JP2020070469A - 軟磁性合金薄帯および磁性部品 - Google Patents

軟磁性合金薄帯および磁性部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2020070469A
JP2020070469A JP2018205074A JP2018205074A JP2020070469A JP 2020070469 A JP2020070469 A JP 2020070469A JP 2018205074 A JP2018205074 A JP 2018205074A JP 2018205074 A JP2018205074 A JP 2018205074A JP 2020070469 A JP2020070469 A JP 2020070469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soft magnetic
magnetic alloy
alloy ribbon
ribbon
surface roughness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018205074A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6845205B2 (ja
Inventor
暁斗 長谷川
Akito Hasegawa
暁斗 長谷川
広修 熊岡
Hironobu Kumaoka
広修 熊岡
和宏 吉留
Kazuhiro Yoshitome
和宏 吉留
裕之 松元
Hiroyuki Matsumoto
裕之 松元
賢治 堀野
Kenji Horino
賢治 堀野
功 中畑
Isao Nakahata
功 中畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2018205074A priority Critical patent/JP6845205B2/ja
Priority to US16/961,583 priority patent/US11427896B2/en
Priority to PCT/JP2018/044410 priority patent/WO2019138730A1/ja
Priority to CN201880086097.9A priority patent/CN111566243A/zh
Priority to TW107143593A priority patent/TWI685578B/zh
Publication of JP2020070469A publication Critical patent/JP2020070469A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6845205B2 publication Critical patent/JP6845205B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

【課題】高い飽和磁束密度および低い保磁力を有し、かつ、占積率が高く飽和磁束密度が高いコアを提供できる軟磁性合金薄帯を提供する。【解決手段】組成式(Fe(1−(α+β))X1αX2β)(1−(a+b+c+d+e+f))MaBbPcSidCeSfからなる主成分を有する軟磁性合金薄帯である。X1、X2およびMは特定の元素群から選択される。0≦a≦0.140、0.020≦b≦0.200、0≦c≦0.150、0≦d≦0.090、0≦e≦0.030、0≦f≦0.030、α≧0、β≧0、0≦α+β≦0.50である。a,cおよびdのうち少なくとも一つ以上が0より大きい。軟磁性合金薄帯はFe基ナノ結晶からなる構造を有する。軟磁性合金薄帯は剥離面の表面粗さが特定の範囲内である。【選択図】図3

