JP2002205148A - アモルファス合金薄帯の製造方法 - Google Patents

アモルファス合金薄帯の製造方法

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JP2002205148A
JP2002205148A JP2001000971A JP2001000971A JP2002205148A JP 2002205148 A JP2002205148 A JP 2002205148A JP 2001000971 A JP2001000971 A JP 2001000971A JP 2001000971 A JP2001000971 A JP 2001000971A JP 2002205148 A JP2002205148 A JP 2002205148A
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Atsushi Sunakawa
淳 砂川
Yoshio Bizen
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面粗さが向上した薄帯に破断が生じること
なく、連続的に巻き取ることができ、さらに薄帯の長手
方向における表面粗さの変動が小さいアモルファス合金
薄帯を製造する方法を提供する。 【解決手段】 移動冷却体上に溶湯を注湯し、急冷凝固
させるアモルファス合金薄帯の製造方法において、冷却
体上に形成される湯だまり部分に鋳造開始から一定時間
経過後、COガスを主体とするガス、あるいは密度が
0.8kg/m以下のガスの供給を開始するアモルフ
ァス合金薄帯の製造方法。および移動冷却体上に溶湯を
注湯し、急冷凝固させるアモルファス合金薄帯の製造方
法において、COガスを主体とするガス、あるいは密
度が0.8kg/m以下のガスの供給量を鋳造時間の
経過とともに増加するアモルファス合金薄帯の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アモルファス合金
薄帯の製造方法であって、安定かつ高品位なアモルファ
ス合金薄帯の連続鋳造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アモルファス合金薄帯の製造方法とし
て、液体急冷法が広く知られている。液体急冷法には単
ロール法、双ロール法、遠心法等があるが、生産性およ
びメンテナンス性から、高速で回転する一つの冷却ロー
ル上に溶融金属を供給し、急冷凝固させて薄帯を得る単
ロール法が優れている。図1に単ロール法によるアモル
ファス合金薄帯の製造方法の一例を示す。坩堝1に母合
金3を挿入した後、高周波コイル2にて溶解し、溶湯噴
出ノズル4から溶湯を高速回転する冷却ロール5上に噴
出、急冷凝固してアモルファス合金薄帯6を得る。急冷
凝固後したアモルファス合金薄帯は、例えば図1に示す
ように凝固直後に冷却ロールの回転方向とは逆向きに、
剥離ガスノズル7から窒素や圧縮空気等の高圧ガスを吹
き付けることによって、薄帯を冷却ロールから強制的に
剥離させ、回収することが行われている。
【0003】このような液体急冷法では、一回の鋳造で
連続的に製造されるアモルファス合金薄帯の全長は10
00mを越える。この場合、鋳造終了後にリール等で薄
帯を巻き取って回収することは、薄帯に生じる捩じれ等
のため非常に難しい。従って、薄帯の回収は、鋳造中に
冷却ロール上から剥離させながら連続的に行うことが必
要となる。
【0004】剥離後のアモルファス合金薄帯の回収は、
例えば、特開平8−318352や、特開平11−18
8458に開示されているような、表面に磁性を帯びた
巻取りロールを冷却ロールと逆向きに回転させながら剥
離させた薄帯に近づけ、薄帯を付着、巻取ることにより
連続的に回収することができる。
