JP2020063433A - 熱伝導性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 接着性および熱伝導率の高い硬化物を形成することができる樹脂組成物を提供すること。【解決手段】 エポキシ化合物(A)、アミン硬化剤(B)、および熱伝導性フィラー(C)を含有し、前記エポキシ化合物(A)が液状であり、前記アミン硬化剤(B)の形状が繊維状であることを特徴とする樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導性に優れる樹脂組成物、これを用いた熱伝導接着剤および電子部材に関するものである。
近年、電子部材の小型化及び高密度化により単位体積あたりの発熱密度が増大しており、各構成部材を接着する熱伝導接着剤の熱伝導率の向上が求められている。熱伝導接着剤の熱伝導率向上には、高熱伝導性のフィラーを充填する方法があげられる。例えば特許文献1では、高熱伝導性のフィラーを配合し、そのフィラーの粒径、形状を制御することにより硬化物の高熱伝導率化を達成している。
しかしながら、熱伝導率向上のためにエポキシ化合物のモノマーに熱伝導性フィラーを多量に混合すると、樹脂組成物の粘度が著しく増大するため、作業性の悪化や接着力の低下が問題となる。
そのため、熱伝導性フィラーの使用による高熱伝導化では限界があることから、マトリックスであるエポキシ樹脂自身の熱伝導性向上による硬化物の熱伝導率向上が求められている。
例えば、特許文献2ではビフェノール型エポキシ樹脂および種々のメソゲン骨格を含むエポキシ樹脂による熱伝導率の改善方法が記載されている。
特開2015−174906号公報 特開平11−323162号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、モノマーのエポキシ樹脂組成物自体の粘度が増大してしまうことから、熱伝導性フィラーを添加する場合には、溶剤を添加して低粘度化させる必要があった。そのため、接着剤としては取り扱い性が悪化するものとなっていた。また、硬化物の熱伝導率や接着性も十分とはいえず、さらなる向上が求められていた。
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みて創案されたものであり、熱伝導性に優れる接着層を形成するための樹脂組成物、これを用いた熱伝導硬化物および電子部材を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
エポキシ化合物(A)、アミン硬化剤(B)、および熱伝導性フィラー(C)を含有し、前記エポキシ化合物(A)が液状であり、前記アミン硬化剤(B)の形状が繊維状であることを特徴とする樹脂組成物。
アミン硬化剤(B)は、短径が1μm〜200μmであり、長径が50μm〜1000μmであることが好ましい。また、ベンゾオキサゾール骨格を有することが好ましい。
熱伝導性フィラー(C)は球状であり、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、チタン酸バリウム、炭化ケイ素、カーボン、ダイヤモンド、銀、金、銅、ニッケルおよびアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
エポキシ化合物(A)として、3官能以上のエポキシ化合物をエポキシ化合物(A)全体に対して10重量%以上含有することを特徴とすることが好ましい。
熱伝導性フィラー(C)の含有量は、樹脂組成物全体積に対し40体積%〜75体積%であることが好ましく、エポキシ化合物(A)とアミン硬化剤(B)の質量比が(A)/(B)=90/10〜60/40であることが好ましい。
前記の樹脂組成物を含むことを特徴とする熱伝導接着剤または電子部材。
本発明の樹脂組成物は、接着性を維持しつつ、熱伝導率の高い硬化物を形成することが出来る。また、本発明の樹脂組成物を用いた電子部材も優れた熱伝導性を有する。
<エポキシ化合物(A)>
本発明で用いるエポキシ化合物(A)は、室温(25℃)で液状であることが必要である。10℃以下でも液状であることが好ましく、0℃以下でも液状であることがより好ましい。エポキシ化合物(A)が液状であることで、樹脂組成物の熱伝導性を向上させることができる。下限は特に限定されず、工業的には−20℃以上であれば十分である。
エポキシ化合物(A)としては、室温(25℃)で液状のものであれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラフルオロビスフェノールA等のビスフェノール類をグリシジル化したビスフェノール型エポキシ化合物;ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等の2価フェノール類をグリシジル化したエポキシ化合物;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等のトリスフェノール類をグリシジル化したエポキシ化合物;1,1,2,2,−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール類をグリシジル化したエポキシ化合物;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等のノボラック類をグリシジル化したノボラック型エポキシ化合物;カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ベンゼントリオール等の多価フェノール類をグリシジル化したエポキシ化合物;グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールをグリシジル化した脂肪族エーテル型エポキシ化合物;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸をグリシジル化したエーテルエステル型エポキシ化合物;フタル酸、テレフタル酸等のポリカルボン酸をグリシジル化したエステル型エポキシ化合物;4,4−ジアミノジフェニルメタン、メタキシリレンジアミン、アミノフェノール等のアミン化合物のグリシジル化物;トリグリシジルイソシアヌレート等のアミン型エポキシ化合物等のグリシジル型エポキシ化合物;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族エポキサイド等があげられる。これらを単独でまたは2種以上を併用することができる。これらの中で、硬化物の接着性や耐熱性が優れることからビスフェノールAをグリシジル化したエポキシ化合物、ビスフェノールFをグリシジル化したエポキシ化合物、アミノフェノール型エポキシ化合物、メタキシリレンジアミン型エポキシ化合物またはフェノールノボラック型エポキシ化合物が好ましい。
エポキシ化合物(A)全体を100質量%としたときに、1分子中に3官能(エポキシ基を3価有する)以上有する多官能エポキシ化合物を10質量%以上含有することが好ましい。より好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上である。3官能以上の多官能エポキシ化合物を10質量%以上含有することで、架橋密度が向上し、熱伝導率をより高めることができる。3官能以上の多官能エポキシ化合物としては、メタキシリレンジアミン型エポキシ化合物や、アミノフェノール型エポキシ化合物が好ましい。これら多官能エポキシ化合物は単独で使用しても2種以上を併用しても良い。
<アミン硬化剤(B)>
本発明で用いるアミン硬化剤(B)は室温(25℃)で固体であり、かつその形状が繊維状であることが必要である。繊維状とは針状又はひも状の形状を含む。繊維状のアミン硬化剤(B)を用いる事により、本発明の樹脂組成物の硬化物の熱伝導率を高めることが可能となる。好ましくは40℃以上でも固体かつ繊維状であり、60℃以上でも固体かつ繊維状であることがより好ましく、80℃以上でも固体かつ繊維状であることがさらに好ましい。
アミン硬化剤(B)は、室温で液状のエポキシ化合物(A)と反応し、エポキシ樹脂の硬化物を形成する。その際、繊維状のアミン硬化剤(B)を用いる事により、熱伝導性フィラー(C)の粒子間に沿ってアミン硬化剤(B)が充填される。その後の硬化反応の際にエポキシ樹脂(A)が繊維の方向に配向して硬化成長するため、熱伝導性フィラー(C)間の熱伝導パスが形成され、結果として硬化物全体の熱伝導率が高められると推測される。
本発明のアミン硬化剤(B)の形状は繊維状であることが必要である。繊維状とはアスペクト比(アミン硬化剤(B)の短径に対する長径の長さの比)の平均値が4以上である。好ましくは6以上であり、より好ましくは8以上である。アスペクト比の平均値を4以上とすることで樹脂組成物の硬化物の熱伝導率を向上することができる。アスペクト比の平均値の上限は特に限定されないが、20以下であることが好ましく、より好ましくは18以下であり、さらに好ましくは15以下である。本発明において、アスペクト比の平均値は、アミン硬化剤(B)の粒子30個を無作為に抽出し、それぞれ長径および短径を測定することで求めることができる。また、アミン硬化剤(B)中、アスペクト比が2以下のものは、アミン硬化剤(B)全体を100質量%としたときに、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0質量%である。アスペクト比が2以下のものを10質量%以下とすることで樹脂組成物の硬化物の優れた熱伝導率を発現することができる。
繊維状のアミン硬化剤(B)の長径としては、50μm〜1000μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは100μm〜800μmであり、さらに好ましくは200μm〜600μmである。長径が50μm未満であれば前述の熱伝導率向上の効果が十分でないことがあり、1000μmを超えれば塗工膜で繊維状アミンが面方向に配向してしまい、硬化物の厚み方向の熱伝導率が不充分になってしまうおそれがある。
繊維状のアミン硬化剤(B)の短径としては、1μm〜200μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは3μm〜100μmであり、さらに好ましくは5μm〜80μmである。短径が1μm未満であれば前述の熱伝導率向上の効果が十分でないことがあり、100μmを超えれば熱伝導フィラー間への充填性が悪化し、硬化物の熱伝導率が不充分になるおそれがある。