Description

本発明は、軟磁性合金薄帯および磁性部品に関する。
近年、電子・情報・通信機器等において低消費電力化および高効率化が求められている。さらに、低炭素化社会へ向け、上記の要求が一層強くなっている。そのため、電子・情報・通信機器等の電源回路にも、エネルギー損失の低減や電源効率の向上が求められている。
電源回路に使用される磁性素子のコアを製造するための材料として軟磁性合金薄帯が用いられることが知られている。この場合には、軟磁性合金薄帯自体の軟磁気特性に加えて、軟磁性合金薄帯を用いてコアを作製した後のコアの占積率、すなわち、コアの断面における導体の割合も高いことが求められる。
特許文献1には、Fe−B−Si系のFe基アモルファス合金薄帯が記載されている。当該Fe−B−Si系のFe基アモルファス合金薄帯は、表面粗さを制御することにより、薄帯自体の飽和磁束密度を向上させるとともに、コアを作製した後のコアの占積率も高くすることができる。
国際公開第2018/062037号
本発明は、高い飽和磁束密度および低い保磁力を有し、かつ、占積率が高く飽和磁束密度が高いコアを提供できる軟磁性合金薄帯を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の軟磁性合金薄帯は、
組成式(Fe(1−(α+β))X1αX2β(1−(a+b+c+d+e+f))Siからなる主成分を有する軟磁性合金薄帯であって、
X1はCoおよびNiからなる群から選択される1つ以上、
X2はAl,Mn,Ag,Zn,Sn,As,Sb,Cu,Cr,Bi,N,Oおよび希土類元素からなる群より選択される1つ以上、
MはNb,Hf,Zr,Ta,Mo,W,TiおよびVからなる群から選択される1つ以上であり、
0≦a≦0.140
0.020≦b≦0.200
0≦c≦0.150
0≦d≦0.090
0≦e≦0.030
0≦f≦0.030
α≧0
β≧0
0≦α+β≦0.50
であり、
a,cおよびdのうち少なくとも一つ以上が0より大きく、
前記軟磁性合金薄帯はFe基ナノ結晶からなる構造を有し、
前記軟磁性合金薄帯は、厚さ方向に垂直な剥離面および自由面を有し、
前記軟磁性合金薄帯は、幅方向に沿ってエッジ部および中央部を有し、
前記剥離面において幅方向に沿って算術平均粗さを測定する場合に、前記中央部における算術平均粗さの平均値をRa、前記エッジ部における算術平均粗さの平均値をRaとして、
0.85≦Ra/Ra≦1.25
を満たす。
本発明の軟磁性合金薄帯は、上記の組成、Fe基ナノ結晶からなる構造、および、上記の平均粗さを有することにより、高い飽和磁束密度および低い保磁力を有し、かつ、占積率が高く飽和磁束密度が高いコアを提供できる軟磁性合金薄帯となる。
本発明の軟磁性合金薄帯は、前記Fe基ナノ結晶の平均粒径が5〜30nmであってもよい。
本発明の軟磁性合金薄帯は、0.73≦1−(a+b+c+d+e+f)≦0.91であってもよい。
本発明の軟磁性合金薄帯は、0≦α{1−(a+b+c+d+e+f)}≦0.40であってもよい。
本発明の軟磁性合金薄帯は、α=0であってもよい。
本発明の軟磁性合金薄帯は、0≦β{1−(a+b+c+d+e+f)}≦0.030であってもよい。
本発明の軟磁性合金薄帯は、β=0であってもよい。
本発明の軟磁性合金薄帯は、α=β=0であってもよい。
本発明の軟磁性合金薄帯は、Raが0.50μm以下であってもよい。
本発明の軟磁性合金薄帯は、前記自由面において鋳造方向に沿って最大高さ粗さを測定する場合に、最大高さ粗さの平均値が0.43μm以下であってもよい。
本発明の磁性部品は、上記の軟磁性合金薄帯からなる。
図1は単ロール法の模式図である。 図2は単ロール法の模式図である。 図3はエッジ部および中央部の位置を示す模式図である。 図4は、X線結晶構造解析により得られるチャートの一例である。 図5は、図4のチャートをプロファイルフィッティングすることにより得られるパターンの一例である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
(軟磁性合金薄帯の寸法)
本実施形態の軟磁性合金薄帯の寸法は任意である。例えば、図3に示す形状の軟磁性合金薄帯24にあっては、厚さ(z軸方向の長さ)が15〜30μm、幅(y軸方向の長さ)が100〜1000mmであってもよい。
軟磁性合金薄帯24は、厚さが15μm以上であることで機械的強度および加工性を十分に維持しやすくなる。さらに、表面起伏(うねり)を低減しやすくなり、コアの占積率を十分に大きくしやすくなる。厚さが30μm以下であることで鋳造時の脆化を防止しやすくなる。さらに、熱処理前の軟磁性合金薄帯24に粗大な結晶が生じにくくなる。なお、コアの占積率とは、コアの断面における導体の割合のことである。
軟磁性合金薄帯24は、幅が100mm以上であることで飽和磁束密度を向上しやすくなる。これは、飽和磁束密度が小さくなりやすいエッジ部41の影響が小さくなるためである。また、幅が1000mm以下であることで飽和磁束密度を向上しやすくなる。後述する鋳造時に冷却速度を薄帯全体で均一にしやすくなるためである。
また、図3に示すように本実施形態の軟磁性合金薄帯24は、幅方向(y軸方向)に沿ってエッジ部41および中央部43を有する。
軟磁性合金薄帯24のエッジ部41は、軟磁性合金薄帯24のエッジからy軸方向に沿って中央(両方のエッジからの距離が等しい部分)に向かって20mmまでの領域、すなわち一方のエッジからの距離が0〜20mmである領域を指す。
軟磁性合金薄帯24の中央部43は、軟磁性合金薄帯24の幅をLとして、軟磁性合金薄帯24の一方のエッジからy軸方向に沿って他方のエッジに向かって3L/8〜5L/8の領域、すなわち、両方のエッジからの距離がともに3L/8〜5L/8である領域を指す。
(軟磁性合金薄帯の組成)
本実施形態の軟磁性合金薄帯24は、組成式(Fe(1−(α+β))X1αX2β(1−(a+b+c+d+e+f))Siからなる主成分を有し、
X1はCoおよびNiからなる群から選択される1つ以上、
X2はAl,Mn,Ag,Zn,Sn,As,Sb,Cu,Cr,Bi,N,Oおよび希土類元素からなる群より選択される1つ以上、
MはNb,Hf,Zr,Ta,Mo,W,TiおよびVからなる群から選択される1つ以上であり、
0≦a≦0.140
0.020≦b≦0.200
0≦c≦0.150
0≦d≦0.090
0≦e≦0.030
0≦f≦0.030
α≧0
β≧0
0≦α+β≦0.50
であり、
a,cおよびdのうち少なくとも一つ以上が0より大きく、Fe基ナノ結晶からなる構造を有する。
上記の組成を有する軟磁性合金薄帯を熱処理する場合には、軟磁性合金薄帯24中にFe基ナノ結晶を析出しやすい。言いかえれば、上記の組成を有する軟磁性合金薄帯は、Fe基ナノ結晶を析出させた軟磁性合金薄帯24の出発原料としやすい。
なお、上記の組成を有する熱処理前の軟磁性合金薄帯は、アモルファスのみからなる構造を有していてもよく、初期微結晶が非晶質中に存在するナノヘテロ構造を有していてもよい。なお、初期微結晶は平均粒径が0.3〜10nmであってもよい。本実施形態では、後述する非晶質化率が85%以上である場合にアモルファスのみからなる構造を有するか、ナノヘテロ構造を有するとする。
ここで、Fe基ナノ結晶とは、粒径がナノオーダーであり、Feの結晶構造がbcc(体心立方格子構造)である結晶のことである。本実施形態においては、平均粒径が5〜30nmであるFe基ナノ結晶を析出させることが好ましい。このようなFe基ナノ結晶を析出させた軟磁性合金薄帯24は、飽和磁束密度が高くなりやすく、保磁力が低くなりやすい。本実施形態では、Fe基ナノ結晶を含む構造である場合には、後述する非晶質化率が85%未満である。
