JP2020063551A - シャッター装置の開閉機の防水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】開閉機の防水性の確保が容易にできるようになるシャッター装置の開閉機の防水構造を提供すること。【解決手段】開閉移動するシャッターカーテンと、このシャッターカーテンを駆動させるための開閉機91と、を含んで構成されたシャッター装置の前記開閉機91の上面は、この開閉機91の内部に水が浸入することを防止するための防水覆い部材であるポリカーボネートで形成されているフィルム状のシート96で覆うようにした。【選択図】図14

Description

本発明は、シャッター装置の開閉移動するシャッターカーテンを駆動させるための開閉機の防水構造に係り、例えば、車庫のシャッター装置や窓のシャッター装置等の各種の用途のためのシャッター装置に備えられる開閉機に適用できるものである。
下記の特許文献1には、開閉移動するシャッターカーテンと、このシャッターカーテンを駆動させるための開閉機である駆動装置と、を含んで構成されたシャッター装置が示されている。
特開2015−31022号公報
ところで、電動モータを有する駆動装置の内部に水が浸入した場合には、シャッターカーテンの駆動が不可能となるおそれがある。
このため、駆動装置の防水性を確保することが望まれており、この防水性の確保を容易にできるようにするための工夫が求められている。
本発明の目的は、開閉機の防水性の確保が容易にできるようになるシャッター装置の開閉機の防水構造を提供するところにある。
本発明に係るシャッター装置の開閉機の防水構造は、開閉移動するシャッターカーテンと、このシャッターカーテンを駆動させるための開閉機と、を含んで構成されたシャッター装置の開閉機の防水構造であって、前記開閉機の少なくとも一部の上面は、前記開閉機の内部に水が浸入することを防止するための防水覆い部材で覆われていることを特徴とするものである。
本発明では、上述のように、開閉機の少なくとも一部の上面は、この開閉機の内部に水が浸入することを防止するための防水覆い部材で覆われている。
このため、本発明によると、開閉機の上方にこの開閉機を覆う屋根のような構造物を配置する場合と比較して、開閉機の防水性の確保が容易にできるようになる。
ここで、本発明において、防水覆い部材で覆われているのは、「開閉機の少なくとも一部の上面」とあるので、例えば、開閉機の全部の上面でもよく、開閉機の少なくとも一部の上面、正面、背面及び側面でもよく、開閉機の少なくとも一部の上面、正面、背面、側面及び底面でもよく、開閉機の全部の上面、正面、背面、側面及び底面、すなわち、開閉機全体でもよい。
言い換えると、防水覆い部材で覆う開閉機の箇所は、この防水覆い部材で覆うことにより開閉機の内部に水が浸入することが防止できる箇所であれば、任意な箇所でよい。
要するに、開閉機のうち、この開閉機の内部に水が浸入するおそれがある部分を防水覆い部材で覆うようにすればよい。
本発明において、防水覆い部材は、開閉機の内部に水が浸入することを防止することができるものであれば、任意な形式、構造のものでよく、例えば、防水覆い部材は、シートであってもよく、シートでなくてもよい。
前者の場合には、シートは、例えば、ポリカーボネートやアクリル等の合成樹脂で形成されるものであってもよく、アルミ等の金属で形成されるものであってもよく、油や樹脂を含浸あるいは塗布・コーティングした紙や布などの材料で形成されるものであってもよい。
また、前者の場合において、シートの厚さ寸法は、小さいことが好ましい。すなわち、シートは、薄厚状のものであることが好ましい。
これによると、シートを折れ曲がりやすくすることができ、これにより、シートを開閉機に密着させやすくすることが可能となる。
本発明において、開閉機の形式、構造は、任意なものでよい。
本発明において、開閉機の上部のシャッターカーテンの厚さ方向の(断面)外形は、シャッターカーテンの幅方向全長又は略全長に渡って同一又は略同一となっており、開閉機の下部の厚さ方向の(断面)外形は、前記幅方向で異なる部分がある場合には、シートにおける前記厚さ方向の端部のうち、前記異なる部分同士の境界と対応する位置には、前記厚さ方向内側に切り込まれた切込部を形成するようにしてもよく、形成しなくてもよい。
後者の場合では、開閉機の下部において、シートを密着又は略密着させることができない部分が生じるため、防水性が低下してしまうおそれがあるが、前者の場合では、開閉機の下部で厚さ方向の(断面)外形が異なる部分のそれぞれの部分に、シートを密着又は略密着させることができるようになる。
なお、上述したように「開閉機の上部のシャッターカーテンの厚さ方向の外形は、シャッターカーテンの幅方向全長又は略全長に渡って同一又は略同一となっており、」とあるが、これには、開閉機の上部のシャッターカーテンの厚さ方向の外形が、シャッターカーテンの幅方向の途中部及び/又は端部で一部異なっている場合も含まれる。
前述したように、開閉機の形式、構造は、任意なものでよく、例えば、開閉機のシャッターカーテンの厚さ方向の(断面)外形は、複数個の角部を有していてもよく、有していなくてもよい。
前者の場合において、シートには、複数個の角部に沿って折り込まれた折込部(言い換えると、折り目の入った折目部)をシャッターカーテンの幅方向全長又は略全長に渡って形成するようにしてもよく、複数個の角部に沿って折り込まれた折込部を形成しなくてもよい。
前者の場合によると、後者の場合と比較して、シートを開閉機で覆うときにこのシートを開閉機の複数個の角部に沿って密着又は略密着させることが容易にできるようになる。
なお、折込部は、シートの表裏面のうち、一方の面(開閉機を覆う側の面)にのみ形成するようにしてもよく、両方の面に形成するようにしてもよい。
また、シートを製造する作業において、このシートに折込部を形成した後、このシートを開閉機の角部の形状にある程度合うようにあらかじめ折り曲げておくようにしてもよい。
これによると、シートを開閉機で覆う作業を現場で行う場合において、この作業を簡単かつ迅速に行えるようになる。
以上の本発明において、防水覆い部材は開閉機に固定することになるが、この固定方法は、任意なものでよい。
例えば、防水覆い部材は、開閉機に両面テープや接着剤等により接着するようにしてもよく、開閉機にビスや面ファスナー等の止着具で止着するようにしてもよく、開閉機に溶着する等してもよい。
以上の本発明において、シャッターカーテンは、開閉機の駆動力で回転する巻取軸により巻き取られ、繰り出されるものでもよく、開閉機の駆動力で開閉移動方向にスライドするパネル状のものでもよい。
前者の場合において、開閉機は、巻取軸の内部に配置されているものでもよく、巻取軸の外部に配置されているものでもよい。
前者の場合において、巻取軸の形式、構造は任意なものでよく、この巻取軸は、例えば、不動部材に回転不能に支持された中心軸と、この中心軸の外周に、前記中心軸を中心に回転自在に配置された回転体と、を含んで構成され、開閉機は、前記中心軸に取り付けられているとともに、外部に露出しているものとなっていてもよい。
なお、前記回転体の形式、構造も任意なものでよく、この回転体は、例えば、それぞれが前記中心軸に対して軸受部材により回転自在となっていて、側面視が円形または略円形となっている複数個のホイール部材と、前記中心軸の軸方向に間隔をあけて並設されている前記複数個のホイール部材を連結している棒状の連結部材と、を含んで構成されているものでもよい。
以上の本発明において、防水覆い部材は、駆動時に熱を発生する開閉機を覆うものであるため、防水性だけでなく、放熱性を有するものであることがより好ましい。
防水覆い部材を放熱性も有するものとするためには、例えば、防水覆い部材自体を防水性と放熱性の両方を有する材料(例えば、シリコーンゴム)で形成するものでもよく、防水覆い部材に放熱フィンを設けるようにしてもよい。
以上の本発明において、防水覆い部材を開閉機に取り付ける(言い換えると、配置する)作業は、工場において行うようにしてもよく、現場において行うようにしてもよい。
後者の場合において、現場には、新設現場(シャッター装置が新規に設置される現場)と、既設現場(既にシャッター装置が設置されている現場)の両方が含まれる。
以上説明した本発明に係るシャッター装置の開閉機の防水構造は、各種の用途のためのシャッター装置に適用でき、例えば、車庫のシャッター装置にも適用でき、窓用のシャッター装置にも適用でき、出入口のシャッター装置等にも適用できる。
