JP2020063204A - 有機化合物、有機発光素子、表示装置、撮像装置、電子機器及び移動体 - Google Patents

有機化合物、有機発光素子、表示装置、撮像装置、電子機器及び移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】 有機化合物を提供する。【解決手段】 下記一般式(1)で表されることを特徴とする有機化合物を提供する。【化1】式(1)において、R1乃至R24は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及びシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。【選択図】 図1

Description

本発明は、有機化合物、有機発光素子、表示装置、撮像装置、電子機器及び移動体に関する。
有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、あるいは有機EL素子とも呼ぶ)は、一対の電極とこれら電極間に配置される有機化合物層とを有する電子素子である。これら一対の電極から電子及び正孔を注入することにより、有機化合物層中の発光性有機化合物の励起子を生成し、該励起子が基底状態に戻る際に、有機発光素子は光を放出する。
有機発光素子の最近の進歩は著しく、低駆動電圧、多様な発光波長、高速応答性、発光デバイスの薄型化・軽量化が可能であることが挙げられる。
ディスプレイに用いられる色再現範囲として、sRGBやAdobeRGBの規格が知られており、これら色再現範囲に適した材料が求められてきた。最近ではさらに色再現範囲が広がった規格であるBT−2020の再現が求められている。
ところで、現在までに発光性の有機化合物の創出が盛んに行われている。特許文献1には、発光特性に優れる有機化合物として、下記構造式で表される化合物が記載されている。本明細書においては、これを化合物1−Aと呼ぶ。また特許文献2には、下記構造式で表される化合物が記載されている。本明細書においては、これを化合物1−Bと呼ぶ。
Figure 2020063204
Figure 2020063204
特開2000−34234号公報 特開2013−43846号公報
特許文献1または2に記載の有機化合物を用いた有機発光素子は赤色の光を発するが、十分ではない。具体的には、さらに広域な色再現範囲を得るには、さらに長波長な赤発光する有機化合物が求められる。また、有機化合物に置換基を設けることで発光を長波長化することもできるが、化合物が不安定になる場合がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされるものであり、その目的は、基本骨格により長波長な赤色を発光する有機化合物を提供することである。
本発明の一実施形態に係る有機化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 2020063204
式(1)において、R乃至R24は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及びシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
本発明によれば、基本骨格により、長波長な赤色を発光する有機化合物を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る有機発光素子と、この有機発光素子に電気接続されたトランジスタと、を有する表示装置の例を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係る携帯機器の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。(b)折り曲げ可能な表示装置の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る照明装置の一例を示す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係る移動体の一例である自動車を示す模式図である。
本発明の一実施形態に係る有機化合物は、下記一般式(1)で表される有機化合物である。ここで、基本骨格とは、例えば、下記一般式(1)において、R乃至R24がすべて水素原子である構造を指す。化合物の内、縮環構造部分のみを指しているということもできる。
Figure 2020063204
式(1)において、基本骨格に示されるR乃至R24は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及びシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
式(1)において、ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(1)において、アルキル基は、炭素原子数1乃至10のアルキル基であってよい。より具体的には、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、セカンダリーブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等が挙げられる。
式(1)において、アルコキシ基は、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基であってよい。より具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−エチル−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
式(1)において、アミノ基は、アルキル基、アリール基を置換基として有してよい。アルキル基は炭素原子数1乃至10のアルキル基であってよい。アリール基は、炭素原子数6乃至18のアリール基であってよい。より具体的には、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−メチル−N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、アニリノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジナフチルアミノ基、N,N−ジフルオレニルアミノ基、N−フェニル−N−トリルアミノ基、N,N−ジトリルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジアニソリルアミノ基、N−メシチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジメシチルアミノ基、N−フェニル−N−(4−ターシャリブチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ基、N−ピペリジル基等が挙げられる。
式(1)において、アリール基は、炭素原子数6乃至18のアリール基であってよい。より具体的には、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、フルオランテニル基、フェナンスレニル基等が挙げられる。
式(1)において、複素環基は、炭素原子数3乃至17の複素環基であってよい。複素原子は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が挙げられ、単数であっても、複数であってもよい。複数である場合には複数種であってよい。より具体的には、ピリジル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(1)において、アリールオキシ基は、フェノキシ基、チエニルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(1)において、シリル基は、トリフェニルシリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記アルキル基、アルコキシ基がさらに有してよい置換基として、ハロゲン原子が挙げられる。ハロゲン原子を置換基として有する場合フッ素原子であることが好ましい。
上記アリール基、複素環基、アリールオキシ基がさらに有してもよい置換基として、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基等の炭素原子数1乃至10のアルキル基、ベンジル基等のアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基等の炭素原子数6乃至12のアリール基、ピリジル基、ピロリル基、フラニル基、チオール基等の炭素原子数3乃至11の複素環基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等のアミノ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態において、式(1)中のR乃至R24は、水素原子又は置換あるいは無置換のアリール基からそれぞれ独立に選ばれるのが好ましい。