以下、軟磁性合金薄帯が非晶質相からなる構造(非晶質のみからなる構造またはナノヘテロ構造)を有するか、結晶相からなる構造を有するかを確認する方法について説明する。本実施形態において、下記式(1)に示す非晶質化率Xが85%以上である軟磁性合金薄帯は非晶質相からなる構造を有し、非晶質化率Xが85%未満である軟磁性合金薄帯は結晶相からなる構造を有するとする。
X=100−(Ic/(Ic+Ia)×100)…(1)
Ic:結晶性散乱積分強度
Ia:非晶性散乱積分強度
非晶質化率Xは、軟磁性合金薄帯に対してXRDによりX線結晶構造解析を実施し、相の同定を行い、結晶化したFe又は化合物のピーク(Ic:結晶性散乱積分強度、Ia:非晶性散乱積分強度)を読み取り、そのピーク強度から結晶化率を割り出し、上記式(1)により算出する。以下、算出方法をさらに具体的に説明する。
本実施形態に係る軟磁性合金薄帯についてXRDによりX線結晶構造解析を行い、図4に示すようなチャートを得る。これを、下記式(2)のローレンツ関数を用いて、プロファイルフィッティングを行い、図5に示すような結晶性散乱積分強度を示す結晶成分パターンα、非晶性散乱積分強度を示す非晶成分パターンα、およびそれらを合わせたパターンαc+aを得る。得られたパターンの結晶性散乱積分強度および非晶性散乱積分強度から、上記式(1)により非晶質化率Xを求める。なお、測定範囲は、非晶質由来のハローが確認できる回析角2θ=30°〜60°の範囲とする。この範囲で、XRDによる実測の積分強度とローレンツ関数を用いて算出した積分強度との誤差が1%以内になるようにした。
Figure 2020070469
以下、本実施形態に係る軟磁性合金薄帯24の各成分について詳細に説明する。
MはNb,Hf,Zr,Ta,Mo,W,TiおよびVからなる群から選択される1つ以上である。
Mの含有量(a)は0≦a≦0.140を満たす。すなわち、Mを含有しなくてもよい。Mの含有量(a)は0.020≦a≦0.120を満たすことが好ましく、0.040≦a≦0.100を満たすことがさらに好ましく、0.060≦a≦0.080を満たすことが特に好ましい。aが大きい場合には、飽和磁束密度が低下しやすくなる。
また、aが小さいほど後述する軟磁性合金薄帯24の表面粗さが大きくなる傾向にある。また、aが大きすぎる場合には後述する表面粗さ比が小さくなる傾向にある。
Bの含有量(b)は0.020≦b≦0.200を満たす。また、0.025≦b≦0.200であってもよく、0.060≦b≦0.150であることが好ましく、0.080≦b≦0.120であることがさらに好ましい。bが小さい場合には、熱処理前の軟磁性合金薄帯に粒径30nmよりも大きい結晶からなる結晶相が生じやすく、結晶相が生じる場合には、熱処理によってFe基ナノ結晶を析出させることができない。そして、保磁力が高くなりやすくなる。bが大きい場合には、飽和磁束密度が低下しやすくなる。
また、bが小さいほど後述する軟磁性合金薄帯24の表面粗さが大きくなる傾向にある。また、bが大きすぎても小さすぎても後述する表面粗さ比が小さくなる傾向にある。
Pの含有量(c)は0≦c≦0.150を満たす。すなわち、Pを含有しなくてもよい。また、0.030≦c≦0.100であることが好ましく、0.030≦c≦0.050であることがさらに好ましい。cが大きい場合には、飽和磁束密度が低下しやすくなる。
また、cが小さいほど後述する軟磁性合金薄帯24の表面粗さが大きくなる傾向にある。また、cが大きすぎる場合には後述する表面粗さ比が小さくなる傾向にある。
Siの含有量(d)は0≦d≦0.090を満たす。すなわち、Siを含有しなくてもよい。また、0≦d≦0.020であることが好ましい。Siを含有することで、保磁力を低下させやすくなる。dが大きい場合には、保磁力が逆に上昇しやすくなる。
また、dが大きいほど後述する軟磁性合金薄帯24の表面粗さが小さくなる傾向にある。
Cの含有量(e)は0≦e≦0.030を満たす。すなわち、Cは含有しなくてもよい。また、0.001≦e≦0.010であることが好ましい。Cを含有することで、保磁力を低下させやすくなる。eが大きい場合には、熱処理前の軟磁性合金薄帯に粒径30nmよりも大きい結晶からなる結晶相が生じやすく、結晶相が生じる場合には、熱処理によってFe基ナノ結晶を析出させることができない。そして、保磁力が高くなりやすくなる。
Sの含有量(f)は0≦f≦0.030を満たす。すなわち、Sは含有しなくてもよい。Sを含有することで、後述する表面粗さを低下させやすくなる。fが大きい場合には、熱処理前の軟磁性合金薄帯に粒径30nmよりも大きい結晶からなる結晶相が生じやすく、結晶相が生じる場合には、熱処理によってFe基ナノ結晶を析出させることができない。そして、保磁力が高くなりやすくなる。
また、本実施形態の軟磁性合金薄帯では、a,c,dのうち少なくとも一つ以上が0より大きい。すなわち、M,P,Siのうち少なくとも一つ以上を含む。なお、a,c,dのうち少なくとも一つ以上が0より大きいとは、a,c,dのうち少なくとも一つ以上が0.001以上であるという意味である。また、a,cのうち少なくとも一つ以上が0より大きくてもよい。すなわち、MおよびPのうち少なくとも一つ以上を含んでもよい。さらに、保磁力を著しく低下させることを考慮すれば、aが0より大きいことが好ましい。
Feの含有量(1−(a+b+c+d+e+f))については、特に制限はないが、0.73≦(1−(a+b+c+d+e+f))≦0.95であってもよく、0.73≦(1−(a+b+c+d+e+f))≦0.91であってもよい。(1−(a+b+c+d+e+f))を上記の範囲内とすることで、軟磁性合金薄帯の製造時に粒径30nmよりも大きい結晶からなる結晶相がさらに生じにくくなる。
また、本実施形態の軟磁性合金薄帯においては、Feの一部をX1および/またはX2で置換してもよい。
X1はCoおよびNiからなる群から選択される1つ以上である。X1の含有量に関してはα=0でもよい。すなわち、X1は含有しなくてもよい。また、X1の原子数は組成全体の原子数を100at%として40at%以下であることが好ましい。すなわち、0≦α{1−(a+b+c+d+e+f)}≦0.40を満たすことが好ましい。
X2はAl,Mn,Ag,Zn,Sn,As,Sb,Cu,Cr,Bi,N,Oおよび希土類元素からなる群より選択される1つ以上である。X2の含有量に関してはβ=0でもよい。すなわち、X2は含有しなくてもよい。また、X2の原子数は組成全体の原子数を100at%として3.0at%以下であることが好ましい。すなわち、0≦β{1−(a+b+c+d+e+f)}≦0.030を満たすことが好ましい。
FeをX1および/またはX2に置換する置換量の範囲としては、原子数ベースでFeの半分以下とする。すなわち、0≦α+β≦0.50とする。α+β>0.50の場合には、熱処理により第2実施形態の軟磁性合金を得ることが困難となる。
なお、本実施形態の軟磁性合金薄帯は上記以外の元素を不可避的不純物として含んでいてもよい。例えば、軟磁性合金薄帯100重量%に対して0.1重量%以下、含んでいてもよい。
(軟磁性合金薄帯の表面形態)
一般的に、図1、図2に示す単ロール法など、ロール23を用いる方法で軟磁性合金薄帯24を製造する場合、軟磁性合金薄帯24の表面形態は、剥離面24a(ロール23の表面に接した面)と自由面24b(ロール23の表面に接しなかった面)とで異なるものとなる。なお、剥離面24aおよび自由面24bは厚さ方向に垂直な面であり、剥離面24aと自由面24bとの区別は目視により行うことができる。
(軟磁性合金薄帯の剥離面)
本実施形態に係る軟磁性合金薄帯24は、剥離面24aにおいて幅方向(y軸方向)に沿って算術平均粗さRaを測定する場合に、中央部43におけるRaの平均値をRa、エッジ部41におけるRaの平均値をRaとして、0.85≦Ra/Ra≦1.25を満たす。以下、Ra/Raのことを単に表面粗さ比と呼ぶことがある。
上記の組成を有し、Fe基ナノ結晶からなる構造を有し、表面粗さ比を上記の範囲内とした軟磁性合金薄帯24は、保磁力が低く、飽和磁束密度が高い軟磁性合金薄帯24となる。すなわち、軟磁気特性に優れた軟磁性合金薄帯24となる。