言い換えると、以上説明した本発明に係るシャッター装置の開閉機の防水構造は、各種の用途のためのシャッター装置に備えられる開閉機に適用できる。
本発明によると、シャッター装置の開閉機の防水性の確保が容易にできるようになるという効果を得られる。
図1は、電動と手動の切替装置を備えた本発明の一実施形態に係るシャッター装置の全体を示す正面図である。 図2は、図1で示されている左右一対のブラケットに設けられた軸受部材で支持されている巻取軸を、ブラケットと軸受部材とを二点鎖線で示した正面図である。 図3は、図2で示されている開閉機と制御装置を含んで構成されたユニット構造体を示す正面図である。 図4は、図2のS4−S4線断面図である。 図5は、図3で示されているリングギヤ周辺の縦断面図である。 図6は、リングギヤと、被動回転部材に設けられているピニオンギヤ部と、ガイドローラとの位置関係を、ガイドローラを二点鎖線で示した側断面図である。 図7は、クラッチの構造を示す平面図であって、クラッチがオンとなっているときの図である。 図8は、クラッチがオフとなっているときを示す図7と同様の図である。 図9は、クラッチの構造を示す一部断面の正面図であって、クラッチがオンとなっているときの図である。 図10は、クラッチがオフとなっているときにおける図9と同様の図である。 図11は、駆動回転部材を示し、(A)は正断面図、(B)は左側面図である。 図12は、被動回転部材を示し、(A)は正断面図、(B)は右側面図である。 図13は、作動部材を示し、(A)は平面図、(B)は右側面図、(C)は斜視図である。 図14は、開閉機に本発明の一実施形態に係る防水覆い部材であるシートを取り付けた実施形態を示す図である。 図15は、図14に示すシートの裏面の全体を示す展開図である。 図16の(A)は、開閉機の第1部分にシートを取り付けるときを示す図であり、図16の(B)は、開閉機の第1部分にシートを取り付けた状態を示す図である。 図17の(A)は、開閉機の第2部分にシートを取り付けるときを示す図であり、図17の(B)は、開閉機の第2部分にシートを取り付けた状態を示す図である。 図18は、図14に示されているシートに放熱フィンを設けた実施形態を示す図14と同様の図である
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係る電動と手動の切替装置が用いられているシャッター装置の全体正面図が示されており、このシャッター装置は、車庫用シャッター装置である。開閉移動方向が上下方向となっているシャッターカーテン1により、室内と室外との間に設けられた開口部となっている出入口11が開閉されるため、シャッターカーテン1によって室内と室外が仕切られる。出入口11の左右両側には、内部にシャッターカーテン1の左右両端部である幅方向両端部が上下にスライド自在に挿入された一対のガイドレール2が配設され、これらのガイドレール2は柱等の躯体3に取り付けられている。出入口11の上方において、左右一対のブラケット4が壁等の躯体5に取り付けられ、これらのブラケット4に、シャッターカーテン1の上端が吊元部材を介して連結された巻取軸6が水平に架け渡されている。この巻取軸6は後述する開閉機13の駆動力で正逆回転自在であり、巻取軸6の正回転により、出入口11を開放するためにシャッターカーテン1は巻取軸6に巻き取られ、また、巻取軸6の逆回転により、出入口11を閉鎖するためにシャッターカーテン1は巻取軸6から繰り出される。左右一対のブラケット4と巻取軸6は、ブラケット4や躯体5に取り付けられたシャッターケース7の内部に収納されている。
シャッターカーテン1の略全部は、上下方向に連設された多数のスラット8により形成され、上下両端部に設けられたカール部同士の係合によりシャッターカーテン1の厚さ方向に互いに回動自在となって連結されているこれらのスラット8のなかには、施錠装置9が取り付けられている施錠装置9付きスラット8Aがある。また、このシャッターカーテン1の巻取軸6による巻き取りと繰り出しは、後述するように電動により行われるとともに、手動によっても行われるため、スラット8のなかには、手を掛けることにより手動でシャッターカーテン1を上下に開閉移動させることができて、巻取軸6も回転させることができる手掛け部材10が取り付けられた手掛けスラット8Bも設けられている。
なお、施錠装置9は、シャッターカーテン1が手動で開閉移動可能となっているときに、シャッターカーテン1を全閉位置で開閉移動不能とするために、スラット8Aに進退自在に配置されているラッチ部材をガイドレール2の内部に固定されているラッチ受け部材に係止させるものである。
図2には、シャッターカーテン1の上端が結合されていないときの巻取軸6が示されている。この巻取軸6は、巻取軸6の中心部に配置されていて、長さ方向の両端部が不動部材である左右一対のブラケット4に設けられた軸受部材12に結合具15で回転不能に結合されて支持されている中心軸13と、この中心軸13の外周に中心軸13を中心に回転自在に配置されている回転体14とを含んで構成されている。回転体14は、中心軸13の軸方向に間隔をあけて複数個が並設され、それぞれが中心軸13に対して軸受部材20で回転自在となっているホイール部材21と、側面視が円形または略円形となっているこれらのホイール部材21同士を連結している棒状の連結部材である連結棒状部材22とを有するものとなっており、ホイール部材21の円周方向に複数本設けられている連結棒状部材22は、それぞれのホイール部材21の外周部に溶接で結合されることにより、あるいは、それぞれのホイール部材21の外周部に形成された凹部に圧入嵌合等されることにより、これらのホイール部材21を連結している。これらのホイール部材21にシャッターカーテン1の上端部の吊元部材がビス等の結合具により結合されることにより、中心軸13に対する回転体14の正回転により、シャッターカーテン1は回転体14に巻き取られて上方への開き移動を行い、また、中心軸13に対する回転体14の逆回転により、シャッターカーテン1は回転体14から繰り出されて下方への閉じ移動を行う。
また、巻取軸6には、回転体14の逆回転時に戻しばね力が蓄圧され、この戻しばね力が補助力となって回転体14を正回転させるための戻しばね23が配置されており、この戻しばね23は、中心軸13の外周に巻回装備されたコイルばねであり、このコイルばねの一方の端部は結合具24で中心軸13に結合されているとともに、他方の端部は結合具25でホイール部材21に結合されている。
また、図2に示されているように、巻取軸6の中心軸13には、開閉機26と、この開閉機26を電気的に制御するための制御装置27とを含んで構成されたユニット構造体28が取り付けられており、このユニット構造体28は図3にも示されている。開閉機26は、電動モータと、この電動モータの正逆の回転駆動力を減速させて出力させるための減速装置と、電動モータを停止させるためのブレーキとの組み合せからなり、電動モータの正逆の回転駆動力が減速装置を介して後述するように巻取軸6の回転体14に伝達されることにより、シャッターカーテン1は電動により上下方向の開閉移動を行い、電動モータがブレーキで停止することにより、シャッターカーテン1は全閉位置や、全開位置、半開位置等で停止する。このようなシャッターカーテン1の開閉移動や停止を行わせるために、「開」「閉」「停」の操作ボタンが設けられた図示外の操作装置が操作され、この操作装置からの信号が無線又は有線によって制御装置27に入力することにより、この制御装置27によって開閉機26は電気的に制御される。
このように、本実施形態では、開閉機26は、カゴ状の巻取軸6の内部に配置されており、また、この開閉機26は、巻取軸6の中心軸13に取り付けられているとともに、外部に露出している。
図3に示されているように、制御装置27は開閉機26に連結部材29,30により連結されており、図2から分かるように、これらの開閉機26と制御装置27との間に、巻取軸6のうちの中心軸13が挿通されるようになっている。連結部材29,30のうち、連結部材29は、開閉機26の先部の部分を形成しているベース部材31に取り付けられており、このベース部材31には、図2のS4−S4線断面図である図4でも示されている軸32Aにより挟着部材32の一端部が取り付けられ、この挟着部材32は、ベース部材31に対して軸32Aを中心に回動自在である。中心軸13をベース部材31と挟着部材32との間に挿通させるとともに、開閉機26と制御装置27との間にも挿通させた後に、ボルト等の結合具33で挟着部材32の他端部をベース部材31に結合することにより、中心軸13がベース部材31と挟着部材32により挟着され、これにより、ユニット構造体28は、巻取軸6のうちの中心軸13に固定されるようになっている。
