JP2020067209A - ボイラ水処理装置および処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、ボイラからの排気蒸気が凝縮されてボイラから排出されたボイラ復水は、回収し、ボイラ復水返送ラインにより純水タンクに返送してボイラ給水として再利用することが行われている(例えば、特許文献1,2)。
特に、本発明では、前処理装置からの純水をボイラに供給する純水供給ライン(メインライン)に不純物除去手段を設けるのではなく、該純水供給ラインから分岐した不純物除去ライン(オフライン)に不純物除去手段を設けている。そのため、不純物除去手段を、純水供給ライン(メインライン)での純水供給制御とは別に制御することができる。つまり運転開始初期や運転停止時からの再開時にのみ補給用純水を不純物除去ライン(オフライン)に分岐させるように切り替えると共に不純物除去手段を稼働させ、処理が終了したら純水供給ライン(メインライン)に送給するよう切り替えることが可能である。
前処理装置1は、例えば、工業用水(市水、地下水など)等の原水に対して、凝集処理、固液分離(沈殿分離や加圧浮上分離など)、二層濾過を順次行った後に脱塩処理(カチオン交換樹脂塔、脱炭酸塔、アニオン交換樹脂塔、混床樹脂塔、電気脱塩装置などによる処理)を行うことにより、純水を製造する。
純水タンク3では、前処理により製造された純水が貯留され、水質や水量の調整が行われる。
前述の通り、ボイラ設備では、立ち上げ前や運転停止期間中に、純水タンク等の大気開放部分などから二酸化炭素等の不純物が系内に混入し、その後の運転開始又は運転再開後の運転中に蒸気の酸導電率の上昇やpH低下を引き起こす原因となる。
このため、本発明では、運転開始又は運転再開に先立ち、純水供給ラインから純水の少なくとも一部を取り出し、不純物除去手段で不純物除去処理し、処理水を取り出し部(図1、2では純水タンク3)又はそれよりも上流側の純水供給ラインに戻す。
また、これらの不純物を除去する不純物除去手段としては、メンテナンスを容易とする観点から、薬剤を用いないものが好ましく、膜脱気装置、イオン交換装置、脱炭酸装置、UV殺菌装置、RO装置等の1種又は2種以上の組み合わせが挙げられ、特に膜脱気装置、イオン交換装置、脱炭酸装置のいずれかを用いることが好ましい。即ち、混入する不純物としては二酸化炭素が最も一般的であり、従って、不純物除去手段としては、二酸化炭素の除去効率に優れた脱炭酸装置、イオン交換装置、膜脱気装置を用いることが好ましい。
ボイラ蒸気の凝縮水は一般には高温であり(例えば70〜97℃)、ボイラからボイラ復水として排出された後に本冷却手段8A(密閉冷却塔、熱交換器など)により20〜40℃程度に冷却された上で、純水タンク3に返送される。
図1、2のように、系外からの冷却水を本冷却手段8Aの前段に設けられた第1熱交換器8Bに通水してボイラ復水と熱交換してボイラ復水を50〜70℃程度に予備冷却する。これにより、本冷却手段8Aの負荷を軽減することができる。
純水タンク3の水温が所定値以下(例えば15℃以下)に低下しやすい場合は、不純物除去手段の給水を第2熱交換器16にて温水と熱交換して加温する。これにより、不純物除去手段で効率的に不純物を除去することが可能である。また、これによって純水タンク3の水温が例えば20〜35℃に維持されるようにすれば、ボイラ6の負担を軽減することができる。
また、返送されるボイラ復水がやや高温である場合は純水タンク3内の純水を、第2熱交換器16で冷却して温度調整した後に不純物除去手段に供給することもできる。
ボイラ6の運転開始前または運転停止中に純水供給ライン中の純水を取り出して不純物除去手段で不純物を除去する不純物除去工程と、ボイラ6へ純水を給水してボイラを稼働する運転工程とを繰り返して継続運転する。
このとき、不純物除去工程ではポンプ4を停止すると共にポンプ17を稼働するか、ポンプ4、17に加えて配管5に設けた開閉弁(図示なし)を閉とすると共に配管15に設けた開閉弁(図示なし)を開とし、運転工程に移行するときはポンプ4を稼働すると共にポンプ17を停止するか、ポンプ4、17に加えて配管5に設けた開閉弁を開とすると共に配管15に設けた開閉弁を閉とすることで工程を切り替えする。
また、純水供給ライン(配管2、純水タンク3、配管5等)や、不純物除去ライン(配管15,18等)における不純物濃度測定手段を、配管5、15に設けた開閉弁やポンプ4、17と連動させ、不純物除去工程における不純物濃度測定手段の測定値が所定値以下になったとき、ポンプ4、17の運転・停止を反転するか、ポンプ4、17に加えて配管5、15に設けた開閉弁の開閉を反転させて、不純物除去工程から運転工程に移行するようにしてもよい。