次に、本発明の一実施形態に係る有機化合物の合成方法を説明する。本実施形態に係る有機化合物は、例えば、下記に示す反応スキームに従って合成される。
Figure 2020063204
上記合成スキームにて示されるように、本発明の一実施形態に係る有機化合物は、下記(a)乃至(d)に示される化合物を原料として合成されるものである。
(a)アセナフテンキノン誘導体(D1、D2)
(b)ジベンジルケトン誘導体(D3)
(c)アセナフチレン誘導体(D4)
(d)ブロモアントラニル酸誘導体(D5)
ここで上記(a)乃至(d)に示される化合物に適宜置換基を導入することにより、式(1)中のR乃至R24の所定の置換基を有する有機化合物を得ることができる。
なお、各反応において、パラジウム、ニッケル、リンなどの金属触媒を用いて生成率、反応速度を向上させることが可能である。
本実施形態に係る有機化合物は、以下のような構成を有するため、色純度の高い赤発光を呈する安定な化合物である。
(1)基本骨格自体の発光波長が深い赤色領域である
(2)基本骨格が炭化水素のみで構成される
(3)非対称構造であるため結晶性を低い
以下、これらについて説明する。
(1)基本骨格自体の発光波長が深い赤色領域である
本発明者らは、式(1)で表される有機化合物を創出するにあたり、基本骨格それ自体に注目した。具体的には、基本骨格のみの分子、すなわち、R乃至R24が水素原子である分子、が有する発光波長が所望の波長領域に収まることを指標とした。
本実施形態において、所望の波長領域は深い赤色領域のことであり、具体的には希薄溶液中では最大ピーク波長が610nm以上640nm以下の領域にあることである。
本発明の例示化合物と、それに類似する比較化合物と、を挙げて、発光波長について説明する。ここで、比較対象化合物は、下記表1に示される比較化合物(1)および比較化合物(2)である。この比較化合物(1)および比較化合物(2)は、それぞれ特許文献1に記載の化合物1−Aを基本骨格とする化合物、特許文献2に記載の化合物1−Bを基本骨格とする化合物である。なお、比較化合物(1)および比較化合物(2)には、フェニル基を設けている。フェニル基は発光波長の正確な測定のために設けられている。このフェニル基を設けない場合、分子間相互作用により、分子同士が会合し、発光波長の測定に影響を与える場合がある。このフェニル基は、分子の共役に影響を与えない位置に設けられているので、発光波長に与える影響は小さい。比較化合物と条件をそろえるため、例示化合物の中でもフェニル基が設けられているA10を用いて本発明を評価した。
本発明の例示化合物は、例示化合物A10である。例示化合物A10は、上述した一般式(1)で表される基本骨格を有し、R乃至R、R乃至R12、R14乃至R19、R21乃至R24が水素原子、R、R13、R20がフェニル基である有機化合物である。
例示化合物A10、比較化合物(1)および比較化合物(2)の発光波長の比較を行った。その結果を下記表1に示す。なお、発光波長の測定は、日立製F−4500を用い、室温下、励起波長350nmにおける希釈トルエン溶液のフォトルミネッセンス測定により行った。
Figure 2020063204
表1より、比較化合物(1)、比較化合物(2)の発光色は赤色ではあるが、所望の波長領域ではない。一方で、例示化合物A10は、所望の波長領域内に最大発光波長を有するため、ディスプレイの規格の赤色に適した発光色を示す。よって、本発明の基本骨格は、より長波長な赤色を発光できる。なお、最大発光波長は、発光スペクトルにおいて、最も大きいピークが存在する波長を指す。そのため、最大発光波長は、最大ピーク波長と呼ぶこともできる。
(2)基本骨格が炭化水素のみからで構成される
一般式(1)で表される有機化合物は基本骨格が炭化水素のみで構成される。また、置換基も炭化水素のみの置換基が好ましい。有機化合物の発光波長を長波長化する手段として、置換基の電子供与性の効果を利用する手段がある。例えば、分子構造内にアミノ基等を結合する手段がある。しかし、アミノ基のように結合エネルギーの小さい不安定な結合を有する化合物は、有機EL素子を構成する発光材料に用いた場合、素子駆動時に化合物の劣化が起こりやすい。化合物の劣化が起こった場合、有機EL素子の耐久寿命が短くなる。一方、本発明の一実施形態に係る一般式(1)で表される化合物は炭化水素のみから構成されるので、結合エネルギーが高い。そのため、有機EL素子の耐久寿命が良い。
また、基本骨格に置換基を設ける場合であっても、炭化水素のみから構成される置換基であることが好ましい。炭化水素の結合エネルギーは高いので、化合物が安定であるからである。
下記に示す化合物A−1、A−2及びB−1を例にとると、結合安定性の低い結合とは、カルバゾール環とフェニレン基をつなぐ結合及びアミノ基とフェニル基をつなぐ結合(窒素―炭素結合)である。化合物B−1のような炭素と炭素をつなぐ結合の方が、結合安定性が高い。
Figure 2020063204
(3)基本骨格が非平面であるため結晶性が低い
本発明の一実施形態に係る有機化合物は、基本骨格自体により生じる発光が深い赤色になるように、共役長を拡大している。共役長が長い化合物は、分子平面性が高い傾向があるため、分子間相互作用により結晶化しやすい。有機化合物が結晶化した場合、昇華性が低下する、濃度消光を招くなど、有機化合物単体としての性質が変化してしまうので好ましくない。
そこで、本発明の一実施形態に係る有機化合物は、分子構造の対称性を下げるように分子設計されており、分子平面性が低い。対称性の低い分子は、対称性の高い分子と比較して、分子同士が規則的に重なり合うことが抑制されるので、結晶化されにくい分子である。結晶化されにくい分子は、昇華性が高く、濃度消光が抑制される。したがって、分子構造が非対称構造であり、結晶化されにくいことが好ましい。
ここで、昇華性が高いとは、有機化合物の昇華温度と、有機化合物の熱分解温度との差が大きいことであり、昇華温度の方が高いことである。昇華性が低い有機化合物は、昇華を行う際に、熱分解する場合があるので、有機化合物の分解物が発生する場合がある。有機化合物の分解物は、予期せぬ反応を起こすなど、好ましくない影響を与える場合があるので、分解物を発生しにくいよう、有機化合物の昇華性は高いことが好ましい。
本実施形態においては、本実施形態に係る例示化合物A10と比較化合物(1)の基本骨格の平面性を比較した。平面性の比較を表2に示す。
Figure 2020063204
表2に示す通り、比較化合物(1)の基本骨格は平面であった。比較化合物(1)の分子間相互作用は強く、結晶性が高いと見積もられた。一方、例示化合物A10の基本骨格は平面性が低かったので、例示化合物A10は、結晶性が低いと見積もられた。
以上より、本発明の一実施形態に係る有機化合物は、基本骨格の平面性が低いため、長波長域に発光領域を有する共役長を有しながらも、結晶化が抑制され、昇華性を維持することができる化合物である。
以上の(1)乃至(3)の他に、以下のような(4)乃至(6)を満たす有機化合物が好ましい。条件(4)乃至(6)を満たす場合は、結晶化がさらに抑制され、昇華性の向上や濃度消光を抑制することができるからである。昇華性の向上は、昇華精製による材料の高純度化が可能になること、蒸着による有機発光素子の作製の容易性をもたらす。これにより、有機発光素子中に含まれる不純物を減少することができ、不純物による発光効率の低下、駆動耐久の低下を抑制することができる。また、濃度消光の抑制は、有機発光素子の発光効率の向上の点から好ましい。
(4)R、R13、R20のいずれかに嵩高い置換基を有する
(5)分子平面を覆うような置換基を有する
(6)SP2混成軌道からなる化合物である
以下、これらについて説明する。
(4)R、R13、R20のいずれかに嵩高い置換基を有する
本発明の一実施形態に係る有機化合物は、基本骨格に置換基を設けることで分子の結晶性を抑制することができる。結晶性を抑制すれば、前述の通り、濃度消光の抑制や昇華性が向上する効果がある。
また、本発明の一実施形態に係る有機化合物は、平面性が高い部分があるので、無置換であると分子間相互作用によるエキシマー生成し易い。エキシマー生成は、置換基を設けるなどして、分子間相互作用を抑制することで、抑制することができる。
設ける置換基は、具体的には、アルキル基の場合にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが好ましいが、特に立体的に大きいイソプロピル基やターシャリーブチル基が好ましい。アリール基の場合は、フェニル基やナフチル基が挙げられる。アリール基の中でも、キシリル基、メシチル基、イソプロピルフェニル基、ターシャリーブチルフェニル基といった置換基を有するフェニル基のようなアリール基が好ましい。これらは、フェニル基よりもさらに排除体積効果が大きいため、分子間相互作用を抑制することができるからである。
また、置換基としてフッ素もこの点で好ましい。また、フッ素は、液体に含ませて塗布する方法を用いて成膜した場合には、膜性を向上させるという効果もある。
以下、分子間相互作用を効果的に抑制できる置換基の位置について説明する。
分子間相互作用、具体的には、分子間のπ―π相互作用はπ平面が拡大することで増大しやすい。本発明者らは、π―π相互作用を生み出す、π電子、特にその電子密度に着目した。ここで、基本骨格の電子密度について、分子軌道計算を用いて見積もった。
