JP2003309895A - スピーカー用部材の製造方法 - Google Patents

スピーカー用部材の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動板部分とエッジ部分とが高い接合強度で
一体化されたスピーカー用部材を提供すること。 【解決手段】 本発明のスピーカー用部材は、振動板部
分とエッジ部分とを有する。振動板部分は、基材に熱硬
化性樹脂が含浸されてなる。エッジ部分のうち振動板部
分と接続する部分は、発泡弾性組成物からなる部分と、
発泡弾性組成物部分の間に配された振動板部分と共通の
基材とを有する。エッジ部分の残りの部分は、発泡弾性
組成物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動板部分とエッ
ジ部分とを有するスピーカー用部材およびその製造方法
に関する。より詳細には、本発明は、振動板部分とエッ
ジ部分とが高い接合強度で一体化されたスピーカー用部
材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スピーカーにおいては、振動板
およびエッジはそれぞれ異なる材料から形成される。振
動板とエッジに要求される性能が全く異なるためであ
る。すなわち、振動板は前後の空気を押して粗密波を発
生させることにより音波を発生させるので、空気の圧力
に耐え得る強度が必要とされる。一方、エッジは振動板
の動きに追随し得る柔軟性と振動板を伝播した音波を反
射させることなく振動を吸収し得る振動吸収性とが必要
とされる。従って、従来のスピーカーは、振動板とエッ
ジについての相反する要求性能を満足するために、振動
板およびエッジをそれぞれ異なる材料から別個に形成
し、それらを接着することにより製造される。そのた
め、従来のスピーカーは、振動板およびエッジのそれぞ
れについて材料費がかかり、かつ成形工程および接着工
程が必要となるので、非常にコストが高く、かつ製造効
率が低いという問題がある。このような問題を解決する
ために、パルプコーンを抄造する際に振動板部分とエッ
ジ部分とを同時に成形する技術が提案されている。しか
し、この技術においては、エッジの通気を防止し振動板
の反射を押さえるためにエッジに樹脂層を特別に設けな
ければならない。そのため、製造工程数が多く煩雑であ
り、特に振動板の振動によって屈曲されるエッジ部分は
芯材となるパルプ繊維の強度が低いため耐久性および耐
水性が不十分であり、しかも、樹脂層が設けられたこと
によりエッジの柔軟性が不十分であるという問題があ
る。あるいは、射出成形の2色成形により振動板とエッ
ジを同時に成形する技術が提案されている。しかし、こ
の技術では、利用可能な材料が熱可塑性樹脂に限定され
てしまうので、得られるスピーカーの耐熱性および弾性
率が不十分である。さらに、樹脂フィルムまたは金属箔
をコーン型またはドーム型の振動板形状に成形すると同
時にロール形状のエッジを成形する技術も提案されてい
る。しかし、この技術においては、振動板およびエッジ
についての相反する要求特性を同時に満足させるための
工夫は何らなされておらず、エッジの強度が振動板の強
度と同じになってしまう。その結果、十分な振幅が得ら
れず、エッジの振動吸収性もほとんどないので、高音域
専用のスピーカーにしか使用できず、フルレンジで実用
に耐え得るスピーカーは得られない。以上のように、振
動板部分とエッジ部分とが一体化されたスピーカー用部
材が強く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するためになされたものであり、その目的と
するところは、振動板部分とエッジ部分とが高い接合強
度で一体化されたスピーカー用部材およびその製造方法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のスピーカー用部
材は、振動板部分とエッジ部分とを有し;該振動板部分
が、基材に熱硬化性樹脂が含浸されてなり;該エッジ部
分のうち該振動板部分と接続する部分が、発泡弾性組成
物からなる部分と、該発泡弾性組成物部分の間に配され
た該振動板部分と共通の基材とを有し;該エッジ部分の
残りの部分が、発泡弾性組成物からなる。
【0005】本発明の別のスピーカー用部材は、振動板
部分とエッジ部分とを有し;該振動板部分が、基材に熱
硬化性樹脂が含浸されてなり;該エッジ部分が、発泡弾
性組成物からなる部分と、該発泡弾性組成物部分の間に
配された該振動板部分と共通の基材とを有する。
【0006】好ましい実施形態においては、上記発泡弾
性組成物は、弾性成分として、スチレン・ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴ
ム、ニトリル・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン
ゴム、イソブチレン・イソプレンゴム、シリコーンゴ
ム、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性
エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、
ポリアミド系熱可塑性エラストマー、および、ポリブタ
ジエン系熱可塑性エラストマーからなる群から選択され
る少なくとも1つを含む。
【0007】好ましい実施形態においては、上記熱硬化
性樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂である。
【0008】本発明の別の局面によれば、スピーカー用
部材の製造方法が提供される。この製造方法は、基材に
熱硬化性樹脂を含浸する工程と;該基材の外周部に該熱
硬化性樹脂が流れないようにして、該樹脂が含浸された
基材を所定の形状に成形する工程と;該成形された基材
を切断することにより、外周部が露出した振動板部分を
得る工程と;該振動板部分の露出した外周部を覆うよう
にして、かつ、所定の形状となるように発泡弾性組成物
を発泡成形することにより、振動板部分とエッジ部分と
を有するスピーカー用部材を得る工程とを含む。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態につい
て図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施形
態には限定されない。 (実施形態1)図1は、本発明の好ましい実施形態によ
るスピーカー用部材を説明するための概略部分断面図で
ある。このスピーカー用部材10は、振動板部分11と
エッジ部分12とを有する。すなわち、本発明のスピー
カー用部材は、一体で、振動板の機能とエッジの機能と
を同時に有する。
【0010】振動板部分11は、基材に熱硬化性樹脂が
含浸されてなる。基材は、代表的には、織布または不織
布が用いられる。このような織布または不織布は、任意
の適切な繊維から形成され得る。代表的な繊維として
は、木綿繊維、パラ型アラミド繊維、メタ型アラミド繊
維、レーヨン繊維、テンセル繊維、超高強力ポリエチレ
ン繊維、ポリアリレート系繊維が挙げられる。繊維の内
部損失が大きくかつ強度に優れるという理由で、木綿繊
維、テンセル繊維が好ましい。基材は、単一の繊維から
形成してもよく、2種以上の繊維を組み合わせて形成し
てもよい。
【0011】不織布基材は、エラストマー繊維からなる
不織布(以下、「エラストマー不織布」と称する)で構
成され得る。ここで、エラストマー不織布とは、熱可塑
性エラストマー繊維がランダムに絡み合い、かつ、その
一部が溶融してなる不織布をいう。熱可塑性エラストマ
ー繊維の代表例としては、ポリウレタン系エラストマー
繊維、ポリアミド系エラストマー繊維、ポリスチレン系
エラストマー繊維、ポリアミド系エラストマー繊維、ポ
リエステル系エラストマー繊維が挙げられる。エラスト
マー不織布は熱硬化性樹脂が容易に含浸し得るので、優
れた弾性率を有するスピーカー用部材が得られ得る。さ
らに、エラストマー不織布はその内部に多くの空隙(空
気部分)を含むので、目付当たりの厚みが大きくなり、
その結果、優れた剛性を有するスピーカー用部材が得ら
れる。
【0012】織布基材は、弾性織布であり得る。ここ
で、弾性織布とは、弾性を有する(すなわち、伸び縮み
し得る)織布をいう。好ましくは、弾性織布を構成する
繊維としては、飽和ポリエステル繊維が挙げられる。さ
らに好ましくは、織布基材はポリ(トリメチレンテレフ
タレート)繊維からなる。ポリ(トリメチレンテレフタ
レート)は非常に優れた内部損失を有するので、結果と
して、非常に優れた内部損失を有するスピーカー用部材
が得られるからである。
【0013】基材は、上記織布または不織布を1層で用
いてもよく、2層以上の積層体として用いてもよい。基
材に含浸される熱硬化性樹脂としては、任意の適切な熱
硬化性樹脂が用いられるが、好ましくは不飽和ポリエス
テル樹脂である。最も短時間で硬化するからである。本
発明においては、任意の適切な不飽和ポリエステル樹脂
が用いられる。熱硬化性樹脂(例えば、不飽和ポリエス
テル樹脂)は、液状組成物の形態で、多くの製品が市販
されている。熱硬化性樹脂組成物は、任意の適切な添加
剤(例えば、フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤)を
さらに含有し得る。
【0014】エッジ部分12は、接続部分(すなわち、
振動板部分11から連続する部分)13と、実質的なエ
ッジ部分(すなわち、残りの部分)14とを有する。接
続部分13は、上記振動板部分11と共通の基材と、当
該基材を挟むように配された発泡弾性組成物からなる部
