JP2020076499A - 駆動装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に低騒音化を実現することができる駆動装置および画像形成装置を提供する。【解決手段】駆動装置110は、駆動モータ111の駆動力を、モータギヤ111a、モータギヤ111aと噛み合う減速ギヤ116の内歯歯車部116a、内歯歯車部116aと同軸上に配置された減速ギヤ116の外歯歯車部116bおよび外歯歯車部116bと噛み合う出力ギヤ118を介して被駆動伝達部材たる現像ローラに伝達している。そして、モータギヤ111aと内歯歯車部116aとの噛み合い部の噛み合い周波数と、外歯歯車部116bと出力ギヤ118との噛み合い部の噛み合い周波数の差を、100Hz以下にした。【選択図】図3

Description

本発明は、駆動装置および画像形成装置に関するものである。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置においては、画像形成動作のために多くの駆動手段が備えられており、感光体や転写ベルトの動作などに用いられている。
特許文献1には、モータのモータギヤと噛み合う内歯歯車と、この内歯歯車と同軸上に設けられ、内歯歯車と一体的に回転する外歯歯車と、この外歯歯車に噛み合い、被駆動伝達部材に駆動力を出力する出力ギヤとを設けた駆動装置が記載されている。
近年、装置の低騒音化が求められており、各歯車の噛み合い箇所で発生する振動や、その振動により発生する騒音の対策が求められている。しかしながら、上記特許文献1に記載の駆動装置の場合、周波数が互いに異なる複数の騒音が発生した。その結果、互いに異なる周波数の振動や騒音に対して、それぞれ対策を施す必要が生じ、騒音の対策が複雑化し、容易に低静音化を実現できないという課題があった。
上記課題を解決するために、本発明は、駆動モータと、複数の歯車とを備え、前記複数の歯車のうちの少なくともひとつが、前記複数の歯車のうちの他の歯車と同軸上に配置された駆動装置において、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の差を、100Hz以下にしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、容易に低騒音化を実現することができる。
本発明の一実施形態に係るプリンタの概略構成図。 同プリンタにおけるプロセスユニットの概略構成図。 駆動装置の概略断面図。 従来の駆動装置における駆動時の騒音を示すグラフ。 内歯歯車を遊び歯車として用いた駆動装置の概略断面図。 ヘルムホルツ吸音器の吸音効果を示すグラフ。 変形例1の駆動装置の概略断面図。 変形例2の駆動装置の概略断面図。 変形例3の駆動装置の概略断面図。 変形例4の駆動装置の概略断面図。 騒音対策の一例について示す概略断面図。 騒音対策の他の例について示す概略断面図。 モータ用吸音部材の斜視図。 騒音対策のさらに他の例について示す概略断面図。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ100」という。)の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタ100の基本的な構成について説明する。
図1は、プリンタ100を示す概略構成図であるプリンタ100は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー(以下、K、C、M、Yと記す)のトナー像を形成するための四つのプロセスユニット26(K,C,M,Y)を備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のK,C,M,Yトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。
図2は、四つのプロセスユニット26のうちの一つの拡大説明図である。四つのプロセスユニット26は使用するトナーの色が異なる点以外は同様であるため、図2では使用するトナーの色を示す添え字(K,C,M,Y)は省略している。
図2に示すように、プロセスユニット26は、潜像担持体としてのドラム状の感光体24、感光体クリーニング装置83、除電装置及び帯電装置25を保持する感光体ユニット10と、現像ユニット23とを備えている。画像形成ユニットとしてのプロセスユニット26は、プリンタ100本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
帯電装置25は、駆動手段によって図中時計回りに回転駆動される感光体24の表面を一様帯電する。一様帯電された感光体24の表面は、後述する光書込ユニット27が照射するレーザー光Lによって露光走査されて各色用の静電潜像を担持する。この静電潜像は、トナーを用いる現像ユニット23によってトナー像に現像される。そして、中間転写ベルト22上に一次転写される。
感光体クリーニング装置83は、一次転写工程を経た後の感光体24表面に付着している転写残トナーを除去する。また、除電装置は、クリーニング後の感光体24の残留電荷を除電する。この除電により、感光体24の表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像ユニット23は、現像剤としてのトナーを収容する縦長のホッパ部86と、現像部87とを有している。現像剤収容部としてのホッパ部86内には、駆動手段によって回転駆動されるアジテータ88、これの鉛直方向下方で駆動手段によって回転駆動される現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ80などが配設されている。ホッパ部86内のトナーは、アジテータ88の回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ80に向けて移動する。トナー供給ローラ80は、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部86内下側に溜まったトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
現像ユニット23の現像部87内には、感光体24やトナー供給ローラ80に当接しながら回転する現像ローラ81や、これの表面に先端を当接させる薄層化ブレード82などが配設されている。ホッパ部86内のトナー供給ローラ80に付着したトナーは、現像ローラ81とトナー供給ローラ80との当接部で現像ローラ81の表面に供給される。供給されたトナーは、現像ローラ81の回転に伴って現像ローラ81と薄層化ブレード82との当接位置を通過する際に、現像ローラ81表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のトナーは、現像ローラ81と感光体24との当接部である現像領域において、感光体24表面上の静電潜像に付着する。この付着により、静電潜像がトナー像に現像される。
このようなトナー像の形成が、各プロセスユニット26で行われ、各色のトナー像が各プロセスユニット26のそれぞれの感光体24上に形成される。
図1に示すように、四つのプロセスユニット26の鉛直方向上方には、光書込ユニット27が配設されている。潜像書込装置としての光書込ユニット27は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光Lにより、四つのプロセスユニット26におけるそれぞれの感光体24を光走査する。この光走査により、感光体24上に各色用の静電潜像が形成される。かかる構成においては、光書込ユニット27と、四つのプロセスユニット26とにより、四つの感光体24のそれぞれ互いに異なる色の可視像としてのK,C,M,Yトナー像を作像する作像手段として機能している。
光書込ユニット27は、ポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーによって光源から発したレーザー光Lを主走査方向に偏光しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体24に照射するものである。光書込ユニット27としては、LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
