JP3191265U - 履物 - Google Patents

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Abstract

【課題】足底の水密性と靴構造体の安定性、耐久性を有する履物を提供する。【解決手段】甲構造体20と紐革29と水蒸気を通す底ユニット30を備え、この底ユニットが甲構造体20の底側の端領域に連結されている履物。甲構造体20が甲上側材料22と水密で水蒸気を通す甲底部機能層95を有する甲底部と中底要素27とを備えている。中底要素27が水密で水蒸気を通す甲底部機能層95の下方に配置され、かつ底ユニット30の方へ突出するリップ28を備えている。紐革29が甲構造体20の底側の端領域に周方向に配置されている。底ユニット30が中底要素27のリップ28によって形成された中間室内に配置された水蒸気を通す快適層34と外底層31とを備え、この外底層31の少なくとも一部が快適層34と紐革29の下に配置され、かつ快適層34の下方に外底貫通穴37を有する。中底要素27のリップ28と甲上側材料22と紐革29が互いに縫合されている。【選択図】図2

Description

本考案は、甲構造体と紐革と水蒸気を通す底ユニットを備え、この底ユニットが甲構造体の底側の端領域に連結されている履物に関する。
水密で水蒸気を透過する甲を備えた履物がかなり以前から存在するので、このような履物は水密であるにもかかわらず甲領域において汗の水分を放出することができる。底領域においても汗の水分を逃がすことができるようにするために、底構造体が検討されている。この底構造体は厚さにわたって延在する通過穴を有する外底と、例えばダイヤフラムの形をした、水密で水蒸気を透過する底機能層を備えている。特許文献1はその一例を示す。この例の外底は微細孔の形をした通過穴を有し、水蒸気透過性を適切に制限する。
汗をかきやすい人の足に対処するために、特許文献2では、微細孔と比べて大きな通過穴を外底に備え、それによって非常に高い水蒸気透過性を得ることが提案された。
特許文献3は大きな底穴の他の例を示している。この場合、外底の大きな通過穴が安定ウェブおよび/または安定格子によって安定させられている。この安定ウェブおよび/または安定格子は、通過穴に嵌め込まれた水蒸気を透過する材料、例えばフェルト状繊維材料を支持している。このように構成された靴底複合体は甲構造体に連結される。この甲構造体の甲底部が水密で水蒸気を透過する甲底部機能層によって閉鎖されているので、靴全体が水密で水蒸気を透過する。
従来の水密の靴構造は人への用途について、安定性、耐久性および可撓性の間の折衷に関して、特に甲上側材料に関して満足できるものではない。
欧州特許出願公開第0382904号明細書 欧州特許出願公開第0275644号明細書 国際公開第2007/101624号パンフレット
そこで、本考案の課題は、少なくとも足底の下方で水密性と同時に水蒸気の搬出を保証し、靴構造体の安定性、耐久性および可撓性の間の改善された折衷を可能にする、靴構造体を提供することである。
この課題は請求項1の特徴の組み合わせによって解決される。
甲と底ユニットを有する本考案に係る靴の第1の実施形態の斜視図であり、この場合、底ユニットはまだ甲に連結されていない。 本考案に係る靴の第2の実施形態の概略的な部分横断面図である。 本考案に係る靴の第3の実施形態の概略的な部分横断面図である。 本考案に係る靴の第4の実施形態の概略的な部分横断面図である。 本考案に係る靴の第5の実施形態の概略的な部分横断面図である。 空気を通す間隔形成物の形をした、快適層として適している空気を通す層の第1の実施形態を示す概略図である。 空気を通す間隔形成物の形をした、快適層として適している空気を通す層の第2の実施形態を示す概略図である。 空気を通す間隔形成物の形をした、快適層として適している空気を通す層の第3の実施形態を示す概略図である。 空気を通す間隔形成物の形をした、快適層として適している空気を通す層の第4の実施形態を示す概略図である。 空気を通す間隔形成物の形をした、快適層として適している空気を通す層の第5の実施形態を示す概略図である。
本考案の最初の態様では、甲構造体と紐革と水蒸気を通す底ユニットを備え、この底ユニットが甲構造体の底側の端領域に連結されている、履物が提供される。甲構造体は、甲上側材料と、水密で水蒸気を通す甲底部機能層を有する甲底部と、中底要素とを備え、中底要素は、水密で水蒸気を通す甲底部機能層の下方に配置され、かつ底ユニットの方へ突出するリップを備え、紐革は甲構造体の底側の端領域に周方向に配置されている。底ユニットは中底要素のリップによって形成された中間室内に配置された水蒸気を通す快適層と、外底層とを備え、この外底層の少なくとも一部が快適層と紐革の下に配置され、かつ快適層の下方に外底貫通穴を有する。中底要素のリップと甲上側材料と紐革は互いに縫合されている。
紐革と、突出するリップを有する中底要素は、大きな安定性を生じる。紐革は、安定した外側構造体をもたらす、靴の外周の固定個所である。中底要素は靴の内部の安定性を生じる。甲底部機能層の下方に中底要素を配置したことにより、中底要素は甲底部機能層のための固定個所として甲底部の平面的な安定性を生じる。下向きに突出するリップは、底ユニットの快適層と靴構造体全体を付加的な方向で保持する垂直方向の安定要素である。2つの要素である紐革と中底要素のリップを設けることにより、安定性がもたらされる。この場合、紐革とリップに安定性要求を分けることは、靴の耐久性を増す。
甲上側材料を紐革と中底要素のリップに縫合することにより、甲上側材料の安定した結合が保証される。勿論、縫合は同時に、靴のその他の要素に対する甲上側材料の撓曲的な結合を行う。縫合は甲上側材料を完全には固定しない。紐革、甲上側材料およびリップは互いにある程度の弾力性を有する。これは靴を調整させる。一般的に幾分伸びることができる甲上側材料は、着用時の負荷と着用者に有利に適合する。他の靴の場合のように、甲上側材料は接着または一体射出成形によって、可撓性を大幅に制限するように底に連結されることはない。紐革とリップは、甲から重要な可撓性を奪わずに、甲上側材料の二重の固着を行う。
中底要素は水蒸気を通すことができる。中底要素は後述するように、いろいろな態様で実施可能である。紐革は、その内側領域においてその形状に基づき水蒸気を通すことができる。その結果、着用者の足底の下方で、甲底部機能層、中底要素、紐革、水蒸気を通す快適層および外底層の穴によって、水密で同時に水蒸気を通す靴が提供される。
中底要素のリップは、その他の中底要素から底ユニットの方へ突き出ている。すなわち、リップは中底要素から外底層の方へ延びている。完成した靴を地面上に置くときに、リップは下方へ延びている。勿論、用語「底ユニットの方へ」は、リップが真っ直ぐに下方へまたは下方へ一直線に延びていることを意味しない。リップは、中底要素に対してあるいは甲底部に対して約90°の角度を有することができる。リップは、一方の側で甲上側材料と紐革を縫い付けるためのベースを形成し、他方の側で快適層のための空間を制限する突出構造体である。リップはリブと呼ぶこともできる。リップによって形成された中間空間内に快適層を設けることにより、この場所が効率的になる、すなわち装着快適性を改善するために利用される。
甲底部は、底側の端領域において、すなわち着用者の足底の下方にほぼ位置する領域において、甲を閉鎖する。甲底部はあらゆる場合に甲底部機能層を備え、場合によっては多層積層体の一部として甲底部機能層を備えている。上述の中底要素は甲底部の下に取付けられている。多くの実施形態では、水蒸気を通す1つまたは複数の付加的な中底を設けることができる。従って、用語「付加的な中底」は、この要素が任意選択的な要素であることと、設けられるときには、常に設けられたリップを有する中底要素に付加して設けられることとを意味する。
例えば、甲の水密の機能層構造体または水密の内部靴は、後述するように、このような付加的な中底を備えることができる。他の例では、甲底部機能層の下に、付加的な中底が設けられている。この付加的な中底は、甲底部機能層または水密の靴内部構造体および紐革と甲上側材料を取付けた中底要素のための連結部として機能する。この付加的な中底は甲底部にも属している。
付加的な中底は、甲底部機能層または甲底部機能層積層体に水蒸気を通すように接着可能である。すなわち、例えば、周方向のまたは点状の接着によって、あるいは水蒸気を通す接着剤によって、付加的な中底を接着することができる。付加的な中底は、水蒸気を通す材料からなっているか、または水蒸気通過穴を備えている。
他の実施形態では、リップが、周方向に延在して中底要素から底ユニットの方へ突出し、かつ紐革に一致する輪郭を有する。これにより、靴の全周にわたって、紐革、リップおよび甲上側材料の連結を安定させる作用が生じる。中底要素のリップ、甲上側材料および紐革は、全周に沿ってあるいは一部に沿って縫合することができる。
他の実施形態では、中底要素が、紐革状にあるいは周方向に延在するように形成されている。これにより、中底要素は、その内部の大きな面積の通路を通ってきわめて良好に水蒸気を通すことができ、かつその面積が小さいのできわめて軽量である。それにもかかわらず、中底要素は、その下に配置された紐革と甲上側材料を周方向で固定することができる。
代替的な実施形態では、中底要素が甲底部機能層の下方に平面状に形成され、中底要素が水蒸気を通す材料によって形成されているか、および/または水蒸気通過穴を有する。これにより、中底要素は甲底部内の平面状領域にわたって安定性を生じる。さらに、その下およびその上にある層を取付けるため、または空間的に固定するための拡大した構造体を生じる。中底要素は、少なくとも一部が古典的な中底の機能を受け持つことができる。このような中底要素は、統合された部品からなっているか、あるいは例えば中底のような平面状の要素とリップまたはリブからなるような、元々分離された2つの部品からなる予め製作されたユニットとして存在する。
他の実施形態では、中底要素が例えば接着、縫着または他の連結方法によって互いに連結された少なくとも2つの層からなっている。或る実施形態では、中底要素が平面状中底層と紐革状中底層を備え、平面状中底層が水蒸気を通す材料によって形成され、および/または水蒸気通過穴を有し、紐革状中底層が平面状中底層の下方に配置され、かつリップを備えている。両層はその機能を最適化することができる。
他の実施形態では、中底要素が剛性のある材料によって作られている。剛性のある材料は中底要素に大きな安定性を付与する。二層構造の場合、平面状中底層だけを、または紐革状中底層だけを剛性のある材料で作ることができる。
