JP2020065513A - 小麦アレルギー用ベーカリー食品及びその製造方法並びに小麦アレルギー用減感作剤 - Google Patents

小麦アレルギー用ベーカリー食品及びその製造方法並びに小麦アレルギー用減感作剤 Download PDF

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Abstract

【課題】小麦アレルギー患者が経口摂取可能な小麦アレルギー用ベーカリー食品等の小麦粉加工品を提供すること。【解決手段】本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品は、酢を含有することを特徴とし、それによって、小麦アレルゲン消化性が向上され、また、小麦アレルギー誘発性が低下されている。本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品の適用例として、ホットケーキが挙げられる。本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品の製造方法は、小麦粉を含む原料粉に、酢を配合して生地を調製する生地調製工程と、該生地を加熱する加熱工程とを有する。前記生地調製工程において、小麦粉100質量部に対し、酢を3〜15質量部配合することが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、小麦アレルギー患者が経口摂取可能な小麦粉加工品に関する。
摂取した食物が原因となり免疫学的機序を介して喘息、湿疹、下痢などの症状を呈する病態は食物アレルギーと呼ばれる。近年、日本国内において食習慣の欧米化が進み、それ食物アレルギーの患者が増えている。食物アレルギーの発症は小児から成人まで認められるが、その大部分は小児期に発症する。このような小児型の食物アレルギーの原因となる食材の一つに小麦があり、牛乳、鶏卵とともに三大アレルゲンの一つとして知られている。また、特定の食品と運動との組み合わせで蕁麻疹から始まりショック症状に至る場合があり、このような疾患は食物依存性運動誘発アナフィラキシーと呼ばれている。その原因食物の多くは小麦であり、主要抗原は小麦タンパク質(グルテン)に含まれるω5−グリアジンであるとされている。
従来、小麦粉からωグリアジン等の食物アレルギーを引き起こす成分である小麦アレルゲン(免疫グロブリンと反応するタンパク質)を除去して、小麦粉あるいはそれを用いたベーカリー食品などの小麦粉加工品を低アレルゲン化する技術が提案されている。例えば特許文献1には、グルテンからアレルゲンであるω5−グリアジンを除去して低アレルゲングルテンを製造する技術が記載されている。特許文献2には、小麦粉生地への通電処理により、該生地から小麦アレルゲンを抽出分離する技術が記載されている。特許文献3には、小麦アレルギー患者が経口摂取により寛容を獲得できる小麦アレルギー用の減感作食品・減感作薬剤として、酵素によりタンパク質が分解されることで低アレルゲン化された小麦粉を含有するものが記載されている。特許文献4には、小麦をpH5未満の塩水溶液で処理し、その塩水溶液に可溶な成分を除去することで、小麦の低アレルゲン化を図った技術が記載されている。
特開2012−239461号公報 特開2008−67697号公報 特開2008−81458号公報 特開2003−259828号公報
本発明は、小麦アレルギー患者が経口摂取可能な小麦アレルギー用ベーカリー食品等の小麦粉加工品を提供することを課題とする。
本発明者らは、小麦粉含有生地を焼成して得られるベーカリー食品の小麦アレルギー誘発性を低下させ、経口摂取してもアレルギー反応が発症しないことを可能にする技術について種々検討した結果、小麦粉含有生地に酢を配合して加熱することで、該生地に含まれる主要な小麦アレルゲンの一つであるω−グリアジンが、ヒトの胃液に対して消化されやすいものに変質することを知見した。
一般に、経口摂取された食物の多くは、食道、胃を通過して小腸に到達し、小腸で吸収される。そして、小麦アレルギー患者の小腸で小麦アレルゲンが吸収されれば、食物アレルギーを発症するおそれがある。一方で、小麦アレルギー患者が小麦アレルゲンを含む食物を経口摂取しても、小麦アレルゲンが小腸に到達する前に胃で消化されてしまえば、食物アレルギーの発症の可能性は大幅に低減し、あるいは発症してもその症状は軽いものとなり得る。したがって、小麦アレルゲンの消化性向上は、小麦粉加工品の小麦アレルギー誘発性を低下させ、小麦粉加工品の経口摂取による食物アレルギーの発症を抑制するのに有用であると言える。