四つのプロセスユニット26の鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト22を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動させるベルト装置としての転写ユニット75が配設されている。転写ユニット75は、中間転写ベルト22の他に、駆動ローラ76、テンションローラ20、四つの一次転写ローラ74(K,C,M,Y)、二次転写ローラ21、ベルトクリーニング装置71、クリーニングバックアップローラ72などを備えている。
ベルト部材であり、転写ベルトである中間転写ベルト22は、そのループ内側に配設された駆動ローラ76、テンションローラ20、クリーニングバックアップローラ72及び四つの一次転写ローラ74(K,C,M,Y)によって張架されている。そして、駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ76の回転力により、同方向に無端移動される。
四つの一次転写ローラ74(K,C,M,Y)は、このように無端移動される中間転写ベルト22を感光体24(K,C,M,Y)との間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト22のおもて面と、感光体24(K,C,M,Y)とが当接するK,C,M,Y用の四箇所の一次転写ニップが形成されている。
一次転写ローラ74(K,C,M,Y)には、転写バイアス電源によってそれぞれ一次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体24(K,C,M,Y)の静電潜像と、一次転写ローラ74(K,C,M,Y)との間に転写電界が形成される。なお、一次転写ローラ74に代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
イエロー用プロセスユニット26Yのイエロー用感光体24Y表面に形成されたYトナーは、イエロー用感光体24Yの回転に伴って上述のY用の一次転写ニップに進入する。Y用の一次転写ニップでは、転写電界やニップ圧の作用により、Yトナーは、イエロー用感光体24Y上から中間転写ベルト22上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写された中間転写ベルト22は、その無端移動に伴ってM,C,K用の一次転写ニップを通過する際に、感光体24(M,C,K)上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト22上には四色トナー像が形成される。
転写ユニット75の二次転写ローラ21は、中間転写ベルト22のループ外側に配設されて、ループ内側のテンションローラ20との間に中間転写ベルト22を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト22のおもて面と、二次転写ローラ21とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ21には、転写バイアス電源によって二次転写バイアスが印加される。この印加により、二次転写ローラ21と、アース接続されているテンションローラ20との間には、二次転写電界が形成される。
転写ユニット75の鉛直方向下方には、記録紙を複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット41がプリンタ100の筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット41は、紙束の一番上の記録紙に給紙ローラ42を当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙を給紙路に向けて送り出す。
給紙路の末端付近には、二つのレジストローラから構成されるレジストローラ対43が配設されている。このレジストローラ対43は、給紙カセット41から送り出された記録部材としての記録紙をローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙を上述の二次転写ニップ内で中間転写ベルト22上の四色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙を二次転写ニップに向けて送り出す。
二次転写ニップで記録紙に密着された中間転写ベルト22上の四色トナー像は、二次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙上に一括二次転写され、記録紙の白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙は、二次転写ニップを通過すると、二次転写ローラ21や中間転写ベルト22から曲率分離する。そして、転写後搬送路を経由して、定着手段としての定着装置40に送り込まれる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト22には、記録紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト22のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置71によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト22のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ72は、ベルトクリーニング装置71によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
定着装置40には、ハロゲンランプ等の発熱源45aを内包する定着ローラ45と、定着ローラ45に所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ47とが設けられており、定着ローラ45と加圧ローラ47とによって定着ニップを形成している。定着装置40内に送り込まれた記録紙は、その未定着トナー像担持面を定着ローラ45に密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化されて、フルカラー画像が定着される。
片面プリントモードが設定されている場合には、定着装置40内から排出された記録紙は、そのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー56の上面で構成するスタック部にスタックされる。
プリンタ100の筺体の上カバー56は、図1中の矢印Aで示すように、上カバー軸部材51を中心にして回動自在に支持されており、図1中の反時計回り方向に回転することで、プリンタ100の筺体に対して開いた状態になる。そして、プリンタ100の筺体の上部開口を大きく露出させる。また、光書込ユニット27も上カバー軸部材51を中心に回動自在に支持されており、光書込ユニット27を図1中の反時計回り方向に回転させることで、四つのプロセスユニット26(K,C,M,Y)の上面を露出させることができる。
プロセスユニット26(K,C,M,Y)は、上カバー56および光書込ユニット27を開放して着脱が行われる。具体的には、上カバー56および光書込ユニット27を開放してプロセスユニット26(K,C,M,Y)の上面を露出させた後、プロセスユニット26(K,C,M,Y)を鉛直上方向に引き抜くことにより、本体から取り出される。
着脱頻度高いプロセスユニット26を上カバー56および光書込ユニット27を開放して行うことで、しゃがんだり、腰を曲げたり、かがんだりなどといった無理な姿勢をとることなく、筺体内を上側から眺めながら着脱操作を確認することができる。よって、作業負担を軽減したり、操作ミスの発生を抑えたりすることができる。
また、本実施形態では、感光体ユニット10と現像ユニット23とを備えたプロセスユニット26をプリンタ100本体から着脱可能にしているが、現像ユニット23、感光体ユニット10をそれぞれ別々にプリンタ100本体から着脱可能にしてもよい。
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
図3は、現像ローラ81を駆動する駆動装置110の概略断面図である。
図3に示すように、駆動装置110は、駆動モータ111と、減速ギヤ116とを備えている。減速ギヤ116は、内歯歯車部116aと外歯歯車部116bとを有しており、内歯歯車部116aの内歯に駆動モータ111のモータ軸に形成されたモータギヤ111aが噛み合っている。また、外歯歯車部116bの外歯には、現像ローラ81の軸に継ぎ手を介して接続される現像用駆動軸81aに取り付けられた出力ギヤ118が噛み合っている。