他の実施形態では、甲底部が水蒸気を通す付加的な中底を備え、この付加的な中底が中底要素の上方に配置されている。特別な実施形態では、付加的な中底が中底要素と甲底部機能層の間に配置されている。この付加的な中底は、一方の側では中底要素、ひいては紐革と甲上側材料のための固定個所であり、他方の側では甲底部機能層または水密の内部靴全体のための固定個所である。付加的な中底は、水密の内部靴を持たない靴を作るために使用可能である。その際、付加的な中底は中底要素、紐革、甲上側材料および底ユニットのための固定構造体である。これにより、水密の甲機能層または水密の機能層構造体とも呼ばれる水密の内部靴全体は、底ユニットを取付けた後で靴内に挿入することができる。
他の実施形態では、甲底部機能層が多層の甲底部機能層積層体の一部である。特に、甲底部機能層は二層または三層の積層体の一部である。この場合、甲底部機能層は片側または両側を、例えば繊維裏地のような保護層によって保護される。この特徴はすべての実施形態で適用可能である。従って、用語「甲底部機能層」は、どこでも甲底部機能層積層体と置き換えることができる。
他の実施形態では、中底要素が、甲底部領域において甲底部機能層積層体または付加的な中底に連結、例えば接着されている。接着は連結の簡単な方法である。水蒸気を通す接着剤を使用することによって、あるいは周囲の接着または例えば点状接着のような全面でない接着によって、甲底部領域において水蒸気透過性が得られる。
他の実施形態では、甲構造体がさらに、水密の甲機能層を備え、この甲機能層が甲上側材料を少なくとも部分的に内張りし、かつ甲底部機能層に水密に連結されている。甲底部機能層と甲機能層は、水密の内部靴または水密の機能層構造体とも呼ばれる甲の水密の内部構造体を形成する。これは、いわゆるブーティとして存在する。これは着用者の足の周りの靴下状構造体を表す。甲底部機能層と甲機能層の組み合わせ物は実質的に、甲の内面全体にわたって延在することができる。用語「内張り」は必ずしも、甲機能層が上側材料に直接接触することを意味するものではない。甲機能層は甲機能層積層体の一部であってもよい。この場合、繊維保護層は少なくとも甲機能層と甲上側材料の間に位置することになる。例えば絶縁層のような他の層を、甲機能層と甲上側材料の間に設けることができる。他の層を甲機能層と靴の内部、例えばいわゆる裏地層の間に設けることができる。
甲底部機能層と甲機能層の間の水密的な連結は、(足のための滑り入れ穴を除いて)周囲が水密の靴を提供する。甲機能層は水蒸気を通すことができる。これにより、汗の水分が底ユニットと甲上側材料を通って搬出される。そのために、甲上側材料は当然水蒸気透過性である。
他の実施形態では、甲機能層が多層の甲機能層積層体の一部である。特に、甲機能層は二層または三層の積層体の一部である。この場合、甲機能層は例えば繊維裏地のような保護層によって一方の側または両側を保護される。この特徴はすべての実施形態に適用可能である。従って、用語「甲機能層」はどこでも甲機能層積層体と置き換えることができる。
他の実施形態では、甲底部機能層が甲機能層に連結され、特に合わせ縫い目またはジグザグ縫い目によって縫合されている。合わせ縫い目は、合わせ突き刺し縫い目であってもよい。平らな突き合わせ縫い目または平らな接合縫い目であってもよい。
他の実施形態では、甲構造体がさらに、水密のシールテープを備え、このシールテープが甲機能層と甲底部機能層の間の連結領域に貼着、特に接着されている。シールテープは2つの機能層または2つの機能層積層体に直接貼着可能である。この場合、シールテープの接着剤は水密的な連結を行う。
他の実施形態では、甲構造体が水蒸気を通す付加的な中底を備え、この付加的な中底が、特に合わせ縫い目またはジグザグ縫い目によって、甲機能層に縫合されている。付加的な中底はこの方法で甲内部構造体を閉じる。従って、甲底部機能層または付加的な中底に加えて設けられる甲底部機能層積層体は、機械的に負荷を取り除かれる。特別な実施形態では、甲底部機能層が付加的な中底の下方に配置されている。
この場合、甲底部機能層は付加的な中底よりも長い横方向長さを有し、甲機能層にオーバーラップして水密に連結されている。
特に、甲底部機能層と甲機能層の間の水密的な連結が、水密の封止接着剤を介して行うことができる。
快適層は水蒸気を通す。その際、水蒸気を通す快適層は水蒸気を通す材料からなっている、および/または快適層貫通穴を備えている。すなわち、快適層貫通穴は水蒸気を通さない材料または水蒸気を通す材料に設けることができる。後者の場合、快適層貫通穴は水蒸気をきわめて多く搬送する個所を形成する。
他の実施形態では、外底層が外底材料によって形成され、水蒸気を通す快適層が快適層材料によって形成され、快適層材料が外底材料よりも小さな硬さおよび/または小さな比重を有する。
底ユニットの容積の一部が快適層の材料によって形成されて、外底材料によって形成されず、快適層材料が外底材料の耐摩耗条件下になく、外底材料と同じ程度に底安定化に寄与する必要がないことにより、小さな比重および/または良好な足踏み緩衝作用を有する底ユニットを獲得したいかどうかに応じて、外底層のための材料よりも軽量および/または軟弾性的な材料を快適層の材料のために選択することができる。すなわち、底ユニットの一部について、重量および/または足踏み快適性に関する、外底層の材料の選択にない材料選択自由度がある。その際、快適層全体を上記の快適層材料で形成する必要はない。しかし、これは可能である。同様に、外底層全体を外底材料で形成することができる。中間層を設けることができ、この中間層は一方の側の外底層と他方の側の快適層および/または紐革との間に設けられている。
他の実施形態では、快適層が、皮革、開放多孔性の発泡材料、水蒸気を通す合成樹脂、水蒸気を通す繊維メッシュ製品、水蒸気を通す繊維フリース製品、水蒸気を通すフェルト製品およびこれらの材料の組み合わせの材料グループから選択された材料によって形成されている。
他の実施形態では、快適層が層によって互いにずらしたメッシュを有する多層の編物によって形成されている。このように多層とすると同時に、個々の層のメッシュを互いにずらすことにより、水蒸気透過性が高く、例えば小石のような異物に対する機械的な侵入防止作用が良好で、ある程度まではくぎ、破片または類似物についても侵入防止作用が良好で、それによってこのような異物による損傷に対して、底ユニットの上方にある甲底部機能層が機械的に良好に保護される。
他の実施形態では、快適層が水蒸気を通す繊維材料によって形成され、この繊維材料の少なくとも一部がポリアミド、ポリエステルおよびポリプロピレンの合成樹脂材料の材料グループから選択されている。
他の実施形態では、快適層が、その厚さを通過する快適層貫通穴を有し、この快適層貫通穴の少なくとも一部が外底層貫通穴とオーバーラップしている。外底貫通穴と快適層貫通穴のできるだけ多くが同じ大きさでかつ互いに一直線に並んでいると、底ユニットのために最高の全体の水蒸気透過作用が達成される。
他の実施形態では、快適層が、ポリウレタン(PU)とエチレンビニルアセテート(EVA)の材料グループから選択された材料によって形成され、この材料は発泡した材料でもよい。底ユニットのきわめて良好な足踏み緩衝作用、すなわち軟弾性的な快適層材料が重要であるときに、PUを使用する場合には、PUスペクトルから、軟弾性的なタイプまたは軟弾性的な特性が知られているEVAが選択される。特に、もっぱらあるいは追加的に、底ユニットが軽量であることが重要であるときには、快適層のために発泡合成樹脂材料を選択することができる。
他の実施形態では、快適層貫通穴が底ユニットの接地面に関して傾斜した角度で快適層を通って延び、この傾斜した角度により、異物の通過侵入に逆らう快適層貫通穴の斜めの壁部分が生じる。快適層貫通穴をこのように形成すると、快適層はそれ自体が、底ユニットの上方にある甲底部機能層への異物の通過侵入を防ぐバリヤとして作用する。
本考案の実施形態では、外底貫通穴および/または快適層貫通穴のうちの少なくとも1つが少なくとも0.5cm2の面積を有する。しかし、外底貫通穴および/または快適層貫通穴は一層大きな面積、すなわち少なくとも1cm2の面積または少なくとも5cm2の面積または少なくとも20cm2の面積または少なくとも40cm2の面積を有していてもよい。
他の実施形態では、快適層が、空気を通す間隔形成物の形をした、少なくとも垂直方向に空気を通す層によって形成されている。この間隔形成物は付加的に、水平方向に空気を通すこともできる。
他の実施形態では、空気を通す間隔形成物が平面形成物と、この平面形成物から垂直におよび/または0〜90°の角度をなして延在するスペーサ要素によって形成されている。
他の実施形態では、間隔形成物のスペーサ要素がこぶとして形成されている。
他の実施形態では、空気を通す間隔形成物が互いに平行に配置された2個の平面形成物によって形成され、この両平面形成物がスペーサ要素によって空気を通すように互いに連結され、かつ間隔を保持されている。
他の実施形態では、間隔形成物が固化された絡み合い物によって形成されている。
他の実施形態では、間隔形成物が波状または鋸歯状に形成されている。
他の実施形態では、底ユニットがさらに、水蒸気を通すバリヤ層を備え、このバリヤ層が底ユニットを機械的に安定させるためおよび/または異物の押し込みを防止するために、快適層と外底層の間に配置されている。
バリヤ層が快適層と外底層の間に配置されているので、すなわち甲底部機能層から離してかつバリヤ層と甲底部機能層の間に快適層を介在して配置されているので、バリヤ層が甲底部機能層のすぐ隣にある場合よりも目が粗くおよび/または頑丈でそしてできるだけざらざらした材料から形成可能であるので有利である。特に良好な足踏み乾燥を達成するべきであるときに、比較的軟らかい材料で作ることができる、バリヤ層と甲底部機能層の間にある快適層は、目が粗くてざらざらしたバリヤ層に対して甲底部機能層を保護する。従って、特に良好な足踏み緩衝作用を得るために軟らかい快適層材料が使用されるときに、底ユニットの安定化に寄与し得るような剛性を有する材料で、バリヤ層を作ることができる。
特に、バリヤ材料が底ユニットを安定させるように形成されているときには、本考案の実施形態において、良好な水蒸気透過を可能にする固化程度に熱固化された繊維材料がバリヤ材料として使用される。従って、このようなバリヤ材料は貫通穴を備える必要がない。そして、この繊維材料が水蒸気透過性を高めるために貫通穴を備えているときでも、この貫通穴は、外底層の貫通穴と比べておよび場合によっては快適層が水蒸気を通す材料からなっているときに快適層の貫通穴と比べて、かなり小さくすることができる。いかなる場合でも、バリヤ層は、外底貫通穴内に侵入する異物が快適層貫通穴内に侵入しないようにする異物バリヤを形成する。すなわち、このような異物が比較的に高さの低い外底貫通穴内に付着するので、異物は、貫通穴が底ユニットの厚さ全体にわたって延びている底構造体の場合よりもはるかに容易に再び取り除くことができる。これは特にかかと領域に当てはまる。このかかと領域では、一般的に底の全体厚さが厚くなっている。