繊維状のアミン硬化剤(B)の種類としては、室温(25℃)で固形であり前記の繊維状を満たすものであれば、一般的なエポキシ硬化用のジアミン化合物を用いることができる。例えばp−キシリレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、ジシアンジアミド 5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2,2’−p−フェニレンビス(5−アミノベンゾオキサゾール)、2,2’−p−フェニレンビス(6−アミノベンゾオキサゾール)、1−(5−アミノベンゾオキサゾロ)−4−(6−アミノベンゾオキサゾロ)ベンゼン、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,3’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,3’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール等が挙げられ、これらの中で繊維状の粒子形状を有する物を単独で、または2種以上を適宜選択すると良い。これらの中で、硬化物の熱伝導率や粒子形状の観点から、ベンゾオキサゾール骨格を有するジアミン化合物が好ましく、なかでも5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールまたは6−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾールを用いることが好ましい。
また、アミン硬化剤(B)は、液状エポキシ化合物(A)に溶解しない化合物であることが、前記の熱伝導率向上効果や樹脂組成物の保存安定性の観点から好ましい。アミン硬化剤(B)のエポキシ化合物(A)の溶解性としては、室温(25℃)下、1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
エポキシ化合物(A)とアミン硬化剤(B)の混合比については、通常、エポキシ化合物(A)のエポキシ基1当量に対し、アミン硬化剤(B)のアミン当量(アミン当量/エポキシ当量)として0.2〜1.2当量の範囲であることが樹脂組成物の硬化物の物性の観点から好ましい。より好ましくは0.4以上であり、さらに好ましくは0.6以上である。また、1.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.8以下である。
エポキシ化合物(A)とアミン硬化剤(B)の質量比は、(A)/(B)=90/10〜60/40であることが好ましく、より好ましくは85/15〜65/35であり、さらに好ましくは80/20〜70/30である。上記範囲内とすることで樹脂組成物の硬化物の優れた熱伝導性が発現する。
<熱伝導性フィラー(C)>
熱伝導性フィラー(C)としては、熱伝導性を有するフィラーであれば限定されない。例えば、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、チタン酸バリウム、炭化ケイ素、カーボン、ダイヤモンド、銀、金、銅、ニッケル、アルミニウム等の導電性の無機充填剤を、単独で使用または2種以上を併用することができる。なかでも、電気絶縁性の無機充填剤を使用することが好ましい。電気絶縁性の無機充填剤を使用することで、例えば電子機器の内部に使用した場合における熱放散の促進と、部品間短絡防止とを両立することができる。具体的には、例えば、窒化アルミニウム、アルミナ、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛等が挙げられる。なかでも、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、またはアルミナが好ましい。
熱伝導性フィラー(C)の形状としては、規則的な形状又は不規則な形状のいずれのものを使用することができる。前記形状としては、例えば多角形状、立方体状、楕円状、球状、針状、平板状、鱗片状またはこれらの混合物や凝集物が挙げられる。なかでも球状のものを使用することが好ましい。球状の熱伝導性フィラー(C)を使用することで、繊維状アミン硬化剤(B)との充填性が良好となり、熱伝導率の向上効果が最も発揮される。熱伝導性フィラー(C)のアスペクト比としては1.5以下であることが好ましく、より好ましくは1.3以下であり、さらに好ましくは1.1以下である。
熱伝導性フィラー(C)の平均粒子径は特に限定されないが、1μm〜100μmであることが好ましく、2μm〜80μmであることがより好ましく、3μm〜60μmであることがさらに好ましく、5μm〜50μmであることが特に好ましい。平均粒子径が1μm未満であると、樹脂組成物の粘度が高くなり作業性が悪化するといったことや、熱伝導率悪化のおそれがある。平均粒子径が100μmを超えると、樹脂組成物の塗布最小膜厚が増大することにより塗膜の熱抵抗悪化のおそれがある。