減速ギヤ116は、第1面板112と、第1面板112に対向配置された第2面板113とにカシメ固定された支持軸117に回転自在に支持されている。現像用駆動軸81aは、軸受81bを介して第2面板113に回転自在に支持されている。駆動モータ111は、第1面板112に取り付けられている。第1面板112は、第2面板113に設けられた位置決めピン115に位置決めされている。
モータギヤ111aに噛み合う歯車を内歯歯車とすることで、モータギヤ111aとの噛み合い率が向上し、振動や騒音を抑制することができる。また、モータギヤ111aとの噛み合い部を内歯歯車部116aで覆うことができ、噛み合い騒音を内歯歯車部116aにより遮蔽することができる。また、円筒形状の内歯歯車部116aのモータ側は、開口しているため、そこから、噛み合い騒音が漏れ出る。しかし、本実施形態においては、内歯歯車部116a開口に第1面板112が対向配置されているため、この噛み合い騒音が、第1面板112から装置の外側へ漏れ出すのを抑制することができる。
また、本実施形態においては、減速ギヤ116に内歯歯車部116aを補強するための補強突起116cを設けている。本実施形態では、筒状の内歯歯車部116aと、支持軸117が貫通する取り付け部116dとを連結する軸方向に対して直交する円盤状の連結部116eに補強突起116cが設けられており、連結部116eを補強している。これは、連結部116eが変形すると、内歯歯車部116aとモータギヤ111aとの噛み合いに影響が出て、噛み合い振動が発生したり、歯の異常磨耗が生じたりすることがある。しかし、本実施形態では、補強突起116cにより連結部116eを補強しているので、連結部116eが変形するのを抑制することができ、噛み合い振動や、歯の異常磨耗を抑制することができる。これにより、噛み合い振動により画像にバンディングなどの異常画像が生じたりするのを抑制することができ、高品位な画像を維持することができる。
駆動モータ111の駆動力は、モータ軸のモータギヤ111aを介して、内歯歯車部116aに伝達される。そして、減速ギヤ116の外歯歯車部116bに噛み合う出力ギヤ118に伝達され、現像用駆動軸81aを介して現像ローラ81に伝達され、現像ローラが回転駆動する。
このような、複数の歯車を用いて駆動伝達を行う場合は、各歯車同士の噛み合い部で噛み合い周波数の振動が発生し、その振動により駆動モータ111や面板112,113などが振動し、その振動が騒音となる場合がある。このような、騒音の対策としては、例えば、駆動装置110の周りにヘルムホルツ吸音器を設けることが挙げられる(図11参照)。
また、上記噛み合い部の振動が、例えば、光書込ユニット27に伝播し、書込みユニット27内の光学部品が共振して、バンディングなどの異常画像となる場合もある。このような、異常画像の対策としては、書込みユニット27の光学部品の剛性を変更するなどして、共振しないようにするなどが挙げられる。
また、面板112,113や駆動モータ111などの剛性を高めるなどして、面板112,113や駆動モータ111の共振周波数を、噛み合い周波数と異ならせることで、噛み合い部の振動で、面板や駆動モータが振動するを抑制することも対策として挙げられる。これにより、面板112,113や駆動モータ111の振動による騒音を抑制できる。また、面板112,113を介して、感光体や光書込みユニット27などに振動が伝播するの抑制でき、バンディングなどの異常画像を抑制できる。
内歯歯車部116aと同軸上に外歯歯車部116bを設けた構成のように、2つの歯車が同軸上に配置され、一体的に回転する構成においては、図4に示すように、音1と、音2の2つのピークの騒音が発生した。これは、内歯歯車部116aとモータギヤ111aとの噛み合い部の噛み合い周波数の騒音と、外歯歯車部116bと出力ギヤ118との噛み合い部の噛み合い周波数の騒音である。
この場合、各噛み合い周波数の振動や騒音のそれぞれについて対策を講じる必要がある。例えば、ヘルムホルツ吸音器で騒音を抑制する場合は、駆動装置110の周りに図4の音1の周波数に対応するヘルムホルツ吸音器と、図4の音2の周波数に対応するヘルムホルツ吸音器とをそれぞれ設ける必要があり、装置が大型化するおそれがある。また、噛み合い部の振動による異常画像を抑制するには、例えば、書込みユニット27の光学部品を、複数の噛み合い周波数の全てに対して共振しないように設計する必要が生じ、容易に振動対策を施せない。同様に、面板やモータについても、全ての噛み合い周波数に共振しないようにするのは、困難である。
そこで、図5に示すように出力ギヤ118を、内歯歯車に噛み合わせて、内歯歯車を遊び歯車(アイドラギヤ)として用いることも考えられる。図5に示す構成とすることで、内歯歯車とモータギヤ111aとの噛み合い部の噛み合い周波数と、内歯歯車と出力ギヤ118との噛み合い部の噛み合い周波数とを同じにできる。しかし、かかる構成の場合は、減速比は、モータギヤ111aの歯数と、出力ギヤ118の歯数とで決まるため、高い減速比を得るには、出力ギヤ118の径が大型化してしまい、装置が大型化してしまう。一方、先の図3に示す構成では、内歯歯車部116aとモータギヤ111aとの間の減速比に、出力ギヤ118と外歯歯車部116bとの間の減速比を乗算した値が、最終的な減速比となる。その結果、各歯車の径が小さくても、大きな減速比を得ることができ、装置の大型化を抑制することができる。
また、先の図5に示す構成では、内歯歯車にモータギヤ111aと出力ギヤ118とが噛み合っているため、内歯歯車の歯の摩耗の進行が速く、早期に内歯歯車の寿命となってしまう。
そこで、本実施形態では、モータギヤ111a、内歯歯車部116a、外歯歯車部116b、出力ギヤ118のモジュールなどを調整して、内歯歯車部116aとモータギヤ111aとの噛み合い部の噛み合い周波数と、外歯歯車部116bと出力ギヤ118との噛み合い部の噛み合い周波数との差を100Hz以下とした。
下記表1は、本実施形態の各歯車の歯数、モジュール、回転数、噛み合い周波数などを示したものである。
本実施形態では、表1に示すように各歯車の歯数、モジュール、回転数を調整することで、モータギヤ111aと内歯歯車部116aとの噛み合い周波数と、外歯歯車部116bと出力ギヤ118との噛み合い周波数との差を100Hz以下にすることができた。
図6は、ヘルムホルツ吸音器の吸音効果を示すグラフである。この図6では、1000Hzの周波数を吸音するヘルムホルツ吸音器を用いており、図6(a)、図6(b)に示すように、1000Hz±50Hzの音を、吸音できていることがわかる。このように、ヘルムホルツ吸音器では、100Hzの範囲で、吸音が可能である。従って、本実施形態のように、各噛み合い部の噛み合い周波数の差を100Hz以下とすることで、ひとつのヘルムホルツ吸音器で各噛み合い部の騒音を吸音できる。例えば、本実施形態では、共鳴空間の共振周波数が、286Hz以上383Hz以下のホルヘルツ吸音器を用いることで、各噛み合い部の騒音を吸音することができる。
また、各噛み合い部の噛み合い周波数を互いに近い値にすることができるので、書込みユニット27の光学部品、面板やモータについて、全ての噛み合い周波数に共振しないように、設計するのが容易になる。
本実施形態では、モータを高速で回転させ、内歯歯車部とモータギヤとの噛み合いで大きく減速させる構成であるため、モータギヤと内歯歯車部との噛み合い部が最も振動や騒音が生じやすい。そのため、本実施形態では、内歯歯車部116aとモータギヤ111aのモジュールを、他の歯車のモジュールよりも小さくしている。モジュールを小さくすることで、歯を小さくでき、モータギヤ111aと内歯歯車部との噛み合い率を高めることができる。これにより、モータギヤと内歯歯車部との噛み合い部の振動や騒音を抑えることができる。
また、表1に示すように、噛み合い部を構成する一対の歯車のうち、少なくとも一方の歯数を素数にしている。表1に示すように、本実施形態では、モータギヤ111a、内歯歯車部116a、外歯歯車部116bの歯数を素数にしている。歯数を素数とすることにより、毎回、同じ歯同士が噛み合うのを抑制することができる。製造誤差などにより、歯の形状が微妙に異なり、歯同士の当たり方も、歯の組み合わせで微妙に異なる。毎回、同じ歯同士が噛み合う場合、毎回、同じような当たり方をすることになり、その歯だけ、局所的な摩耗が進行するなどの不具合となる。しかし、歯数を素数にすることにより、毎回、異なる歯同士が噛み合うことなり、各歯を、平均的に摩耗させることができ、歯車の寿命を延ばすことができる。
次に、本実施形態の変形例について、説明する。
[変形例1]