バリヤ装置の横方向長さは、快適層と全く同じ長さに、短くまたは長くすることができる。バリヤ層と快適層は連結されない。なぜなら、相互の位置固定がリップ、紐革および底ユニットの連結によって行われるからである。勿論、例えば点状接着または周囲の接着によってあるいは水蒸気を通す接着剤による接着によって、水蒸気を通すように、バリヤ層と快適層を互いに連結することができる。バリヤ層は外底層内に嵌め込むことができる。
他の実施形態では、バリヤ層が繊維複合物の形に形成されたバリヤ材料を有する。特に、繊維複合物は繊維の平面形成物、例えば織物、絡み合い物、編物、フリース、フェルト、網またはスクリムである。特に、繊維複合物は機械的に固化されたフリースである。
他の実施形態では、バリヤ材料が少なくとも2つの繊維要素を有する繊維複合物である。特別な実施形態では、繊維要素はその溶融温度が異なっており、第1繊維要素の少なくとも一部が第1溶融温度と、その下にある第1軟化温度範囲を有し、第2繊維要素の少なくとも一部が第2溶融温度と、その下にある第2軟化温度範囲を有し、第1溶融温度と第1軟化温度範囲が第2溶融温度と第2軟化温度範囲よりも高く、第2軟化温度範囲内にある接着軟化温度で第2繊維要素を熱的に活性化した結果、繊維複合物が、熱的に固化した領域で水蒸気透過性を維持しつつ、熱的に固化されている。
溶融温度とは、ポリマー構造体または繊維構造体の分野において、ポリマー構造体または繊維構造体の結晶範囲が溶融し、ポリマーが液化状態に移行する狭い温度範囲であると理解される。溶融温度は軟化温度範囲の上方にあり、部分結晶ポリマーのための重要な特性パラメータである。軟化温度範囲とは、合成繊維の分野では、溶融点に達する前に発生する、異なる帯域の温度範囲であると理解される。この温度範囲では、軟化はまだ溶融を生じない。
この特性はバリヤ材料において次のように利用される。すなわち、繊維複合物の両繊維要素のために、両繊維要素についての溶融温度と軟化温度範囲の相関性が満たされるような材料選択が行われ、そして熱固化のために、第2繊維要素のための接着軟化温度を示す温度が選択されるように利用される。この接着軟化温度では、第2繊維要素が軟化することになる。この軟化では、第2繊維要素の材料が接着作用を発揮し、それによって繊維複合物が固化安定化されるまで、第2繊維要素の繊維の少なくとも一部が接着によって互いに熱的に固化される。この固化安定化は、両繊維要素のために同じ材料を有する繊維複合物の場合に、純機械的固化、例えば繊維複合物のニードルパンチング固化によって得られる固化の上方にある。
接着軟化温度は第2繊維要素の繊維の軟化が次のように行われるように選択される。すなわち、第2繊維要素の繊維の相互の接着だけでなく、第2繊維複合物の繊維の軟化した材料による第1繊維複合物の繊維の個々の個所の部分的または全体の被覆、すなわち第2繊維要素の繊維の材料内への第1繊維複合物の繊維のこのような個所の部分的または全体の埋め込みが生じるように、軟化が行われるように選択される。それによって、繊維複合物の適切に高められた安定固化作用が生じる。
他の実施形態では、付加的な中底がバリヤ層について上述したような構造を有する。中底は商業的に入手可能な慣用の中底材料で製作可能である。
他の実施形態では、底ユニットがさらに、水蒸気を通す装飾層を備え、この装飾層がバリヤ層の下方で少なくとも外底貫通穴の領域内に配置されている。装飾層はバリヤ層に縫着可能であるかまたは水蒸気を通すように接着可能である。装飾層によって、履物の底ユニットを次のように形成可能である。すなわち、底ユニットまたはそのバリヤの水蒸気透過性または支持機能を損なわずに、着色や模様形成および材料選択に関する底構造体の下側の十分に任意の最新の形成が可能になるように形成可能である。装飾層はバリヤ層との関連においてきわめて有利である。装飾層を設けることにより、バリヤ層はそのバリヤ機能および/または安定化機能に関して完全に最適化可能である。所望の視覚的な様相が装飾層によって達成される。装飾層はさらに、その上にある層のための付加的な保護部材を形成する。
特別な実施形態では、装飾層が格子状の、網状の、多孔性のまたは穿孔された偏平材料のグループの材料からなっている。純金属的な装飾層のための材料例は、鉄、アルミニウムおよび鋼である。しかし、装飾層の材料としては、例えば穿孔のような加工によって水蒸気を通すように形成される材料あるいは例えばポリアミド、ポリウレタン等からなる穿孔された偏平材料あるいは例えば合成樹脂、繊維、革、ガラス繊維またはこれらの組み合わせからなる元々水蒸気を通す作用のある偏平材料も適している。
他の実施形態では、装飾層が着色されたまたは少なくとも1つの染料を有する材料を備えている。それによって、バリヤ層および/または快適層は色についていかなる要求も受けない。
他の実施形態では、外底層が甲底部に固定され、少なくとも紐革に縫着または接着されているかあるいは紐革に一体射出成形されている。特に、外底層は周方向の縫い目、例えば合わせ縫い目によって、紐革に縫着可能である。外底層は一部が紐革の外周に沿って紐革に縫着可能である。外底層はさらに、快適層にあるいは設けられていればバリヤ層および/または装飾層に接着または一体射出成形可能である。例えば、外底層一式を紐革、甲および快適層の結合物に一体射出成形することができる。外底層は単独でまたは快適層と場合によってはバリヤ装置と装飾層を備えた予め製作したユニットとして、紐革および場合によっては中底要素に接着可能である。さらに、縫合と接着を組み合わせることもできる。
他の実施形態では、外底層が、ゴム、PU(ポリウレタン)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、EVA(エチレン−ビニル−アセテート)、TR(テクニカル ラバー)および皮革またはこれらの組み合わせの材料グループから選択された材料によって形成されている。その際、外底層は良好な耐摩耗性を有するべきである。熱可塑性ポリウレタンは異なる特性を有し得るいろいろな多数のポリウレタンの上位概念である。外底のために、良好な耐摩耗性のほかに高い安定性および耐滑性を有する熱可塑性ポリウレタンを選択することができる。靴の使用者のための快適層が歩行運動ときに緩衝作用を生じるべきときには、そのために、弾性的に撓む材料、例えばEVA(エチレン−ビニル−アセテート)またはPU(ポリウレタン)を選択することができる。
他の実施形態では、外底層が内側の外底部分と外側の外底部分を備え、外底貫通穴が内側の外底部分内に設けられている。その際、特に、内側の外底部分はバリヤ層および場合によっては装飾層と共に、予め製作したユニットの形をしている。例えば外側の外底部分は紐革と予め製作したユニットに注入される。しかし、予め製作したユニットを快適層と共にリップの間の中間室内に嵌め込んだ後で、外側の外底部分を紐革に縫着および/または接着することができる。
さらに、外底層の内側領域が底まで達せず、従って外底機能を発揮しないようにすることができる。外底層のこの部分は外底層または靴全体を安定させるために設けられ、従って安定化装置と呼ぶことができる。この目的のために、1個または複数の安定化ウェブを外底層の内側領域に設けることができる。この場合、内側の安定化装置と外側の外底部分という用語を使用することができる。安定化装置は快適層および/またはバリヤ層および/または装飾層を備えた予め製作したユニットとして形成可能である。
他の実施形態では、外底貫通穴が外底層の大きな面積の切欠きの形をしており、外底層が大きな面積の切欠き内に設けられた格子構造物または多数のこぶまたは多数のウェブによって安定させられている。格子構造物または多数のこぶおよび/またはウェブは、接地面と安定性を増大するために、地面まで達することができる。しかし、靴を履くときに、これらの要素のどれも地面に接触しないようにあるいはその一部だけが接触するようにすることができる。用語「外底貫通穴」がつながっている大きな面積の切欠き領域を有し、この切欠き領域内に、外底層のウェブまたはこぶがちりばめられているが、この切欠き領域が複数の個々の領域に分割されていないことを明言する。換言すると、用語「外底貫通穴」は外底層内で複数の水蒸気透過領域をはっきりと分離する必要がない。横断面で多数の穴が見えることで十分である。
他の実施形態では、紐革が皮革によって形成されている。しかし、他の材料、特に外底層と快適層のために上述した合成樹脂または繊維で、紐革を作ることもできる。
他の実施形態では、甲上側材料が縫い目の領域において中底要素のリップと紐革の間に配置されるように、中底要素のリップと甲上側材料と紐革が互いに縫着されている。それによって、甲上側材料はリップと紐革の間で効果的に固着されている。
他の実施形態では、甲上側材料が縫い目の領域において外底層の方へ下方に延在するように、中底要素のリップと甲上側材料と紐革が互いに縫着されている。それによって、縫い目はリップと、下方に延在する甲上側材料の領域とを通り、そして紐革の垂直長さの一部を斜めに通っている。これは非常に省スペース的である。
本考案に係る履物を製造するための方法が提供される。この方法は次の方法ステップを有する。(a)帯板の周りに甲上側材料を形成する。(b)帯板に取付けられた中底要素と紐革の間に甲上側材料の底側の端領域を位置づけする。この場合、中底要素は底ユニットの方へ突出するリップを備えている。(c)甲上側材料の底側の端領域とリップと紐革を縫着する。(d)水蒸気を通す快適層を中底要素のリップによって形成される中間空間内に入れる。(e)外底層を快適層と紐革の下方に配置し、固定する。この場合、外底層は快適層の下方に外底貫通穴を有する。(f)帯板を取り外す。(g)予め製作した甲内部構造体を甲上側材料の内部に挿入し、甲上側材料に固定する。この場合、甲内部構造体は少なくとも甲底部領域が水密で水蒸気を通す。その際、甲内部構造体の底部領域は水密で水蒸気を通す機能層または水密で水蒸気を通す機能層積層体を備えることができる。予め製作した甲内部構造体は好ましくは甲上側材料の内側に接着される。
