JP2020063123A - 媒体搬送装置、媒体処理装置及び後処理装置 - Google Patents

媒体搬送装置、媒体処理装置及び後処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】媒体を搬送ベルトに確実に吸着して搬送することができる媒体搬送装置、媒体処理装置及び後処理装置を提供する。【解決手段】媒体搬送装置28が有する搬送機構30は、複数の吸引孔が形成された環状の搬送ベルト29と、吸引孔を通じて搬送ベルト29に媒体12を吸着させる吸引機構38と、搬送ベルト29を回転させる回転機構37とを有する。吸引機構38は、第1吸引室R1と第2吸引室R2とを有する。搬送ベルト29に吸着した媒体12を第1搬送方向Y1に搬送し、媒体12を第2搬送方向Y2に搬送する過程で中間スタッカー32に受け渡す。第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔を介して吸引する風量は、第1吸引室R1が吸引孔を介して吸引する風量よりも多く、第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔を介して吸引する静圧は、第2吸引室R2が吸引孔を介して吸引する静圧よりも強い。【選択図】図3

Description

本発明は、媒体を搬送する媒体搬送装置、媒体処理装置及び後処理装置に関する。
この種の媒体搬送装置の一例として、特許文献1には、複数の孔部が形成された無端状のベルトが平版印刷版よりなる媒体を吸着して搬送し、ベルトの下方に位置する集積部(媒体受け部の一例)に集積する集積装置が開示されている。集積装置は、ベルトを搬送方向に向けて移動可能に回転させる移送手段(回転機構の一例)と、孔部から吸気してベルトに媒体を吸着させる吸着手段(吸引機構の一例)とを備える。吸着手段は、真空ポンプとサクションチャンバー(吸引室)とを有し、サクションチャンバーを介してベルトの孔部から吸気し、媒体をベルトに吸着して集積部上に搬送する。媒体がベルトによってストッパー板の近傍まで吸着搬送されると、真空ポンプが停止し、媒体は慣性力で先端部がストッパー板と接触して位置決めされた状態で集積部に投下される。
特開2008−266020号公報
しかし、特許文献1に記載の媒体搬送装置では、ベルトの吸引室に面する部分の全ての孔部のうち一部の孔部が媒体によって塞がれていない搬送途中では、一部の孔部からの空気の漏洩により安定して媒体を搬送できない恐れがある。
上記課題を解決する媒体搬送装置は、排出された媒体を媒体受け部に搬送する搬送機構を備える媒体搬送装置であって、前記搬送機構は、複数の孔が形成された環状の搬送ベルトと、前記孔を通じて吸引することによって前記搬送ベルトに媒体を吸着させる吸引機構と、前記搬送ベルトを、媒体を第1搬送方向に搬送するときの第1回転方向と、媒体を前記第1搬送方向とは反対の第2搬送方向に搬送するときの回転方向であって前記第1回転方向とは反対の第2回転方向とに回転させる回転機構と、を有し、前記吸引機構は、前記搬送ベルトにおいて媒体を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室と、前記第1吸引室よりも前記第1搬送方向において上流に配置された第2吸引室と、を有し、前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させることで、排出部から排出された媒体を前記搬送ベルトに吸着して前記第1搬送方向に搬送し、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させることで、前記搬送ベルトに吸着した前記媒体を前記第2搬送方向に搬送して媒体受け部に受け渡し、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量は、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量よりも多く、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧は、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧よりも強い。
上記課題を解決する媒体搬送装置は、排出された媒体を媒体受け部に搬送する搬送機構を備える媒体搬送装置であって、前記搬送機構は、複数の孔が形成された環状の搬送ベルトと、前記孔を通じて吸引することによって前記搬送ベルトに媒体を吸着させる吸引機構と、前記搬送ベルトを、媒体を第1搬送方向に搬送するときの第1回転方向と、媒体を前記第1搬送方向とは反対の第2搬送方向に搬送するときの回転方向であって前記第1回転方向とは反対の第2回転方向とに回転させる回転機構と、を有し、前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させることで、排出部から排出された媒体を前記搬送ベルトに吸着して前記第1搬送方向に搬送し、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させることで、前記搬送ベルトに吸着した前記媒体を前記第2搬送方向に搬送して媒体受け部に受け渡し、前記吸引機構は、前記搬送ベルトにおいて媒体を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室と、前記第1吸引室よりも前記第1搬送方向において上流側に配置された第2吸引室と、前記第1吸引室内を吸引する第1ファンと、前記第2吸引室内を吸引する第2ファンと、を有し、ファンの風量と静圧との関係を示す特性が、前記第1ファンは、多い風量よりも高い静圧が得られることを優先する静圧優先の特性を有し、前記第2ファンは、高い静圧よりも多い風量が得られることを優先する風量優先の特性を有する。
上記課題を解決する媒体処理装置は、媒体に処理を施す処理部と、排出された処理後の前記媒体を媒体受け部に搬送する搬送機構と、を備える媒体処理装置であって、前記搬送機構は、複数の孔が形成された環状の搬送ベルトと、前記孔を通じて吸引することによって前記搬送ベルトに媒体を吸着させる吸引機構と、前記搬送ベルトを、媒体を第1搬送方向に搬送するときの第1回転方向と、媒体を前記第1搬送方向とは反対の第2搬送方向に搬送するときの回転方向であって前記第1回転方向とは反対の第2回転方向とに回転させる回転機構と、を有し、前記吸引機構は、前記搬送ベルトにおいて媒体を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室と、前記第1吸引室よりも前記第1搬送方向において上流に配置された第2吸引室と、を有し、前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させることで、排出部から排出された媒体を前記搬送ベルトに吸着して前記第1搬送方向に搬送し、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させることで、前記搬送ベルトに吸着した前記媒体を前記第2搬送方向に搬送して媒体受け部に受け渡し、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量は、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量よりも多く、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧は、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧よりも強い。
上記課題を解決する後処理装置は、排出された媒体を媒体受け部に搬送する搬送機構と、前記媒体受け部が受けた前記媒体に後処理を施す後処理部と、を備える後処理装置であって、前記搬送機構は、複数の孔が形成された環状の搬送ベルトと、前記孔を通じて吸引することによって前記搬送ベルトに媒体を吸着させる吸引機構と、前記搬送ベルトを、媒体を第1搬送方向に搬送するときの第1回転方向と、媒体を前記第1搬送方向とは反対の第2搬送方向に搬送するときの回転方向であって前記第1回転方向とは反対の第2回転方向とに回転させる回転機構と、を有し、前記吸引機構は、前記搬送ベルトにおいて媒体を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室と、前記第1吸引室よりも前記第1搬送方向において上流に配置された第2吸引室と、を有し、前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させることで、排出部から排出された媒体を前記搬送ベルトに吸着して前記第1搬送方向に搬送し、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させることで、前記搬送ベルトに吸着した前記媒体を前記第2搬送方向に搬送して媒体受け部に受け渡し、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量は、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量よりも多く、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧は、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧よりも強い。
第1実施形態における後処理装置を備える媒体処理システムを示す模式側面図。 後処理装置において媒体搬送装置及び中間スタッカーを示す模式側断面図。 媒体搬送装置及び中間スタッカーを示す模式側断面図。 媒体搬送装置を示す模式側断面図。 媒体搬送装置を示す底面図。 媒体搬送装置の搬送ベルトの周辺を示す底面図。 中間スタッカー及び支持部材を示す平面図。 2つのファンの風量−静圧特性を示すグラフ。 媒体処理システムの電気的構成を示すブロック図。 媒体の先端が支持部材に支持された状態の媒体搬送装置を示す模式側断面図。 比較例において搬送ベルトにおける遮蔽壁の部分を示す模式側断面図。 実施例において搬送ベルトにおける遮蔽壁の部分を示す模式側断面図。 比較例において媒体の搬送方向を切り替えるときの切替位置を示す模式側断面図。 実施例において媒体の搬送方向を切り替えるときの切替位置を示す模式側断面図。 媒体が搬送ベルトから引き剥がされるときの媒体搬送装置を示す模式側断面図。 中間スタッカーに積載された媒体の束に後処理が施されるときの媒体搬送装置を示す模式側断面図。 第2実施形態の後処理装置において媒体搬送装置及び中間スタッカーを示す模式側断面図。 搬送ベルトから媒体が引き剥がされるときの媒体搬送装置を示す模式側断面図。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態における媒体搬送装置を備えた媒体処理装置の一例としての媒体処理システムについて、図面を参照して説明する。媒体処理システムは、例えば、用紙などの媒体に対する処理として媒体に液体の一例であるインクを吐出して文字や画像を印刷する印刷処理と、印刷された媒体を積載した媒体の束に施す後処理とを行う。
図1に示すように、媒体処理システム11は、媒体12に記録する印刷装置13と、記録された媒体12に後処理を施す後処理装置14と、印刷装置13と後処理装置14との間に位置する中間装置15とを備える。印刷装置13は、例えば、媒体12にインクを吐出し、文字や画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。後処理装置14は、印刷された媒体12に施す後処理として、複数の媒体12を綴じるステープル処理を行う。
媒体処理システム11には、印刷装置13から中間装置15を経由して後処理装置14まで続く図1に二点鎖線で示す搬送経路17が設けられている。媒体処理システム11は、搬送モーター18の駆動により搬送経路17に沿って媒体12を搬送する1つ又は複数の搬送ローラー対19を備える。なお、中間装置15や後処理装置14にはそれぞれが備える搬送ローラー対19を駆動する搬送モーター18を備える。
図面では、媒体処理システム11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、Z軸と交差する面に沿う方向をX軸及びY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、好ましくは互いに直交し、X軸とY軸は、水平面に沿う。以下の説明では、X軸と平行な方向を幅方向X、Z軸と平行な方向を鉛直方向Zともいい、幅方向Xと直交して搬送経路17に沿う方向を第1搬送方向Y1ともいう。第1搬送方向Y1は、搬送ローラー対19が媒体12を搬送する方向であり、上流側の印刷装置13から下流側の後処理装置14に向かう方向である。
印刷装置13には、媒体12を積層した状態で収容可能なカセット20が着脱可能に設けられている。カセット20は印刷装置13に複数設けられていてもよい。印刷装置13は、カセット20に収容された媒体12のうち、最上位の媒体12を送り出すピックアップローラー21と、ピックアップローラー21により送り出された媒体12を1枚ずつ分離する分離ローラー22とを備える。
印刷装置13は、搬送経路17沿いの位置に設けられて媒体12を支持する支持部23と、支持部23により支持された媒体12にノズル24から液体を吐出して記録する記録ヘッド25とを備える。記録ヘッド25は、搬送経路17を挟んで支持部23と対向する位置に設けられている。記録ヘッド25は、媒体12の幅全域に亘って配列された複数のノズルから一斉に液体を吐出可能なラインヘッドとしてもよいし、幅方向Xに移動しながら液体を吐出するシリアルヘッドとしてもよい。なお、本実施形態では、記録ヘッド25が、媒体12に対して処理の一例として記録処理を行う処理部の一例に相当する。
印刷装置13は、搬送経路17の一部分として、媒体12が排出される排出経路101と、媒体12がスイッチバック搬送されるスイッチバック経路102と、媒体12の姿勢が反転される反転経路103とを備える。記録ヘッド25により記録された媒体12は、排出経路101を通って排出部104に排出される。
両面印刷を実行する際、片面に印刷された媒体12は、スイッチバック経路102へ搬送された後、逆方向に搬送され、スイッチバック経路102から反転経路103へ搬送される。反転経路103で反転した媒体12は、再び記録ヘッド25へ給送され、記録ヘッド25により、既に印刷された面とは反対側の面に印刷される。こうして印刷装置13は、媒体12に両面印刷を行う。印刷装置13は、印刷した媒体12を排出部104又は中間装置15に向けて搬送する。