なお、図4に示されているように、挟着部材32にはピン等による凸部32Bが設けられ、この凸部32Bが中心軸13に形成された孔等による凹部に挿入されることにより、ユニット構造体28は、中心軸13の円周方向に位置決めされてこの中心軸13に取り付けられるようになっている。
図3に示されているように、ユニット構造体28の先端側にはリングギヤ35とキャップ部材36が配置されており、図5は、これらのリングギヤ35とキャップ部材36における縦断面図である。金属製の厚板で形成されているリングギヤ35と、金属板のプレス品であるキャップ部材36は、リングギヤ35が、キャップ部材36よりもユニット構造体28側となって中心軸13の軸方向に並設され、キャップ部材36の外周フランジ部36Aがリングギヤ35に図3と図4に示されているビス等の結合具37で結合されることにより、リングギヤ35とキャップ部材36は結合一体化されている。
また、図5に示されているように、ベース部材31には、中心軸13の軸方向に延びることによりリングギヤ35とキャップ部材36の内部に侵入した延出部31Aが設けられ、この延出部31Aの先端部は、中心軸13の直径方向に立上った立上り部31Bとなっている。この立上り部31Bには、キャップ部材36に形成されている開口部36Bに遊嵌状態で挿入されたボス部材38が、図4でも示されているボルト等の結合具39により結合され、また、図5に示されているように、ボス部材38のうち、中心軸13の外周に嵌合されている軸部38Aは、中心軸13にボルト等の結合具40により結合されている。
すなわち、図5に示されているように、結合具40の雄ねじ軸部40Aを、ボス部材38の軸部38Aに形成した雌ねじ孔38Cに螺入するとともに、この雌ねじ孔38Cから突出した雄ねじ軸部40Aの先端部を、図4に示されているように、中心軸13にこの中心軸13の円周方向の長さをもって形成されている凹部51の内部に突出させて、雄ねじ軸部40Aの先端部を凹部51の底部に当接させることにより、ボス部材38は結合具40で中心軸13に結合されている。
このようにして結合具40で中心軸13に結合されたボス部材38には、図5に示されているように、ボス部材38に取り付けられた軸41を中心に回転自在となっているガイドローラ42が設けられ、このガイドローラ42は、図6に示されているように、中心軸13の円周方向に等角度間隔で複数個、図示例では3個設けられ、それぞれのガイドローラ42は、図5に示されているように、キャップ部材36の円周内面36Cに当接している。このため、これらのガイドローラ42のガイド作用により、キャップ部材36と、このキャップ部材36に結合具37で結合されているリングギヤ35は、中心軸13と、この中心軸13に結合具40に結合されたボス部材38とに対して回転自在となっている。
また、図6に示されているように、リングギヤ35の外周部には複数の凹部35Aが形成され、図4に示されているように、キャップ部材36の外周フランジ部36Aにも複数の凹部36Dが形成され、これらの凹部35A,36Dに前述した巻取軸6を構成している回転体14の連結棒状部材22が嵌合されることにより、リングギヤ35と、キャップ部材36と、回転体14とが、中心軸13を中心に一体となって回転するようになっている。
図3で説明した開閉機26には出力軸45が設けられ、この出力軸45は、開閉機26の電動モータの駆動力により減速装置で減速されて回転する。出力軸45の前部の外周には駆動回転部材46が配置され、この駆動回転部材46は、出力軸45の外周に巻回装備されたコイルばねによる弾性部材47の弾性力により電動モータ側とは反対側である前進方向へ常時弾性的に付勢されており、この前進側には、被動回転部材48が駆動回転部材46と同軸的に配置されている。駆動回転部材46と、被動回転部材48と、これらの駆動回転部材46と被動回転部材48の間に配置されている後述のボールは、電動モータの駆動力を巻取軸6に伝達するためのクラッチ49を構成する構成要素となっており、このクラッチ49がオンとなることにより、電動モータの駆動力を巻取軸6に伝達するために、駆動回転部材46と被動回転部材48とがボールを介して回転方向に接続され、また、クラッチ49がオフとなることにより、駆動回転部材46と被動回転部材48との回転方向の接続が遮断されるようになる。
図3に示されているように、被動回転部材48の前部は、多数の歯が円周方向に形成されたピンオンギヤ部48Aとなっており、このピニオンギヤ部48Aは、図5に示されているように、リングギヤ35の内周面に多数形成されている歯部50に噛合している。後述するように、駆動回転部材46には、電動モータの駆動力で回転する出力軸45から回転力が伝達されるため、クラッチ49がオンとなることで駆動回転部材46の回転が被動回転部材48に伝達されると、回転する被動回転部材48のピンオンギヤ部48Aにより、リングギヤ35と、このリングギヤ35に結合具37で結合されているキャップ部材36は、ガイドローラ42によるガイド作用により中心軸13を中心に回転し、巻取軸6の回転体14も回転する。この回転が前述した正回転であるときには、前述したようにシャッターカーテン1は上方への開き移動を行い、また、この回転が前述した逆回転であるときには、シャッターカーテン1は下方への閉じ移動を行う。
図9には、出力軸45と駆動回転部材46と被動回転部材48の関係が示されている。出力軸45は、駆動回転部材46と被動回転部材48の内部に挿通されており、このため、同軸的に配置されているこれらの駆動回転部材46と被動回転部材48は、出力軸45を中心に正確に回転するものとなっている。また、出力軸45の先端部45Aは、前述したベース部材31の立上り部31Bに挿通されており、このため、この立上り部31Bにより、出力軸45の先端部45Aは回転自在に支持されている。なお、本実施形態では、図4及び図5に示されているように、前述したボス部材38の外周部には、出力軸45の先端部45Aを挿入することができる切欠部38Bが設けられている。
本実施形態では、ボス部材38とベース部材31の立上り部31Bとを結合するための前述した結合具39は、図5に示されているように、中心軸13の軸方向が長さ方向となっているボルト等によるものであるため、結合具39によりボス部材38とベース部材31の立上り部31Bとを結合するための作業を、中心軸13の軸方向から容易に行え、また、被動回転部材48のピニオンギヤ部48Aをリングギヤ35の歯部50に噛合させるための作業も容易に行える。
また、本実施形態のリングギヤ35は、前述したように金属製の厚板で形成されているため、このリングギヤを、例えば、鋳造品とした場合よりも、リングギヤ35を安価かつ容易に製造することができる。また、リングギヤ35を前述したガイドローラ42のガイド作用により中心軸13を中心に回転自在とさせるためのキャップ部材36は、金属板のプレス品であるため、リングギヤ35を中心軸13を中心に回転自在とさせるための部材も、安価かつ容易に製造することができる。
次に、前述したクラッチ49について説明する。図9で説明したように、クラッチ49は、開閉機26の電動モータの駆動力で回転する出力軸45がそれぞれの内部に挿通された駆動回転部材46と被動回転部材48とを含んで構成され、これらの駆動回転部材46と被動回転部材48のうち、駆動回転部材46の前部は、被動回転部材48の内部に嵌合された内径嵌合部46Aとなっており、被動回転部材48の後部は、この内径嵌合部46Aの外部に嵌合した外径嵌合部48Bとなっている。このため、駆動回転部材46の前部と被動回転部材48の後部は、内外径方向に嵌合した内径嵌合部46Aと外径嵌合部48Bの関係になっており、これらの内径嵌合部46Aと外径嵌合部48Bの間に、クラッチ49の構成要素であるボール52が転動自在に配置されている。