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、酢を含有する、小麦アレルゲン消化性が向上された小麦アレルギー用ベーカリー食品である。
また本発明は、酢を含有する、小麦アレルギー誘発性が低下された小麦アレルギー用ベーカリー食品である。
また本発明は、酢と共に加熱されることで消化性が向上した小麦タンパク質を含有する小麦アレルギー用ベーカリー食品である。
また本発明は、前述した本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品の製造方法であって、小麦粉を含む原料粉に、酢を配合して生地を調製する生地調製工程と、該生地を加熱する加熱工程とを有する、小麦アレルギー用ベーカリー食品の製造方法である。
また本発明は、小麦アレルゲン消化性が向上された小麦粉加工品を含有し、該小麦粉加工品が酢を含有する小麦アレルギー用減感作剤である。
また本発明は、小麦粉を用いて小麦粉含有生地を調製する場合に、小麦粉100質量部に対し、酢を3〜15質量部配合する、小麦アレルゲン消化性の向上方法である。
また本発明は、小麦粉を用いて小麦粉含有生地を調製する場合に、小麦粉100質量部に対し、酢を3〜15質量部配合する、小麦アレルギー誘発性の低下方法である。
本発明によれば、小麦アレルギー患者が経口摂取可能で、小麦アレルギー患者に対して実施される経口減感作療法に適用可能な小麦粉加工品、より具体的には、小麦アレルギー用ベーカリー食品が提供される。
本発明によれば、酢の作用効果により、小麦アレルゲン、その中でも特に主要な原因タンパク質とされるω−グリアジンの、ヒトの体内(胃)での消化性が向上するため、ベーカリー食品をはじめとする小麦粉加工品に本発明を適用することで、その小麦粉加工品は、経口摂取しても小麦アレルゲンが体内で消化されやすく、アレルギー反応を発症するリスクを低減し得る。本発明は、小麦アレルギー患者に対して実施される経口減感作療法に適用することも可能であり、本発明が適用された小麦粉加工品(小麦アレルギー用ベーカリー食品)は、経口摂取により寛容を獲得できる小麦アレルギー用減感作剤となり得る。
特許文献1〜4記載技術は、いずれも小麦粉又はそれを用いた小麦粉加工品から小麦アレルゲンを除去することで、小麦アレルギー誘発性の低下を図った技術である。これに対し、本発明は、小麦アレルゲンを除去するのではなく、酢によってこれをヒトの体内で消化されやすい形態に変質させるものであり、従来技術とは一線を画するものである。昨今、種々のアレルゲンについて調理加工によるアレルギー誘発性(抗原性)の低減効果が大きいことが報告されているが、ω−グリアジン等の小麦アレルゲンについては、調理加工によるアレルギー誘発性の低減効果は小さいことが報告されており、また、小麦アレルゲンのヒト体内での消化性についての報告例はほとんどない。本発明は、「小麦アレルギー用」という用途が、酢が小麦アレルゲンのヒト体内での消化性を向上させるという未知の属性を発見したことにより見出されたものであり、また、斯かる用途は、酢を含有する小麦粉加工品(小麦アレルギー用ベーカリー食品、小麦アレルギー用減感作剤)について従来知られている用途(風味や食味の向上用途)とは異なる新たなものである。
図1は、各実施例及び比較例のホットケーキについての人工消化試験の結果を示す図であり、小麦アレルゲンの一種であるω−グリアジンの消化度合を示す図である。
本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品は、酢を含有する。これにより、本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品は、酢を含有しない従来のベーカリー食品に比して、小麦アレルゲン消化性が向上されており、延いては、小麦アレルギー誘発性が低下されている。本発明で用いる酢は、酢酸を主成分とする酸味調味料である。本発明で用いる酢は、日本農林規格(JAS)における「食酢品質表示基準」に示された食酢(醸造酢、合成酢、穀物酢、果実酢、米酢、米黒酢、大麦黒酢、りんご酢、ぶどう酢)でもよい。本発明で用いる酢は、市販の食酢でもよく、例えば、株式会社Mizkan製の商品名「MAV」を例示できる。
