異物によって損傷し、それによってその水密性が奪われる危険性がそれだけ高まる。従って欧州特許出願公開第0275644号明細書においては、アウトソールの貫通穴とその上にある膜との間に、例えば格子材料又はフェルト材料からなる保護層が配置され、その保護層により、アウトソールの貫通穴を押し進む異物が膜まで達しないようにされる。
靴内部へ水が侵入しないように貫通穴が膜によって閉鎖されており、膜の下方に保護層があって、その保護層が、異物が膜へ達しないようにしている、アウトソールの大きい貫通穴を有する他の例が国際公開第2004/028284号、国際公開第2006/010578号、国際公開第2007/147421号、及び国際公開第2008/003375号から知られている。これら全ての場合において、(通常は箔である)膜の一方の側に、細かいメッシュ製品の形式の織物の裏側が積層されている。膜とアウトソールの貫通穴との間に配置された、ネット状の保護層は、膜へ異物が達しないためのある程度の保護を提供する。膜のための保護を改良するために、膜とネット状の保護層との間に、他の保護層が配置されており、それは例えばフェルト層である。従って、膜のために二重の保護が形成され、互いに重ねて配置された二つの層がそれに関与し、それらはそれぞれそれ自体で、技術的な保護機能を有している。
これらの層のための材料選択とその厚みの値及び突き抜け強度の値は、それぞれ実際の実施形態の必要性に適合される。これは、本発明によって紹介される解決法についてと全く同様に既知の解決法にも当てはまる。
極めて大きい貫通穴の他の例を示すのが、国際公開第2007/101624号であって、それによれば、アウトソールの大きな貫通穴は、安定化垂直片及び/又は安定化格子によって安定化されている。これらは、貫通穴に適合された水蒸気透過性の織物材料、例えばフェルト状の材料を支持する。このように構成されたアウトソール複合体が、アッパーと結合され、そのアッパー底が水密かつ水蒸気透過性のアッパー底機能層によって閉鎖されているので、靴全体が水密かつ水蒸気透過性である。
織物材料のために特に適しているのが、その溶融温度に関して異なる二つの繊維構成要素を有する繊維層であり、その場合に第1の繊維構成要素の少なくとも一部が、第1の溶融温度及びその下にある第1の軟化温度領域を有し、第2の繊維構成要素の少なくとも一部が、第2の溶融温度及びその下にある第2の軟化温度領域を有しており、第1の溶融温度と第1の軟化温度領域が、第2の溶融温度と第2の軟化温度領域よりも高く、かつその場合に繊維層は、第2の軟化温度領域内にある接着剤軟化温度による第2の繊維構成要素の熱的な活性化によって熱的に硬化された領域内の水蒸気透過性を維持しながら、熱的なやり方で機械的に硬化されている。その場合に、アウトソールの一つ又は場合によっては複数の貫通穴を織物材料の個々の片によって閉鎖することができ、あるいはアウトソールの全ての貫通穴を織物材料の唯一の片によって閉鎖することができる。
この既知の靴において、織物材料は二つの機能を有している。一方で、それは、ソール構造の安定化が十分ではない特に大きな貫通穴を有するアウトソール自体のソール構造の安定化に寄与することに役立つ。というのは、織物材料は、比較的高い固有安定性をもって形成されており、それがソール構造の安定性全体に役立つからである。他方で、例えば国際公開第2007/101624号に記載のできあがった靴において、ソール構造の上に水密及び水蒸気透過性の膜があって、その膜は、膜を損傷することのある例えば小石のような異物による損傷から織物材料によって保護される。
織物材料のために、特に、例えばPES(ポリエステル)、ポリプロピレン、PA(ポリアミド)から選択されたポリマー及びポリマーの混合物が適している。
既に述べた国際公開第2007/101624号に記載の実施形態において、織物材料は、それぞれポリエステル繊維によって構成された二つの繊維構成要素を有する、熱的なやり方で機械的に硬化され、付加的に熱的な表面処理によって表面硬化されたフリースの形式の繊維複合体からなる。その場合に、より高い溶融温度を有する第1の繊維構成要素が繊維複合体の担体構成要素を形成し、より低い溶融温度を有する第2の繊維構成要素が硬化構成要素を形成している。繊維複合体全体の、少なくとも180℃の温度安定性を、特に靴がその形成の際に、例えばアウトソールを射出成形する際に、比較的高い温度にさらされることに鑑みて、保証するために、考察される実施形態においては、二つの繊維構成要素のために、180℃を越える溶融温度を有するポリエステル繊維が使用される。種々の溶融温度と然るべくその下にある軟化温度とを有する、ポリエステルポリマーの種々のバリエーションがある。考察されるフェルト状材料の実施形態において、第1の構成要素のために、約230℃の溶融温度を有するポリエステルポリマーが選択され、第2の繊維構成要素のためには、約200℃の溶融温度を有するポリエステルポリマーが選択される。第2の繊維ポリマーは、コア・シェル・繊維とすることができ、その場合にこの繊維のコアは、約230℃の軟化温度を有するポリエステルからなり、この繊維のシェルは、約200℃の接着剤軟化温度を有するポリエステルからなる。溶融温度の異なる二つの繊維成分を有するこの種の繊維構成要素は“Bico”とも称される。例えばフェルト状の材料である、この種の材料についてのより詳しい記載は、既に挙げた国際公開第2007/101624号に見られる。
添付の図11には、高い水蒸気透過性を得るためにアウトソール貫通穴119を有するソールユニット117と、ソールユニット貫通穴119の領域内でソールユニット117の上側を形成するバリア層121とを有し、そのバリア層が、できあがった靴においてこのバリア層121の上方に位置する、ソールユニット115と結合すべきアッパー組立体の、水密、水蒸気透過性のアッパー底膜を機械的に保護するために用いられる、改良すべきソールユニット115が示されている。この種のソールは、通常、アッパー底に接着されるか又は射出成形される。その場合に、高い耐摩耗性とソール安定性を得るために、特にゴム又はプラスチック、例えばポリウレタン(PU)が使用され、それらは、比較的硬く重い材料である。これが持運び及び歩行の快適性を損なう。さらに、アウトソール貫通穴119は、その深さが比較的大きく延びているので、アウトソール貫通穴119内に詰まった汚れを除去するのが困難である。
特開平9−140404号公報からは、水密、水蒸気透過性の要素を有するアッパー底を備えたアッパー組立体と、孔のあいたアウトソール層を備えた水と水蒸気を透過するソール複合体とによって構成された、ソール領域内が水密及び水蒸気透過性の靴が知られている。水密及び水蒸気透過性の要素は、3層で形成されており、中央層として水密及び水蒸気透過性の膜を有し、その上側に細かい織り目の織物層が配置されており、その下側には、粗い織り目の織物層があって、それは、この印刷物内で述べられていない場合でも通常敏感な膜のために、例えばアウトソール層の穴を通過した小石のような異物による破壊作用に対してある程度の機械的な保護を提供することができる。アウトソール層とソール側の下方のアッパー終端領域との間に、中央ソールがあって、その中央ソールは周側のみに形成されており、重量を削減するために中央領域においては、コルク又はスポンジのような材料によって代用されている。コルクが崩れやすく、従ってそれ自体敏感な膜の機械的負荷をもたらすことがあり、スポンジもコルクもアウトソール層の穴を通して水を完全に吸い込むことができ、そのことが歩行快適性を損なうだけでなく、底複合体の著しい重量増加をもたらすことは別にして、コルクとスポンジは、その水蒸気透過性が多孔のアウトソール層(特に大きな寸法の貫通穴による穴の場合に)に比較して、かなり小さく、従って、大きな貫通穴による穿孔を有するアウトソール層によって得られるような、水蒸気透過性とは矛盾する材料である。コルク層ないしスポンジ層に、アウトソール層の貫通穴と対応する貫通穴を設けた場合に、一方で、それぞれのアウトソール層貫通穴とそれぞれ対応する、コルクないしスポンジの貫通穴の比較的長い全長にわたって汚れが詰まり、再び除去することは困難であって、他方で小石のような異物が妨げられずに、比較的小さい機械的保護しか提供しない粗い織り目の織物層まで達してしまう。しかし、粗い織り目の織物層を通り抜けられない、この種の異物自体、保護すべき膜に局所的に負荷をかける、粗い織り目の織物層の大きな湾曲をもたらすことがあり得る。