分15とを有する。実質的なエッジ部分14は、発泡弾
性組成物からなる。すなわち、このスピーカー用部材
は、接続部分13にのみ基材を含み、当該接続部分13
においては、微視的には、ゴム分子(または熱可塑性エ
ラストマー分子)が基材内に入り込み、当該ゴム分子
(または熱可塑性エラストマー分子)と基材のの繊維分
子とが絡み合った状態となっている。このような接続部
分を有することにより、振動板部分とエッジ部分の接合
強度がきわめて優れたものとなる。
【0015】発泡弾性組成物は、弾性成分として、任意
の適切な未加硫ゴムおよび/または熱可塑性エラストマ
ーを含む。代表的な未加硫ゴムとしては、スチレン・ブ
タジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン・プロピレン
・ジエンゴム、ニトリル・ブタジエンゴム、エチレン・
プロピレンゴム、イソブチレン・イソプレンゴム、シリ
コーンゴムが挙げられる。代表的な熱可塑性エラストマ
ーとしては、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポ
リオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系
熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラス
トマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタ
ジエン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらの
未加硫ゴムおよび/または熱可塑性エラストマーは、単
独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0016】発泡弾性組成物は、発泡成分として、任意
の適切な発泡剤を含む。代表的な発泡剤としては、アゾ
ジカルボソアシドのような有機発泡剤が挙げられる。好
ましくは、発泡成分は、発泡後に1.1〜15倍の発泡
倍率を有するようにして組成物に含有される。以下、上
記スピーカー用部材の製造方法の一例について説明す
る。
【0017】まず、基材のうち振動板となるべき部分
に、熱硬化性樹脂を塗布する。熱硬化性樹脂の塗布量は
目的に応じて変化し得るが、代表的には100〜170
g/m である。積層体基材(例えば、2層基材)を作
成する場合には、織布または不織布の上に熱硬化性樹脂
を塗布し、その上に別の織布または不織布を重ねればよ
い。
【0018】次いで、熱硬化性樹脂が塗布された基材を
所定の形状に熱プレス成形する。このとき、基材の外周
部に該熱硬化性樹脂が流れないようにして、すなわち、
基材外周部が露出するようにして、基材を所定の形状に
成形する。このようにして成形することが本発明の特徴
の1つである。基材外周部を露出させて成形する方法と
しては、任意の適切な方法が採用され得る。代表的に
は、所定の金型(振動板部分成形金型)が用いられる。
この金型は、所定の振動板部分形状と、極端にクリアラ
ンスが小さい外周部とを有する。このような金型を用い
ると、振動板部分は所定の形状に成形され、かつ、外周
部には樹脂が流れることができない。その結果、外周部
が露出した成形品が得られる。熱プレスの条件は、使用
する基材、熱硬化性樹脂、目的等に応じて変化し得る
が、不飽和ポリエステルを用いる場合には120〜14
0℃、30〜50秒が代表的である。また、露出した外
周部の幅は、得られるスピーカーのサイズ、目的等に応
じて変化し得るが、例えば口径16cmのスピーカーユ
ニットを作製する場合には、代表的には0.5〜10m
mの範囲である。
【0019】次いで、露出した外周部を所定の幅に切断
して、振動板部分の成形品が完成する。切断後の外周部
の幅は、得られるスピーカーのサイズ、目的等に応じて
変化し得るが、切断前が0.5〜10mmの範囲であれ
ば、切断後は4〜6mmの範囲が代表的である。
【0020】次いで、得られた振動板部分の成形品を、
スピーカー用部材成形金型に配置する。当該金型は、振
動板部分成形金型と同様の振動板部分形状を有し、か
つ、所定のエッジ部分形状を有する。ここで、エッジ部
分に発泡弾性組成物を配置する。発泡弾性組成物は、通
常、紐状にして配置される。次に、エッジ部分の発泡弾
性組成物を熱プレス成形する。熱プレスの条件は使用す
る発泡弾性組成物や目的に応じて変化し得るが、190
〜210℃、40〜50秒が代表的である。加熱により
発泡弾性組成物は粘度が低下して流れ出し、振動板外周
部の露出基材を両側(上下)から挟みこむようにして基
材内に入り込む。その後、加硫と発泡が同時に進行し、
その結果、ゴム分子(または熱可塑性エラストマー分
子)と基材の繊維分子とが絡み合った接続部分を有する
スピーカー用部材が得られる。本発明のスピーカ振動板