中間装置15は、搬送経路17の一部分として、導入経路201と、第1スイッチバック経路202と、第2スイッチバック経路203と、第1合流経路204と、第2合流経路205と、導出経路206とを備える。
印刷装置13から排出された媒体12は、中間装置15の導入経路201に導入される。媒体12は、導入経路201から、不図示のフラップなどによって、第1スイッチバック経路202又は第2スイッチバック経路203へ搬送される。第1スイッチバック経路202へ搬送された媒体12は、第1スイッチバック経路202でスイッチバック搬送されたのちに、第1合流経路204を通って導出経路206へ搬送される。一方、導入経路201から第2スイッチバック経路203へ搬送された媒体12は、第2スイッチバック経路203でスイッチバック搬送されたのちに、第2合流経路205を通って導出経路206へ搬送される。
中間装置15では、媒体12がスイッチバック搬送されることで、印刷装置13において直前に印刷された面が上方を向く姿勢から下方を向く姿勢へ反転される。これにより、導出経路206を通って中間装置15から後処理装置14へ導出される媒体12は、印刷装置13で直前に印刷された面が下方を向く姿勢となる。また、中間装置15内を搬送されることで媒体12の乾燥時間が確保される。このため、中間装置15から後処理装置14へは乾燥が進んだ媒体12が送られるため、後処理装置14内でインク等の液体の転写や、媒体12のカール等を抑制できる。
次に、後処理装置14の一実施形態について説明する。
図1に示すように、後処理装置14は、搬入された印刷後の媒体12を第1搬送方向Y1へ排出する排出部の一例としての搬送ローラー対19と、搬送ローラー対19から排出された媒体12を受け取って搬送する媒体搬送装置28と、媒体搬送装置28が搬送した媒体12を一時的に受ける媒体受け部の一例としての中間スタッカー32とを備える。媒体搬送装置28は、排出された媒体12を中間スタッカー32に搬送する搬送機構30を備える。搬送機構30よりも第1搬送方向Y1の上流の位置には、搬送ローラー対19により搬送される媒体12を検出する検出部31が配置されている。搬送機構30は、環状の搬送ベルト29を有し、搬送ベルト29に媒体12を吸着して搬送することで中間スタッカー32に媒体12を受け渡す。
後処理装置14は、中間スタッカー32に積載される媒体12に後処理を施す後処理部の一例としての後処理機構33と、中間スタッカー32から排出された後処理後の媒体12を積載する排出スタッカー34とを備える。
図2に示すように、中間スタッカー32は、搬送機構30により搬送ベルト29に吸着して搬送された後に搬送ベルト29から引き剥がされた媒体12を積載する媒体積載部35を備える。また、中間スタッカー32は、媒体積載部35上に積層された媒体12の第1搬送方向Y1の上流側の端である後端12r(図3参照)が突き当てられることで媒体12を整合する整合部36を備える。媒体積載部35は、整合部36側の端が反対側の端よりも鉛直方向Zの下方に位置する傾斜した姿勢に配置されている。
図2に示すように、搬送機構30は、媒体12の搬送経路に対して上方の位置に配置された状態でフレーム14Aに支持されている。搬送機構30は、媒体12を第1搬送方向Y1および第1搬送方向Y1とは反対の方向である第2搬送方向Y2に搬送する。搬送機構30は、中間スタッカー32に対して鉛直方向Zの上方の位置に配置され、中間スタッカー32と対向して位置する。搬送機構30は、搬送ベルト29に吸着した媒体12を、第1搬送方向Y1に搬送した後、搬送ベルト29を逆回転させて、媒体12を第2搬送方向Y2に逆搬送させるスイッチバック搬送を行う。搬送機構30は、第2搬送方向Y2に媒体12を逆搬送させる過程で、搬送ベルト29から媒体12を解放して媒体積載部35上へ案内する。媒体積載部35には、搬送ベルト29から媒体12が第2搬送方向Y2の下流の部分から引き剥がされながら受け渡される(図15参照)。
図2に示すように、搬送機構30は、複数の孔の一例としての吸引孔49(図5を参照)が形成された環状の搬送ベルト29を有している。また、搬送機構30は、搬送ベルト29を排出方向である第1搬送方向Y1と、第1搬送方向Y1とは反対の第2搬送方向Y2とに媒体12を搬送可能に回転させる回転機構37と、吸引孔49を通じて吸引することによって搬送ベルト29に媒体12を吸着させる吸引機構38とを備える。回転機構37は、搬送ベルト29を回転させるベルトモーター40(図9参照)と、ベルトモーター40の駆動により回転する駆動プーリー41と、駆動プーリー41の軸線と平行な軸線を中心に回転自在な従動プーリー42とを備える。
図2に示すように、中間スタッカー32は、斜めの姿勢で配置された媒体積載部35上に投下された媒体12の下降側の先端を突き当てて媒体12を幅方向Xと交差する方向に揃える前述の整合部36と、媒体12の幅方向Xの両側端に押し当てて媒体12を幅方向Xに揃える一対の整合部材52とを備える。媒体積載部35の整合部36側の端部近傍位置には、媒体積載部35上で積載された媒体12の束に後処理を施す後処理機構33が配置されている。後処理が施された後の媒体12の束は、媒体積載部35上から整合部36と反対の方向に向かって押し出される。後処理装置14は、押し出し方向の先に配置されたフレーム14Bの底部が開口して形成された排出口14Cを有する。押し出された媒体12の束は排出口14Cから排出され、図1に示す排出スタッカー34上に積載される。
図3に示すように、搬送ベルト29は、図2における正面視で駆動プーリー41及び従動プーリー42に台形環状に掛け渡されている。搬送ベルト29は、ベルトモーター40の駆動により駆動プーリー41及び従動プーリー42の外側を周回する。具体的には、回転機構37は、ベルトモーター40を正転駆動することにより、搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させる。回転機構37は、ベルトモーター40を逆転駆動することにより、搬送ベルト29を第1回転方向A1とは反対の方向である第2回転方向A2に回転させる。
図3に示すように、吸引機構38は、搬送ベルト29において媒体12を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室R1と、第1吸引室R1よりも第1搬送方向Y1において上流の位置に配置された第2吸引室R2とを有している。また、吸引機構38は、第1吸引室R1内を吸引する第1ファン45と、第2吸引室R2内を吸引する第2ファン46とを備える。第2吸引室R2は、ダクト47を介して第2ファン46と接続されている。
2つの吸引室R1,R2の一部が搬送ベルト29の一部で覆われている。2つの吸引室R1,R2は、搬送ベルト29で覆われる面の一部が吸引孔49(図5参照)を介して開口している。搬送ベルト29の吸引孔49には媒体12を吸着可能な吸引力が発生する。搬送ベルト29の外側の面のうち中間スタッカー32と対向する部分は、媒体12が吸着される吸着面29Aとなっている。搬送機構30は、搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させることで、搬送ローラー対19から排出された媒体12を第1搬送方向Y1に搬送し、搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させることで、媒体12を第2搬送方向Y2に搬送して中間スタッカー32に受け渡す。
図3に示すように、駆動プーリー41及び従動プーリー42には、複数の搬送ベルト29を幅方向Xに並べて掛け渡している(図5参照)。搬送ベルト29には、その厚さ方向に貫通する多数の吸引孔49が形成されている。
図3に示すように、吸引機構38は、第1ファン45と第2ファン46との駆動に伴って第1吸引室R1内と第2吸引室R2内とを共に負圧にし、両吸引室R1,R2と連通する図5に示す吸引孔49を通じて搬送ベルト29の吸着面29Aに媒体12を吸着する。すなわち、吸引機構38は、搬送ベルト29に形成された吸引孔49から空気を吸引する吸引方式により媒体12を搬送ベルト29に吸着する。
図4に示すように、搬送機構30は、搬送ベルト29に媒体12を吸着し、この状態で搬送ベルト29を回転させることで、搬送ベルト29と中間スタッカー32との間の領域において媒体12を搬送する。具体的には、回転機構37は、搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させることで、搬送ベルト29に吸着した媒体12を第1搬送方向Y1に搬送する。また、回転機構37は、搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させることで、搬送ベルト29に吸着した媒体12を第2搬送方向Y2に搬送する。回転機構37は、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送した後、第2搬送方向Y2に搬送するスイッチバック搬送し、第2搬送方向Y2への搬送過程で搬送ベルト29から媒体12を解放して、中間スタッカー32に受け渡す。
図4に示すように、搬送機構30は、同図に二点鎖線で示す媒体12の位置まで第1搬送方向Y1に搬送し、この位置から第2搬送方向Y2に搬送する過程で、搬送ベルト29から媒体12を引き剥がして解放する解放機構51(図5、図15参照)を備える。また、中間スタッカー32は、媒体積載部35に積載された媒体12を幅方向Xに位置を揃えて整合させる一対の整合部材52と、一対の整合部材52を幅方向Xに移動させる第1移動機構53(図3参照)とを備える。図3、図4では一対の整合部材52のうち一方のみ図示する。図3に示す第1移動機構53は、その駆動源となる電動モーター53Mと、電動モーター53Mの回転を幅方向Xの直動に変換する動力伝達機構53Tとを備える。
一対の整合部材52には、後述する引き剥がし部材の一例としての可動ガイド56(図15参照)の移動を許容する切り欠き59が形成されている。整合部材52は、媒体12の幅方向Xの端と接触して媒体12を整合する整合面60を有する。移動機構53は、一対の整合部材52を中間スタッカー32に受け渡される媒体12の幅に合わせて間隔を変更可能に幅方向Xに相対移動する。
図3に示すように、第1吸引室R1の搬送ベルト29を挟んだ対向位置もしくは当該対向位置よりも第1搬送方向Y1の下流となる位置には、搬送ベルト29に吸着された媒体12のうち搬送ベルト29の第1吸引室R1に対応する部分から垂れ下がった第1搬送方向Y1における先端となる前端12fを支持する支持部材61が配置されている。搬送ベルト29に一部が吸着された媒体12のうちその第1搬送方向Y1の下流で垂れ下がる部分の前端12fが支持部材61の支持面61Aに当たって摺動することで、搬送ベルト29の第1吸引室R1と対応する部分からの媒体12の垂れ下がり量を少なく抑えることができる。このため、媒体12が図3に示す少ない垂れ下がり量の状態を保ちつつ第1搬送方向Y1へ搬送されると、やがて搬送ベルト29の第1吸引室R1と対応する部分の全面に媒体12が吸着される(図10参照)。この状態では、搬送ベルト29の第1吸引室R1と対応する部分に位置する全ての吸引孔49が媒体12によって塞がれるため、第1吸引室R1に吸引孔49を介した空気の漏洩がなくなり、第1吸引室R1の静圧により媒体12は搬送ベルト29に強い保持力で吸着される。
2つの吸引室R1,R2は、役割が異なる。このため、吸引室R1,R2を吸引するのに、風量−静圧の関係で規定される特性の異なるファン45,46を使用している。2つの吸引室R1,R2のうち第1搬送方向Y1の上流側(図3における右側)の第2吸引室R2は、搬送ローラー対19から排出されて経路形成部材26を通って送られてきた媒体12を搬送ベルト29の吸着面29Aに吸着したのち第1搬送方向Y1の下流に位置する第1吸引室R1と対応する部分に受け渡す役割を有している。一方、第1吸引室R1は、搬送ベルト29の第1吸引室R1と対応する部分に吸着した媒体12を第1搬送方向Y1へ搬送した後、搬送方向を切り替えて第2搬送方向Y2に搬送するスイッチバック搬送の役割と、第2搬送方向Y2に搬送される過程で剥がし用ガイド58(図5、図15参照)による搬送ベルト29からの媒体12の引き剥がしをし易くする役割とを有している。
第2吸引室R2では、搬送ベルト29の吸引孔49が媒体12の搬送が進むに連れて媒体12によって塞がれていく。つまり、搬送ベルト29において第2吸引室R2に対応する部分の吸引孔49が全て媒体12によって塞がれるまでは、第2吸引室R2は吸引孔49を通じて外部と連通する。このように第2吸引室R2が、吸引孔49を介して外部と連通する状態にあっても、媒体12を搬送ベルト29の第2吸引室R2と対応する部分の吸着面29Aに吸着させる必要がある。このため、第2吸引室R2には、仮に搬送ベルト29の吸着面29Aから垂れ下がった部分も吸着面29Aまで引き寄せる吸引が可能な多い風量が必要になる。
また、第1吸引室R1では、搬送ベルト29の第2吸引室R2と対応する部分で吸着された媒体12が受け渡される。受け渡されたときは、第1吸引室R1と外部とを連通する吸引孔49が存在するが、搬送が進むに連れて媒体12は搬送ベルト29における第1吸引室R1と対応する部分の全面で吸着されるようになる。
媒体12が搬送ベルト29における第1吸引室R1と対応する部分に受け渡されたのち、搬送ベルト29における第1吸引室R1と対応する部分の全面で媒体12が吸着されて第1吸引室R1と外部とを連通する吸引孔49が存在しなくなる。このため、搬送ベルト29における第1吸引室R1に対応する部分の全ての吸引孔49が媒体12で塞がれたのちは、第1吸引室R1には媒体12を吸着状態に保持するために必要な高い静圧が必要になる。
また、搬送ベルト29の第1吸引室R1に対応する部分の風量が多いと、媒体12の一旦引き剥がされた部分が再び引き寄せられて吸着される恐れがあるので、媒体12の引き剥がしが行われる第1吸引室R1の吸引孔49を介した風量が少ないことが好ましい。また、第1吸引室R1は、静圧が搬送ベルト29のその対応する部分で媒体12が少しでも引き剥がされれば、吸引孔49を介して第1吸引室R1に空気が漏洩し、静圧が低下し、保持力が低下する。このため、第1吸引室R1は、搬送ベルト29から媒体12を引き剥がし易さの観点から、吸引孔49を介した風量が少なくかつ吸引孔49が塞がれたときの静圧が高いことが好ましい。