図11には駆動回転部材46が示され、図11(A)は、この駆動回転部材46の正断面図であり、図11(B)は、駆動回転部材46の左側面図である。駆動回転部材46の内径嵌合部46Aの外周面46Bには、ボール52の一部が挿入可能となっている窪み部53が内径方向に窪んで形成され、この窪み部53は、駆動回転部材46の円周方向に等間隔で複数個、本実施形態では、図11(B)に示されているように3個形成されている。それぞれの窪み部53の前側には、これらの窪み部53の前端を開口させ、かつ駆動回転部材46の軸方向に窪み部53と連続しているリング状面部54が設けられ、駆動回転部材46の中心部から窪み部53の底部と同じ半径距離に設けられているこのリング状面部54は、駆動回転部材46の全周に渡って連続した円形の面部となっている。このため、駆動回転部材46の内径嵌合部46Aの前部は、窪み部53から前方へ突出した筒状部55となっており、この筒状部55は、窪み部53が設けられている外周面46Bよりも駆動回転部材46の中心部からの半径距離が短くて、外周面がリング状面部54となったものである。
また、駆動回転部材46における前述の出力軸45が挿通される中心孔46Cには、この駆動回転部材46の軸方向の途中部から駆動回転部材46の後端まで延びる長溝56が形成され、この長溝56も駆動回転部材46の円周方向に等間隔で複数個、本実施形態では図11(B)に示されているように、3個形成されている。
図12には被動回転部材48が示され、図12(A)は、この被動回転部材48の正断面図であり、図12(B)は、被動回転部材48の右側面図である。被動回転部材48の外径嵌合部48Bの内周面48Cには、ボール52の一部が挿入可能となっている窪み部57が外径方向に窪んで形成され、この窪み部57は、駆動回転部材46の窪み部53と同じく、被動回転部材48の円周方向に等間隔で3個形成されている。
また、図9に示されているように、駆動回転部材46と被動回転部材48の内部に挿通される出力軸45の外周面には、軸方向に長い寸法を有する長溝58が形成され、この長溝58も出力軸45の円周方向に等間隔で3個形成されている。
出力軸45を駆動回転部材46の内径嵌合部46Aの内部と被動回転部材48の外径嵌合部48Bの内部とに挿通する際には、図9に示されているように、駆動回転部材46の長溝56と出力軸45の長溝58とに、これらの長溝56,58と共にボールスプライン60を構成する2個のボール61がセパレート部材62で分離されて挿入される。これにより、出力軸45と駆動回転部材46とがボールスプライン60により回転方向に接続されて、出力軸45の回転が駆動回転部材46に伝達されるようになるとともに、ボールスプライン60により、駆動回転部材46は出力軸45に対して軸方向にスライド移動自在となっている。そして、駆動回転部材46の後端には、塞ぎ部材63がビス等の止着具で止着され、この塞ぎ部材63により長溝56の開口端が塞がれる。
また、駆動回転部材46の内径嵌合部46Aを被動回転部材48の外径嵌合部48Bの内部に嵌合する際には、駆動回転部材46の窪み部53と被動回転部材48の窪み部57とにボール52が挿入され、被動回転部材48の後端には、塞ぎ部材64がビス等の止着具65で止着され、この塞ぎ部材64により窪み部57の開口端が塞がれる。
以上において、図9に示されているように、駆動回転部材46が、出力軸45の外周に巻回装備されたコイルばねによる弾性部材47により被動回転部材48側へ前進付勢されているときには、ボール52は、駆動回転部材46に窪み部53と被動回転部材48の窪み部57との位置にある。これらの窪み部53,57における駆動回転部材46及び被動回転部材48の回転方向の幅寸法は、ボール52の一部だけを挿入することができる短いものとなっているため、窪み部53,57は、ボール52を駆動回転部材46及び被動回転部材48の回転方向に拘束する拘束部となっており、このため、このときのクラッチ49は、出力軸45からボールスプライン60を介して駆動回転部材46に伝達される回転が被動回転部材48にも伝達されるオンの状態となっている。
したがって、このときの駆動回転部材46と被動回転部材48におけるボール52の配置位置は、駆動回転部材46と被動回転部材48とをボール52を介して回転方向に接続することによりクラッチ49をオンとする接続位置となっている。
これに対して図10に示されているように、駆動回転部材46が、弾性部材47の弾性力に抗して被動回転部材48側とは反対側である開閉機26の電動モータ側へ後退したときには、ボール52は、被動回転部材48の窪み部57に一部が挿入された状態を維持して、駆動回転部材46の窪み部53から脱出し、駆動回転部材46のリング状面部54に達するため、このときのボール52の位置は、被動回転部材48に設けられているリング状面部54の位置となっている。このリング状面部54は、被動回転部材48の全周に渡って形成されているため、ボール52を駆動回転部材46及び被動回転部材48の回転方向に拘束しない非拘束部となっている。このため、このときのクラッチ49は、出力軸45から駆動回転部材46に伝達される回転が被動回転部材48には伝達されないオフの状態となっている。
したがって、このときの駆動回転部材46と被動回転部材48におけるボール52の配置位置は、駆動回転部材46と被動回転部材48とをボール52を介して回転方向に接続しないことによりクラッチ49をオフとする非接続位置となっている。
このように本実施形態では、クラッチ49のオン、オフが切り替わるためにボール52の配置位置が接続位置と非接続位置に変更されるときには、ボール52が駆動回転部材46と被動回転部材48とに対して転動するため、このクラッチ49のオン、オフの切り替えが、ボール52の転動により摩擦がない又は摩擦が殆どない状態で行われることになり、これにより、クラッチ49のオン、オフの円滑な切り替えを実現できる
図7には、駆動回転部材46を前述した弾性部材47の弾性力に抗して被動回転部材48側とは反対側である開閉機26の電動モータ側へ後退させるために作動する作動部材70が示されている。駆動回転部材46や、被動回転部材48、さらにはボール52と共にクラッチ49を構成する要素となっているこの作動部材70は、ベース部材31の前述した延出部31Aに軸71を中心に回動自在に配置されており、本実施形態では、この軸71は、作動部材70を延出部31Aに回動自在に止着するためのビス等の止着具となっている。
図13には作動部材70が示され、図13(A)は、この作動部材70の平面図であり、図13(B)は、作動部材70右側面図であり、図13(C)は、作動部材70の斜視図である。作動部材70は、細長板状のベース部材72と、このベース部材72の上面に結合された補助部材73とからなり、この補助部材73は、板材をU字状に折り曲げることにより形成されているため、補助部材73は、上下2個のアーム部73A,73Bと、これらのアーム部73A,73Bの基端部同士を連結している連結部73Cとからなり、アーム部73A,73Bのうち、下側のアーム部73Bは、ベース部材72の長さ方向の途中箇所に溶接等で結合されている。ベース部材72の先端部には、作動部材70の回動中心軸となっている軸71を挿入させるための孔74が設けられている。
図7に示されているように、駆動回転部材46の外面には、この駆動回転部材46の後端部において、駆動回転部材46の外径方向に突出した突部46Dが設けられており、この突部46Dは、駆動回転部材46の全周に渡って連続して形成されたリング状突部となっている。作動部材70は、補助部材73の上下2個のアーム部73A,73Bの位置が駆動回転部材46の直径方向の両側の位置となって、ベース部材31の延出部31Aに軸71を中心に回動自在に配置される。これを言い換えると、作動部材70は、補助部材73の上下2個のアーム部73A,73Bが駆動回転部材46をこの駆動回転部材46の直径方向に挟むようにして、ベース部材31の延出部31Aに軸71を中心に回動自在に配置される。それぞれのアーム部73A,73Bには、リング状突部46Dと対向する先端箇所において、このリング状突部46Dに当接する当接部75が設けられており、これらの当接部75は、リング状突部46D側へ湾曲して突出した湾曲突出部となっている。
また、図13に示されているように、作動部材70のベース部材72における孔74が設けられた端部とは反対側の端部には、図7で示されている紐状部材であるワイヤー76の一方の端部を接続部材77で接続するための接続部78が設けられている。図7に示されているように、ワイヤー76は、端部がベース部材31に結合部材79で結合されたアウターケーブル80の内部に挿通されて、図2に示されているように、開閉機26や制御装置27で構成される前述のユニット構造体28に沿って延び、ワイヤー76の他方の端部は、クラッチ49のオン、オフの切り替えを行うために操作される図示外の切替操作器まで延びており、この切替操作器は、例えば、シャッターカーテン1の開閉移動を案内する左右一対のガイドレール2のうちの一方に配置されている。
