JP2020075341A - 工作機械主軸の冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】エア供給装置が故障した場合でも、主軸に熱変形などの悪影響を及ぼさない工作機械主軸の冷却構造を提供する。【解決手段】主軸2の冷却構造4はハウジング3に設けられた固定側冷却液流路21a,21b,21gと、主軸に設けられた回転側冷却液流路21d、21e,21fと、固定側冷却液流路端と回転側冷却液流路端との間の冷却液受け渡し部22,23と、冷却液受け渡し部からの冷却液の漏出を防止するエアシール25,26と、エアシールにエアを供給するエア供給装置27と、ハウジングに設けられて冷却液受け渡し部近傍の温度を測定する温度センサ28,29と、温度センサが測定する温度に基づいて制御を行う制御部とを備えている。制御部は、温度が閾値を超えた際に、主軸の回転および冷却液の供給を停止させるとともに、主軸外周面とハウジング内周面との間に形成された隙間に一定時間エアを供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、離間した複数の軸受によって回転可能に支持された主軸を有する工作機械における主軸の冷却構造に関する。
マシニングセンタなどの工作機械では、近年の主軸のさらなる高速回転化への対応として、主軸を冷却する技術が発展してきている。主軸冷却技術は、軸受や電動機ロータの熱が逃げにくい主軸を効果的に冷却できるため、主軸の熱膨張低減効果が大きく、ワークの加工精度が向上する。この主軸冷却では回転部材側の冷却液流路と固定部材側の冷却液流路との間で冷却液漏出を防止する必要があり、これには、一般的にエアシールが用いられている。エアシールは、固定部材と回転部材との間にエアを供給することで外部からの切削液・塵などの侵入を防止する用途で広く利用されている。主軸冷却とエアシールを用いた技術は、特許文献1に記載されているように、主軸に冷却液流路を設けて、固定部材(ハウジングなど)に設けられた固定側冷却液流路と回転部材(主軸など)に設けられた回転側冷却液流路との接続部に設けられた冷却液受け渡し部を挟むようにして隙間にエアを供給することで冷却液の漏出を防止するものが知られている。
特開2000−288870号公報
上記の特許文献1においては、コンプレッサなどのエア供給装置の異常などにより、適切なエアが供給されなければ冷却液が漏れる恐れがある。エア供給装置の異常を検知し、主軸の回転を停止させることは可能であるが、主軸の冷却液流路内に冷却液が残存する場合は、回転部材と固定部材との隙間に冷却液が入り込んで滞留する恐れがある。あるいは、冷却液を供給するポンプの故障などにより冷却液供給圧がシールのエア圧より過大となった場合にも冷却液が漏れ、回転部材と固定部材との隙間に冷却液が入り込んで滞留する恐れもある。回転部材と固定部材との隙間に冷却液が入り込んで滞留した状態のまま主軸を回転させると、主軸がせん断応力により発熱し、熱変形で加工精度が悪くなるなどの課題がある。
この発明の目的は、冷却液が主軸外周面とハウジング内周面との隙間に滞留した場合でも、主軸に熱変形などの悪影響を及ぼさない工作機械主軸の冷却構造を提供することにある。
この発明の工作機械主軸の冷却構造は、主軸と、主軸を軸受を介して回転可能に支持するハウジングとを備えた工作機械に設けられる主軸の冷却構造であって、ハウジングに設けられた固定側冷却液流路と、主軸に設けられた回転側冷却液流路と、固定側冷却液流路に冷却液を供給する冷却液供給装置と、固定側冷却液流路端と回転側冷却液流路端との間の冷却液受け渡し部と、主軸外周面とハウジング内周面との間に形成された隙間を介してエアを冷却液受け渡し部の軸方向に平行な両側から吹き付けることで冷却液受け渡し部からの冷却液の漏出を防止するエアシールと、エアシールにエアを供給するエア供給装置と、ハウジングに設けられて冷却液受け渡し部近傍の温度を測定する温度センサと、温度センサが測定する温度に基づいて、主軸の回転、冷却液の供給およびエアの供給の制御を行う制御部とを備えており、制御部は、温度が閾値を超えた際に、主軸の回転および冷却液の供給を停止させるとともに、主軸外周面とハウジング内周面との間に形成された前記隙間に一定時間エアを供給することを特徴とするものである。
ハウジングは、例えば、ハウジング本体と、ハウジング本体とは別部材とされてハウジング本体に固定された1または複数の流路形成部材とからなるものとされて、ハウジング本体および流路形成部材に、冷却用の冷却液流路およびエアシール用のエア流路がそれぞれ設けられることがある。