本考案に係る履物を製造するための代替的な方法が提供される。この方法は次の方法ステップを有する。(a)予め製作した甲内部構造体を準備する。この甲内部構造体は少なくともその底部領域が水密で水蒸気を通す。そして、甲内部構造体を帯板に取付ける。(b)特に接着によって、甲内部構造体の下側に中底要素を固定する。この場合、中底要素は底ユニットの方へ突出するリップを有する。(c)帯板に取付けられた甲内部構造体の周りに甲上側材料を形成する。(d)中底要素と紐革の間に甲上側材料の底側の端領域を位置づけする。(e)甲上側材料の底側の端領域とリップと紐革を縫着する。(f)水蒸気を通す快適層を中底要素のリップによって形成される中間空間内に入れる。(g)外底層を快適層と紐革の下方に配置し、固定する。この場合、外底層は快適層の下方に外底貫通穴を有する。その際、甲上側材料を、ステップ(a)またはステップ(c)で、特に足滑り入れ穴に沿って、甲内部構造体に固定することができる。さらに、甲内部構造体の底部領域は水密で水蒸気を通す機能層または水密で水蒸気を通す機能層積層体を備えることができる。
2つの代替的な方法の場合、甲内部構造体と、例えば紐革や中底要素のような甲構造体の他の要素は、上述したすべての実施形態を有することができる。特に、甲内部構造体は足をほぼ完全に取り囲む形をしていてもよい。この甲内部構造体はほぼ完全に水密とすることができる。そのために、水密で、場合によっては水蒸気を通す甲機能層と、水密で、場合によっては水蒸気を通す甲機能層積層体が設けられ、この甲機能層積層体は甲底部機能層または甲底部機能層積層体に水密に連結されている。甲内部構造体は勿論、一部だけを機能層または機能層積層体によって形成することができる。甲内部構造体はさらに、付加的な中底を備えることができる。さらに、快適層と外底層と場合によっては他の要素からなる底ユニットは上述のすべての実施形態を有することができる。
さらに、上記の2つの方法が、上記の対象の要素を製造または準備する働きをする他の方法ステップを有することができることを明言する。読んで理解しやすくするために、上記の製造方法の説明文における上記内容の繰り返しを省略する。
定義と試験方法
履物:
閉じた上側部分(甲構造体)を有する足にはかせるもの。この上側部分は足滑り入れ穴を有し、少なくとも1個の底または底ユニットを備えている。
甲上側材料:
甲構造体の甲の外面を形成し、例えば皮革、繊維、合成樹脂または他の公知材料およびこれらの材料の組み合わせからなっているかまたはそれによって形成され、一般的に水蒸気を通す材料からなっている材料。甲上側材料の底側の下端は、底または底ユニットの上縁に接する領域または甲と底または底ユニットの間の境界面の上方の領域を形成する。
中底(組み立て底):
中底は甲底部の一部である。中底には少なくとも1つの底側の甲下端領域が固定される。中底要素と、もし設けられている場合には1個または複数の付加的な中底は中底機能を受け持つ。
底:
靴は少なくとも1つの外底を有するが、少なくとも複数種類の底層を有することができる。この底層は重ねて配置され、底ユニットを形成する。
外底:
外底とは、地面/路面に接触するかまたは地面/路面に対する主要な接触を行う、底領域の部分であると理解される。外底は、地面に接触する少なくとも1つの接地面を有する。
甲内側構造(ブーティ):
甲構造体の靴下状内張りが甲内側構造(ブーティ)と呼ばれる。甲内側構造(ブーティ)は履物の内部をほぼ完全に覆う甲構造体の靴下状内張りを形成する。
機能層:
例えばダイヤフラムの形態または仕上げ加工を施した材料、例えばプラズマ処理した繊維の形態の、水密および/または水蒸気を通す層。機能層は甲底部機能層の形態では甲構造体の甲底部の少なくとも1つの層を形成することができるがしかし、甲を少なくとも部分的に内張りする甲機能層として付加的に設けることもできる。甲機能層と甲底部機能層は多層、ほとんどは二層、三層または四層のダイヤフラム積層体の一部である。甲機能層と甲底部機能層はそれぞれ、機能層ブーティ(甲内側構造)の一部であってもよい。機能層ブーティの代わりに、甲機能層と別個の甲底部機能層を使用すると、この甲機能層と別個の甲底部機能層は例えば甲構造体の底側の下側範囲内で互いに水密に封止される。甲底部機能層と甲機能層は異なる材料または同じ材料で形成することができる。
水密で水蒸気を通す機能層に適した材料は特に、米国特許出願公開第4,725,418号明細書と米国特許出願公開第4,493,870号明細書に記載されているような、ポリエーテルとその積層体を含むポリウレタン、ポリプロピレンおよびポリエステルである。或る実施形態では、機能層は例えば米国特許出願公開第3,953,566号明細書と米国特許出願公開第4,187,390号明細書に記載されているような微孔性の延伸したポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)によって形成されている。或る実施形態の場合には、機能層は吸水性含浸剤および/または吸水性層を有する延伸したポリテトラフルオロエチレンによって形成されている。例えば米国特許出願公開第4,194,041号明細書参照。微孔性機能層とは、平均的な孔の大きさが約0.2〜0.3μmである機能層であると理解される。
積層体:
積層体は複数の層からなる複合物である。この複数の層は互いに持続的に連結され、一般的には相互の接着によって連結される。機能層積層体の場合には、水密で水蒸気を通す機能層は少なくとも1つの繊維層を備えている。裏側とも呼ばれる少なくとも1つの繊維層は主として、機能層の加工中、機能層を保護する働きをする。これは二層積層体と呼ばれる。三層積層体は、2つの繊維層の間に埋め込まれる、水密で水蒸気を通す機能層からなっている。機能層と少なくとも1つの繊維層の間の連結は例えば水蒸気を通す連続的な接着剤層によってあるいは水蒸気を通さない接着剤からなる不連続的な接着剤層によって行われる。或る実施形態では、機能層と1つまたは両繊維層の間に、点状のパターンの形をした接着剤が塗布されている。層全面がそれ自体水蒸気を通さない接着剤からなっていると、機能層の水蒸気の透過を阻止するので、接着剤の点状または不連続的な塗布が行われる。
バリヤ層:
バリヤ層は、特に異物の粒子、例えば小石の形をした物質が保護すべき材料層、特に機械的に敏感な機能層または機能層ダイヤフラムに侵入するのを防ぐバリヤとしての働きをする。
水密:
機能層/機能層積層体/ダイヤフラムは、場合によっては機能層/機能層積層体/ダイヤフラムに設けられた縫い目を含めて、少なくとも1×104Paの水供給圧力を保証するときに、「水密」であると見なされる。好ましくは、機能層材料は1×105Pa以上の水供給圧力を保証する。その際、水供給圧力は、機能層の100cm2の試料上の20±2°Cの蒸留水に上昇圧力を加える試験方法に従って測定される。水の圧力上昇は1分あたり60±3cm Wsである。水供給圧力は、水が最初に試料の他方の側に現れるときの圧力である。方法の詳細は1981年のISO規格0811に規定されている。
靴が水密であるかどうかは、例えば米国特許出願公開第5,329,807号明細書に記載された種類の遠心構造体によって試験される。
水蒸気透過性:
材料、特に機能層/機能層積層体は、150m×Pa×W−1以下の水蒸気透過率Retを有するときに、「水蒸気を透過可能」であると見なされる。水蒸気透過性はHohenstein−Hautmodellに従って試験される。この試験方法はDIN EN 31092(02/94)またはISO11092(1993)に記載されている。
底ユニットの層、すなわち外底層、バリヤ層および快適層の水蒸気透過率は、DIN EN ISO 15496(09/2004)記載のいわゆるコップ法によって試験される。
本考案の実施形態では、バリヤ層は少なくとも4,000g/m2.24hの水蒸気透過性を有する。実際の実施形態の場合、少なくとも7,000g/m2.24hまたは10,000g/m2.24hの水蒸気透過性が選択される。
本考案に従って形成された底ユニットと、その上にある甲底部機能層または甲底部機能層積層体を有する靴底部構造体を備えた履物の実施形態の場合には、底構造体が甲底部機能層または甲底部機能層積層体と共に、0.4〜3g/hの範囲内の水蒸気透過性(水蒸気通気率のMVTR)を有する。この水蒸気透過性は0.8〜1.5g/hの範囲でもよく、実際の実施形態の場合には1g/hである。
底ユニットまたは履物全体の水蒸気透過性の程度は、欧州特許第0396716号明細書に記載された測定方法で検出可能である。この測定方法は靴全体の水蒸気透過性を測定するためのものである。靴の底ユニットだけの水蒸気透過性を測定するために、欧州特許第0396716号明細書の測定方法を同様に使用することができる。これは、欧州特許第0396716号明細書の図1に示した測定構造体によって、連続する2つの測定シナリオで、あるときは水蒸気透過性の底ユニットを備えた靴を測定し、ほかのときは水蒸気非透過性の底ユニットを備えた、その他は同一の靴を測定することにより行われる。両測定値の差から、水蒸気を透過する底ユニットの水蒸気透過性に起因する水蒸気透過性の部分を求めることができる。
すべての測定シナリオの場合に、欧州特許第0396716号明細書に係る測定方法を用いて、次のステップ順序で行われる。
1.空調した部屋(23°C、50%の空気相対湿度)内に靴を12時間放置することによって、靴の状態を調節する。
2.中敷(足支持インサート)を取り外す。
3.靴内室に適合した水密で水蒸気透過性の内張り材料を靴に内張りする。この内張り材料は靴の足滑り入れ穴の領域において、水密で水蒸気を透過しない封止栓(例えばプレキシグラスからなり、膨らまし可能なマンシェットを備えている)によって水密におよび水蒸気を封止するように閉鎖可能である。
4.内張り材料内に水を充填し、封止栓によって靴の足滑り入れ穴を閉鎖する。
5.水を充填した靴を予め定めた時間の間(3時間)そのまま放置することにより、この水を充填した靴の状態を予備調節する。この場合、水の温度は35°Cに一定保持される。周囲の空間の環境は同様に、23°Cおよび50%空気相対湿度に一定保持される。靴は試験中、正面からベンチレータによって、平均で少なくとも2〜3m/sの風速で送風される(立てた靴の周りに形成される静止した空気層を破壊するため。この空気層は水蒸気通過に対して大きな抵抗を生じる)。
6.封止栓で封止し水を充填した靴を、状態予備調節の後で新たに重さを計測する(重量m2〔g〕を生じる)。
7.ステップ5と同じ条件下で3時間の本来の試験相の間そのまま放置する。
8.3時間の試験相の後で、封止し水を充填した靴の重さを新たに計測する(重量m3〔g〕を生じる)。
9.式M=(m2−m3)〔g〕/3〔h〕に従って3時間の試験時間の間靴から透過放出された水蒸気量(m2−m3)〔g〕から、靴の水蒸気透過性を求める。
