JP2002275749A - 積層不織布および不織布補強ウレタンフォーム - Google Patents
積層不織布および不織布補強ウレタンフォームInfo
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Abstract
フォームと補強用不織布とが強固に一体化されるととも
に、不織布の裏面への染み出しのない、フォームと不織
布とのよく一体化された車両用シート材を得るに好適な
不織布を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる長繊維不織布Aお
よびBからなる2層構成、または不織布A、BおよびC
からなる3層構成の通気度が250cc/cm2/sec以下
である積層不織布であって、A層およびC層不織布は目
付20〜70g/m2、B層は断面が扁平形状または葉
数が3以上の多葉形状の繊維からなる目付20〜70g
/m2の不織布である。軟質ポリウレタンフォームと上
記いずれかの積層不織布とが一体的に積層された車両用
ウレタン発泡シート。
Description
車両等のシート等に用いられるウレタン発泡体の補強用
不織布に関する。また本発明は、上記積層不織布によっ
て補強された車両用ウレタン発泡体に関する。
弾力性と柔軟性のため軟質ポリウレタンフォームが好ん
で用いられている。軟質ポリウレタンフォームの下に
は、車体からの振動を緩和し弾力的な振動として伝達す
るためのスプリングおよび取り付け金具等が取り付けら
れる。軟質ポリウレタンフォームにこれらのスプリング
や取り付け金具を取り付けるために、フォームにはスプ
リングや取り付け金具に接する側に補強布が組み込まれ
てきた。この補強布は、また、スプリング等によるフォ
ームの摩損を防止するために必要とされるだけでなく、
スプリングのクッション作用を均等にフォームに分散し
て伝達するためにも必要である。このために使用される
補強材としての不織布は発泡性ウレタン液が十分に浸透
してウレタン発泡体と不織布とが一体化する必要があっ
た。そのため適切な嵩密度、空隙率を有する不織布が使
用されてきた。しかし発泡性ウレタン液の浸透性に優れ
た不織布を使用する場合、一方でウレタン液が不織布の
裏面に染み出し、そこでポリウレタンスキン層を形成す
る結果となる。このポリウレタンスキン層は補強効果を
発現する点で有効なものではあるが、スプリングや取り
付け金具と接すると摩擦により異音は生じることにな
る。
タン液が十分に浸透してウレタンフォームと補強用不織
布とが強固に一体化されるとともに、不織布の裏面への
染み出しのない、フォームと不織布とのよく一体化され
た車両用シート材を得るに好適な不織布を提供すること
を目的とする。
面である熱可塑性樹脂長繊維からなる目付20〜70g
/m2の不織布A層と断面が扁平形状または葉数が3以
上の多葉形状の熱可塑性樹脂長繊維からなる目付20〜
70g/m2の不織布B層との積層体であって、積層体
の通気度が250cc/cm2/sec以下であり、A層とB
層が3次元交絡して一体化しているウレタン発泡成形体
補強用積層不織布に関する。
可塑性樹脂長繊維からなる目付20〜70g/m2の不
織布A層と断面が扁平形状または葉数が3以上の多葉形
状の熱可塑性樹脂長繊維からなる目付20〜70g/m
2の不織布B層および断面が円形断面である熱可塑性樹
脂長繊維からなる目付20〜70g/m2の不織布C層
との積層体であって、A層とC層は同じであっても違っ
てもよく、積層体の通気度が250cc/cm2/sec以下
であり、A層、B層およびC層がこの順に積層されて3
次元交絡して一体化しているウレタン発泡成形体補強用