【0005】上記一連の方法によりアモルファス合金薄
帯を作製した場合、薄帯のロール接触面側にはエアポケ
ットと呼ばれる窪みが形成される。これは、冷却ロール
の回転に伴い発生する連れ回りガスが、湯だまり部分
(以下パドルと呼ぶ。)と冷却ロールとの境界層に巻き
込まれた際、凝固するまでにパドル内部で膨張するため
であると言われている。このようなエアポケットの形成
は薄帯の面粗さを増大するため、少ないことが好まし
い。
【0006】エアポケットの発生を抑制するための手法
として、ドイツ特許DD266046A1、特開平6−
269907号公報等ではパドル後方(ロール回転方向
の反対側)からCOガスを流す方法が提案されてい
る。これは、COガスによりパドル表面に均一な酸化
膜が形成されることでパドルの粘性を高まった結果、パ
ドルの振動が抑制され、連れまわりガスがパドル内に巻
き込まれにくくなるためと推測されている。
【0007】別の方法として、真空中あるいはHe雰囲
気中で製造する方法や、あるいはパドル後方より、常温
のHeガスや加熱したCOガス等、常温の空気と比べて
密度の低いガスを流しながら製造する方法が、特開昭5
9−209457号、特公平1−501924号公報等
で提案されている。これらの方法でエアポケットの発生
が抑えられるのは、前述したような冷却ロールの回転に
伴い発生する連れまわりガスの密度を下げることによ
り、パドルに衝突するガスの動圧が低下し、パドルの振
動が抑制されることによると考えられている。上述した
様々な手法の内、コスト及びメンテナンス性の点から、
パドル後方からCOガスあるいは、常温の空気より密
度の低いガスを流す方法が量産に適している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにアモルフ
ァス合金薄帯鋳造時、パドル後方からCOガスあるい
は、常温の空気よりも密度の低いガスを供給することに
より、鋳造時のエアポケットの発生は抑制され、アモル
ファス合金薄帯の面粗さを低減することができる。しか
しこれらのガスを導入した場合、薄帯を冷却ロールから
強制的に剥離させ、巻取りロールに薄帯を連続的に回収
する際に下記のような新たな問題を生じることがわかっ
た。上述したような薄帯の面粗さ低減に効果のあるガス
を供給しない場合は、高い確率で鋳造終了まで薄帯を巻
取りロールに回収できるにも関わらず、COガス等を
供給して製造した場合、鋳造のごく初期の段階で薄帯が
破断し、鋳造終了まで巻取れる確率が低下する。
【0009】また、単ロール法によりアモルファス合金
薄帯を製造した場合、上記の問題とは別に、一回の鋳造
で連続的に製造される薄帯において、鋳造末期の薄帯の
面粗さは鋳造初期と比べて劣化することが問題となる。
これは、主に高温の溶湯が冷却ロールに衝突し続けるこ
とによる損耗の結果発生するロール表面の凹凸が、溶湯
凝固時に薄帯表面に転写されるためである。この面粗さ
の劣化は、アモルファス合金薄帯を磁心材料として用い
る場合に下記の問題を生じる。
【0010】アモルファス合金薄帯は、主な用途の一つ
に磁心としての利用があり、例えば、薄帯をトロイダル
状に巻き回した後、巻磁心として用いられる。この巻磁
心の軟磁気特性に着目すると、面粗さの異なる薄帯を巻
き回して製造された巻磁心間では、巻磁心の軟磁気特性
にばらつきを生じる。このため鋳造初期に得られた薄帯
を用いて製造された巻磁心と、鋳造末期に得られた薄帯
を用いて製造された巻磁心とでは異なる軟磁気特性を示
すという問題を生じる。特に数kHz以下の低い周波数
で用いる巻磁心では、面粗さの影響が大きいため問題と
なる。熱処理によりナノ結晶が発現可能なアモルファス
合金薄帯で、薄帯を巻き回した後、適当な温度での熱処
理によりアモルファスをナノ結晶化した巻磁心でも同様
の問題を生じる。