このため、搬送ベルト29における媒体12のスイッチバック搬送と引き剥がしが行われる部分に位置する第1吸引室R1内を吸引する第1ファン45には、多い風量よりも高い静圧が得られることを優先する静圧優先の特性を有するファンを用いている。また、搬送ベルト29における媒体12の受け渡しを担う部分に位置する第2吸引室R2内を吸引する第2ファン46には、高い静圧よりも多い風量が得られることを優先する風量優先の特性を有するファンを用いている。このように、第1ファン45は、多い風量よりも高い静圧が得られることを優先する静圧優先の特性を有し、第2ファン46は、高い静圧よりも多い風量が得られることを優先する風量優先の特性を有する。
このため、第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する風量は、第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する風量よりも多く、第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧は、第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧よりも強い。ここで、第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧とは、搬送ベルト29の第1吸引室R1と対応する部分の全ての吸引孔49が媒体12に塞がれているとき、つまり吸引孔49を介した風量が零のときの第1吸引室R1の静圧を指す。また、第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧とは、搬送ベルト29の第2吸引室R2と対応する部分の全ての吸引孔49が媒体12に塞がれているとき、つまり吸引孔49を介した風量が零のときの第2吸引室R2の静圧を指す。本例では、第1ファン45として、静圧優先の特性を有するターボファンを使用する。ターボファンは、高速回転の割に小型で済む。また、第2ファン46として、風量優先の特性を有するブロワファンを使用する。
また、図4に示すように、第1ファン45は、第1吸引室R1に直付けされている。また、第2ファン46は、ダクト47を通じて第2吸引室R2と接続されている。2つのファン45,46を共に対応する吸引室R1,R2に直付けできることが望ましいが、レイアウトの制限で一方しか直付けできない。そのため、本例では、スイッチバック搬送を担い高い静圧を必要とする第1吸引室R1を吸引する第1ファン45を第1吸引室R1に直付けとしている。そして、搬送ベルト29の吸着面29Aで第2吸引室R2に対応する部分から第1吸引室R1に対応する部分への媒体12の受け渡しを担う第2吸引室R2を吸引する第2ファン46については、第2吸引室R2に対してダクト47を通じて連通させている。そして、図4に示す側面視で、環状の搬送ベルト29の内方に第1吸引室R1に直付けされた第1ファン45を配置可能に複数のプーリー41,42の位置を設定している。第1ファン45を第1吸引室R1に直付けすることによりダクトを介する構成で問題となる圧力損失を低減し、図4に二点鎖線で示す媒体12のスイッチバック搬送過程に第1吸引室R1に所望の静圧が得られやすくなる。つまり、スイッチバック搬送過程で搬送ベルト29が媒体12を吸着させる保持力が確保されやすい。また、第2ファン46は、第2吸引室R2にダクト47を介して接続することで、図4に示す側面視で環状の搬送ベルト29の外方の位置に配置されている。
また、静圧優先の特性を有する第1ファン45は、風圧優先の特性を有する第2ファン46に比べ、サイズが小型である。そのため、2つのファン45,46のうち小型な方である一方を環状の搬送ベルト29の内方の位置に配置し、小型でない方である他方を環状の搬送ベルト29の外方の位置に配置した構成とも言える。
ここで、1つのファンで、第1吸引室R1に必要な静圧と、第2吸引室R2に必要な風量とを両立させようとすると、ファンが大型化する。大型のファンは、環状の搬送ベルト29の内方の位置に配置できないか、環状の搬送ベルト29の周長を長くしてその内方に広い配置スペースを確保する必要がある。これらの構成はいずれも、媒体搬送装置28の大型化を招く。そこで、本例では、吸引室を第1吸引室R1と第2吸引室R2とに分け、各吸引室R1,R2に必要な異なる風量−静圧特性を有する2つの異なるファン45,46を設ける。このため、1つのファンを設ける構成に比べ、ファン45,46の個々のサイズを小型とし、そのうち一方を環状の搬送ベルトの内側に配置できる。静圧優先の特性を有する第1ファン45の方が、風量優先の特性を有する第2ファン46よりも小型で済むうえ、静圧優先の特性を有する第1ファン45から第1吸引室R1までの流路での圧力損失を極力小さく抑えたい。そのため、第1ファン45を環状の搬送ベルト29の内方の位置に配置して第1吸引室R1に直付けとしている。これにより、媒体搬送装置28の小型化と、スイッチバック搬送過程での媒体12の吸着保持力の確保とを両立する。このように本例では、図4に示すように、第1吸引室R1に接続された第1ファン45は、第2吸引室R2に接続された第2ファン46よりも、搬送ベルト29における媒体12が吸着される面である吸着面29Aに近い位置に配置される。
図8は、風圧優先の第1ファン45と静圧優先の第2ファン46との風量−静圧特性の一例を示す。図8に示すグラフは、横軸が風量を示し、縦軸が静圧を示す。風量の単位はリットル/分(L/min)であり、静圧の単位はパスカル(Pa)である。図8に示すグラフにおいて一点鎖線で示すグラフ線LAが第1ファン45の風量−静圧特性を示し、同グラフにおいて、実線で示すグラフ線LBが第2ファン46の風量−静圧特性を示す。ここで、グラフ中のPAは、第1ファン45の最大静圧、QAは第1ファン45の最大風量である。また、グラフ中のPBは、第2ファン46の最大静圧、QBは第2ファン46の最大風量である。
図8に示すグラフの例において、第1ファン45では、風量0のときの最大静圧PがPAであり(P=PA)、静圧0のときの最大風量がQAである。第1ファン45は、点(0,PA)と点(QA,0)とを通る曲線で表されるグラフ線LAで示される風量−静圧特性を有する。また、第2ファン46では、風量0のときの最大静圧PがPBであり(P=PB)、静圧0のときの最大風量がQBである。第2ファン46は、点(0,PB)と点(QB,0)とを通る曲線で表されるグラフ線LBで示される風量−静圧特性を有する。これらのグラフ線LA,LBから分かるように、第1ファン45は、風量の割に静圧が高い静圧優先のファンであり、第2ファン46は、静圧の割に風量が多い風量優先のファンである。
また、最大静圧に対する最大風量の比は、第1ファン45がQA/PAであり、第2ファン46がQB/PBである。そして、QA/PA>QB/PBの関係にある。図8は、ファン45,46の風量−静圧特性の一例であり、ファン45,46にはQA/PA>QB/PBの関係にある異なるファンを適宜使用できる。なお、ファン45,46の風量−静圧特性は、例えばダブルチャンバーによる測定方法による。
次に、図5を参照して、搬送機構30の詳細な構成について説明する。なお、図5では、一対の搬送ベルト29のうち一方(図5では右側の一方)を取り外し二点鎖線で示している。搬送機構30は、前述のとおり、回転機構37と吸引機構38とを備える。回転機構37は、二本の回転軸41A,42Aにそれぞれ支持された複数のプーリー41,42と、複数のプーリー41,42に巻き掛けられた環状の搬送ベルト29とを備える。搬送ベルト29は、幅方向Xに所定の間隔を開けて一対設けられている。
搬送ベルト29の内側には吸引機構38を構成する第1吸引室R1と第2吸引室R2とが区画されたケース64が配置されている。ケース64における搬送ベルト29と対向する面には、第1吸引室R1の開口である第1開口66と、第2吸引室R2の開口である第2開口67とが開口している。第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する風量は、第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する風量よりも多い。第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧は、第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧よりも強い。
また、図5に示すように、搬送機構30は、前述の解放機構51を備える。解放機構51は、可動ガイド56と剥がし用ガイド58とを備える。可動ガイド56は、第1搬送方向Y1において、第1吸引室R1よりも上流の位置に配置されている。また、剥がし用ガイド58は、第1搬送方向Y1において、可動ガイド56よりも下流の位置に配置されている。剥がし用ガイド58は、第1搬送方向Y1において第1吸引室R1とおおよそ同じ位置に配置されている。
可動ガイド56は、第1回動軸55を中心に図5に示す第1ガイド位置と、図15に示す第2ガイド位置とに回動する。図5に示す第1ガイド位置にあるとき、可動ガイド56は、図3に示すように、吸着面29Aよりも搬送ベルト29の内方に位置する。図3等に示すように、搬送ベルト29に吸着された媒体12が第1搬送方向Y1に搬送されるとき、可動ガイド56は媒体12の搬送を妨げない。図15に示すように、可動ガイド56は、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12の搬送経路に進出して搬送ベルト29から媒体12を引き剥がす。媒体12の第2搬送方向Y2における先端である後端12rと可動ガイド56とは、第1吸引室R1の第1開口66(図5参照)の第2搬送方向Y2の下流側の端部より第2搬送方向Y2の下流の位置で当接する。可動ガイド56が、図15に示す第2ガイド位置にあるとき、スイッチバックにより第2搬送方向Y2に搬送される媒体12を搬送ベルト29から離れる方向へ案内することで吸着面29Aから引き剥がして解放する。
剥がし用ガイド58は、第2回動軸57を中心に図5に示す第1ガイド位置と、図15に二点鎖線で示す第2ガイド位置とに回動する。図5に示す第1ガイド位置にあるとき、剥がし用ガイド58は、図3に示すように、吸着面29Aよりも搬送ベルト29の内方に位置する。剥がし用ガイド58は、第2ガイド位置に配置された可動ガイド56が媒体12を搬送ベルト29から引き剥がす途中又は引き剥がしたのち、第1ガイド位置から図15に示す第2ガイド位置に回動する。剥がし用ガイド58は、先に第2ガイド位置に回動した可動ガイド56に遅れて第2ガイド位置に配置される。剥がし用ガイド58は、搬送ベルト29に吸着された媒体12のうち可動ガイド56よりも第2搬送方向Y2の上流寄りの部分を搬送ベルト29から引き剥がす機能を有している。
図5に示すように、可動ガイド56は、幅方向Xにおいて、一対の搬送ベルト29の間に設けられた第1可動ガイド56Aと、一対の搬送ベルト29の外側に配置された一対の第2可動ガイド56Bとを有する。可動ガイド56は、第1回動軸55を中心に正逆回転可能に支持されている。可動ガイド56は、例えばコイルばねの付勢力により第2ガイド位置から第1ガイド位置へ向かう閉じ方向に付勢されている。解放機構51は、解放機構51の駆動源である不図示の電動モーターの正逆転駆動によって駆動され、可動ガイド56を図5に示す第1ガイド位置と第2ガイド位置(図15参照)との間で回動させる。
可動ガイド56が第1ガイド位置に位置するとき、第1回動軸55から離れた可動ガイド56の先端は、第2搬送方向Y2において第1回動軸55よりも下流に位置する。可動ガイド56は、第1ガイド位置から先端が下がるように回動して、第2ガイド位置に配置される。搬送ベルト29に吸着されて第2搬送方向Y2に搬送される媒体12は、第2ガイド位置に位置する可動ガイド56により、第2搬送方向Y2の下流の斜め下方へ案内されることで吸着面29Aから引き剥がされる。なお、図4に示すように、第2ガイド位置にある可動ガイド56に対して第2搬送方向Y2の下流の位置には、第2ガイド位置に位置する可動ガイド56に案内されたのちの媒体12の部分がカール等で浮き上がっても、整合部36へ誘導するガイド面を有するガイド部材27が配置されている。
図5に示すように、剥がし用ガイド58は、幅方向Xにおいて、一対の搬送ベルト29の間に設けられた第1剥がし用ガイド58Aと、一対の搬送ベルト29の外側に配置された一対の第2剥がし用ガイド58Bとを有する。剥がし用ガイド58は、第2回動軸57を中心に正逆回転可能に支持されている。解放機構51は解放機構51の駆動源である不図示の電動モーターの正逆転駆動によって駆動され、剥がし用ガイド58を図5に示す第1ガイド位置と第2ガイド位置(図15参照)との間で回動させる。
図6に示すように、搬送ベルト29における中間スタッカー32と対向する吸着面29Aの部分を案内するケース64のガイド面65は、第1吸引室R1を外部と連通させる第1開口66と、第2吸引室R2を外部と連通させる第2開口67とを有する。ガイド面65は、第1搬送方向Y1において第1吸引室R1の第1開口66を挟む両側に2つの遮蔽壁65A,65Bを有する。第1遮蔽壁65Aは、第1吸引室R1の第1開口66と第2吸引室R2の第2開口67との境界の部分に位置し、第1搬送方向Y1に所定の幅寸法L1を有する。第2遮蔽壁65Bは、第1吸引室R1の第1開口66よりも第1搬送方向Y1の下流に位置し、第1搬送方向Y1に所定の幅寸法L2を有する。
遮蔽壁65A,65Bの第1搬送方向Y1における幅寸法L1,L2は、搬送ベルト29の吸引孔49の回転方向における長さ、つまり吸引孔49の直径D1よりも長く設定されている。これにより、吸引孔49を介して第1吸引室R1と第2吸引室R2とが連通することを回避する。例えば、図11に示すように、L1<D1であると、吸引孔49を介して第1吸引室R1と第2吸引室R2とが連通し、第2吸引室R2から第1吸引室R1へ空気が漏洩し、第1吸引室R1の負圧が小さくなってしまう。この場合、搬送ベルト29の第1吸引室R1に対応する部分における媒体12の保持力が低下し、媒体12の保持ミスや媒体12の搬送中の剥がれが発生しやすくなる。これに対して、本例では、図6に示す遮蔽壁65A,65Bの第1搬送方向Y1における幅寸法L1,L2を、L1>D1かつL2>D1とした。このため、図11に示すように吸引孔49を介して第1吸引室R1と第2吸引室R2とが連通すること、及び吸引孔49を介して第1吸引室R1と外部とが連通することを回避する。図12に示すように、L1>D1とすることで、吸引孔49を介して第1吸引室R1と第2吸引室R2とが連通することが無くなる。