図7は、変形例1の駆動装置110Aの概略断面図である。
この変形例1の駆動装置110Aは、モータギヤ111a、内歯歯車部116a、外歯歯車部116bおよび出力ギヤ118をはす歯としている。はす歯とすることにより、噛み合い率を高めることができ、噛み合い振動や騒音をより一層抑制することができる。また、この変形例1では、内歯歯車部116aのはす歯の捩れ方向を、回転駆動時に生じるスラスト力の向きが、図中矢印F1に示すように、モータ側となるようにするのが好ましい。具体的には、現像ローラ側からモータ軸を軸方向から見て、モータ軸の回転方向が反時計回りのときは、はす歯を右捩れとし、モータ軸の回転方向が時計回りのときは、はす歯を左捩れとするのである。すなわち、はす歯の現像ローラ側が、モータ側よりも回転方向下流側に位置するようにはす歯を捩るのである。これにより、回転駆動時にモータギヤ111aに、現像ローラ側に向うスラスト力が働き、駆動モータ111を、第1面板112に押し付けることができる。これにより、駆動モータ111の姿勢を維持することができ、噛み合い振動などの発生を良好に抑制することができる。
また、外歯歯車部116bのはす歯を、内歯歯車部116aのスラスト力とは反対方向、すなわち、図中矢印F2方向の現像ローラ側にスラスト力が働くような捩れとする。具体的には、外歯歯車部116bのはす歯を、モータギヤ111aと同じ捩れ方向とし、内歯歯車部116aのはす歯のねじれ方向と逆方向にした。これにより、内歯歯車部116aのスラスト力を、外歯歯車部116bのスラスト力で打ち消すことができ、減速ギヤ116が駆動モータ側に移動して、第1面板112に当接しながら回転駆動するのを防止することができる。これにより、減速ギヤ116を良好に回転駆動することで、回転ムラなどが生じることなく、現像ローラを回転駆動させることができる。
また、減速ギヤの外歯歯車部116bが、内周に内歯が形成された筒状部の内歯歯車部116aの外周に形成されている。このように、内歯歯車部116aの外周に外歯歯車部116bを形成することで、先の図3に示す減速ギヤに比べて、減速ギヤを軸方向に短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。
下記表2は、変形例1の駆動装置における各歯車の歯数、モジュール、回転数、噛み合い周波数などを示したものである。
この変形例1の駆動装置においても、外歯歯車部116bが、内歯歯車部116と同軸上に配置され、内歯歯車と一体的に回転する。しかし、表2に示すように、各歯車のモジュールを調整することにより、内歯歯車部116aの歯数と外歯歯車部116bの歯数とを同じすることができた。これにより、モータギヤ111aと内歯歯車部116aとの噛み合い部の噛み合い周波数と、外歯歯車部116bと出力ギヤ118との噛み合い部の噛み合い周波数と同じにできた。
また、各歯車のはす歯のねじれ角は、噛み合い部を構成する一対の歯車のモジュールやこれら歯車の軸間距離に基づいて設定している。装置のレイアウトなどにより、モータの配置位置や現像ローラの配置位置が限られてしまい、各歯車のモジュールを適宜設定して、各噛み合い部の噛み合い周波数の差を100Hz以下にすることができたとしても、各歯車の軸間距離をうまく設定できず、歯を良好に噛み合わせることができない場合がある。その場合、歯車のはす歯のねじれ角を調整することで、各歯車のピッチ間距離を微調整することができ、歯を良好に噛み合わせることができる。すなわち、噛み合い部を構成する一対の歯車のモジュールやこれら歯車の軸間距離に基づいて、歯が良好に噛み合うよう、各歯車のはす歯のねじれ角を設定しているのである。
[変形例2]
図8は、変形例2の駆動装置110Bの概略断面図である。
この変形例2の駆動装置110Bは、減速ギヤ126が、第1内歯歯車部126aと第2内歯歯車部126bとで構成されている。第1内歯歯車部126aは、モータギヤ111aと噛み合っており、第2内歯歯車部126bが出力ギヤ118と噛み合っている。
この変形例2においては、出力ギヤ118と噛み合う歯車を、内歯歯車とすることにより、出力ギヤ118との噛み合い率が向上し、振動や騒音を抑制することができる。また、出力ギヤ118との噛み合い部を第2内歯歯車部126bで覆うことができ、噛み合い騒音を第2内歯歯車部126bにより遮蔽することができる。また、円筒形状の第2内歯歯車部126bの現像ローラ側は、開口しているため、そこから、噛み合い騒音が漏れ出る。しかし、第2内歯歯車部126bの開口に第2面板113が対向配置されているため、この噛み合い騒音が、第2面板113から装置の外側へ漏れ出すのを抑制することができる。
これにより、出力ギヤ118との噛み合う歯車が外歯歯車部の実施形態の駆動装置に比べて、低騒音化を図ることができる。
下記表3は、変形例2の駆動装置における各歯車の歯数、モジュール、回転数、噛み合い周波数などを示したものである。
この変形例2の駆動装置においても、第1内歯歯車部126aと第2内歯歯車部126bとが同軸上に配置されている。しかし、表3に示すように、各歯車のモジュールを調整することにより、モータギヤ111aと第1内歯歯車部126aとの噛み合い部の噛み合い周波数と、第2内歯歯車部126bと出力ギヤ118との噛み合い部の噛み合い周波数との差を100H以下にすることができた。
[変形例3]
図9は、変形例3の駆動装置110Cの概略断面図である。
この変形例3の駆動装置110Cは、減速ギヤ136が、内歯歯車部136aとプーリ部136bとで構成されている。また、現像用駆動軸81aには、出力プーリ138が設けられており、プーリ部136bの歯と、出力プーリ138の歯とに噛み合うように、タイミングベルト137が架け渡されている。
この変形例3では、減速ギヤ136から現像用駆動軸81aへの駆動伝達が、タイミングベルト137を介して、行われているため、モータ111と現像ローラ81との距離が離れていても、少ない部品点数で駆動伝達を行うことができる。
下記表4は、変形例3の駆動装置における各歯車の歯数、モジュール、プーリ歯型、回転数、噛み合い周波数などを示したものである。
この変形例3の構成では、モータギヤ111aと内歯歯車部136aとの噛み合い部、プーリ部136bとタイミングベルト137との噛み合い部、タイミングベルト137と出力プーリ138との噛み合い部の3箇所、噛み合い部が存在する。しかしながら、タイミングベルト137は、遊び歯車の働きをするものであり、プーリ部136bとタイミングベルト137との噛み合い部、タイミングベルト137と出力プーリ138との噛み合い部との噛み合い周波数は、同じとなる。従って、この変形例3の構成においでも、内歯歯車部と同軸上に配置されたプーリ部とタイミングベルトとの噛み合い部の噛み合い周波数が、内歯歯車部とモータギヤ部との噛み合い部の噛み合い周波数と異なってくるおそれがある。
しかし、表4に示すように、各歯車のモジュールや、各プーリのプーリ歯型を調整することで、モータギヤ111aと内歯歯車部136aとの噛み合い部の噛み合い周波数と、各プーリとタイミングベルトとの噛み合い部の噛み合い周波数との差を100H以下にすることができた。
[変形例4]
図10は、変形例4の駆動装置110Cの概略断面図であり、下記表5は、変形例4の駆動装置における各歯車の歯数、モジュール、回転数、噛み合い周波数などを示したものである。
この変形例4では、表5に示すように、外歯歯車部と出力ギヤとの噛み合い部の噛み合い周波数の一次成分を、モータギヤ111aと内歯歯車部116aとの噛み合い部の噛み合い周波数の2次成分に対して、100Hz以下にしたものである。
装置の構成などによっては、騒音レベルが、モータギヤ111aと内歯歯車部116aとの噛み合い部の噛み合い周波数の2次成分が、一次成分よりも高くなる場合がある。なお、噛み合い周波数の一次成分とは、回転数と歯数から算出される噛み合い周波数であり、回転数をn、歯数をZとすると、噛み合い周波数の1次成分は、(Z×n/60)で表すことができる。一方、噛み合い周波数の2次成分は、上記一次成分の2以上の整数倍、もしくは、(1/2以上の整数)の周波数である。通常、噛み合い部の騒音としては、一次成分の噛み合い周波数の騒音となるが、例えば、第1面板や第2面板が、噛み合い周波数の2次成分に共振して、2次成分の方の騒音が大きくなる場合がある。