なお、分子軌道計算法の計算手法は、現在広く用いられている密度汎関数法(Density Functional Theory,DFT)を用いた。汎関数はB3LYP、基底関数は6−31Gを用いた。なお、分子軌道計算法は、現在広く用いられているGaussian09(Gaussian09,RevisionC.01,M.J.Frisch,G.W.Trucks,H.B.Schlegel,G.E.Scuseria,M.A.Robb,J.R.Cheeseman,G.Scalmani,V.Barone,B.Mennucci,G.A.Petersson,H.Nakatsuji,M.Caricato,X.Li,H.P.Hratchian,A.F.Izmaylov,J.Bloino,G.Zheng,J.L.Sonnenberg,M.Hada,M.Ehara,K.Toyota,R.Fukuda,J.Hasegawa,M.Ishida,T.Nakajima,Y.Honda,O.Kitao,H.Nakai,T.Vreven,J.A.Montgomery,Jr.,J.E.Peralta,F.Ogliaro,M.Bearpark,J.J.Heyd,E.Brothers,K.N.Kudin,V.N.Staroverov,T.Keith,R.Kobayashi,J.Normand,K.Raghavachari,A.Rendell,J.C.Burant,S.S.Iyengar,J.Tomasi,M.Cossi,N.Rega,J.M.Millam,M.Klene,J.E.Knox,J.B.Cross,V.Bakken,C.Adamo,J.Jaramillo,R.Gomperts,R.E.Stratmann,O.Yazyev,A.J.Austin,R.Cammi,C.Pomelli,J.W.Ochterski,R.L.Martin,K.Morokuma,V.G.Zakrzewski,G.A.Voth,P.Salvador,J.J.Dannenberg,S.Dapprich,A.D.Daniels,O.Farkas,J.B.Foresman,J.V.Ortiz,J.Cioslowski,and D.J.Fox,Gaussian,Inc.,Wallingford CT,2010.)により実施した。
下記に示す通り、数字は各炭素原子の部分電荷を表し、電子密度の高い箇所は、一般式(1)のR、R13およびR20に位置する炭素原子である。下記の構造式において、R、R13およびR20の電子密度を表す数値に下線を付した。これら炭素原子は、π電子の密度が高いので、分子間相互作用の影響を受けやすい。そのため、これらの位置に置換基を設けることが好ましい。
以上より、分子間相互作用を抑制するためには、電子密度の高いR、R13、R20の少なくともいずれかに置換基を設けることが好ましい。
Figure 2020063204
以下、本発明の例示化合物A24と、A10との昇華性を比較することで、分子間相互作用の影響を比較した。その結果を表3に示す。
Figure 2020063204
例示化合物A10は例示化合物A24よりも分子量が小さいので、昇華性に関して不利な化合物と見積もられるが、昇華性は、例示化合物A10の方が優れていた。例示化合物A24は昇華精製後に純度低下が確認されたが、例示化合物A10は昇華精製後の純度低下が確認されなかったからである。これは上述したように、分子間相互作用を効果的に抑制する置換位置に嵩高い置換基を有しているためである。一方、例示化合物A24は基本骨格の中央の共役面が露出しているため、分子同士が重なりやすくなるため、昇華性が例示化合物A10よりも低い結果となった。しかし、例示化合物A24のように分子間相互作用の影響がある場合、有機薄膜トランジスタなどの高移動度材料として、好適に用いることができる。
(5)分子平面を覆うような置換基を有する
本発明の一実施形態に係る有機化合物は、基本骨格に設ける置換基の種類を適切に選択することで、分子間相互作用を抑えることが可能である。具体的には、基本骨格の中央の共役面が覆うような置換基を導入することで、分子間相互作用をさらに効果的に抑制することができる。本発明の一実施形態に係る有機化合物において、分子間相互作用により、基本骨格のπ共役平面同士が重なり合い、規則的に配列されると考えられる。
そこで、π共役平面を遮蔽するような置換基を設けることで、分子間相互作用の抑制を行った。具体的には、例示化合物A16、A18のように、置換基であるフェニル基のオルト位にメチル基またはフェニル基を設けることで、π共役平面を覆い、分子間相互作用を抑制した。
例示化合物A10、例示化合物A16および例示化合物A18を用いて、遮蔽する置換基の効果を比較した。その結果を表4に示す。
Figure 2020063204
昇華温度は分子量の影響を受けるため、分子量が大きいほど昇華温度は高くなる傾向がある。その結果、分子量が大きいほど昇華性が低くなる傾向がある。
しかし、本発明の例示化合物においては、例示化合物A10よりもA16、A18の方が分子量が大きいので、昇華性はA10が最も高いと見積もられるが、結果はA10が最も昇華性が低かった。これは、嵩高い置換基によって、分子間相互作用を効果的に抑制したからである。
なお、昇華温度は、1×10−1Paの真空度において、Arフローさせながら、緩やかに昇温し、昇華精製を開始させ、十分な昇華速度に達したときの温度とした。分解温度は、TG/DTA測定を行い、重量減少が5%に達した時の温度とした。
以上より、本発明の一実施形態に係る有機化合物は、(5)を満たす場合に、昇華温度と熱分解温度の差が広く、昇華性に優れる化合物である。
(6)SP2混成軌道の炭素原子のみからなる化合物である
本発明の一実施形態に係る有機化合物は、基本骨格にそれ自体が赤発光するため、共役長が拡大された骨格を有している。このため、分子平面性が高い部分があり、分子間相互作用が強いので、昇華精製時の昇華温度は高温である。このため、高温下での熱エネルギーにおいても安定な化合物であることが好ましい。
そこで、本発明者らは、基本骨格がSP2混成軌道の炭素原子のみで構成されていることに加え、設けられる置換基もSP2混成炭素から構成されることで、化合物の安定性がさらに向上することを見出した。
ここで、例示化合物A16と例示化合物A18を用いて、置換基の効果を説明する。表4に示すように、分子量は例示化合物A18の方が大きいが、分解温度と昇華温度の差異は例示化合物A18の方が大きい。前述したとおり、分解温度と昇華温度の温度差が、大きいほど昇華精製における温度マージンが大きいため、昇華性が高いと言える。
これは例示化合物A18の置換基が、オルトビフェニル基であるために、置換基の安定性が高いこと、さらに条件(5)にあるように、嵩高いフェニル基によって分子平面を遮蔽する効果が高まったためと考えられる。
以上より、本発明に係る有機化合物は、上記(1)乃至(3)の性質を有する化合物であるため、比較化合物1乃至2と比較して、基本骨格自体の発光波長が赤色であり、かつ昇華性を維持した有機化合物となる。さらに、(4)乃至(6)の性質を有する化合物となることで、分子間相互作用を抑制し、昇華性に優れる化合物となる。そして、これを用いることで、高効率で素子耐久性の高い、深い赤色発光を示す有機発光素子を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る有機化合物の具体例を以下に示す。しかし、本発明はこれらに限られるものではない。
Figure 2020063204
Figure 2020063204
Figure 2020063204
Figure 2020063204
上記例示化合物のうち、A群に属するものは分子全体が炭化水素のみで構成されている。ここで炭化水素のみで構成される化合物は、HOMOエネルギーレベルが低い。HOMOエネルギーレベルが低い化合物は酸化電位が低く、酸化に対して安定である。したがって、A群に属する化合物は酸化電位が低い、即ち、酸化に対して安定である有機化合物である。
したがって、本発明の例示化合物のうち、A群の例示化合物は、分子の安定性が高いので好ましい。またA群に属する有機化合物は、発光層ホスト材料や輸送層、注入層に使用することができる。
一方、上記例示化合物のうち、B群に属するものは置換基がヘテロ原子を含んでいる。B群の例示化合物は、置換基を有さない場合に比べて、分子の酸化電位が大きく変化する。置換基がヘテロ原子を含んでいるB群の有機化合物は、電子輸送性やホール輸送性、ホールトラップ型発光材料として有用である。特にフッ素置換されているものは分子間相互作用が抑制されるために、昇華性の向上を期待することもできる。
次に、本発明の一実施形態の有機発光素子について説明する。
本発明の一実施形態の有機発光素子は、一対の電極である陽極と陰極と、これら電極間に配置される有機化合物層と、を少なくとも含有する。本発明の一実施形態の有機発光素子において、有機化合物層は発光層を有していれば単層であってもよいし複数層からなる積層体であってもよい。
ここで有機化合物層が複数層からなる積層体である場合、有機化合物層は、発光層の他に、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等を有してもよい。また発光層は、単層であってもよいし、複数の層からなる積層体であってもよい。