表面粗さ比が上記の範囲外である場合には、軟磁性合金薄帯24の残留応力が大きくなりやすい。また、残留応力により磁気モーメントの回転が制約され、飽和磁束密度が低下しやすくなる。また、表面粗さ比が大きすぎる場合には、軟磁性合金薄帯24を積層してコアを作製する場合に占積率が低下しやすくなる。そして、コアの飽和磁束密度も低下し易くなる。
また、本実施形態に係る軟磁性合金薄帯24は、Raが0.50μm以下であってもよく、0.41μm以下であることが好ましい。Raが0.50μm以下であることにより、軟磁性合金薄帯24の残留応力を小さくしやすくなる。さらに、軟磁性合金薄帯24を積層してコアを作製する場合に占積率を向上させやすくなる。なお、Raの下限は存在しないが、後述する単ロール法によりRaが0.1μm未満である軟磁性合金薄帯24を製造しようとする場合には、ロールが過剰に研磨される場合がある。したがって、軟磁性合金薄帯24の製造安定性の観点からRaが0.1μm以上であってもよい。
本実施形態に係る軟磁性合金薄帯24の表面粗さの測定方法は、接触式でもよく、非接触式でもよい。表面粗さの測定方法はJIS−B0601に準拠する。具体的には、測定長さを4.0mmとし、カットオフ波長を0.8mmとし、カットオフ種別を2RC(位相非補償)とする。
Raについては、エッジ部41にて算術平均粗さRaの測定箇所を3か所設定し、測定した算術平均粗さを平均して算出する。なお、測定方向は幅方向(y軸方向)とする。これは、幅方向の算術平均粗さは薄帯形成初期時におけるパドルの密着度を表しており、薄帯の形成に強く影響するためである。
Raについては、中央部43にて算術平均粗さの測定箇所を3か所設定し、測定した算術平均粗さを平均して算出する。なお、測定方向は幅方向(y軸方向)とする。これは、幅方向の算術平均粗さは薄帯形成初期時におけるパドルの密着度を表しており、薄帯の形成に強く影響するためである。
(軟磁性合金薄帯の自由面)
本実施形態に係る軟磁性合金薄帯24は、自由面24bにおける表面粗さは任意である。ただし、x軸方向(鋳造方向)に沿って最大平均粗さRzを測定する場合に、中央部43におけるRzの平均値をRzとして、Rzが4.3μm以下であることが好ましい。Rzを小さくすることにより、軟磁性合金薄帯24の飽和磁束密度をさらに向上させやすくなる。なお、Rzの下限は存在しないが、後述する単ロール法によりRzが0.1μm未満である軟磁性合金薄帯24を製造しようとする場合には、ロールが過剰に研磨される場合がある。軟磁性合金薄帯24の製造安定性の観点からRzが0.1μm以上であってもよい。
Rzについては、中央部43にて最大平均粗さRzの測定箇所を3か所設定し、測定した最大高さ粗さを平均して算出する。なお、測定方向は鋳造方向(x軸方向)とする。これは、図1、図2に示す単ロール法など、ロール23を用いる方法で軟磁性合金薄帯24を製造する場合には、自由面24bにおいて鋳造方向において周期的に溝が形成されるためである。
(軟磁性合金薄帯の製造方法)
以下、本実施形態の軟磁性合金薄帯の製造方法について説明する。
本実施形態の軟磁性合金薄帯の製造方法は任意である。例えば単ロール法により軟磁性合金薄帯を製造する方法がある。また、薄帯は連続薄帯であってもよい。
単ロール法では、まず、最終的に得られる軟磁性合金薄帯に含まれる各金属元素の純金属を準備し、最終的に得られる軟磁性合金薄帯と同組成となるように秤量する。そして、各金属元素の純金属を溶解し、混合して母合金を作製する。なお、前記純金属の溶解方法は任意であるが、例えばチャンバー内で真空引きした後に高周波加熱にて溶解させる方法がある。なお、母合金と最終的に得られる軟磁性合金薄帯とは通常、同組成となる。
次に、作製した母合金を加熱して溶融させ、溶融金属(溶湯)を得る。溶融金属の温度には特に制限はないが、例えば1200〜1500℃とすることができる。
本実施形態に係る単ロール法に用いられる装置の模式図を図1に示す。本実施形態に係る単ロール法において、チャンバー25内部において、ノズル21から溶融金属22を矢印の方向に回転しているロール23へ噴射し供給することでロール23の回転方向へ薄帯24が製造される。なお、本実施形態ではロール23の材質は任意である。例えばCuからなるロールが用いられる。
一方、通常行われている単ロール法に用いられる装置の模式図を図2に示す。チャンバー25内部において、ノズル21から溶融金属22を矢印の方向に回転しているロール23へ噴射し供給することでロール23の回転方向へ薄帯24が製造される。
本実施形態では、ロール23の温度を従来よりも高い50〜90℃とし、チャンバー内と噴射ノズル内との差圧(射出圧力)を20〜80kPaとすることで表面粗さ比が所定の範囲内となりやすくなる。射出圧力は30〜80kPaであることが好ましい。
ロール23の温度が低すぎる場合には、ロール23の表面に吸着した水分子の影響により表面粗さが大きくなり、表面粗さ比が小さくなる。表面粗さ比が小さくなるのは、エッジ部41と比べて中央部43の方が水分子の影響が大きくなるためである。ロール23の温度が高すぎる場合には、薄帯24を形成しにくくなる。また、薄帯24を形成できても表面粗さが大きくなる。
射出圧力が小さすぎる場合には、薄帯24を形成しにくくなる。また、薄帯24を形成できても表面粗さが大きくなり表面粗さ比が小さくなる。射出圧力が大きすぎる場合には、薄帯24のエッジ部41が盛り上がる。その結果、表面粗さが大きくなり表面粗さ比が大きくなる。
本実施形態では、図1に示すとおり剥離ガス噴射装置位置に対して逆側に向かってロールを回転させてもよく、図2に示すとおり剥離ガス噴射装置位置に向かってロールを回転させてもよい。ただし、図1に示すとおり剥離ガス噴射装置位置に対して逆側に向かってロールを回転させることが好ましく、ロール23と薄帯24とが接している時間をさらに長くすることでロール23の温度を50〜90℃程度に高くしても薄帯24を急激に冷却しやすくなる。なお、図1に示す方法で実施する場合には、図2に示す方法で実施する場合と比較して、剥離ガス噴射装置26からの剥離ガス噴射圧力を変化させることでロール23と薄帯24とが接している時間を制御する効果が大きい。
また、従来よりもロール23の温度を高くし、かつ、ロール23と薄帯24とが接している時間をさらに長くする場合には、冷却後の薄帯24の均一性を高くし、粒径30nmよりも大きい結晶からなる結晶相が生じにくくなる。その結果、従来の方法では粒径30nmよりも大きい結晶からなる結晶相が生じていた組成でも粒径が30nmよりも大きい結晶からなる結晶相を含まない軟磁性合金薄帯とできるようになる。そして、非晶質のみからなる構造または初期微結晶が非晶質中に存在するナノヘテロ構造を有する軟磁性合金薄帯としやすくなる。
単ロール法においては、主にロール23の回転速度を調整することで得られる薄帯24の厚さを調整することができるが、例えばノズル21とロール23との間隔や溶融金属の温度などを調整することでも得られる薄帯24の厚さを調整することができる。また、射出圧力が小さい場合でもノズル21とロール23との間隔や溶融金属の温度などを調整することで薄帯24を形成し得る場合がある。
チャンバー25内部の蒸気圧には特に制限はない。例えば、露点調整を行ったArガスを用いてチャンバー25内部の蒸気圧を11hPa以下としてもよい。なお、チャンバー25内部の蒸気圧の下限は特に存在しない。露点調整したArガスを充填して蒸気圧を1hPa以下にしてもよく、真空に近い状態として蒸気圧を1hPa以下にしてもよい。
後述する熱処理前の軟磁性合金薄帯24は粒径が30nmよりも大きい結晶が含まれていない。そして、熱処理前の軟磁性合金薄帯24は非晶質のみからなる構造を有していてもよく、初期微結晶が非晶質中に存在するナノヘテロ構造を有していてもよい。
