JP2020071471A - 重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法 - Google Patents

重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装着時の快適性を向上できるコンタクトレンズの製造方法を開示する【解決手段】重合体フィルムを化学的な共役によってレンズ本体の表面に付着させ、重合体物質の負電荷と正電荷の間のイオン吸着作用を利用し、別の重合体フィルムを生成する。それによって、レンズ本体の表面に2つの重合体フィルムが良好に結合した重合体多層膜が形成されたコンタクトレンズが製造できる。重合体多層膜は、コンタクトレンズを装着する際、目の表面に対して滑らかな接触感を提供すると同時に、より高い含水量を達成し、装着時の快適性を向上できる。【選択図】図1

Description

本発明は、コンタクトレンズの製造方法、特に重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法に関する。
コンタクトレンズの使用に伴う主な問題とは、乾燥の状況である。そのため、コンタクトレンズの製造において、より高い通気性を有する材料を使用しようとする風潮が強まり、シロキサン材料の利用を推進している。一方、前記材料は、本質上、疎水性であり、水をはじく性質を持つ。プラズマ表面処理を行うことで親水性表面を形成したとしても、このようなレンズは、撥水(water−repelling)領域を形成する可能性があり、水分散(water−breakup)時間の減少を招く。また、前記撥水領域は、より多くの脂質及びタンパク質を吸着し堆積する傾向がある。
前記問題を改善するため、コンタクトレンズの表面に必要な材料をコーティングする。そのコーティング材料は、得られる特性に応じて選択できる。通常、親水性重合体は、医療分野に用いられるため、重合体が体内に進入した際、望ましくない免疫原性反応を起こさない。例として、体内に進入した際の免疫原性反応を防止する好ましい方法としては、インスリンのポリエチレングリコール化(PEGylation)が挙げられる。類似の方法としては、医療装置の表面を保護するために、親水性重合体を用いて表面をコーティングすることで、タンパク質が表面に集まることを防止する方法が挙げられる。
これらの知見に基づいて、必要な材料を用いてコンタクトレンズの表面をコーティングすることは、例えばタンパク質堆積物のような悪影響を防止できるという効果がある。1つの例としては、疎水性材料から製造したコンタクトレンズの表面に1層の親水性材料を塗布する。例としては、疎水性材料としてシリコンを利用してレンズ本体を製造し、親水性モノマーとしてポリ(メタクリレート)(poly(methacrylate))を利用してコンタクトレンズの表面をコーティングする。このようなコーティングによって、コンタクトレンズの表面に親水性を与える。
そのため、前記コーティング方法は、コンタクトレンズ本体に必要な特性を与えるために用いられる。なお、コンタクトレンズ本体は、コンタクトレンズ製造材料の性質を保持したまま表面だけを修飾することができるので、コンタクトレンズ全体の物理的な特性に影響を及ぼさない。コンタクトレンズの表面に対して多層コーティングを作ることで、親水性表面を製造でき、コーティング層に多様な機能、例えば反射防止、曇り防止、紫外線防止等の機能をもたらす。従来の多層コーティングの製作方法は、基底部に、反対電荷をもつ少なくとも2種類の異なる高分子電解質を使用して層を交互に形成し、交互積層(LbL)コーティングを形成する。しかし、このような交互積層(LbL)コーティングと基底部との接着性は比較的良くない。
上記事情に鑑み、本発明の主な目的としては、重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法、1種又は複数種の重合体とレンズ本体の表面を化学的に共役させる方法、及び異なる帯電物質を有する複数種の重合体を利用して交互積層コーティングを製作する方法を提供することにある。化学的に共役させた重合体フィルム及びイオン結合した重合体フィルムからなる重合体多層膜をレンズ本体の表面に形成することで、コンタクトレンズ装着者に保水度及び快適性等を提供できる。
本発明の別の目的としては、重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法を提供することにある。現在のコンタクトレンズ製造工程及び生産ラインを使用して前記製造方法を実現することができ、設備コストを低減させ、経済的利益がある。