一方では水蒸気透過性の底ユニットを備えた靴全体について(値A)、他方では水蒸気非透過性の甲底部構造体を備えた靴全体について(値B)、水蒸気透過性値を測定する、両測定シナリオが実施された後で、水蒸気透過性の底ユニットだけについての水蒸気透過性値を、差A−Bから求めることができる。
水蒸気を透過する底ユニットを備えた靴の水蒸気透過性を測定する間、靴または靴の底が閉じた台上に直接載せることを回避することが重要である。これは、靴を持ち上げることによってあるいは靴を格子構造物上に置くことによって達成可能である。それによって、通風空気流が外底の下方をまたは外底に沿って流れることができる。
所定の靴のための各々の試験構成の場合、測定のばらつきを良好に評価するために、反復測定を行い、それから平均値を求めることが重要である。各々の靴のために測定構成によって、少なくとも2つの測定を行うべきである。すべての測定の場合、例えば1g/hの実際の値について、±0.2g/hの測定結果の通常の変動があることを前提とすべきである。従って、この例の場合、同一の靴について、測定値が0.8g/hと1.2g/hの間で得られる。この変動の影響因子は例えば試験を行う人または上側の甲エッジの封止物質に由来する。同じ靴について複数の個々の測定値の平均を求めることにより、実際の値を正確に表すことができる。
底ユニットの水蒸気透過性についてのすべての値は、一般的に紐で縛る、サイズ43(フランスの寸法)の紳士用半靴に基づいている。このサイズ付与は規格化されておらず、異なるメーカーの靴は異なる大きさになり得る。
硬さ:
ショアAとショアDの硬さ試験(DIN53505、ISO7619−1、DIN EN ISO868)。
原理:
ショア硬さとは、定められたばね力の下での措定の形状の物体の侵入に対する抵抗であると理解される。ショア硬さは数値100と、スケール値0.025mmで割った、試験力で作用下の侵入物体の侵入深さ(mm)との差である。
ショアAの試験の場合、侵入物体として、開放角度が35°の円錐台が使用され、ショアDの場合、開放角度が30°で尖端半径が0.1mmの円錐が使用される。侵入物体は焼き入れされ研磨された鋼からなっている。
測定式:
Figure 0003191265
適用範囲:
hはmm、FはmN。
その際次のことを意味する:
HSはショア硬さ
HSAはショアA硬さ
HSDはショアD硬さ
適用範囲:
異なる硬さ範囲の両ショア−硬さ−方法の解決策が異なるので、80よりも大きいショアA硬さの材料を好ましくはショアDで検査し、30未満のショアD硬さの材料をショアAで検査すべきである。
硬さスケール 適用
ショアA 軟らかめのゴム、非常に軟らかい合成樹脂
ショアD 硬めのゴム、軟らかい熱可塑性樹脂
本考案を実施するための非限定例を示す実施の形態に基づいて、本考案を付加的に説明する。
図1は、甲構造体20と底ユニット30を有する本考案に係る靴10の実施の形態を下から見た斜視図である。図1には、底ユニット30が甲構造体20に固定される前の靴10の組み立て段階が示してある。靴10は足滑り入れ穴12を有する。図1の底ユニット30の接地面に示した、外底貫通穴37の特別な形状は、例示的なものにすぎず、本考案にとって重要ではない。底ユニット30の良好な水蒸気透過性を得るために、ひいては靴内室から底ユニット30を経て汗水分を良好に排出するために、外底貫通穴37はできるだけ大きく形成される。
甲構造体20の下端は甲底部によって閉鎖されている。甲構造体20を下から見た図1では、中底要素27が見える。この中底要素は甲底部の最も下側部分を形成する。図1から分かるように、本実施の形態では甲底部の閉鎖は、底ユニット30を甲構造体20に連結する前に、中底要素27を取付けることによって行われる。甲底部は水密で水蒸気を通す、例えば甲底部ダイヤフラム95の形をした甲底部機能層を備えている(図2〜5から分かる)。
中底要素27は周方向に延在するリップ28を備えている。このリップは図1の略図では1本の線として示してある。リップ28の位置、長さおよび機能については図2〜5を参照して詳しく説明する。
甲構造体20はさらに、甲上側材料22を備えている。この甲上側材料は足滑り入れ穴12から甲底部まで足を包囲する。甲上側材料は、図2〜5に関連して説明するように、甲機能層を内張りすることができる。甲上側材料22の底側の端部は甲底部を越えて、リップ28のそばに位置することになる。甲上側材料22のこの端部は図1において同様に周方向の線として示してある。
図1にはさらに、紐革29が示してある。この紐革は甲構造体20の底側の端部領域に周方向に配置されている。紐革はリップ28と甲上側材料22の底側端部の横方向外側に配置されている。図2〜5を参照して詳細に後述するように、紐革29、甲上側材料22の底側端部および中底要素27のリップ28は互いに縫い合わせられている。
底ユニット30は外底層31を有する。この外底層は紐革状の外側領域内に、大きな面積の5つの切欠きを有する。この切欠きは靴の内部から外側へ水蒸気を搬送するために設けられている。大きな面積の切欠きはそれぞれ、ウェブ39によって張られて広げられる。このウェブは安定させるために設けられ、靴を履くときに地面に接触し、そして外底貫通穴37を互いに分離する。外底貫通穴37から装飾層36が見える。この装飾層については図2〜5を参照して一層正確に説明する。ウェブ39の形状と分布は全く例示的なものであることを明言する。例えば真っ直ぐなウェブ、交叉するウェブからなる格子、多数のこぶまたは安定させるための他の構造体を設けることができる。
例えば履物の足前側領域の断面図である、図2〜5に示した横断面図は、異なる実施の形態を示している。この実施の形態は底ユニット30の構造だけでなく、甲構造体20の構造も互いに異なっている。図2〜5はそれぞれ1個の靴を示している。この場合、中敷を備えていない靴10が示してある。図2〜5に示した靴の場合、底ユニットは縫合してもよいし、接着してもよいし、一体に射出成形してもよい。連結はこれらの方法の組み合わせ、例えば接着と縫合の組み合わせによって行ってもよい。図2〜5はそれぞれ、完成した状態、すなわち甲構造体20と底ユニット30を互いに連結した状態の靴10を示している。
図2に示した靴10の甲構造体20は、水蒸気を通す甲上側材料22と、この甲上側材料の内側に配置された水密で水蒸気を通す甲機能層積層体21を備えている。甲機能層積層体21は三層に形成されている。甲機能層積層体は中間層として、甲ダイヤフラム92とも呼ばれる甲機能層92を有する。甲機能層積層体21は内側に繊維層93を、そして外側に他の繊維層91を有する。この繊維層93は靴内部の裏地層を形成する。他の繊維層91は甲ダイヤフラム92を外部に対して保護すると同時に、必要な際に甲ダイヤフラムをシールすることができるように開放多孔性である。甲機能層積層体21が甲上側材料22のほぼ全体に内張りされているので、甲上側材料22と甲機能層積層体21とからなる水密で水蒸気を通す組み合わせ物が生じる。さらに、異なる数の層を有する甲機能層積層体、例えば二層の積層体を使用することができる。
甲底部は三層の甲底部機能層積層体23を備えている。この甲底部機能層積層体は中間層として甲底部機能層95を有し、この甲底部機能層の一方の表面上に繊維層96が、そして他方の表面上に他の繊維層94が設けられている。甲底部機能層95は甲底部ダイヤフラムとも呼ばれる。繊維層96は靴内部の裏地層を形成することができる。繊維層94は甲底部ダイヤフラム95を外部に対して保護すると同時に、必要な際に甲底部ダイヤフラムをシールすることができるように開放多孔性である。さらに、異なる数の層を有する甲機能層積層体、例えば二層の積層体を使用することができる。
甲底部機能層積層体23は縫い目81(合わせ縫い目またはジグザグ縫い目)によって甲機能層積層体21の底側の下端領域に連結されている。縫い目領域は外側にシールテープ24を備えている。このシールテープ24は縫い目上と、甲底部機能層積層体23と甲機能層積層体21の隣接領域上に接着されている。シールテープ24は繊維層91、94を通って到達することができる2つの機能層92、95の面に接着され、甲機能層積層体21と甲底部機能層積層体23とを水密的に連結する。甲機能層積層体21と甲底部機能層積層体23によって形成された機能層構造体は、着用者の足のための靴下状の水密の包被物、いわゆる水密のブーティを形成する。シールテープ24の代わりに、2つの機能層を水密に連結するための他の方法を用いることができる。例えば周方向に延びる材料帯を縫合領域に注入することができる。この場合、材料は2つの機能層92、95まで達し、縫い目81を通って侵入し、水密の連結を行う。他の実施の形態では、一方の機能層積層体だけを靴下状の機能層構造体(ブーティ)を形成するために設けることができる。
甲底部機能層積層体23の下方には、付加的な中底25が配置されている。この中底は、甲下端部を所望な形になるように組み立てるというその機能のために、付加的な組み立て底25とも呼ばれる。図2の実施の形態では、付加的な中底25は水蒸気を通すように甲底部機能層積層体23に固定され、例えば周方向のまたは点状の接着によってあるいは水蒸気を通す接着剤の使用によって接着される。従って、用語「付加的な中底」は、この要素25が任意選択的な要素であり、この要素が設けられる場合には、リップ28を備えた常に設けられる中底要素27に加えて設けられることが分かる。
甲底部機能層積層体23の下方にあるいは付加的な中底25が設けられる場合にはこの付加的な中底の下方に、中底要素27が取付けられている。この中底要素27は図1の実施の形態では、周方向に延在するリップ28を備えた紐革状中底層からなっている。この紐革状中底層はその紐革形状によって水蒸気を通すことができるが、水蒸気を通さない材料から構成することができる。中底要素27は、甲構造体20自体に、ひいては靴全体に安定性を付与する剛性の高い材料から構成することができる。
中底要素27は接着剤層82によって付加的な中底25に固定されている。この接着剤層82は中底要素27の周囲に周方向に設けることができる。しかし、接着剤層を中底要素27上に平らに分布させることができる。しかも、中底要素の水蒸気透過性が失われないように分布させることができる。
中底要素27または紐革状中底層は周方向に延在するリップ28を備えている。このリップ28は中底要素27から下方へ延びている。すなわち、リップ28は地面の方へまたは靴10の外底の方へ延びている。リップ28は紐革状中底層27の横方向長さのほぼ中央に配置されている。リップの垂直方向の長さは3〜5mmとすることができる。