【0011】本発明は、単ロール法を用いた連続鋳造に
よるアモルファス合金薄帯の製造において、COガス
あるいは、常温の空気よりも密度の低いガスを供給する
ことにより、表面粗さが向上した薄帯に破断が生じるこ
となく、連続的に巻き取ることができ、さらに薄帯の長
手方向における表面粗さの変動が小さいアモルファス合
金薄帯を製造する方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アモルフ
ァス合金薄帯の単ロール法による製造方法において、剥
離された薄帯を連続的に巻き取ろうとした際の薄帯の破
断及び、薄帯の長手方向における面粗さの変動の問題を
検討し、薄帯の面粗さ改善のために導入するCOガス
あるいは、常温の空気より密度の低いガスの供給方法を
最適化することにより、上記二つの問題を改善できるこ
とを見出し本発明に到達した。
【0013】巻取り時の薄帯の破断は、冷却ロールへの
鋳造を開始した後、一定時間経過後に、COガスある
いは常温の空気より密度の低いガスの供給を開始するこ
とで改善することが出来る。ここで本発明者らの検討に
よれば、上記COガス以外のガスの密度は、常温での
空気の密度が1.2kg/m程度であるのに対し、パ
ドル部へ供給するガスの密度を0.8kg/m以下と
すると十分な効果が得られる。すなわち第一の発明は、
移動冷却体上に溶湯を注湯し、急冷凝固させるアモルフ
ァス合金薄帯の製造方法において、冷却体上に形成され
る湯だまり部分に鋳造開始から一定時間経過後、CO
ガスを主体とするガス、あるいは密度が0.8kg/m
以下のガスの供給を開始することを特徴とするアモル
ファス合金薄帯の製造方法である。
【0014】次に、巻取り成功後に連続的に製造される
薄帯の面粗さの変動は、鋳造開始後上記ガスの供給量を
徐々に増加することにより改善することが出来る。すな
わち第二の発明は、移動冷却体上に溶湯を注湯し、急冷
凝固させるアモルファス合金薄帯の製造方法において、
COガスを主体とするガス、あるいは密度が0.8k
g/m以下のガスの供給量を鋳造時間の経過とともに
増加することを特徴とするアモルファス合金薄帯の製造
方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】上述したように、第一の発明の重
要な特徴は、高速で移動する冷却体上に形成されるパド
ルへのCOガスを主体とするガス、あるいは密度が
0.8kg/m 以下のガスの供給を鋳造開始から一定
時間経過後としたことにある。
【0016】本発明者らは、鋳造開始前から上記ガスの
供給を開始した場合に、鋳造のごく初期に薄帯が破断し
た際の薄帯巻取りの様子及び、巻取り後の薄帯を調査し
た結果、薄帯の破断は冷却ロール上で発生しており、ま
た巻き取られた薄帯は、薄帯の端部に欠けや割れが生じ
た状態で巻取り用ロールに接触していることが分かっ
た。
【0017】通常、鋳造開始直後は、薄帯の面粗さ改善
のために導入するCO等のガスの有無に関わらず、冷
却ロールの表面温度が不安定なため、パドルの形状が安
定しない。その結果、鋳造開始直後の薄帯は帯の厚みが
小さく、また穴等の欠陥が多い。このため薄帯は強度が
低く、破断を生じ易い状態にある。本発明でCO
ス、あるいは密度が0.8kg/m以下のガスの供給
を鋳造開始から一定時間経過後としたのは、上記のよう
に破断を生じ易い状態の薄帯への上記ガスの供給は、以
下に説明する理由から薄帯破断の高い発生率に直結する
からである。
【0018】パドルへ上記COガス等を供給した場
合、前述したように薄帯のロール接触面側に発生するエ
アポケットが減少することから、溶湯および凝固後の薄
帯が冷却ロールと直接接触する面積が大きくなり、薄帯
の冷却速度が高くなる。その結果、凝固後の薄帯は急激
に熱収縮し、COガス等を供給しない場合よりも内部
に高い応力が発生する。本発明者らが巻取り後の薄帯を