搬送ベルト29による媒体12の保持力は、ファン45,46の静圧の大きさと、吸引孔49の面積で決まるので、必要な保持力が得られるように吸引孔49の総面積を大きく設定している。つまり、第1吸引室R1に確保される高い静圧との積で表される必要な保持力が得られるように吸引孔49の孔サイズ及び総面積を設定している。
また、図7に示すように、中間スタッカー32を構成する媒体積載部35は、想定される最大幅の媒体12Lの幅よりも幅方向Xに長い長さを有する。媒体積載部35の上面には、一対の整合部材52が、幅方向Xに移動可能に設けられている。
図3に示す一対の整合部材52を幅方向Xに移動させる動力を出力する駆動源の一例である電動モーター53Mの動力を一対の整合部材52に伝達する動力伝達機構53Tは、例えばベルト駆動方式である。電動モーター53Mの動力は、動力伝達機構53Tを構成する幅方向Xに張設された環状のベルトの正逆の周回運動に変換される。ベルトは幅方向Xの両端部で不図示の一対のプーリーに巻き掛けられることで、ベルトの周回時に互いに逆方向に移動する互いに平行な2本のベルト部を有する。一対の整合部材52は、不図示のガイドロッドに案内されて幅方向Xに移動可能に設けられ、二本のベルト部のそれぞれに連結されている。このため、図7に示す一対の整合部材52は、幅方向Xに互いに接近又は離間する方向に移動する。なお、電動モーター53Mは、一対の整合部材52のそれぞれに設けてもよい。また、動力伝達機構53Tは、ベルト駆動方式に替え、ボールねじ駆動方式など他の駆動方式でもよい。また、駆動源も、電動モーター53Mに限らず、例えば電動シリンダーでもよい。
一対の整合部材52は、電動モーター53Mの正転駆動時と逆転駆動時において互いに逆方向に移動する。一対の整合部材52は、最大幅の媒体12Lを幅方向Xにガイドできる図7に実線で示す第1位置と、最小幅の媒体12Sを幅方向Xにガイドできる図7に二点鎖線で示す第2位置との間を、幅方向Xに移動可能に構成されている。電動モーター53Mが正転駆動されると、一対の整合部材52は互いに接近する方向に移動し、電動モーター53Mが逆転駆動されると、一対の整合部材52は互いに離間する方向に移動する。なお、一対の整合部材52は、最大幅の媒体12Lをガイドできる図7に実線で示す第1位置よりも幅方向Xの外側の待機位置まで移動できる。一対の整合部材52は、媒体12の幅よりも広い間隔を開けて待機する。そして、搬送機構30から媒体積載部35へ媒体12が受容されると、媒体12が媒体積載部35上を整合部36に突き当てられるまでの過程で、待機位置から、媒体12の幅と同じ間隔になる整合位置まで間欠的に駆動させることで、媒体積載部35上の媒体12を幅方向Xに整合させる。なお、媒体積載部35上に搬送された媒体12を、整合部36に突き当てる方向に向かって積極的に送る送り機構を設けることが好ましい。
また、図7に示すように、支持部材61は、幅方向Xに一対設けられている。一対の支持部材61は、幅方向Xに移動可能に設けられている。媒体搬送装置28には、一対の支持部材61を幅方向Xに移動させる第2移動機構62(図9参照)を備える。一対の支持部材61は、第2移動機構62を構成する不図示の電動モーターの正転駆動時と逆転駆動時において互いに逆方向に移動する。一対の支持部材61は、最大幅の媒体12Lの垂れ下がった前端12fを支持可能な図7に実線で示す第1位置と、最小幅の媒体12Sの垂れ下がった前端12fを支持可能な図7に二点鎖線で示す第2位置との間を、幅方向Xに移動可能に構成されている。制御部80が、電動モーターを駆動制御することで、一対の支持部材61は幅方向Xに移動する。第2移動機構62の電動モーターが正転駆動されると、一対の支持部材61は互いに接近する方向に移動し、電動モーターが逆転駆動されると、一対の支持部材61は互いに離間する方向に移動する。そして、一対の支持部材61は、媒体12の幅に応じた間隔の位置に配置され、図3に示すように、搬送ベルト29における第2吸引室R2に対応する部分から第1吸引室R1に対応する部分に受け渡された吸着状態の媒体12のうち吸着されずに垂れ下がった前端12fを支持する。なお、電動モーターは、一対の支持部材61のそれぞれに設けてもよい。
こうして図3に示すように、一対の支持部材61は、媒体12の幅寸法よりも短い間隔をあけて位置し、搬送ベルト29に吸着された媒体12の第1搬送方向Y1の下流の部分で垂れ下がった前端12fを支持面61Aで支持する。支持部材61は、搬送ベルト29の吸着面29Aと平行、つまり第1搬送方向Y1に沿って延びている。媒体12は、垂れ下がる部分の長さが維持されたまま搬送ベルト29により第1搬送方向Y1へ搬送されることで、やがて搬送ベルト29の全面に吸着される(図10参照)。
図4に示すように、搬送ベルト29により第1搬送方向Y1に搬送された媒体12は、図4に二点鎖線で示す切替位置に到達する。切替位置は、媒体12を吸着した搬送ベルト29を第1回転方向A1から第2回転方向A2に変更して媒体12を第1搬送方向Y1から第2搬送方向Y2に切り替えるときの媒体12の位置であり、媒体12の第1搬送方向Y1の上流側となる端の位置で規定される。媒体12は、切替位置に達すると、その搬送方向が第1搬送方向Y1から第2搬送方向Y2へ切り替わる。
次に、図9を参照して、媒体処理システム11の電気的構成について説明する。
図9に示すように、媒体処理システム11は、媒体処理システム11における各機構の駆動を統括的に制御する制御部80を備える。制御部80には、入力系として、検出部31が電気的に接続されている。また、制御部80には、出力系として、搬送モーター18、記録ヘッド25、後処理機構33、ベルトモーター40、第1ファン45、第2ファン46、解放機構51、第1移動機構53及び第2移動機構62が、電気的に接続されている。制御部80は、第1カウンター81及び第2カウンター82を備える。
制御部80は検出部31からの検出信号を入力する。検出部31は、媒体12の有無を検出する。制御部80は、媒体12を検知しない非検知状態から媒体12を検知する検知状態へ切り替わることをもって、媒体12の前端12fを検出する。また、制御部80は、媒体12を検知する検知状態から媒体12を検知しない非検知状態へ切り替わることをもって、媒体12の後端12rを検出する。第1カウンター81は、検出部31が媒体12の後端12rを検出してから、搬送ローラー対19の回転を検出する不図示のエンコーダーから出力される媒体12の搬送距離に比例する数のパルスを含むパルス信号のパルス数を計数することで、媒体12の搬送位置を示す計数値を計数する。第2カウンター82は、媒体積載部35に受容された媒体12の数を計数する。制御部80は、搬送モーター18、記録ヘッド25、後処理機構33、ベルトモーター40、第1ファン45、第2ファン46、解放機構51、第1移動機構53及び第2移動機構62に対して制御信号を送信し、これらの動作を制御する。なお、制御部80は、例えば、図示しないCPU及びメモリーを有し、CPUがメモリーに記憶されたプログラムを実行することにより、各種の処理動作を行う。
次に、媒体12の搬送方向を切り替える切替位置について、図13、図14を参照して説明する。切替位置は、媒体12の第1搬送方向Y1の上流側の端である後端12rが到達する位置で規定される。切替位置は、第1搬送方向において、第1吸引室R1の第1開口66よりも上流の位置である。制御部80は、検出部31が媒体12の後端12rを検出した位置から第1カウンター81が検出部31の検出位置と切替位置との搬送経路上の距離に相当する所定の搬送量を計数し終わっときの媒体12の位置を、媒体12の搬送方向を第1搬送方向Y1から第2搬送方向Y2へ切り替える切替位置とする。第1搬送方向Y1における媒体12の後端12rが搬送ローラー対19から排出されて第1吸引室R1の第1開口66の位置よりも搬送ベルト29の吸引孔49の1つの長さ分上流に到達するまでに、搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させて媒体12を第2搬送方向Y2に搬送する。本実施形態では、第1搬送方向Y1において媒体12の後端12rが、第1吸引室R1の第1開口66の位置よりも、正確には第1開口66の上流側の端よりも、搬送ベルト29の吸引孔49の1つの長さ分よりも長い距離L3だけ上流寄りの位置に到達したときの位置を、切替位置としている。すなわち、図14に示すように、第1搬送方向Y1において第1吸引室R1の第1開口66の上流側の端よりも、吸引孔49の直径D1を超える長さL3だけ上流側の位置に後端12rが位置するときの媒体12の位置を切替位置に設定している(L3>D1)。
例えば、図13に示すように、第1搬送方向Y1において第1吸引室R1の第1開口66の上流側の端から上流に向かって媒体12の後端12rまでの距離L3が、吸引孔49の第1搬送方向Y1における長さ、つまり吸引孔49の直径D1よりも短い位置を切替位置とする(L3<D1)。この場合、図13に示すように、第1吸引室R1が吸引孔49を介して外部と連通して空気が漏洩し、図13に一点鎖線の矢印で示すように、外部から空気が第1吸引室R1に流入することで、第1吸引室R1の負圧が著しく低下する。この場合、搬送ベルト29の第1吸引室R1と対応する部分で媒体12が剥がれる心配がある。
そこで、本実施形態では、図14に示すように、第1搬送方向Y1において第1吸引室R1の第1開口66の上流側の端から上流に向かって媒体12の後端12rまでの距離L3を、第1搬送方向Y1における吸引孔49の長さ、つまり吸引孔49の直径D1よりも長くしている(L3>D1)。このため、吸引孔49と媒体12との第1搬送方向Y1における位置関係によらず、第1吸引室R1が吸引孔49を介して外部と連通することがなく、第1吸引室R1と連通する吸引孔49は全て媒体12によって塞がれる。このため、媒体12が切替位置に到達したときに第1吸引室R1に吸引孔49を介して空気が漏洩する心配がない。よって、媒体12が切替位置に到達するまで第1搬送方向Y1に搬送される間、第1吸引室R1は高い静圧に保持される。なお、制御部80が、媒体12の後端12rの位置と、搬送ベルト29の吸引孔49の位置とを管理し、第1搬送方向Y1において媒体12の後端12rが常に吸引孔49間の位置に配置されるように搬送ベルト29と媒体12とを位置制御する構成としてもよい。この場合、切替位置は、第1搬送方向Y1において媒体12の後端12rが、第1吸引室R1の開口66の位置よりも上流の位置となる位置であればよい。
また、図15に示すように、可動ガイド56は第1搬送方向Y1において第1吸引室R1と第2吸引室R2との間の第1遮蔽壁65A(図6参照)に相当する位置で媒体12を搬送ベルト29の吸着面29Aから引き剥がす。このため、切替位置における媒体12の後端12rの位置は、第1遮蔽壁65Aと対向する位置であることが好ましい。特に、切替位置における媒体12の後端12rの位置は、第2ガイド位置にある可動ガイド56と吸着面29Aとが交差する交差位置よりも第1搬送方向Y1の下流側の位置であることが好ましい。また、可動ガイド56は、第2ガイド位置にあるとき、吸着面29Aと交差する交差位置が第1搬送方向Y1において第2吸引室R2の第2開口67の下流側の端よりも下流側となる位置に設定されることが好ましい。これは、媒体12のうち可動ガイド56により引き剥がされない部分が第2吸引室R2の第2開口67に対向していると、剥がし用ガイド58が第2ガイド位置に配置されても、第2開口67と対向する部分の吸引孔49に吸引される風量の多い吸引気流により媒体12の吸着された残りの部分が引き剥がされにくくなるからである。
次に、媒体処理システム11の作用について説明する。
印刷装置13において記録ヘッド25が液体を吐出することで媒体12に印刷され、印刷後の媒体12は、中間装置15で反転された後、後処理装置14へ送られる。後処理装置14には、直前の印刷面が下面になる姿勢で媒体12が順次搬入される。
図4に示すように、後処理装置14内に搬入された媒体12は、搬送ローラー対19から第1搬送方向Y1に排出され、経路形成部材26に案内されて媒体搬送装置28に向かって搬送される。制御部80は、可動ガイド56及び剥がし用ガイド58を共に図5に示す第1ガイド位置に位置させた状態で第1ファン45及び第2ファン46を駆動させると共に、ベルトモーター40を正転駆動して搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させて待機する。
図4に示すように、媒体12は搬送ベルト29まで搬送されると、ガイド部材27の上面に案内されて搬送ベルト29の下面に誘導される。媒体12はまず搬送ベルト29の第2吸引室R2と対応する部分に吸着される。このとき、図4に示すように、搬送ベルト29の吸引孔49を介して第2吸引室R2が空気の漏洩する状態にあっても、第2ファン46の多い風量により、搬送ベルト29の吸引孔49には風量の多い吸引気流が発生する。このため、媒体12は先端部が仮に垂れ下がっていても、その先端部は吸引気流により吸着面29Aへ引き寄せられ搬送ベルト29に吸着される。こうして媒体12は搬送ベルト29の第2吸引室R2に対応する部分では全面が吸着される。
図3に示すように、媒体12は搬送ベルト29の第2吸引室R2に対応する部分から第1吸引室R1に対応する部分に受け渡される。静圧優先の特性を有する第1ファン45の駆動により第1吸引室R1には大きな吸引圧が発生する。図3に示すように、搬送ベルト29の吸引孔49を介して第1吸引室R1が空気の漏洩する状態にあるうちは、搬送ベルト29における第1吸引室R1に対応する部分の吸着力が低下する。このため、図3に示すように、媒体12の第1搬送方向Y1の先端部は搬送ベルト29に吸着されずに垂れ下がる。
しかし、媒体12の垂れたがった部分の前端12fは、搬送ベルト29の下方近くに位置する支持部材61の支持面61Aに当たり、媒体12の搬送が進むに連れて前端12fは支持面61A上を摺動する。このため、媒体12の搬送ベルト29から垂れ下がる量が所定範囲以下に制限される。そして、媒体12の垂れ下がる部分が、第1搬送方向Y1に搬送ベルト29の第1吸引室R1に対応する部分を過ぎると、図10に示すように、媒体12は搬送ベルト29の第1吸引室R1に対応する部分の全面に吸着される。こうして搬送ベルト29の第1吸引室R1に対応する部分の全ての吸引孔49を媒体12が塞ぐと、媒体12は吸引孔49を介して高い静圧で搬送ベルト29に保持される。