本発明は、靴用のソールユニットを提供可能にするものであって、そのソールユニットは、より軽い重量及び/又はより高い歩行緩衝性の結果としての快適性の改良と同時に、ソールユニットの上方に位置する、例えば膜の形式の水密かつ水蒸気透過性の機能層に対するより良好な保護を提供し、ソール貫通穴内に固着した汚れは、より簡単に除去され得る。
これは、特許請求項1に記載の本発明に係るソールユニットによって達成され、そのソールユニットによって特許請求項23に記載の本発明に係る靴を形成することができる。本発明の実施形態が従属の特許請求項に記載されている。
本発明に係る水蒸気透過性のソールユニットは、アウトソール材料から構成された、できでれば多数の部分片から形成され、及び/又はその下に配置されたアウトソール部分を備えたアウトソール層を有しており、そのアウトソール層が周領域の内側で、ソールユニットの走行面とは逆の、アウトソール層の上側から延びる肉抜き部によって厚みを減少されており、かつその厚みを貫いて延びるアウトソール層貫通穴を有している。さらに、このソールユニットは、少なくとも部分的に、アウトソール層の肉抜き部内に配置されて、肉抜き部の高さの一部だけにわたって延びる水蒸気透過性のバリア層を有しており、そのバリア層が、異物の突き抜けに対抗するべく構成されたバリア材料によって形成されている。さらに、このソールユニットは、肉抜き部内でバリア層の上方に配置された水蒸気透過性のコンフォート層を有しており、そのコンフォート層は、アウトソール材料よりも小さい硬度及び/又は小さい比重を有するコンフォート層材料によって構成されている。
好ましくは、本発明に係るソールユニットは、水密かつ水蒸気透過性の機能層を備えたアッパー底を有するアッパー組立体のソール側の下方の端部領域と結合するために形成されている。
アウトソール層の肉抜き部の容積の一部が、アウトソール材料の耐摩耗性条件を必要とせず、及びアウトソール材料と同じ程度にソール安定性に寄与する必要のない、コンフォート層の材料によって代用されることによって、それぞれ、より小さい重量を有する、及び/又はより良好な歩行緩衝性を有するソールユニットを得ようとするかに応じてコンフォート層の材料のために、アウトソール層のためよりも軽い及び/又は軟弾性的な材料を選択することができる。従って、ソールユニットの一部のために、重量及び/又は歩行快適性に関して、アウトソール層の材料のためには与えられていない材料選択に関する構成自由度が得られる。
本発明に係る解決において、アッパー底膜とバリア層との間に間隔が存在する。すなわち原理的に、コンフォート層がアッパー底膜とバリア層を互いに対して分離している。
バリア層は、アウトソール層とコンフォート層との間に、従ってできあがった靴においてソールユニットの上方に位置するアッパー底膜から距離をもって、かつバリア層とアッパー底膜との間にコンフォート層を介在させて配置されているので、バリア層は、好ましくは、バリア層がアッパー底膜のすぐ近傍にある場合よりも、ずっと大まかで及び/又はずっと丈夫で、可能であればより粗い材料から構成することができる。というのは、バリア層とアッパー底膜との間に位置するコンフォート層であって、特に良好な歩行緩衝性を得ようとする場合に比較的ソフトな材料から形成することができるコンフォート層が、大まかで粗いバリア層に対するクッション保護をアッパー底膜に与えるからである。従って、特に良好な歩行緩衝性を得るために、それだけソフトなコンフォート層材料が使用される場合に、バリア層を、ソールユニットの安定化に寄与することができる剛性を有する材料から形成することができる。
特に、バリア材料がソールユニットを安定化させるためにも形成されている場合に、本発明の実施形態において、高い水蒸気透過性を可能にする硬化度の熱的に硬化された繊維材料がバリア材料として使用される。従ってこの種のバリア材料には、貫通穴を設ける必要はない。そして、この繊維材料に水蒸気透過性を高めるために貫通穴が設けられる場合でも、この貫通穴は、アウトソール層の貫通穴及び場合によってはコンフォート層の貫通穴(このフォート層が、それ自体水蒸気透過性の材料からなる場合)に比較して極めて小さくてよい。いずれにしてもバリア層は、アウトソール層貫通穴内へ侵入した汚れがコンフォート層貫通穴内に侵入しないようにするための汚れバリアを形成する。すなわち、この種の汚れは、比較的浅い深さのアウトソール層貫通穴内に詰まることしかできないので、貫通穴がソールユニットの厚み全体を通して延びているソール構造におけるよりもずっと容易に再び取り出すことができる。これは特に、ソールが通常、より大きい全体厚みを有する、かかと領域について言える。
一実施形態において、コンフォート層の下方に、いわゆる「ジョイント片」を配置又は特にコンフォート層内に統合することができる。これは特に、靴に必要なトーション安定性と曲げ安定性を与えるために段部を有する靴において必要とされる。このジョイント片は、特に、金属から形成することができ、かつシャープなエッジを有することができ、それは潜在的に、アッパー底領域内の膜を損傷する可能性がある。この危険性は、この実施形態においては、コンフォート層に基づいて与えられていない。もちろん、このジョイント片は、ソールユニットを通る水蒸気の通過ができる限り損なわれないように、形成されるべきである。
本発明の実施形態において、コンフォート層は、水蒸気透過性の材料によって構成されている。この水蒸気透過性は、コンフォート層の穴あけが必要とされないほど高く設定され得る。
本発明の実施形態において、コンフォート層は、皮革、開放多孔性の発泡材料、水蒸気透過性の織物のメッシュ製品、水蒸気透過性の織物のフリース製品、及び水蒸気透過性のフェルト製品及びその組合せの材料グループから選択された材料によって構成されている。
本発明の実施形態において、コンフォート層は、層単位で互いにずれた編み目を有する多層のニットによって構成されている。同時に個々の層の編み目が互いに対してずれている多層性によって、高い水蒸気透過性の下において、例えば小石のようなそしてある程度までは釘及び破片などまでの異物のために良好な機械的通過防止性が得られ、それに伴ってソールユニットの上方にあるアッパー底膜をこの種の異物による損傷から保護する高い機械的保護が得られる。
本発明の実施形態において、コンフォート層は、少なくとも部分的に、ポリアミド、ポリエステル、及びポリプロピレンのプラスチック材料の材料グループから選択された水蒸気透過性の織物材料によって構成されている。