本発明の一実施形態の有機発光素子において、上記有機化合物層の少なくとも一層に本発明の一実施形態に係る有機化合物が含まれている。具体的には、一般式(1)で表される有機化合物は、上述した発光層、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、発光層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等のいずれかに含まれている。一般式(1)の有機化合物は、好ましくは、発光層に含まれる。この場合、有機発光素子の発光色は特に限られない。三原色のいずれかであってもよいし、白色でもよいし、中間色でもよい。
本発明の一実施形態の有機発光素子において、一般式(1)で表される有機化合物が発光層に含まれる場合、発光層は、一般式(1)の有機化合物のみからなる層であってもよいし、一般式(1)の有機化合物と他の化合物とからなる層であってもよい。ここで、発光層が一般式(1)の有機化合物と他の化合物とからなる層である場合、一般式(1)の有機化合物は、発光層のホストとして使用してもよいし、ゲストとして使用してもよい。また発光層に含まれ得るアシストとして使用してもよい。
ここでホストとは、発光層を構成する化合物の中で重量比が最も大きい化合物である。またゲストとは、発光層を構成する化合物の中で重量比がホストよりも小さい化合物であって、主たる発光を担う化合物である。またアシストとは、発光層を構成する化合物の中で重量比がホストよりも小さく、ゲストの発光を補助する化合物である。なお、アシストは、第2のホストとも呼ばれている。
ここで一般式(1)の有機化合物を発光層のゲストとして用いる場合、ゲストの濃度は、発光層全体に対して0.01重量%以上20重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以上5.0重量%以下であることがより好ましい。
また一般式(1)で表される有機化合物を発光層のゲストとして用いる際には、当該有機化合物よりもLUMOが高い材料(LUMOが真空準位により近い材料)をホストとして用いることが好ましい。というのも一般式(1)で表される有機化合物はLUMOが低いため、一般式(1)の有機化合物よりもLUMOが高い材料をホストにすることで、発光層のホストに供給される電子をゲストがより受領しやすくすることができるからである。
本発明者らは種々の検討を行い、一般式(1)の有機化合物を、発光層のホスト又はゲストとして、特に、発光層のゲストとして用いると、高効率で高輝度な光出力を呈し、かつ極めて耐久性が高い素子が得られることを見出した。この発光層は単層でも複層でも良い。複層とは発光層と別の発光層とが積層している状態を意味する。この場合、有機発光素子の発光色は赤に限られない。より具体的には白色でもよいし、中間色でもよい。白色の場合、別の発光層が赤以外の色、すなわち青色や緑色を発光する。また、製膜方法も蒸着もしくは塗布製膜で製膜を行う。
ここで、本実施形態に係る有機化合物以外にも、必要に応じて従来公知の低分子系及び高分子系のホール注入性化合物あるいはホール輸送性化合物、ホストとなる化合物、発光性化合物、電子注入性化合物あるいは電子輸送性化合物等を一緒に使用することができる。
以下にこれらの化合物例を挙げる。
ホール注入輸送性材料としては、陽極からのホールの注入を容易にして、かつ注入されたホールを発光層へ輸送できるようにホール移動度が高い材料が好ましい。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を抑制するために、ガラス転移点温度が高い材料が好ましい。ホール注入輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。さらに上記のホール注入輸送性材料は、電子ブロッキング層にも好適に使用される。
以下に、ホール注入輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2020063204
主に発光機能に関わる発光材料としては、一般式[1]で表わされる有機化合物の他に、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。
本発明の有機化合物は、バンドギャップが狭く、HOMO/LUMOエネルギーが低い化合物であるため、他の発光材料との混合層を形成する場合や、発光層を積層する場合には、他の発光材料も、同様にHOMO/LUMOエネルギーが低いことが好ましい。なぜなら、HOMO/LUMOエネルギーが高い場合、本発明の有機化合物とエキサイプレックスを形成するなどの、クエンチ成分やトラップ準位を形成する恐れがあるからである。
以下に、発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2020063204
発光層に含まれる発光層ホストあるいは発光アシスト材料としては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る有機化合物は、バンドギャップが狭く、HOMO/LUMOエネルギーが低い化合物であるため、ホスト材料も炭化水素から形成され、にHOMO/LUMOエネルギーが低いことが好ましい。なぜなら、ホスト材料が窒素原子などのヘテロ原子を含む場合、HOMO/LUMOエネルギーが高くなり、本発明の有機化合物とエキサイプレックスを形成するなどの、クエンチ成分やトラップ準位を形成する恐れがあるからである。
特に好ましくは、ホスト材料は分子骨格に、アントラセン、テトラセン、ペリレン、ピレン骨格を有していることが好ましい。なぜなら、上記のように炭化水素で構成されることに加え、本発明の有機化合物に十分なエネルギー移動を起こすことができるS1エネルギーを有しているからである。
以下に、発光層に含まれる発光層ホストあるいは発光アシスト材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2020063204
電子輸送性材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、ホール輸送性材料のホール移動度とのバランス等を考慮して選択される。電子輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)が挙げられる。さらに上記の電子輸送性材料は、ホールブロッキング層にも好適に使用される。
以下に、電子輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2020063204
(本発明の一実施形態に係る有機発光素子の構成)
有機発光素子は、基板の上に、陽極、有機化合物層、陰極を形成して設けられる。陰極の上には、保護層、カラーフィルタ等を設けてよい。カラーフィルタを設ける場合は、平坦化層を設けておくと好ましい。
本実施形態に係る有機発光素子は、トップエミッション型であっても、ボトムエミッション型であってもよい。トップエミッション型である場合は、基板と、基板側の電極が透過性であることが好ましい。ボトムエミッション型である場合は、基板とは逆側の電極が透過性であることが好ましい。
また、電極間の光学距離を調整することで、出射する光を強め合わせてもよい。強め合わせるためには、光学距離を強め合わせる光の波長の1/4倍、3/4倍であることが好ましい。より一般的には、mを自然数として、(2m−1)/4倍であることが好ましい。
基板は、石英、ガラス、シリコンウエハ、樹脂、金属等が挙げられる。また、基板上には、トランジスタなどのスイッチング素子や配線を備え、その上に絶縁層を備えてもよい。絶縁層としては、陽極2と配線の導通を確保するために、コンタクトホールを形成可能で、なおかつ未接続の配線との絶縁を確保できれば、材料は問わない。例えば、ポリイミド等の樹脂、酸化シリコン、窒化シリコンなどを用いることができる。
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きいものが良い。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン、等の金属単体やこれらを含む混合物、あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
反射電極として用いる場合には、例えばクロム、アルミニウム、銀、チタン、タングステン、モリブデン、又はこれらの合金、積層したものなどを用いることができる。また、透明電極として用いる場合には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛などの酸化物透明導電層などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。電極の形成には、フォトリソグラフィ技術を用いることができる。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよい。例えばリチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体またはこれらを含む混合物が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えばマグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム、銀−銅、亜鉛−銀等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
