JP2020069768A - 金型及び金型の設計方法 - Google Patents
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Description
(1)第1観点から第7観点のいずれかに係る金型を用意すること。
(2)前記金型の前記流路に粘弾性材料を流すことにより、前記粘弾性材料を成形すること。
(1)前記金型において粘弾性材料が内部を流動する流路の出口の形状を決定すること。
(2)前記流路における前記出口の長手方向の少なくとも1つの端部において、前記少なくとも1つの端部以外の部分よりも短くなるように、前記流路の長さを決定すること。
本実施形態に係る金型1は、押出成形に使用される金型であって、押出機の一部を構成する。金型1は、粘弾性材料5の押出機のシリンダの先端部にあるヘッド100に装着され、ヘッド100から排出された粘弾性材料5を所定の形状に成形するための金型であり、略板状の外観を有する。押出機に投入された粘弾性材料5は、筒状のシリンダ内で加熱され、溶融する。これと共に、シリンダの内部に収容され、かつシリンダの軸方向に延びるスクリューが回転し、粘弾性材料5を混錬すると共にヘッド100まで押し出す。図1に、本実施形態に係る金型1が、ヘッド100,100に装着された状態の断面図を示す。同図に示す例では、2本のシリンダの先端部にある2つのヘッド100,100が共に金型1に連結される。矢印の方向は、粘弾性材料5の流動する方向を示す。なお、2つのヘッド100,100内から押し出される粘弾性材料5は、同種の材料であってもよいし、異種の材料であってもよい。
本実施形態に係る金型1は、粘弾性材料5の流路を規定するプリフォーマ2とダイプレート3とが組み合わせられて構成される。すなわち、本実施形態における流路規定部10は、プリフォーマ2及びダイプレート3を含む。プリフォーマ2は、金型1の中で最も上流側(ヘッド100,100側)に位置し、金型1の入口20が形成される部分である。プリフォーマ2は、粘弾性材料5の成形に先立って、予備成形を行うための第1流路22を規定する。第1流路22は、プリフォーマ2の内壁面21によって規定される。粘弾性材料5は、入口20からプリフォーマ2内部に流入し、第1流路22内を流動した後、出口23と接続されたダイプレート3の受入口30を介して、ダイプレート3内部へと排出される。図2に、ヘッド100,100、プリフォーマ2及びダイプレート3によって規定される粘弾性材料5の流路の形状の斜視図を示す。()内の符号は、その流路の部分を規定する部分の符号である。
以下では、一実施形態に係る金型1の設計方法について説明する。
(1)
上記実施形態の金型1は、内部に有する第2流路34の出口の形状Cにより、成形品6の形状を規定する。第2流路34における出口の長手方向の端部では、流路が相対的に短くなるように形成される。この構成により、上記端部における粘弾性材料5の流動速度が、他の部分における流動速度に対して低下する程度を軽減することができ、長手方向に沿った流動速度分布が一様に近くなる。その結果、成形品6が部分ごとに収縮或いは弛緩することが低減され、成形品6の形状に凹凸(波うち)を生じにくくなる。また、成形品6の端部が部分的に破断すること(エッヂ切れ)が防止され、良好な形状の成形品6を得ることができる。また、上記実施形態の金型1は、波うちやエッヂ切れが生じやすく、従来は押出成形に不向きと考えられてきた粘弾性材料に対しても適用し得る。このため、成形品6の品質向上や、バリエーション拡大に寄与し得る。
さらに、上記実施形態の金型1は、逃し面35を端部E1、E2付近に備えている。この構成により、端部E1、E2における流路を短く形成することができる。さらに、吐出後に成形品6が膨らむ現象(ダイスウェル)が生じたとしても、成形品6が金型1に付着したり、金型1との接触により形状に悪影響を及ぼすことが防止される。逃し面35は、例えば流路の長さが長手方向に沿って一定の長さである金型を用意し、この金型の流路形成面32を逆テーパーエンドミルで上流側から切削することにより形成してもよい。このように、金型1は流路の長さが一定の金型を加工し、容易に製作できるため、生産性に優れる。
上記実施形態の金型1は、特許文献1に開示されるダイプレートのような滞留スペースを設けずとも良好な形状の成形品6を成形することができる。従って、粘弾性材料5が上板部3aと下板部3bとの間を広げる力がダイプレート3に加わり難く、粘弾性材料5が上板部3aと下板部3bとの隙間からはみ出すことが防止される。
(4)
上記実施形態の金型1の設計方法では、流路の出口の少なくとも1つの端部において流路を短く形成することにより、長手方向における流動速度の分布を均一に近づけることができる。つまり、形状Cにより、流路を短く形成すべき部分が決定づけられるので、金型の設計のための試行錯誤の手間が省かれ、金型1の設計効率が向上する。また、流動速度が極端に低下するのは特に出口の長手方向の端部であるため、例えば切欠き加工により端部における流路を短く形成するのみでも十分な効果が得られる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
金型1は、プリフォーマ2を含んでおらず、ダイプレート3のみを含んでいてもよい。また、ダイプレート3が金型1の中で最も下流側に位置する限りにおいて、プリフォーマ2とダイプレート3以外にも粘弾性材料5の流路を規定する流路規定部10を含んでいてもよい。
ダイプレート3は、上記実施形態のように上板部3aと下板部3bから形成される構成に限られない。例えば、上板部3aや下板部3bが複数のパーツから形成されていてもよい。また、1つの板状金属の内部に粘弾性材料5の流路が形成され、ダイプレート3が形成されてもよい。また、下板部3bの第2流路34を形成する面は平坦な平坦面33ではなく、流路形成面32と同様、曲面であってもよい。
プリフォーマ2は、上記実施形態のダイプレート3と同様に、例えば上板部と下板部とから形成されていてもよい。
金型1が装着されるヘッド100の数は、2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
流路が短く形成される部分は、端部のみに限られない。例えば、端部における流路を短くすることに加えて、形状Cの短手方向の他の部分よりも相対的に距離が小さく、粘弾性材料5の流動速度が長手方向の他の部分よりも相対的に低下する位置においても流路を短く形成してもよい。
金型X,Y,Zについて、それぞれ同様の条件で同様の粘弾性材料を押出成形したと仮定し、それぞれの金型が有する流路の出口における粘弾性材料の流動速度分布をそれぞれ公知のCFD手法によりシミュレーションした。解析ソフトはSTAR−CCM+(登録商標)を用いた。粘弾性材料5は、互いに物性の異なるゴム組成物1とゴム組成物2との混合材料であり、シミュレーションでは粘性体としてモデル化した。シミュレーションを行った条件を以下の表1に示す。また、ゴム組成物の粘性係数μは、以下の式(1)によりそれぞれ計算される。式(1)中、G,H,Iはゴム組成物に固有の定数であり、eは自然対数の底、Tはゴム組成物の温度(K)である。また、γはせん断速度(1/s)であり、壁面に垂直な方向のゴム組成物の速度勾配を表す。壁面のスリップ速度(m/s)は、表1中のFslip(定数)及びe(定数)を用いて、本出願人の特許第5564074号に開示する方法により求められる。ここで、αは粘弾性材料5中に含まれるゴム組成物1の体積比率であり、0≦α≦1である。
シミュレーションにより得られた実施例、比較例1及び比較例2の流路の出口における粘弾性材料5の流動速度分布は、それぞれ図6のグラフに示すようになった。流動速度は、短手方向の距離の中央における流動速度である。グラフの縦軸は、粘弾性材料5の流動速度を押出機による押出速度で除して無次元化したものである。また、グラフの横軸は、流路の出口における長手方向の位置を無次元化したものであり、長手方向の1及び0が両端部である。グラフから分かるように、比較例1では両端部の流動速度が極端に低下したのに対し、長手方向中央付近(0.4〜0.8)の流動速度が大きかった。比較例2では、比較例1と比較すると長手方向中央付近(0.4〜0.8)の流動速度が低下し、両端部の流動速度がやや大きくなった。実施例では比較例1,2よりも両端部の速度が大きくなった。
上で設計された金型X,Y,Zを製作し、上述のシミュレーション条件と実質的に同様の条件下で粘弾性材料5を成形した。金型X,Y,Zについて、成形品の形状を目視により確認した。
目視の結果、以下のような結果が確認された。
比較例1:流路の出口の長手方向中央付近に対応する位置で、成形品6に波うちが生じた。エッヂ切れは見られなかった。
比較例2:エッヂ切れ及び波うちは生じなかったが、ダイプレート3の上板部3aと下板部3bとの隙間から粘弾性材料5がはみ出していた。
実施例:エッヂ切れ、波うち及び粘弾性材料5のはみ出しがいずれも発生せず、良好な形状の成形品6が得られた。
2 プリフォーマ
3 ダイプレート
5 粘弾性材料
6 成形品
10 流路規定部
22 第1流路
32 流路形成面
34 第2流路
100 ヘッド
C 形状
L 下流側終端部
Claims (9)
- 押出成形に使用される金型であって、
粘弾性材料が内部を流動する流路を規定する流路規定部
を備え、
前記流路の出口は、長手方向と短手方向とを有し、
前記流路規定部は、前記流路における前記長手方向の少なくとも1つの端部において、前記少なくとも1つの端部以外の部分よりも前記流路の長さが短くなるように、前記流路を規定する、
金型。 - 前記流路規定部は、前記出口付近において、前記少なくとも1つの端部において前記流路の長さが短くなるように切り欠かれている、
請求項1に記載の金型。 - 前記流路規定部は、ダイプレートを含み、
前記ダイプレートは、前記出口付近において、前記少なくとも1つの端部において前記流路の長さが短くなるように切り欠かれている、
請求項2に記載の金型。 - 前記流路規定部は、プリフォーマをさらに含み、
前記プリフォーマは、前記出口付近において、前記少なくとも1つの端部において前記流路の長さが短くなるように切り欠かれている、
請求項3に記載の金型。 - 前記流路規定部は、前記流路の長さが前記長手方向に沿って連続的に変化するように、前記流路を規定する、
請求項1から4のいずれかに記載の金型。 - 前記流路規定部は、前記出口における前記長手方向の両端部において、前記両端部以外の部分よりも前記流路の長さが短くなるように、前記流路を規定する、
請求項1から5のいずれかに記載の金型。 - 前記流路規定部の前記出口の外側に連続する逃し面をさらに備える、
請求項1から6のいずれかに記載の金型。 - 請求項1から7のいずれかに記載の金型を用意することと、
前記金型の前記流路に粘弾性材料を流すことにより、前記粘弾性材料を成形することと
を備える、
粘弾性材料の成形品の製造方法。 - 押出成形に使用される金型の設計方法であって、
前記金型において粘弾性材料が内部を流動する流路の出口の形状を決定することと、
前記流路における前記出口の長手方向の少なくとも1つの端部において、前記少なくとも1つの端部以外の部分よりも短くなるように、前記流路の長さを決定することと
を備える、
金型の設計方法。
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JP2001158036A (ja) * | 1999-12-06 | 2001-06-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 発泡シート成形用ダイ |
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