ここで、本例では、図6に示す遮蔽壁65A,65Bの第1搬送方向Y1における幅寸法L1,L2を、第1搬送方向Y1における吸引孔49の長さD1よりも長くしている(L1>D1かつL2>D1)。例えば、図11に示すように、L1<D1であると、吸引孔49を介して第1吸引室R1と第2吸引室R2とが連通し、第2吸引室R2から第1吸引室R1へ空気が漏洩し、第1吸引室R1の負圧が小さくなってしまう。この場合、搬送ベルト29の第1吸引室R1に対応する部分における媒体12の保持力が低下し、媒体12の保持ミスや媒体12の搬送中の剥がれが発生しやすくなる。これに対して、本例では、図6に示す遮蔽壁65A,65Bの第1搬送方向Y1における幅寸法L1,L2を、L1>D1かつL2>D1としている。このため、例えば、図12に示すように、第1遮蔽壁65Aと対向する部分で吸引孔49を介して第1吸引室R1と第2吸引室R2とが連通することを回避できるうえ、第2遮蔽壁65Bと対向する部分で吸引孔49を介して第1吸引室R1と外部とが連通することを回避できる。
その後、搬送ベルト29により第1搬送方向Y1に搬送された媒体12は、図4に二点鎖線で示す切替位置に到達する。図9に示す制御部80は、検出部31が媒体12の後端12rを検出してから、計数を開始した第1カウンター81が所定送り量の計数値を計数し終わると、後端12rが図14に示す位置にある切替位置に達したと判定する。制御部80は、媒体12が切替位置に到達すると、可動ガイド56を第1ガイド位置から図15に示す第2ガイド位置に移動させるとともに、ベルトモーター40を正転駆動から一時停止させたのちに逆転駆動させる。こうして、媒体12の後端12rが図4に二点鎖線で示す切替位置に達すると、可動ガイド56を第2ガイド位置に移動させ、かつ搬送ベルト29の回転を一時停止させた後、第2回転方向A2に回転させる。この結果、媒体12が切替位置に達すると、その搬送方向が第1搬送方向Y1から第2搬送方向Y2へ切り替わる。なお、検出部31が媒体12の後端12rを検出してから、第1カウンター81に経過時間を計時させ、経過時間が所定の時間に達した時点で、媒体12の搬送方向を第1搬送方向Y1から第2搬送方向Y2へ切り替えてもよい。
この切替位置は、第1搬送方向Y1において第1吸引室R1の第1開口66の上流側の端よりも、搬送ベルト29の吸引孔49の1つ分の長さ、つまり本例では吸引孔49の直径D1を超える距離L3だけ上流の位置に設定されている。例えば、図14に示すように、媒体12が切替位置にあるとき、第1搬送方向Y1における第1吸引室R1の第1開口66から上流に向かって媒体12の後端12rまでの距離L3が、第1搬送方向Y1における吸引孔49の長さでる直径D1よりも長くなっている(L3>D1)。このため、図14に示すように、第1吸引室R1が吸引孔49を介して外部と連通することがないので、第1吸引室R1に吸引孔49を介して空気が漏洩することがない。この結果、媒体12は、この切替位置に達するまで搬送ベルト29の第1吸引室R1と対応する部分に強い保持力で保持される。
図15に示すように、スイッチバックにより第2搬送方向Y2に搬送される媒体12は、第2ガイド位置にある可動ガイド56に案内されて搬送ベルト29から離間する斜め下方へ誘導されることで、搬送ベルト29の吸着面29Aから引き剥がされる。そして、媒体12が切替位置から第2搬送方向Y2に所定の引き剥がし位置まで搬送し終わると、剥がし用ガイド58が第1ガイド位置から図15に二点鎖線で示す第2ガイド位置に移動し、媒体12のうち搬送ベルト29の第1吸引室R1に対応する部分に吸着した部分を図15に二点鎖線で示すように搬送ベルト29から引き剥がす。こうして媒体12の引き剥がされた前端12f寄りの部分も媒体積載部35上に受け渡される。媒体積載部35上に受け渡された媒体12は、媒体積載部35の傾斜した載置面上を滑るとともにその移動する過程で不図示の送り機構により整合部36に向かって送られ、その後端12rが整合部36に突き当たることで幅方向Xと交差する搬送方向に揃えられる。
また、媒体積載部35上で媒体12が整合部36に突き当たるまでの過程で、一対の整合部材52が、待機位置から整合位置へ間欠的に幅方向Xに往復移動して媒体12の両側端を叩くことで、媒体12は幅方向Xにも揃えられる。こうして媒体積載部35上で媒体12は長手方向と幅方向との二方向で整合される。
以後、媒体12が搬送機構30により順次搬送され、媒体積載部35上に所定数の媒体12の束が積載されるまで、同様の搬送動作が繰り返し行われる。そして、図16に示すように、媒体積載部35上に所定数の媒体12を積載し終わる度に、媒体積載部35上に整列した媒体12の束に、後処理機構33が後処理としてステープル処理を施す。後処理を終えて綴じられた媒体12の束は、不図示の押出し機構により媒体積載部35から第1搬送方向Y1に向かって押し出され、排出口14Cから排出され、排出スタッカー34に積載される。このとき、一対の支持部材61は、図7における実線で示す最大間隔の位置よりもさらに幅方向Xの外側に位置する退避位置に退避し、媒体12の束の排出経路を確保する。このため、一対の支持部材61は、後処理後に排出される媒体12の束と接触することがない。
以上、説明したように、第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)媒体搬送装置28は、排出された媒体12を中間スタッカー32に搬送する搬送機構30を備える。搬送機構30は、複数の吸引孔49が形成された環状の搬送ベルト29を有する。また、搬送機構30は、吸引孔49を通じて吸引することによって搬送ベルト29に媒体12を吸着させる吸引機構38と、搬送ベルト29を回転させる回転機構37とを有する。回転機構37は、搬送ベルト29を、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送するときの第1回転方向A1と、媒体12を第1搬送方向Y1とは反対の第2搬送方向Y2に搬送するときの回転方向であって第1回転方向A1とは反対の第2回転方向A2とに回転させる。吸引機構38は、搬送ベルト29において媒体12を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室R1と、第1吸引室R1よりも第1搬送方向Y1において上流に配置された第2吸引室R2とを有する。搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させることで、搬送ローラー対19から排出された媒体12を搬送ベルト29に吸着して第1搬送方向Y1に搬送し、搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させることで、搬送ベルト29に吸着した媒体12を第2搬送方向Y2に搬送して中間スタッカー32に受け渡す。第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する風量は、第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する風量よりも多く、第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧は、第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧よりも強い。
このため、搬送ベルト29の第2吸引室R2と対応する部分に吸引孔49を介した多い風量の吸引気流により媒体12を引き寄せて吸着でき、搬送ベルト29の第1吸引室R1と対応する部分で吸引孔49を介して吸着した媒体12を強い静圧で保持できる。よって、媒体12を搬送ベルト29に確実に吸着して搬送することができる。吸引機構38の駆動源である第1ファン45と第2ファン46とにそれぞれが接続された第1吸引室R1と第2吸引室R2のそれぞれに必要な異なる特性が得られるように最適化できる。例えば、1つのファンを用いて2つの吸引室R1,R2の風量と静圧の要求を共に満たそうとすると、ファンの大型化及びファンの消費電力の増大が避けられない。この点で、2つのファン45,46にすることで、レイアウトの自由度が増え、媒体搬送装置28の小型化及び消費電力の低減に寄与する。また、搬送ベルト29の第2吸引室R2に対応する部分では、媒体12の搬送ベルト29から垂れ下がった部分を、吸引孔49へ流入する風量の多い吸引気流により搬送ベルト29へ引き寄せて吸着面29Aに吸着させることができる。また、搬送ベルト29の第2吸引室R2に対応する部分は、媒体12が少しでも引き剥がされれば吸引孔49から空気が漏洩して保持力が低下し、かつ風量が比較的少なく媒体12のうち一旦引き剥がされた部分が再び搬送ベルト29に吸着される事態を回避できる。よって、媒体12を比較的簡単に吸着面29Aから引き剥がすことができる。
(2)媒体搬送装置28は、排出された媒体12を中間スタッカー32に搬送する搬送機構30を備える。搬送機構30は、複数の吸引孔49が形成された環状の搬送ベルト29と、吸引孔49を通じて吸引することによって搬送ベルト29に媒体12を吸着させる吸引機構38と、搬送ベルト29を、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送するときの第1回転方向A1と、媒体12を第1搬送方向Y1とは反対の第2搬送方向Y2に搬送するときの回転方向であって第1回転方向A1とは反対の第2回転方向A2とに回転させる回転機構37と、を有する。搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させることで、搬送ローラー対19から排出された媒体12を搬送ベルト29に吸着して第1搬送方向Y1に搬送し、搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させることで、搬送ベルト29に吸着した媒体12を第2搬送方向Y2に搬送して中間スタッカー32に受け渡す。吸引機構38は、搬送ベルト29において媒体12を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室R1と、第1吸引室R1よりも第1搬送方向において上流側に配置された第2吸引室R2と、第1吸引室R1内を吸引する第1ファン45と、第2吸引室R2内を吸引する第2ファン46と、を有する。ファンの風量と静圧との関係を示す特性が、第1ファン45は、多い風量よりも高い静圧が得られることを優先する静圧優先の特性を有し、第2ファン46は、高い静圧よりも多い風量が得られることを優先する風量優先の特性を有する。よって、搬送ベルト29の第2吸引室R2と対応する部分では吸引孔49を介した多い風量で媒体12を引き寄せて吸着でき、搬送ベルト29の第1吸引室R1と対応する部分では吸引孔49を塞いで吸着された媒体12を強い静圧でしっかり保持できる。
(3)第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧は第2吸引室R2よりも強く、第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する風量は、第1吸引室R1よりも多い。よって、媒体12の垂れ下がった部分も吸引孔49を介した風量で引き寄せて搬送ベルト29に吸着させることができ、搬送ベルト29における第2吸引室R2に対応する部分から第1吸引室R1に対応する部分に受け渡された媒体12を静圧により搬送ベルト29に吸着して搬送することができる。搬送ベルト29における第1吸引室R1に対応する部分は、搬送ベルト29から媒体12が少しでも引き剥がされると、吸引孔49を介して空気が漏洩し、搬送ベルト29から引き剥がされやすい。よって、搬送ベルト29から媒体12を解放し、中間スタッカー32にスムーズに受け渡すことができる。
(4)吸引機構38は、吸引孔49を通じて媒体12を吸引する第1吸引室R1の開口66及び第2吸引室R2の開口67を有する。媒体12を吸着した搬送ベルト29を第1回転方向A1から第2回転方向A2に変更して媒体12の搬送方向を第1搬送方向Y1から第2搬送方向Y2へ切り替えるときに媒体12の第1搬送方向Y1の上流側の端である後端12rが位置する切替位置は、第1搬送方向Y1において、第1吸引室R1の開口66よりも上流の位置である。よって、第1吸引室R1の静圧を保持したまま媒体12を第1搬送方向Y1から第2搬送方向Y2に切り替えできる。例えば、第1吸引室R1に吸引孔49を介して空気が漏洩して搬送ベルト29から媒体12が部分的に剥がれることを回避できる。
(5)第1搬送方向Y1における媒体12の後端が搬送ローラー対19から排出されて第1吸引室R1の開口66の位置よりも搬送ベルト29の吸引孔49の1つの長さ分上流に到達するまでに、搬送ベルト29を第2搬送方向Y2に回転させて媒体12を第2搬送方向Y2に搬送する。よって、第1吸引室R1の静圧を保持したまま媒体12を第1搬送方向Y1から第2搬送方向Y2に切り替えできる。例えば、搬送ベルト29に吸着された媒体12と吸引孔49との位置関係によらず、第1吸引室R1に吸引孔49を介して空気が漏洩することを防止できるので、搬送ベルト29から媒体12が部分的に剥がれることを回避できる。
(6)第1吸引室R1の搬送ベルト29を挟んだ対向位置又は当該対向位置よりも第1搬送方向Y1に下流の位置には、搬送ベルト29に吸着された媒体12のうち搬送ベルト29の第1吸引室R1に対応する部分から垂れ下がった第1搬送方向Y1の先端を支持する支持部材61が配置される。よって、搬送ベルト29に吸着された媒体12のうち第1吸引室R1と対応する部分から垂れ下がった部分の先端が支持部材に支持されることで、媒体12の垂れ下がる部分の長さが制限される。よって、媒体12の搬送が進んだのちは媒体12を搬送ベルト29の第1吸引室R1に対応する部分に全ての吸引孔49を塞いだ状態に吸着できる。
(7)第1搬送方向Y1において第1吸引室R1の開口66を挟む両側には、搬送ベルト29の吸引孔49の回転方向における長さよりも長い遮蔽壁65A,65Bが配置される。よって、媒体12が搬送ベルト29の第1吸引室R1に対応する部分の全ての吸引孔49を塞いだ状態で、遮蔽壁65A,65Bが第1吸引室R1と連通する吸引孔49を塞ぐので、媒体12が吸着された状態で第1吸引室R1における吸引孔49を介した空気の漏洩を回避できる。
(8)媒体搬送装置28は、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12の搬送経路に進出して搬送ベルト29から媒体12を引き剥がす引き剥がし部材の一例である可動ガイド56を有する。媒体12の第2搬送方向Y2における先端と可動ガイド56とは、第1吸引室R1の開口66の第2搬送方向Y2の下流側の端部より第2搬送方向Y2の下流の位置で当接する。よって、第1吸引室R1の開口66よりも第2搬送方向Y2の下流の位置で媒体12を引き剥がすことで、引き剥がし部材による媒体12の引き剥がし中も第1吸引室R1の気密性を維持できる。例えば、媒体12の可動ガイド56よりも第2搬送方向Y2の上流に位置する部分が先に搬送ベルト29から剥がれる事態を回避できる。