なお、薄帯24に粒径が30nmよりも大きい結晶が含まれているか否かを確認する方法には特に制限はない。例えば、粒径が30nmよりも大きい結晶の有無については、通常のX線回折測定により確認することができる。
また、上記の初期微結晶の有無および平均粒径の観察方法については、特に制限はないが、例えば、イオンミリングにより薄片化した試料に対して、透過電子顕微鏡を用いて、制限視野回折像、ナノビーム回折像、明視野像または高分解能像を得ることで確認できる。制限視野回折像またはナノビーム回折像を用いる場合、回折パターンにおいて非晶質の場合にはリング状の回折が形成されるのに対し、非晶質ではない場合には結晶構造に起因した回折斑点が形成される。また、明視野像または高分解能像を用いる場合には、倍率1.00×10〜3.00×10倍で目視にて観察することで初期微結晶の有無および平均粒径を観察できる。
以下、軟磁性合金薄帯24を熱処理することによりFe基ナノ結晶からなる構造を有する軟磁性合金薄帯を製造する方法について説明する。なお、本実施形態では、Fe基ナノ結晶からなる構造は非晶質化率Xが85%未満である結晶相からなる構造である。上記した通り、非晶質化率XはXRDによりX線結晶構造解析を実施することで測定することができる。
本実施形態の軟磁性合金薄帯を製造するための熱処理条件には特に制限はない。軟磁性合金薄帯の組成により好ましい熱処理条件は異なる。通常、好ましい熱処理温度は概ね450〜650℃、好ましい熱処理時間は概ね0.5〜10時間となる。しかし、組成によっては上記の範囲を外れたところに好ましい熱処理温度および熱処理時間が存在する場合もある。また、熱処理時の雰囲気には特に制限はない。大気中のような活性雰囲気下で行ってもよいし、Arガス中のような不活性雰囲気下で行ってもよい。
また、熱処理により得られた軟磁性合金薄帯に含まれるFe基ナノ結晶の平均粒径の算出方法には特に制限はない。例えば透過電子顕微鏡を用いて観察することで算出できる。また、結晶構造がbcc(体心立方格子構造)であること確認する方法にも特に制限はない。例えばX線回折測定を用いて確認することができる。
そして、熱処理により得られた軟磁性合金薄帯は表面粗さ比が所定の範囲内となる。表面粗さ比が所定の範囲内である軟磁性合金薄帯を巻き回すことで得られるコアや表面粗さ比が所定の範囲内である軟磁性合金薄帯を積層することで得られるコアは占積率が高くなりやすく、飽和磁束密度が高くなりやすい。したがって、良好なコア(特にトロイダルコア)が得られる。
なお、非晶質相からなる構造を有する軟磁性合金薄帯を熱処理してFe基ナノ結晶からなる軟磁性合金薄帯とした場合には、剥離面の中央部の表面粗さおよびエッジ部の表面粗さが減少し、表面粗さ比も減少する。そして、当該軟磁性合金薄帯を用いたコアの占積率も上昇する。これに対し、熱処理後も非晶質相からなる構造を有する軟磁性合金薄帯である場合には、剥離面の表面粗さはほとんど変化しない。また、粒径が30nmよりも大きい結晶が生じる場合には、剥離面の中央部の表面粗さおよびエッジ部の表面粗さが減少するが、Fe基ナノ結晶からなる軟磁性合金薄帯とする場合と比較すると減少幅は小さい。そして、当該軟磁性合金薄帯を用いたコアの占積率を上昇させる効果も小さい。
(磁性部品)
本実施形態に係る磁性部品、特にコアおよびインダクタは本実施形態に係る軟磁性合金薄帯から得られる。以下、本実施形態に係るコアおよびインダクタを得る方法について説明するが、軟磁性合金薄帯からコアおよびインダクタを得る方法は下記の方法に限定されない。また、コアの用途としては、インダクタの他にも、トランスおよびモータなどが挙げられる。
軟磁性合金薄帯からコアを得る方法としては、例えば、軟磁性合金薄帯を巻き回す方法や積層する方法が挙げられる。軟磁性合金薄帯を積層する際に絶縁体を介して積層する場合には、さらに特性を向上させたコアを得ることができる。
また、上記のコアに巻線を施すことでインダクタンス部品が得られる。巻線の施し方およびインダクタンス部品の製造方法には特に制限はない。例えば、上記の方法で製造したコアに巻線を少なくとも1ターン以上巻き回す方法が挙げられる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
(実験例1)
Fe0.84Nb0.070.09の合金組成となるように原料金属を秤量し、高周波加熱にて溶解し、母合金を作製した。
その後、作製した母合金を加熱して溶融させ、1250℃の溶融状態の金属とした後に、ロールを回転速度25m/sec.で回転させる単ロール法により前記金属をロールに噴射させ、薄帯を作成した。なお、ロールの材質はCuとした。
図1に示す方向にロールを回転させ、ロール温度は表1に示す温度とした。チャンバー内と噴射ノズル内との差圧(射出圧力)は表1に示す圧力とした。また、スリットノズルのスリット幅を180mm、スリット開口部からロールまでの距離0.2mm、ロール径φ300mmとすることで、得られる薄帯の厚さを20〜30μm、薄帯の長さを数十mとした。
さらに、熱処理前の薄帯が非晶質相からなるのか結晶相からなるのかを確認した。XRDを用いて各薄帯の非晶質化率Xを測定し、Xが85%以上である場合に非晶質相からなるとした。Xが85%未満である場合に結晶相からなるとした。結果を表1に示す。
その後、各実施例および比較例の薄帯に対し、600℃で60分、熱処理を行った。
熱処理後の各薄帯に対し、剥離面の表面粗さ(算術平均粗さ)を測定した。また、剥離面の表面粗さ比を計算により算出した。剥離面の表面粗さは、JIS−B0601に準拠した接触式表面粗さ測定器を用いて接触式でエッジ部と中央部とで3か所ずつ測定し、それぞれの表面粗さを平均した。さらに、表面粗さ比を算出した。
さらに、熱処理後の各薄帯に対し、自由面の表面粗さ(最大高さ粗さ)を測定した。自由面の表面粗さは、JIS−B0601に準拠した接触式表面粗さ測定器を用いて接触式で、中央部で3か所測定し、平均した。なお、本明細書に記載した全ての実施例において、自由面の表面粗さは4.3μm以下であった。
熱処理後の各薄帯の保磁力および飽和磁束密度を測定した。保磁力は(Hcメーター)を用いて測定した。飽和磁束密度は振動試料型磁力計(VSM)を用いて磁場1000kA/mで測定した。保磁力は12.0A/m以下を良好とし、5.0A/m以下を更に良好とし、2.5A/m以下を更に良好とし、2.0A/m以下を特に良好とし、1.5A/m以下を最も良好とした。飽和磁束密度は1.50T以上を良好とした。
なお、以下に示す実施例の薄帯では特に記載の無い限り、全て平均粒径が5〜30nmであり結晶構造がbccであるFe基ナノ結晶を有していたことをX線回折測定、および透過電子顕微鏡を用いた観察で確認した。また、熱処理の前後で合金組成に変化がないことについてICP分析を用いて確認した。
さらに、各実施例および比較例の薄帯を用いてコアを作製した。まず、薄帯から鋳造方向の長さが310mmである薄帯片を切り出した。次に、切り出した薄帯片を、外径18mm内径10mmのトロイダル状に120枚打ち抜き、打ち抜いた薄帯片を積層し、高さ約3mm積層トロイダルコアを得た。なお、コア作製時に磁場中での熱処理は行っていない。
コアの占積率は、コアの寸法密度とあらかじめ測定した薄帯単体のアルキメデス密度との比から求めた。コアの飽和磁束密度は、B−Hアナライザーで測定した。コアの占積率は85.00%以上を良好とし、87.50%以上をさらに良好とした。コアの飽和磁束密度は1.35T以上を良好とした。
Figure 2020070469
表1より、ロール温度が50℃以上90℃以下であり、射出圧力が20kPa以上80kPa以下である各実施例は、薄帯の表面粗さ比が0.85〜1.25の範囲内となり、薄帯の磁気特性が良好となった。さらに、当該薄帯を用いて作製されるコアの占積率が良好であり、コアの飽和磁束密度も良好となった。
これに対し、ロール温度が低すぎる試料1および試料2は、薄帯の表面粗さ比が0.85〜1.25の範囲外となり、薄帯の飽和磁束密度が低下した。さらに、当該薄帯を用いて作製されるコアの占積率も低下し、コアの飽和磁束密度はさらに低下した。