上記目的を達成するために、本発明は、下記特徴を有する重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法を提供する。すなわち、表面に複数種の化学基を有するレンズ本体を提供する。その後、負電荷をもつ、少なくとも1つの第1重合体を加えた反応溶液を提供する。そして、レンズ本体を反応溶液に浸入させ、紫外線源又は熱源の作用で、第1重合体とレンズ本体の表面を化学的に共役させることで、第1重合体フィルムを形成する。また、正電荷をもつ、少なくとも1つの第2重合体を加えた緩衝液を提供する。最後、レンズ本体を緩衝液に浸入させ、イオン吸着工程によって、第1重合体フィルムの表面に第2重合体フィルムを形成し、レンズ本体の表面に第1重合体フィルム及び第2重合体フィルムを有する重合体多層膜を形成する。
前記製造方法において、レンズ本体の表面で化学的な共役工程を行うために、レンズ本体は複数の化学基を有する必要があり、前記化学基は、好ましくは、アミン基(amine group)、カルボキシル基(carboxyl group)、又はスルホン基(sulfone group)である。例えば、レンズ本体は、エタノールアミン(Ethanolamine)、ドーパミン(Dopamine)、オクタデシルアミン(Octadecylamine)、又はN,N−ジメチルアクリルアミド(N,N−Dimethylacrylamide)を含むモノマーから製造されてもよい。
第1重合体は、好ましくは、変性及び非変性のポリエチレングリコール(Polyethylene glycol)、ヒアルロン酸(Hyaluronic acid)、ヒアルロン酸ナトリウム(sodium hyaluronate)、N−ビニルピロリドン(N−vinylpyrrolidone)、ポリビニルアルコール(Poly(vinyl alcohol))、2−メチルアクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(2−methacryloyloxyethyl phosphorylcholine)、ポリ(アクリルアミド)(Poly(acrylamide))、アルギン酸(Alginic acid)及びアルギン酸ナトリウム(sodium alginate)から選ばれる1種または2種以上である。
前記製造方法において、レンズ本体の表面で交互積層工程を行うために、第2重合体は、第1重合体の電荷と反対の電荷をもつ。第2重合体は、好ましくは、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、変性及び非変性のキトサン(Chitosan)から選ばれる1種または2種以上である。
前記製造方法において、レンズ収容用小型容器内で全ての反応を行うため、別の基礎設備を増設せずに全ての反応工程を行うことができる。具体的には、反応溶液が充填された他の第1容器にレンズ本体を収容できる。前記反応溶液は、第1重合体フィルムをコーティングするのに必要な第1重合体を含有し、更に、反応を促進させるための適切な触媒を含有する。その後、容器を密封し、紫外線又は温度により反応させることで、第1重合体フィルムを形成する。同様に、上記反応終了後、レンズ本体を緩衝液が充填された第2容器に移動する。前記緩衝液は、第2重合体を有し、第1重合体フィルム上に第2重合体フィルムを形成するために用いられる。その後、第2容器を密封して湿熱滅菌を行った上で、販売用とすることができる。使用者がレンズを装着した際の快適性を確保する。
一つの実施形態として、前記レンズ本体は、レースカット法(lathe−cutting)、キャストモールディング法(cast−molding)、スピンキャスト法(spin casting)又は前記組み合わせから製造される。
従来技術と比べて、本発明は下記の效果を有する。
1、本発明は、重合体フィルムを化学的な共役によってレンズ本体の表面に付着させ、重合体物質の負電荷と正電荷の間のイオン吸着作用を利用し、別の重合体フィルムを生成することで、レンズ本体の表面に前記2つの重合体フィルムが良好に結合した重合体多層膜を形成する。コンタクトレンズを装着する際、前記重合体多層膜は、目の表面に対して滑らかな接触感を提供すると同時に、より高い含水量を達成し、装着時の快適性を向上できる。
2、本発明の製造方法によれば、現在の製造工程及び設備を利用でき、コストを低下させ、利益の最大化を達成できる。