陰極の形成方法としては、特に限定されないが、直流及び交流スパッタリング法などを用いると、膜のカバレッジがよく、抵抗を下げやすいためより好ましい。
陰極の形成後に、封止部材を設けてもよい。例えば、陰極上に吸湿剤を設けたガラスを接着することで、有機EL層に対する水等の浸入を抑え、表示不良の発生を抑えることができる。また、別の実施形態としては、陰極上に窒化ケイ素等のパッシベーション膜を設け、有機EL層に対する水等の浸入を抑えてもよい。例えば、陰極を形成後に真空を破らずに別のチャンバーに搬送し、CVD法で厚さ2μmの窒化ケイ素膜を形成することで、保護層としてもよい。
また、各画素にカラーフィルタを設けてもよい。例えば、画素のサイズに合わせたカラーフィルタを別の基板上に設け、それと有機EL素子を設けた基板と貼り合わせてもよいし、酸化ケイ素等の封止膜上にフォトリソグラフィ技術を用いて、カラーフィルタをパターニングしてもよい。
本実施形態に係る有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成される。
本実施形態に係る有機発光素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いることができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
(本発明の一実施形態に係る有機発光素子の用途)
本実施形態に係る有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルタを有する発光装置等の用途がある。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された情報を処理する情報処理部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は、赤外線方式でも、静電容量方式でも、抵抗膜方式であっても、電磁誘導方式であってもよく、特に限定されない。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
次に、図面を参照しながら本実施形態に係る表示装置につい説明する。図1は、有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるTFT素子とを有する表示装置の例を示す断面模式図である。TFT素子は、能動素子の一例である。
図1の表示装置10は、ガラス等の基板11とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜12が設けられている。また符号13は金属のゲート電極13である。符号14はゲート絶縁膜14であり、15は半導体層である。
TFT素子18は、半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とを有している。TFT素子18の上部には絶縁膜19が設けられている。コンタクトホール20を介して有機発光素子を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
なお、有機発光素子に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図2に示される態様に限られるものではない。つまり陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFT素子ソース電極またはドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。
図1の表示装置10では有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってもよい。陰極23の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図1の表示装置10ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
また図1の表示装置10に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体が挙げられる。なお、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図1の表示装置10に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
基板内にトランジスタを設けるかどうかについては、精細度によって選択される。例えば1インチでQVGA程度の精細度の場合はSi基板内にトランジスタを設けることが好ましい。
図2は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。表示装置1000は、上部カバー1001と、下部カバー1009と、の間に、タッチパネル1003、表示パネル1005、フレーム1006、回路基板1007、バッテリー1008、を有してよい。タッチパネル1003および表示パネル1005は、フレキシブルプリント回路FPC1002、1004が接続されている。プリント基板1007には、トランジスタがプリントされている。バッテリー1008は、表示装置が携帯機器でなければ、設けなくてよいし、携帯機器であっても、この位置に設ける必要はない。
本実施形態に係る表示装置は、複数のレンズを有する光学部と、当該光学部を通過した光を受光する撮像素子とを有する撮像装置の表示部に用いられてよい。撮像装置は、撮像素子が取得した情報を表示する表示部を有してよい。また、表示部は、撮像装置の外部に露出した表示部であっても、ファインダ内に配置された表示部であってもよい。撮像装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであってよい。
図3(a)は、本実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。撮像装置1100は、ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102、筐体1103、操作部1104を有してよい。ビューファインダ1101は、本実施形態に係る表示装置を有してよい。その場合、表示装置は、撮像する画像のみならず、環境情報、撮像指示等を表示してよい。環境情報には、外光の強度、外光の向き、被写体の動く速度、被写体が遮蔽物に遮蔽される可能性等であってよい。
撮像に好適なタイミングはわずかな時間なので、少しでも早く情報を表示した方がよい。したがって、本発明の一実施形態に係る有機発光素子を用いた表示装置を用いるのが好ましい。有機発光素子は応答速度が速いからである。有機発光素子を用いた表示装置は、表示速度が求められる、これらの装置、液晶表示装置よりも好適に用いることができる。
撮像装置1100は、不図示の光学部を有する。光学部は複数のレンズを有し、筐体1103内に収容されている撮像素子に結像する。複数のレンズは、その相対位置を調整することで、焦点を調整することができる。この操作を自動で行うこともできる。
本実施形態に係る表示装置は、赤色、緑色、青色を有するカラーフィルタを有してよい。カラーフィルタは、当該赤色、緑色、青色がデルタ配列またはストライプ配置で配置されてよい。
本実施形態に係る表示装置は、携帯端末の表示部に用いられてもよい。その際には、表示機能と操作機能との双方を有してもよい。携帯端末としては、スマートフォン等の携帯電話、タブレット、ヘッドマウントディスプレイ等が挙げられる。
図3(b)は、本実施形態に係る電子機器の一例を表す模式図である。電子機器1200は、表示部1201と、操作部1202と、筐体1203を有する。筐体1203には、回路、当該回路を有するプリント基板、バッテリー、通信部、を有してよい。操作部1202は、ボタンであってもよいし、タッチパネル方式の反応部であってもよい。操作部は、指紋を認識してロックの解除等を行う、生体認識部であってもよい。通信部を有する電子機器は通信機器ということもできる。
図4は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。図10(a)は、テレビモニタやPCモニタ等の表示装置である。表示装置1300は、額縁1301を有し表示部1302を有する。表示部1302には、本実施形態に係る発光装置が用いられてよい。
額縁1301と、表示部1302を支える土台1303を有している。土台1303は、図4(a)の形態に限られない。額縁1301の下辺が土台を兼ねてもよい。
また、額縁1301および表示部1302は、曲がっていてもよい。その曲率半径は、5000mm以上6000mm以下であってよい。