(実験例2)
実験例2では、下表に示す各実施例および比較例の合金組成となるように原料金属を秤量し、高周波加熱にて溶解し、母合金を作製した点以外は実験例1と同条件で実施した。なお、ロール温度は70℃、射出圧力は50kPaとした。結果を表2〜表22に示す。
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
Figure 2020070469
表2〜表3は、Mの含有量(a)を変化させた実施例および比較例を記載したものである。なお、Mの種類はNbとしている。各成分の含有量が所定の範囲内である各実施例は薄帯の表面粗さ比が0.85〜1.25の範囲内となり、薄帯の磁気特性が良好となった。さらに、当該薄帯を用いて作製されるコアの占積率が良好であり、コアの飽和磁束密度も良好となった。これに対し、Mの含有量(a)が大きすぎる比較例は、薄帯の飽和磁束密度が低下し、コアの磁束密度も低下した。
表4〜表5は、Bの含有量(b)を変化させた実施例および比較例を記載したものである。各成分の含有量が所定の範囲内である各実施例は薄帯の表面粗さ比が0.85〜1.25の範囲内となり、薄帯の磁気特性が良好となった。さらに、当該薄帯を用いて作製されるコアの占積率が良好であり、コアの飽和磁束密度も良好となった。これに対し、Bの含有量(b)が小さすぎる比較例は、熱処理前の薄帯が結晶相からなり、熱処理後の保磁力が著しく大きくなった。また、表面粗さ比も0.85〜1.25の範囲外となり、コアの占積率も低下した。Bの含有量が大きすぎる比較例は、薄帯の飽和磁束密度が低下し、コアの磁束密度も低下した。
表6〜表7は、Pの含有量(c)を変化させた実施例および比較例を記載したものである。各成分の含有量が所定の範囲内である各実施例は薄帯の表面粗さ比が0.85〜1.25の範囲内となり、薄帯の磁気特性が良好となった。さらに、当該薄帯を用いて作製されるコアの占積率が良好であり、コアの飽和磁束密度も良好となった。これに対し、Pの含有量(c)が大きすぎる比較例は、薄帯の飽和磁束密度が低下し、コアの磁束密度も低下した。
表8〜表9は、Cの含有量(e)を変化させた実施例および比較例を記載したものである。各成分の含有量が所定の範囲内である各実施例は薄帯の表面粗さ比が0.85〜1.25の範囲内となり、薄帯の磁気特性が良好となった。さらに、当該薄帯を用いて作製されるコアの占積率が良好であり、コアの飽和磁束密度も良好となった。これに対し、Cの含有量(e)が大きすぎる比較例は、熱処理前の薄帯が結晶相からなり、熱処理後の保磁力が著しく大きくなった。
表10〜表11は、Sの含有量(f)を変化させた実施例および比較例を記載したものである。各成分の含有量が所定の範囲内である各実施例は薄帯の表面粗さ比が0.85〜1.25の範囲内となり、薄帯の磁気特性が良好となった。さらに、当該薄帯を用いて作製されるコアの占積率が良好であり、コアの飽和磁束密度も良好となった。これに対し、Cの含有量(e)が大きすぎる比較例は、熱処理前の薄帯が結晶相からなり、熱処理後の保磁力が著しく大きくなった。
表12〜表13は、Siの含有量(d)を変化させた実施例を記載したものである。各成分の含有量が所定の範囲内である各実施例は薄帯の表面粗さ比が0.85〜1.25の範囲内となり、薄帯の磁気特性が良好となった。さらに、当該薄帯を用いて作製されるコアの占積率が良好であり、コアの飽和磁束密度も良好となった。
表14〜表15は、Mの含有量を0として、Siの含有量(d)を変化させた実施例および比較例を記載したものである。なお、試料20は熱処理を行っておらず、従来から知られている組成のFeアモルファス合金薄帯を作製したものである。各成分の含有量が所定の範囲内である各実施例は薄帯の表面粗さ比が0.85〜1.25の範囲内となり、薄帯の磁気特性が良好となった。さらに、当該薄帯を用いて作製されるコアの占積率が良好であり、コアの飽和磁束密度も良好となった。これに対し、試料20は実施例の各薄帯と比較して保磁力が高くなった。
表16〜表17は、表6〜表7に記載した実験例よりもFe量が多くB量が少なくMがZrである組成でPの含有量(c)を変化させた実施例を記載したものである。各成分の含有量が所定の範囲内である各実施例は薄帯の表面粗さ比が0.85〜1.25の範囲内となり、薄帯の磁気特性が良好となった。さらに、当該薄帯を用いて作製されるコアの占積率が良好であり、コアの飽和磁束密度も良好となった。
表18は、Mの種類を変化させた実施例を記載したものである。Mの種類を所定の種類に変化させた各実施例は薄帯の表面粗さ比が0.85〜1.25の範囲内となり、薄帯の磁気特性が良好となった。さらに、当該薄帯を用いて作製されるコアの占積率が良好であり、コアの飽和磁束密度も良好となった。
表19〜表22は、X1および/またはX2の種類および含有量を変化させた実施例を記載したものである。X1および/またはX2の種類を所定の種類に変化させ、含有量を所定の範囲内に変化させた各実施例は薄帯の表面粗さ比が0.85〜1.25の範囲内となり、薄帯の磁気特性が良好となった。さらに、当該薄帯を用いて作製されるコアの占積率が良好であり、コアの飽和磁束密度も良好となった。
(実験例3)
実験例2の試料20(比較例)および試料39(実施例)について、熱処理前後での構造、表面粗さおよび保磁力の変化を観察した。
実験例2では熱処理を行わなかった試料20について、表23に示す熱処理温度および熱処理時間にて熱処理を行った。そして、熱処理を行う場合の構造、表面粗さおよび保磁力を観察した。構造および表面粗さを表23に示す。なお、表23では、熱処理を行わない試料における熱処理後のXRD測定結果は熱処理前のXRD測定結果と同一であるとした。
実験例2では熱処理を行った試料39について、熱処理を行わない場合の構造、表面粗さおよび保磁力を観察した。構造および表面粗さを表23に示す。なお、表23では、熱処理を行わない試料における熱処理後のXRD測定結果は熱処理前のXRD測定結果と同一であるとした。
Figure 2020070469
表23に示すように、Mを含まずSiの含有量(d)が本願発明の範囲外である試料20に関して、熱処理後も結晶が発生しなかった試料20aは表面粗さも実質的に変化しなかった。なお、保磁力はわずかに低下した。また、試料20aと比較して熱処理温度を高くした試料20bは熱処理後に粒径が30nmよりも大きい(粗大)結晶が存在した。そして、中央部の表面粗さもエッジ部の表面粗さもわずかに低下した。なお、保磁力は著しく上昇した。
したがって、組成が本願発明の範囲外である試料20は、熱処理を行っても、表面粗さが変化せず保磁力がわずかに低下する程度であるか、大きな結晶が生じて表面粗さがわずかに低下し保磁力が著しく上昇するか、のいずれかである。
表23に示すように、熱処理前の試料39(試料39a)と熱処理後の試料39とを比較する。組成が所定の範囲内であり熱処理により平均粒径が5〜30nmであり結晶構造がbccであるFe基ナノ結晶が生じる場合には、熱処理後は中央部の表面粗さもエッジ部の表面粗さも熱処理前と比較して大きく低下する。なお、保磁力も熱処理により大きく低下した。したがって、熱処理によりFe基ナノ結晶が生じることで表面粗さが低下し、保磁力が低下することがわかった。なお、表面粗さ比も低下した。すなわち、中央部の表面粗さよりもエッジ部の表面粗さの方が熱処理による低下幅が少し大きかった。
21… ノズル
22… 溶融金属
23… ロール
24… (軟磁性合金)薄帯
24a… 剥離面
24b… 自由面
25… チャンバー
26… 剥離ガス噴射装置
41…エッジ部
43…中央部
さらに、熱処理前の薄帯が非晶質相からなるのか結晶相からなるのかを確認した。XRDを用いて各薄帯の非晶質化率Xを測定し、Xが85%以上である場合に非晶質相からなるとした。Xが85%未満である場合に結晶相からなるとした