切替操作器に設けられている操作レバーの操作を行うと、図8に示されているように、ワイヤー76に作用する引っ張り力により、作動部材70は軸71を中心に回動する。
ワイヤー76に引っ張り力が作用していない図7では、駆動回転部材46は弾性部材47の弾性付勢力により出力軸45上を被動回転部材48側へ移動しているため、クラッチ49は、図9に示されているように、オンとなっている。このようにクラッチ49がオンとなっているときに、前述した「開」「閉」「停」の操作ボタンが設けられている操作装置の「開」操作ボタン又は「閉」操作ボタンを操作すると、操作装置からの信号が入力する制御装置27で制御される開閉機26の電動モータの駆動力により出力軸45が回転し、この回転は駆動回転部材46と被動回転部材48を介してリングギヤ35に伝達されるため、巻取軸6の回転体14は、シャッターカーテン1を開き移動させるための正回転又は閉じ移動させるための逆回転を電動によって行う。
また、上述した切替操作器の操作レバーの操作を行うと、ワイヤー76に作用する引っ張り力で作動部材70は、図8に示されているように軸71を中心に回動するため、作動部材70に設けられている当接部75が駆動回転部材46の外面に設けられている突部46Dを押圧し、この押圧により、駆動回転部材46は、弾性部材47による弾性付勢方向とは逆方向に弾性部材47を圧縮させながら被動回転部材48に対してスライド移動する。これにより、クラッチ49は、図10に示されているように、オンからオフに切り替わる。クラッチ49がオフになると、駆動回転部材46と被動回転部材48の接続は遮断されるため、シャッターカーテン1を、図1で示した手掛け部材10に掛けた手より手動によって開閉移動させて、巻取軸6の回転体14を回転させることができる。
また、切替操作器の操作レバーを上記操作とは逆の操作を行うと、ワイヤー76に作用していた引っ張り力は消滅し、これにより、駆動回転部材46は、図7に示されているように、弾性部材47の弾性付勢力により被動回転部材48側へスライド移動して、クラッチ49はオフからオンに切り替わるため、シャッターカーテン1を開閉移動させるための巻取軸6の回転体14の回転を電動によって行うことができるようになる。また、駆動回転部材46が弾性部材47の弾性付勢力により被動回転部材48側へスライド移動したときには、作動部材70は、駆動回転部材46に突部46Dからの押圧力が当接部75に作用することにより、軸71を中心に戻り回動する。
なお、クラッチ49をオフからオンに切り替える際に、それまでにシャッターカーテン1を手動で開閉移動させていたために駆動回転部材46の窪み部53と被動回転部材48の窪み部57との位置が回転方向にずれている場合には、シャッターカーテン1を電動で開閉移動させるために電動モータの駆動力により出力軸45を介して駆動回転部材46が回転することにより、これらの窪み部53,57の位置が自ずと回転方向に一致するときが生ずるため、このときにボール52が窪み部53,57に挿入され、これにより、クラッチ49はオフからオンに切り替わる。
以上説明したように、本実施形態に係る作動部材70は、ワイヤー76に作用する引っ張り力により軸71を中心に回動する回動部材となっており、この作動部材70には、駆動回転部材46の外面に設けられている突部46Dに当接する当接部75が設けられていて、作動部材70が軸71を中心に回動することにより、クラッチ49をオフとするためにこの当接部75が突部46Dを押圧して、駆動回転部材46が被動回転部材48側とは反対側へスライド移動するようになっており、また、当接部75は、突部46D側へ湾曲して突出した湾曲突出部となっている。このため、作動部材70が軸71を中心に回動しているときに、この当接部75は、突部46Dに点接触状態で円滑に当接し続けることになり、これにより、駆動回転部材46を被動回転部材48に対して出力軸45の軸方向に円滑にスライド移動させることができる。
また、駆動回転部材46の外面に設けられている突部46Dは、この駆動回転部材46の全周に渡って形成されたリング状突部となっているとともに、作動部材70にこの突部46D側へ湾曲して突出した湾曲突出部となって設けられている当接部75は、駆動回転部材46の直径方向の両側において、2個設けられているため、当接部75が突部46Dを押圧することで駆動回転部材46を被動回転部材48に対して軸方向にスライド移動させることを、駆動回転部材46直径方向の両側からの押圧力により行わせることができ、これにより、駆動回転部材46の被動回転部材48に対する軸方向へのスライド移動を一層円滑に行わせることができる。
さらに、本実施形態に係るシャッター装置には、図7及び図8に示されているように、前述した開閉機26のベース部材31の延出部31Aにおいて、電気スイッチ81が配置されている。この電気スイッチ81は、クラッチ49のオン、オフの切り替えを検出するためのものであり、さらに詳しくは、電気スイッチ81は、駆動回転部材46が被動回転部材48に対して軸方向へのスライド移動することを検出することにより、クラッチ49のオン、オフの切り替えを検出するためのものとなっている。そして、この電気スイッチ81は、ベース部材31の延出部31Aに配置されている動作部材82に接触し、この動作部材82によって動作するものとなっていて、本実施形態に係る作動部材70は、後述するように電気スイッチ81を動作させるための動作部材82を備えたものとなっているため、電気スイッチ81は、駆動回転部材46を被動回転部材48に対して軸方向へスライド移動させるための作動部材70の作動により動作するものとなっている。
これを一層具体的に説明すると、図13に示されているように、作動部材70は、前述のベース部材72に形成されている軸71を挿入するための孔74の周辺部において、動作部材82を備えたものとなっており、この動作部材82は、作動部材70の一部となっている動作部として作動部材70に一体に形成されている。このため、作動部材70が、駆動回転部材46を被動回転部材48に対して軸方向へのスライド移動させるために軸71を中心に回動すると、電気スイッチ81は、作動部材70の一部に動作部としてこの作動部材70に一体に形成されている動作部材82により動作することになる。
なお、動作部材82は、作動部材70とは別部品として製造して作動部材70に結合一体化してもよいが、以上のように動作部材82を、作動部材70の一部に動作部として、作動部材70と一体に設けることにより、部品の削減や構造の簡単化を達成できる。
本実施形態では、図8に示されているように、ワイヤー76の引っ張り力により作動部材70が軸71を中心に回動し、また、図7に示されているように、ワイヤー76の引っ張り力の消滅により、弾性部材47の弾性力によって駆動回転部材46を介して作動部材70が軸71を中心に戻り回動して、クラッチ49のオン、オフの切り替えが行われるときに、作動部材70と一体となって動作部材82も軸71を中心に回動することになり、これにより電気スイッチ81が動作して、クラッチ49のオン、オフの切り替えが電気スイッチ81により検出される。
クラッチ49のオン、オフの切り替えを検出した電気スイッチ81からの電気信号は、開閉機26を電気的に制御するための制御装置27に送られる。これにより、電気スイッチ81でクラッチ49のオフが検出されているときには、前述した「開」「閉」「停」の操作ボタンが設けられている操作装置から制御装置27に送られる「開」信号や、「閉」信号、「停」信号は、制御装置27において無効とされ、この制御装置27は開閉機26を制御しない。
また、「開」「閉」「停」信号を制御装置27において無効とするのではなく、「開」信号及び「閉」信号が送られた制御装置27が開閉機26の電動モータを所定時間、例えば、1秒間だけ空転させるとともに、この制御装置27が、警報装置や表示装置等の報知手段を作動させて音声及び/又は表示によりクラッチ49がオフとなっていることを上記操作装置を操作している者に警告できるようにしてもよい。なお、このようにする場合において、「停」信号が制御装置27に送られたときに、この制御装置27が、警報装置や表示装置等の報知手段を作動させて音声及び/又は表示によりクラッチ49がオフとなっていることを上述の操作装置を操作している者に警告できるようにしてもよい。
