JP2020064305A - 酸拡散制御剤及び化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】欠陥抑制性に優れる感放射線性樹脂組成物の提供する。【解決手段】酸解離性基を有する重合体、式(1)で表されるアニオンを有する化合物及び溶媒を含有する感放射線性樹脂組成物である。式(1)中、Xは、−C(=O)Y、−C(=O)OY、−C(=O)NYY’、−S(=O)2Y、−S(=O)2OY、−S(=O)2NYY’、−C(=O)OC(=O)Y、−C(=O)N(Y)C(=O)Y’等のうちのいずれかである。R1、R2、R3、R4、Y及びY’は、水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はY若しくはY’とR1、Y若しくはY’とR2、Y若しくはY’とR3又はY若しくはY’とR4が、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を構成する。【選択図】なし

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、酸拡散制御剤の製造方法及び感放射線性樹脂組成物の製造方法に関する。
リソグラフィーによる微細加工に用いられる化学増幅型の感放射線性樹脂組成物は、ArFエキシマレーザー光等の遠紫外線、電子線等の荷電粒子線などの照射により露光部に酸を発生させ、この酸を触媒とする化学反応により、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解速度に差を生じさせることで、レジストパターンを形成させる。
かかるレジストパターンの形成において、さらに微細なレジストパターンを形成する方法として液浸露光法が好適に用いられている。この方法では、露光レンズとレジスト膜との間を、空気又は不活性ガスに比して屈折率が大きい液浸媒体で満たして露光を行う。この液浸露光法によれば、レンズの開口数を増大させた場合でも、焦点深度が低下し難く、しかも高い解像性が得られるという利点がある。
このような液浸露光法に用いられる感放射線性樹脂組成物としては、レジスト膜から液浸媒体への感放射線性酸発生体等の溶出を抑制し、かつレジスト膜の水切れを良くすることを目的として、撥水性が高いフッ素原子含有重合体を含有するものが提案されている(国際公開第2007/116664号参照)。
国際公開第2007/116664号
しかしながら、フッ素原子含有重合体は、高い撥水性のために、液浸露光法のみならずEUV露光においても現像残渣の付着によるブロッブ欠陥等の現像欠陥等の発生を招くおそれがある。また、液浸露光法においては、液浸露光時に介在する水(液浸媒体)が保護膜上に残留することに起因して、レジストパターン上に液滴痕が残るウォーターマーク欠陥の発生を抑制することも求められている。しかし、上記従来の感放射線性樹脂組成物では、これらの要求を満たすことはできていない。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、現像欠陥抑制性及びウォーターマーク欠陥抑制性に優れる感放射線性樹脂組成物、これを用いたレジストパターン形成方法、酸拡散制御剤の製造方法及び感放射線性樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、酸解離性基を有する第1重合体と、下記式(1)で表されるアニオンを有する第1化合物と、溶媒とを含有する感放射線性樹脂組成物である。
Figure 2020064305
(式(1)中、Xは、−C(=O)Y、−C(=O)OY、−C(GRY、−C(=O)NYY’、−S(=O)Y、−S(=O)OY、−S(=O)NYY’、−C(=O)OC(=O)Y又は−C(=O)N(Y)C(=O)Y’である。Gは、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子である。Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又は2つのRが互いに合わせられこれらが結合する−G−C−G−と共に環員数4〜20の環構造を構成する。R、R、R、R、Y及びY’は、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はY若しくはY’とR、Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR又はY若しくはY’とRが、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を構成する。但し、R乃至Rが1価の有機基である場合、R乃至Rはフッ素原子を含まない。Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜4の1価のフッ素化炭化水素基である。)
上記課題を解決するためになされた別の発明は、基板の一方の面側に当該感放射線性樹脂組成物を塗工する工程と、上記塗工工程により得られたレジスト膜を露光する工程と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程とを備えるレジストパターン形成方法である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、感放射線性樹脂組成物に用いられる酸拡散制御剤の製造方法であって、下記式(a)で表される化合物と下記式(b)で表される化合物との反応により、下記式(c)で表される化合物を得る工程と、下記式(c)で表される化合物のエステル基の加水分解により、下記式(d)で表される化合物を得る工程と、下記式(d)で表される化合物と下記式(e)で表される塩との反応により、下記式(1’)で表される化合物を得る工程とを備える酸拡散制御剤の製造方法である。
Figure 2020064305
(式(a)〜(e)及び(1’)中、Xは、−C(=O)Y、−C(=O)OY、−C(GRY、−C(=O)NYY’、−S(=O)Y、−S(=O)OY、−S(=O)NYY’、−C(=O)OC(=O)Y又は−C(=O)N(Y)C(=O)Y’である。Gは、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子である。Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又は2つのRが互いに合わせられこれらが結合する−G−C−G−と共に環員数4〜20の環構造を構成する。R’、R’、R’、Y及びY’は、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はY若しくはY’とR’、Y若しくはY’とR’又はY若しくはY’とR’が、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を構成する。但し、R’、R’及び、R’が1価の有機基である場合、R’、R’及び、R’はフッ素原子を含まない。Rは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜4の1価のフッ素化炭化水素基である。Qは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。Zは、1価のカチオンである。Mは、1価のアニオンである。)
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、酸解離性基を有する第1重合体と、下記式(1)で表される化合物と、溶媒とを混合する工程を備える感放射線性樹脂組成物の製造方法である。
Figure 2020064305
(式(1)中、Xは、−C(=O)Y、−C(=O)OY、−C(GRY、−C(=O)NYY’、−S(=O)Y、−S(=O)OY、−S(=O)NYY’、−C(=O)OC(=O)Y又は−C(=O)N(Y)C(=O)Y’である。Gは、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子である。Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又は2つのRが互いに合わせられこれらが結合する−G−C−G−と共に環員数4〜20の環構造を構成する。R、R、R、R、Y及びY’は、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はY若しくはY’とR、Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR又はY若しくはY’とRが、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を構成する。但し、R乃至Rが1価の有機基である場合、R乃至Rはフッ素原子を含まない。Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜4の1価のフッ素化炭化水素基である。)
ここで、「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。また、「環員数」とは、脂環構造、芳香環構造、脂肪族複素環構造又は芳香族複素環構造における環を構成する原子の数をいう。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法は、さらなる微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造等におけるパターン形成に好適に用いることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]化合物及び[C]溶媒を含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として、放射線の作用によりスルホン酸を発生する[D]化合物、[A]重合体よりもフッ素原子の質量含有率が大きい[E]重合体を含有していてもよい。さらに、当該感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。当該感放射線性樹脂組成物は、上記構成を有することで、現像欠陥抑制性、ウォーターマーク欠陥抑制性及び保存安定性に優れる。以下、各成分について説明する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物によれば、放射線の照射により[B]化合物等から生じる酸により露光部の[A]重合体の酸解離性基が解離して、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性に差異が生じ、その結果、レジストパターンを形成することができる。[A]重合体は、通常、当該感放射線性樹脂組成物におけるベース重合体となる。「ベース重合体」とは、レジストパターンを構成する重合体のうちの最も含有率が大きい重合体であって、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上を占める重合体をいう。
[A]重合体は、構造単位(I)以外にも、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造若しくはこれらの組み合わせを含む構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)、フェノール性水酸基を含む構造単位(以下、「構造単位(III)」ともいう)、及び/又はアルコール性水酸基を含む構造単位(以下、「構造単位(IV)」ともいう)を有することが好ましく、構造単位(I)〜(IV)以外のその他の構造単位を有していてもよい。[A]重合体はこれらの構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、酸解離性基を含む構造単位である。構造単位(I)としては、例えば下記式(3)で表される構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)が挙げられる。[A]重合体は、構造単位(I)を1種又は2種以上有していてもよい。以下、構造単位(I)について説明する。
Figure 2020064305
上記式(3)中、RA1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。RA2は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。RA3及びRA4は、それぞれ独立して炭素数1〜20の1価の炭化水素基、水素原子若しくは炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。
「炭化水素基」には、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。
A1としては、構造単位(I)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
A2、RA3及びRA4で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。これらの中で、アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基及びi−プロピル基がさらに好ましく、エチル基が特に好ましい。
炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の1価の単環の脂環式飽和炭化水素基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の1価の単環の脂環式不飽和炭化水素基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデカン等の1価の多環の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の1価の多環の脂環式不飽和炭化水素基等が挙げられる。これらの中で1価の単環の脂環式飽和炭化水素基及び1価の多環の脂環式飽和炭化水素基が好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基がより好ましい。
炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、メチルアントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
A3及びRA4で表される炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば例えばRA2、RA3及びRA4として例示した1価の炭化水素基の結合手側の末端に酸素原子が結合した基等が挙げられる。
A3及びRA4が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の脂環構造としては、例えばシクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造等の脂環構造;
オキサシクロペンタン構造、チアシクロペンタン構造、アザシクロペンタン構造等の脂肪族複素環構造等が挙げられる。これらの中で、脂環構造が好ましく、シクロヘキサン構造がより好ましい。
構造単位(I)としては、例えば下記式(3−1)〜(3−6)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)〜(I−6)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2020064305
上記式(3−1)〜(3−5)中、RA1〜RA4は、上記式(3)と同義である。
上記式(3−1)中、iは、1〜4の整数である。
上記式(3−3)中、jは、1〜4の整数である。
上記式(3−6)中、RA2’、RA3’及びRA4’は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
i及びjとしては、1〜3が好ましく、1及び2がより好ましい。
構造単位(I)としては、構造単位(I−1)〜(I−5)が好ましい。
構造単位(I)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2020064305
Figure 2020064305
上記式中、RA1は、上記式(3)と同義である。
構造単位(I)としては、1−アルキル−単環シクロアルカン−1−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−アルキル−多環シクロアルカン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び2−(シクロアルカン−イル)プロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位が好ましく、1−i−プロピルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1−メチルシクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−エチル−アダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−エチル−テトラシクロドデカン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び2−(シクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましく、40モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、75モル%がより好ましく、70モル%がさらに好ましく、60モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をさらに向上させることができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(I)に加え、構造単位(II)をさらに有することで現像液への溶解性をより適度に調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
構造単位(II)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2020064305
Figure 2020064305
Figure 2020064305
Figure 2020064305
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(II)としては、ラクトン構造を有する構造単位、環状カーボネート構造を有する構造単位及びスルトン構造を有する構造単位が好ましく、ラクトン構造含有(メタ)アクリレートに由来する構造単位、環状カーボネート構造含有(メタ)アクリレートに由来する構造単位及びスルトン構造含有(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましく、ノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、シアノノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、ノルボルナンラクトン−イルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、γ−ブチロラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、エチレンカーボネート−イルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及びノルボルナンスルトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がさらに好ましい。
[A]重合体が構造単位(II)を有する場合、構造単位(II)の含有割合の下限としては、[A]重合体における全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましく、40モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、65モル%がさらに好ましく、60モル%が特に好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、[A]重合体は現像液への溶解性をさらに適度に調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をさらに向上させることができる。また、得られるレジストパターンと基板との密着性をさらに向上させることができる。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、フェノール性水酸基を含む構造単位である。レジストパターン形成方法における露光工程で照射する放射線として、KrFエキシマレーザー光、EUV、電子線等を用いる場合には、[A]重合体が構造単位(III)を有することで、感度をより高めることができる。
構造単位(III)としては例えば下記式(4)で表される構造単位(以下、「構造単位(III)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2020064305
上記式(4)中、R14は、水素原子又はメチル基である。R15は、炭素数1〜20の1価の有機基である。pは、0〜3の整数である。pが2又は3の場合、複数のR15は同一でも異なっていてもよい。qは、1〜3の整数である。但し、p+qは、5以下である。
上記R14としては、構造単位(III)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
上記R15で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含む基(g)、上記炭化水素基及び基(g)が有する水素原子の一部又は全部をヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、上記RA2、RA3及びRA4で挙げた基と同様の基が挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基が有するヘテロ原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子、リン原子等が挙げられる。これらの中で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子及びフッ素原子が好ましい。
上記炭素−炭素間又は結合手側の末端に含まれる2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−C(=O)−、−O−、−NR’−、−S−、−C(=S)−、これらを組み合わせた基等があげられる。R’は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。なお、これら2価のヘテロ原子含有基が炭素原子を含む場合、R15が有する炭素原子の総数はこれら2価のヘテロ原子含有基に含まれるものも含めて1〜20である。
上記炭化水素基及び基(g)が有する水素原子の一部又は全部と置換されるヘテロ原子含有基としては、例えば、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルファニル基(−SH)、アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記pとしては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記qとしては、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
構造単位(III)としては、例えば下記式(4−1)〜(4−4)で表される構造単位(以下、「構造単位(III−1)〜(III−4)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2020064305
上記式(4−1)〜(4−4)中、R14は、上記式(4)と同義である。
構造単位(III)としては、構造単位(III−1)及び構造単位(III−2)が好ましく、構造単位(III−1)がより好ましい。
[A]重合体が構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましく、40モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、65モル%がさらに好ましく、60モル%が特に好ましい。構造単位(III)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は感度をさらに向上させることができる。
なお、構造単位(III)は、ヒドロキシスチレンの−OH基の水素原子をアセチル基等で置換した単量体などを重合した後、得られた重合体を、アミン等の塩基存在下で加水分解反応を行うこと等により形成することができる。
[構造単位(IV)]
構造単位(IV)は、アルコール性水酸基を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(IV)を有することで、現像液への溶解性をより適度に調製することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。また、レジストパターンの基板への密着性をより高めることができる。
構造単位(IV)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2020064305
上記式中、RL2は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(IV)としては、ヒドロキシアダマンチル基を含む構造単位が好ましく、3−ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
[A]重合体が構造単位(IV)を有する場合、構造単位(IV)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましく、40モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、65モル%がさらに好ましく、60モル%が特に好ましい。構造単位(IV)の含有割合を上記範囲とすることで、[A]重合体は現像液への溶解性をさらに適度に調製することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をさらに向上することができる。また、レジストパターンの基板への密着性をさらに高めることができる。
[その他の構造単位]
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(IV)以外にもその他の構造単位を有してもよい。上記その他の構造単位としては、例えばケトン性カルボニル基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基又はこれらの組み合わせを含む構造単位、非解離性の1価の脂環式炭化水素基を含む(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位等が挙げられる。その他の構造単位の含有割合の上限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。