適切な冷却が行われている場合、温度センサによって得られる温度は、閾値を超えることはない。ここで、例えばエア供給装置が故障すると、冷却液受け渡し部にエアが吹き付けられないことから、冷却液受け渡し部の冷却液が主軸外周面とハウジング内周面との隙間に滞留することがある。この場合、その状態のまま主軸を回転させると、主軸がせん断応力により発熱し、熱変形で加工精度が悪くなるなどの問題が生じる。この発明の工作機械主軸の冷却構造によると、温度センサによって得られる温度が閾値を超えた際に、主軸の回転および冷却液の供給を停止させるとともに、エア供給装置復帰後に主軸とハウジングとの隙間に一定時間エアを供給することにより、該隙間に滞留した冷却液は、エアによって吹き飛ばされ、主軸の発熱要因が取り除かれる。
前記閾値は、例えば、主軸の正常時の発熱(主軸の回転数が増加することに伴う発熱)に対応する温度の最大値を若干超えた値に設定すればよいが、主軸回転数に応じて設定されることがより好ましい。
閾値が主軸回転数に応じた値として設定されることにより、回転数が上がることに伴って発熱した場合にせん断応力による発熱と誤って判定することを防止することができる。具体的には、主軸回転数が相対的に高い場合には、閾値は高いものとされ、主軸回転数が相対的に低い場合には、閾値も低いものとされる。このようにすることで、主軸回転数に応じた適切な閾値で回転部材と固定部材との隙間に冷却液が入り込んで滞留した状態が解消され、主軸に悪影響が及ばないようにできる。
温度が閾値を超えた際のエア供給は、エアシールにエアを供給する前記エア供給装置によって行われることが好ましい。
また、温度が閾値を超えた際のエア供給は、エアシールにエアを供給するのと同様に、軸方向に平行な両側から吹き付けるようにしてもよいが、冷却液受け渡し部の片側のみから行うようにしてもよい。後者の場合、滞留した冷却液は、エアの流れる方向によりスムーズに排出される。
この発明の工作機械主軸の冷却構造によると、温度センサによって得られる温度が閾値を超えた際に、主軸の回転および冷却液の供給を停止させるとともに、主軸とハウジングとの隙間に一定時間エアを供給することにより、主軸外周面とハウジング内周面との隙間に滞留した冷却液は、エアによって吹き飛ばされ、主軸の発熱要因が取り除かれる。こうして、冷却液が主軸外周面とハウジング内周面との隙間に滞留した場合でも、主軸に熱変形などの悪影響を及ぼさないものとできる。
図1は、この発明の工作機械主軸の冷却構造を示す縦断面図および回路図である。 図2は、制御部における制御のステップを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態例について、図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明において、図1の左側を前側、図1の右側を後側というものとする。
図1に、この発明の主軸の冷却構造を備えた工作機械の主軸装置の断面図および回路図を示す。
主軸装置(1)は、回転部材である主軸(2)と、固定部材であるハウジング(3)と、主軸(2)を冷却する主軸の冷却構造(4)とを備えている。
主軸(2)は、横形に配置されており、主軸(2)は、前端に工具を装着するためのテーパ孔(2a)を有し、その前側部分が前側の1対の軸受(5)(6)および後側の1対の軸受(7)(8)によってハウジング(3)に回転可能に支持されている。
ハウジング(3)は、ハウジング本体(9)と、ハウジング本体(9)とは別部材とされてハウジング本体(9)の前端に固定された前側流路形成部材(10)と、ハウジング本体(9)とは別部材とされて軸受(5)(6)(7)(8)を介して前側流路形成部材(10)に後側から対向するようにハウジング本体(9)に固定された後側流路形成部材(11)とからなる。
軸受(5)(6)(7)(8)の外輪(5a)(6a)(7a)(8a)間には、外輪間座(12)が配されており、軸受(5)(6)(7)(8)の内輪(5b)(6b)(7b)(8b)間には、内輪間座(13)が配されている。
後端にある軸受(8)の外輪(8a)は、ハウジング本体(9)に設けられた径方向内向きの突出部(9a)の前面で受けられており、前端にある軸受(5)の外輪(5a)は、ハウジング本体(9)前端部にボルト(図示略)で固定された前側流路形成部材(10)によって保持されている。
前端にある軸受(5)の内輪(5b)は、主軸(2)に設けられた径方向外向きの突出部(2b)の後面で受けられており、後端にある軸受(8)の内輪(8b)は、主軸(2)にねじ合わされたナット(14)によって保持されている。
