JP2020060610A - 光ファイバケーブル用のスロットロッドおよび光ファイバケーブル - Google Patents
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Abstract
Description
これに対し、本願の発明者は、スロットロッドのリブの高さとスロットロッドの溝底の厚さとの関係を適正化すれば、リブ倒れを防止できることを見出した。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明の一態様に係る光ファイバケーブル用のスロットロッドは、(1)テンションメンバと、前記テンションメンバから放射状に延びて複数条の溝を形成するリブと、を備えた光ファイバケーブル用のスロットロッドであって、隣り合う各前記溝の溝底の中心同士を結んだ線と前記リブの外周面に位置するリブ上端との直線距離をリブ高さH(mm)とし、前記溝の溝底の中心から前記テンションメンバの表面までの直線距離を溝底厚T(mm)としたとき、Hが18.7×exp(−T)以下である。リブ高さH、溝底厚Tとした場合に、H≦18.7×exp(−T)を満たすことで、スロットロッドが水平方向への押し出し成形された後、適当な条件で冷却された際、重力等により生じるリブ倒れ角度(リブが放射状に直立した状態からの倒れ角)を10°以下にすることができる。リブ倒れ角度を10°以下にすることで、十分な大きさのスロットロッド溝を確保することができる。
(3)本発明の光ファイバケーブル用のスロットロッドの一態様では、前記スロットロッドは、密度が0.942(g/cm3)以上の樹脂材料で構成されるとともに、前記リブ上端の幅であるリブ上幅が1.0(mm)以上であり、隣り合う各前記溝の溝底の中心同士を結んだ線の長さであるリブ下幅が、8.0(mm)以下であって、前記リブ下幅が前記リブ上幅よりも長い。これにより、重力等により生じるリブ倒れの発生を、より一層抑えることができる。
(4)本発明の一態様に係る光ファイバケーブルは、上記いずれかのスロットロッドと、該スロットロッドの周囲に巻かれた押さえ巻きテープと、該押さえ巻きテープの周囲に設けたケーブル外被とを備えている。重力等により生じるリブ倒れの発生を抑えることができ、テープ心線や単心の光ファイバ心線などをスロットロッドの溝に高密度で収納した光ファイバケーブルを提供できる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明による光ファイバケーブル用のスロットロッドおよび光ファイバケーブルの好適な実施の形態について説明する。図1は、スロットロッドの押出成形工程を説明するための図である。
なお、図1では、1回で1層のスロットロッドを形成する工程の例で説明しているが、テンションメンバ21の周囲に下押層や中間層などの複数層を設けるために、樹脂を複数回(例えば2〜4回)に分けて被覆してもよい。一例を挙げると、テンションメンバ21の周囲に、例えば低密度ポリエチレン(以下、LDPEと称する)の下押層を形成し、この下押層の周囲に、高密度ポリエチレン(以下、HDPEと称する)の中間層を形成し、その上にHDPEの表面層を形成しておくことがある。HDPEは、材料の密度が0.942(g/cm3)以上のものが該当するとされ、LDPEは、材料の密度が0.942(g/cm3)未満であるものが該当するとされる。
図2に示した光ファイバケーブル1は、図1の工程を経て形成されたスロットロッド20と、スロットロッド20の周囲に縦添えまたは横巻きで巻かれた押さえ巻きテープ30と、押さえ巻きテープ30の周囲に施されたケーブル外被31とを備えている。
スロットロッド20の外周面には、ケーブル長手方向に沿って螺旋状またはSZ状のスロット溝22が複数条(例えば6つ)形成されている。なお、スロット溝22が本発明の溝に相当する。
押さえ巻きテープ30は、例えば、不織布をテープ状に形成したものや、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の基材と不織布とを貼り合わせたもの等が用いられる。なお、押さえ巻きテープに吸水剤(例えば吸水パウダ)を付与してもよい。押さえ巻きテープを吸水層として機能させれば、テープ心線などへの止水が可能になる。
間欠テープ心線とは、複数本の光ファイバ心線が平行一列に配列され、隣り合う光ファイバ心線同士を連結部と非連結部により間欠的に連結してなるものである。具体的には、図3(B)は間欠テープ心線を配列方向に開いた状態を、図3(C)は図3(B)のC−C線矢視断面図をそれぞれ示しており、図示の間欠テープ心線10’は、12心のテープ心線が2心毎に間欠的に接続されて構成されている。
この間欠テープ心線に収容される光ファイバ心線も、上記と同様、標準外径125μmのガラスファイバに被覆外径250μm前後の被覆を施した光ファイバ素線と称されるものの外側に、さらに着色被覆を施したものであり、光ファイバ心線の収容数は任意である。なお、間欠テープ心線は、2心毎に連結部と非連結部を設けなくてもよく、例えば1心毎に連結部と非連結部で間欠的に連結してもよい。
スロットロッド20は、テンションメンバ21の周囲から放射状に延びた例えば6つのスロットリブ23を有しており、スロットリブ23がスロット溝22を形成し、他のスロット溝22と区分している。スロットリブ23は、隣り合うスロット溝22の溝底22aの間の中心から放射状に延びており、スロットリブ23の外周面には上端が曲面状のリブ頭頂部24が形成されている。なお、スロットリブ23が本発明のリブに、リブ頭頂部24が本発明のリブの外周面に、リブ頭頂部24の上端が本発明のリブ上端に、リブ頭頂部24の上端の厚みが本発明のリブ上幅にそれぞれ相当する。
スロットリブ23は、リブ上幅Aを例えば1.0(mm)以上としている。また、リブ下幅Bは、リブ上幅Aよりも長く、例えば8.0(mm)以下で形成しており、この条件を満たすリブ頭頂部24と溝底部gを有したスロットロッドを複数作製した。また、図1で説明した冷却装置44では、所定の冷却条件(例えばHDPEの凝固点温度以下の雰囲気中に5秒間以上曝すなど)で、高温で押し出されたスロットロッド20を冷却した。
このようなスロットロッド20を用いれば、重力によるリブ倒れを小さくし、テープ心線や単心の光ファイバ心線などを溝に高密度で収納した光ファイバケーブル1を提供できる。
Claims (4)
- テンションメンバと、前記テンションメンバから放射状に延びて複数条の溝を形成するリブと、を備えた光ファイバケーブル用のスロットロッドであって、
隣り合う各前記溝の溝底の中心同士を結んだ線と前記リブの外周面に位置するリブ上端との直線距離をリブ高さH(mm)とし、前記溝の溝底の中心から前記テンションメンバの表面までの直線距離を溝底厚T(mm)としたとき、Hが18.7×exp(−T)以下である、光ファイバケーブル用のスロットロッド。 - 前記Hが17.9×exp(−1.1T)以下である、請求項1に記載の光ファイバケーブル用のスロットロッド。
- 前記スロットロッドは、密度が0.942(g/cm3)以上の樹脂材料で構成されるとともに、前記リブ上端の幅であるリブ上幅が1.0(mm)以上であり、隣り合う各前記溝の溝底の中心同士を結んだ線の長さであるリブ下幅が、8.0(mm)以下であって、前記リブ下幅が前記リブ上幅よりも長い、請求項1または2に記載の光ファイバケーブル用のスロットロッド。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスロットロッドと、該スロットロッドの周囲に巻かれた押さえ巻きテープと、該押さえ巻きテープの周囲に設けたケーブル外被とを備えた光ファイバケーブル。
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