[A]重合体の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。「全固形分」とは、当該感放射線性樹脂組成物中の[C]溶媒以外の成分の総和をいう。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(3−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(3,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤などが挙げられる。これらの中で、AIBN及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル重合開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等の脂環式飽和炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素;
クロロブタン、ブロモヘキサン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコールなどが挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
重合における反応温度の下限としては、40℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記反応温度の上限としては、150℃が好ましく、120℃がより好ましい。重合における反応時間の下限としては、1時間が好ましく、2時間がより好ましい。上記反応時間の上限としては、48時間が好ましく、24時間がより好ましい。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、3,000がより好ましく、4,000がさらに好ましく、5,000が特に好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、10,000が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗工性が向上し、かつ現像欠陥抑制性がより向上する。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)の下限としては、通常1であり、1.1が好ましい。上記比の上限としては、5が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましい。
<[B]化合物>
[B]化合物は、下記式(1)で表されるアニオンを有する化合物である。[B]化合物は、放射線の作用により下記[D]化合物から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する酸拡散制御剤としての効果を奏する。当該感放射線性樹脂組成物は、酸拡散制御剤としてのオニウム塩化合物として[B]化合物を用いることで、現像欠陥抑制性、ウォーターマーク欠陥抑制性及び保存安定性に優れるものにすることができる。[B]化合物は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
Figure 2020064305
上記式(1)中、Xは、−C(=O)Y、−C(=O)OY、−C(GRY、−C(=O)NYY’、−S(=O)Y、−S(=O)OY、−S(=O)NYY’、−C(=O)OC(=O)Y又は−C(=O)N(Y)C(=O)Y’である。Gは、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子である。Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又は2つのRが互いに合わせられこれらが結合する−G−C−G−と共に環員数4〜20の環構造を構成する。R、R、R、R、Y及びY’は、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はY若しくはY’とR、Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR又はY若しくはY’とRが、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を構成する。但し、R乃至Rが1価の有機基である場合、R乃至Rはフッ素原子を含まない。Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜4の1価のフッ素化炭化水素基である。
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体及び[C]溶媒に加えて、[B]化合物を含有することで、現像欠陥抑制性及びウォーターマーク欠陥抑制性に優れる。当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を有することで、上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、[B]化合物のアニオンは、−COOが結合された炭素原子に2つのフッ素原子が結合されていることで、フッ素原子の疎水性により当該感放射線性樹脂組成物全体の疎水性は維持しつつ、その電子求引性により現像液への溶解性を向上させることができると考えられる。その結果、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性及びウォーターマーク欠陥抑制性が向上すると考えられる。さらに、酸拡散制御剤として従来のオニウム塩化合物を含有させると、下記[E]重合体との間の分解反応等による難溶性塩の析出などが不可避となるが、[B]化合物によれば、式(1)の構造に起因する適度に低い求核性のためか、上記析出が抑制され、その結果、当該感放射線性樹脂組成物の保存安定性が向上すること等が考えられる。
上記−C(GRYのRで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又はG−R間におけるRの結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含む基(g)、上記炭化水素基及び基(g)が有する水素原子の一部又は全部をヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
上記脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の1価の単環の脂環式飽和炭化水素基;
シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の1価の単環の脂環式不飽和炭化水素基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の1価の多環の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等の1価の多環の脂環式不飽和炭化水素等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基が有するヘテロ原子としては、例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子、リン原子等が挙げられる。これらの中で、酸素原子及び硫黄原子が好ましい。
上記炭化水素基の炭素−炭素間又はG−R間におけるRの結合手側の末端に含まれる2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−C(=O)−、−O−、−S−、−C(=S)−、これらを組み合わせた基等があげられる。なお、これら2価のヘテロ原子含有基が炭素原子を含む場合、Rが有する炭素原子の総数はこれら2価のヘテロ原子含有基に含まれるものも含めて1〜20である。
上記炭化水素基及び基(g)が有する水素原子の一部又は全部と置換されるヘテロ原子含有基としては、例えば、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルファニル基(−SH)等が挙げられる。
上記2つのRが互いに合わせられこれらが結合する−G−C−G−と共に構成される環員数4〜20の環構造としては、例えば1,3−ジオキサシクロペンタン等の環状アセタール環(環状ケタール環を含む)を有する構造、1−チア−3−オキサシクロペンタン等の−O−C−S−で表される基を含む環を有する構造、1,3−ジチアシクロペンタン等の−S−C−S−で表される基を含む環を有する構造等が挙げられる。
上記R、R、R、R、Y及びY’で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含む基(g)、上記炭化水素基及び基(g)が有する水素原子の一部又は全部をヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、上記Rで挙げた基と同様の基が挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基が有するヘテロ原子としては、例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子、リン原子等が挙げられる。これらの中で、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子が好ましい。
上記炭素−炭素間又は結合手側の末端に含まれる2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−C(=O)−、−O−、−NR’−、−S−、−C(=S)−、これらを組み合わせた基等があげられる。R’は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。なお、これら2価のヘテロ原子含有基が炭素原子を含む場合、上記R、R、R、R、Y及びY’が有する炭素原子の総数はこれら2価のヘテロ原子含有基に含まれるものも含めて1〜20である。
上記炭化水素基及び基(g)が有する水素原子の一部又は全部と置換されるヘテロ原子含有基としては、例えば、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルファニル基(−SH)、アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR又はY若しくはY’とRが互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造としては、例えばシクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造等の脂環構造;
オキサシクロペンタン構造、チアシクロペンタン構造、アザシクロペンタン構造等の脂肪族複素環構造等が挙げられる。
上記環構造としては、単環、複環、縮環、橋かけ構造等、どのような形のものであってもよい。また、上記環構造は、置換基を有していてもよい。
Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR又はY若しくはY’とRが互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の環構造としては、例えば下記式で表される環構造が挙げられる。
Figure 2020064305
上記環構造としては、これらの中で、上記式(bb−1)で表される環構造、上記式(bb−5)で表される環構造等が好ましい。
上記Rf1及びRf2で表される炭素数1〜4の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば炭素数1〜4のフッ素化アルキル基等が挙げられる。上記Rf1及びRf2で表される炭素数1〜4の1価のフッ素化炭化水素基としては、パーフルオロアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
上記Xとしては、当該感放射線性樹脂組成物の保存安定性及び現像欠陥抑制性をより高める観点から、−C(=O)Y、−C(=O)OY、−C(ORY、−S(=O)Y、−S(=O)OY、−S(=O)NYY’、−C(=O)OC(=O)Y又は−C(=O)N(Y)C(=O)Y’であり、R、R、R及びRがそれぞれ独立して水素原子であるか、又はY若しくはY’とR、Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR又はY若しくはY’とRが、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造又は脂肪族複素環構造を表すことがより好ましい。
上記R、R、R及びRとしては、当該感放射線性樹脂組成物の保存安定性及び現像欠陥抑制性をより高める観点から、水素原子であることがより好ましい。
上記Rf1及びRf2としては、当該感放射線性樹脂組成物の保存安定性及び現像欠陥抑制性をより高める観点から、フッ素原子であることがより好ましい。
[B]化合物としては、下記式(1)で表されるアニオンを含む限り特に限定されず、例えば下記式(2)で表されるアニオンとカチオンとの組み合わせにより形成される化合物等が挙げられる。
Figure 2020064305
上記式(2)中、X、R、R、R、R、R、Y、Y’、Rf1及びRf2は、上記式(1)と同義である。Zは、1価のカチオンである。