積層不織布に関する。
ムと上記いずれかに記載の積層不織布とが一体的に積層
された車両用ウレタン発泡シートに関する。更にまた、
本発明は、上記いずれかに記載の積層不織布をA層を型
枠内部側に、反対面を型枠に接するように型枠底部に敷
き、A層上部から発泡性ウレタン液を供給し、積層不織
布内にウレタンを浸透させて発泡させることにより積層
不織布と軟質ポリウレタンフォームとを積層一体化する
車両用ウレタン発泡シートの製造方法に関する。
度」とは、扁平断面においては長軸と短軸との長さの
比、即ちアスペクト比によって表され、多葉断面におい
ては図1に示すように断面の外接円と内接円の直径の比
D/dによって表される大きさを意味する。
る不織布であるA層不織布およびC層不織布と、より緻
密な構造を有する不織布であるB層不織布からなる、A
層/B層またはA層/B層/C層である2層または3層
の不織布積層体である。A層およびC層不織布は、熱可
塑性樹脂からなる長繊維不織布であり、目付が20〜7
0g/m2、好ましくは20〜50g/m2、空隙率が
86〜98%が好ましく、より好ましくは90〜95%
である。A層とC層不織布とは、同じ構成であってもよ
いし異なってもよい。A層の目付が20g/m2未満の
場合はウレタン樹脂を十分に吸収できず、C層の目付が
20g/m2未満の場合はC層を使用する効果が発揮し
得ない。
不織布であり、目付が20〜70g/m2、好ましくは
20〜50g/m2、空隙率が50〜85%が好まし
く、より好ましくは70〜89%である。B層の目付が
20g/m2未満の場合は不織布の構成繊維数が相対的
に減るため、繊維間に空隙が生じて、B層の裏面にウレ
タン樹脂がしみ出てしまい、異音の発生を防止すること
ができない。B層不織布の緻密化は、部分的に熱圧着す
ることによって、また、熱圧着の際のロール温度、ロー
ル間の線圧、部分的熱圧着部の柄や圧着面積率を適宜選
択することによって任意に調整できるが、更にB層不織
布を構成する繊維を異型断面、特に扁平形状または葉数
が3以上の多葉形状とすることによって緻密化を容易に
行うことができる。
は、異型の形状によってそれぞれ次の範囲が好ましい:
扁平断面の場合は1.5〜10、3葉断面の場合は2以
上、4葉断面の場合は2以上、5葉断面の場合は2以
上、6葉断面の場合は1.5以上。また、B層不織布に
おいて緻密化するために、アクリル系樹脂等のバインダ
ー樹脂を付与してもよい。付与する方法としては、バイ
ンダー樹脂を溶解または分散させた溶液を、不織布に噴
霧、塗布または含浸させたのち、加熱または乾燥させて
付着させればよい。
本発明の不織布積層体はいずれも通気度が250cc/cm
2/sec以下、好ましくは30〜250cc/cm2/secで
あり、構成する繊維の繊度が2〜7デニールである。上
記不織布A層、B層、またはさらにC層は3次元交絡し
て積層一体化されているが、これは例えばニードルパン
チにより容易に形成することができる。積層不織布の目
付は、A層/B層の場合50〜200g/m2、好まし
くは70〜170g/m2である。目付けが50g/m
2より小さい場合は、クッション性に劣るため好ましく
なく、一方200g/m2より大きくても積層体自身が
硬くなり、またコスト高となるために好ましくない。ま
たA層/B層/C層の3層積層体の場合も積層不織布の
目付けは50〜200g/m2、好ましくは70〜17
0g/m2である。目付けが50g/m2より小さい場
合は、クッション性に劣るため好ましくなく、一方20
0g/m2より大きくても積層体自身が硬くなり、また
コスト高となるために好ましくない。