また、オフとなっていたクラッチ49がオンとなったときには、これを検出した電気スイッチ81の電気信号は制御装置27に送られ、これにより、制御装置は、「開」「閉」「停」の操作ボタンが設けられている操作装置に配置された表示装置、又はこの操作装置とは別にシャッター装置に設けられている表示装置に、上記操作装置の「開」ボタンを操作してシャッターカーテン1を全開位置まで開き移動させることを促すための表示を行わせる。これにより、クラッチ49がオフとなっているときに手動で開閉移動させたシャッターカーテンがどの位置で停止していても、上記操作装置の操作者が上記表示装置の表示に従ってシャッターカーテン1を全開位置まで開き移動させることにより、シャッターカーテン1がそのときどきでどの位置にあるかを開閉機26の電動モータの回転数や巻取軸6の回転体14の回転数で検出するための検出手段についてのカウントをリセットし、カウントの原点をシャッターカーテン1の全開位置で設定できるようにする。なお、この場合において、上記操作装置の「閉」ボタンが操作されたときには、制御装置27は「閉」信号を無効とし、開閉機26の電動モータを駆動させない。
また、クラッチ49のオン、オフを検出した電気スイッチ81からの電気信号により、「開」「閉」「停」の操作ボタンが設けられている操作装置に配置された表示装置、又はこの操作装置とは別にシャッター装置に設けられている表示装置において、クラッチ49が、オンとオフのうち、現在どちらの状態になっているかを、すなわち、電動と手動のうち、現在どちらでシャッターカーテン1を開閉移動させることができる状態になっているかを表示するようにしてもよい。
以上説明した実施形態では、開閉機26は、前述したように、カゴ状の巻取軸6の内部に配置されており、また、この開閉機26は、巻取軸6の中心軸13に取り付けられているとともに、外部に露出している。
このため、シャッターカーテン1が全閉となっているときに、このシャッターカーテン1の屋外側の面が雨にさらされていた場合には、このシャッターカーテン1が巻取軸6に巻き取られる際、シャッターカーテン1に付着していた雨滴が巻取軸6の内部に落下した後、この雨滴が開閉機26の内部に浸入してこの開閉機26が故障するおそれがある。
図14は、開閉機91に本発明の一実施形態に係る防水覆い部材であるシート96を取り付けた実施形態を示す図3と同様の図である。
本実施形態では、開閉機91は、前述の実施形態の図2に示す開閉機26と同様に、電動モータと、この電動モータの正逆の回転駆動力を減速させて出力させるための減速装置と、電動モータを停止させるためのブレーキとの組み合せからなっており、図示されていないが、開閉機91と、この開閉機91を電気的に制御するための制御装置27とを含んで構成されたユニット構造体90が、巻取軸6の中心軸13に取り付けられている。
開閉機91は、クラッチ49側の第1部分92と、クラッチ49側とは巻取軸6の軸方向反対側の第2部分93と、第1部分92と第2部分93との間の第3部分94との3つの部分で構成されており、この開閉機91は、防水覆い部材であるシート96で覆われている。
図15は、図14に示すシート96の裏面96Aの全体を示す展開図である。また、図16の(A)は、2点鎖線で示されている開閉機91の第1部分92にシート96を取り付けるときを示す図であり、図16の(B)は、開閉機91の第1部分92にシート96を取り付けた状態を示す図である。また、図17の(A)は、2点鎖線で示されている開閉機91の第2部分93にシート96を取り付けるときを示す図であり、図17の(B)は、開閉機91の第2部分93にシート96を取り付けた状態を示す図である。なお、図16及び図17は、図14に示されている開閉機91及びシート96を矢印A方向からみたときを示す図である。
図16(A)及び図16(B)において2点鎖線で示されているのは、図14で示されている開閉機91の第1部分92のシャッターカーテン1の幅方向(図14では左右方向)と直交する方向であるシャッターカーテン1の厚さ方向(図14では前後方向)の断面外形を示すものである。
この図16(A)から分かるように、開閉機91の第1部分92の断面外形は、6角形の角部を面取り又は略面取りした形状となっており、上辺部92Aと、下辺部92Bと、左上斜辺部92Cと、右上斜辺部92Dと、左下斜辺部92Eと、右下斜辺部92Fと、を有しており、左上斜辺部92Cと左下斜辺部92Eとが交差する角部92Gは、左面取り部92Gとなっており、右上斜辺部92Dと右下斜辺部92Fとが交差する角部92Gは、右面取り部92Hとなっている。
一方、図17(A)及び図17(B)において2点鎖線で示されているのは、図16(A)及び図16(B)と同様に、図14で示されている開閉機91の第2部分93のシャッターカーテン1の幅方向(図14では左右方向)と直交する方向であるシャッターカーテン1の厚さ方向(図14では前後方向)の断面外形を示すものである。
この図17(A)から分かるように、開閉機91の第2部分93の断面外形は、6角形の角部を面取り又は略面取りした形状となっており、上辺部93Aと、下辺部93Bと、左上斜辺部93Cと、右上斜辺部93Dと、左下斜辺部93Eと、右下斜辺部93Fと、を有しており、左上斜辺部93Cと左下斜辺部93Eとが交差する角部93Gは、左上面取り部93Gとなっており、右上斜辺部93Dと右下斜辺部93Fとが交差する角部93Hは、右上面取り部93Hとなっており、左下斜辺部93Eと下辺部93Bとが交差する角部93Iは、左下面取り部93Iとなっており、右下斜辺部93Fと下辺部93Bとが交差する角部93Jは、右下面取り部93Jとなっている。
また、図14で示されている開閉機91の第3部分94は、シャッターカーテン1の幅方向への長さを有する円柱状の円柱部94Aと、この円柱部94Aの左右両側(図14では手前側と奥側)に水平に配置されていて、シャッターカーテン1の幅方向への長さを有する棒状の棒状部94Bとで構成されている。2本の棒状部94Bは、開閉機91の第1部分92及び第2部分93を貫通する長さ寸法を有するものとなっている。
なお、開閉機91の第1部分92の最上部の高さ位置と第2部分93の最上部の高さ位置は同じとなっており、第3部分94を構成する円柱部94Aの最上部の高さ位置は、第1部分92及び第2部分93の最上部の高さ位置と同じ又はこれよりも若干低い位置となっている。
前述したように、図15は、図14に示すシート96の裏面96Aの全体を示す展開図である。
厚さ0.5mmのポリカーボネートで形成されているフィルム状のシート96は、シャッターカーテン1の厚さ方向(図14では前後方向)であるシート96の幅方向(図15では左右方向である矢印X方向)略中央部には、シャッターカーテン1の幅方向(図14では左右方向)であるシート96の長さ方向(図15では上下方向である矢印Y方向)全長に渡って形成された左右2本の折込部(言い換えると、折目部)96C,96Dが形成されている。
また、左右2本の折込部96C,96Dの左側には、折込部96Eがシャッターカーテン1の幅方向であるシート96の長さ方向全長に渡って形成されており、左右2本の折込部96C,96Dの右側には、折込部96Fがシャッターカーテン1の幅方向であるシート96の長さ方向全長に渡って形成されている。
このように、シート96には、4本の折込部96C,96D,96E,96Fが、シャッターカーテン1の幅方向であるシート96の長さ方向全長に渡って形成されている。
さらに、シート96には、シャッターカーテン1の厚さ方向であるシート96の幅方向の両端部96R,96Sのうち、一方の端部96Rから、シャッターカーテン1の厚さ方向内側であるシート96の幅方向内側へ、折込部96Eまで切れ込んだ切込部96Gが形成されており、他方の端部96Sから、シャッターカーテン1の厚さ方向内側であるシート96の幅方向内側へ、折込部96Fまで切れ込んだ切込部96Hが形成されている。
なお、平面視が長方形であるシート96の4個の角部96T,96U,96V,96W
は、面取りされている。
なお、シート96の折込部96Cと折込部96Dの間の部分である第1領域96Iは、図16及び図17から分かるように、開閉機91の第1部分92の上辺部92Aと第2部分93の上辺部93Aを覆う部分となっており、さらには、第3部分94も覆う部分となっている。
また、シート96の折込部96Cと折込部96Eの間の部分である第2領域96Jは、図16及び図17から分かるように、開閉機91の第1部分92の左上斜辺部92Cと第2部分93の左上斜辺部93Cを覆う部分となっており、さらには、第3部分94も覆う部分となっている。