本発明で用いる酢は、典型的には、酢酸を4質量%以上、食塩を0.5〜1.0質量%含有し、酸度が4.20〜4.28の範囲にある。
本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品における酢の含有量は、該食品の全質量に対して、好ましくは1.0〜10.0質量%、より好ましくは1.5〜9.0質量%、更に好ましくは4.5〜7.5質量%である。食品における酢の含有量は、酢に含まれる酢酸を指標として、酢酸の含有量として表すことができる。本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品における酢酸の含有量は、該食品の全質量に対して、好ましくは0.05〜0.5質量%、より好ましくは0.075〜0.45質量%、更に好ましくは0.2〜0.38質量%である。酢の含有量が少なすぎると、酢を用いる意義に乏しく、酢(酢酸)の含有量が多すぎると、ベーカリー食品の食味に酢の影響が出るおそれがある。
食品における酢酸の含有量は、以下の方法によって測定される。
サンプル(ベーカリー食品)に、該サンプルの体積の5倍量のイオン交換水を加えて磨砕することで懸濁液を調製し、その懸濁液を遠心分離(10000×g、5分間)する。遠心分離後の懸濁液の上清を1mL分取し、分取した上清にスルホサリチル酸の20質量%水溶液を20μL加えて攪拌し、0.45μmフィルターを通した後、分析用サンプルとして、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、下記の条件で有機酸分析を行う。
(HPLC分析条件)
・カラム:Organic Acid Column(7.8×300mm) Waters
・カラム温度:40℃
・溶媒:A緩衝相(p−トルエンスルホン酸9.51gを蒸留水100mLにメスアップ)、B移動相 (p−トルエンスルホン酸9.51g、Bis−Tris 41.85g、EDTA−2Na 0.29gを蒸留水100mLにメスアップ)
・流速:A緩衝相、B移動相ともに0.8mL/分間
・検出器:RI検出器
本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品は、典型的には、穀粉類を主体とし、これに必要に応じてイーストや膨張剤(ベーキングパウダー等)、水、食塩、砂糖などの副材料を加えて得られた発酵又は非発酵生地を、焼成、蒸し、フライ等の加熱処理に供して得られる食品である。
本発明で用いる穀粉類としては、ベーカリー食品に従来使用されているものを特に制限なく用いることができ、例えば、小麦粉(薄力粉、中力粉、強力粉、デュラム粉等)、そば粉、米粉、コーンフラワー、大麦粉、ライ麦粉、はとむぎ粉、ひえ粉、あわ粉等の穀粉;タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉等の澱粉等や、これらの澱粉にα化、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理、酸化処理等の処理を施した加工澱粉が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
穀粉類における小麦粉の配合量は、該穀粉類の全質量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。本発明によれば、ベーカリー食品を構成する穀粉類の大部分が小麦粉であっても、そのベーカリー食品は、小麦アレルギー患者が経口摂取可能なものとなり得る。
本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品は、糖を含有することが好ましい。本発明者らの知見によれば、ベーカリー食品に酢に加えて更に糖を配合することで、ベーカリー食品に含まれる小麦アレルゲン(ω−グリアジン)のヒト体内での消化性がより一層向上し、延いては、ベーカリー食品の小麦アレルギー誘発性が一層低下し得る。糖としては、食品分野において通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、砂糖、グラニュー糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、果糖、ブドウ糖、異性化糖、トレハロース、オリゴ糖、デキストリン等の単糖、二糖又は多糖類;ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール;ハチミツ、水あめ、メープルシロップ等の液糖;その他甘味料が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品における糖の含有量は、該食品の全質量に対して、好ましくは2.5〜30質量%、より好ましくは5〜15質量%である。