して軟質ポリウレタンフォームと一体化してクッション
性に優れた車両用シートを形成するに好適である。A層
/B層の2層積層体である本発明の不織布積層体は、A
層という嵩高性の層を有するため、発泡性の軟質ポリウ
レタンフォーム液をこの上に流し込んだ時にこの液は十
分A層内に浸透して発泡するため不織布積層体とポリウ
レタンフォームはしっかりと一体化することができる。
一方注入するポリウレタンフォーム液に対して裏側に当
たる側には緻密な不織布層B層が存在する。これはポリ
ウレタンフォームが不織布積層体の裏側へしみ出すのを
防止する。発泡性の液が裏側へしみ出すとそこで発泡す
るが、不織布積層体は、フォームとの一体化構造体を成
形するにあたって型枠の底に敷かれている(図2)た
め、不織布B層の裏側にしみ出した発泡性の液は不織布
B層と型枠との間で、ゴム状のポリウレタンスキンを形
成する。このゴム状スキンが形成されると、車両用シー
トとしてスプリングや取り付け金具に取り付けられた状
態で振動が加わると摩擦により不快な異音を生じ得る。
本発明の不織布積層体によりこの問題が解決された。
の積層不織布では、ポリウレタンフォームとの一体化成
形を行う場合、図3に示すようにC層が底部の金型面に
接するように施設される。C層が存在するとクッション
性が増し、さらにバネと接する層がソフトで嵩高である
ため、より異音が発生しにくい。
mの剛軟性を有する。この剛軟性は、JIS-L-109
6A法45°カンチレバー法にて測定される。剛軟性の
値が低すぎると外部からの圧縮応力を剛軟性軟質ポリウ
レタンフォーム全面に分散して伝達することができない
ためポリウレタンフォームの上面で快適な着用感が得ら
れない。またポリウレタンフォームに局所的な応力が加
わるためポリウレタンフォームが損耗しやすい。一方剛
軟性の値が150cmを越えると軟質ポリウレタンフォ
ームの優れた弾力性が損なわれる。
えば次のようにして製造することができる。まず、軟質
ポリウレタンフォームを発泡させ成形する型枠内に、本
発明の積層不織布をB層(3層積層不織布の場合はA層
またはC層のいずれか)が型枠の底面に接するように敷
く(図2または図3)。次いで軟質ポリウレタンの発泡
性液を型枠の上部から積層不織布上にできるだけ均一に
注ぎ込む。発泡性液は積層不織布の最上層であるA層ま
たはC層に浸透しつつ発泡し、発泡体と積層不織布が一
体的に積層した積層不織布補強軟質ポリウレタンフォー
ムが成形される。積層不織布の最上層のすぐ下には緻密
な不織布B層が存在するため、発泡性液はせいぜいその
一部がB層に浸透するだけで積層不織布の裏面までしみ
出すことはほとんどない。こうして積層不織布によって
片面が補強された車両用ウレタン発泡シートが形成され
る。
する。実施例 1 融点258℃、相対粘度1.38のポリエチレンテレフ
タレート樹脂を用いて円形断面の繊維を溶融紡糸した。
紡糸口金から吐出した糸状物は空気圧で延伸し、3デニ
ールのフィラメントを得た。開繊後、移動する多孔質帯
状体の上に堆積しウェブとした。得られたウェブを20
0℃に加熱した圧接面積率20%の彫刻ロールと200
℃に加熱したフラットロールからなるエンボス装置に通
して部分的に熱圧接し、目付30g/m2、空隙率90
%の不織布Aを作成した。また、繊維断面が扁平形状と
なる紡糸口金を用いて紡糸した以外は不織布Aと同様に
して、3デニール、断面の異型度が3.5の異形断面糸
からなる、目付70g/m2、空隙率78%の不織布B
を作成した。不織布Aと不織布Bとを重ね、パンチ数7
0ヶ/in2、針深度10mmの条件でニードルパンチに
より3次元交絡させて積層一体化した2層の積層不織布