特に、コンフォート層が、それ自体水蒸気透過性ではない材料によって構成されている場合に、本発明の実施形態において、コンフォート層は、その厚みを貫いて延びるコンフォート層貫通穴を有し、そのコンフォート層貫通穴は、アウトソール貫通穴と少なくとも部分的に重なり合う。最も高い全水蒸気透過性は、ソールユニットのために、できるだけ多くのアウトソール層貫通穴とコンフォート層貫通穴とが同じ大きさであり、かつ互いに整列している場合に得られる。
本発明の実施形態において、コンフォート層は、ポリウレタン(PU)とエチレンビニルアセテート(EVA)の材料グループから選択された材料によって構成されており、その材料は、発泡された材料であってもよい。ソールユニットの特に良好な歩行緩衝性、従って軟弾性的なコンフォート層材料が重要である場合に、PUの範囲からなるPUを使用する場合に、軟弾性的なタイプ、あるいはその軟弾性的な特性のために既知のEVAを選択することができる。特に、単独で又は付加的に、ソールユニットの重量の軽さが重要である場合に、コンフォート層のために発泡されたプラスチック材料を選択することができる。コンフォート層は、ソールにおいて側方外部から最終的に見ることができるクラシックな中間ソールとして形成することもできる。
本発明の実施形態において、コンフォート層貫通穴は、ソールユニットの走行面に関して、コンフォート層貫通穴の斜めの壁部分が生じるような斜めの角度でコンフォート層を通って延びて、異物の突き抜けに対抗する。コンフォート層貫通穴のこの形態において、コンフォート層自体は、異物がソールユニットの上方にあるアッパー底膜へ侵入しないようにするバリアとして作用する。
本発明の実施形態において、アウトソール層貫通穴及び/又はコンフォート層貫通穴は、少なくとも0.5cm2の面積を有する。しかしまた、アウトソール層貫通穴及び/又はコンフォート層貫通穴は、より大きい面積、すなわち少なくとも1cm2又は少なくとも5cm2の面積、あるいは少なくとも20cm2の面積、あるいは少なくとも40cm2の面積を有することもできる。
一実施形態において、コンフォート層は、水平方向にも、垂直方向にも水蒸気透過性を有している。この実施形態において、コンフォート層に、外側を向いた側方の開口部を形成することができ、その場合にソールユニットの残りのソール層の少なくとも一つは、それに応じて形成され、例えば側方の出口開口部が設けられる。
本発明の実施形態において、コンフォート層には、空気を透過するスペーサ形成物の形式の、垂直方向に空気を透過する少なくとも一つの層が形成される。追加的に、このスペーサ形成物が水平方向に空気を透過するようにされてもよい。
本発明の実施形態において、空気を透過するスペーサ形成物は、面形成物と、その面形成物から垂直及び/又は0°と90°の間の角度で離れるように延びる多数のスペーサ要素とによって構成されている。
本発明の実施形態において、スペーサ形成物のスペーサ要素は、ネップとして形成されている。
本発明の実施形態において、空気を透過するスペーサ形成物は、互いに対して平行に配置された二つの面形成物によって構成されており、前記二つの面形成物は、スペーサ要素によって空気を透過するように互いに結合され、かつ離隔されて保持されている。
本発明の実施形態において、スペーサ形成物は、硬化されたニット製品によって構成されている。
本発明の実施形態において、スペーサ形成物は、波形又は鋸歯状に構成されている。
本発明の実施形態において、バリア層が、ソールユニットを機械的に安定させるために形成されている。
本発明の実施形態において、バリア層は、その溶融温度に関して異なる、少なくとも二つの繊維構成要素を有する繊維複合体によって構成されている。その場合に、第1の繊維構成要素の少なくとも一部は、第1の溶融温度とその下にある第1の軟化温度領域とを有し、第2の繊維構成要素の少なくとも一部は、第2の溶融温度とその下にある第2の軟化温度領域とを有しており、第1の溶融温度と第1の軟化温度領域は、第2の溶融温度と第2の軟化温度領域よりも高い。その場合に繊維複合体は、第2の軟化温度領域内にある接着剤軟化温度によって第2の繊維構成要素が熱的に活性化される結果として、熱的に硬化された領域内における水蒸気透過性を維持しつつ熱的に硬化されている。
本発明の実施形態において、アウトソール層は、ゴム、PU(ポリウレタン)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、EVA(エチレン・ビニル・アセテート)、TR(テクニカルラバー)、及び皮革、又はその組合せの材料グループから選択された材料によって構成されている。その場合に、アウトソール層が良好な耐摩耗性を有すべきことが尊重される。熱可塑性ポリウレタンは、異なる特性を有することができる多数の異なるポリウレタンのための上位概念である。アウトソールのために、高い耐摩耗性の他に高い安定性と滑り止め性を有する、熱可塑性ポリウレタンを選択することができる。コンフォート層が、靴のユーザーのために、歩行運動における衝撃緩衝性をもたらそうとする場合には、そのために適切に弾性的に撓む材料、例えばEVA(エチレン・ビニル・アセテート)又はPU(ポリウレタン)を選択することができる。
一実施形態において、アウトソール層は、走行面を有する実際のアウトソールではなく、単に中間ソールを形成し、かつアウトソール層の下方には、例えばゴム又は他のソール材料からなる、付加的な本来のアウトソールがあって、それは、一体的に、あるいは複数のアウトソール部分から形成することができる。その場合に、この本来のアウトソール又はアウトソール部分は高い耐摩耗性を有している。
本発明はさらに、アッパー底機能層を備え、従って水密かつ水蒸気透過性のアッパー底を有するアッパー組立体と、上述した実施形態の少なくとも一つに示す、アッパー組立体のソール側の端部領域と結合されたソールユニットとを有する靴を提供できるようにする。
本発明の実施形態において、靴のアッパーには、アッパー機能層が設けられており、それがアッパー底機能層と水密に結合されているので、全体として靴は、水密かつ水蒸気透過性である。
本発明の実施形態は、本発明に従ってコンフォート層を備えたソールユニットと、ソール側のアッパー端部領域内に水密かつ水蒸気透過性のアッパー底機能層を備えたアッパーとを有する靴を提供し、その場合にソールユニットは、アッパー底機能層を備えたアッパー組立体のアッパー端部領域に次のように、すなわちアッパー底機能層が少なくともコンフォート層貫通穴の領域内でコンフォート層と結合されるように固定されている。そのことが特に高い水蒸気透過性をもたらす。というのは、コンフォート層貫通穴の領域内では、コンフォート層とアッパー底機能層との間に、水蒸気透過性を減少させることになる接着剤が存在しないからである。
本発明の実施形態において、靴は、水蒸気透過性のアッパー上材料の内部にアッパー底機能層の他にアッパー上材料の実質的な領域にわたって延びるアッパー機能層を有しており、それが、アッパー底機能層と水密に結合されるか、又はソックス形状の挿入片(ブーティ(Bootie)とも称される)となるように、そのアッパー底機能層と結合される。
この種の靴は、(履き口を別にして)周囲が水密であり、かつそれにもかかわらず水蒸気透過性である。
定義とテスト方法
靴:
履き口を有する、閉鎖された上部分(アッパー組立体)と少なくとも一つのソール又はソールユニットとを有する履き物。
アッパー上材料:
アッパー組立体のアッパーの外側を形成し、例えば皮革、織物、プラスチック又は他の既知の材料及びその組合せからなり、あるいはそれによって構成されており、かつ一般に水蒸気透過性の材料からなる材料。アッパー上材料のソール側の下方の端部は、ソール又はソールユニットの上方の端縁に隣接するか、あるいはアッパーとソール又はソールユニットとの間の境界平面の上方の領域を形成する。