冷却構造(4)は、固定部材であるハウジング(3)と回転部材である主軸(2)との間で冷却液を受け渡して主軸(2)を冷却するもので、後端の軸受(8)の後側から冷却液を供給して、前端の軸受(5)の前側から排出して回収するようになされている。
冷却構造(4)は、冷却液流路(21)として、ハウジング本体(9)に設けられた第1流入路(21a)と、第1流入路(21a)に連なるように後側流路形成部材(11)に設けられた第2流入路(21b)と、前側流路形成部材(10)に設けられた流出路(21c)と、軸方向に平行に前後にのびるように主軸(2)に設けられた主軸内軸方向流路(21d)と、主軸内軸方向流路(21d)に連なり、かつ流出路(21c)の開口に臨まされた主軸内径方向流路(21e)とを有している。主軸内軸方向流路(21d)および主軸内径方向流路(21e)は、周方向に等間隔で4つ設けられている。
冷却構造(4)は、冷却液流路(21)として、さらに、全ての主軸内軸方向流路(21d)の後端部に連通するように主軸(2)に設けられ、かつ各第2流入路(21b)の開口部が連通可能に臨まされた主軸内環状流路(21f)と、全ての流出路(21c)の径方向内側の開口部に連通するように前側流路形成部材(10)に設けられ、かつ各主軸内径方向流路(11e)の径方向外向きの開口が連通可能に臨まされた前側流路形成部材内環状流路(21g)とを有している。
第1流入路(21a)、第2流入路(21b)、流出路(21c)および前側流路形成部材内環状流路(21g)が固定側冷却液流路を構成し、主軸内軸方向流路(21d)、主軸内径方向流路(21e)および主軸内環状流路(21f)が回転側冷却液流路を構成している。
そして、固定側冷却液流路である第2流入路(21b)と回転側冷却液流路である主軸内環状流路(21f)との接続部が後側の冷却液受け渡し部(22)とされるとともに、回転側冷却液流路である主軸内径方向流路(21e)と固定側冷却液流路である前側流路形成部材内環状流路(21g)との間が前側の冷却液受け渡し部(23)とされて、第1流入路(21a)から流入した冷却液は、まず、第2流入路(21b)に流入し、後側の冷却液受け渡し部(22)から主軸内環状流路(21f)に流入し、主軸内軸方向流路(21d)および主軸内径方向流路(21e)を経て、前側の冷却液受け渡し部(23)から前側流路形成部材内環状流路(21g)に至り、流出路(21c)から流出する。
冷却構造(4)は、冷却液供給装置(24)として、第1流入路(21a)に連通する流入用配管(24a)と、流出路(21c)に連通する回収用配管(24b)と、流入用配管(24a)に冷却液を流入させ、回収用配管(24b)から冷却液を回収する冷却液供給源(24c)とを有している。
冷却構造(4)は、さらに、主軸(2)の外周面と後側流路形成部材(11)の内周面との間にある隙間を介してエアを後側冷却液受け渡し部(22)の両側から吹き付けることで後側冷却液受け渡し部(22)からの冷却液の漏出を防止する後側エアシール(25)と、主軸(2)の外周面と前側流路形成部材(10)の内周面との間にある隙間を介してエアを前側冷却液受け渡し部(23)の両側から吹き付けることで前側冷却液受け渡し部(23)からの冷却液の漏出を防止する前側エアシール(26)と、後側エアシール(25)および前側エアシール(26)にエアを供給するエア供給装置(27)とを備えている。
後側エアシール(25)は、ハウジング本体(9)に設けられた後側エア流入路(25a)と、後側エア流入路(25a)に一端部がそれぞれ連なるように後側流路形成部材(11)に設けられた後側第1分岐流路(25b)および後側第2分岐流路(25c)とを有している。後側第1分岐流路(25b)および後側第2分岐流路(25c)の各他端部は、後側冷却液受け渡し部(22)を前後両側から挟むように設けられるとともに、主軸(2)の外周面に径方向外側から対向するように開口しており、各開口部には、環状の前側エア吐出部(25d)および後側エア吐出部(25e)が設けられている。
前側エアシール(26)は、前側流路形成部材(10)に設けられた前側エア流入路(26a)と、前側エア流入路(26a)に一端部がそれぞれ連なるように前側流路形成部材(10)に設けられた前側第1分岐流路(26b)および前側第2分岐流路(26c)とを有している。前側第1分岐流路(26b)および前側第2分岐流路(26c)の各他端部は、前側冷却液受け渡し部(23)を前後両側から挟むように設けられるとともに、主軸(2)の外周面に径方向外側から対向するように開口しており、各開口部には、環状の前側エア吐出部(26d)および後側エア吐出部(26e)が設けられている。