検証した際に、薄帯の端部に欠けや割れが見られたのは
このためと考えられる。さらに、鋳造のごく初期に冷却
ロール上で破断が発生するのも、もともと破断が発生し
易い状態の薄帯に発生する高い応力が原因と考えられ
る。
【0019】以上の理由から、鋳造のごく初期に生じる
薄帯の破断防止のためには、冷却ロールの表面温度が一
定となり薄帯の状態が安定した後に、COガス等の供
給を開始することが有効である。
【0020】次に第二の発明であるが、該発明の重要な
特徴は、COガスを主体とするガス、あるいは密度が
0.8kg/m以下のガスの供給量を鋳造時間の経過
とともに増加することである。
【0021】先に述べたように、冷却ロールの表面は製
造時間の経過とともに、溶湯によって損耗し凹凸を生じ
る。冷却ロールの表面形態は薄帯のロール接触面側に転
写されるため、薄帯の表面粗さも一回の鋳造中に製造時
間の経過とともに大きくなる。加えて、冷却ロールの表
面に凹凸を生じると、パドルと冷却ロール表面の境界層
に連れまわりガスが巻き込まれやすくなるため、ロール
接触面側のエアポケットの数、大きさが次第に増大し、
さらに薄帯の表面粗さは劣化する。
【0022】本発明は、製造時間の経過とともに劣化す
る薄帯の面粗さに対して、原因である冷却ロール面の劣
化の進行に合わせて、面粗さ改善に効果のある上記CO
ガス等の供給量を徐々に増加することにより、鋳造後
の薄帯面粗さの変動を小さくするものである。言い換え
ると、冷却ロール面粗さが小さいときにはCOガス等
の効果をある程度抑え、冷却ロールの面粗さが大きいと
きにはCOガス等によってエアポケットの発生を抑え
ることにより、一回の鋳造で連続的に製造される薄帯の
面粗さの変動を小さくするものである。
【0023】上記第二の発明は、第一の発明と組み合わ
せて鋳造開始から一定時間経過後にCOガス、あるい
は密度が0.8kg/m以下のガスの供給を開始した
後、供給量を鋳造時間の経過とともに増加することが好
ましいが、鋳造開始直後から、微量のCOガス等を供
給し始め徐々にその供給量を増加してもよい。
【0024】本発明においてCOガスを主体とするガ
スとは、COガスを含むことによりエアポケットを抑
制する効果を有するガスを意味するものであり、ガス中
の実際のCO濃度を規定するものではない。また、密
度が0.8kg/m以下のガスとしては、常温ではH
eがある。Heの他にも、常温での密度が0.8kg/m
を越えるAr、CO、COガス等を加熱することに
より、密度を0.8kg/m以下としたものを適用す
ることも本発明に含まれる。
【0025】なお、本発明に記載の移動冷却体として
は、回転する円筒状のロールまたは、移動するベルトな
ど、移動する冷却表面を確保できる部材を使用すること
ができるが、前述したように生産性やメンテナンス等の
点から、回転する一つの円筒状ロールを用いる単ロール
法の適用が好ましい。ロールの材質としては、Cu、C
u−Be合金、Cu−Cr合金等の熱伝導率が高い材料
が良い。また、ロール内部にロールの円周方向または軸
方向に水等の熱媒体を流すと、よりロール表面の温度調
整がし易い。
【0026】
【実施例】(実施例1)図1に示した坩堝1内に予め溶
製された原子%で9Si−13B、残部実質的にFeか
らなる組成のインゴットを装入、高周波誘導加熱で溶解
した。これをCu−Be合金からなる冷却ロール5上に
噴出、急冷凝固して、幅30mm、厚さ21μmのアモル
ファス合金薄帯6を製造した。
【0027】鋳造は下記の条件で10回行った。 ガス導入位置:ガスノズルをガス噴出方向の主軸を冷却
ロールに向け、溶湯噴出ノズルの後方に設置(図2参
照)。 冷却ロール周速:27m/sec 溶湯温度:1300℃ 溶湯噴出ノズル先端と冷却ロールとの距離:150μm ガスの種類:COガス950℃に加熱し密度を0.4