取付けソール(インソール):
取付けソールは、アッパー底の一部である。取付けソールに、少なくとも一つの底側の下方のアッパー端部領域が固定される。
ソール:
靴は、少なくとも一つのアウトソールを有するが、互いに重ねて配置されてソールユニットを形成する複数種類のソール層を有することもできる。
アウトソール:
アウトソールというのは、ソール領域の、地面/路床と接触し、ないしは地面/路床に対する主要な接触を形成する部分である。アウトソールは、地面と接触する少なくとも一つの走行面を有している。
ブーティ:
ブーティと称されるのは、アッパー組立体のソックス状の内張りである。ブーティは、靴の内部を実質的に完全に覆う、アッパー組立体の袋状の内張りを形成する。
機能層:
例えば膜の形式の、又は適切に処理されたか若しくは装備された材料、例えばプラズマ処理を受けた織物の形式の水密及び/又は水蒸気透過性の層。機能層は、アッパー底機能層の形式で、アッパー組立体のアッパー底の少なくとも一つの層を形成するが、付加的に、アッパーを少なくとも部分的に内張りするアッパー機能層として設けることもできる。アッパー機能層もアッパー底機能層も、多層の、多くは2層、3層、又は4層の膜材料の一部とすることができる。アッパー機能層とアッパー底機能層は、それぞれ機能層ブーティの一部となることができる。機能層ブーティの代わりに、アッパー機能層と別体のアッパー底機能層とが使用される場合に、これらは、例えばアッパー組立体のソール側の下方の領域内で互いに対して水密に密閉される。アッパー底機能層とアッパー機能層は、異なる材料からあるいは同一の材料から形成することができる。
水密かつ水蒸気透過性の機能層に適した材料は、特に、米国特許第4725418号及び第4493870号明細書に記載されているような、ポリウレタン、ポリプロピレン、及び、ポリエーテルエステルを含むポリエステル、並びにそのラミネートである。実施形態において、機能層は、例えば米国特許第3953566号及び第4187390号明細書に記載されているように、微孔性の延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)によって構成されている。一実施形態において、機能層は、親水性の含浸剤及び/又は親水性の層を有する延伸ポリテトラフルオロエチレンによって構成されている。例えば米国特許第4194041号明細書を参照。微孔性の機能層というのは、その平均的な孔の大きさが約0.2μmと約0.3μmの間にある機能層である。
ラミネート:
ラミネートは、一般に相互の接着によって互いに永続的に結合された、複数の層からなる複合体である。機能層ラミネートにおいて、水密かつ水蒸気透過性の機能層には、少なくとも一つの織物層が設けられている。裏面とも称される、少なくとも一つの織物層は、主としてその加工の間機能層を保護するために用いられる。ここでは2層ラミネートに言及される。3層ラミネートは、水密かつ水蒸気透過性の機能層からなり、その機能層が二つの織物層の間に埋め込まれている。機能層と少なくとも一つの織物層との間の結合は、例えば、連続的な水蒸気透過性の接着剤層を用いて、あるいは水蒸気を透過しない接着剤の非連続の接着剤層を用いて行われる。実施例において、機能層と一つ又は二つの織物層との間に、接着剤を点状のパターンとして塗布することができる。それ自体水蒸気を透過しない接着剤からなる全面の層は、機能層の水蒸気透過性を妨げてしまうので、接着剤の点状又は非連続の塗布が行われる。
バリア層:
バリア層は、特に粒又は異物、例えば小石の形態の物質が保護すべき材料層へ、特に機械的に敏感な機能層又は機能層膜へ達することに対するバリアとして用いられる。
水密:
機能層/機能層ラミネート/膜は、場合によっては機能層/機能層ラミネート/膜に設けられた縫目を含めて、それが少なくとも1×104Paの浸水圧を保証する場合に、「水密」と見なされる。好ましくは、機能層材料は、1×105Paを上回る浸水圧を保証する。その場合に浸水圧は、20±2℃において蒸留水を機能層の100cm2の試料上に圧力を上げながらもたらすテスト方法に従って測定される。水の圧力上昇は、毎分60±3cmWsである。その場合に浸水圧は、水が最初に試料の他方の側に現れる圧力に相当する。やり方の詳細は、1981年のISO規格0811に定められている。
靴が水密であるかは、例えば米国特許第5329807号明細書に記載された種類の遠心力配置によってテストすることができる。
水蒸気透過性:
材料、特に機能層/機能層ラミネートは、それが150m2×Pa×W-1の水蒸気透過率Retを有する場合に「水蒸気透過性」と見なされる。水蒸気透過性は、ホーエンシュタイン・スキンモデル(Hohenstein-Hautmodell)に従ってテストされる。このテスト方法は、DIN EN 31092(02/94)ないしISO 11092(1993)に記載されている。
本発明に係るソールユニット、すなわちアウトソール層、バリア層、及びコンフォート層、の層の水蒸気透過性値は、DIN EN ISO 15496(09/2004)に記載のいわゆるベッヒャーメソッド(Bechermethode)を用いてテストされる。
本発明の実施形態において、バリア層は、少なくとも4000g/m2・24hの水蒸気透過性を有している。実際の実施形態においては、少なくとも7000g/m2・24h又は特に10000g/m2・24hの水蒸気透過性が選択される。
本発明に基づいて形成されたソールユニットとその上にあるアッパー底機能層又はアッパー底機能層ラミネートとを有する、靴底構造を備えた靴の実施形態において、ソール構造は、アッパー底機能層又はアッパー底機能層ラミネートと共に、0.4g/hから3g/hの範囲内の水蒸気透過性(Moisture Vapor Transmission RateのMVTR)を有し、それは、0.8g/hから1.5g/hの範囲にあってもよく、実際の実施形態においては1g/hである。
ソールユニットの水蒸気透過性の尺度は、欧州特許第0396716号明細書に記載された、靴全体の水蒸気透過性を測定するために考えられた、測定方法を用いて求めることができる。靴のソールユニットのみの水蒸気透過性を測定するために、欧州特許第0396716号明細書の図1に示された測定構造によって互いに連続する二つの測定シナリオにおいて、すなわち1回は水蒸気透過性のソールユニットを有する靴、そして他の回は、その他は同じで、水蒸気非透過性のソールユニットを有する靴が測定されることにより、欧州特許第0396716号明細書に記載の測定方法を同様に使用することができる。その後、二つの測定値の間の差から、水蒸気透過性のソールユニットの水蒸気透過性に起因する、水蒸気透過性の割合を求めることができる。
各測定シナリオにおいて、欧州特許第0396716号明細書に記載の測定方法を使用しながら、すなわち以下のステップ順序で処理される:
1.空調された室内(23℃、50%相対湿度)で少なくとも12時間放置することによる靴のコンディショニング。
2.挿入ソール(中敷)の除去。
3.靴の履き口の領域内で、(例えば膨張可能なパッキンを備えるプレキシガラスからなる)水密かつ水蒸気非透過性のシール栓によって水密かつ水蒸気密に閉鎖可能な靴を靴内部空間に適合された水密かつ水蒸気透過性の内張り材料によって内張りする。
4.被覆材料内に水を充填し、靴の履き口をシール栓で密閉する。