エア供給装置(27)は、後側エア流入路(25a)に連通する後側配管(27a)と、前側エア流入路(26a)に連通する前側配管(27b)と、各配管(27a)(27b)にエアを流入させるエア供給源(27c)とを有している。
上記の冷却構造(4)によると、冷却液は、各流入用配管(24a)から第1流入路(21a)に供給され、各主軸内軸方向流路(21d)および各主軸内径方向流路(21e)を通ることで、主軸(2)および軸受(5)(6)(7)(8)を冷却し、流出路(21c)を経て各回収用配管(24b)によって回収される。冷却液の供給・排出に際し、回転側冷却液流路と固定側冷却液流路との連通部である後側の冷却液受け渡し部(22)および前側の冷却液受け渡し部(23)では、冷却液の漏出の可能性があるが、この漏出は、後側エアシール(25)および前側エアシール(26)によって防止される。
冷却構造(4)は、さらに、前側流路形成部材(10)および後側流路形成部材(11)にそれぞれ設けられた前側の温度センサ(28)および後側の温度センサ(29)を有している。
前側の温度センサ(28)は、前側流路形成部材(10)の内周面寄りに配置されている。また、後側の温度センサ(29)は、後側流路形成部材(11)の内周面寄りに配置されている。なお、図では、前側の温度センサ(28)が冷却液の流出路(21c)近傍でかつ後側エア吐出部(26e)を臨む位置に配置され、後側の温度センサ(29)が第2冷却液流入路(21b)の近傍でかつ前側エア吐出部(25d)を臨む位置に配置されているが、各温度センサ(28)(29)は、冷却液受け渡し部(22)(23)近傍の温度を測定可能な位置であれば、図示の位置に限定されるものではない。
各温度センサ(28)(29)は、有線または無線によって主軸装置(1)の制御部に接続されており、制御部は、主軸(2)の回転、冷却液の供給およびエアの供給の制御を行うほか、温度センサ(28)(29)によって得られる冷却液受け渡し部(22)(23)近傍の温度に基づいた制御も行う。
例えば、エアの供給が停止して、主軸(2)の外周面と後側流路形成部材(11)の内周面および/または主軸(2)の外周面と前側流路形成部材(10)の内周面との間にある隙間に冷却液が残った状態で主軸(2)が回転を続けた場合、主軸(2)にせん断応力が作用し、せん断応力に伴う発熱によって、冷却液受け渡し部(22)(23)近傍の温度が上がることがある。この場合、主軸(2)がせん断応力により発熱し、熱変形で加工精度が悪くなるという問題が生じる。主軸(2)が横形に配置されている場合には、隙間の下側に冷却液が滞留しやすいため、主軸(2)が熱変形するという問題が生じやすい。
上記の主軸の冷却構造(4)を備えた工作機械では、温度センサ(28)(29)によって得られる冷却液受け渡し部(22)(23)近傍の温度に基づいた制御を例えば次のように行うことで、主軸(2)が熱変形するという問題が生じることの防止が可能となる。図2は、この主軸の冷却構造(4)を備えた工作機械の制御部における制御のステップのフローチャートを示している。
主軸の冷却構造(4)を備えた工作機械を使用した加工作業開始に伴って、まず、主軸(2)が回転させられるとともに、冷却液供給装置(24)によって主軸(2)内に冷却液が供給され、後側および前側のエアシール(25)(26)が作動させられる(ステップS1)。これにより、工作機械を使用した加工が可能となる。さらに、前側および後側の温度センサ(28)(29)がオンとされる(ステップS2)。各温度センサ(28)(29)の出力Tは、常時モニタリングされて、閾値T0以上かどうかが判定される(ステップS3)。通常、TがT0以上となることはなく、ステップS3では、Noと判定され、ステップS1の状態が継続されて、正常に加工作業が終了する。
例えば、主軸(2)にせん断応力が作用し、主軸(2)が発熱した場合、冷却液受け渡し部(22)(23)近傍の温度が上がり、温度センサ(28)(29)の出力TがT0以上となる。したがって、ステップS3では、Yesと判定される。この場合、制御部は、主軸(2)の回転を停止するとともに、冷却液供給装置(24)をオフにして、冷却液の供給を停止する(ステップS4)。エアシール(25)(26)については、必要に応じて点検・修理を行い、正常に作動する状態にして、一定時間作動を継続する(ステップS5)。これにより、工作機械は加工可能な正常状態に復帰するので、ステップS1に戻って加工を行うことができる。