さらに、シート96の折込部96Dと折込部96Fの間の部分である第3領域96Kは、図16及び図17から分かるように、開閉機91の第1部分92の右上斜辺部92Dと第2部分93の右上斜辺部93Dを覆う部分となっており、さらには、第3部分94も覆う部分となっている。
また、シート96の折込部96Eと切込部96Gとで仕切られた部分のうち、角部96T側の部分(図14では、クラッチ49側の手前の部分)である第4領域96Lは、開閉機91の第1部分92の左面取り部92G及び左下斜辺部92Eを覆う部分となっており、さらには、第3部分94も覆う部分となっている。
さらに、シート96の折込部96Eと切込部96Gとで仕切られた部分のうち、角部96U側の部分(図14では、クラッチ49側とは反対側の手前の部分)である第5領域96Mは、開閉機91の第2部分93の左上面取り部93G及び左下斜辺部93Eを覆う部分となっている。
また、シート96の折込部96Fと切込部96Hとで仕切られた部分のうち、角部96V側の部分(図14では、クラッチ49側の奥の部分)である第6領域96Nは、開閉機91の第1部分92の右面取り部92H及び右下斜辺部92Fを覆う部分となっており、さらには、第3部分94も覆う部分となっている。
さらに、シート96の折込部96Fと切込部96Hとで仕切られた部分のうち、角部96W側の部分(図14では、クラッチ49側とは反対側の奥の部分)である第7領域96Oは、開閉機91の第2部分93の右上面取り部93H及び右下斜辺部93Fを覆う部分となっている。
なお、シート96の表面96Bには、裏面96Aに形成されている4個の折込部96C〜96Fは形成されていない。
また、図15で示されているように、開閉機91に取り付ける前のシート96の裏面96Aの第4領域96L及び第5領域96Mには、このシート96を開閉機91に接着するための両面テープ99の一方の面があらかじめ貼り付けてあり、他方の面は剥離紙で覆われている。
以上の説明からわかるように、本実施形態では、図14に示す開閉機91の上部のシャッターカーテン1の厚さ方向(図14では、前後方向)の外形は、シャッターカーテン1の幅方向(図14では、左右方向)の途中部である中央部(第3部分94)を除いて、シャッターカーテン1の幅方向全長又は略全長に渡って同一又は略同一となっている。
一方、開閉機91の下部のシャッターカーテン1の厚さ方向の外形は、シャッターカーテン1の幅方向で異なる部分がある。すなわち、開閉機91の下部のシャッターカーテン1の厚さ方向の外形は、第1部分92と第2部分93と第3部分94とで異なっている。
このため、本実施形態では、図15に示すシート96におけるシャッターカーテン1の厚さ方向(図15では、シート96の幅方向である矢印X方向)の両端部96R,96Sのうち、上記の異なる部分同士の境界(図14に示す開閉機91の第2部分93と第3部分94との境界、すなわち、第2部分93における巻取軸6の軸方向である左右方向の両端部のうち、クラッチ49側の端部の端面93M)と対応する位置には、シャッターカーテン1の厚さ方向(図15では、シート96の幅方向である矢印X方向)内側に切り込まれた切込部96G,96Hが形成されている。
このため、本実施形態によると、シート96に切込部96G,96Hを形成しない場合と比較して、開閉機91の下部で厚さ方向の(断面)外形が異なる部分のそれぞれの部分に、シート96を密着又は略密着させることができるようになり、これにより、シート96の防水性が低下することを防止することができるようになる。
なお、上記の切込部96G,96Hは、図15に示すシート96におけるシャッターカーテン1の厚さ方向(図15では、シート96の幅方向である矢印X方向)の両端部96R,96Sのうち、図14に示す開閉機91の第1部分92と第3部分94との境界、すなわち、第1部分92における巻取軸6の軸方向である左右方向の両端部のうち、クラッチ49側とは反対側の端部の端面92Kと対応する位置に形成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、図16及び図17に示すように、開閉機91の第1部分92と第2部分93のシャッターカーテン1の厚さ方向の外形は、複数個の角部を有しており、シート96の裏面96Aには、図15〜図17に示すように、上記の複数個の角部(第1部分92については、角部92I,角部92J,角部92G,角部92H、第2部分93については、角部93K,角部93L,角部93G,角部93H)に沿って折り込まれた折込部(言い換えると、折り目の入った折目部)96C,96D,96E,96Fがシャッターカーテン1の幅方向全長又は略全長に渡って形成されている。
このため、本実施形態によると、シート96に折込部を形成しない場合と比較して、シート96を開閉機91で覆うときにこのシート96を開閉機91の複数個の角部に沿って密着又は略密着させることが容易にできるようになる。
なお、本実施形態では、シート96を製造する作業において、このシート96に折込部96C,96D,96E,96Fを形成した後、図16及び図17で示されているように、このシート96を開閉機91の角部の形状にある程度合うようにあらかじめ折り曲げておくようにしている。
このため、本実施形態によると、シート96を開閉機91で覆う作業を現場で行う場合において、この作業を簡単かつ迅速に行えるようになる。
以上説明したように、本実施形態では、開閉機91は、この開閉機91の内部に水が浸入することを防止するための防水覆い部材である厚さ0.5mmのポリカーボネートで形成されているフィルム状のシート96で覆われている。
このため、本実施形態によると、開閉機91の上方にこの開閉機91を覆う屋根のような構造物を配置する場合と比較して、開閉機91の防水性の確保が容易にできるようになる。
前述したように、シャッターカーテン1が全閉となっているときに、このシャッターカーテン1の屋外側の面が雨にさらされていた場合には、このシャッターカーテン1が巻取軸6に巻き取られる際、シャッターカーテン1に付着していた雨滴が巻取軸6の内部に落下した後、この雨滴が開閉機26の内部に浸入してこの開閉機26が故障するおそれがある。
しかし、本実施形態では、上述したように、開閉機91は、防水覆い部材であるシート96で覆われているため、上述した雨滴が開閉機26の内部に浸入してこの開閉機26が故障することを防止できるようになる。
なお、本実施形態では、両面テープ99は、図15に示すシート96におけるシャッターカーテン1の厚さ方向(図15では、シート96の幅方向である矢印X方向)の両端部96R,96Sのうち、一方の端部96R及びその近傍(言い換えると、第4領域96L及び第5領域96M)に2個配置されており、他方の端部96S及びその近傍(言い換えると、第6領域96N及び第7領域96O)には配置されていない。
これは、本実施形態では、図14に示されているように、開閉機91の第2部分93における巻取軸6の軸方向である左右方向の両端部のうち、クラッチ49側の端部の端面93Mから、アース線95が延びており、このため、図15に示すシート96の第6領域96N及び第7領域96Oにも両面テープ99を2個配置しても、第6領域96N及び第7領域96Oがアース線95と干渉して両面テープ99を開閉機91に貼ることが困難となるおそれがあるからである。
また、このため、本実施形態では、シート96の第6領域96N及び第7領域96Oの幅寸法(図15では、矢印X方向の寸法)は、シート96の第4領域96L及び第5領域96Mの幅寸法よりも小さくなっている(図16及び図17も参照)。
このように、本実施形態では、シート96の第6領域96N及び第7領域96Oは、図16(B)及び図17(B)に示されているように、開閉機91の第1部分92及び第2部分93に両面テープ99で接着されるものとなっていない。
なお、本実施形態において、開閉機91の第2部分93における巻取軸6の軸方向である左右方向の両端部のうち、クラッチ49側の端部の端面93Mから、アース線95が延びるものとなっていない場合には、シート96の第6領域96N及び第7領域96Oの幅寸法(図15では、矢印X方向の寸法)を、シート96の第4領域96L及び第5領域96Mの幅寸法と同じにし、シート96の第6領域96N及び第7領域96Oを、開閉機91の第1部分92及び第2部分93に両面テープ99で接着するようにしてもよい。