図4(b)は本実施形態に係る表示装置の他の例を表す模式図である。図4(b)の表示装置1310は、折り曲げ可能に構成されており、いわゆるフォルダブルな表示装置である。表示装置1310は、第一表示部1311、第二表示部1312、筐体1313、屈曲点1314を有する。第一表示部1311と第二表示部1312とは、本実施形態に係る発光装置を有してよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、つなぎ目のない1枚の表示装置であってよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、屈曲点で分けることができる。第一表示部1311、第二表示部1312は、それぞれ異なる画像を表示してもよいし、第一および第二表示部とで一つの画像を表示してもよい。
図5(a)は、本実施形態に係る照明装置の一例を表す模式図である。照明装置1400は、筐体1401と、光源1402と、回路基板1403と、光学フィルム1404と、光拡散部1405と、を有してよい。光源は、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。光学フィルタは光源の演色性を向上させるフィルタであってよい。光拡散部は、ライトアップ等、光源の光を効果的に拡散し、広い範囲に光を届けることができる。光学フィルタ、光拡散部は、照明の光出射側に設けられてよい。必要に応じて、最外部にカバーを設けてもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。それらを調光する調光回路を有してよい。照明装置は本発明の有機発光素子とそれに接続される電源回路を有してよい。電源回路は、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。また、白とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。照明装置はカラーフィルタを有してもよい。
また、本実施形態に係る照明装置は、放熱部を有していてもよい。放熱部は装置内の熱を装置外へ放出するものであり、比熱の高い金属、液体シリコン等が挙げられる。
図5(b)は、本実施形態に係る移動体の一例である自動車の模式図である。当該自動車は灯具の一例であるテールランプを有する。自動車1500は、テールランプ1501を有し、ブレーキ操作等を行った際に、テールランプを点灯する形態であってよい。
テールランプ1501は、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。テールランプは、有機EL素子を保護する保護部材を有してよい。保護部材はある程度高い強度を有し、透明であれば材料は問わないが、ポリカーボネート等で構成されることが好ましい。ポリカーボネートにフランジカルボン酸誘導体、アクリロニトリル誘導体等を混ぜてよい。
自動車1500は、車体1503、それに取り付けられている窓1502を有してよい。窓は、自動車の前後を確認するための窓でなければ、透明なディスプレイであってもよい。当該透明なディスプレイは、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。この場合、有機発光素子が有する電極等の構成材料は透明な部材で構成される。
本実施形態に係る移動体は、船舶、航空機、ドローン等であってよい。移動体は、機体と当該機体に設けられた灯具を有してよい。灯具は、機体の位置を知らせるための発光をしてよい。灯具は本実施形態に係る有機発光素子を有する。
本実施形態に係る有機発光素子はスイッチング素子の一例であるTFTにより発光輝度が制御され、有機発光素子を複数面内に設けることでそれぞれの発光輝度により画像を表示することができる。なお、本実施形態に係るスイッチング素子は、TFTに限られず、低温ポリシリコンで形成されているトランジスタ、Si基板等の基板上に形成されたアクティブマトリクスドライバーであってもよい。基板上とは、その基板内ということもできる。これは精細度によって選択され、例えば1インチでQVGA程度の精細度の場合はSi基板上に有機発光素子を設けることが好ましい。本実施形態に係る有機発光素子を用いた表示装置を駆動することにより、良好な画質で、長時間表示にも安定な表示が可能になる。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]例示化合物A10の合成
Figure 2020063204
(1)化合物E2の合成
300mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物D1:13.1g(50mmol)
化合物D3:10.5g(50mmol)
エタノール:200ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で60度まで加熱した後、5M水酸化ナトリウム水溶液20mlを滴下した。滴下終了後80度に加熱して2時間攪拌した後冷却後、析出物の濾過を行い、水、エタノールで洗浄した後、80℃で減圧加熱乾燥を行い濃緑色の固体E1を18.7g(収率:86%)得た。
次に、E1 4.35g(10mmol)、D4 1.52g(10mmol)、o−キシレン100mlを200mlのナスフラスコに入れ、加熱、還流しながら8時間攪拌を行った。冷却後、この溶液を濃縮して茶褐色液体を得た。これをカラムクロマトグラフィー(トルエン/ヘプタン=2:3)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を行い、黄結晶のE2を4.68g(収率:84%)得た。
Figure 2020063204
(2)化合物E4の合成
300mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物D2:9.1g(50mmol)
化合物D3:10.5g(50mmol)
エタノール:200ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で60度まで加熱した後、5M水酸化ナトリウム水溶液20mlを滴下した。滴下終了後80度に加熱して2時間攪拌した後冷却後、析出物の濾過を行い、水、エタノールで洗浄した後、80℃で減圧加熱乾燥を行い濃緑色の固体E3を15.7g(収率:88%)得た。
次に、E3 7.12g(20mmol)、D5 5.18g(24mmol)、トルエン100mlを200mlナスフラスコに入れ、80℃まで加熱した。その後、亜硝酸イソアミル 2.80g(24mmol)をゆっくり滴下した後、110℃で3時間攪拌を行った。冷却後、水200ml×2回で洗浄した。この有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、この溶液を濾過後、ろ液を濃縮して茶褐色液体を得た。これをカラムクロマトグラフィー(トルエン/ヘプタン=2:3)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を行い、異性体の混合物である黄結晶のE4を7.74g(収率:80%)得た。
Figure 2020063204
(3)化合物E5の合成
200mlナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物E4:4.84g(10mmol)
Pd(PPhCl:0.50g(1mmol)
1,8―ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン:4.56g(30mmol)
DMF:80ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で150度に加熱して4時間攪拌を行った。これを冷却した後、メタノール60mlを加えて沈殿を析出させた後に濾過を行い、黄色固体を得た。この固体をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘプタン=1:4)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を行い、黄結晶の化合物E5を2.78g(収率:69%)得た。
(4)化合物E6の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物E5:2.4g(6mmol)
N−ブロモスクシンイミド:1.07g(6mmol)
アセトニトリル:100ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で60℃に加熱しこの温度(80℃)で8時間攪拌を行った。冷却して濃縮した後、この固体をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘプタン=1:4)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を2回行い、黄結晶の化合物E6を2.43g(収率:84%)得た。
(5)化合物E7の合成
100mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物E6:1.93g(4mmol)
トリエチルアミン:1.21g(12mmol)
Pd(PPhCl:0.056g(0.08mmol)
4,4,5,5―テトラメチルー1,3,2―ジオキサボロラン:1.54g(12mmol)