駆動装置としては、モータを高速で回転させ、駆動伝達部で大きく減速することにより、高トルクを得ることができ好ましく、そのため、モータギヤの歯数は、できるだけ少なくし、内歯歯車部の歯数はできるだけ多くしたい。その結果、モータギヤと内歯歯車部のモジュールが予め決まり、モータギヤと内歯歯車部との噛み合い周波数が決まっている場合もある。その結果、モータギヤと内歯歯車部との噛み合い周波数の2次成分が、面板と共振するからといって、モータギヤと内歯歯車部との噛み合い周波数の2次成分が面板と共振しないモジュールには、容易に変更できない。従って、この場合は、モータギヤと内歯歯車部との噛み合い周波数の2次成分について、騒音対策や振動対策を施すことになる。
よって、この変形例4では、外歯歯車部と出力ギヤとの噛み合い周波数が、モータギヤと内歯歯車部との噛み合い周波数の2次成分となるように、モジュールを設定する。これにより、施されるモータギヤと内歯歯車部との噛み合い周波数の2次成分に対する騒音対策や振動対策で、外歯歯車部と出力ギヤの噛み合い周波数の騒音や振動も抑制することができる。
次に、騒音対策の具体例について、説明する。
図11は、騒音対策の一例について示す概略断面図である。
図11は、吸音装置140を用いて、噛み合い周波数の振動による騒音を吸音して、駆動装置の騒音を抑制するようにしたものである。
図11に示すように、吸音装置140は、第1面板112のモータ側の面と対向するように複数の穴が形成された吸音用面板141と、複数のヘルムホルツ吸音器142とで構成されている。複数のヘルムホルツ吸音器142は、吸音用面板141の穴を設けた位置に設けられている。
ヘルムホルツ吸音器142は、内容量(V)の共鳴空間142bと、その共鳴空間142bを外部空間と連通させるための長さ(L)、断面積(S)の共鳴通路142aとを具備している。このヘルムホルツ吸音器142の共鳴周波数fは、「f=(c/2π)・(S/V・(L+δ))1/2」という式によって表される。Vは共鳴空間142bの内容量、Lは共鳴通路142aの長さ、Sは共鳴通路142aの断面積、cは音速、δは開口端補正値である。開口端補正値δは、共鳴通路の入口近傍での共鳴の影響を補正するものであり、一般的には0.5前後を利用する。
ヘルムホルツ吸音器142の共鳴周波数fは、各噛み合い部の噛み合い周波数のうち最も低い周波数以上、最も高い周波数以下に設定する。具体的には、各噛み合い部の噛み合い周波数が、先の表1の場合は、ヘルムホルツ吸音器142の共鳴周波数fを、286Hz〜383Hzに設定する。また、変形例1の駆動装置の場合、ヘルムホルツ吸音器142の共鳴周波数fを、360Hz前後とする。変形例2の駆動装置の場合は、ヘルムホルツ吸音器142の共鳴周波数fを、300Hz前後とする。変形例3の駆動装置の場合は、ヘルムホルツ吸音器142の共鳴周波数fを、200Hz前後とする。変形例4の駆動装置の場合は、ヘルムホルツ吸音器142の共鳴周波数fを、1100Hz前後とする。
先の図6で説明したように、ヘルムホルツ吸音器142は、設定した吸音周波数に対して±50Hzの音を吸音することができる。
内歯歯車部116aとモータギヤ111aとの噛み合い部の噛み合い周波数と、外歯歯車部116bと出力ギヤ118との噛み合い部の噛み合い周波数との差が100Hzを超える場合、内歯歯車部とモータギヤとの噛み合い部の噛み合い周波数と、外歯歯車部と出力ギヤとの噛み合い部の噛み合い周波数とを良好に抑制するためには、吸音装置140が次の構成となってしまう。すなわち、内歯歯車部116aとモータギヤ111aとの噛み合い部の噛み合い周波数の騒音を吸音するヘルムヘルツ吸音器に重なるように、外歯歯車部116bと出力ギヤ118との噛み合い部の噛み合い周波数の騒音を吸音するヘルムヘルツ吸音器を設けるという構成である。この場合、装置の大型化に繋がってしまう。
また、複数のヘルムホルツ吸音器のうちの半分を、内歯歯車部116aとモータギヤ111aとの噛み合い部の噛み合い周波数の騒音を吸音するヘルムヘルツ吸音器とし、残りの半分を、外歯歯車部と出力ギヤとの噛み合い部の噛み合い周波数の騒音を吸音するヘルムヘルツ吸音器とすることも考えられる。しかしながら、この場合、共鳴周波数が、内歯歯車部とモータギヤとの噛み合い部の噛み合い周波数のヘルムホルツ吸音器に入射した外歯歯車部と出力ギヤとの噛み合い部の噛み合い周波数の騒音は、このヘルムヘルツ吸音器では、吸音できず、その音は騒音として、装置外に出てしまい、十分に低騒音化を達成できない。
しかし、本実施形態では、先の表1〜表5に示すように、各噛み合い部の噛み合い周波数の差を100Hz以下としている。よって、ヘルムホルツ吸音器142の共鳴周波数fを、上述のように設定することで、一つのヘルムホルツ吸音器で、すべての噛み合い部の噛み合い周波数の騒音を吸音することができる。
図12は、騒音対策の他の例について示す概略断面図である。
図12に示すように、駆動モータ111や、第1面板112と第2面板113との間に配置された複数の歯車からなる駆動伝達機構150の周囲を、ヘルムホルツ吸音器で囲っている。具体的には、筒状の樹脂成型品からなるモータ用吸音部材242が、駆動モータ111の周囲を囲うように、第1面板112に取り付けられている。また、筒状の樹脂成型品からなる駆動伝達用吸音部材243が、駆動伝達機構150の周囲を囲うように第1面板112と第2面板113とに取り付けられている。
図13は、モータ用吸音部材242の斜視図である。
図13に示すように、モータ用吸音部材242は、筒形状の樹脂成型品であり、一方が開口した複数の空洞部241aが円周方向に並んで設けられている。この空洞部241aの内周面の開口側には、それぞれ、切り欠き241bが設けられている。また、モータ用吸音部材242の外周には、第1面板112にモータ用吸音部材242をネジ止めするための取り付け部241cが設けられている。
先の図12に示すように、モータ用吸音部材242が、第1面板112に取り付けられることで、空洞部241aと第1面板112とでヘルムホルム吸音器241の共鳴空間が形成される。また、第1面板112と切り欠き241bとで、ヘルムホルム吸音器241の共鳴通路が形成される。これにより、駆動モータ111の周囲を囲うように複数のヘルムホルツ吸音器241が設けられる。
モータ用吸音部材242と第1面板112とで構成された複数のヘルムホルツ吸音器241の共鳴周波数fは、複数の噛み合い部の噛み合い周波数うち、最も低い周波数から最も高い周波数の間に設定する。これにより、噛み合い部で発生した振動により駆動モータが振動して、発生した噛み合い周波数の振動を、駆動モータ111の周囲に配置した複数のヘルムホルツ吸音器241で吸音することができる。
駆動伝達用吸音部材243は、空洞部244aが軸方向に並んで2つ形成されており、モータ側の空洞部244aは、開口が第1面板112により塞がれることで、ヘルムホルム吸音器244の共鳴空間が形成される。モータ側の空洞部の切り欠きと第1面板112とでヘルムホルム吸音器244の共鳴通路が形成される。また、現像ローラ側の空洞部244aは、開口が第2面板113により塞がれることで、ヘルムホルム吸音器244の共鳴空間が形成される。モータ側の空洞部の切り欠きと第2面板113とでヘルムホルム吸音器244の共鳴通路が形成される。これにより、駆動伝達機構150の周囲を囲うように複数のヘルムホルツ吸音器244が設けられる。
駆動伝達用吸音部材243と面板とで構成された複数のヘルムホルツ吸音器244の共鳴周波数fは、複数の噛み合い部の噛み合い周波数うち、最も低い周波数から最も高い周波数の間に設定する。これにより、噛み合い部で発生した噛み合い周波数の騒音を、駆動伝達機構150の周囲に配置した複数のヘルムホルツ吸音器244で吸音することができる。
ヘルムホルツ吸音器は、吸音器に入射した音を吸音するため、音源に対して周囲にヘルツホルツ吸音器を配置するのが効果的である。先の図11に示す構成の吸音装置140で、音源である駆動伝達機構や駆動モータの四方をヘルムホルツ吸音器で囲む場合、吸音装置140が4つ必要であり、部品点数が増加し、コストアップに繋がるおそれがある。
しかしながら、図12に示す構成では、図13に示したモータ用吸音部材242を面板に取り付けるだけで、音源の四方をヘルムホルツ吸音器で囲むことができ、先の図11に示した吸音装置に比べて部品点数を少なくすることができる。これにより、装置のコストダウンを図ることができる。
図14は、騒音対策のさらに他の例について示す概略断面図である。
この図14では、駆動モータ111や駆動伝達機構150の周囲をラビリンス構造として、騒音を抑制するものである。