上記Zで表される1価のカチオンとしては、例えば、S、I、O、N、P、Cl、Br、F、As、Se、Sn、Sb、Te、Bi等の元素を含むカチオンが挙げられる。元素としてS(イオウ)を含むカチオンとしては、例えば、スルホニウムカチオン、テトラヒドロチオフェニウムカチオン等が挙げられ、元素としてI(ヨウ素)を含むカチオンとしては、ヨードニウムカチオン等が挙げられる。
上記スルホニウムカチオンとしては、例えば、下記式(Q−1)で表されるカチオン等が、上記テトラヒドロチオフェニウムカチオンとしては、例えば、下記式(Q−2)で表されるカチオン等が、上記ヨードニウムカチオンとしては、例えば下記式(Q−3)で表されるカチオン等が挙げられる。
Figure 2020064305
上記式(Q−1)中、Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−RP’若しくは−SO−RQ’であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。RP’及びRQ’は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Rc1〜Rc3並びにRP’及びRQ’がそれぞれ複数の場合、複数のRc1〜Rc3並びにRP’及びRQ’はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(Q−2)中、Rd1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は0〜7の整数である。Rd1が複数の場合、複数のRd1は同一でも異なっていてもよく、また複数のRd1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Rd2は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Rd2が複数の場合、複数のRd2は同一でも異なっていてもよく、複数のRd2は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。tは、0〜3の整数である。
上記式(Q−3)中、Re1及びRe2は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Re1、Re2、R及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRe1、Re2、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記Rc1〜Rc3、Rd1、Rd2、Re1及びRe2で表される非置換の直鎖状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
上記Rc1〜Rc3、Rd1、Rd2、Re1及びRe2で表される非置換の分岐状のアルキル基としては、例えばi−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Rc1〜Rc3、Re1及びRe2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記Rd1及びRd2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記アルキル基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子を置換していてもよい置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。
これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記Rc1〜Rc3、Rd1、Rd2、Re1及びRe2としては、非置換の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、−OSO−R**、−SO−R**が好ましく、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。R**は、非置換の1価の脂環式炭化水素基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基である。
上記式(Q−1)におけるk1、k2及びk3としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(Q−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(Q−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記スルホニウムカチオンとしては、例えば、下記式(i−1)〜(i−21)で表されるカチオン等があげられる。
Figure 2020064305
これらの中で、上記式(i−1)で表されるカチオン、上記式(i−21)で表されるカチオンが好ましい。
上記テトラヒドロチオフェニウムカチオンとしては、例えば、下記式(i’−1)〜(i’−4)で表されるカチオン等が挙げられる。
Figure 2020064305
これらの中で、上記式(i’−2)で表されるカチオンが好ましい。
上記ヨードニウムカチオンとしては、例えば、下記式(ii−1)〜(ii−25)で表されるカチオン等が挙げられる。
Figure 2020064305
これらの中で、上記式(ii−11)で表されるカチオンが好ましい。
[B]化合物としては、例えば下記式(B−1)〜(B−17)で表される化合物(以下、「化合物(B−1)〜化合物(B−17)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2020064305
Figure 2020064305
[B]化合物としては、これらの中で、化合物(B−1)〜(B−8)が好ましく、化合物(B−6)がより好ましい。
酸拡散制御剤である[B]化合物の製造方法は、例えば下記式(a)で表される化合物と下記式(b)で表される化合物との反応により、下記式(c)で表される化合物を得る工程と、下記式(c)で表される化合物のエステル基の加水分解により、下記式(d)で表される化合物を得る工程と、下記式(d)で表される化合物と下記式(e)で表される塩との反応により、下記式(1’)で表される化合物を得る工程とを備える。
[B]化合物としては、上記式(2)において、Rが水素原子であり、Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR又はY若しくはY’とRが、環構造を形成していない場合の下記化合物(1’)については、例えば、下記反応スキームに従い、合成することができる。上記方法により、[B]化合物を簡便かつ収率よく合成することができる。これら以外の[B]化合物についても、公知の方法を用いて合成することができる。
Figure 2020064305
上記式(a)〜(e)及び(1’)中、Xは、−C(=O)Y、−C(=O)OY、−C(GRY、−C(=O)NYY’、−S(=O)Y、−S(=O)OY、−S(=O)NYY’、−C(=O)OC(=O)Y又は−C(=O)N(Y)C(=O)Y’である。
Gは、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子である。
は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又は2つのRが互いに合わせられこれらが結合する−G−C−G−と共に環員数4〜20の環構造を構成する。
’、R’、R’、Y及びY’は、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はY若しくはY’とR’、Y若しくはY’とR’又はY若しくはY’とR’が、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を構成する。但し、R’、R’及び、R’が1価の有機基である場合、R’、R’及び、R’はフッ素原子を含まない。
は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
f1及びRf2は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜4の1価のフッ素化炭化水素基である。
Qは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
は、1価のカチオンである。
は、1価のアニオンである。
上記R’、R’、R’で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、上記R、R、R、R、Y及びY’で挙げた基と同様の基が挙げられる。
上記Rで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、上記RA2、RA3及びRA4で挙げた基と同様の基が挙げられる。
[B]化合物の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。[B]化合物の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、25質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましく、10質量部が特に好ましい。[B]化合物の含有量が上記下限未満であると、当該感放射線性樹脂組成物の解像性等のリソグラフィー性能が低下する場合がある。[B]化合物の含有量が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物の感度が低下する場合がある。
<[C]溶媒>
当該感放射線性樹脂組成物は、通常[C]溶媒を含有する。[C]溶媒は、少なくとも[B]化合物、[E]重合体、必要に応じて含有される[D]化合物等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
[C]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数2〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール(メチルフェニルエーテル)等の芳香環含有エーテル系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン(メチル−n−ペンチルケトン)、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒:
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えばN,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒などが挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
プロピレングリコールアセテート等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカートネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば、
n−ペンタン、n−ヘキサン等の炭素数5〜12の脂肪族炭化水素系溶媒;
トルエン、キシレン等の炭素数6〜16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの中で、[C]溶媒としては、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒、ラクトン系溶媒、環状ケトン系溶媒がより好ましく、多価アルコール部分アルキルエーテルアセテート、ラクトン系溶媒、環状ケトン系溶媒がさらに好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノンが特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[C]溶媒を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[D]化合物>
[D]化合物は、放射線の作用によりスルホン酸を発生する物質である。この発生したスルホン酸により[E]重合体、[A]重合体等が有する酸解離性基が解離してカルボキシ基等が生じ、これらの重合体の現像液への溶解性が変化するため、当該感放射線性樹脂組成物から、レジストパターンを形成することができる。
[D]化合物としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
[D]化合物の具体例としては、例えば、特開2009−134088号公報の段落[0080]〜[0113]に記載されている化合物等が挙げられる。
[D]化合物としては、下記式(vi)で表される化合物が好ましい。[D]化合物を下記式(vi)で表される化合物とすることで、[E]重合体又は[A]重合体が有する極性構造との相互作用等により、放射線の作用により発生する酸のレジスト膜中の拡散長がより適度に短くなると考えられ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能をより向上させることができる。
Figure 2020064305
上記式(vi)中、Rb1は、環員数6以上の脂環構造を含む1価の基又は環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基である。Rb2は、炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基である。Tは、1価の放射線分解性オニウムカチオンである。