Claims (11)

  1. 組成式(Fe(1−(α+β))X1αX2β(1−(a+b+c+d+e+f))Siからなる主成分を有する軟磁性合金薄帯であって、
    X1はCoおよびNiからなる群から選択される1つ以上、
    X2はAl,Mn,Ag,Zn,Sn,As,Sb,Cu,Cr,Bi,N,Oおよび希土類元素からなる群より選択される1つ以上、
    MはNb,Hf,Zr,Ta,Mo,W,TiおよびVからなる群から選択される1つ以上であり、
    0≦a≦0.140
    0.020≦b≦0.200
    0≦c≦0.150
    0≦d≦0.090
    0≦e≦0.030
    0≦f≦0.030
    α≧0
    β≧0
    0≦α+β≦0.50
    であり、
    a,cおよびdのうち少なくとも一つ以上が0より大きく、
    前記軟磁性合金薄帯はFe基ナノ結晶からなる構造を有し、
    前記軟磁性合金薄帯は、厚さ方向に垂直な剥離面および自由面を有し、
    前記軟磁性合金薄帯は、幅方向に沿ってエッジ部および中央部を有し、
    前記剥離面において幅方向に沿って算術平均粗さを測定する場合に、前記中央部における算術平均粗さの平均値をRa、前記エッジ部における算術平均粗さの平均値をRaとして、
    0.85≦Ra/Ra≦1.25
    を満たす軟磁性合金薄帯。
  2. 前記Fe基ナノ結晶の平均粒径が5〜30nmである請求項1に記載の軟磁性合金薄帯。
  3. 0.73≦1−(a+b+c+d+e+f)≦0.91である請求項1または2に記載の軟磁性合金薄帯。
  4. 0≦α{1−(a+b+c+d+e+f)}≦0.40である請求項1〜3のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯。
  5. α=0である請求項1〜4のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯。
  6. 0≦β{1−(a+b+c+d+e+f)}≦0.030である請求項1〜5のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯。
  7. β=0である請求項1〜6のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯。
  8. α=β=0である請求項1〜7のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯。
  9. Raが0.50μm以下である請求項1〜8のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯。
  10. 前記自由面において鋳造方向に沿って最大高さ粗さを測定する場合に、最大高さ粗さの平均値が0.43μm以下である請求項1〜9のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の軟磁性合金薄帯からなる磁性部品。
JP2018205074A 2018-01-12 2018-10-31 軟磁性合金薄帯および磁性部品 Active JP6845205B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018205074A JP6845205B2 (ja) 2018-10-31 2018-10-31 軟磁性合金薄帯および磁性部品
US16/961,583 US11427896B2 (en) 2018-01-12 2018-12-03 Soft magnetic alloy ribbon and magnetic device
PCT/JP2018/044410 WO2019138730A1 (ja) 2018-01-12 2018-12-03 軟磁性合金薄帯および磁性部品
CN201880086097.9A CN111566243A (zh) 2018-01-12 2018-12-03 软磁性合金薄带及磁性部件
TW107143593A TWI685578B (zh) 2018-01-12 2018-12-05 軟磁性合金薄帶及磁性部件