熱伝導性フィラー(C)の添加量としては特に制限されないが、樹脂組成物の全体積に対し40体積%〜75体積%であることが好ましく、より好ましくは45体積%〜70体積%であり、さらに好ましくは55体積%〜65体積%である。熱伝導性フィラー(C)の添加量が40体積%未満では、フィラーの熱伝導率が発現されないことがあり、75体積%を超えると樹脂組成物の粘度が高くなり作業性が悪化するおそれや、接着力が悪化するおそれがある。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、液状のエポキシ化合物(A)、繊維状のアミン硬化剤(B)、および熱伝導性フィラー(C)を少なくとも含有する樹脂組成物である。本発明では、必要により、熱伝導率、反応性、耐熱性、強靱性、貯蔵安定性等を低下させない程度のエポキシド反応性希釈剤や、低沸点の有機溶剤を添加してもよい。反応性希釈剤の例としては、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキルジグリシジルエーテル、アルキレングリコールグリシジルエーテル、アルキレングリコールジグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、オクチレンオキサイド及びこれらの混合物等が挙げられる。有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、ソルベッソ(登録商標)類、アイソパー(登録商標)類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、イソホロン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコールモノアセテート、ジメチルホルムアミド、γ−ブチルラクトン、n−メチルピロリドンなどが挙げられる。ただし、有機溶剤の添加は空隙形成による硬化物の接着性や熱伝導率悪化のおそれや、有機溶剤揮散による作業環境への悪影響のおそれがあることから、有機溶剤を含まないことが好ましい。好ましくは樹脂組成物全体を100質量%としたときに、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、0質量%であっても差し支えない。
この他、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤、ヒンダードフェノール系やリン系などの酸化防止剤、高級脂肪酸およびワックス等の離型剤、ハロゲン、リン化合物等の難燃性付与剤、消泡剤、着色剤等の添加剤も必要に応じ用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、加熱することにより繊維状のアミン硬化物(B)とエポキシ化合物(A)が反応し、エポキシ硬化樹脂として接着層を形成する。すなわち、本発明の樹脂組成物を加熱硬化させることで、熱伝導性および接着性に優れた熱伝導接着剤を得ることができる。加熱する温度については、エポキシ化合物(A)およびアミン硬化剤(B)の種類にもよるが、通常80℃〜250℃の範囲であり、好ましくは100℃〜200℃の範囲であり、より好ましくは120℃〜160℃の範囲である。また、反応(硬化)時間も適宜設定することができ、通常は0.1〜6時間であり、好ましくは0.5〜5時間であり、より好ましくは1〜3時間程度である。
以下に実施例にて本発明の樹脂組成物を具体的に示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。実施例および比較例中に単に部とあるのは質量部を示す。
(実施例1)
エポキシ化合物1を20質量部、繊維状アミン1を5質量部、熱伝導性フィラー1を70質量部、熱伝導性フィラー2を30質量部フラスコに入れ、十分に攪拌、混合することにより樹脂組成物1を作製した。得られた樹脂組成物1の熱硬化物の熱伝導性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2〜12、比較例1〜4)
表1、表2に記載の各成分を各質量部配合し、実施例1と同様に十分に攪拌、混合することにより樹脂組成物2〜16を作製した。得られた樹脂組成物2〜16の熱硬化物の熱伝導性を測定した。結果を表1、表2に示す。
<アミン硬化剤(C)の形状測定>
アミン硬化剤(C)の粒子30個を無作為に抽出した。次いで、抽出した30個の粒子の長径および短径を、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−2000を用いて測定し、平均値を算出した。
<熱硬化物の作製>
実施例および比較例で得られた樹脂組成物を150℃に設定した金型に投入し、150℃で2時間熱プレス成形することにより、熱硬化物の試験片を得た。
<熱伝導率の測定>
実施例および比較例で得られた樹脂組成物の熱硬化物の試験片について、それぞれ25℃においての熱拡散率・比熱・密度を測定し、下式から熱伝導率を算出した。
(式):熱伝導率λ(W/mK)=α・Cp・d
α:熱拡散率(m/s)、Cp:比熱(J/(kg・K)、d:密度(kg/m3)
熱拡散率αは、NETZSCH社製キセノンフラッシュアナライザーLFA467Hyperflashを用て、キセノンフラッシュ法により測定した。密度dはアルキメデス法により測定した。また、比熱Cpについては日立ハイテクサイエンス社製DSC7020を用いて、DSC法により測定した。
<接着強度の測定>
JIS−K6850(1990)に従い、せん断接着強度を測定した。25mm×100mm×1.6mmのアルミ片の片側12.5mmに対し樹脂組成物を塗布し、もう一枚同型のアルミ片を貼り合わせたうえ、150℃×2時間加熱し硬化させ試験片(アルミ片/樹脂組成物/アルミ片)を作製した。これを引張速度10mm/分で接着面に対し平行に引っ張り、破断した際の最大荷重を接着面積で割ることにより接着強度を求めた。