上記Rb1における「環員数」とは、脂環構造及び脂肪族複素環構造の環を構成する原子数をいい、多環の脂環構造及び多環の脂肪族複素環構造の場合は、この多環を構成する原子数をいう。
上記Rb1で表される環員数6以上の脂環構造を含む1価の基としては、例えば
シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の1価の単環の脂環式飽和炭化水素基;
シクロオクテニル基、シクロデセニル基等の1価の単環の脂環式不飽和炭化水素基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の1価の多環の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の1価の多環の脂環式不飽和炭化水素基等が挙げられる。
上記Rb1で表される環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基としては、例えば
ノルボルナンラクトン−イル基等のラクトン構造を含む基;
ノルボルナンスルトン−イル基等のスルトン構造を含む基;
オキサシクロヘプチル基、オキサノルボルニル基等の酸素原子含有複素環基;
アザシクロヘキシル基、アザシクロヘプチル基、ジアザビシクロオクタン−イル基等の窒素原子含有複素環基;
チアシクロヘプチル基、チアノルボルニル基等のイオウ原子含有複素環基等が挙げられる。
上記Rb1で表される基の環員数としては、上述の酸の拡散長がさらに適度になる観点から、8以上が好ましく、9〜15がより好ましく、10〜13がさらに好ましい。
上記Rb1としては、これらの中で、環員数9以上の脂環構造を含む1価の基、環員数9以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基が好ましく、アダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、ノルボルナンラクトン−イル基、5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−イル基がより好ましく、アダマンチル基がさらに好ましい。
上記Rb2で表される炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基としては、例えばメタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基等の炭素数1〜10のアルカンジイル基が有する水素原子の1個以上をフッ素原子で置換した基等が挙げられる。
これらの中で、SO 基に隣接する炭素原子にフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基が好ましく、SO 基に隣接する炭素原子に2個のフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基がより好ましく、1,1−ジフルオロメタンジイル基、1,1−ジフルオロエタンジイル基、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−1,2−プロパンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロエタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロブタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロヘキサンジイル基がさらに好ましい。
上記Tで表される1価の放射線分解性オニウムカチオンとしては、上記[B]化合物の式(2)におけるZとして例示したオニウムカチオンと同様のもの等が挙げられる。
[D]化合物としては、例えば、下記式(vi−1)〜(vi−17)で表される化合物(以下、「化合物(vi−1)〜(vi−17)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2020064305
Figure 2020064305
[D]化合物としては、これらの中で、オニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩がより好ましく、化合物(vi−1)〜(vi−3)、化合物(vi−13)〜(vi−17)がさらに好ましい。
[D]化合物の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、3質量部が特に好ましい。[D]化合物の上記上限としては、[A]重合体100質量部に対して、40質量部が好ましく、30質量部がより好ましく、25質量部がさらに好ましい。[D]化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。
<[E]重合体>
[E]重合体は、フッ素原子を含む重合体である。[E]重合体は、下記構造単位(V)及び構造単位(VI)のうちの少なくともいずれかを有することが好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[E]重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に、[E]重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表層に偏在化する傾向があり、液浸露光時における[D]化合物や酸拡散制御剤等が液浸液に溶出することを抑制することができる。また、この[E]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸液との前進接触角が所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸液との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。また、電子線露光やEUV露光においても、[E]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜の欠陥抑制性を向上させることができる。このように当該感放射線性樹脂組成物が[E]重合体を含有することにより、液浸露光、電子線露光、EUV露光等に好適なレジスト膜を形成することができる。
[E]重合体としては、当該感放射線性樹脂組成物中の[A]重合体よりも、フッ素原子の合計質量含有率が大きいことが好ましい。[E]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子の合計質量含有率が大きいことで上述の偏在化の度合いがより高くなり、得られるレジスト膜表面の撥水性及び溶出抑制性等の特性をより向上させることができる。
[E]重合体のフッ素原子の質量含有率の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、4質量%がさらに好ましく、7質量%が特に好ましい。上記合計質量含有率の上限としては、60質量%が好ましく、40質量%がより好ましく、30質量%がさらに好ましい。重合体のフッ素原子の質量含有率は、13C−NMRスペクトル測定等により重合体の構造を求め、その構造から算出することができる。
[E]重合体は、アルカリ解離性基を有することが好ましい。[E]重合体がアルカリ解離性基を有すると、レジスト膜表面をアルカリ現像時に疎水性から親水性に効果的に変えることができ、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性が向上する。[E]重合体がアルカリ解離性基を有すると、従来用いられているオニウム塩化合物とのイオン交換等が起こり易く、感放射線性樹脂組成物の保存安定性及び現像欠陥抑制性がより低下する。しかし、当該感放射線性樹脂組成物は、オニウム塩化合物として上記特定の[B]化合物を用いるので、[E]重合体がアルカリ解離性基を有する場合でも、保存安定性及び現像欠陥抑制性を優れたものにすることができる。「アルカリ解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等が有する水素原子を置換する基であって、アルカリ水溶液(例えば、23℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)中で解離する基をいう。
[E]重合体におけるフッ素原子の含有形態は特に限定されず、主鎖、側鎖及び末端のいずれに結合するものでもよいが、フッ素原子を含む構造単位(以下、「構造単位(V)」ともいう)を有することが好ましい。[E]重合体は、構造単位(V)及び構造単位(VI)のうちの少なくともいずれか以外にも、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性向上の観点から、酸解離性基を含む構造単位(後述する[A]重合体における構造単位(I))を有することが好ましい。
[構造単位(V)]
構造単位(V)は、下記式(5)で表される構造単位(以下、「構造単位(V−1)」ともいう)である。[E]重合体は構造単位(V)を有することでフッ素原子含有率を調整することができる。
Figure 2020064305
上記式(5)中、R51は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアルコキシアルキル基である。Wは、炭素数1〜20の2価の有機基である。R52は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基である。但し、W及びR52のうちの少なくともいずれかはフッ素原子を含む基である。
上記R51で表される炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
上記R51で表される炭素数2〜10のアルコキシアルキル基としては、例えばメトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基等が挙げられる。
上記Wで表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば上記式(4)のR15として例示した炭素数1〜20の1価の有機基から1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
上記R52で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の1価の単環の脂環式飽和炭化水素基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の1価の単環の脂環式不飽和炭化水素基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基等の1価の多環の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の1価の多環の脂環式不飽和炭化水素基などが挙げられる。
炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記R52で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、鎖状炭化水素基及び脂環式炭化水素基が好ましい。
上記R52で表される炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のフッ素化アルキル基等が挙げられる。上記R52で表される炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基としては、フッ素原子及びフッ素化アルキル基が好ましく、フッ素原子及びパーフルオロアルキル基がより好ましく、フッ素原子及びトリフルオロメチル基がさらに好ましい。
また、アルカリ解離性基としての効果をより向上させる観点から、W及びR52のうちの少なくともいずれかはフッ素原子を含む基であることが好ましい。
[E]重合体が構造単位(V)を有する場合、構造単位(V)の含有割合の上限としては、[E]重合体における全構造単位に対して、100モル%が好ましく、95モル%がより好ましく、90モル%がさらに好ましい。このような含有割合にすることによって、[E]重合体のフッ素原子含有率をより適度に調整することができる。
[構造単位(VI)]
構造単位(VI)は、下記式(6)で表される構造単位(以下、「構造単位(VI)」ともいう)である。[E]重合体は構造単位(VI)を有することでフッ素原子含有率を調整することができる。
Figure 2020064305
上記式(6)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Gは、単結合、酸素原子、硫黄原子、−CO−O−、−SO−NH−、−CO−NH−又は−O−CO−NH−である。Rは、炭素数1〜6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基である。