5.水で満たされた靴を予め定められた期間(3時間)の間静かに放置し、その場合に水の温度を35℃に一定に維持することによってプレコンディショニングする。周囲の空間の雰囲気は、同様に23℃かつ50%の相対湿度で一定に維持される。靴は、テストの間、前側においてベンチレータによって平均で2m/sから3m/sの風速で空気を吹き付けられる(静止している靴の周囲に形成される、水蒸気透過に対する著しい抵抗をもたらすことになる、空気層を破壊するため)。
6.プレコンディショニング後に、シール栓で密閉され、水で満たされた靴を新たに計量する(重量m2[g]が生じる)。
7.ステップ5と同じ条件のもとでの3時間の新たな放置と本来のテスト段階。
8.3時間のテスト段階の後に、密閉され、水で満たされた靴を新たに計量する(重量m3[g]が生じる)。
9.3時間のテスト段階の間に靴を通して逃げた水蒸気量(m2−m3)から関係M=(m2−m3)[g]/3[h]に従って、靴の水蒸気透過性を定める。
一方で、水蒸気透過性のソールユニットを有する靴全体について(値A)、他方では水蒸気非透過性のアッパー底構造を有する靴全体について(値B)測定された、二つの測定シナリオが実施された後に、差A−Bのみから、水蒸気透過性のソールユニットのための水蒸気透過値を求めることができる。
重要なことは、水蒸気透過性のソールユニットを有する靴の水蒸気透過性を測定する間、靴ないしソールユニットが、閉鎖された路床上に直接置かれないことである。これは、靴を少し持ち上げ、あるいは靴を格子構造上に置くことによって達成することができるので、ベンチレーション空気流がアウトソールの下方にも、あるいは完全に下方に沿って流れることができるようにされる。
所定の靴の各テスト構造において、測定ばらつきをより良く評価することができるようにするために、繰返し測定を実施し、その平均値を考察することが、有意義である。測定構造によって、各靴のために、少なくとも2回の測定が実施される。全ての測定において、例えば1g/hの実際の値を中心とする±0.2g/hの測定結果の自然の変動が前提とされる。従ってこの例について、同一の靴のために、0.8g/hと1.2g/hの間の測定値を得ることができる。この変動のための影響ファクターは、例えば、テストを実施する人から、あるいは上方のアッパー端縁におけるシール品質から来る。同一の靴のために複数の個別測定値を平均することによって実際の値のより正確なイメージを獲得することができる。
ソールユニットの水蒸気透過性のための全ての値は、大きさ43(フランス寸法)のノーマルな紐付きの男性用の短靴に基づいており、その場合にこの大きさ決めは規格化されておらず、異なるメーカーの靴は、異なることがあり得る。
硬度:
ショアAとショアDに基づく硬度試験(DIN 53505、ISO 7619−1、DIN EN ISO 868)
原理:
ショアに基づく硬度とは、定められたばね力のもとで所定の形状の異物の侵入に対する抵抗である。ショア硬度は、数値100と、スケール値0.025によって割り算された、検査力の作用を受けた侵入物体の侵入深さとの間のmmの差である。
ショアAに基づく試験において、侵入物体として35°の開き角を有する円錐台、ショアDの場合には30°の開き角と0.1mmの尖端直径とを有する円錐が使用される。侵入物体は、研磨され、硬化された鋼からなる。
測定式:
HS=100 − h/0.025
F=550+75HSA
F=445HDD
hはmm、FはmN
HS ショアにおける硬度
HSA ショアAにおける硬度
HSD ショアDにおける硬度
適用領域:
種々の硬度領域内で二つのショア硬度方式の解明結果が異なることがあるので、ショアA硬度>80を有する材料は、好ましくはショアDに従って、ショアD硬度<30を有する材料はショアAに従って試験される。
硬度スケール 適用
ショアA 柔らかいゴム、非常に柔らかいプラスチック
ショアD 硬いゴム、柔らかい熱可塑性物質
本発明を具体化するための限定しない例を表すだけの実施例を用いて本発明をさらに説明する。
アッパーと本発明に係る水蒸気透過性のソールユニットとを有する靴の実施形態を示す斜視図であって、その場合にソールユニットはまだアッパーと結合されていない。 本発明に係るソールユニットの第1の実施形態を有する、図1に示される靴の模式的な部分横断面図であって、その場合に同様にソールユニットはまだアッパーと結合されていない。 本発明に係るソールユニットの第2の実施形態を有する、図1に示される靴の模式的な部分横断面図であって、その場合に同様にソールユニットはまだアッパーと結合されていない。 図1に示すアッパー組立体と結合することができる、本発明に係るソールユニットの第3の実施形態を模式的に示す部分横断面図である。 図1に示すアッパー組立体と結合することができる、本発明に係るソールユニットの第4の実施形態を模式的に示す部分横断面図である。 空気を透過するスペーサ形成物の形式の、コンフォート層として適した空気透過層の第1の実施形態を模式的に示す斜視図である。 空気を透過するスペーサ形成物の形式の、コンフォート層として適した空気透過層の第2の実施形態を模式的に示す斜視図である。 空気を透過するスペーサ形成物の形式の、コンフォート層として適した空気透過層の第3の実施形態を模式的に示す斜視図である。 空気を透過するスペーサ形成物の形式の、コンフォート層として適した空気透過層の第4の実施形態を模式的に示す斜視図である。 空気を透過するスペーサ形成物の形式の、コンフォート層として適した空気透過層の第5の実施形態を模式的に示す斜視図である。 同様に図1に示すアッパー組立体と結合することができる、本発明によって改良すべきソールユニットの模式的な横断面図である。
ここで、例えば上、下、右、左などのような概念が使用される場合に、それは常に、それぞれの図における特殊な表示のみに関するものであって、絶対的に当てはまるものではない。
図1は、アッパー13と本発明に係るソールユニット15とを有する本発明に係る靴11の実施例を下から示す斜視図である。図1において靴11は、ソールユニット15がアッパー13に固定される前の組立段階で示されている。靴11は、履き口17を有している。図1に、ソールユニット15のアウトソールに関して示される、アウトソール層貫通穴16に関する構造形は、純粋に例であって、本発明にとって重要ではない。しかし、ソールユニット15の良好な水蒸気透過性を得て、それに伴ってソールユニット15を介して靴内部から汗の水分を良好に逃がすために、可能な限り大きいアウトソール層貫通穴16が望まれる。
図1に示すように、ソールユニット15がアッパー13と結合される前に、アッパー13の下方の端部がアッパー底19によって閉鎖される。アッパー底19には、例えばアッパー底膜21の形式の水密かつ水蒸気透過性のアッパー底機能層が設けられている(図2と3に見られる)。アッパー13とアッパー底19がアッパー組立体22を形成する。通常、アッパー底膜は、少なくとも2層のラミネートの複合体に加工される。
図2と3に示す、例えば靴の足前部領域の断面である横断面表示は、様々な実施形態を示しており、それらは、ソールユニット15の構造に関してだけでなくアッパー組立体の構造に関しても互いに異なる。
図2と3は、それぞれ靴11を示しており、一方でソールユニット15はまだアッパー組立体22と結合されておらず、他方では靴11が中敷なしで示されている。図2に示す実施形態は、アッパー組立体22に射出成形されるソールのために考えられており、図3に示す実施形態は、アッパー組立体22に接着されるソールのために考えられている。しかしこれは、本発明にとって重要ではなく、図2と3に示す実施形態のために、シール処置を然るべく適合させながら逆に設けることもできる。