kg/mとしたArガス ガス流量:30L/min ガス供給開始:鋳造開始から10秒経過後
【0028】なお、薄帯の回収は図1中に示すように、
冷却ロールの回転方向とは逆向きに窒素ガスを吹き付け
ることによって強制的に剥離させた薄帯に、表面に粘着
剤を付与した巻取り用ロールを冷却ロールとは逆向きに
回転させながら近づけることによって行い、鋳造開始約
2秒経過後から開始した。また、図2中のパドル9とガ
スノズル8の吹き出し口との距離Lは15mmとし、ガ
スノズル8の吹き出し口の形状は、ロールの幅方向に5
0mm、回転方向に1mmとした。
【0029】比較として、鋳造開始前からガスを流す場
合についても、同様の条件で10回繰り返して薄帯の製
造を行った。上記2種類の製造条件で作製した結果、ガ
スを鋳造開始から10秒経過後より行った場合は、いず
れのガスにおいても100%の確率で巻取りに成功し、
薄帯を回収できた。一方、鋳造開始よりガスを流した場
合は、巻取りに成功したのはCOガスでは20%、加
熱したArガスでは30%であった。
【0030】(実施例2)図1に示した坩堝内に予め溶
製された原子%で1Cu−3Nb−15.5Si−6.
5B、残部実質的Feからなる、鋳造後の熱処理により
ナノ結晶が発現可能な組成のインゴットを装入、高周波
誘導加熱で溶解した。これをCu−Be合金からなる冷
却ロール上に噴出、急冷凝固して、幅25mm、厚さ1
5μmのナノ結晶軟磁性材用アモルファス合金薄帯を製
造した。
【0031】鋳造は下記の条件で10回繰り返して行っ
た。 ガス導入位置:ガスノズルをガス噴出方向の主軸を冷却
ロールに向け、溶湯噴出ノズルの後方に設置(図2参
照)。 冷却ロール周速:27m/sec 溶湯温度:1360℃ 溶湯噴出ノズル先端と冷却ロールとの距離:120μm ガスの種類:He(ガス加熱無し、常温での密度:0.
16kg/m) ガス流量:50L/min ガス供給開始:鋳造開始から5秒経過後
【0032】なお、製造した薄帯の回収は、実施例1に
記載した方法と同様とした。また、図2中のLは10m
mとし、ガスノズルの吹き出し口の形状は、ロールの幅
方向に35mm、回転方向に1mmとした。
【0033】比較として、鋳造開始前からHeガスを5
0L/min流す場合、及びガスを全く流さない場合に
ついても、他の条件は同様としてそれぞれ10回、薄帯
の製造を繰り返して行った。
【0034】鋳造開始5秒後からHeガス供給を開始し
た場合、及びHeガスを供給しなかった場合では、薄帯
の巻取り成功率は100%であるのに対し、鋳造開始前
からHeガスを供給した場合は10%と低い数値となっ
た。
【0035】(実施例3)図1に示した坩堝内に予め溶
製された原子%で1Cu−2.5Nb−13.5Si−
7B、残部実質的Feからなり、鋳造後の熱処理により
ナノ結晶が発現可能な組成のインゴットを装入、高周波
誘導加熱で溶解した。これをCu−Be合金からなる冷
却ロール上に噴出、急冷凝固して、幅20mm、厚さ1
9μmのアモルファス合金薄帯を製造した。
【0036】鋳造は下記の条件で10回行った。 ガス導入位置:ガスノズルをガス噴出方向の主軸を冷却
ロールに向け、溶湯噴出ノズルの後方に設置(図2参
照)。 冷却ロール周速:30m/sec 溶湯温度: 1350℃ 溶湯噴出ノズル先端と冷却ロールとの距離:120μm ガスの種類:COガス ガス流量:5L/minから開始し、約5秒間隔で5L
/minずつ増量鋳造開始約40秒後に40L/min
まで増量 ガス供給開始:鋳造開始から5秒経過後
【0037】なお、製造した薄帯の回収は、実施例1に
記載した方法と同様とした。また、図2中のLは15m
m、ガスノズルの吹き出し口の形状は、ロールの幅方向
に30mm、回転方向に1.5mmとした。
【0038】比較として、鋳造開始前からCOガスを