上記Rとしては、構造単位(VI)を与える単量体の共重合性等の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Gとしては、−CO−O−、−SO−NH−、−CO−NH−又は−O−CO−NH−が好ましく、−CO−O−がより好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基としては、例えば、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロn−プロピル基、パーフルオロi−プロピル基、パーフルオロn−ブチル基、パーフルオロi−ブチル基、パーフルオロt−ブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数4〜20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基としては、例えばモノフルオロシクロペンチル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロペンチル基、モノフルオロシクロヘキシル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロヘキシルメチル基、フルオロノルボルニル基、フルオロアダマンチル基、フルオロボルニル基、フルオロイソボルニル基、フルオロトリシクロデシル基、フルオロテトラシクロデシル基等が挙げられる。
上記Rとしては、これらの中で、フッ素化鎖状炭化水素基が好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基がより好ましく、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基がさらに好ましい。
[E]重合体が構造単位(VI)を有する場合、構造単位(VI)の含有割合の上限としては、[E]重合体における全構造単位に対して、100モル%が好ましく、95モル%がより好ましく、90モル%がさらに好ましい。このような含有割合にすることによって、[E]重合体のフッ素原子含有率をより適度に調整することができる。
[E]重合体の含有量の下限としては、後述する[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.2質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましく、1質量部が特に好ましい。[E]重合体の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましく、10質量部が特に好ましい。
<[E]重合体の合成方法>
[E]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
上記ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(3−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(3,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。これらの中で、AIBN、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等の脂環式飽和炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間、1時間〜24時間が好ましい。
[E]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、1,000以上50,000以下が好ましく、2,000以上30,000以下がより好ましく、2,500以上20,000以下がさらに好ましく、3,000以上15,000以下が特に好ましい。[E]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗布性及び現像欠陥抑制性が向上する。[E]重合体のMwが上記下限未満であると、十分な耐熱性を有するレジスト膜が得られない場合がある。[E]重合体のMwが上記上限を超えると、レジスト膜の現像性が低下する場合がある。
[E]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常、1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[E]成分以外のその他の任意成分を含有していてもよい。上記その他の任意成分としては、例えば、[B]化合物以外の他の酸拡散制御体、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種又は2種以上を併用してもよい。
[他の酸拡散制御体]
当該感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、[B]化合物以外の他の酸拡散制御体を含有してもよい。他の酸拡散制御体は、放射線の作用により[D]化合物から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御する。その結果非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。また、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上する。またレジストとしての解像度がさらに向上すると共に、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた感放射線性樹脂組成物が得られる。他の酸拡散制御体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、遊離の化合物の形態(以下、適宜「他の酸拡散制御剤」と称する)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
他の酸拡散制御剤としては、例えば下記式(vii)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」ともいう)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」ともいう)、窒素原子を3個有する化合物(以下、「含窒素化合物(IV)」ともいう)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
Figure 2020064305
上記式(vii)中、Rf4、Rf5及びRf6は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
含窒素化合物(I)としては、例えばn−ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリn−ペンチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
含窒素化合物(III)としては、例えばエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
含窒素化合物(IV)としては、例えばポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のポリアミン化合物;ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の重合体等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えばピリジン、2−メチルピリジン等のピリジン類;N−プロピルモルホリン、N−(ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン等のモルホリン類;ピラジン、ピラゾール等が挙げられる。
また上記含窒素有機化合物として、酸解離性基を有する化合物を用いることもできる。このような酸解離性基を有する含窒素有機化合物としては、例えばN−t−ブトキシカルボニルピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−(t−ブトキシカルボニル)ジ−n−オクチルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
また、他の酸拡散制御体として、放射線の作用により弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基としては、例えば放射線の作用により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物等が挙げられる(但し、[B]化合物に該当するものを除く)。
上記他の酸拡散制御体の含有量としては、上記他の酸拡散制御体が他の酸拡散制御剤の場合、[A]重合体100質量部に対して、0質量部〜20質量部が好ましく、0.1質量部〜15質量部がより好ましく、0.3質量部〜10質量部がさらに好ましく、0.5質量部〜5質量部が特に好ましい。他の酸拡散制御体の含有量が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物の感度が低下する場合がある。
[界面活性剤]
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、信越化学工業社の「KP341」、共栄社化学社の「ポリフローNo.75」、「同No.95」、トーケムプロダクツ社の「エフトップEF301」、「同EF303」、「同EF352」、DIC社の「メガファックF171」、「同F173、住友スリーエム社の「フロラードFC430」、「同FC431」、旭硝子工業社の「アサヒガードAG710」、「サーフロンS−382」、「同SC−101」、「同SC−102」、「同SC−103」、「同SC−104」、「同SC−105」、「同SC−106」等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物における界面活性剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部以下である。
[脂環式骨格含有化合物]
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
[増感剤]
増感剤は、[D]化合物等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。これらの増感剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。当該感放射線性樹脂組成物における増感剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部以下である。
<感放射線性樹脂組成物の製造方法>
当該感放射線性樹脂組成物の製造方法は、例えば[A]重合体、[B]化合物、[C]溶媒、[D]化合物、必要に応じて含有される[E]重合体等を所定の割合で混合する工程を備える。当該感放射線性樹脂組成物は、混合後に、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することが好ましい。当該感放射線性樹脂組成物の全固形分濃度としては、通常0.1質量%〜50質量%であり、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物は、アルカリ現像液を用いるポジ型パターン形成用にも、有機溶媒を含有する現像液を用いるネガ型パターン形成用にも用いることができる。これらのうち、有機溶媒を含有する現像液を用いるネガ型パターン形成に用いる場合、当該感放射線性樹脂組成物は、より高い解像性を発揮することができる。
<レジストパターンの形成方法>
当該レジストパターンの形成方法は、基板の一方の面側に当該感放射線性樹脂組成物を塗工する工程(以下、「塗工工程」ともいう)と、上記塗工工程により得られたレジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)とを備える。
[塗工工程]
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物によりレジスト膜を形成する。
上記レジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆したウェハ等が挙げられる。この基板上に当該感放射線性樹脂組成物を塗布することによりレジスト膜が形成される。当該感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されないが、例えばスピンコート法等の公知の方法により塗布することができる。当該感放射線性樹脂組成物を塗布する際には、形成されるレジスト膜が所望の膜厚となるように、塗布する当該感放射線性樹脂組成物の量を調整する。なお当該感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布した後、溶媒を揮発させるためにソフトベーク(以下、「SB」ともいう)を行ってもよい。ソフトベークの温度としては、通常30℃〜200℃であり、50℃〜150℃が好ましい。
[露光工程]
本工程では、上記塗工工程により得られたレジスト膜を露光する。この露光は、場合によっては、水等の液浸媒体を介し、所定のパターンを有するマスクを介して放射線を照射する液浸露光により行う。
液浸露光の場合、上記レジスト膜上に液浸媒体を配置し、この液浸媒体を介して放射線を上記レジスト膜に照射することにより行う。上記液浸媒体としては、通常、空気より屈折率の大きい液体を使用する。具体的には、例えば純水、長鎖又は環状の脂肪族化合物等が挙げられる。この液浸媒体を介した状態、すなわち、レンズとレジスト膜との間に液浸媒体を満たした状態で、露光装置から放射線を照射し、所定のパターンを有するマスクを介してレジスト膜を露光する。