トルエン:30ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で加熱、還流しながら4時間攪拌を行った。これを冷却した後、メタノール5mlを加えた後に濾過を行い、ろ液を濃縮することで緑色固体を得た。固体をメタノールで分散洗浄した後、カラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘプタン=1:2)にて精製を行い、黄結晶の化合物E7を1.61g(収率:76%)得た。
Figure 2020063204
(6)化合物E8の合成
50mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物E2:1.11g(2mmol)
化合物E7:1.06g(2mmol)
Pd(PPh:0.04g
トルエン:20ml
エタノール:8ml
2M―炭酸ナトリウム水溶液:20ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で80℃に加熱しこの温度(80℃)で8時間攪拌を行った。反応終了後、エタノールを加えて結晶を析出させた後に結晶をろ別し、水、エタノール、ヘプタンで順次分散洗浄を行った。次に、得られた結晶をクロロベンゼンに加熱溶解した後、熱時ろ過をした後に再結晶を行うことにより、緑色結晶の化合物E8を1.32g(収率:75%)得た。
(7)例示化合物A10の合成
300ml反応容器内に、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物E8:0.88g(1mmol)
トリフルオロ酢酸:6ml
塩化メチレン:60ml
次に、水浴下において、下記試薬を反応容器内に入れた。
BF・OEt:2ml
次に、反応溶液を10分ほど撹拌した後、DDQ0.47g(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、2.1mmol)を入れた。次に、反応溶液を10分攪拌した後に、20度の水浴下でフェロセン0.39g(2.1mmol)を入れた。5分ほど撹拌したのち、メタノール60mlを加えた。このときに生じた赤色沈殿をろ過することで、赤色の固体を得た。次に、この固体をクロロベンゼンに溶解させ、ヘプタンで再結晶を行うことにより、赤色結晶のA10を0.80g(収率:90%)得た。
この化合物の純度はHPLCを用いて純度99%以上であることを確認した。
例示化合物A10の1×10−5mol/Lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、360nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った結果、616nmに最大強度を有するスペクトルを得た。
また、MALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて例示化合物A10の質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=876 計算値:C7036=876
[実施例2]例示化合物A16の合成
実施例1の(1)において、化合物D3に代えて下記に示す化合物E9を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物A16を得た。
Figure 2020063204
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて例示化合物A16の質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=904 計算値:C7240=904
[実施例3]例示化合物A17の合成
実施例1の(1)において、化合物D3に代えて下記に示す化合物E10を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物A17を得た。
Figure 2020063204
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて例示化合物A17の質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=1100 計算値:C8668=1100
[実施例4]例示化合物A18の合成
実施例1の(1)において、化合物D3に代えて下記に示す化合物E11を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物A18を得た。
Figure 2020063204
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて例示化合物A18の質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=1028 計算値:C8244=1028
[実施例5]例示化合物A21の合成
実施例1の(2)において、化合物D3に代えて下記に示す化合物E12を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物A21を得た。
Figure 2020063204
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて例示化合物A21の質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=951 計算値:C8244=951
[実施例6]例示化合物A23の合成
実施例1の(1)において、化合物D3に代えて化合物E11を、実施例1の(2)において、化合物D3に代えて化合物E12を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物A23を得た。
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて例示化合物A23の質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=1042 計算値:C8848=1042
[実施例7]例示化合物B2の合成
実施例1の(1)において、化合物D3に代えて下記に示す化合物E11を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物B2を得た。
Figure 2020063204
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて例示化合物B2の質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=872 計算値:C6428=872
[実施例8]例示化合物B9の合成
実施例1の(1)において、化合物D4に代えて下記に示す化合物E12を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物B9を得た。
Figure 2020063204
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて例示化合物B9の質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=1055 計算値:C8345N=1055
[実施例9]
本実施例では、基板上に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、陰極が順次形成されたボトムエミッション型の有機EL素子を作製した。
先ずガラス基板上にITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。この時、ITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。次に、1.33×10−4Paの真空チャンバー内における抵抗加熱による真空蒸着を行って、上記ITO基板上に、下記表5に示す有機EL層及び電極層を連続成膜した。なお、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。
Figure 2020063204
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。発光素子の最大ピーク波長は617nmであり、色度は(X,Y)=(0.69、0.31)の赤色発光を得られた。有機発光素子の電流電圧特性は、ヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定した。有機発光素子の発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。さらに、電流密度100mA/cmでの連続駆動試験を行い、輝度劣化率が5%に達した時の時間を測定したところ、500時間を越えた。測定の結果を表6に示す。
[実施例10乃至16、比較例1]