図2と3に示す二つの実施形態のアッパー組立体22は、一致してそれぞれ、水蒸気透過性のアッパー上材料23と、その内側に配置された例えばアッパー膜25の形式のアッパー機能層と、その内側のアッパー裏地27とを備えたアッパー13を有している。前記二つの場合において、アッパー底19は、3層のアッパー底膜ラミネート33を有しており、それは、中央層としてアッパー底膜21、その一方の表面に支持織物層35、そしてその他方の表面に支持ネット37を有している。他の数の層を有するアッパー底膜ラミネート、例えば2層のラミネートを使用することもできる。両方の場合において、アッパー底19全体(図2)又はアッパー底19のインソール29は、縫目31(例えばストローベル縫目又はジグザグ縫目)によってアッパー膜25とアッパー裏地27のソール側の下方の端部領域と結合されている。
しかし、図2と3に示す二つの実施形態は、それぞれのアッパー底19の構造に関して、及びそれぞれのソールユニット15の構造に関して異なっている。さらに、これら二つの実施形態は、アッパー組立体22とソールユニット15との間の結合に関しても異なっている。
図2に示す実施形態において、下方のアッパー端部を所望の形状で取り付ける、その機能により、しばしば取付けソールとも称されるインソール29の機能は、3層のアッパー底膜ラミネート33によって形成される。この実施形態において、アッパー上材料23のソール側の下方の端部は縫目31より所定間隔手前で途切れており、その結果アッパー上材料23のソール側の下方の端部からアッパー膜25のソール側の下方の端部の突出部が形成される。アッパー上材料23と縫目31との間のこの間隔は、液状のプラスチックを透過するネットバンド39によって橋渡しされている。
図2に示す実施形態は、ソールユニット15を有しており、それは、アウトソール層41によって構成されており、図において下方のその表面は、走行面又は歩行面42として形成されており、かつその歩行面42とは逆の上側は肉抜き部43を有しており、その肉抜き部は、この肉抜き部43の領域内でアウトソール層41の厚みを減少させている。アウトソール層41に水蒸気透過性をもたらすために、アウトソール層41には、この肉抜き部43の領域内で、アウトソール層41のそこの厚みを貫いて延びるアウトソール層貫通穴45が設けられている。アウトソール層41とそれに伴ってソールユニット15の然るべき高さの水蒸気透過性を達成するために、このアウトソール層貫通穴45はできるだけ大きくされる。この肉抜き部43内には、アウトソール層貫通穴45内へ達する、例えば小石のような異物による損傷に対してアッパー底膜21を保護する機械的な保護として、バリア層47の少なくとも一部が位置している。このバリア層47は、ある実施形態にでは既に述べた熱的に硬化された繊維材料によって構成されているので、アッパー底膜21のための機械的な保護としての他にソールユニット15のための安定化材料として形成することもできる。肉抜き部43内のバリア層47の上側に、コンフォート層49があって、そのコンフォート層49には、図2に示す実施形態において、コンフォート層49の厚みを貫いて延びるコンフォート層貫通穴51が設けられている一方で、例えばコンフォート層49は水蒸気透過性の材料によって構成されている。それぞれコンフォート層49によってソールユニット15の重量削減、あるいは歩行緩衝性に関して改良された歩行快適性、あるいは両者を達成しようとするかに応じて、コンフォート層49のために、アウトソール層の材料よりも軽い材料、あるいはアウトソール層の材料よりも柔らかい材料、あるいは両方である材料が使用される。良好な歩行緩衝性を得ようとする場合には、コンフォート層49のための材料として例えばEVAが適している。アウトソール層材料に対して重量削減を得ようとする場合には、然るべく小さい比重を有する発泡されたプラスチックが適している。アウトソール層材料に関して、改良された歩行緩衝性も重量削減も得ようとする場合には例えば発泡されたEVAが適している。しかし、使用することができる他の多くの材料のバリエーションがある。
図2に示す実施形態は、特に、射出成形されたアウトソールを有する靴のために考えられている。靴を形成する場合に、アウトソール層41の材料が、アッパー組立体22の下側にあてがうことのできる射出成形型(図示せず)であって、射出成形工程前にその中へバリア層47とコンフォート層49が挿入されている射出成形型を用いて、アウトソール層又は例えば中間ソールのような他のソール層の液状のソール材料が、アッパー底21に次のように射出される。すなわち一方で図2においてアウトソール層41のために示された、側方に高く引き上げられた周端縁を有する形状が生じ、他方で射出成形されたアウトソール層材料が側方へ延びて、アッパー上材料23のソール側の下方の端部へ、そしてネットバンド39を通してネットバンド39の後方に位置する、アッパー上材料23によって覆われないアッパー膜25の下方の端部領域へ進むことができるように射出され、それによってこの箇所において、一方でアウトソール層41とアッパー膜25との間に、他方では縫目31を越えてアッパー膜25とアッパー底膜21との間に水密の結合が形成される。支持織物層35ではなく支持ネット37のみが液状のソール材料によって通過されるので、液状のソール材料はアッパー底膜21まで達してそれを密閉することができ、したがってこの実施形態において、アッパー底膜ラミネート33は、その支持ネット37がアッパー底膜21の下方を向いた側に来るように配置されている。
図2に示す実施形態において、アウトソール層41とコンフォート層49は、それぞれ貫通穴45及び51を有しており、それらは、同じ大きさを有するだけでなく、互いに整列し、従って最大限に重なり合っている。それによって、ソールユニット15の特に高い水蒸気透過性が得られる。しかし、多くの場合において、例えばアウトソール層41とコンフォート層49の異なった構造形を実現することができるようにするために、アウトソール層貫通穴45とコンフォート層貫通穴51が部分的に重なり合うだけで十分である。重要なことは、ソールユニット15の水蒸気透過性を保証するために、アウトソール層貫通穴45とコンフォート層貫通穴51に関して最小の重なり合いが保証されることだけである。この実施形態において、アッパー底膜ラミネート33は、射出成形する際に液状のソール材料によって貫通可能な支持ネット37が下を向いてソールユニット15の方へ向くようにセットされている。従って、図2の表示に従って、ネットバンド39と縫目31とアッパー底膜ラミネート33の周領域とを有する領域へ到着するこの液状の材料が、ネットバンド39を通ってアッパー膜の対応する領域へも達し、支持ネット37を通してアッパー底膜ラミネート33の対応する領域へ達し、それによって、シール工程において縫目31を封じ込めながら、この二つの領域が密閉される。