こうして、エアの供給が停止したことに起因して主軸(2)と前側および後側流路形成部材(10)(11)との間の隙間に滞留した冷却液は、エアシール(25)(26)のためのエアによって吹き飛ばされ、これにより、主軸(2)の発熱要因が取り除かれることで、エア供給装置(27)が故障した場合でも、主軸(2)に熱変形などの悪影響を及ぼさないものとできる。
温度の閾値のT0については、例えば、40〜45℃程度に設定することができる。ここで、主軸(2)は、せん断応力が作用しない正常時であっても、回転数が高くなることで、発熱量が大きくなる。温度の閾値T0は、正常回転時には達することがない適宜な値に設定されるが、温度の閾値T0を一条件とすると、閾値T0が高い場合、低い回転数では、せん断応力に伴う発熱であることが検知されない恐れがあり、逆に、閾値T0が低い場合、回転数が上がって発熱しただけにもかかわらず、せん断応力による発熱と誤って判定する恐れがある。
そこで、主軸回転数が相対的に高い場合には、閾値T0は高いものとされ、主軸回転数が相対的に低い場合には、閾値T0も低いものとされることが好ましい。制御部では、主軸(2)の回転数が計測されて所要の回転数となるように制御されており、この主軸回転数が温度の閾値を設定するためのパラメータとされる。閾値T0は、主軸回転数の関数であってもよく(例えば、主軸回転数に所定の係数をかけた値)、主軸回転数を複数の領域に分けて、各領域ごとに適宜な閾値T0が設定されてもよい。このようにすることで、主軸回転数に応じた適切な閾値T0で主軸(回転部材)(2)とハウジング(固定部材)(3)との隙間に冷却液が入り込んで滞留した状態が解消され、主軸(2)に悪影響が及ばないようにできる。
なお、エアシール(25)(26)を使用したエアの供給に際しては、前側エア吐出部(25d)(26d)および後側エア吐出部(25e)(26e)の両方から(すなわち、前後両側から)供給してももちろんよいが、前側または後側のいずれか一方だけを使用するようにしてもよく、後者のようにすることで、滞留した冷却液の排出をよりスムーズに行うことができる。
(2):主軸
(3):ハウジング
(4):主軸の冷却構造
(5)(6)(7)(8):軸受
(21):冷却液流路
(21a):第1流入路(固定側冷却液流路)
(21b):第2流入路(固定側冷却液流路)
(21c):流出路(固定側冷却液流路)
(21d):主軸内軸方向流路(回転側冷却液流路)
(21e):主軸内径方向流路(回転側冷却液流路)
(21f):主軸内環状流路(回転側冷却液流路)
(21g):前側流路形成部材内環状流路(固定側冷却液流路)
(22)(23):冷却液受け渡し部
(25)(26):エアシール
(27):エア供給装置
(28)(29):温度センサ

Claims (4)

  1. 主軸と、主軸を軸受を介して回転可能に支持するハウジングとを備えた工作機械に設けられる主軸の冷却構造であって、
    ハウジングに設けられた固定側冷却液流路と、主軸に設けられた回転側冷却液流路と、固定側冷却液流路に冷却液を供給する冷却液供給装置と、固定側冷却液流路端と回転側冷却液流路端との間の冷却液受け渡し部と、主軸外周面とハウジング内周面との間に形成された隙間を介してエアを冷却液受け渡し部の軸方向に平行な両側から吹き付けることで冷却液受け渡し部からの冷却液の漏出を防止するエアシールと、エアシールにエアを供給するエア供給装置と、ハウジングに設けられて冷却液受け渡し部近傍の温度を測定する温度センサと、温度センサが測定する温度に基づいて、主軸の回転、冷却液の供給およびエアの供給の制御を行う制御部とを備えており、
    制御部は、温度が閾値を超えた際に、主軸の回転および冷却液の供給を停止させるとともに、主軸外周面とハウジング内周面との間に形成された前記隙間に一定時間エアを供給することを特徴とする工作機械主軸の冷却構造。
  2. 前記閾値は、主軸回転数に応じて設定されている請求項1の工作機械主軸の冷却構造。
  3. 温度が閾値を超えた際のエア供給は、前記エア供給装置によって行われることを特徴とする請求項1または2記載の工作機械主軸の冷却構造。
  4. 温度が閾値を超えた際のエア供給は、前記冷却液受け渡し部の片側のみから行うことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の工作機械主軸の冷却構造。
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