を得た。得られた積層不織布は総目付が100g/
m2、A層とB層の目付比率が30/70、通気度が9
5cc/cm2/secであった(表1)。
とした以外は実施例1と同様にして目付100g/m2
の積層不織布を作成した。得られた積層不織布の通気度
は157cc/cm2/secであった(表1)。
および30g/m2とした以外は実施例1と同様にして
目付100g/m2の積層不織布を作成した。得られた
積層不織布の通気度は210cc/cm2/secであった
(表1)。
面糸を用い、同じエンボスロールを用いて空隙率81%
の不織布を不織布Bとして用いた以外は実施例2と同様
にして、目付100g/m2の積層不織布を作成した。
得られた積層不織布の通気度は175cc/cm2/secで
あった(表1)。
率83%の不織布Bを作成した以外は実施例4と同様に
して目付100g/m2の積層不織布を作成した。得ら
れた積層不織布の通気度は225cc/cm2/secであっ
た(表1)。
(MFR)値が30g/10分、融点が162℃のポリ
プロピレン樹脂を用いて円形断面の繊維を溶融紡糸し
た。紡糸口金から吐出した糸状物は空気圧で延伸し、3
デニールのフィラメントを得た。開繊後、移動する多孔
質帯状体の上に堆積しウェブとした。得られたウェブを
120℃に加熱した圧接面積率20%の彫刻ロールと1
20℃に加熱したフラットロールからなるエンボス装置
に通して部分的に熱圧接し、目付50g/m2、空隙率
90%の不織布Aを作成した。また、繊維断面が6葉形
状となる紡糸口金を用いて紡糸した以外は不織布Aと同
様にして、3デニール、断面の異型度が1.5の異形断
面糸からなる、目付50g/m2、空隙率85%の不織
布Bを作成した。不織布Aと不織布Bとを重ね、パンチ
数70ヶ/in2、針深度10mmの条件でニードルパン
チにより3次元交絡させて積層一体化した2層の積層不
織布を得た。得られた積層不織布は目付が100g/m
2、A層とB層の目付比率が50/50、通気度が24
2cc/cm2/secであった(表1)。
タレート樹脂を用いて円形断面の繊維を溶融紡糸した。
紡糸口金から吐出した糸状物は空気圧で延伸し、3デニ
ールのフィラメントを得た。開繊後、移動する多孔質帯
状体の上に堆積しウェブとした。得られたウェブを20
0℃に加熱した圧接面積率20%の彫刻ロールと200
℃に加熱したフラットロールからなるエンボス装置に通
して部分的に熱圧接し、目付50g/m2、空隙率90
%の不織布Aおよび不織布Bを作成した。不織布Aと不
織布Bとを重ね、パンチ数70ヶ/in2、針深度10m
mの条件でニードルパンチにより3次元交絡させて積層
一体化した、目付が100g/m 2、A層とB層の目付
比率が50/50、通気度が280cc/cm2/secの2
層積層不織布を得た(表1)。
度が10.0デニールであり、得られた不織布の空隙率
が94%である以外は比較例1と同様にして不織布Aお
よびBを作成し、通気度が365cc/cm2/secである
以外は比較例1と同様にして積層不織布を製造した(表
1)。
タレート樹脂を用いて円形断面の繊維を溶融紡糸した。
紡糸口金から吐出した糸状物は空気圧で延伸し、3デニ
ールのフィラメントを得た。開繊後、移動する多孔質帯
状体の上に堆積しウェブとした。得られたウェブを20
0℃に加熱した圧接面積率20%の彫刻ロールと200
℃に加熱したフラットロールからなるエンボス装置に通
して部分的に熱圧接し、目付40g/m2、空隙率90
%の不織布Aおよび不織布Cを作成した。また、繊維断
面が扁平形状となる紡糸口金を用いて紡糸した以外は不
織布Aと同様にして、3デニール、断面の異型度が6.