(9)第1吸引室R1には第1ファン45が接続され、第2吸引室R2には第2ファン46が接続され、第1ファン45は第2ファン46よりも搬送ベルト29における媒体12が吸着される面である吸着面29Aに近い位置に配置される。よって、スペースに制約がある場合、第1ファン45と第2ファン46のうち機能を重視する第1ファン45を、第2吸引室R2に対する第2ファン46よりも、第1吸引室R1の近くに配置することで、第1吸引室R1における静圧の確保を満足できる。
(10)媒体処理装置の一例である媒体処理システム11は、媒体12に処理を施す記録ヘッド25と、排出された処理後の媒体12を中間スタッカー32に搬送する搬送機構30と、を備える。搬送機構30は、複数の吸引孔49が形成された環状の搬送ベルト29と、吸引孔49を通じて吸引することによって搬送ベルト29に媒体12を吸着させる吸引機構38と、搬送ベルト29を、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送するときの第1回転方向A1と、媒体12を第1搬送方向Y1とは反対の第2搬送方向Y2に搬送するときの回転方向であって第1回転方向A1とは反対の第2回転方向A2とに回転させる回転機構37と、を有する。吸引機構38は、搬送ベルト29において媒体12を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室R1と、第1吸引室R1よりも第1搬送方向Y1において上流に配置された第2吸引室R2と、を有する。搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させることで、搬送ローラー対19から排出された媒体12を搬送ベルト29に吸着して第1搬送方向Y1に搬送し、搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させることで、搬送ベルト29に吸着した媒体12を第2搬送方向Y2に搬送して中間スタッカー32に受け渡す。第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する風量は、第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する風量よりも多く、第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧は、第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧よりも強い。よって、媒体処理装置において、搬送ベルト29の第2吸引室R2と対応する部分に吸引孔49を介した多い風量で媒体12を引き寄せて吸着でき、搬送ベルト29の第1吸引室R1と対応する部分で吸引孔49を介して吸着した媒体12を強い静圧で保持できる。
(11)後処理装置14は、排出された媒体12を中間スタッカー32に搬送する搬送機構30と、中間スタッカー32が受けた媒体12に後処理を施す後処理機構33と、を備える。搬送機構30は、複数の吸引孔49が形成された環状の搬送ベルト29と、吸引孔49を通じて吸引することによって搬送ベルト29に媒体12を吸着させる吸引機構38と、搬送ベルト29を、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送するときの第1回転方向A1と、媒体12を第1搬送方向Y1とは反対の第2搬送方向Y2に搬送するときの回転方向であって第1回転方向A1とは反対の第2回転方向A2とに回転させる回転機構37と、を有する。吸引機構38は、搬送ベルト29において媒体12を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室R1と、第1吸引室R1よりも第1搬送方向Y1において上流に配置された第2吸引室R2と、を有する。搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させることで、搬送ローラー対19から排出された媒体12を搬送ベルト29に吸着して第1搬送方向Y1に搬送し、搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させることで、搬送ベルト29に吸着した媒体12を第2搬送方向Y2に搬送して中間スタッカー32に受け渡す。第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する風量は、第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する風量よりも多く、第1吸引室R1が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧は、第2吸引室R2が搬送ベルト29の吸引孔49を介して吸引する静圧よりも強い。よって、後処理装置において、搬送ベルト29の第2吸引室R2と対応する部分に吸引孔49を介した多い風量で媒体12を引き寄せて吸着でき、搬送ベルト29の第1吸引室R1と対応する部分で吸引孔49を介して吸着した媒体12を強い静圧で保持できる。
(第2実施形態)
次に、媒体搬送装置、媒体処理装置及び後処理装置14の第2実施形態について図17、図18を参照して説明する。なお、この第2実施形態は、搬送ベルト29に吸着した媒体12を第2搬送方向Y2に搬送する過程で、媒体12を搬送ベルト29から離間する方向に解放する解放機構の構成が第1実施形態と異なる。その他の点では第1実施形態とほぼ同様の構成であるため、同一の構成については同一の符号をしてその説明は省略する。
図17に示すように、後処理装置14は、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12を搬送ベルト29から引き剥がして解放する解放機構69を備える。解放機構69は、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12を搬送ベルト29から剥がす分離フラップ70と、分離フラップ70を付勢する例えばねじりばねなどの付勢部材71とを備える。分離フラップ70は、幅方向Xに互いに間隔を有して並ぶ複数であってもよい。分離フラップ70は、フラップ上面70Aとフラップ下面70Bとを有する。
複数の分離フラップ70は、一対の搬送ベルト29に幅方向Xに挟まれた1つと、一対の搬送ベルト29に対して幅方向Xの外側に配置された一対とを有する。一対の搬送ベルト29に挟まれた分離フラップ70は、搬送される全ての媒体12に共通して用いられ、媒体12を搬送ベルト29から分離させるように作用する。一方、一対の搬送ベルト29に対して幅方向Xの外側に配置された一対の分離フラップ70は、幅寸法が所定長さ以上の媒体12に対して幅方向Xの両側の部分に接触し、媒体12を搬送ベルト29から分離させるように作用する。これにより、異なるサイズの媒体12を搬送する場合でも、搬送ベルト29から媒体12を適切に分離させることができる。
分離フラップ70は、フラップ軸72を中心に回動可能に支持され、姿勢の変更が可能に構成されている。分離フラップ70は、図17に実線で示す第1フラップ位置と、図17に二点鎖線で示す第2フラップ位置とに移動可能である。付勢部材71は、分離フラップ70を第1フラップ位置に向かって付勢する。分離フラップ70が第1フラップ位置に位置するとき、フラップ上面70Aとフラップ下面70Bは、幅方向Xから見て搬送ベルト29における吸着面29Aと交差する。分離フラップ70が第1フラップ位置に位置するとき、フラップ上面70Aと吸着面29Aとがなす角度は鋭角であり、フラップ下面70Bと吸着面29Aとがなす角度は鈍角である。
本実施形態の解放機構69は、搬送ベルト29が巻き掛けられた複数のプーリー41,42のうち、第1搬送方向Y1において最も上流に位置する駆動プーリー41を中心として搬送機構30とフラップ軸72とを回動させる機能も備える。搬送ベルト29は、図17に示す第1ベルト位置と、第1ベルト位置よりも中間スタッカー32に近い図18に示す第2ベルト位置とに移動可能に構成される。なお、図9に示すように、制御部80が解放機構69を駆動制御する。
なお、回転機構37は、搬送ベルト29が巻き掛けられているプーリー41,42の数が異なる以外は、前記第1実施形態と同様の構成を有している。また、第1搬送方向Y1に第1吸引室R1の第1開口66を挟む両側には遮蔽壁65A,65Bが同様に設けられ、かつ第1吸引室R1の第1開口66の第1搬送方向Y1の上流側の端から第1搬送方向Y1に吸引孔49の1つの長さ、つまり直径D1を超える距離を離れた位置に、切替位置が同様に設定されている。また、第1吸引室R1に接続された第1ファン45と、第2吸引室R2に接続された第2ファン46とのそれぞれの風量−静圧特性は、前記第1実施形態と同様に、第1ファン45が風量優先の特性を有し、第2ファン46が静圧優先の特性を有する。さらに図17、図18では省略しているが、媒体搬送装置28は支持部材61も同様に有している。
次に、媒体搬送装置28の作用について説明する。
制御部80は、搬送ベルト29を第1ベルト位置に位置させた状態で第1ファン45及び第2ファン46を駆動させると共に、ベルトモーター40を正転駆動して搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させて待機する。分離フラップ70は、付勢部材71の付勢力により、図17に実線で示す第1フラップ位置に配置されている。
図17に示すように、媒体12が搬送ベルト29まで搬送されると、吸引機構38は、媒体12を吸着する。第1回転方向A1に回転する搬送ベルト29は、吸着した媒体12を第1搬送方向Y1に搬送する。媒体12が分離フラップ70まで搬送されると、媒体12は、前端12fがフラップ上面70Aに接触して分離フラップ70を押す。これにより、分離フラップ70は、付勢部材71の付勢力に抗して回動し、図17に二点鎖線で示す第2フラップ位置に移動する。
第1搬送方向Y1に搬送される媒体12が分離フラップ70を通過するとき、媒体12は、付勢部材71により付勢される分離フラップ70により搬送ベルト29に押し付けられる。搬送ベルト29に吸着された媒体12は、分離フラップ70と搬送ベルト29との間に挟まれた状態で搬送される。
制御部80は、検出部31が媒体12の後端12rを検出すると、媒体12の後端12rが分離フラップ70を抜けるのに必要な所定送り量の送りが行われた後、又は所定時間が経過した後にベルトモーター40の正転駆動を一時停止させる。続けて制御部80は、ベルトモーター40を逆転駆動して搬送ベルト29の回転方向を第1回転方向A1から第2回転方向A2へ切り替える。
搬送ベルト29の回転方向が第1回転方向A1から第2回転方向A2に変更されるとき、媒体12の後端12rが第1搬送方向Y1において分離フラップ70よりも下流側に位置する。媒体12が分離フラップ70から離れると、分離フラップ70は、付勢部材71の付勢力により第1フラップ位置に戻る。
制御部80は、搬送ベルト29の回転が一時停止された状態で解放機構69を駆動し、搬送ベルト29を第2ベルト位置に移動させ、第2ベルト位置にある搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させる。すなわち、解放機構69は、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送するときには、搬送ベルト29を第1ベルト位置に配置し、媒体12を第2搬送方向Y2に搬送するときには、搬送ベルト29を中間スタッカー32に近づけて第2ベルト位置に配置する。
図18に示すように、搬送ベルト29が第2回転方向A2に回転すると、媒体12は、第2搬送方向Y2に搬送される。このとき、分離フラップ70は、第1フラップ位置にあり、フラップ下面70Bの少なくとも一部は、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12の上面に接触し、媒体12を搬送ベルト29から剥がす。分離フラップ70により搬送ベルト29から剥がされた媒体12は、搬送ベルト29の下方に位置する中間スタッカー32に搬送される。中間スタッカー32に搬送された媒体12は、後端12rが整合部36に当たって位置決めされる。後処理機構33は、中間スタッカー32に所定数の媒体12が積載されると、媒体12に後処理を施す。
上記第2実施形態によれば、前記第1実施形態の効果に加え、以下に示す効果が得られる。
(12)解放機構69は、フラップ軸72を中心に回動可能に支持され、第1フラップ位置と第2フラップ位置とに姿勢の変更が可能に構成された分離フラップ70を備える。分離フラップ70は、付勢部材71により第2フラップ位置から第1フラップ位置に向かって付勢されている。搬送ベルト29に吸着されて第1搬送方向Y1に搬送される媒体12は、分離フラップ70を付勢部材71の付勢力に抗して第2フラップ位置に移動させ、分離フラップ70と搬送ベルト29との間を通って搬送される。一方、後端12rが分離フラップ70を通り過ぎた切替位置に到達すると、媒体12の搬送方向が第1搬送方向Y1から第2搬送方向Y2へ切り替わる。その後、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12は、第1フラップ位置に配置された分離フラップ70のフラップ下面70Bに沿って案内されることで、搬送ベルト29から媒体12を分離し解放することができる。
また、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送するときには搬送ベルト29を第1ベルト位置に位置させ、媒体12を第2搬送方向Y2に搬送するときには、搬送ベルト29を第1ベルト位置よりも中間スタッカー32に近い第2ベルト位置に位置させる。そのため、搬送ベルト29を中間スタッカー32に近づけた状態で、搬送ベルト29から媒体12を剥がすことができるため、媒体12を中間スタッカー32に速やかに積載できる。
なお、上記実施形態は以下に示す変更例のような形態に変更することもできる。さらに、上記実施形態および以下に示す変更例を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできるし、以下に示す変更例同士を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできる。