千葉県工業用水を前処理装置1で処理し、ボイラ6に給水すると共に、ボイラ復水回収を行う図1のボイラ水処理装置において、10日間の運転停止後、運転を再開するに先立ち、純水タンク3内の純水を10m3/hrの平均給水量(配管15,18内の平均流量)で30℃に加熱した後膜脱気装置11に送給して脱気処理し、処理水を純水タンク3に戻す処理を10時間行った。その後、運転を再開した。前処理装置1では、凝集処理、加圧浮上分離、二層濾過、2床3塔型イオン交換(陽イオン交換、脱炭酸、陰イオン交換)を行って純水を製造した。運転中の主な条件を下記に示す。
純水タンク3容積:50m3
ボイラへの平均給水量(配管5平均流量):100m3/hr
ボイラ復水平均流量(配管7平均流量):50m3/hr
第1熱交換器8B給水平均流量:10〜12m3/hr
本冷却手段8A給水平均流量:10〜12m3/hr
運転再開時点のカチオン導電率 :1.2μS/cm
運転再開から2時間後のカチオン導電率 :0.3μS/cm以下
実施例1において、配管15、第2熱交換器16、ポンプ17、膜脱気装置11及び配管18を省略し、図3のフローとし、運転再開に先立つ二酸化炭素除去処理を行わなかったこと以外は実施例1と同一条件で運転を行った。
その結果、運転再開後のボイラ復水の水質は以下の通りであり、カチオン導電率の高止まりの問題があり、水質基準値に到達するのにより時間を要する結果であった。
運転再開時点のカチオン導電率 :1.2〜1.3μS/cm
運転再開から2時間後のカチオン導電率 :0.4〜0.5μS/cm
運転再開から3時間後のカチオン導電率 :0.3μS/cm以下
3 純水タンク
6 ボイラ
8A 本冷却手段
8B 第1熱交換器
11 膜脱気装置
12 イオン交換装置
16 第2熱交換器
17 ポンプ
Claims (12)
- 原水を処理して純水を製造する前処理装置と、
該前処理装置からの純水をボイラへ供給する純水供給ラインと
を有するボイラ水処理装置において、
該純水供給ラインから純水の一部を取り出し部から取り出して不純物除去手段で不純物除去処理し、この処理水を該取り出し部又はそれよりも上流側の該純水供給ラインに戻す不純物除去ラインと、
該純水供給ラインから純水の少なくとも一部を該不純物除去ラインに取り出すか、全量を該ボイラへ供給するかを切り替える切替手段とを備えたことを特徴とするボイラ水処理装置。 - 請求項1において、前記不純物は二酸化炭素を含むことを特徴とするボイラ水処理装置。
- 請求項1又は2において、前記不純物除去手段が薬剤を用いないものであることを特徴とするボイラ水処理装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、前記不純物は二酸化炭素を含み、前記不純物除去手段は、脱炭酸装置、イオン交換装置、および膜脱気装置のいずれかを含むことを特徴とするボイラ水処理装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、前記ボイラからの排気蒸気が凝縮されて該ボイラから排出されたボイラ復水を前記純水供給ラインに返送するボイラ復水返送ラインを備えることを特徴とするボイラ水処理装置。
- 請求項5において、前記ボイラ復水返送ラインは、前記ボイラ復水を前記取り出し部又はそれよりも上流側の前記純水供給ラインに返送することを特徴とするボイラ水処理装置。
- 原水を前処理装置で処理して純水を製造し、
該前処理装置からの純水を純水供給ラインを経由してボイラへ供給するボイラ水処理方法において、
該純水供給ラインから純水の一部を取り出し部から取り出して不純物除去手段で不純物除去処理し、この処理水を該取り出し部又はそれよりも上流側の該純水供給ラインに戻すボイラ水処理方法であって、
該純水供給ラインから純水の少なくとも一部を該不純物除去ラインに取り出すか、全量を該ボイラへ供給するかを切替手段により切り替えることを特徴とするボイラ水処理方法。 - 請求項7において、前記不純物は二酸化炭素を含むことを特徴とするボイラ水処理方法。
- 請求項7又は8において、前記不純物除去手段が薬剤を用いないものであることを特徴とするボイラ水処理方法。
- 請求項7〜9のいずれか1項において、前記不純物は二酸化炭素を含み、前記不純物除去手段は、脱炭酸装置、イオン交換装置、および膜脱気装置のいずれかを含むことを特徴とするボイラ水処理方法。
- 請求項7〜10のいずれか1項において、前記ボイラからの排気蒸気が凝縮されて該ボイラから排出されたボイラ復水を前記純水供給ラインに返送することを特徴とするボイラ水処理方法。
- 請求項11において、前記ボイラ復水を前記取り出し部又はそれよりも上流側の前記純水供給ラインに返送することを特徴とするボイラ水処理方法。
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