本発明の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法の概略図である。 本発明の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法の概略図である。 本発明の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法の概略図である。 本発明の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法の概略図である。 本発明の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法の概略図である。 本発明の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法の概略図である。
以下、具体的な実施例により本発明の技術内容を詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されない。当業者が本発明に基づきなされた変更及び調整も、本発明に含まれる。
図1は、本発明の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法を示すフローチャートである。また、図2A〜図2Fは、それぞれ、本発明の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法を順に示す概略図である。
先ず、工程S100において、図2Aに示すように、化学活性基(chemically active groups)を有するモノマーから製造されるレンズ本体10を提供し、前記レンズ本体10の表面に複数の化学基を有する。
本発明では、コンタクトレンズとは、コンタクトレンズ産業によく見られ、任意のモノマーから製造した光学部品又は医療部品である。当技術分野では周知のように、このようなコンタクトレンズのレンズ本体10を製造するために用いるモノマー材料は、親水性モノマー(例えば、ポリ−2(メタクリル酸ヒドロキシエチル)(pHEMA、 Poly−2(hydroxyethyl methacrylates)等)、疎水性モノマー(例えば、シリコーン(Silicones)等)、又は両者を組み合わせたモノマー混合物がある。このようなコンタクトレンズは、例えばレースカット法(lathe−cutting)、キャストモールディング法(cast−molding)、スピンキャスト法(spin casting)、又は前記方法から派生した任意の組み合わせ方法により製作される。また、製造において、熱硬化又は紫外線(UV)硬化の任意の硬化方法が使われている。
また、本発明において、コンタクトレンズのレンズ本体10を製造するためのモノマー材料は、複数の化学基を有する必要がある。前記化学基は、必要な重合体とレンズ本体の表面を共役(conjugation)させるために用いられる。共役重合体の反応タイプは、レンズ本体10の表面、及び表面で共役される重合体が有する化学基の化学的な性質に基づいて選択してもよい。なお、化学基に基づいて、適切な反応環境を設計し、必要な触媒(catalyst)を選択できる。図2Bに示すように、触媒11を用いて活性化を行ってもよい。
本発明では、化学基は、アミン基(amine group)、カルボキシル基(carboxyl group)又はスルホン基(sulfone group)である。レンズ本体10は、エタノールアミン(Ethanolamine)、ドーパミン(Dopamine)、オクタデシルアミン(Octadecylamine)、又はN,N−ジメチルアクリルアミド(N,N−Dimethylacrylamide)を含むモノマー混合物から製造される。
その後、工程S110において、負電荷をもつ、少なくとも1つの第1重合体を加えた反応溶液20を提供する。また、第1重合体は、レンズ本体10に存在する複数の化学基と反応して共役する化学基を有する。
本発明では、第1重合体は、変性及び未変性のポリエチレングリコール(Polyethylene glycol)、ヒアルロン酸(Hyaluronic acid)、ヒアルロン酸ナトリウム(sodium hyaluronate)、N−ビニルピロリドン(N−vinylpyrrolidone)、ポリビニルアルコール(Poly(vinyl alcohol))、2−メチルアクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(2−methacryloyloxyethyl phosphorylcholine)、ポリ(アクリルアミド)(Poly(acrylamide))、アルギン酸(Alginic acid)及びアルギン酸ナトリウム(sodium alginate)から選ばれる1種または2種以上である。
例を挙げると、反応溶液20としては、水に0.5〜5%(w/v)のポリビニルアルコール及び0.1〜3%(w/v)のアルギン酸ナトリウムを含有するものである。