は、任意のスピーカー(例えば、低音用、中音用、高音
用のスピーカ)に適用可能であり、全帯域(フルレン
ジ)スピーカーとして使用可能である。振動板の形状も
また、任意の適切な形状(例えば、コーン状、ドーム
状、平板状)が採用され得る。 (実施形態2)図2は、本発明の別の実施形態によるス
ピーカー用部材を説明するための概略部分断面図であ
る。以下、簡単のため、本実施形態の特徴的な部分につ
いてのみ説明し、実施形態1と共通する部分の説明は省
略する。
【0021】本実施形態のスピーカー用部材20は、振
動板部分21とエッジ部分22とを有する。エッジ部分
22は、振動板部分21と共通の基材と、当該基材を挟
むように配された発泡弾性組成物からなる部分25とを
有する。すなわち、このスピーカー用部材は、エッジ部
分全体にわたって基材を含み、従って、エッジ部分全体
にわたってゴム分子(または熱可塑性エラストマー分
子)と基材の繊維分子とが絡み合っている。
【0022】本実施形態によるスピーカー用部材の製造
方法は、露出外周部の幅が大きいこと以外は基本的に実
施形態1と同様である。例えば口径16cmのスピーカ
ーユニットを作製する場合には、代表的には、切断前が
160〜190mmの範囲であり、切断後が140〜1
50mmの範囲である。このような露出外周部を形成す
ることにより、エッジ部分全体にわたってゴム分子(ま
たは熱可塑性エラストマー分子)と基材の繊維分子とが
絡み合っているスピーカー用部材が得られる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例には限定されない。なお、
特に示さない限り、実施例中の部およびパーセントは重
量基準である。 (実施例1)下記の組成を有する不飽和ポリエステル溶
液を調製した: 不飽和ポリエステル樹脂(日本触媒(株)製;N350L) :100(部) マイカ(クラレ(株)製;CLARITE MICA 600W) : 10 低収縮化剤(日本油脂(株);モディパーS501) : 5 パーオクタO(日本油脂(株)) : 3 一方、木綿繊維織布(平織り、打ち込み本数39本×3
4本、20番手)を2枚用いて、そのうちの1枚の織布
の中央部(すなわち、振動板となるべき部分)に上記不
飽和ポリエステル溶液を約125〜150g/mの密
度で選択的に塗布し、その上にもう1枚の織布を配置し
た。得られた積層体基材を振動板部分成形金型に配置
し、130℃で40秒間熱プレス成形した。その結果、
基材外周部が露出した成形体を得た。この成形体の外周
部分を約5mmに切断し、振動板部分の成形品を得た。
【0024】次に、振動板部分の成形品をスピーカー用
部材成形金型に配置し、エッジ部分に紐状の発泡弾性組
成物を配置した。エッジ部分を200℃で45秒間熱プ
レス成形することにより、振動板部分と発泡エッジ部分
とが強固に接合した図1のようなスピーカー用部材を得
た。得られたスピーカー用部材の振動板部分は、口径1
6cm、厚さ0.3mmのコーン形状であり、エッジ部
分は幅10mm、厚さ0.5mmのロール形状であっ
た。
【0025】得られたスピーカー用部材の振動板部分に
ついて、通常の方法で、ヤング率および密度を測定し、
エッジ部分について、通常の方法で、ヤング率、密度、
および内部損失を測定した。測定結果を、後述の実施例
2および比較例1〜2の結果と併せて下記表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】(実施例2)外周部の切断幅を150mm
にしたこと以外は実施例1と同様にして、図2のような
スピーカー用部材を得た。得られたスピーカー用部材を
実施例1と同様の評価に供した。結果を上記表1に示
す。 (比較例1)パルプ懸濁液から定法により、コーンとそ
の外周にロール形状エッジとを抄き網で抄造し、熱プレ
ス成形した。次いで、エッジ部分にアクリル系樹脂を塗
布し、そして乾燥することにより、口径16cm、厚さ
0.85mmのエッジ一体型パルプコーン振動板を得
た。得られた振動板を実施例1と同様の評価に供した。
結果を上記表1に示す。 (比較例2)射出成形の2色成形により、振動板部分を
ポリプロピレン樹脂(マイカを30重量%含有する)で
成形し、その外周にオレフィン系エラストマーをエッジ
形状に成形することにより、口径16cm、厚さ0.2
8mmのポリプロピレンコーン/オレフィンエラストマ
ーエッジの一体型振動板を得た。得られた振動板を実施
例1と同様の評価に供した。結果を上記表1に示す。
【0028】上記表1から明らかなように、本発明のス
ピーカー用部材は、振動板部分は強度に優れ、エッジ部
分は柔軟で内部損失に優れている。このように、本発明
によれば、相反する特性が要求される振動板とエッジと
を別個に作製することなく一体的に形成することが可能