図3に示す実施形態は、接着されるアウトソールのために考えられている。従ってこの実施形態のアッパー底膜21とアッパー膜25との間には、図2に示す実施形態の場合とは異なるやり方で、水密の結合が形成される。さらに、図3に示す実施形態のアッパー底19は、インソール機能がアッパー底膜ラミネートによって引き受けられるのではなく、アッパー底膜ラミネート33に加えて設けられているインソール29ないし取付けソールによって引き受けられることによって、図2に示す実施形態のアッパー底19とは異なっており、そのインソール29は、縫目31を介してアッパー膜25及び裏地27と結合されており、その縫目は、ここでもストローベル縫目又はジグザグ縫目とすることができる。この実施形態において、アッパー膜25のソール側の下方の端部領域とアッパー底膜21の周領域は、シール接着剤53によって互いに水密に結合されている。このシール接着剤53についても、それが支持織物層35ではなく支持ネット37のみを貫通してアッパー底膜21まで達することができ、それによってそれを密閉することが重要であるので、この実施形態においては、アッパー底膜ラミネート33は、図2に示す実施形態に関して逆に方向づけされて、図3に示す実施形態においては、保護ネット37がアッパー底膜21の上側に、そして支持織物層35はアッパー底膜21の下側に位置している。その場合に、アッパー底膜ラミネート33は、インソール29の下側に、従ってインソール29の、ソールユニット15の方を向いた側にある。シール接着剤53は、同時に、アッパー底膜ラミネート33をアッパー組立体22に固定するために用いられるので、付加的な接着剤は不要である。
図3に示すこの実施形態において、ソール側の下方の上材料端部領域は、つり込み接着剤55によってアッパー底膜ラミネート33の周端縁の下側へつり込まれている。この実施形態において、ソールユニット15のアウトソール層41は、アウトソール層41の上側の周領域上に塗布されたソール接着剤57によって、アッパー上材料23のソール側の下方の端部領域と、そして少なくとも部分的にアッパー底19の周領域と接着される。
図3に示すソールユニット15は、図2に示すソールユニット15とは、一方では、アウトソール層貫通穴45の間にあるアウトソール層部分の形状によって異なっており、それは、図2の場合にはスパイクの形状を有し、図3においては比較的細い垂直片の形状を有している。ソールユニット15の機能と靴11の機能について、全体としてこれは下位の重要性である。二つの場合において、全てのアウトソール層貫通穴45から、等しい大きさの全体面積が生じる場合には、これは実質的に等しい水蒸気透過性をもたらす。
図2に示す実施形態は、コンフォート層49が例えばそれ自体水蒸気透過性ではない材料からなるものなので、コンフォート層貫通穴51を備えたコンフォート層49を有しているのに対して、図3に示す実施形態においては、それ自体が水蒸気透過性の材料からなるコンフォート層49が模式的に示されており、その材料は、例えば層単位で互いにずれた織り目を有する多層の織物からなる織物層である。
図2と3に示す二つの実施形態において、インソール機能をもたらすアッパー底膜ラミネート33(図2)ないしインソール29は、ストローベル縫目31によって下方のアッパー端部と結合されており、従ってこのような場合においては、しばしばストローベルインソールが話題になる。
図2と3における表示について、同様に、模式的な表示は部分的であって、簡略化するために、アッパー組立体についてはそれぞれ左側のアッパー部分とアッパー底のみが図示されているが、右側のアッパー部分は図示されておらず、それについては想像しなければならない。
図4と5は、それぞれ、アッパー組立体と結合することができる、ソールユニット15のみを示しており、そのアッパー組立体は、それぞれ必要に応じて図2に示すアッパー組立体あるいは図3に示すアッパー組立体あるいは類似のアッパー組立体とすることができる。図4と5のソールユニット15にとって特徴的なことは、図2に示す実施形態の場合とは異なり、コンフォート層貫通穴51が、アウトソール層41の歩行面42に対して垂直ではなく、歩行面42に対して斜めの角度で延びていることである。図4においては、全てのコンフォート層貫通穴51は、等しい斜め方向に延びているのに対して、図5においては、そこの左にあるコンフォート層貫通穴51とそこの右にあるコンフォート層貫通穴51は、異なるように方向付けされた斜めの角度を有している。図4の場合におけるように、全てのコンフォート層貫通穴51の斜めの角度が同一の方向を向いている場合に一方の側の端縁において可能であるよりも、このようにして、コンフォート層貫通穴51によって両側でアウトソール層41の肉抜き部43の端縁により近寄ることができる。
斜めに方向付けされたコンフォート層貫通穴51を有する実施形態において、斜めの角度、コンフォート層51の厚み、及びコンフォート層貫通穴51の直径は、互いに次のように調整されており、すなわち異物の侵入に対抗する、コンフォート層貫通穴51の斜めの壁部分が生じ、従って歩行面42に対し、ないしはバリア層45に対して垂直の方向に、バリア層45を突き抜けることに成功した異物が、他の障害物なしでコンフォート層51を通過することができるコンフォート層貫通穴51の内のりが生じることがないように、互いに調整されている。
既に述べたように、コンフォート層49は、空気を透過するスペーサ形成物の形式の空気透過層として形成することができる。そのための実施例を図6から10が示している。
空気透過層40として適したスペーサ形成物60によって形成された、コンフォート層49の図6に示す実施形態において、下方の面形成物64から、ほぼ半球状の突出部ないし膨出部65が上方へ湾曲させられており、その上方の頂点が上方の支持面を定める。このスペーサ形成物60は、ある実施形態においては、最初は平面的なニットから、あるいはしっかりした材料からなり、それが、例えば深絞り工程によって図示の形状にされた後に、このスペーサ形成物を搭載したソールユニット15を有する靴で歩行した場合にさらされる負荷を受けてもこの形状を維持するように硬化しているか、あるいは硬化される。深絞り工程の他に、他の処置、すなわち温度成形工程による変形と硬化あるいは所望の形状と剛性に硬化する合成樹脂の含浸も利用することができる。
図7は、空気透過層40として適したスペーサ形成物60によって構成される、コンフォート層49の実施例を示しており、その上方と下方の支持面は、例えばポリオレフィン、ポリアミド、又はポリエステルのグループから選択された、互いに対して平行に配置された二つの空気を透過する面形成物62と64によって形成され、前記面形成物62と64は、支持繊維66によって空気を通すように互いに結合され、同時に離隔している。繊維66の少なくとも一部は、間隔保持手段として面形成物62と64の間に少なくともほぼ垂直に配置されている。繊維66は、例えばポリエステル又はポリプロピレンのような柔軟で変形可能な材料からなる。空気は、面形成物62と64を通り、かつ繊維66の間を貫流する。面形成物62と64は、開放多孔性の、織られた、あるいは編まれた、あるいはメリヤス編みの織物材料である。この種のスペーサ形成物60は、タイレクス(Tylex)社又はミュラーテクスティール(Mueller Textil)社から得られるスペーサニットであり得る。
図8に示すスペーサ形成物60は、図6に示すスペーサ形成物と同様の構造を有しているが、ニット又はメリヤス糸あるいはメリヤスフィラメントからなり、それがこの形状にされ、例えば熱プロセスによって、あるいは合成樹脂の含浸によってこの形状に硬化されている。
図9は、ジグザグ輪郭又は鋸歯輪郭を有するスペーサ形成物60の実施形態を示しており、最初は平面的な材料が、上方の頂点60a及び下方の頂点60bがこのスペーサ形成物60の上方及び下方の支持面を定めるように、その形状にされている。この形式のスペーサ形成物60も、既に述べた方法によって成形して所望の剛性に硬化させることができる。
図10は、本発明に係るコンフォート層51のために使用可能な空気透過層40として適している、スペーサ形成物60の他の実施例を示している。この実施形態において、唯一の下方の面形成物68からスペーサ要素が、突出又は膨出によらずに繊維束70によって形成され、その繊維束70は、面形成物68から立ち上がり、その上方の自由端部が一緒になって上方の支持面を定める。繊維束70を設けることは、下方の面形成物68を毛羽立てることによって行うことができる。