なお、表中の原材料詳細は以下の通りである。
<エポキシ化合物(A)>
エポキシ化合物1:jER(登録商標)828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製)、2官能エポキシ化合物、室温(25℃)で液状
エポキシ化合物2:iER(登録商標)630(アミノフェノール型エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製)、3官能エポキシ化合物、室温(25℃)で液状
エポキシ化合物3:jER(登録商標)152(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製)。3官能以上のエポキシ化合物を含む混合物、室温(25℃)で液状
<アミン硬化剤(B)>
繊維状アミン1:5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、長径468μm、短径34μm、アスペクト比の平均値13.8
繊維状アミン2:5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、長径193μm、短径32μm、アスペクト比の平均値6.0
繊維状アミン3:5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、長径58μm、短径11μm、アスペクト比の平均値5.3
繊維状アミン4:6−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、長径201μm、短径20μm、アスペクト比の平均値10.1
繊維状アミン5:m−フェニレンジアミン、長径107μm、短径18μm、アスペクト比の平均値5.9
非繊維状アミン1:ジシアンジアミド、長径8μm、短径6μm、アスペクト比の平均値1.3
非繊維状アミン2:m−フェニレンジアミン、長径52μm、短径44μm、アスペクト比の平均値1.2
非繊維状アミン3:5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、長径24μm、短径21μm、アスペクト比の平均値1.1
<熱伝導性フィラー(C)>
フィラー1:DAW−45(球状アルミナ、デンカ社製)
フィラー2:DAW−05(球状アルミナ、デンカ社製)
フィラー3:AO−509(球状アルミナ、アドマテックス社製)
フィラー4:SP−3(鱗片状窒化ホウ素、デンカ社製)
表1、表2に記載の結果から分かるとおり、繊維状のアミン硬化剤を用いた実施例1〜12の硬化物は、非繊維状のアミン硬化剤を用いた比較例1〜4の硬化物と比較して優れた熱伝導率と接着強度の両方を発現した。
本発明の樹脂組成物は、エポキシ化合物(A)、繊維形状のアミン硬化剤(B)、および熱伝導性フィラー(C)を含有することから、優れた接着性および熱伝導性を発現する。そのため、電子部材用途に好適である。

Claims (10)

  1. エポキシ化合物(A)、アミン硬化剤(B)、および熱伝導性フィラー(C)を含有し、前記エポキシ化合物(A)が液状であり、前記アミン硬化剤(B)の形状が繊維状であることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
  2. アミン硬化剤(B)の短径が1μm〜200μmであり、長径が50μm〜1000μmであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  3. 熱伝導性フィラー(C)が球状であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  4. 熱伝導性フィラー(C)がアルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、チタン酸バリウム、炭化ケイ素、カーボン、ダイヤモンド、銀、金、銅、ニッケルおよびアルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
  5. 熱伝導性フィラー(C)の含有量が樹脂組成物全体積に対し40体積%〜75体積%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
  6. エポキシ化合物(A)として、3官能以上のエポキシ化合物をエポキシ化合物(A)全体に対して10質量%以上含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
  7. エポキシ化合物(A)とアミン硬化剤(B)の質量比が(A)/(B)=90/10〜60/40であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
  8. 前記アミン硬化剤(B)がベンゾオキサゾール骨格を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物を含むことを特徴とする熱伝導接着剤。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物を含むことを特徴とする電子部材。
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