4の異形断面糸からなる、目付70g/m2、空隙率7
8%の不織布Bを作成した。不織布A、不織布Bおよび
不織布Cをこの順に重ね、パンチ数70ヶ/in2、針深
度10mmの条件でニードルパンチにより3次元交絡さ
せて積層一体化した3層の積層不織布を得た。得られた
積層不織布は目付が150g/m2、A層とB層および
C層の目付比率が27/46/27、通気度が97cc/
cm2/secであった(表2)。
様にして不織布A、BおよびCを作成した。この不織布
A、BおよびCを用いて実施例7と同様にして目付が1
50g/m2、A層とB層およびC層の目付比率が33
/33/33、通気度が153cc/cm2/secの積層不
織布を製造した(表2)。
g/m2である以外は実施例7と同様にして不織布A、
BおよびCを作成した。この不織布A、BおよびCを用
いて実施例7と同様にして目付が150g/m2、A層
とB層およびC層の目付比率が27/33/40、通気
度が155cc/cm2/secの積層不織布を製造した(表
2)。
g/m2である以外は実施例7と同様にして不織布A、
BおよびCを作成した。この不織布A、BおよびCを用
いて実施例7と同様にして目付が150g/m2、A層
とB層およびC層の目付比率が40/20/40、通気
度が205cc/cm2/secの積層不織布を製造した(表
2)。
糸を用い、同じエンボスロールを用いて、目付50g、
空隙率81%の不織布を不織布Bとして用いた以外は実
施例8と同様にして、目付150g/m2の積層不織布
を作成した。得られた積層不織布の通気度は172cc/
cm2/secであった(表2)。
糸を用い、同じエンボスロールを用いて、目付50g、
空隙率83%の不織布を不織布Bとして用いた以外は実
施例8と同様にして、目付150g/m2の積層不織布
を作成した。得られた積層不織布の通気度は220cc/
cm2/secであった(表2)。
(MFR)値が30g/10分、融点が162℃のポリ
プロピレン樹脂を用いて円形断面の繊維を溶融紡糸し
た。紡糸口金から吐出した糸状物は空気圧で延伸し、3
デニールのフィラメントを得た。開繊後、移動する多孔
質帯状体の上に堆積しウェブとした。得られたウェブを
120℃に加熱した圧接面積率20%の彫刻ロールと1
20℃に加熱したフラットロールからなるエンボス装置
に通して部分的に熱圧接し、目付50g/m2、空隙率
90%の不織布を作成した。これを不織布AおよびCと
して用いた。また、繊維断面が3葉形状となる紡糸口金
を用いて紡糸した以外は不織布Aと同様にして、3デニ
ール、断面の異型度が1.7の異形断面糸からなる、目
付50g/m2、空隙率83%の不織布Bを作成した。
不織布A、不織布Bおよび不織布Cをこの順に重ね、パ
ンチ数70ヶ/in2、針深度10mmの条件でニードル
パンチにより3次元交絡させて積層一体化した3層の積
層不織布を得た。得られた積層不織布は目付が150g
/m2、A層とB層およびC層の目付比率が33/33
/33、通気度が243cc/cm2/secであった(表
2)。
て、その不織布をアクリル系樹脂のエマルジョン中に浸
漬してエマルジョンを含浸した後、乾燥させて、不織布
に対するアクリル系樹脂の固形分付与量が15重量%と
なるようにした不織布B(目付50g/m2、空隙率7
5%)を用いた以外は、実施例8と同様にして、不織布
A、BおよびCを作成した。この不織布A、B、Cを用
いて、実施例7と同様にして目付150g/m2、A
層、B層およびC層の目付比率が33/33/33、通
気度が63cc/cm 2/secの積層不織布を得た。
タレート樹脂を用いて円形断面の繊維を溶融紡糸した。
紡糸口金から吐出した糸状物は空気圧で延伸し、3デニ
ールのフィラメントを得た。開繊後、移動する多孔質帯
状体の上に堆積しウェブとした。得られたウェブを20
0℃に加熱した圧接面積率20%の彫刻ロールと200
℃に加熱したフラットロールからなるエンボス装置に通
して部分的に熱圧接し、目付50g/m2、空隙率90
%の不織布A、不織布Bおよび不織布Cを作成した。不
織布Aと不織布Bとを重ね、パンチ数70ヶ/in2、針
深度10mmの条件でニードルパンチにより3次元交絡
させて積層一体化した、目付が150g/m 2、A層、
B層、C層の目付比率が33/33/33、通気度が2
78cc/cm2/secの3層の積層不織布を得た(表
2)。