実施例9において、表6に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例9と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例9と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表6に示す。
Figure 2020063204
表6より、比較例1の赤の色度座標はそれぞれ(0.67、0.33)であった。一般式(1)の有機化合物を赤発光層に用いた赤色発光素子、実施例の有機発光素子と比較化合物(1)を赤発光層に用いた赤色発光素子、比較例の有機発光素子とを比較した。表6の通り、実施例の有機発光素子の方が、長波長な赤色を発したことがわかる。すなわち、実施例の有機発光素子の方が、BT−2020の色度座標(0.71,0.29)に近く、色再現性が高い素子である。実施例の有機発光素子が、長波長な赤色を発光することは、本発明の一実施形態に係る有機化合物がより長波長で赤発光することに起因する。
[実施例17]
本実施例では、基板上に陽極、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、第一発光層、第二発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、陰極が順次形成されたトップエミッション型の有機発光素子を作製した。
ガラス基板上に、スパッタリング法でTiを40nm成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、陽極を形成した。なお、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。
続いて、真空蒸着装置(アルバック社製)に洗浄済みの電極までを形成した基板と材料を取り付け、1.33×10−4Pa(1×10−6Torr)まで排気した後、UV/オゾン洗浄を施した。その後、下記表7に示される層構成で各層の製膜を行い、最後に、窒素雰囲気下において封止を行った。
Figure 2020063204
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。得られた素子は、すべて良好な白色発光を示した。得られた白色発光スペクトルから、RGBカラーフィルター透過後の赤の色度座標を見積もった。結果を他の実施例とともに表8に示す。
[実施例18乃至23、比較例2]
実施例において、表10に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例17と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例17と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表9に示す。
Figure 2020063204
表8より、比較例2の赤の色度座標はそれぞれ(0.68、0.32)であった。一般式(1)の有機化合物を赤発光層に用いた白色発光素子、すなわち、実施例の白色発光素子と、比較化合物1−Aを赤発光層に用いた白色発光素子、すなわち比較例の白色発光素子と、を比較した。表8の通り、実施例の白色発光素子の方が、より長波長な赤色成分を発していることがわかる。すなわち、実施例の白色発光素子の方が、BT−2020の色度座標(0.71,0.29)に近い赤色を発しており、色再現性が高いことがわかる。実施例の白色発光素子が長波長な赤色を発光することは、本発明の一実施形態に係る有機化合物がより長波長で赤発光することに起因する。
本発明の一実施形態に係る有機化合物は、長波長な赤色を発光する有機化合物である。このため、本発明の一実施形態に係る有機化合物を有機発光素子の構成材料として用いることで、良好な発光特性と優れた耐久特性を有する有機発光素子を得ることができる。
10 表示装置
11 基板
12 防湿膜
13 ゲート電極
14 ゲート絶縁膜
15 半導体層
16 ドレイン電極
17 ソース電極
18 TFT
19 絶縁膜
20 コンタクトホール
21 陽極
22 有機化合物層
23 陰極
24 第一保護層
25 第二保護層
1000 表示装置
1001 上部カバー
1002 フレキシブルプリント回路
1003 タッチパネル
1004 フレキシブルプリント回路
1005 表示パネル
1006 フレーム
1007 回路基板
1008 バッテリー
1009 下部カバー
1100 撮像装置
1101 ビューファインダ
1102 背面ディスプレイ
1103 操作部
1104 筐体
1200 携帯機器
1201 表示部
1202 操作部
1203 筐体
1300 表示装置
1301 額縁
1302 表示部
1303 土台
1310 表示装置
1311 第一表示部
1312 第二表示部
1313 筐体
1314 屈曲点
1500 自動車
1501 テールランプ
1502 窓
1503 車体

Claims (16)

  1. 下記一般式(1)に示されることを特徴とする有機化合物。
    Figure 2020063204

    式(1)において、R乃至R24は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及びシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
  2. 一般式(1)において、R乃至R24の少なくとも1つが、前記アリール基であることを特徴とする請求項1に記載の有機化合物。
  3. 一般式(1)において、R、R13、R20の少なくとも2つが、前記アリール基であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機化合物。
  4. 一般式(1)において、R、R13、R20のすべてが前記アリール基であることを特徴とする請求項3に記載の有機化合物。
  5. 前記アリール基がフェニル基であって、前記フェニル基はオルト位に置換基を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の有機化合物。
  6. 前記フェニル基がオルトに有する前記置換基は、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、シアノ基から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の有機化合物。
  7. 前記フェニル基がオルトに有する前記置換基は、フェニル基、炭素原子数1乃至10のアルキル基から選ばれることを特徴とする請求項6に記載の有機化合物。
  8. 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置されている有機化合物層と、を有する有機発光素子であって、
    前記有機化合物層は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機化合物を含有することを特徴とする有機発光素子。
  9. 前記有機化合物層が発光層であることを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子。
  10. 前記発光層と積層して配置される別の発光層を更に有し、前記別の発光層は前記発光層が発する発光色とは異なる色を発光することを特徴とする請求項8または9に記載の有機発光素子。
  11. 白色発光することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  12. 複数の画素を有し、前記複数の画素が、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されたトランジスタと、を有することを特徴とする表示装置。
  13. 複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、画像を表示する表示部と、を有し、
    前記表示部は、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部であり、前記表示部は請求項8乃至11のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする撮像装置。
  14. 請求項8乃至11のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する表示部と、前記表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有することを特徴とする電子機器。
  15. 請求項8乃至11のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する光源と、前記光源が発した光を拡散させる光拡散部または前記光源が発した光を透過する光学フィルムと、を有することを特徴とする照明装置。
  16. 請求項8乃至11のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する灯具と、前記灯具が設けられた機体とを有することを特徴とする移動体。
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