靴10はさらに、紐革29を備えている。この紐革は図2の実施の形態では革で作られている。しかしながら、紐革を他の材料で作ることもできる。紐革29は甲構造体20の下端に設けられ、甲構造体20の周囲を取り囲んでいる。すなわち、紐革29は甲構造体20の下側領域の外側輪郭をなぞるように設けられている。紐革29が革からなっているので、紐革は、例えばかかと付き靴の場合の靴前側領域とかかと領域の間の高さの差のような靴の状態に良好に適合する。
甲上側材料22の底側端部は、紐革29とリップ28の間に位置している。甲構造体の上側領域において、甲上側材料22は甲機能層積層体21に接するように配置されている。ほぼ甲底部の領域において、甲上側材料22は甲機能層積層体21から空間的に分離され、付加的な中底25と中底要素27の外側でほぼ垂直方向下方に延在している。中底要素27の外周エッジで、甲上側材料22が内側に折り曲げられ、リップ28に当たるまで紐革29と紐革状中底層27の間を延びている。
例えばリップ28のところで、甲上側材料22が下側に折り曲げられ、リップ28と紐革29の間をリップ28に沿って、そしてさらに幾分下方へ延在している。甲上側材料22は紐革29の下側エッジと面一に終わっている。
紐革29、甲上側材料22の底側の端領域およびリップ28は互いに縫い合わせられている。そのために、縫い目83が設けられている。縫い目83は特に合わせ縫い目またはジグザグ縫い目である。図2の横断面図では、縫い目83は図示のために長円形で示してある。縫い目83は実際にはあらゆる適切形状およびあらゆる種類のステッチを有することができる。縫い目83は上記の3つの要素を通って斜めに、すなわち垂直方向と水平方向の間の方向に延在している。これにより、縫い目83は紐革29とリップ28に良好に作用し、この紐革とリップを互いに斜めに、すなわち水平方向成分と垂直方向成分を有する力で固定保持する。
図2に示した実施の形態は底ユニット30を備えている。この底ユニットは外底層31によって形成されている。図において外底層の下側の表面は接地面または踏面として形成され、この踏面から離れた外底層の表面は切欠きを有する。この切欠きの領域にはバリヤ層35が配置されている。外底層31は、水蒸気を通すことができるようにするために、バリヤ層35の領域に、外底層31のそこの厚さを通過する外底貫通穴37を有する。外底層31、ひいては底ユニット30の水蒸気透過性を高めるために、この外底貫通穴37をできるだけ大きくすることができる。
バリヤ層35は、外底貫通穴37内に達し得る異物、例えば小石による損傷を防ぐ機械的な保護物として設けられている。バリヤ層35は或る実施の形態では既に述べた熱で固化された繊維材料によって形成され、それによって機械的な保護物に加えて、底ユニット30のための安定材料として形成可能である。バリヤ層35は或る実施の形態では外底部分に接着または溶着可能である。他の実施の形態では、外底層はバリヤ層に一体に射出成形される。
バリヤ層35と外底層31の一部の表面には、快適層34が設けられている。この快適層は図2に示した実施の形態の場合には、快適層34の厚さを通過する快適層貫通穴38を有する。この快適層貫通穴38は、快適層34が水蒸気を通す材料からなる場合に、底ユニット30を経て汗水分を確実に搬出する。快適層34は中底要素とバリヤ層35/外底層31のリップ28の左側部分と右側部分の間に配置されている。
快適層34によって、底ユニット30の重量軽減、足踏み緩衝を改善した歩行快適性あるいはこの両方を達成すべきであるかどうかに応じて、快適層34のための材料が使用される。この材料は外底層31の材料よりも軽量であるかまたは外底層31の材料よりも軟らかいかまたはこの両方である。良好な足踏み緩衝を達成すべきであるときには、快適層34のための材料としてはEVAが適している。外底層材料よりも重量を軽減すべきであるときには、小さな比重を有する発泡した合成樹脂が適している。外底層材料に関して足踏み緩衝の改善と重量軽減を達成すべきであるときには、例えば発泡したEVAが適している。しかし、用いることができる他の多数の材料バリエーションがある。快適層34はその外周エッジに沿って例えば接着剤によって外底/バリヤ層の上面におよび/または中底要素27のエッジ側の下面に連結可能である。
図2に示した実施の形態の場合、外底層31と快適層34はそれぞれ貫通穴37または38を有する。この場合、外底貫通穴37は快適層貫通穴38よりも横方向の長さが長くなっている。それぞれの貫通穴は、底ユニット30を通る水蒸気通路が生じるように、互いに合致するよう配向されている。特に、快適層貫通穴の場所で、外底層31と中底要素27も水蒸気を通すことができる。
外底層31と快適層34の貫通穴が同じ大きさを有し、かつ互いに一直線上に並んでいる、すなわち最高にオーバーラップしていることにより、水蒸気透過性をさらに高めることができる。しかし、多くの場合、例えば外底層31と快適層34の異なる断面を実現できるようにするために、外底貫通穴37と快適層貫通穴38が部分的にのみオーバーラップしていることで十分である。底ユニット30の水蒸気透過性を保証するために、最低オーバーラップを確保することだけが重要である。オーバーラップの程度と貫通穴の大きさは、安定性、快適性、水蒸気搬送量等のような要因に対する靴のその都度の要求に合わせることができる。
底ユニット30は甲構造体20に二重に取付け可能である。一方では、外底層31が下側から紐革29に接着されている。他方では、外底層31が縫い目84によって紐革29に縫い付けられている。縫い目84は靴10の周りに周方向に延在している。図2の断面図には、縫い目84が垂直な長円形として示されている。これは、縫い目84が図示した横断面内で紐革29と外底層31の間に剪断力を発生しないように、縫い目が外底層31と紐革29を互いに斜めに連結することを意味する。図2の実施の形態では、縫い目84は紐革29の上面から外底層31の下面まで達している。
図3は本考案に係る靴10の他の実施の形態を示している。図3の靴10は多くの要素が図2の靴10と同じであるかまたは類似している。同一または類似の要素には図2のと同じ参照符号が付けてある。要素が相違していない場合には、この要素について新たに説明せず、上記の説明が参照される。図3の甲構造体20と底ユニット30は共に、図2と異なっている。
図3の実施の形態の甲構造体20は付加的な中底25を備えていない。
図3の実施の形態の中底要素27は2つの層、すなわち平らな中底層98と紐革状の中底層97からなっている。紐革状中底層97は平らな中底層98の下方に配置され、リップ28を備えている。少なくとも平らな中底層98は水蒸気を通すことができる。紐革状中底層97はその紐革形状によって水蒸気を通すことができる。中底層は水蒸気を通す材料からなっていてもよいし、水蒸気を通さない材料からなっていてもよい。平らな中底層98は水蒸気通過穴を有する。しかし、平らな中底層を水蒸気を通す材料で作ることもできる。平らな中底層98と紐革状中底層97は互いに固定連結され、例えば接着または縫着または部分的に溶着または一体射出成形されている。平らな中底層98と紐革状中底層97は共に、層自体に、ひいては靴全体に安定性を付与する剛性のある材料からなっている。中底要素27が一体であってもよいことをはっきりと指摘しておく。
平らな中底層98は接着剤層82によって甲底部機能層積層体23に固定されている。この接着剤層82は平らな中底層98の外周に沿って周方向に設けることができる。しかし、接着剤層を平らな中底層98上に平らに分布させることができる。しかも、中底要素27の水蒸気透過性が損なわれないように分布させることができる。
中底要素27の平らな中底層98は水蒸気通過穴を有する。この水蒸気通過穴は快適層貫通穴38と少なくとも部分的にオーバーラップしている。
図2に示した実施の形態の快適層34は、例えばそれ自体が水蒸気を通さない材料からなっているので、快適層貫通穴38を有する。これに対して、図3に示した実施の形態の場合には、それ自体が水蒸気を通す材料からなる快適層34が概略的に示されている。それによって、底ユニット31の水蒸気透過性が保証される。快適層34は、それぞれの靴の特別な要求を満足する、水蒸気を通す適切なあらゆる材料から構成することが可能である。快適層34例えば繊維層、例えばメッシュの位置が互いにずれた多層の織物である。ここで説明する他のすべての快適層材料または快適層構造、特に図6〜10を参照して説明する材料が使用可能である。
図3の靴10の底ユニット30はさらに、バリヤ層35の下に配置された装飾層36を備えている。これにより、外底貫通穴37内でバリヤ層35が下側から覆われ、従って見えなくなる。装飾層36のために、一方では色付きのまたは着色可能で、他方では水蒸気を通すほとんど任意の材料を使用することができるので、装飾層36の所望な着色や模様付けは制限されない。装飾層36は外底貫通穴37に適合する形を有することができ、開放した個所でバリヤ層35を覆う。しかしながら、外底層31の少なくとも内側部分が一体射出成形され、その際所望の個所で装飾層36を通過する前に、装飾層36をバリヤ層35上に平らに取付けることもできる。
底ユニット30の横方向内側部分を予め製作したユニットとすることができる。特に、快適層34、バリヤ層35、装飾層36および内側の外底部分32またはこれらの要素のサブグループを、予め製作して底部分ユニットを形成することができる。予め製作したこの部分ユニットは外側の外底部分33に連結して底ユニット30を形成することができる。或る実施の形態では、予め製作した底部分ユニットは、外側の外底部分33を取付ける前に、リップ28の左側部分と右側部分の間の中間室内に配置される。この元の分離は図3において内側の外底部分32と外側の外底部分33の間の分離線によって示されている。内側の外底部分が段状の横方向外面を有すると合目的であり、それによって外側の外底部分は、紐革29に固定されるや否や、予め製作したユニットの上側を固定する。換言すると、内側の外底部分32は上側が下側よりも横方向長さが長く、そして外側の外底部分33は補完的な内側の接触面を有する。
図2と図3の相違点、すなわち異なる快適層、異なる中底要素、付加的な中底の設置、装飾層の設置および外底層の二分割は、必ずしも1個の靴に一緒に組み込む必要はなく、互いに独立して設けることができる。2つの実施の形態の異なる要素のすべての組み合わせを実現することができる。
図4は本考案に係る靴10の他の実施の形態を示す。図4の靴10は多くの要素が図2の靴10と同じであるかまたは類似している。同一または類似の要素には図2と同じ参照符号が付けてある。要素が相違していない場合には、この要素について新たに説明せず、上記の説明が参照される。特に、図4の底ユニット30は図2の底ユニット30に一致している。勿論、甲構造体20には若干の違いがある。