40L/min流す場合、及びCO ガスを全く流さな
い場合についても、他の条件は同様として薄帯の製造を
10回繰り返して行った。上記3種類の製造方法で作製
した薄帯の、巻取り成功率を表1に示す。
【0039】次に、上記3種類の条件で製造した薄帯
で、破断することなく巻取り用ロールに回収できた薄帯
からそれぞれ任意に1ロール選択し、鋳造初期(鋳造開
始から5〜6秒)及び末期(鋳造終了から約2秒前)の
薄帯部分について、JIS B0601に基づき、薄帯
のロール接触面側の平均粗さRaを測定した。また、薄
帯の面粗さの測定を行った部分近くをトロイダル状に巻
き回して外径19mm、内径15mmの巻磁心を作製
し、非反応性雰囲気中、550℃の熱処理でナノ結晶化
処理を行い、薄帯を構成する結晶粒の平均粒径が100
nm以下のナノ結晶組織とした。このように作製した巻
磁心に1次線10回、2次線10回の巻線を施し、直流
における最大比透磁率μを測定した。結果を表1に併
せて示す。
【0040】薄帯の巻取り成功率は、鋳造開始前からC
2ガスを供給した比較例であるNo.2のみ30%と
低い数値となった。Ra及びμについても、鋳造開始
5秒後からCO2ガス供給を開始した本発明例であるN
o.1、及び巻取り成功率の低いNo.2では、CO2
ガスを全く供給しない比較例であるNo.3と比べてR
aが小さく、巻磁心の最大比透磁率μも大きい値を示
した。その一方、鋳造初期の薄帯による巻磁心と末期の
薄帯による巻磁心との間でのμの劣化の程度を示す劣
化率((μ初期)−(μ末期))/(μ初期)×
100)は、両比較例No.2とNo.3と比べ本発明
例No.1では著しく小さく、一回の鋳造で得られる薄
帯内での変動が小さい結果となった。
【0041】以上実施例に示すように本発明例のみが、
途中で破断することなく薄帯の巻取りが成功する確立が
高く、巻き磁心とした際の磁気特性に優れ、且つ一回の
鋳造で連続的に得られる薄帯での表面粗さ変動、及びそ
れから得られる巻磁心の磁気特性のばらつきが小さい結
果を示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、鋳造中に薄帯が破断す
ることなく連続的な回収が可能となり、また、薄帯の面
粗さの変動が小さいアモルファス合金薄帯が製造可能と
なり、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を実施する装置の一例を示す
模式図である。
【図2】本発明の製造方法を実施するガスノズルの一例
を示す模式図である。
【符号の説明】
1.坩堝、2.高周波コイル、3.母合金、4.溶湯噴
出ノズル 5.冷却ロール、6.アモルファス合金薄帯、7.剥離
ガスノズル 8.ガスノズル、9.パドル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動冷却体上に溶湯を注湯し、急冷凝固
    させるアモルファス合金薄帯の製造方法において、冷却
    体上に形成される湯だまり部分に鋳造開始から一定時間
    経過後、COガスを主体とするガス、あるいは密度が
    0.8kg/m以下のガスの供給を開始することを特
    徴とするアモルファス合金薄帯の製造方法。
  2. 【請求項2】 移動冷却体上に溶湯を注湯し、急冷凝固
    させるアモルファス合金薄帯の製造方法において、CO
    ガスを主体とするガス、あるいは密度が0.8kg/
    以下のガスの供給量を鋳造時間の経過とともに増加
    することを特徴とするアモルファス合金薄帯の製造方
    法。
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Cited By (6)

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