となり、長く解決されなかった課題を解決することがで
きる。
【0029】さらに、比較例1のエッジ一体型パルプコ
ーン振動板と比較すると、本発明のスピーカー用部材
は、車載用スピーカーに要求される耐久性および耐水性
においてはるかに優れていることが実際に確認された。
従って、本発明のスピーカー用部材は、パルプ振動板で
は不可能であった大口径化や大入力が可能となる。ま
た、比較例2の2色成形振動板と比較すると、本発明の
スピーカー用部材は、はるかに優れた耐熱性を有するこ
とが確認された。
【0030】さらに、本発明のスピーカー用部材は、エ
ッジ部分に発泡ゴムを用いることにより、エッジ部分の
内部損失が大きく、かつ、密度も小さいので、音質面に
おいても非常に優れている。また、振動板部分とエッジ
部分との接合強度がきわめて大きいので、大振幅を要求
されるウーハー用途にも好適に用いられ得る。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、外周部
を露出させた振動板部分の成形品と発泡弾性組成物とを
一体的に成形して、露出外周部の繊維分子とゴム分子と
の絡み合いを形成することにより、振動板部分とエッジ
部分の接合強度がきわめて優れたスピーカー用部材を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるスピーカー用
部材を説明する概略部分断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態によるスピーカー用部材
を説明する概略部分断面図である。
【符号の説明】
10、20 スピーカー用部材 11、21 振動板部分 12、22 エッジ部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 21:00 B29K 21:00 105:04 105:04 B29L 31:38 B29L 31:38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板部分とエッジ部分とを有するスピ
    ーカー用部材であって、 該振動板部分が、基材に熱硬化性樹脂が含浸されてな
    り、 該エッジ部分のうち該振動板部分と接続する部分が、発
    泡弾性組成物からなる部分と、該発泡弾性組成物部分の
    間に配された該振動板部分と共通の基材とを有し、 該エッジ部分の残りの部分が、発泡弾性組成物からなる
    スピーカー用部材。
  2. 【請求項2】 振動板部分とエッジ部分とを有するスピ
    ーカー用部材であって、 該振動板部分が、基材に熱硬化性樹脂が含浸されてな
    り、 該エッジ部分が、発泡弾性組成物からなる部分と、該発
    泡弾性組成物部分の間に配された該振動板部分と共通の
    基材とを有する、 スピーカー用部材。
  3. 【請求項3】 前記発泡弾性組成物が、弾性成分とし
    て、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチ
    レン・プロピレン・ジエンゴム、ニトリル・ブタジエン
    ゴム、エチレン・プロピレンゴム、イソブチレン・イソ
    プレンゴム、シリコーンゴム、ポリスチレン系熱可塑性
    エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
    ー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステ
    ル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラ
    ストマー、および、ポリブタジエン系熱可塑性エラスト
    マーからなる群から選択される少なくとも1つを含む、
    請求項1または2に記載のスピーカー用部材。
  4. 【請求項4】 前記熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステ
    ル樹脂である、請求項1から3のいずれかに記載のスピ
    ーカー用部材。
  5. 【請求項5】 基材に熱硬化性樹脂を含浸する工程と;
    該基材の外周部に該熱硬化性樹脂が流れないようにし
    て、該樹脂が含浸された基材を所定の形状に成形する工
    程と;該成形された基材を切断することにより、外周部
    が露出した振動板部分を得る工程と;該振動板部分の露
    出した外周部を覆うようにして、かつ、所定の形状とな
    るように発泡弾性組成物を発泡成形することにより、振
    動板部分とエッジ部分とを有するスピーカー用部材を得
    る工程とを含む、スピーカー用部材の製造方法。
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