工程S120において、図2Cに示すように、レンズ本体10を反応溶液20に浸入させ、図2Dに示すように、紫外線源又は熱源の作用で、レンズ本体10の化学基と第1重合体を反応させ、レンズ本体10の表面と第1重合体の間に安定した共有結合(convalent bond)を形成して化学的な共役(chemical conjugation)を形成することで、レンズ本体10の表面に第1重合体フィルムを形成する。
工程S130において、正電荷をもつ、少なくとも1つの第2重合体を加えた緩衝液30を提供する。
本発明では、第2重合体は、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、変性及び未変性のキトサン(Chitosan)から選ばれる1種または2種以上である。
例を挙げると、緩衝液30としては、水に0.1〜3%のアルギン酸ナトリウム及び0.05〜2%のヒアルロン酸ナトリウムを含有するものである。
本発明では、緩衝液30とは、販売及び使用までに、コンタクトレンズをポリプロピレン包装容器に保存するために用いる溶液である。このような溶液は、基本的に他の試剤と組み合わせた水性緩衝液からなるため、人の目に合う浸透圧を有する。
工程S140において、図2Eに示すように、レンズ本体10を緩衝液30に浸入させる際、第1重合体フィルムの第1重合体及び第2重合体は、それぞれの重合体の鎖に負電荷及び正電荷をもつ。よって、相対電荷の間にイオン吸着力を生じ、イオン吸着工程により第1重合体フィルムの表面に第2重合体フィルムを形成する。図2Fに示すように、最終的に、レンズ本体10の表面に、イオンの吸着力により互いに拡散している第1重合体フィルム及び第2重合体フィルムを有する重合体多層膜(multiple layers)を形成する。
本発明において、適切な第1重合体及び第2重合体を選択することによって、レンズ本体の表面で複数種の重合体の交互積層工程を行う。そのうち、第1重合体は、重合体の鎖に複数種の負電荷をもつ。第2重合体は、重合体の鎖に複数種の正電荷をもつ。第1重合体層とレンズ本体の表面の間に化学結合を形成し、さらに前記のような反対電荷の集合が存在しているため、イオン吸着工程によって、互いに結合した多層重合体を形成できる。
また、前記化学的な共役及び交互積層を行う方法は数多く有り、通常、反応しようとする製品を反応物(reagents)含有溶剤に入れる必要がある。その後、温度及び触媒等適切な初期条件下で行う。コンタクトレンズ産業では、作業上の理由で、通常、溶剤及び反応物を充填した貯蔵タンク(storage tank)を使用し、コーティングしようとするコンタクトレンズを貯蔵タンクに浸入させた後、適切に撹拌し、エネルギーを提供して反応させる。
通常、コンタクトレンズは水性緩衝液に保存され、小型ポリプロピレン容器で販売される。その理由としては、搬送及び貯蔵期間に、コンタクトレンズを保存して乾燥を防止し、且つ優良な形状を維持し、眼球に載せやすく、また、レンズ装着時の快適性をもたらすことにある。そのため、コンタクトレンズ生産工程における鍵となる工程は、ポリプロピレン容器に緩衝液を充填した後、レンズを溶液に入れて、密封して高圧滅菌する工程である。
本発明の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法によると、レンズ収容用小型容器内で全ての反応を起こし、別の基礎設備(例えば、化学品の大型反応槽又は貯蔵槽等)を増設せずに全ての反応工程を行うことができる。更に、反応溶液が充填された第1容器にレンズ本体を収容してもよい。前記反応溶液は、第1重合体フィルムのコーティングに必要な第1重合体を含有し、また、反応を促進させる適切な触媒を含有する。その後、アルミ箔を用いて第1容器を密封する。その後、第1容器内の反応混合物に対して、紫外線又は温度によってエネルギーを提供し、適切な撹拌を行う。これによって第1容器内で反応を起こし、レンズ本体の表面に必要な第1重合体をコーティングさせることで、第1重合体フィルムを形成する。
同様に、上記反応終了後、表面に第1重合体フィルムを有するレンズ本体を緩衝液が充填されている第2容器に移動する。緩衝液は、第2重合体を有し、第2重合体フィルムを第1重合体フィルム上に形成するために用いられる。その後、第2容器を密封し、湿熱滅菌を行った上で、販売用とすることができる。必要な正、負電荷物質を有し、且つ滅菌工程において高温でエネルギーを提供することで、コンタクトレンズ表面の重合体の間に複数の層を形成できる。上記第1容器及び第2容器は、実務上、ポリプロピレン容器を使用してもよい。本発明は、コンタクトレンズ生産工程の現在の製造工程及び設備を利用して全ての反応工程を実行できるため、利益の最大化を達成できる。
本発明の実施例として、下記工程を備える、重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法を説明する。