・図8に示す風量−静圧特性の曲線上で選択できるファン45,46の静圧及び風量の設定は、媒体12の厚さ及びサイズに応じて変化させてもよい。例えば、媒体12の厚さが第1厚さのときよりも、第1厚さよりも厚い第2厚さのときに、第1ファン45の静圧をより高くし、第2ファン46の風量をより多くする設定とする。また、媒体12のサイズが第1サイズのときよりも、第1サイズよりも大きな第2サイズのときに、第1ファン45の静圧をより高くし、第2ファン46の風量をより多くする設定とする。
・ファン45,46の静圧及び風量の設定を、媒体12に吐出された液体吐出量に応じて変化させてもよい。これは、媒体12の厚さが同じでも、媒体12の面積当たりの液体吐出量が多くなるほど、媒体12はカールしやすくなり、カールした媒体12をしっかり保持するうえで第1ファン45の静圧及び第2ファン46の風量をより高く設定するのが好ましいからである。例えば、媒体12に対する液体吐出量が第1吐出量のときよりも第1吐出量よりも多い第2吐出量のときに、第1ファン45の静圧をより高くし、かつ第2ファン46の風量をより多くする設定とする。なお、ここでいう液体吐出量とは、1つの媒体12に吐出される液体総吐出量を、媒体12の面積で割った、単位面積当たりの液体吐出量を指す。
・第2実施形態において、搬送ベルト29を第1ベルト位置と第2ベルト位置とに移動させたが、搬送ベルト29は第1実施形態と同様に位置の移動が不能な構成でもよい。この構成でも、分離フラップ70が、媒体12の第1搬送方向Y1への搬送を許容しつつ媒体12の第2搬送方向Y2への搬送過程に搬送ベルト29から媒体12を引き剥がすことができる。
・第2吸引室R2の開口が形成される部分に吸引孔49の一部を塞ぐ第2の遮蔽壁を設けてもよい。第2の遮蔽壁は、幅方向Xに吸引孔49の一部を塞ぐ位置に第1搬送方向Y1に沿って延びるように1つ又は複数形成する。この構成によれば、搬送ベルト29における第1吸引室R1に対応する部分で必要な保持力を確保するうえで必要な吸引孔49の開口サイズと、搬送ベルト29における第2吸引室R2に対応する部分で必要な吸着力を確保するうえで必要な吸引孔49の開口サイズとに、それぞれに異なるサイズを設定することができる。
・吸引機構38の2つの駆動源は、ファンに限定されず、ブロア又は真空ポンプでもよい。また、吸引機構38の2つの駆動源は、ファン、ブロア及び真空ポンプのうちから選択された2つの組み合わせでもよい。
・媒体処理システム11において中間装置15は無くてもよい。つまり、印刷装置13と後処理装置14とにより媒体処理システム11を構成してもよい。この場合、中間装置15の機能を後処理装置14に組み込んでもよい。つまり、後処理装置14は、印刷装置13から搬入した媒体12を内部で反転させたのち、媒体搬送装置28が媒体12の第1搬送方向Y1への搬送と第2搬送方向Y2への搬送を行って、媒体12を中間スタッカー32に搬送する構成でもよい。
・媒体搬送装置28は、後処理装置14に設けられていることに限定されない。印刷装置13が媒体搬送装置28を備えた構成でもよい。さらに、印刷装置13が媒体搬送装置28及び後処理機構33を有し、後処理機能付きの印刷装置を媒体処理装置の一例として構成してもよい。
・処理部は、印刷装置13において印刷処理を行う記録ヘッド25に限定されない。例えば、媒体12にコーティング処理を行う処理部、媒体12に熱処理を施す処理部、媒体12に付着した光硬化性樹脂に光硬化処理を施す処理部でもよい。媒体処理装置が有する処理部は、媒体12に対して処理を行うものであれば、適宜変更できる。そして、処理部で処理されて排出された媒体12を、第1搬送方向Y1への搬送と第2搬送方向Y2への搬送とを行う媒体処理装置であればよい。
・後処理部は、媒体受け部が受けた媒体にステープル処理を施すものに限定されない。後処理部は、媒体受け部の媒体に、パンチ穴を穿孔するパンチ処理、折り目を付ける折り処理、ミシン目を形成する処理を施すものでもよい。
・媒体は、用紙に限定されず、合成樹脂製のフィルムやシート、織物、不織布、ラミネートシートなどでもよい。
・印刷装置13は、印刷機能に加え、スキャナー機構及びコピー機能を有する複合機でもよい。
・印刷装置13は、インクジェット方式などの液体吐出方式に限定されず、ドットインパクト方式又は電子写真方式でもよい。また、印刷装置13は、捺染装置でもよい。
以下、前記実施形態及び変更例から把握される技術思想を効果と共に記載する。
排出された媒体を媒体受け部に搬送する搬送機構を備える媒体搬送装置であって、前記搬送機構は、複数の孔が形成された環状の搬送ベルトと、前記孔を通じて吸引することによって前記搬送ベルトに媒体を吸着させる吸引機構と、前記搬送ベルトを、媒体を第1搬送方向に搬送するときの第1回転方向と、媒体を前記第1搬送方向とは反対の第2搬送方向に搬送するときの回転方向であって前記第1回転方向とは反対の第2回転方向とに回転させる回転機構と、を有し、前記吸引機構は、前記搬送ベルトにおいて媒体を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室と、前記第1吸引室よりも前記第1搬送方向において上流に配置された第2吸引室と、を有し、前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させることで、排出部から排出された媒体を前記搬送ベルトに吸着して前記第1搬送方向に搬送し、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させることで、前記搬送ベルトに吸着した前記媒体を前記第2搬送方向に搬送して媒体受け部に受け渡し、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量は、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量よりも多く、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧は、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧よりも強い。
この構成によれば、搬送ベルトの第2吸引室と対応する部分では孔を介した多い風量で媒体を引き寄せて吸着でき、搬送ベルトの第1吸引室と対応する部分では孔を塞いで吸着した媒体を強い静圧で保持できる。
排出された媒体を媒体受け部に搬送する搬送機構を備える媒体搬送装置であって、前記搬送機構は、複数の孔が形成された環状の搬送ベルトと、前記孔を通じて吸引することによって前記搬送ベルトに媒体を吸着させる吸引機構と、前記搬送ベルトを、媒体を第1搬送方向に搬送するときの第1回転方向と、媒体を前記第1搬送方向とは反対の第2搬送方向に搬送するときの回転方向であって前記第1回転方向とは反対の第2回転方向とに回転させる回転機構と、を有し、前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させることで、排出部から排出された媒体を前記搬送ベルトに吸着して前記第1搬送方向に搬送し、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させることで、前記搬送ベルトに吸着した前記媒体を前記第2搬送方向に搬送して媒体受け部に受け渡し、前記吸引機構は、前記搬送ベルトにおいて媒体を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室と、前記第1吸引室よりも前記第1搬送方向において上流側に配置された第2吸引室と、前記第1吸引室内を吸引する第1ファンと、前記第2吸引室内を吸引する第2ファンと、を有し、ファンの風量と静圧との関係を示す特性が、前記第1ファンは、多い風量よりも高い静圧が得られることを優先する静圧優先の特性を有し、前記第2ファンは、高い静圧よりも多い風量が得られることを優先する風量優先の特性を有する。
この構成によれば、搬送ベルトの第2吸引室と対応する部分では孔を介した多い風量で媒体を引き寄せて吸着でき、搬送ベルトの第1吸引室と対応する部分では孔を塞いで吸着された媒体を強い静圧でしっかり保持できる。
上記媒体搬送装置において、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧は、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧よりも強く、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量は、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量よりも多いとよい。
この構成によれば、媒体の垂れ下がった部分も孔を介した風量で引き寄せて搬送ベルトに吸着させることができ、搬送ベルトにおける第2吸引室に対応する部分から第1吸引室に対応する部分に受け渡された媒体を静圧により搬送ベルトに吸着して搬送することができる。搬送ベルトにおける第1吸引室に対応する部分は、少しでも媒体が剥がされると、孔を介して空気が漏洩し、第1吸引室の静圧が下がるので、搬送ベルトから剥がされやすい。よって、搬送ベルトから吸着した媒体を解放し、媒体受け部にスムーズに受け渡すことができる。
上記媒体搬送装置において、前記吸引機構は、前記孔を通じて媒体を吸引する前記第1吸引室の開口及び前記第2吸引室の開口を有し、前記媒体を吸着した前記搬送ベルトを前記第1回転方向から前記第2回転方向に変更して前記媒体を搬送する方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向へ切り替えるときの前記第1搬送方向において上流側となる前記媒体の端が位置する切替位置は、前記第1搬送方向において、前記第1吸引室の開口よりも上流の位置であってもよい。
この構成によれば、第1吸引室の静圧を保持したまま媒体を第1搬送方向から第2搬送方向に切り替えできる。例えば、第1吸引室に孔を介して空気が漏洩して搬送ベルトから媒体が部分的に剥がれることを回避できる。
上記媒体搬送装置において、前記第1搬送方向における媒体の後端が前記排出部から排出されて前記第1吸引室の開口の位置よりも前記搬送ベルトの前記孔1つの長さ分上流に到達するまでに、前記搬送ベルトを前記第2搬送方向に回転させて媒体を前記第2搬送方向に搬送してもよい。
この構成によれば、第1吸引室の静圧を保持したまま媒体を第1搬送方向から第2搬送方向に切り替えできる。例えば、搬送ベルトに吸着された媒体と孔との位置関係によらず、第1吸引室に孔を介して空気が漏洩して搬送ベルトから媒体が部分的に剥がれることを回避できる。
上記媒体搬送装置において、前記第1吸引室の前記搬送ベルトを挟んだ対向位置又は当該対向位置よりも前記第1搬送方向に下流の位置には、前記搬送ベルトに吸着された媒体のうち前記搬送ベルトの前記第1吸引室に対応する部分から垂れ下がった前記第1搬送方向の先端を支持する支持部材が配置されてもよい。
この構成によれば、搬送ベルトに吸着された媒体のうち第1吸引室と対応する部分から垂れ下がった部分の先端が支持部材に支持されることで、媒体の垂れ下がる部分の長さが制限される。よって、媒体の搬送が進んだのちは媒体を搬送ベルトの第1吸引室に対応する部分に全ての孔を塞いだ状態に吸着できる。
上記媒体搬送装置において、前記第1搬送方向において前記第1吸引室の開口を挟む両側には、前記搬送ベルトの前記孔の回転方向における長さよりも長い遮蔽壁が配置されてもよい。
この構成によれば、媒体が搬送ベルトの第1吸引室に対応する部分の全ての孔を塞いだ状態で、遮蔽壁が第1吸引室と連通する孔を塞ぐので、媒体が吸着された状態で第1吸引室における孔を介した空気の漏洩を回避できる。
上記媒体搬送装置において、前記第2搬送方向に搬送される媒体の搬送経路に進出して前記搬送ベルトから媒体を引き剥がす引き剥がし部材を有し、媒体の前記第2搬送方向における先端と前記引き剥がし部材とは、前記第1吸引室の開口の前記第2搬送方向の下流側の端部より前記第2搬送方向の下流の位置で当接してもよい。
この構成によれば、第1吸引室の開口よりも第2搬送方向の下流の位置で媒体を引き剥がすことで、引き剥がし部材による媒体の引き剥がし中も第1吸引室の気密性を維持できる。例えば、媒体の引き剥がし部材よりも第2搬送方向の上流に位置する部分が先に搬送ベルトから剥がれる事態を回避できる。
上記媒体搬送装置において、前記第1吸引室には第1ファンが接続され、前記第2吸引室には第2ファンが接続され、前記第1ファンは前記第2ファンよりも前記搬送ベルトに近い位置に配置されてもよい。
この構成によれば、スペースに制約がある場合、第1ファンと第2ファンのうち機能を重視する第1ファンを、第2吸引室に対する第2ファンよりも、第1吸引室の近くに配置することで、吸引室における静圧の確保を満足できる。
媒体に処理を施す処理部と、排出された処理後の前記媒体を媒体受け部に搬送する搬送機構と、を備える媒体処理装置であって、前記搬送機構は、複数の孔が形成された環状の搬送ベルトと、前記孔を通じて吸引することによって前記搬送ベルトに媒体を吸着させる吸引機構と、前記搬送ベルトを、媒体を第1搬送方向に搬送するときの第1回転方向と、媒体を前記第1搬送方向とは反対の第2搬送方向に搬送するときの回転方向であって前記第1回転方向とは反対の第2回転方向とに回転させる回転機構と、を有し、前記吸引機構は、前記搬送ベルトにおいて媒体を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室と、前記第1吸引室よりも前記第1搬送方向において上流に配置された第2吸引室と、を有し、前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させることで、排出部から排出された媒体を前記搬送ベルトに吸着して前記第1搬送方向に搬送し、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させることで、前記搬送ベルトに吸着した前記媒体を前記第2搬送方向に搬送して媒体受け部に受け渡し、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量は、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量よりも多く、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧は、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧よりも強い。
この構成によれば、媒体処理装置において、搬送ベルトの第2吸引室と対応する部分に孔を介した多い風量で媒体を引き寄せて吸着でき、搬送ベルトの第1吸引室と対応する部分で孔を介して吸着した媒体を強い静圧で保持できる。
排出された媒体を媒体受け部に搬送する搬送機構と、前記媒体受け部が受けた前記媒体に後処理を施す後処理部と、を備える後処理装置であって、前記搬送機構は、複数の孔が形成された環状の搬送ベルトと、前記孔を通じて吸引することによって前記搬送ベルトに媒体を吸着させる吸引機構と、前記搬送ベルトを、媒体を第1搬送方向に搬送するときの第1回転方向と、媒体を前記第1搬送方向とは反対の第2搬送方向に搬送するときの回転方向であって前記第1回転方向とは反対の第2回転方向とに回転させる回転機構と、を有し、前記吸引機構は、前記搬送ベルトにおいて媒体を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室と、前記第1吸引室よりも前記第1搬送方向において上流に配置された第2吸引室と、を有し、前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させることで、排出部から排出された媒体を前記搬送ベルトに吸着して前記第1搬送方向に搬送し、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させることで、前記搬送ベルトに吸着した前記媒体を前記第2搬送方向に搬送して媒体受け部に受け渡しし、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量は、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量よりも多く、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧は、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧よりも強い。
この構成によれば、後処理装置において、搬送ベルトの第2吸引室と対応する部分に孔を介した多い風量で媒体を引き寄せて吸着でき、搬送ベルトの第1吸引室と対応する部分で孔を介して吸着した媒体を強い静圧で保持できる。
11…媒体処理装置の一例としての媒体処理システム、12,12S,12L…媒体、12f…前端、12r…後端、13…印刷装置、14…後処理装置、15…中間装置、17…搬送経路、18…搬送モーター、19…排出部の一例としての搬送ローラー対、20…カセット、21…ピックアップローラー、22…分離ローラー、23…支持部、24…ノズル、25…記録ヘッド、26…経路形成部材、27…ガイド部材、28…媒体搬送装置、29…搬送ベルト、29A…吸着面、30…搬送機構、31…検出部、32…媒体受け部の一例としての中間スタッカー、33…後処理機構、34…排出スタッカー、35…媒体積載部、36…整合部、37…回転機構、38…吸引機構、40…ベルトモーター、41…駆動プーリー、42…従動プーリー、45…第1ファン、46…第2ファン、47…ダクト、49…孔の一例としての吸引孔、51…解放機構、52…整合部材、53…第1移動機構、55…ガイド軸、56…引き剥がし部材の一例としての可動ガイド、57…ガイドモーター、59…切り欠き、60…整合面、61…支持部材、62…第2移動機構、64…ケース、65…ガイド面、65A…遮蔽壁の一例としての第1遮蔽壁、65B…遮蔽壁の一例としての第2遮蔽壁、66…第1吸引室の開口の一例としての第1開口、67…第2吸引室の開口の一例としての第2開口、69…解放機構、70…分離フラップ、71…付勢部材、72…フラップ軸、80…制御部、81…第1カウンター、82…第2カウンター、A1…第1回転方向、A2…第2回転方向、X…幅方向、Y1…第1搬送方向、Y2…第2搬送方向、Z…鉛直方向、R1…第1吸引室、R2…第2吸引室、D1…孔の長さの一例としての直径、L1…幅寸法、L2…幅寸法、L3…距離。

Claims (11)

  1. 排出された媒体を媒体受け部に搬送する搬送機構を備える媒体搬送装置であって、
    前記搬送機構は、
    複数の孔が形成された環状の搬送ベルトと、
    前記孔を通じて吸引することによって前記搬送ベルトに媒体を吸着させる吸引機構と、
    前記搬送ベルトを、媒体を第1搬送方向に搬送するときの第1回転方向と、媒体を前記第1搬送方向とは反対の第2搬送方向に搬送するときの回転方向であって前記第1回転方向とは反対の第2回転方向とに回転させる回転機構と、を有し、
    前記吸引機構は、前記搬送ベルトにおいて媒体を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室と、前記第1吸引室よりも前記第1搬送方向において上流に配置された第2吸引室と、を有し、
    前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させることで、排出部から排出された媒体を前記搬送ベルトに吸着して前記第1搬送方向に搬送し、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させることで、前記搬送ベルトに吸着した前記媒体を前記第2搬送方向に搬送して媒体受け部に受け渡し、
    前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量は、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量よりも多く、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧は、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧よりも強い、ことを特徴とする媒体搬送装置。
  2. 排出された媒体を媒体受け部に搬送する搬送機構を備える媒体搬送装置であって、
    前記搬送機構は、
    複数の孔が形成された環状の搬送ベルトと、
    前記孔を通じて吸引することによって前記搬送ベルトに媒体を吸着させる吸引機構と、
    前記搬送ベルトを、媒体を第1搬送方向に搬送するときの第1回転方向と、媒体を前記第1搬送方向とは反対の第2搬送方向に搬送するときの回転方向であって前記第1回転方向とは反対の第2回転方向とに回転させる回転機構と、を有し、
    前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させることで、排出部から排出された媒体を前記搬送ベルトに吸着して前記第1搬送方向に搬送し、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させることで、前記搬送ベルトに吸着した前記媒体を前記第2搬送方向に搬送して媒体受け部に受け渡し、
    前記吸引機構は、前記搬送ベルトにおいて媒体を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室と、前記第1吸引室よりも前記第1搬送方向において上流側に配置された第2吸引室と、
    前記第1吸引室内を吸引する第1ファンと、
    前記第2吸引室内を吸引する第2ファンと、を有し、
    ファンの風量と静圧との関係を示す特性が、前記第1ファンは、多い風量よりも高い静圧が得られることを優先する静圧優先の特性を有し、前記第2ファンは、高い静圧よりも多い風量が得られることを優先する風量優先の特性を有する、ことを特徴とする媒体搬送装置。
  3. 前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧は、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧よりも強く、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量は、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量よりも多い、ことを特徴とする請求項2に記載の媒体搬送装置。
  4. 前記吸引機構は、前記孔を通じて媒体を吸引する前記第1吸引室の開口及び前記第2吸引室の開口を有し、
    前記媒体を吸着した前記搬送ベルトを前記第1回転方向から前記第2回転方向に変更して前記媒体を搬送する方向を前記第1搬送方向から前記第2搬送方向へ切り替えるときの前記第1搬送方向において上流側となる前記媒体の端が位置する切替位置は、前記第1搬送方向において、前記第1吸引室の開口よりも上流の位置である、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の媒体搬送装置。
  5. 前記第1搬送方向における媒体の後端が前記排出部から排出されて前記第1吸引室の開口の位置よりも前記搬送ベルトの前記孔1つの長さ分上流に到達するまでに、前記搬送ベルトを前記第2搬送方向に回転させて媒体を前記第2搬送方向に搬送する、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の媒体搬送装置。
  6. 前記第1吸引室の前記搬送ベルトを挟んだ対向位置又は当該対向位置よりも前記第1搬送方向に下流の位置には、前記搬送ベルトに吸着された媒体のうち前記搬送ベルトの前記第1吸引室に対応する部分から垂れ下がった前記第1搬送方向の先端を支持する支持部材が配置される、ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の媒体搬送装置。
  7. 前記第1搬送方向において前記第1吸引室の開口を挟む両側には、前記搬送ベルトの前記孔の回転方向における長さよりも長い遮蔽壁が配置される、ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の媒体搬送装置。
  8. 前記第2搬送方向に搬送される媒体の搬送経路に進出して前記搬送ベルトから媒体を引き剥がす引き剥がし部材を有し、媒体の前記第2搬送方向における先端と前記引き剥がし部材とは、前記第1吸引室の開口の前記第2搬送方向の下流側の端部より前記第2搬送方向の下流の位置で当接する、ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の媒体搬送装置。
  9. 前記第1吸引室には第1ファンが接続され、前記第2吸引室には第2ファンが接続され、前記第1ファンは前記第2ファンよりも前記搬送ベルトにおける媒体が吸着される面に近い位置に配置される、ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の媒体搬送装置。
  10. 媒体に処理を施す処理部と、排出された処理後の前記媒体を媒体受け部に搬送する搬送機構と、を備える媒体処理装置であって、
    前記搬送機構は、
    複数の孔が形成された環状の搬送ベルトと、
    前記孔を通じて吸引することによって前記搬送ベルトに媒体を吸着させる吸引機構と、
    前記搬送ベルトを、媒体を第1搬送方向に搬送するときの第1回転方向と、媒体を前記第1搬送方向とは反対の第2搬送方向に搬送するときの回転方向であって前記第1回転方向とは反対の第2回転方向とに回転させる回転機構と、を有し、
    前記吸引機構は、前記搬送ベルトにおいて媒体を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室と、前記第1吸引室よりも前記第1搬送方向において上流に配置された第2吸引室と、を有し、
    前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させることで、排出部から排出された媒体を前記搬送ベルトに吸着して前記第1搬送方向に搬送し、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させることで、前記搬送ベルトに吸着した前記媒体を前記第2搬送方向に搬送して媒体受け部に受け渡し、
    前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量は、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量よりも多く、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧は、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧よりも強い、
    ことを特徴とする媒体処理装置。
  11. 排出された媒体を媒体受け部に搬送する搬送機構と、前記媒体受け部が受けた前記媒体に後処理を施す後処理部と、を備える後処理装置であって、
    前記搬送機構は、
    複数の孔が形成された環状の搬送ベルトと、
    前記孔を通じて吸引することによって前記搬送ベルトに媒体を吸着させる吸引機構と、
    前記搬送ベルトを、媒体を第1搬送方向に搬送するときの第1回転方向と、媒体を前記第1搬送方向とは反対の第2搬送方向に搬送するときの回転方向であって前記第1回転方向とは反対の第2回転方向とに回転させる回転機構と、を有し、
    前記吸引機構は、前記搬送ベルトにおいて媒体を吸着する面とは反対の面側に配置された第1吸引室と、前記第1吸引室よりも前記第1搬送方向において上流に配置された第2吸引室と、を有し、
    前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させることで、排出部から排出された媒体を前記搬送ベルトに吸着して前記第1搬送方向に搬送し、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させることで、前記搬送ベルトに吸着した前記媒体を前記第2搬送方向に搬送して媒体受け部に受け渡し、
    前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量は、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する風量よりも多く、前記第1吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧は、前記第2吸引室が前記搬送ベルトの孔を介して吸引する静圧よりも強い、
    ことを特徴とする後処理装置。
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