度が10.0デニールであり、得られた不織布の空隙率
が94%である以外は比較例3と同様にして不織布A、
BおよびCを作成し、通気度が362cc/cm2/secで
ある以外は比較例3と同様にして3層の積層不織布を製
造した(表2)。
L−1096に規定する方法に準じて測定したもので
ある。また、空隙率(%)は
荷重下での測定値である。
材としての評価〕実施例1〜14および比較例1〜4の
積層不織布を補強材としてウレタン液を浸透、発泡させ
てウレタン発泡シートを製造し、車両用の座席としての
ウレタン発泡シートをバネと接するように設置し、人が
座席にすわって、前後に体を動かして、異音の発生を評
価した。実施例1〜14では、ウレタンを含浸させた時
に、B層の裏面までウレタンがしみ出ることなく、A層
内に良好に浸透、発泡するものであった。バネと接した
際にも異音を発生することはなかった。
いため通気度が高く、ウレタンを含浸させたときに、B
層内をウレタン樹脂が通過し、B層裏面までウレタン層
が形成される。そのためバネと接して組み合わせた場合
に異音の発生を十分防止することができなかった。また
比較例3および4では、同様にB層の空隙率が高いため
通気度が高く、ウレタンを含浸させたときに、B層内を
ウレタン樹脂が通過し、空隙率の高いC層へもウレタン
樹脂がしみ込み、ひどい場合にはC層裏面までウレタン
が含浸されることになる。したがってバネと接して組み
合わせた場合に異音の発生を十分防止することができな
かった。また、C層にウレタン樹脂がしみ込むことによ
り、C層固有のクッション性が損なわれた。
してウレタン発泡シートを製造した場合、積層不織布の
裏面にウレタン樹脂がしみ出さないため、車両用ウレタ
ン発泡シートとして使用した場合、バネや金具と接して
も異音の発生を防止することができる。
(a)3葉断面の例、 (b)6葉断面の例。
製造方法を説明する模式図。
製造方法を説明する模式図。
Claims (7)
- 【請求項1】 断面が円形断面である熱可塑性樹脂長繊
維からなる目付20〜70g/m2の不織布A層と断面
が扁平形状または葉数が3以上の多葉形状の熱可塑性樹
脂長繊維からなる目付20〜70g/m2の不織布B層
との積層体であって、積層体の通気度が250cc/cm2
/sec以下であり、A層とB層が3次元交絡して一体化
しているウレタン発泡成形体補強用積層不織布。 - 【請求項2】 断面が円形断面である熱可塑性樹脂長繊
維からなる目付20〜70g/m2の不織布A層と断面
が扁平形状または葉数が3以上の多葉形状の熱可塑性樹
脂長繊維からなる目付20〜70g/m2の不織布B層
および断面が円形断面である熱可塑性樹脂長繊維からな
る目付20〜70g/m2の不織布C層との積層体であ
って、A層とC層は同じであっても違ってもよく、積層
体の通気度が250cc/cm2/sec以下であり、A層、
B層およびC層がこの順に積層されて3次元交絡して一
体化しているウレタン発泡成形体補強用積層不織布。 - 【請求項3】 積層体の目付が50〜200g/m2で
あり、A層とB層との目付比率が30/70〜90/1
0である請求項1に記載の積層不織布。 - 【請求項4】 積層体の目付が50〜200g/m2で
あり、A層、B層およびC層の目付比率が10〜45/
10〜80/10〜45である請求項2に記載の積層不
織布。 - 【請求項5】 扁平形状または多葉形状である繊維断面
の異型度が、 扁平断面の場合は1.5〜10、 3葉断面の場合は2以上、 4葉断面の場合は2以上、 5葉断面の場合は2以上、 6葉断面の場合は1.5以上である請求項1〜4のいず
れかに記載の積層不織布。 - 【請求項6】 軟質ポリウレタンフォームと請求項1〜
5のいずれかに記載された積層不織布とが一体的に積層
された車両用ウレタン発泡シート。 - 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の積層不
織布をA層を型枠内部側に、反対面を型枠に接するよう
に型枠底部に敷き、A層上部から発泡性ウレタン液を供
給し、積層不織布内にウレタンを浸透させて発泡させる
ことにより積層不織布と軟質ポリウレタンフォームとを
積層一体化する請求項6に記載の車両用ウレタン発泡シ
ートの製造方法。
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