特に、図4に示した実施の形態の機能層構造体が図2に示した実施の形態の機能構造体(ブーティ)と多くの点で異なっている。水蒸気を通す付加的な中底25は甲底部機能層積層体23の下方に配置されないで、その上に配置されている。付加的な中底25は図4の実施の形態では縫い目81を介して甲機能層積層体21に連結されている。この縫い目は合わせ縫い目またはジグザグ縫い目とすることができる。この実施の形態の場合、甲底部機能層積層体23は甲機能層積層体21に縫合されていない。その代わりに、甲機能層積層体21の底側の下端領域と甲底部機能層積層体23の外周領域が、封止接着剤85によって水密的に互いに連結されている。
甲底部機能層95を水密に封止するために、封止接着剤85が繊維層94を浸透して甲底部機能層に達し、繊維層96を浸透しないので、この実施の形態の場合には、甲底部機能層積層体23は図2に示した実施の形態とは逆に配向されている。すなわち、図4に示した実施の形態の場合には、繊維層94が甲底部機能層95の上側にあり、繊維層96が甲底部機能層95の下側にある。それによって、一般的には、接着剤または他の封止材料が繊維層96よりも繊維層95を通過しやすくなる。他の実施の形態では、甲底部機能層積層体23が1枚の甲底部機能層95とその下に配置された1枚だけの繊維層96の二層構造であるので、甲底部機能層95は甲機能層積層体21に直接接着されている。
上述のように、甲底部機能層積層体23は付加的な中底25の下方にある、すなわち付加的な中底25の底ユニット30寄りの側にある。封止接着剤85は同時に、甲機能層積層体21と付加的な中底25の縫合された構造体に、甲底部機能層積層体23を固定する働きをする。従って、付加的な接着剤が不要である。
さらに、図4の実施の形態の中底要素27は図3の中底要素27に類似して、2つの層、すなわち平らな中底層98と紐革状中底層97とからなっている。勿論、平らな中底層98は透過性を有するように形成されている、すなわち拡大した貫通穴を有していない。そのために、平らな中底層98は水蒸気を通す材料から構成されている。これは甲底部の水蒸気透過性を保証する。
紐革状中底層97は平らな中底層98の下方に配置され、リップ28を備えている。両中底層の連結、使用される材料の強度および中底要素の可能な一体化については、図3に関連する上記の説明が参照される。
平らな中底層98は接着剤層82によって甲底部機能層積層体23に固定されている。この接着剤層82は平らな中底層98の外周に沿って周方向に設けることができる。しかし、接着剤層は平らな中底層98上に平らに分布させることができる。しかも、中底要素27の水蒸気透過性が損なわれないように分布させることができる。
図5は本考案に係る靴10の他の実施の形態を示している。図5の靴10は実質的に、図3の中底要素27を備えた図4の甲構造体20と、図3の底ユニット30との組み合わせである。これらの要素の新たな説明を省略する。その代わりに、上記の説明全部が参照される。図5の底ユニット30と図3の底ユニット30の違いは、変更された外底層31にある。図3の内側の外底部分32は、広がった外底部分ユニット32によって置き換えられている。外底部分ユニットは一方ではバリヤ層35の下に多数の安定ウェブ39を備えている。この安定ウェブは図3の安定ウェブ39よりも狭い。これは、快適層の下方のウェブまたは安定要素の数と寸法が一般的にそれぞれの靴のそれぞれの要求に適合可能であることを意味する。他方では、外底部分ユニット32の外周エッジの一部が紐革29の外側エッジまで延び、この紐革に接着されている。このエッジ領域の下方で、外側の外底部分33を外底部分ユニット32上に接着または射出成形することができる。縫い目84は紐革29、外底部分ユニット32および外側の外底部分33を通って延びている。
図6〜10には、快適層34のいろいろな実施の形態が示してある。この快適層は図2〜5の本考案に係る例示的な靴でおよび本考案に係る他の靴で使用可能である。
空気を通す層40として適している間隔形成物60を備えた、図6に示す快適層の実施の形態の場合には、ほぼ半球状突出部または弓形部65が下側の平面形状部64から上方に湾曲している。この突出部または弓形部の頂きは上側の載置面を形成している。或る実施の形態の場合、この間隔形成物60は最初は平らな編物または固体材料からなっている。この固体材料は、例えば深絞り工程によって図示した形にした後で、負荷下でもこの形状を維持するような剛性を有するかまたは補剛される。この負荷は、この間隔形成物を有する底ユニット30を備えた靴で歩く際に受ける負荷である。深絞り工程のほかに、他の手段を使用することができる。すなわち、熱成形による変形や補剛あるいは所望な形または剛性になるように硬化する合成樹脂の含浸を使用することができる。
図7は快適層の実施の形態を示している。この快適層は空気を通す層40として適している間隔形成物60を備えている。この間隔形成物の上側と下側の載置面は互いに平行に配置された、空気を通す2つの平面形成物62、64によって形成される。この平面形成物は例えばポリオレフィン、ポリアミドまたはポリエステルのグループから選択される。平面形成物62、64は支持繊維66によって空気を通すように互いに連結され、同時に離隔されている。繊維66の少なくとも一部がスペーサとして、少なくともほぼ垂直に平面形成物62、64の間に配置されている。繊維66は例えばポリエステルまたはポリプロピレンのような可撓性で変形可能な材料からなっている。空気は平面形成物62、64を通っておよび繊維66の間を通って流れることができる。平面形成物62、64は開放多孔性で織られた、絡み合わされたまたは編まれた繊維材料である。このような間隔形成物60はTylex社またはMueller Textil社から入手可能な間隔編物とすることができる。
図8に示した間隔形成物60は図6に示した間隔形成物と類似する構造を有するがしかし、編物繊維または編物フィラメントからなる編物で出来ている。この編物繊維または編物フィラメントはこの形に形作られ、例えば熱工程または合成樹脂の含浸によってこの形に固化されている。
図9はジグザグ断面形状または鋸歯断面形状を有する間隔形成物60の実施の形態を示している。最初は平らな材料がこのジグザグ断面形状または鋸歯断面形状に変形され、この変形は、上側と下側の頂部60a、60bがこの間隔形成物60の上側または下側の載置面を形成するように行われる。この形の間隔形成物60は既に述べた方法で変形され、所望な剛性を有するように硬化させられる。
図10は間隔形成物60のための他の実施の形態を示す。この間隔形成物は快適層のために使用可能な空気を通す層40として適している。この実施の形態の場合、間隔要素が1つの下側の平面形成物68から、突出物または湾曲物によって形成されるのではなく、繊維束70によって形成される。この繊維束は平面形成物68から直立し、上側自由端部が一緒に上側載置面を形成する。繊維束70の取付けは下側の平面形成物68のフロック加工によって行うことができる。
10 履物
20 甲構造体
22 甲上側材料
27 中底要素
28 リップ
29 紐革
30 底ユニット
31 外底層
34 快適層
37 外底貫通穴
95 甲底部機能層
すべての測定シナリオの場合に、欧州特許第0396716号明細書に係る測定方法を用いて、次のステップ順序で行われる。
1.空調した部屋(23°C、50%の空気相対湿度)内に靴を12時間放置することによって、靴の状態を調節する。
2.中敷(足支持インサート)を取り外す。
3.靴内室に適合した水密で水蒸気透過性の内張り材料を靴に内張りする。この内張り材料は靴の足滑り入れ穴の領域において、水密で水蒸気を透過しない封止栓(例えばプレキシグラス(登録商標)からなり、膨らまし可能なマンシェットを備えている)によって水密におよび水蒸気を封止するように閉鎖可能である。
4.内張り材料内に水を充填し、封止栓によって靴の足滑り入れ穴を閉鎖する。
5.水を充填した靴を予め定めた時間の間(3時間)そのまま放置することにより、この水を充填した靴の状態を予備調節する。この場合、水の温度は35°Cに一定保持される。周囲の空間の環境は同様に、23°Cおよび50%空気相対湿度に一定保持される。靴は試験中、正面からベンチレータによって、平均で少なくとも2〜3m/sの風速で送風される(立てた靴の周りに形成される静止した空気層を破壊するため。この空気層は水蒸気通過に対して大きな抵抗を生じる)。
6.封止栓で封止し水を充填した靴を、状態予備調節の後で新たに重さを計測する(重量m2〔g〕を生じる)。
7.ステップ5と同じ条件下で3時間の本来の試験相の間そのまま放置する。
8.3時間の試験相の後で、封止し水を充填した靴の重さを新たに計測する(重量m3〔g〕を生じる)。
9.式M=(m2−m3)〔g〕/3〔h〕に従って3時間の試験時間の間靴から透過放出された水蒸気量(m2−m3)〔g〕から、靴の水蒸気透過性を求める。

Claims (48)

  1. 甲構造体(20)と紐革(29)と水蒸気を通す底ユニット(30)を備え、この底ユニットが前記甲構造体(20)の底側の端領域に連結され、
    前記甲構造体(20)が甲上側材料(22)と、水密で水蒸気を通す甲底部機能層(95)を有する甲底部と、中底要素(27)とを備え、
    前記中底要素(27)が水密で水蒸気を通す前記甲底部機能層(95)の下方に配置され、かつ前記底ユニット(30)の方へ突出するリップ(28)を備え、
    前記紐革(29)が前記甲構造体(20)の底側の端領域に周方向に配置され、
    前記底ユニット(30)が、前記中底要素(27)の前記リップ(28)によって形成された中間室内に配置された水蒸気を通す快適層(34)と、外底層(31)とを備え、この外底層(31)の少なくとも一部が前記快適層(34)と前記紐革(29)の下に配置され、かつ前記快適層(34)の下方に外底貫通穴(37)を有し、
    前記中底要素(27)の前記リップ(28)と前記甲上側材料(22)と前記紐革(29)が互いに縫合されている、履物(10)。
  2. 前記リップ(28)が周方向に延在して前記中底要素(27)から前記底ユニット(30)の方へ突出し、かつ前記紐革(29)に一致する輪郭を有する、請求項1に記載の履物(10)。
  3. 前記中底要素が紐革状に形成されている、請求項1または2に記載の履物(10)。
  4. 前記中底要素(27)が前記甲底部機能層(95)の下方に平面状に形成され、前記中底要素(27)が水蒸気を通す材料によって形成されている、および/または水蒸気通過穴を有する、請求項1または2に記載の履物(10)。