本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品は、塩の含有量が少ないことが好ましい。ここでいう「塩」とは、食塩すなわち塩化ナトリウムである。本発明者らの知見によれば、ベーカリー食品において塩は、小麦アレルゲン(ω−グリアジン)のヒト体内での消化性を低下せしめる可能性がある。本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品における塩の含有量は、該食品の全質量に対して、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。なお、本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品の製造において、食塩単体での配合量はゼロとしてもよく、その場合、製造されたベーカリー食品における塩の含有量はゼロとなり得るが、実際には、塩の含有量がゼロとなることは少ない。食塩以外の原材料(例えば酢)に塩が本来的に含有されている場合が多いためである。
また、本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品は、ベーキングパウダーの含有量が少ないことが好ましい。ベーキングパウダーは、周知のとおり、重曹(炭酸水素ナトリウム)を基剤(ガス発生剤)とし、酸性剤を助剤とする組成物であり、ベーカリー食品において膨張剤として使用される。ベーキングパウダーは、アルカリ性の重曹を含有しているため、これがベーカリー食品に比較的多量に含有されていると、別途配合した酢と反応してしまい、酢による作用効果が低減するおそれがある。本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品におけるベーキングパウダーの含有量は、該食品の全質量に対して、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1.5〜2.5質量%である。
本発明が適用可能なベーカリー食品の例としては、パン類;ピザ類;ケーキ類;ワッフル、シュー、ビスケット、どら焼き、焼き饅頭等の和洋焼き菓子;ドーナツ等の揚げ菓子等が挙げられる。パン類としては、食パン、ロールパン、白パン、黒パン、フランスパン、コッペパン、クロワッサン、調理パン、菓子パン、蒸しパン等が挙げられる。ケーキ類としては、スポンジケーキ、バターケーキ、ロールケーキ、ホットケーキ、ブッセ、バームクーヘン、パウンドケーキ、チーズケーキ、スナックケーキ、マフィン、バー、クッキー、パンケーキ等が挙げられる。
本発明者らの知見によれば、本発明は、特にケーキ類に有用であり、とりわけホットケーキ類に有用である。ここでいう「ホットケーキ類」には、ホットケーキの他に、クレープ、ワッフル、ドーナツ、今川焼き、どら焼き、鯛焼き、お好み焼き、たこ焼き等が包含される。ホットケーキは、周知のとおり、小麦粉、牛乳、砂糖、卵、膨張剤等を混ぜあわせて生地とし、該生地を焼成して製造されるものである。
次に、本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、小麦粉を含む原料粉に、酢を配合して生地(小麦粉含有生地)を調製する工程(生地調製工程)と、該生地を加熱する工程(加熱工程)とを有する。
前記生地調製工程において、原料粉としては、少なくとも小麦粉(薄力粉、中力粉、強力粉、デュラム粉等)を用いることを前提として、更に必要に応じ、前述した小麦粉以外の他の穀粉類(穀粉及び澱粉)の1種又は2種以上を用いることができる。生地には、必要に応じ、前述した成分(酢、穀粉、澱粉、糖、塩、ベーキングパウダー)以外の他の成分を含有させてもよく、例えば、イースト;サラダ油等の油脂類;牛乳、脱脂粉乳、バター等の乳製品;乳化剤、増粘剤、酸味料、香料、香辛料、着色料、果汁、ビタミン類等の添加物等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記生地調製工程において、糖、塩、ベーキングパウダーの配合量については、それぞれ、下記の範囲に設定することが好ましい。