先ず、工程S100において、メタクリル酸ヒドロキシエチル(hydroxyethyl methacrylate)45gを量り取り、前記メタクリル酸ヒドロキシエチルにメタクリル酸(methacrylic acid 、MAA)1gを加えた後、重合開始剤(polymerisation initiator)として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(2−Hydroxy−2−methyl−1−phenyl−propan−1−one )(Ciba社、Darocur TM 1173)0.75g、及びエチレングリコールジメタクリレート(ethylene glycol dimethacrylate 、EGDMA)0.5gを加え、レンズ本体製造用混合物を得る。35℃、200回転/分で、混合物を50分間撹拌する。撹拌後、前記工程で得た混合物に1%のドーパミン(v/v)を添加し、撹拌して均一に混合させる。その後、前記混合物を型に注ぎ、室温で、波長310〜370nmの紫外線を24〜28mW/cmの照度で35分間硬化させる。硬化後、80℃で、20%のエタノールに20分間浸入させ、レンズ本体を型から取り出す。その後、レンズ本体を80℃の脱イオン水に55分間入れて洗浄することで、未反応の化学物質を除去する。
続いて、工程S110において、水1000mLにポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)35g及び親水性重合体としてアルギン酸ナトリウム(sodium alginate)15gを加え、反応溶液を製造する。
その後、工程S120において、工程S110で製造した反応溶液を小型ポリプロピレン容器に入れ、工程S100で製造したレンズ本体を反応溶液に入れる。ポリプロピレン容器を密封した後、UV光源下に配置し、UV光がポリプロピレン容器の透明部分を透過して反応溶液に届き、容器内部でレンズ本体と接触し、重合体とレンズ本体の表面を架橋させる。UV光源の合計照射時間は35分間である。
次いで、工程S130において、水1000mLに塩化ナトリウム8.18g、リン酸水素二ナトリウム二水和物(sodium phosphate dibasic dihydrate)3.5g、及びリン酸二水素ナトリウム二水和塩(sodium dihydrogen phosphate dihydrate salts)0.5gを加え、緩衝液を製造する。同時に、脱イオン水を用いて、0.5%(w/v)のアルギン酸ナトリウム溶液、及び2%(w/v)のヒアルロン酸ナトリウム溶液を製造する。溶質(アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム)が均一である溶液を形成するまで、45℃で2種類の溶液を撹拌する。
2種類の溶液を緩衝液に混合して混合緩衝液を得る。具体的な工程は以下の通りである。0.5%(w/v)のアルギン酸ナトリウム20mL、及び2%(w/v)のヒアルロン酸ナトリウム溶液20mLをそれぞれ取り、緩衝液960mLに加え、総体積が1000mLである混合緩衝液を製造する。
工程S140において、UV硬化後のレンズ本体を80℃の脱イオン水に入れることで、未反応の化学物質を洗い流す。洗浄後、レンズ本体を別のポリプロピレン容器に置き、ポリプロピレン容器に工程S130で製造した混合緩衝液を加える。ポリプロピレン容器に入れた混合緩衝液量は1mLである。特殊な条件を設定する必要がなく、高圧滅菌器のみを使用して行う、すなわち、ポリプロピレン容器を密封してオートクレーブに設置し、121℃で湿熱滅菌を30分間行う。前記工程が完了し冷却した後、コンタクトレンズを安全に目に装着できる。
上記のように、本発明の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法によると、化学的な共役を利用することで、化学基を有するレンズ本体の表面に重合体フィルムを付着させ、更に、異なる重合体物質の負電荷と正電荷の間でのイオン吸着力により別の重合体フィルムを生成することで、レンズ本体の表面に、2つの重合体フィルムが良好に結合した重合体多層膜を形成する。コンタクトレンズが目に接触する際、前記重合体多層膜は、目の表面に滑らかな接触感を提供し、且つコンタクトレンズの表面の良好な湿潤性を保持できる。そのため、重合体多層膜を有するコンタクトレンズは、コーティングされていない普通のコンタクトレンズと比べて、より滑らかで、快適性をもたらす。
また、本発明は、現在のコンタクトレンズ製造工程及び生産ラインを使用して実現でき、別の基礎設備を増設する必要がなく、コストの低下に有利で、利益の最大化を達成できる。