Claims (24)

  1. 水蒸気透過性のソールユニット(15)であって、
    アウトソール材料から構成され、できれば多数の部分片から形成され、及び/又はその下に配置されたアウトソール部分を有するアウトソール層(41)であって、前記アウトソール層(41)が周領域の内側で、アウトソール層(41)の上側から延びる肉抜き部(43)によって厚みを減少されており、かつその厚みを貫いて延びるアウトソール層貫通穴(45)を有するアウトソール層(41)、及び
    少なくとも部分的に、アウトソール層(41)の肉抜き部(43)内に配置され、肉抜き部(43)の高さの一部だけにわたって延びる水蒸気透過性のバリア層(47)であって、前記バリア層(47)が、異物の突き抜けに対抗するべく構成されたバリア材料によって形成されているバリア層(47)、及び
    肉抜き部(43)内でバリア層(47)の上方に配置された水蒸気透過性のコンフォート層(49)であって、前記コンフォート層(49)が、アウトソール材料よりも小さい硬度及び/又は小さい比重を有するコンフォート層材料によって構成されているコンフォート層(49)、を有する水蒸気透過性のソールユニット(15)。
  2. 前記コンフォート層(49)が、水蒸気透過性の材料によって構成されている、請求項1に記載のソールユニット。
  3. 前記コンフォート層(49)が、皮革、開放多孔性の発泡材料、水蒸気透過性の織物のメッシュ製品、水蒸気透過性の織物のフリース製品、水蒸気透過性のフェルト製品及びそれらの組合せの材料グループから選択された材料によって構成されている、請求項2に記載のソールユニット。
  4. 前記コンフォート層(49)が、層単位で互いに対してずれた編み目を有する多層の編物から構成されている、請求項3に記載のソールユニット。
  5. 前記コンフォート層(49)が、少なくとも部分的に、ポリアミド、ポリエステル及びポリプロピレンのプラスチック材料の材料グループから選択された、水蒸気透過性の織物材料によって構成されている、請求項3又は4に記載のソールユニット。
  6. 前記コンフォート層(49)に、その厚みを貫いて延びるコンフォート層貫通穴(51)が設けられており、前記コンフォート層貫通穴(51)が、アウトソール層貫通穴(45)と少なくとも部分的に重なり合う、請求項2から5の少なくとも一項に記載のソールユニット。
  7. 前記コンフォート層(49)が、水蒸気を透過しない材料によって構成され、その厚みを貫いて延びるコンフォート層貫通穴(51)を有しており、前記コンフォート層貫通穴(51)が、アウトソール層貫通穴(45)と少なくとも部分的に重なり合う、請求項1に記載のソールユニット。
  8. 前記コンフォート層(49)が、ポリウレタン(PU)とエチレンビニルアセテート(EVA)の材料グループから選択された、発泡された又は発泡されていないプラスチックによって構成されている、請求項7に記載のソールユニット。
  9. コンフォート層(49)の貫通穴が、ソールユニット(15)の走行面に関して、コンフォート層貫通穴(51)の斜めの壁部分が生じるような斜めの角度でコンフォート層(49)を通って延びて、異物の突き抜けに対抗する、請求項6から8の少なくとも一項に記載のソールユニット。
  10. アウトソール層貫通穴(45)及び/又はコンフォート層貫通穴(51)が、少なくとも0.5cm2の面積を有している、請求項6から8の少なくとも一項に記載のソールユニット。
  11. アウトソール層貫通穴(45)及び/又はコンフォート層貫通穴(51)が、少なくとも5cm2の面積を有している、請求項10に記載のソールユニット。
  12. アウトソール層貫通穴(45)及び/又はコンフォート層貫通穴(51)が、少なくとも20cm2の面積を有している、請求項11に記載のソールユニット。
  13. アウトソール層貫通穴(45)及び/又はコンフォート層貫通穴(51)が,少なくとも40cm2の面積を有している、請求項12に記載のソールユニット。
  14. 前記コンフォート層(49)が、空気を透過するスペーサ形成物(60)の形式の空気透過層(40)によって形成されている、請求項1に記載のソールユニット。
  15. 空気を透過するスペーサ形成物(60)が、面形成物(62)と、前記面形成物(62)から垂直及び/又は0°と90°の間の角度で離れるように延びる多数のスペーサ要素(65、66)とを有している、請求項14に記載のソールユニット。
  16. 前記スペーサ形成物(60)において、スペーサ要素(65)がネップとして形成されている、請求項15に記載のソールユニット。
  17. 空気を透過するスペーサ形成物(60)が、互いに対して平行に配置された二つの面形成物(62、64)によって構成されており、前記二つの面形成物(62、64)が、スペーサ要素(66)によって空気を透過するように互いに結合され、かつ離隔されて保持されている、請求項14に記載のソールユニット。
  18. 前記スペーサ形成物(60)が、硬化されたニットによって構成されている、請求項14から17の少なくとも一項に記載のソールユニット。
  19. 前記スペーサ形成物(60)が、波形又は鋸歯状に構成されている、請求項14から18の少なくとも一項に記載のソールユニット。
  20. 前記バリア層(47)が、ソールユニット(15)を機械的に安定させるために形成されている、請求項1から19の少なくとも一項に記載のソールユニット。
  21. 前記バリア層(47)が、その溶融温度に関して異なる、少なくとも二つの繊維構成要素を有する繊維複合体によって構成されており、その場合に第1の繊維構成要素の少なくとも一部が、第1の溶融温度とその下にある第1の軟化温度領域を有し、第2の繊維構成要素の少なくとも一部が、第2の溶融温度とその下にある第2の軟化温度領域を有し、かつ第1の溶融温度と第1の軟化温度が、第2の溶融温度と第2の軟化温度領域よりも高く、及び
    繊維複合体が、第2の軟化温度領域内にある接着剤軟化温度によって第2の繊維構成要素が熱的に活性化される結果として、熱的に硬化された領域内における水密性を維持しながら、熱的に硬化されている、請求項1から20の少なくとも一項に記載のソールユニット。
  22. 前記アウトソール層(41)が、ゴム、PU(ポリウレタン)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、EVA(エチレン・ビニル・アセテート)、TR(テクニカルラバー)、及び皮革、又はその組合せの材料グループから選択された材料によって構成されている、請求項1から21のいずれか一項に記載のソールユニット。
  23. アッパー底機能層(21)を備え、それによって水密かつ水蒸気透過性のアッパー底(19)を有するアッパー組立体(22)と、前記アッパー組立体(22)のソール側の端部領域に結合された請求項1から22の少なくとも一項に記載のソールユニット(15)とを有する靴。
  24. 該靴のアッパー(13)に、アッパー機能層(25)が設けられており、前記アッパー機能層(25)がアッパー底機能層(21)と水密に結合されており、その結果靴が全体として水密かつ水蒸気透過性である、請求項23に記載の靴。
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