上記放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、真空紫外線(極端紫外線(EUV);波長13.5nm)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。液浸露光の場合、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)及びKrFエキシマレーザー光(波長248nm)に代表される遠紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)がより好ましい。
また、露光後にポストエクスポージャーベーク(PEB)を行ってもよい。PEBの温度の下限としては、通常50℃であり、80℃が好ましい。PEBの温度の上限としては、通常180℃であり、130℃が好ましい。PEBの時間の下限としては、通常5秒であり、10秒が好ましい。PEBの時間の上限としては、通常600秒であり、300秒が好ましい。
本発明においては、感放射線性組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば使用される基板上に有機系又は無機系の反射防止膜を形成しておくこともできる。また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば塗膜上に保護膜を設けることもできる。また、液浸露光を行う場合は、液浸媒体と膜との直接的な接触を避けるため、例えば膜上に液浸用保護膜を設けてもよい。
[現像工程]
本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、レジストパターンが形成される。
上記現像に用いる現像液としては、アルカリ現像液として、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。なお、この現像液には、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類等の水溶性有機溶媒、界面活性剤を適量添加することもできる。
また、上記現像液としては、有機溶媒を含有する現像液を用いることもできる。上記有機溶媒としては、例えば、当該感放射線性樹脂組成物の[C]溶媒として例示した有機溶媒の1種又は2種以上が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分散度(Mw/Mn)]
重合体のMw及びMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により東ソー社製のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を使用し、以下の条件により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
13C−NMR分析]
重合体の各構造単位含有割合を求めるための13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−ECX400」)を使用し、測定溶媒として重クロロホルムを使用して測定した。
<[A]重合体及び[E]重合体の合成>
各実施例及び比較例における各重合体の合成で用いた単量体を以下に示す。
Figure 2020064305
なお、上記化合物のうち(M−1)〜(M−7)及び(M−16)は構造単位(I)を、(M−8)〜(M−9)及び(M−11)〜(M−14)は構造単位(II)を、(M−15)は構造単位(III)を、(M−10)は構造単位(IV)を、(M−17)は構造単位(VI)を、化合物(M−18)は構造単位(V)をそれぞれ与える。
[合成例1](重合体(A−1)の合成)
下記表1に示すように、化合物(M−1)9.38g(50モル%)及び化合物(M−8)10.62g(50モル%)を2−ブタノン40gに溶解させ、さらに重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.785g(全モノマーに対して5モル%)を溶解させ、単量体溶液を調製した。次に、2−ブタノン20gを入れた200mL三口フラスコを窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃に加熱し、調製した単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間、80℃で加熱することにより重合反応を行った。重合反応終了後、反応溶液を室温に冷却し、メタノール300g中に投入して析出した固体を濾別した。濾別した固体をメタノール60mLで2回洗浄し、濾別した後、減圧下、50℃で15時間乾燥させ、重合体(A−1)を合成した(収量15.8g、収率78.9%)。重合体(A−1)のMwは6,100であり、Mw/Mnは1.41であった。13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)及び化合物(M−8)に由来する構造単位の含有割合は、それぞれ49.8モル%及び50.2モル%であった。
[合成例2〜7](重合体(A−2)〜(A−7)の合成)
下記表1に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は、合成例1と同様の操作を行うことによって、下記表1に示す重合体(A−2)〜(A−7)を合成した。
[合成例8](重合体(A−8)の合成)
下記表1に示すように、化合物(M−1)54.76g(50モル%)、化合物(M−15)45.24g(50モル%)、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル4.58g(全モノマーに対して5モル%)、及びt−ドデシルメルカプタン1、14gをプロピレングリコールモノメチルエーテル100gに溶解させた後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間共重合させた。重合反応終了後、重合溶液を1,000gのn−ヘキサン中に滴下して凝固精製した後、得られた固体に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加え、さらにメタノール150g、トリエチルアミン34g及び水6gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。反応終了後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた固体をアセトン150gに溶解させた後、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した固体をろ過し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−8)を得た(収量63.8g、収率72.3%)。重合体(A−8)のMwは6400であり、Mw/Mnは1.72であった。13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)及び化合物(M−15)に由来する構造単位の含有割合は、それぞれ51.2モル%及び48.8モル%であった。
Figure 2020064305
[合成例9](重合体(E−1)の合成)
下記表2に示すように、化合物(M−16)5.16g(20モル%)及び化合物(M−17)11.46g(40モル%)、化合物(M−18)13.38g(40モル%)を2−ブタノン20gに溶解させ、さらに重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.16g(全モノマーに対して5モル%)を溶解させ、単量体溶液を調製した。次に、2−ブタノン10gを入れた100mL三口フラスコを窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃に加熱し、調製した単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間、80℃で加熱することにより重合反応を行った。重合反応終了後、反応溶液を室温に冷却した。反応溶液を分液漏斗に移液した後、45gのn−ヘキサンで上記反応溶液を均一に希釈し、180gのメタノールを投入して混合した。次いで9gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。次いで、下層を回収し、溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに置換することで、固形分である重合体(E−1)を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(収率72.0%)。重合体(E−1)のMwは7,300であり、Mw/Mnは2.00であった。13C−NMR分析の結果、化合物(M−16)及び化合物(M−17)、化合物(M−18)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ20.1モル%及び38.9モル%、41.0モル%であった。
Figure 2020064305
<[B]化合物の合成>
[合成例10](化合物(B−1)の合成)
200mLの丸底フラスコに2−シクロヘキセン−1−オン3.30g(34mmol)、ブロモジフルオロ酢酸エチル12.64g(62.3mmol)、銅粉末4.64g(74mmol)、テトラヒドロフラン40mLを加え、窒素雰囲気下で50℃で加熱撹拌した。テトラメチルエチレンジアミン2.03g(17.5mmol)、酢酸1.89g(34.3mmol)の順に滴下した。滴下終了後、還流条件にて8時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止させた後、酢酸エチルを加え、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で2回洗浄した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィで精製することにより、中間体(B’−1)を7.17g(収率95%)で得た。
次に、200mLの丸底フラスコに中間体(B’−1)7.17g(32.6mmmol)、THF50mLを加え室温で撹拌した。そこへ、水酸化リチウム0.94g(39.1mmol)を17.9gの水に溶解させた水溶液を滴下した。滴下終了後、室温で2時間撹拌した。そこへトリフェニルスルホニウムクロリド9.74g(32.6mmol)、ジクロロメタン240mL、水120mLを加え室温で10時間撹拌した。有機層を回収した後、水で3回洗浄した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィで精製することにより、化合物(B−1)を5.46g(収率35%)で得た。
Figure 2020064305
[合成例2〜13](化合物(B−2)〜(B−4)及び(B−7)〜(B−13)の合成)
前駆体を適宜選択し、合成例1と同様の操作を行うことによって、下記式(B−2)〜(B−4)及び(B−7)〜(B−13)で表される化合物を合成した。
[合成例5](化合物(B−5)の合成)
200mLの丸底フラスコに、合成例1と同様の操作で得た化合物(B−2)8.82g(45.4mmol)、ピナコール10.73g(90.8mmol)、パラトルエンスルホン酸一水和物0.86g(4.54mmol)、トルエン250mLを加え、還流条件で12時間撹拌した。室温まで冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィで精製することにより、中間体(B”−5)を3.61g(収率27%)で得た。次に、合成例1で記載した中間体(B’−1)から化合物(B−1)を得る方法と同様の操作により下記式化合物(B−5)で表される化合物を合成した。
Figure 2020064305
[合成例6](化合物(B−6)の合成)
合成例5と同様の操作を行うことにより下記式(B−6)で表される化合物を合成した。
Figure 2020064305
Figure 2020064305
<感放射線性樹脂組成物の調製>
下記実施例及び比較例の感放射線性樹脂組成物の調製に用いた他の酸拡散制御剤、[C]溶媒及び[D]化合物を以下に示す。
[他の酸拡散制御剤]
他の酸拡散制御剤として光崩壊性塩基である(BB−1)〜(BB−2)で表される化合物を用いた。
Figure 2020064305
[[C]溶媒]
C−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
C−2:シクロヘキサノン
C−3:γ−ブチロラクトン
[[D]化合物]
[D]化合物として下記(D−1)〜(D−6)で表される化合物を用いた。
Figure 2020064305
<レジストパターンの形成(1)>(ArF露光、アルカリ現像)
[実施例1]
重合体(A−1)100質量部、化合物(D−1)7.9質量部、化合物(B−1)1.6質量部、重合体(E−1)3.0質量部、溶媒(C−1)2,240質量部、溶媒(C−2)960質量部及び溶媒(C−3)30質量部を混合し、得られた混合溶液を孔径0.20μmのフィルターでろ過することにより実施例1の感放射線性樹脂組成物を調製した。
[実施例2〜24及び比較例1〜2]
下記表3に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、実施例2〜24及び比較例1〜2の感放射線性樹脂組成物を調製した。
Figure 2020064305
12インチのシリコンウェハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより平均厚み105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して上記調製した各感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、平均厚み90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、40nmラインアンドスペース(1L1S)マスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%TMAH水溶液を用いてアルカリ現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成したパターンが、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される場合の露光量を最適露光量とした。
<レジストパターン(1)(ArF露光、アルカリ現像)の評価>
実施例1〜24及び比較例1〜2(ArF露光、アルカリ現像)それぞれについて形成したレジストパターンについて、下記方法に従って測定することにより、各感放射線性樹脂組成物を評価した。なお、レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4100」)を用いた。
[現像欠陥抑制性]
上記最適露光量において解像されるレジストパターンにおいて、欠陥数を、欠陥検査装置(KLA−Tencor社の「KLA2810」)を用いて測定した。欠陥抑制性は、単位面積当たりの欠陥の数が少ないほど良好である。
[WM(ウォーターマーク)欠陥抑制性]
上記手法と同様に、平均厚み90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(ASML社の「XT1900i」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件、568nm/sのスキャンスピードで露光した。続いて、露光後のPIR(ポストイマージョンリンス)時に60秒間静置した後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%TMAH水溶液を用いてアルカリ現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のWM欠陥評価用レジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成したパターンが、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される場合の露光量を最適露光量とした。
次に、上記最適露光量において解像されるレジストパターンにおいて、欠陥数を、欠陥検査装置(KLA−Tencor社の「KLA2810」)を用いて測定した。欠陥の中でも、ミッシングタイプの欠陥をWM欠陥としてカウントした。欠陥抑制性は、単位面積当たりの欠陥の数が少ないほど良好である。
[保存安定性(1)]
上記調製直後の感放射線性樹脂組成物及び調製後3か月間25℃で保管した後の感放射線性樹脂組成物について、40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成したパターンが線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される場合の露光量(最適露光量)をそれぞれ測定し、調製直後の感放射線性樹脂組成物の最適露光量をEa、調製後3か月保管した後の感放射線性樹脂組成物の最適露光量をEbとした。そして、(Ea−Eb)×100/Eaを算出して、保存安定性の指標とした。保存安定性は、(Ea−Eb)×100/Eaが−1.00以上1.00以下である場合は良好、−1.00未満又は1.00を超える場合は不良と評価することができる。
[保存安定性(2)]
上記フォトレジスト組成物の実施例(J−1)〜(J−24)および比較例(JJ−1)〜(JJ−2)を35℃で3ヶ月保管したのち、溶液の濁り具合を目視にて確認した。
実施例1〜24及び比較例1〜2から形成したレジストパターン(1)(ArF露光、アルカリ現像)の評価結果を下記表4に示す。
Figure 2020064305
<レジストパターンの形成(3)>(電子線露光、アルカリ現像)
[実施例25]
重合体(A−8)100質量部、化合物(D−3)20質量部、化合物(B−1)3.2質量部、溶媒(C−1)4,280質量部及び溶媒(C−2)1,830質量部を配合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより実施例25の感放射線性樹脂組成物を調製した。
[実施例26〜28及び比較例3〜4]
下記表5に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例25と同様に操作して、実施例26〜28及び比較例3〜4の感放射線性樹脂組成物を調製した。
Figure 2020064305
次に、8インチのシリコンウェハ表面にスピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」)を使用して上記表5に記載の各感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、平均厚み50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に、簡易型の電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0A/cm)を用いて電子線を照射した。照射後、120℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%TMAH水溶液を用いて23℃で30秒間現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。
<レジストパターン(3)(電子線露光、アルカリ現像)の評価>
実施例25〜28及び比較例3〜4(電子線露光、アルカリ現像)それぞれについて形成したレジストパターンについて、下記方法に従って測定することにより、上記ArF露光の場合と同様の手法で、現像欠陥抑制性および保存安定性(1)の評価を実施した。また、上記同様、保存安定性(2)の評価として、感放射線性樹脂組成物(J−30)〜(J−33)及び(JJ−3)〜(JJ−4)を35℃で3ヶ月保管したのち、溶液の濁り具合を目視にて確認した。
実施例25〜28及び比較例3〜4から形成したレジストパターン(3)(電子線露光、アルカリ現像)の評価結果を下記表6に示す。
Figure 2020064305
表4及び表6の結果から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物は、ArF露光においては、現像欠陥抑制性、WM欠陥抑制性、常温3ヶ月保存後の最適露光量に基づく保存安定性(1)及び35℃下3ヶ月保存後の白濁度に基づく保存安定性(2)の全ての評価項目に優れていた。また、実施例の感放射線性樹脂組成物は、電子線露光においては、現像欠陥抑制性及び上記保存安定性(1)、(2)の全ての評価項目に優れていた。
一方、ArF露光においてフッ素原子を含まない比較例1では、全ての項目において劣り、特にWM欠陥抑制性及び保存安定性が非常に劣っていた。また、6つのフッ素原子を含む比較例2では、WM欠陥抑制性及び保存安定性(2)は優れていたが、現像欠陥抑制性及び保存安定性(1)は非常に劣っていた。電子線露光においてフッ素原子を含まない比較例3では、現像欠陥抑制性は優れていたが、保存安定性(1)及び(2)は非常に劣っていた。また、6つのフッ素原子を含む比較例4においては、保存安定性(2)は優れていたが、現像欠陥抑制性が非常に劣っていた。一般的に、電子線露光によれば、EUV露光の場合と同様の傾向を示すことが知られており、従って、実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、EUV露光の場合においても、現像欠陥抑制性、ウォーターマーク欠陥抑制性及び保存安定性等に優れると推測される。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、現像欠陥抑制性、ウォーターマーク欠陥抑制性、及び保存安定性に優れるレジストパターンを形成することができる。従って、これらは、さらなる微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造等におけるパターン形成に好適に用いることができる。
Figure 2020064305
Figure 2020064305

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表されるアニオンを有する化合物を含有する酸拡散制御剤。
    Figure 2020064305
    (式(1)中、Xは、−C(=O)Y、−C(=O)OY、−C(GRY、−C(=O)NYY’、−S(=O)Y、−S(=O)OY、−S(=O)NYY’、−C(=O)OC(=O)Y又は−C(=O)N(Y)C(=O)Y’である。Gは、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子である。Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又は2つのRが互いに合わせられこれらが結合する−G−C−G−と共に環員数4〜20の環構造を構成する。R、R、R、R、Y及びY’は、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はY若しくはY’とR、Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR又はY若しくはY’とRが、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を構成する。但し、R乃至Rが1価の有機基である場合、R乃至Rはフッ素原子を含まない。Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜4の1価のフッ素化炭化水素基である。)
  2. 上記化合物が下記式(2)で表される請求項1に記載の酸拡散制御剤。
    Figure 2020064305
    (式(2)中、X、R、R、R、R、R、Y、Y’、Rf1及びRf2は、上記式(1)と同義である。Zは、1価のカチオンである。)
  3. 上記式(1)及び上記式(2)におけるXが、−C(=O)Y、−C(=O)OY、−C(GRY、−S(=O)Y、−S(=O)OY、−S(=O)NYY’、−C(=O)OC(=O)Y又は−C(=O)N(Y)C(=O)Y’であり、R、R、R及びRがそれぞれ独立して水素原子であるか、又はY若しくはY’とR、Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR又はY若しくはY’とRが、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造又は脂肪族複素環構造を表す請求項1又は請求項2に記載の酸拡散制御剤。
  4. 上記式(1)及び上記式(2)におけるRf1及びRf2が、フッ素原子である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の酸拡散制御剤。
  5. 下記式(1)で表されるアニオンを有する化合物。
    Figure 2020064305
    (式(1)中、Xは、−C(=O)Y、−C(=O)OY、−C(GRY、−C(=O)NYY’、−S(=O)Y、−S(=O)OY、−S(=O)NYY’、−C(=O)OC(=O)Y又は−C(=O)N(Y)C(=O)Y’である。Gは、それぞれ独立して酸素原子又は硫黄原子である。Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又は2つのRが互いに合わせられこれらが結合する−G−C−G−と共に環員数4〜20の環構造を構成する。R、R、R、R、Y及びY’は、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はY若しくはY’とR、Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR又はY若しくはY’とRが、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を構成する。但し、R乃至Rが1価の有機基である場合、R乃至Rはフッ素原子を含まない。Rf1及びRf2は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜4の1価のフッ素化炭化水素基である。)
  6. 上記化合物が下記式(2)で表される請求項5に記載の化合物。
    Figure 2020064305
    (式(2)中、X、R、R、R、R、R、Y、Y’、Rf1及びRf2は、上記式(1)と同義である。Zは、1価のカチオンである。)
  7. 上記式(1)及び上記式(2)におけるXが、−C(=O)Y、−C(=O)OY、−C(GRY、−S(=O)Y、−S(=O)OY、−S(=O)NYY’、−C(=O)OC(=O)Y又は−C(=O)N(Y)C(=O)Y’であり、R、R、R及びRがそれぞれ独立して水素原子であるか、又はY若しくはY’とR、Y若しくはY’とR、Y若しくはY’とR又はY若しくはY’とRが、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造又は脂肪族複素環構造を表す請求項5又は請求項6に記載の化合物。
  8. 上記式(1)及び上記式(2)におけるRf1及びRf2が、フッ素原子である請求項5、請求項6又は請求項7に記載の化合物。
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