図14に示すように、駆動モータ111を覆うカバー部材151が設けられている。このカバー部材151の端部151bは、第1面板側に折り曲げられており、先端が、第1面板112に対して所定の間隔を開けて対向している。また、このカバー部材151には、第1面板側に伸びる第1モータ側リブ151aが設けられている。この第1モータ側リブ151aと、カバー部材の端部151bとの間には、第1面板112からカバー部材151に向けて延びる第2モータ側リブ112bが設けられている。少なくとも第2モータ側リブ112bの先端は、カバー部材の端部151bおよび第1モータ側リブ151aと対向している。これにより、カバー部材151の内部から外部へ連通する気体の経路が、複数回迂回するラビリンス経路となる。
各噛み合い部で発生した振動により駆動モータが振動して発生した騒音が、カバー部材により遮蔽される。また、図中上下方向に向った騒音は、第1、第2モータ側リブ151a,112bによりそれぞれ回折されて漏れることなる。音は回折する度に減衰するため、カバー部材の端部151bと第1面板112との隙間から漏れ出すときには、十分に減衰されており、ユーザーにとって耳障りな騒音となるのを抑制できる。また、駆動モータの熱は、このラビリンス経路を通って外部へ逃がすことができ、駆動装置周辺が高温化するのを抑制することができる。
また、第1面板112の第2面板113との対向面には、第1伝達機構側リブ121aが設けられている。第2面板113の第1面板112との対向面には、モータ側に延びる第2伝達機構側リブ113aが設けている。第2伝達機構側リブ113aは、第1伝達機構側リブ112aよりも外側に設けられており、少なくとも先端が第1伝達機構側リブ112aと対向している。これにより、駆動伝達機構150から外部へ連通する経路が、1回迂回するラビリンス経路となる。よって、第1伝達機構側リブ121aや第2伝達機構側リブ113aにより回折されて音が漏れ出すことになるため、漏れ出す音を十分に減衰させることができる。
かかるラビリンス構造においては、高周波の音を良好に減衰することができる。これは、低周波の音は、高周波に比べて回折による減衰効果が低いためである。同軸上に設けた歯車の一方の噛み合い周波数が高周波で、他方が低周波の場合は、ラビリンス構造で騒音対策した場合、他方の歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の騒音を抑制できない。しかし、本実施形態では、噛み合い周波数が高周波の一方の歯車の噛み合い部の噛み合い周波数を基準にして、各歯車のモジュールなどを調整して、各噛み合い部の噛み合い周波数の差を100Hz以下にすれば、全ての噛み合い部の噛み合い周波数を高周波にすることができ、ラビリンス構造とするだけで、すべての噛み合い部の噛み合い周波数を良好に抑制できる。
ラビリンス構造による騒音対策は、高周波の音に対して有効であるため、変形例4で説明したように、モータギヤ111aと内歯歯車部116aとの噛み合い部の噛み合い周波数の整数倍の2次成分の騒音レベルが最も高く、他の噛み合い部の噛み合い周波数を、この2次成分の噛み合い周波数となるようにモジュールを調整した場合に有効な騒音対策である。
また、上述では、駆動装置が駆動する被駆動伝達部材が、現像ローラである場合について説明したが、駆動装置が駆動する被駆動伝達部材は、感光体などでもよい。
以上に説明したものは一例であり、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
駆動モータ111と、複数の歯車(本実施形態では、モータギヤ111a、内歯歯車部116a、外歯歯車部116bおよび出力ギヤ118)とを備え、前記複数の歯車のうちの少なくともひとつが、他の歯車と同軸上に配置(本実施形態では、内歯歯車部116aと外歯歯車部116bとを同軸上に配置)された駆動装置において、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の差を、100Hz以下にした。
本出願人は、実施形態で説明したように、特許文献1に記載の駆動装置において、互いに異なる周波数の騒音が生じる原因について調べたところ、同軸上に設けた各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数が互いに異なっており、それらが互いに異なる周波数の騒音の原因であることがわかった。これは、噛み合い周波数は、歯車の歯数と、回転数で決まり、噛み合い部を構成する一対の歯車の一方の歯車の歯数と回転数とで噛み合い周波数を算出しても、他方の歯車の歯数と回転数とで噛み合い周波数を算出しても、同じ値となる。よって、すべての歯車が同軸上にない、すなわち、モータのモータギヤから現像ローラなどの被駆動伝達部材に駆動力を出力する出力ギヤまでの間の歯車が、すべて遊び歯車の場合は、各噛み合い部の噛み合い周波数は、すべて同じとなる。しかしながら、同軸上に設けた複数の歯車においては、歯数が互いに異なると、噛み合い周波数が異なってくる。よって、同軸上に複数の歯車を設けた構成においては、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数が互いに異なる場合があるのである。
そこで(態様1)では、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の差を、100Hz以下とし、各歯車の噛み合い部で発生した振動や、その振動により発生する騒音の周波数の差を100Hz以下にした。
騒音の対策として用いる吸音手段は、100Hz程度の範囲の音を吸音することができる。例えば、吸音手段としてのヘルムホルツ吸音器は、先の図6に示したように、100Hzの範囲の音(狙いの共鳴周波数に対して±50Hz)を、吸音することができる。従って、吸音する狙いの周波数が、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数のうち最も低い周波数と最も高い周波数との間に設定されたヘルムホルツ吸音器を設けるだけで、各歯車の噛み合い部の振動により発生したすべての騒音を吸音することができる。
このように、所定の対策をひとつ行えば、すべての噛み合い部の噛み合い周波数の振動により発生する騒音を抑制することができ、各噛み合い部の噛み合い周波数ひとつひとつに対して、所定の騒音の対策を施す場合に比べて、簡単に騒音の対策を施すことができる。これにより、容易に低騒音化を実現することができる。
(態様2)
(態様1)において、複数の噛み合い部のうちのひとつを基準の噛み合い部(本実施形態では、モータギヤ111aと内歯歯車部116aとの噛み合い部を基準の噛み合い部とした。)とし、前記基準の噛み合い部の噛み合い周波数の整数倍、あるいは、(1/整数)倍の周波数の複数の音成分のうち、最も音レベルの大きい音成分の周波数に対するその他の噛み合い部の噛み合い周波数の差を100Hz以下とした。
これによれば、変形例4で説明したように、基準の噛み合い部の噛み合い周波数の成分(一次成分、2次成分)のうち、最も音レベルの大きい成分に対するその他の噛み合い部の噛み合い周波数の差を100Hz以下とすることで、効果的に、装置の騒音を抑制することができる。
(態様3)
(態様2)において、基準の噛み合い部が、駆動モータ111のモータギヤ111aと、そのモータギヤに噛み合う歯車(本実施形態では、内歯歯車部116a)との噛み合い部である。
これによれば、変形例4で説明したように、モータギヤ111aと、そのモータギヤに噛み合う歯車(本実施形態では、内歯歯車部116a)との噛み合い部を、基準の噛み合い部とすることで、モータギヤ111aとモータギヤに噛み合う歯車とを、他の噛み合い部の噛み合い周波数に合わせるためではなく、高トルクが得られような構成にすることができる。すなわち、モータギヤの歯数をできるだけ少なくし、そのモータギヤに噛み合う歯車(本実施形態では、内歯歯車部116a)の歯数をできるだけ多くする構成である。そして、他の歯車について、噛み合い部の噛み合い周波数を、基準の噛み合い部の噛み合い周波数に合わせることで、高トルク、かつ、騒音対策を容易に施すことができる駆動装置を提供することが可能となる。
(態様4)
(態様1)乃至(態様3)いずれかににおいて、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の差が、100Hz以下となるよう、各歯車のモジュールを設定した。
各歯車のモジュールを調整することにより、噛み合い部の噛み合い周波数の差を、100Hz以下にすることができる。
(態様5)
(態様1)乃至(態様4)いずれかににおいて、複数の歯車を、はす歯歯車とした
これによれば、実施形態で説明したように、噛み合い率を高めることができ、噛み合い部での振動や騒音を抑制することができる。
(態様6)
(態様5)において、噛み合い部を構成する一対の歯車のモジュールと、軸間距離とに基づいて、はす歯のねじれ角を設定した。