糖の配合量は、小麦粉100質量部に対し、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10〜30質量部である。
塩の配合量は、小麦粉100質量部に対し、好ましくは2.5質量部以下、より好ましくは1.0質量部以下である。
ベーキングパウダーの配合量は、小麦粉100質量部に対し、好ましくは7質量部以下、より好ましくは2.5〜5質量部である。
前記生地調製工程において、生地の調製は常法に従って行うことができ、典型的には、小麦粉を含む原料穀粉類に、酢と他の液体とを配合し混捏して、原料穀粉類と液体との混合物である生地を調製する。原料穀粉類に配合される酢以外の他の液体としては、水性液が用いられ、より具体的には例えば、水、牛乳、卵等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。典型的には水である。酢を原料穀粉類に配合する場合、酢と他の液体とを別々に配合してもよく、両者を混合して混合液(酢水溶液)として原料穀粉類に配合してもよい。生地は、粘土状生地(ドウ)と液状生地(バッター)とに大別でき、本発明ではいずれの生地でもよく、製造目的のベーカリー食品の種類等に応じて適宜選択することができる。前記生地調製工程において、酢を含む液体の総配合量は、製造目的のベーカリー食品の種類等に応じて適宜選択すればよく、特に制限されないが、例えば、酢と併用する他の液体が水である場合において、ドウを調製する場合は、小麦粉100質量部に対して65〜80質量部程度、バッターを調製する場合は、小麦粉100質量部に対して150〜300質量部程度である。
前記生地調製工程における酢の配合量は、小麦粉100質量部に対し、好ましくは3〜15質量部、より好ましくは5〜12質量部、更に好ましくは9〜12質量部である。酢の配合量が少なすぎると、酢を用いる意義に乏しく、酢の配合量が多すぎると、ベーカリー食品の食味に酢の影響が出るおそれがある。
前記生地調製工程で得られた生地、すなわち小麦粉及び酢含有生地は、続く加熱工程にて加熱され、これにより目的の小麦アレルギー用ベーカリー食品(小麦アレルギー用小麦粉加工品)が得られる。こうして得られた小麦アレルギー用ベーカリー食品には、生地の加熱工程において酢と共に加熱されることで消化性が向上した、小麦タンパク質が含有されている。生地の加熱方法は特に制限されず、製造目的物であるベーカリー食品の種類等に応じて適宜選択すれがよいが、典型的には焼成である。生地は、加熱(焼成)する前に必要に応じ、常法に従って発酵させてもよい。
本発明には、小麦アレルゲン消化性が向上された小麦粉加工品を含有し、該小麦粉加工品が酢を含有する小麦アレルギー用減感作剤が包含される。本発明の小麦アレルギー用減感作剤は、小麦アレルギー治療のための経口減感作剤として有用であり、小麦アレルギー患者に本発明の小麦アレルギー用減感作剤(例えば、前述した本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品)を定期的に経口摂取させることで、寛容を獲得でき、ベーカリー食品をはじめとする通常の小麦粉加工品を食べることができるようになり得る。
本発明の小麦アレルギー用減感作剤は、小麦アレルゲン消化性が向上された小麦粉加工品を含有し、更に必要に応じて、薬学的又はサプリメント等の保健用食品において許容される種々の担体、賦形剤、その他の添加剤、その他の成分を含有し得る。本発明の小麦アレルギー用減感作剤は、常法により製剤化することができ、その場合、本発明の小麦アレルギー用減感作剤の剤型は、錠剤、散剤、液剤、シロップ剤、顆粒剤、カプセル剤等の経口剤である。本発明の小麦アレルギー用減感作剤が含有する小麦粉加工品は、典型的には、前述した本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品であり、本発明の小麦アレルギー用減感作剤は、前述した本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品そのものであり得る。本発明の小麦アレルギー用減感作剤については、前述した本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品についての説明が適宜適用される。