上記内容は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明は、それらに限定されない。よって、本発明の特徴及び思想に基づきなされる均等な変更又は付加は、本発明に含まれる。
10 レンズ本体
11 触媒
20 反応溶液
30 緩衝液

Claims (11)

  1. 表面に複数の化学基を有するレンズ本体を、負電荷をもつ少なくとも1つの第1重合体を加えた反応溶液に浸入させ、紫外線源又は熱源の作用で、前記第1重合体と前記レンズ本体の表面を化学的に共役させることで、第1重合体フィルムを形成する工程と、
    前記レンズ本体を、正電荷をもつ少なくとも1つの第2重合体を加えた緩衝液に浸入させ、イオン吸着工程によって、前記第1重合体フィルムの表面に第2重合体フィルムを形成し、前記レンズ本体の表面に前記第1重合体フィルム及び前記第2重合体フィルムを有する重合体多層膜を形成する工程と、を備える、
    重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法。
  2. 前記化学基は、アミン基、カルボキシル基、又はスルホン基である、
    請求項1に記載の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法。
  3. 前記レンズ本体は、エタノールアミン、ドーパミン、オクタデシルアミン、又はN,N−ジメチルアクリルアミドを含むモノマーから製造される、
    請求項1に記載の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法。
  4. 前記レンズ本体は、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸、2−ヒドロキシル−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、エチレングリコールジメタクリレートを含む化合物から製造される、
    請求項1に記載の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法。
  5. 前記第1重合体は、変性及び非変性のポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、N−ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、2−メチルアクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、ポリ(アクリルアミド)、アルギン酸及びアルギン酸ナトリウムから選ばれる1種または2種以上である、
    請求項1に記載の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法。
  6. 前記第1重合体は、ポリビニルアルコール及びアルギン酸ナトリウムが選ばれる、
    請求項1に記載の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法。
  7. 前記第2重合体は、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、変性及び非変性のキトサンから選ばれる1種または2種以上である、
    請求項1に記載の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法。
  8. 前記第2重合体は、ヒアルロン酸ナトリウム及びアルギン酸ナトリウムが選ばれる、
    請求項7に記載の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法。
  9. 第1容器に前記反応溶液を注ぎ、前記レンズ本体を前記反応溶液に浸入させた後、前記第1容器を密封し、紫外線源又は熱源の作用で化学的な共役工程を行う、
    請求項1に記載の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法。
  10. 第2容器に前記緩衝液を注ぎ、前記レンズ本体を前記緩衝液に浸入させた後、前記第2容器を密封し、湿熱滅菌を行う、
    請求項1に記載の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法。
  11. 前記レンズ本体は、レースカット法、キャストモールディング法、スピンキャスト法、又はそれらの組み合わせにより製造される、
    請求項1に記載の重合体多層膜を有するコンタクトレンズの製造方法。
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