これによれば、変形例1で説明したように、ねじれ角により歯車のピッチ円直径を微調整することができる。従って、噛み合い部を構成する一対の歯車のモジュールと、軸間距離とに基づいて、はす歯のねじれ角を設定することにより、良好に歯を噛み合せることができる。
(態様7)
(態様1)乃至(態様6)いずれかにおいて、噛み合い部を構成する一対の歯車のうち、少なくとも一方の歯数を素数にした。
これによれば、実施形態で説明したように、毎回、同じ歯同士が噛み合うのを抑制することができ、各歯を、平均的に摩耗させることができる。これにより、歯車の寿命を延ばすことができる。
(態様8)
(態様1)乃至(態様7)いずれかにおいて、駆動モータのモータギヤと、モータギヤに噛み合う歯車のモジュールを、他の歯車のモジュールより小さくした。
実施形態で説明したように、駆動モータを高速で回転させ、モータギヤと噛み合う歯車との噛み合いで大きく減速させる構成であるため、モータギヤとの噛み合い部が最も振動や騒音が生じやすい。
そのため、(態様8)では、モータギヤ111aと噛み合う歯車のモジュールを他の歯車よりも小さくすることにより、歯を小さくすることができ、モータギヤの噛み合い率を向上させることができる。これにより、モータギヤとの噛み合い部の騒音・振動の発生を抑制することができ、効果的に装置の騒音や振動を抑制することができる。
(態様9)
(態様1)乃至(態様8)いずれかにおいて、駆動モータ111のモータギヤ111aと噛み合う歯車を内歯歯車部116aなどの内歯歯車とした。
実施形態で説明したように、駆動モータを高速で回転させ、モータギヤと噛み合う歯車との噛み合いで大きく減速させる構成であるため、モータギヤとの噛み合い部が最も振動や騒音が生じやすい。
そのため、(態様8)では、モータギヤ111aと噛み合う歯車を内歯歯車部116aとすることにより、モータギヤとの噛み合い率を外歯歯車部を用いた場合に比べて、高めることができ、噛み合い部の騒音・振動の発生を抑制することができる。また、噛み合い部を内歯歯車により覆うことができ、噛み合い部で発生した騒音が外に漏れ出すのを抑制することができる。これにより、モータギヤとの噛み合い部の振動や騒音を抑制することができ、効果的に装置の騒音や振動を抑制することができる。
(態様10)
(態様9)において、前記内歯歯車に補強突起を設けた。
内歯歯車は、円筒の内周に歯を形成した形状のため、円柱の外周に歯を形成した外歯歯車部に比べて剛性が弱い。
そのため、(態様9)では、補強突起を設けて、内歯歯車を補強することにより、内歯歯車を補強することで、内歯歯車の剛性お高めることができる。これにより、モータギヤ111aから駆動力を伝達される際に、内歯歯車が変形するのを抑制することができる。これにより、歯の異常摩耗や噛み合い振動が発生するのを抑制することができる。
(態様11)
(態様9)または(態様10)において、内歯歯車の内歯を、駆動モータ側と反対側が、モータ側よりもモータギヤの回転方向下流側に位置するように捩れたはす歯とした。
これによれば、実施形態で説明したように、モータギヤに駆動モータ側と反対側に向うスラスト力が発生し、駆動モータ111をモータ保持面板114などの駆動モータを位置決めする部材に押し付けることができる。これにより、駆動モータ111の姿勢を維持することができ、噛み合い振動などの発生を良好に抑制することができる。
(態様12)
(態様9)乃至(態様11)いずれかにおいて、前記内歯歯車は、内周面に内歯が形成された筒状部を有し、該筒状部の外周面に駆動伝達部を形成した。
これによれば、変形例1で説明したように、内歯歯車部と外歯歯車部とを軸方向に並べて配置した場合に比べて、減速ギヤ116を軸方向に短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。
(態様13)
(態様1)乃至(態様12)いずれかにおいて、前記同軸上に設けられた2つの歯車(本実施形態では、内歯歯車部116aと外歯歯車部116b)が、減速ギヤ116などの同一の部材から一体的に形成されており、同一の部材から一体的に形成された2つの歯車を、ねじれ方向が互いに異なるはす歯歯車とした。
これによれば、はす歯とすることにより、上述したように噛み合い率を高めることができ、同一の部材から一体的に形成された2つの歯車の噛み合い部の振動や騒音を抑制することできる。
また、変形例1で説明したように、同一の部材から一体的に形成された一方のはす歯歯車のスラスト力を、他方にはす歯歯車のスラスト力で打ち消すことができる。これにより、減速ギヤ116などの2つの歯車が一体成形された部材が駆動モータまたは現像ローラ側に移動して、いずれか一方の面板に当接しながら回転駆動するのを防止することができる。これにより、減速ギヤ116などの2つの歯車が一体成形された部材を良好に回転駆動することが、回転ムラなどが生じることなく、現像ローラなどの被駆動伝達部材を回転駆動させることができる。
(態様14)
(態様1)乃至(態様13)いずれかにおいて、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の騒音を吸音する吸音装置140を備えた。
これによれば、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の差を100Hz以下にしているので、吸音装置140が吸音する周波数を、各各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数のうち最も低い周波数以上、最も高い周波数以下に設定することにより、各噛み合い部の騒音を、吸音装置140で吸音することができる。
(態様15)
(態様14)において、吸音装置140は、所定の共振周波数で共鳴するための共鳴空間、及び前記共鳴空間の外から中に前記騒音を導くために前記共鳴空間に連通する共鳴通路を具備するヘルムホルツ吸音器などの共鳴器である。
これによれば、空洞状の共鳴空間と、共鳴空間に連通する穴とを形成するだけで、吸音装置140を構成することができ、簡単な構成で、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の騒音を吸音することができる。
また、100Hzの範囲で吸音することができ、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の差を100Hz以下とすることで、ヘルムホルツ吸音器などのひとつの共鳴器で各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の騒音を吸音することができる。
(態様16)
駆動モータ111の駆動力が伝達される被駆動伝達部材が、現像ローラ81である。
これによれば、騒音を抑制して現像ローラ81を駆動することができる。
(態様17)
駆動モータ111の駆動力が伝達される被駆動伝達部材が、感光体24である。
これによれば、騒音を抑制して感光体24を駆動することができる。
(態様18)
画像形成装置において、(態様1)乃至(態様17)いずれかに記載の駆動装置を備える。
これによれば、駆動装置の噛み合い部の振動や騒音を簡単に抑制でき、装置の静音化やバンディングなどの異常画像を簡単に抑制することができる。
10:感光体ユニット
21:二次転写ローラ
22:中間転写ベルト
23:現像ユニット
24:感光体
24a:感光体用駆動軸
81:現像ローラ
81a:現像用駆動軸
110:駆動装置
111:駆動モータ
111a:モータギヤ
112:第1面板
112a:第1伝達機構側リブ
112b:第2駆動側リブ
113:第2面板
113b:第2伝達機構側リブ
115:位置決めピン
116 減速ギヤ
116a:内歯歯車部
116b:外歯歯車部
116c:補強突起
116e:連結部
117:支持軸
118:出力ギヤ
126:減速ギヤ
126a:第1内歯歯車部
126b:第2内歯歯車部
136:減速ギヤ
136a:内歯歯車部
136b:プーリ部
137:タイミングベルト
138:出力プーリ
140:吸音装置
142,241,244:ヘルムホルツ吸音器
142a:共鳴通路
142b:共鳴空間
150:駆動伝達機構
151:カバー部材
151a:第1モータ側リブ
151b:カバー部材の端部
242:モータ用吸音部材
241a,244a:空洞部
241b,244b:切り欠き部
243:駆動伝達用吸音部材
特開2014−111983号公報
近年、装置の低騒音化が求められており、各歯車の噛み合い箇所で発生する振動や、その振動により発生する騒音の対策が求められている