本発明には、小麦粉を用いて小麦粉含有生地を調製する場合に、小麦粉100質量部に対し、酢を3〜15質量部、より好ましくは5〜12質量部、更に好ましくは9〜12質量部配合する、小麦アレルゲン消化性の向上方法が包含される。
また、本発明には、小麦粉を用いて小麦粉含有生地を調製する場合に、小麦粉100質量部に対し、酢を3〜15質量部、より好ましくは5〜12質量部、更に好ましくは9〜12質量部配合する、小麦アレルギー誘発性の低下方法が包含される。
これら本発明の方法において、前記の酢の配合量は、酢に含まれる酢酸を指標として、酢酸の配合量として表すことができる。酢酸の配合量は、小麦粉100質量部に対し、好ましくは0.12〜0.75質量部、より好ましくは0.2〜0.6質量部、更に好ましくは0.36〜0.6質量部である。
これら本発明の方法については、前述した本発明の小麦アレルギー用ベーカリー食品についての説明が適宜適用される。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1、2及び比較例1〕
下記表1に示す原材料を混合し、よく攪拌して液状生地(バッター)を調製し、得られた生地を、180℃に熱したホットプレート上に垂らして広げ、3分間焼成した後、該生地を上下反転させて未焼成の面側を2分間焼成し、ホットケーキを製造した(焼成歩留:約85%)。使用した原材料の詳細は下記のとおり。ホットケーキにおける酢の含有量は、実施例1では9質量%、実施例2では12質量%、比較例1では0質量%であった。
・小麦粉:薄力粉、日清製粉株式会社製、商品名「フラワー」
・ベーキングパウダー:日清フーズ株式会社製、商品名「日清ベーキングパウダー」
・酢:株式会社Mizkan製、商品名「MAV」(酢酸の含有量4.16質量%、食塩の含有量0.7±0.1質量%、酸度4.24±0.04)
〔試験例〕
各実施例及び比較例のホットケーキを用いて下記の人工消化試験を実施し、その消化度合を抗ω−グリアジン抗体を用いたウェスタンブロッティングで評価した。結果を図1に示す。
<人工消化試験>
試験対象のベーカリー食品(ホットケーキ)を磨砕し、その磨砕液を人工胃液で処理してサンプル液を得、該サンプル液に含まれる小麦アレルゲンの一種であるω−グリアジンを電気泳動により分離し、公知のウェスタンブロッティング法でω−グリアジンの存在を検出した。
より具体的には、試験対象のホットケーキのうち、小麦粉の含有量が37.5mgとなる部分を試験片とし、この試験片に対し、人工胃液を用いて人工消化試験を実施した。具体的には、試験片1個と、G−con緩衝液(2mg/ml NaCl、pH 2.0)2500μlと、メタルコーン1個とを破砕専用容器に入れ、マルチビーズショッカー(安井機械(株)製)により磨砕した。その磨砕液1600μlを5mlチューブに分取し、37℃でプレインキュベートした後、各チューブ内の磨砕液に、人工胃液としてペプシン(P6887:シグマアルドリッチ)濃度10mg/mlすなわち32〜45u/μlのペプシン液12μlを加え、37℃で0分、30秒、1分、2分、3分、5分、10分、30分間インキュベートし、サンプル液を得た。所定のインキュベート時間が経過した時点で、チューブからサンプル液を200μl採取してただちに90μlの反応停止液(0.15M NaCO、28% グリセロール、3.5% 2−メルカプトエタノール、7% SDS、0.23M Tris、0.035% ブロモフェノールブルー)と混合し、100℃に設定したアルミヒートブロックにて5分間加熱して、電気泳動サンプルとした。
こうして得られた電気泳動サンプルを、10〜20%グラジエントゲルに1ウェルあたり8μlアプライし、300Vにて13分間SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)した。電気泳動後のゲルはUV照射下で泳動パターンを撮影した後、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)メンブレン(IMMOBILON−PSQ PVDF 0.2μM (ISEQ08100:Merck)に重層し、タンク式の転写装置を用いて35V8分間で転写した。