なお、以上説明した図14〜図17で示されている実施形態に係る防水覆い部材であるシート96は、ポリカーボネートで形成されるものであり、このため、開閉機91がこのシート96で覆われている状態においては、開閉機91の動作時にこの開閉機91の電動モータから発生する熱がシート96に籠るおそれがある。
すなわち、ポリカーボネートで形成されているシート96は、放熱性を有していないため、開閉機91がこのシート96で覆われている状態においては、開閉機91の動作時等にこの開閉機91の電動モータから発生する熱がシート96に籠るおそれがある。
図18は、防水性を有するとともに放熱性も有する防水覆い部材の実施形態を示す図14と同様の図である。
本実施形態に係る防水覆い部材は、前述の実施形態に係るシート96と同様にポリカーボネートで形成されるシート97であるが、このシート97の表面97Bには、図18に示されているように、開閉機91の動作時にこの開閉機91の電動モータから発生する熱を放出するための放熱フィン98が複数個設けられている。
これにより、開閉機91の動作時にこの開閉機91の電動モータから発生する熱は、この開閉機91を覆っているシート97を経由して放熱フィン98から放出されるようになる。
なお、放熱フィン98は、シート97の本体と一体となっていてもよく、シート97と別体となっていてもよい。
後者の場合には、放熱フィン98は、シート97の本体と同様に、ポリカーボネートで形成されるものであってもよく、ポリカーボネート以外の材料で形成されるものであってもよい。
なお、防水性を有するとともに放熱性も有する防水覆い部材の他の実施形態としては、例えば、防水性と放熱性の両方を有する材料であるシリコーンゴムで形成されたシートでもよい。
なお、以上説明した実施形態に係るシート96、97を開閉機91に貼り付ける作業は、工場において行うようにしてもよく、現場において行うようにしてよい。
後者の場合において、現場には、新設現場(シャッター装置が新規に設置される現場)と、既設現場(既にシャッター装置が設置されている現場)の両方が含まれる。
なお、以上説明した実施形態に係るシート96、97を開閉機91に貼り付ける作業工程には、シート96,97を開閉機91の外面の所定の貼り付け箇所のおよその外形に合わせて、あらかじめシートに形成されている折込部(言い換えると、折目部)にしたがった折り目を付ける第1作業工程と、両面のうち、一方の面をシート96,97の裏面にあらかじめ貼り付けた両面テープ99の他方の面に覆われている剥離紙をはがす第2作業工程と、シート96,97の裏面を開閉機91の外面の所定の貼り付け箇所に沿って貼り付ける第3作業工程と、が含まれる。
なお、工場や新設現場において、シャッターカーテン1を巻取軸6に吊り込む前には、巻取軸6の内部に配置されている開閉機91は外部へ露出した状態となっているため、この外部に露出した状態の開閉機91の外面の所定の貼り付け箇所にシート96,97を貼り付けするようにする。
一方、既設現場において、既設の開閉機91にシート96,97を後付けで貼り付けるためには、巻取軸6に巻き取られている状態のシャッターカーテン1を、巻取軸6の内部に配置されている開閉機91が外部へ露出した状態となるまで、巻取軸6から繰り出した後、この外部に露出した状態の開閉機91の外面の所定の貼り付け箇所にシート96,97を貼り付けするようにする。
なお、開閉機91に既に貼り付けられているシート96,97を交換するためには、上述の場合と同様に、巻取軸6に巻き取られている状態のシャッターカーテン1を、巻取軸6の内部に配置されている開閉機91が外部へ露出した状態となるまで、巻取軸6から繰り出した後、この外部に露出した状態の開閉機91に貼り付けられているシート96,97を新しいものと交換するようにする。
なお、シートを開閉機に貼り付けるための上述した作業ができるのは、開閉機が、巻取軸の内部において配置されており、通常時(言い換えると、平常時)においては、開閉機を含む巻取軸がシャッターカーテンで覆われている構成となっているシャッター装置であることが前提となる。
なお、防水覆い部材であるシート96,97の形式、構造は、以上説明した実施形態に限定されるものではない。これと同様に、シート96,97が貼り付けられる開閉機の形式、構造も、以上説明した実施形態に限定されるものではない。
本発明は、例えば、車庫用シャッター装置や窓用シャッター装置等の各種用途のためのシャッター装置の開閉移動するシャッターカーテンを駆動させるための開閉機に利用することができる。
1 シャッターカーテン
4 不動部材であるブラケット
6 巻取軸
14 巻取軸の回転体
12 軸受部材
13 中心軸
14 回転体
21 ホイール部材
22 連結部材である連結棒状部材
26,91 開閉機
92G,92H,92I,92J,93G,93H,93K,93L 開閉機の角部
93K 開閉機の外形の異なる部分同士の境界
96 防水覆い部材であるシート
96C,96D,96E,96F 折込部(言い換えると、折目部)
96G,96H 切込部
97 防水覆い部材であるシート
98 放熱フィン
99 両面テープ

Claims (9)

  1. 開閉移動するシャッターカーテンと、このシャッターカーテンを駆動させるための開閉機と、を含んで構成されたシャッター装置の開閉機の防水構造であって、前記開閉機の少なくとも一部の上面は、前記開閉機の内部に水が浸入することを防止するための防水覆い部材で覆われていることを特徴とするシャッター装置の開閉機の防水構造。
  2. 請求項1に記載のシャッター装置の開閉機の防水構造において、前記防水覆い部材は、シートであることを特徴とするシャッター装置の開閉機の防水構造。
  3. 請求項2に記載のシャッター装置の開閉機の防水構造において、前記開閉機の上部の前記シャッターカーテンの厚さ方向の外形は、前記シャッターカーテンの幅方向全長又は略全長に渡って同一又は略同一となっており、前記開閉機の下部の前記厚さ方向の外形は、前記幅方向で異なる部分があり、前記シートにおける前記厚さ方向の端部のうち、前記異なる部分同士の境界と対応する位置には、前記厚さ方向内側に切り込まれた切込部が形成されていることを特徴とするシャッター装置の開閉機の防水構造。
  4. 請求項2又は3に記載のシャッター装置の開閉機の防水構造において、前記開閉機の前記シャッターカーテンの厚さ方向の外形は、複数個の角部を有しており、前記シートには、前記複数個の角部に沿って折り込まれた折込部が前記幅方向全長又は略全長に渡って形成されていることを特徴とするシャッター装置の開閉機の防水構造。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のシャッター装置の開閉機の防水構造において、前記防水覆い部材は、前記開閉機に両面テープにより接着されていることを特徴とするシャッター装置の開閉機の防水構造。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のシャッター装置の開閉機の防水構造において、前記シャッターカーテンは、前記開閉機の駆動力で回転する巻取軸により巻き取られ、繰り出され、前記開閉機は、前記巻取軸の内部に配置されていることを特徴とするシャッター装置の開閉機の防水構造。
  7. 請求項6に記載のシャッター装置の開閉機の防水構造において、前記巻取軸は、不動部材に回転不能に支持された中心軸と、この中心軸の外周に、前記中心軸を中心に回転自在に配置された回転体と、を含んで構成され、前記開閉機は、前記中心軸に取り付けられているとともに、外部に露出していることを特徴とするシャッター装置の開閉機の防水構造。
  8. 請求項7に記載のシャッター装置の開閉機の防水構造において、前記回転体は、それぞれが前記中心軸に対して軸受部材により回転自在となっていて、側面視が円形または略円形となっている複数個のホイール部材と、前記中心軸の軸方向に間隔をあけて並設されている前記複数個のホイール部材を連結している棒状の連結部材と、を含んで構成されていることを特徴とするシャッター装置の開閉機の防水構造。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のシャッター装置の開閉機の防水構造において、前記防水覆い部材には、放熱フィンが設けられていることを特徴とするシャッター装置の開閉機の防水構造。
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