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018205074A JP6845205B2 (ja) 2018-10-31 2018-10-31 軟磁性合金薄帯および磁性部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020070469A true JP2020070469A (ja) 2020-05-07
JP6845205B2 JP6845205B2 (ja) 2021-03-17

Family

ID=70547160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018205074A Active JP6845205B2 (ja) 2018-01-12 2018-10-31 軟磁性合金薄帯および磁性部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6845205B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021205924A1 (ja) 2020-04-09 2021-10-14 ミネベアミツミ株式会社 集積回路

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002205148A (ja) * 2001-01-09 2002-07-23 Hitachi Metals Ltd アモルファス合金薄帯の製造方法
JP2002316243A (ja) * 2001-02-14 2002-10-29 Hitachi Metals Ltd アモルファス合金薄帯の製造方法、およびこれを用いたナノ結晶合金薄帯の製造方法
WO2013137117A1 (ja) * 2012-03-15 2013-09-19 日立金属株式会社 アモルファス合金薄帯及びその製造方法
JP2014240516A (ja) * 2013-06-12 2014-12-25 日立金属株式会社 ナノ結晶軟磁性合金及びこれを用いた磁性部品
JP2016145373A (ja) * 2015-02-06 2016-08-12 Necトーキン株式会社 Fe基ナノ結晶合金の製造方法
WO2018062037A1 (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 日立金属株式会社 Fe基アモルファス合金薄帯
JP2018123363A (ja) * 2017-01-30 2018-08-09 Tdk株式会社 軟磁性合金および磁性部品

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002205148A (ja) * 2001-01-09 2002-07-23 Hitachi Metals Ltd アモルファス合金薄帯の製造方法
JP2002316243A (ja) * 2001-02-14 2002-10-29 Hitachi Metals Ltd アモルファス合金薄帯の製造方法、およびこれを用いたナノ結晶合金薄帯の製造方法
WO2013137117A1 (ja) * 2012-03-15 2013-09-19 日立金属株式会社 アモルファス合金薄帯及びその製造方法
JP2014240516A (ja) * 2013-06-12 2014-12-25 日立金属株式会社 ナノ結晶軟磁性合金及びこれを用いた磁性部品
JP2016145373A (ja) * 2015-02-06 2016-08-12 Necトーキン株式会社 Fe基ナノ結晶合金の製造方法
WO2018062037A1 (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 日立金属株式会社 Fe基アモルファス合金薄帯
JP2018123363A (ja) * 2017-01-30 2018-08-09 Tdk株式会社 軟磁性合金および磁性部品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021205924A1 (ja) 2020-04-09 2021-10-14 ミネベアミツミ株式会社 集積回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP6845205B2 (ja) 2021-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102131220B1 (ko) 연자성 합금 및 자성 부품
WO2019138730A1 (ja) 軟磁性合金薄帯および磁性部品
JP6160760B1 (ja) 軟磁性合金および磁性部品
KR102423591B1 (ko) 연자성 합금 및 자성 부품
JP6451878B1 (ja) 軟磁性合金および磁性部品
JP6614300B2 (ja) 軟磁性合金および磁性部品
JP6226094B1 (ja) 軟磁性合金および磁性部品
TWI685004B (zh) 軟磁性合金及磁性部件
WO2019168159A1 (ja) 磁性コアとその製造方法、およびコイル部品
JP2018070965A (ja) 軟磁性合金および磁性部品
JP2018123363A (ja) 軟磁性合金および磁性部品
JP2018123361A (ja) 軟磁性合金および磁性部品
JP2018123360A (ja) 軟磁性合金および磁性部品
TWI680191B (zh) 軟磁性合金及磁性部件
TW201915191A (zh) 軟磁性合金及磁性零件
JP6845205B2 (ja) 軟磁性合金薄帯および磁性部品
JP2019052356A (ja) 軟磁性合金および磁性部品
JP2021080545A (ja) 軟磁性合金薄帯および磁性部品
JP6337994B1 (ja) 軟磁性合金および磁性部品
JP6604407B2 (ja) 軟磁性合金および磁性部品
JP2021080546A (ja) 軟磁性合金薄帯および磁性部品
JP2019052367A (ja) 軟磁性合金および磁性部品
JP7106919B2 (ja) 軟磁性薄膜、薄膜インダクタおよび磁性製品
JP2022158881A (ja) 軟磁性合金、軟磁性合金薄帯および磁性部品
WO2019163660A1 (ja) 軟磁性合金および磁性部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190214

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190214

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190509

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190821

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20190821

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190828

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20190903

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20191018

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20191023

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20200714

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20201104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201222

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210119

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20210224

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20210224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6845205

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150