転写後のPVDFメンブレンを、25mlのブロッキング液(5% ECL Blocking Reagent(RPN2125:GEヘルスケアジャパン株式会社)、TBST溶液に溶解。TBST溶液の組成は5mM Tris、13.8mM NaCl、0.27mM KCl、0.1% Tween 20)に浸して室温にて1時間振盪した後、メンブレンを取り出し、30mlの洗浄液(前述のTBST溶液)中で振盪する操作を3回繰り返した。振盪時間は、1回目が3分、2回目が3分、3回目が10分とした。この転写後のPVDFメンブレンに対する一連の操作を、以下「洗浄操作」ともいう。
メンブレンに20mlの抗ω−グリアジン抗体溶液(一次抗体溶液:Anti−omega−gliadin (CSB−PA360898DA01TKR:WUHAN HUAMEI BIOTECH Co.LTD)を TBST溶液にて10,000倍希釈)を加えて、10度で一晩振盪した。抗体溶液を捨て、前記洗浄操作を実施した。洗浄液を捨て、20mlの抗ウサギIgGヤギ抗体溶液(二次抗体溶液:Goat anti−Rabbit IgG(H+L)Secondary Antibody,
HRP conjuguate (G−21234: GEヘルスケアジャパン株式会社)をTBST溶液にて10,000倍希釈)を加え、室温にて1時間振盪したのち、再び前記洗浄操作を実施した。メンブレンに発色試薬をかけ、1分間反応させた後、市販のイメージングシステム(FUSION SOLO:Vilber-Lourmat製)を用いて撮影した。得られた画像は、添付の解析ソフトを用いて解析した。
図1に示すとおり、酢を含有しない比較例1のホットケーキにおいて、ω−グリアジンの存在を示す、抗ω−グリアジン抗体に対し結合活性を持つタンパク質のバンドの検出が認められなくなったのは、人工消化試験の試験開始から30分経過後すなわち消化時間30分であるのに対し、酢を含有する実施例1、2のホットケーキでは、消化時間10分でバンドの検出が認められなくなった。実施例1、2のホットケーキの試験開始直前(消化時間0分)のバンドの濃さは、比較例1と同程度であることから、実施例1、2のホットケーキは、経口摂取する前の時点では比較例1のホットケーキと同程度のω−グリアジンを含有するものの、酢の作用効果により、胃液によって消化されやすい状態に変質していると推察される。

Claims (13)

  1. 酢を含有する、小麦アレルゲン消化性が向上された小麦アレルギー用ベーカリー食品。
  2. 酢を含有する、小麦アレルギー誘発性が低下された小麦アレルギー用ベーカリー食品。
  3. 酢と共に加熱されることで消化性が向上した小麦タンパク質を含有する小麦アレルギー用ベーカリー食品。
  4. 酢の含有量が1.0〜10.0質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の小麦アレルギー用ベーカリー食品。
  5. 糖を2.5〜30質量%含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の小麦アレルギー用ベーカリー食品。
  6. 塩の含有量が1.5質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の小麦アレルギー用ベーカリー食品。
  7. 前記ベーカリー食品がホットケーキ類である請求項1〜6のいずれか1項に記載の小麦アレルギー用ベーカリー食品。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の小麦アレルギー用ベーカリー食品の製造方法であって、
    小麦粉を含む原料粉に、酢を配合して生地を調製する生地調製工程と、該生地を加熱する加熱工程とを有する、小麦アレルギー用ベーカリー食品の製造方法。
  9. 前記生地調製工程において、小麦粉100質量部に対し、酢を3〜15質量部配合する請求項8に記載の小麦アレルギー用ベーカリー食品の製造方法。
  10. 前記生地調製工程において、小麦粉100質量部に対し、糖を5質量部以上配合する請求項8又は9に記載の小麦アレルギー用ベーカリー食品の製造方法。
  11. 小麦アレルゲン消化性が向上された小麦粉加工品を含有し、該小麦粉加工品が酢を含有する小麦アレルギー用減感作剤。
  12. 小麦粉を用いて小麦粉含有生地を調製する場合に、小麦粉100質量部に対し、酢を3〜15質量部配合する、小麦アレルゲン消化性の向上方法。
  13. 小麦粉を用いて小麦粉含有生地を調製する場合に、小麦粉100質量部に対し、酢を3〜15質量部配合する、小麦アレルギー誘発性の低下方法。
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