上記課題を解決するために、本発明は、駆動源と、前記駆動源に設けられた駆動ギヤと、前記駆動ギヤと駆動的に連結される第一駆動伝達体と、前記第一駆動伝達体と駆動的に連結されるとともに、被駆動体に駆動的に連結される第二駆動伝達体とからなる駆動装置において、前記駆動ギヤは、外歯部を有しており、前記第一駆動伝達体は、第一伝達部と第二伝達部とを備え、前記第一伝達部は、その内周に前記外歯部と噛み合う内歯部を有しており、前記第二伝達部と前記第二駆動伝達体の間には無端状部材が懸架されていることを特徴とするものである。
以上に説明したものは一例であり、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
上記特許文献1に記載の駆動装置の場合、周波数が互いに異なる複数の騒音が発生した。その結果、互いに異なる周波数の振動や騒音に対して、それぞれ対策を施す必要が生じ、騒音の対策が複雑化し、容易に低静音化を実現できないという課題があった。
そこで、態様1は、駆動モータ111と、複数の歯車(本実施形態では、モータギヤ111a、内歯歯車部116a、外歯歯車部116bおよび出力ギヤ118)とを備え、前記複数の歯車のうちの少なくともひとつが、他の歯車と同軸上に配置(本実施形態では、内歯歯車部116aと外歯歯車部116bとを同軸上に配置)された駆動装置において、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の差を、100Hz以下にした。
本出願人は、実施形態で説明したように、特許文献1に記載の駆動装置において、互いに異なる周波数の騒音が生じる原因について調べたところ、同軸上に設けた各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数が互いに異なっており、それらが互いに異なる周波数の騒音の原因であることがわかった。これは、噛み合い周波数は、歯車の歯数と、回転数で決まり、噛み合い部を構成する一対の歯車の一方の歯車の歯数と回転数とで噛み合い周波数を算出しても、他方の歯車の歯数と回転数とで噛み合い周波数を算出しても、同じ値となる。よって、すべての歯車が同軸上にない、すなわち、モータのモータギヤから現像ローラなどの被駆動伝達部材に駆動力を出力する出力ギヤまでの間の歯車が、すべて遊び歯車の場合は、各噛み合い部の噛み合い周波数は、すべて同じとなる。しかしながら、同軸上に設けた複数の歯車においては、歯数が互いに異なると、噛み合い周波数が異なってくる。よって、同軸上に複数の歯車を設けた構成においては、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数が互いに異なる場合があるのである。
そこで(態様1)では、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の差を、100Hz以下とし、各歯車の噛み合い部で発生した振動や、その振動により発生する騒音の周波数の差を100Hz以下にした。
騒音の対策として用いる吸音手段は、100Hz程度の範囲の音を吸音することができる。例えば、吸音手段としてのヘルムホルツ吸音器は、先の図6に示したように、100Hzの範囲の音(狙いの共鳴周波数に対して±50Hz)を、吸音することができる。従って、吸音する狙いの周波数が、各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数のうち最も低い周波数と最も高い周波数との間に設定されたヘルムホルツ吸音器を設けるだけで、各歯車の噛み合い部の振動により発生したすべての騒音を吸音することができる。
このように、所定の対策をひとつ行えば、すべての噛み合い部の噛み合い周波数の振動により発生する騒音を抑制することができ、各噛み合い部の噛み合い周波数ひとつひとつに対して、所定の騒音の対策を施す場合に比べて、簡単に騒音の対策を施すことができる。これにより、容易に低騒音化を実現することができる。

Claims (18)

  1. 駆動モータと、複数の歯車とを備え、
    前記複数の歯車のうちの少なくともひとつが、前記複数の歯車のうちの他の歯車と同軸上に配置された駆動装置において、
    各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の差を、100Hz以下にしたことを特徴とする駆動装置。
  2. 請求項1に記載の駆動装置において、
    複数の噛み合い部のうちのひとつを基準の噛み合い部とし、
    前記基準の噛み合い部の噛み合い周波数の整数倍、あるいは、(1/整数)倍の周波数の音成分のうち、最も音レベルの大きい音成分の周波数に対するその他の噛み合い部の噛み合い周波数の差を100Hz以下としたことを特徴とする駆動装置。
  3. 請求項2に記載の駆動装置において、
    前記基準の噛み合い部が、前記駆動モータのモータギヤと、そのモータギヤに噛み合う歯車との噛み合い部であることを特徴とする駆動装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかに記載の駆動装置において、
    各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の差が100Hz以下となるよう、各歯車のモジュールを設定したことを特徴とする駆動装置。
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載の駆動装置において、
    複数の歯車を、はす歯歯車としたことを特徴とする駆動装置。
  6. 請求項5に記載の駆動装置において、
    噛み合い部を構成する一対の歯車のモジュールと、軸間距離とに基づいて、はす歯のねじれ角を設定したことを特徴とする駆動装置。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載の駆動装置において、
    噛み合い部を構成する一対の歯車のうち、少なくとも一方の歯数を素数にしたことを特徴とする駆動装置。
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載の駆動装置において、
    前記駆動モータのモータギヤと、前記モータギヤに噛み合う歯車のモジュールとを、他の歯車のモジュールより小さくしたことを特徴とする駆動装置。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の駆動装置において、
    前記駆動モータのモータギヤと噛み合う歯車を内歯歯車としたことを特徴とする駆動装置。
  10. 請求項9に記載の駆動装置において、
    前記内歯歯車に補強突起を設けたことを特徴とする駆動装置。
  11. 請求項9または10いずれかに記載の駆動装置において、
    前記内歯歯車の内歯を、前記駆動モータ側と反対側が、モータ側よりも前記モータギヤの回転方向下流側に位置するように捩れたはす歯としたことを特徴とする駆動装置。
  12. 請求項9乃至11いずれかに記載の駆動装置において、
    前記内歯歯車は、内周面に内歯が形成された筒状部を有し、該筒状部の外周面に駆動伝達部を形成したことを特徴とする駆動装置。
  13. 請求項1乃至12いずれかに記載の駆動装置において、
    前記同軸上に設けられた2つの歯車が、同一の部材から一体的に形成されており、
    同一の部材から一体的に形成された2つの歯車を、ねじれ方向が互いに異なるはす歯歯車としたことを特徴とする駆動装置。
  14. 請求項1乃至13いずれかに記載の駆動装置において、
    各歯車の噛み合い部の噛み合い周波数の騒音を吸音する吸音装置を備えたことを特徴とする駆動装置。
  15. 請求項14に記載の駆動装置において、
    前記吸音装置は、所定の共振周波数で共鳴するための共鳴空間、及び前記共鳴空間の外から中に前記騒音を導くために前記共鳴空間に連通する共鳴通路を具備する共鳴器であることを特徴とする駆動装置。
  16. 請求項1乃至15いずれかに記載の駆動装置において、
    前記駆動モータの駆動力が伝達される被駆動伝達部材が、現像ローラであることを特徴とする駆動装置。
  17. 請求項1乃至15いずれかに記載の駆動装置において、
    前記駆動モータの駆動力が伝達される被駆動伝達部材が、感光体であることを特徴とする駆動装置。
  18. 請求項1乃至17いずれかに記載の駆動装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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