  5. 前記中底要素(27)が平面状中底層(98)と紐革状中底層(97)を備え、前記平面状中底層(98)が水蒸気を通す材料によって形成され、および/または水蒸気通過穴を有し、前記紐革状中底層(97)が前記平面状中底層(98)の下方に配置され、かつ前記リップ(28)を備えている、請求項1または2に記載の履物(10)。
  6. 前記中底要素(27)が剛性のある材料によって作られている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の履物(10)。
  7. 前記甲底部が、水蒸気を通す付加的な中底(25)を備え、この付加的な中底が前記中底要素(27)の上方に配置されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の履物(10)。
  8. 前記付加的な中底(25)が前記中底要素(27)と前記甲底部機能層(95)の間に配置されている、請求項7に記載の履物(10)。
  9. 前記甲底部機能層(95)が多層の甲底部機能層積層体(23)の一部である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の履物(10)。
  10. 前記中底要素(27)が前記甲底部機能層積層体(23)または前記付加的な中底(25)に連結、特に接着されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の履物(10)。
  11. 前記甲構造体(20)がさらに、水密の甲機能層(92)を備え、この甲機能層が前記甲上側材料(22)を少なくとも部分的に内張りし、かつ前記甲底部機能層(95)に水密に連結されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の履物(10)。
  12. 前記甲機能層(92)が多層の甲機能層積層体(21)の一部である、請求項11に記載の履物(10)。
  13. 前記甲底部機能層(95)が、特に合わせ縫い目またはジグザグ縫い目によって、前記甲機能層(92)に縫合されている、請求項11または12に記載の履物(10)。
  14. 前記甲構造体(20)がさらに、水密のシールテープ(24)を備え、このシールテープが前記甲機能層(92)と前記甲底部機能層(95)の間の連結領域に貼着、特に接着されている、請求項11〜13のいずれか一項に記載の履物(10)。
  15. 前記甲構造体(20)が、水蒸気を通す付加的な中底(25)を備え、この付加的な中底(25)が、特に合わせ縫い目またはジグザグ縫い目によって、前記甲機能層(92)に縫合されている、請求項11または12に記載の履物(10)。
  16. 前記甲底部機能層(95)が前記付加的な中底(25)の下方に配置されている、請求項15に記載の履物(10)。
  17. 前記甲底部機能層(95)が前記付加的な中底(25)よりも長い横方向長さを有し、前記甲機能層(92)にオーバーラップして水密に連結されている、請求項15または16に記載の履物(10)。
  18. 前記甲底部機能層(95)と前記甲機能層(92)の間の水密的な連結が、水密の封止接着剤(85)を介して行われている、請求項17に記載の履物(10)。
  19. 水蒸気を通す前記快適層(34)が、水蒸気を通す材料からなっている、および/または快適層貫通穴(38)を備えている、請求項1〜18のいずれか一項に記載の履物(10)。
  20. 前記外底層(31)が外底材料によって形成され、水蒸気を通す前記快適層(34)が快適層材料によって形成され、前記快適層材料が前記外底材料よりも小さな硬さおよび/または小さな比重を有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の履物(10)。
  21. 前記快適層(34)が、皮革、開放多孔性の発泡材料、水蒸気を通す繊維メッシュ製品、水蒸気を通す繊維フリース製品、水蒸気を通すフェルト製品およびこれらの材料の組み合わせの材料グループから選択された材料によって形成されている、請求項1〜20のいずれか一項に記載の履物(10)。
  22. 前記快適層(34)が、層によって互いにずらしたメッシュを有する多層の編物によって形成されている、請求項1〜21のいずれか一項に記載の履物(10)。
  23. 前記快適層(34)が、水蒸気を通す繊維材料によって形成され、この繊維材料の少なくとも一部がポリアミド、ポリエステルおよびポリプロピレンの合成樹脂材料の材料グループから選択されている、請求項1〜22のいずれか一項に記載の履物(10)。
  24. 前記快適層(34)がその厚さを通過する快適層貫通穴(38)を有し、この快適層貫通穴の少なくとも一部が前記外底層貫通穴(37)とオーバーラップしている、請求項1〜23のいずれか一項に記載の履物(10)。
  25. 前記快適層(34)が、ポリウレタン(PU)とエチレンビニルアセテート(EVA)の材料グループから選択された合成樹脂によって、発泡しないでまたは発泡して形成されている、請求項1〜24のいずれか一項に記載の履物(10)。
  26. 前記快適層(34)が、空気を通す間隔形成物(60)の形をした空気を通す層(40)によって形成されている、請求項1〜25のいずれか一項に記載の履物(10)。
  27. 空気を通す履物の間隔形成物(60)が平面形成物(62)と、この平面形成物(62)から垂直におよび/または0〜90°の角度をなして延在する複数のスペーサ要素(65、66)とを備えている、請求項26に記載の履物(10)。
  28. 履物の前記間隔形成物(60)において前記スペーサ要素(65)がこぶとして形成されている、請求項27に記載の履物(10)。
  29. 空気を通す前記間隔形成物(60)が、互いに平行に配置された2個の平面形成物(62、64)によって形成され、この両平面形成物(62、64)が前記スペーサ要素(66)によって空気を通すように互いに連結され、かつ間隔を保持されている、請求項26に記載の履物(10)。
  30. 履物の間隔形成物(60)が、固化された絡み合い物によって形成されている、請求項26〜29のいずれか一項に記載の履物(10)。
  31. 履物の間隔形成物(60)が波状または鋸歯状に形成されている、請求項26〜30のいずれか一項に記載の履物(10)。
  32. 前記底ユニット(30)がさらに、水蒸気を通すバリヤ層(35)を備え、このバリヤ層が前記底ユニット(30)を機械的に安定させるためおよび/または異物の押し込みを防止するために、前記快適層(34)と前記外底層(31)の間に形成されている、請求項1〜31のいずれか一項に記載の履物(10)。
  33. 前記バリヤ層(35)が、繊維複合物の形に形成されたバリヤ材料を有する、請求項32に記載の履物(10)。
  34. 前記繊維複合物が繊維の平面形成物、特に織物、絡み合い物、編物、フリース、フェルト、網またはスクリムである、請求項33に記載の履物(10)。
  35. 前記繊維複合物が、機械的に固化されたフリースである、請求項34に記載の履物(10)。
  36. 前記バリヤ材料が、少なくとも2つの繊維要素を有する繊維複合物である、請求項33〜35のいずれか一項に記載の履物(10)。
  37. 前記繊維要素の溶融温度が異なっており、第1繊維要素の少なくとも一部が第1溶融温度と、その下にある第1軟化温度範囲を有し、第2繊維要素の少なくとも一部が第2溶融温度と、その下にある第2軟化温度範囲を有し、前記第1溶融温度と前記第1軟化温度範囲が前記第2溶融温度と前記第2軟化温度範囲よりも高く、前記第2軟化温度範囲内にある接着軟化温度で第2繊維要素を熱的に活性化した結果、前記繊維複合物が、熱的に固化した領域で水蒸気透過性を維持しつつ、熱的に固化されている、請求項36に記載の履物(10)。
  38. 前記底ユニット(30)がさらに、水蒸気を通す装飾層(36)を備え、この装飾層が前記バリヤ層(35)の下方で少なくとも前記外底貫通穴(37)の領域内に配置されている、請求項32〜37のいずれか一項に記載の履物(10)。
  39. 前記装飾層(36)が格子状の、網状の、多孔性のまたは穿孔された偏平材料のグループの材料からなっている、請求項38に記載の履物(10)。
  40. 前記装飾層(36)が、着色されたまたは少なくとも1つの染料を有する材料を備えている、請求項38または39に記載の履物(10)。
  41. 前記外底層(31)が、前記紐革(29)に縫着または接着されているか、あるいは前記外底層(31)が前記紐革(29)に一体射出成形されている、請求項1〜40のいずれか一項に記載の履物(10)。
  42. 前記外底層(31)が、ゴム、PU(ポリウレタン)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、EVA(エチレン−ビニル−アセテート)、TR(テクニカル ラバー)および皮革またはこれらの組み合わせの材料グループから選択された材料によって形成されている、請求項1〜41のいずれか一項に記載の履物(10)。
  43. 前記外底層(31)が内側の外底部分(32)と外側の外底部分(33)を備え、前記外底貫通穴(37)が前記の内側の外底部分(32)内に設けられている、請求項1〜42のいずれか一項に記載の履物(10)。
  44. 前記の内側の外底部分(32)が前記バリヤ層(35)および場合によって前記装飾層(36)と共に、予め製作したユニットの形をしている、請求項43に記載の履物(10)。
  45. 前記外底貫通穴(37)が前記外底層(31)の大きな面積の切欠きの形をしており、前記外底層(31)が大きな面積の前記切欠き内に設けられた格子構造物または多数のこぶまたは多数のウェブ(39)によって安定させられている、請求項1〜44のいずれか一項に記載の履物(10)。
  46. 前記紐革(29)が皮革によって形成されている、請求項1〜45のいずれか一項に記載の履物(10)。
  47. 前記甲上側材料(22)が縫い目(83)の領域において前記中底要素(27)の前記リップ(28)と前記紐革(29)の間に配置されるように、前記中底要素(27)の前記リップ(28)と前記甲上側材料(22)と前記紐革(29)が互いに縫着されている、請求項1〜46のいずれか一項に記載の履物(10)。
  48. 前記甲上側材料(22)が前記縫い目(83)の領域において前記外底層(31)の方へ下方に延在するように、前記中底要素(27)の前記リップ(28)と前記甲上側材料(22)と前記紐革(29)が互いに縫着されている、請求項1〜47のいずれか一項に記載の履物(10)。
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