JPH08146263A - 光ケーブル用スロットの製造方法 - Google Patents

光ケーブル用スロットの製造方法

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Publication number
JPH08146263A
JPH08146263A JP6283271A JP28327194A JPH08146263A JP H08146263 A JPH08146263 A JP H08146263A JP 6283271 A JP6283271 A JP 6283271A JP 28327194 A JP28327194 A JP 28327194A JP H08146263 A JPH08146263 A JP H08146263A
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JP
Japan
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coating layer
slot
preliminary coating
tensile strength
density polyethylene
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Application number
JP6283271A
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English (en)
Inventor
Yoji Ida
洋治 井田
Toku Ishii
徳 石井
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Ube Exsymo Co Ltd
Original Assignee
Ube Nitto Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ファイバの収納溝の形状,寸法精度を十分
に確保することができる製造方法の提供。 【構成】 中央に繊維強化合成樹脂製の抗張力線2を配
置し、抗張力線2の外周に熱可塑性樹脂の予備被覆層3
を設け、予備被覆層3の外周に結晶性熱可塑性樹脂によ
り長手方向に延びる溝5を有するスロット本体部4を押
出し形成する光ケーブル用スロットの製造方法である。
予備被覆層3は、本体部4を形成する前に、その外径が
整径される。予備被覆層3を形成する原料樹脂は、直鎖
状低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレン
と高密度ポリエチレンとの混合物を用い、原料樹脂の密
度が0.925以上で0.940未満の範囲内に設定さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ケーブル用スロット
の製造方法に関し、特に、光ファイバを収納する溝の形
状および寸法精度が、数千メートル程度の長さで十分に
確保できる光ケーブル用スロットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多数の光ファイバを集合させて光ケーブ
ルにする際に用いられる要素として、光ファイバ担持用
スロットが知られており、この種のスロットは、中央に
抗張力線を配置し、この抗張力線の外周に熱可塑性樹脂
性の本体部を被覆形成し、本体部に光ファイバを収納す
るための溝が複数設けられている。このような構造のス
ロットでは、光ファイバを収納するための溝形状や寸法
に高精度が要求されている。
【0003】特公平4−81763号公報には、このよ
うな要請に応えるためのスロットの製造方法が提案され
ている。この公報に開示されている製造方法は、中央に
抗張力線を配置し、抗張力線の外周に熱可塑性樹脂によ
る予備被覆層を設け、予備被覆層の外周にスロットの溝
形状を決める回転口金を通して結晶性熱可塑性樹脂を押
出成形することにより、表面の長手方向に螺旋状に延び
る溝を有するスロット本体部を形成する方法である。
【0004】この公告公報に記載されている製造方法に
よると、螺旋状の溝の形状および寸法が高精度になる
が、更に螺旋状溝の形状寸法精度を上げるための製造方
法が、例えば、特公平4−2165号公報,特開昭62
−198807号公報,特開昭63−18311号公
報,特開昭64−81921号公報などに提案されてい
る。
【0005】これらの公報に開示されている製造方法で
は、予備被覆層を設けた抗張力線の外径寸法精度を高め
るために、予備被覆層の表層を加熱により軟化状態にし
てから加熱した所定の径のダイスを通過させて表層を削
りとる整径処理を行い、予備被覆層を設けた抗張力線の
外径公差を±0.05mm以下にすることで螺旋状溝の
形状および寸法をさらに高精度化させる。
【0006】しかしながら、このような製造方法にも以
下に説明する技術的な課題が内在していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、前述したよ
うに抗張力線に予備被覆層を設けてからその外周にスロ
ット本体部を被覆する光ケーブル用スロットの製造方法
では、数千メートルにおよぶ長さの光ケーブル用スロッ
トを連続的に製造する過程で、予備被覆層の表面欠陥に
起因する問題が稀に発生することがある。予備被覆層の
表面欠陥の主なものとしては、予備被覆層表面のピンホ
ール発生と予備被覆層の表面荒れである。
【0008】これらの表面欠陥は、特に、予備被覆層を
有する抗張力線の外径精度を高める整径処理を行うこと
により顕在化しやすく、このような表面欠陥が予備被覆
層に発生すると、予備被覆層の外周に結晶性熱可塑性樹
脂によりスロット本体部を形成した際に、いずれも光フ
ァイバ収納用の溝底面又は溝巾寸法の異常発生の原因と
なる。
【0009】長さが数千メートルに及ぶ光ケーブル用ス
ロットにおいて、1ヵ所でも光ファイバ収納用の溝底面
又は溝巾寸法の異常個所がある場合には、その個所が光
ファイバの伝送損失発生の原因となり得る。従って、光
ケーブル用スロットを連続的に製造する方法において、
このような異常個所が発生する頻度を極力少なくするこ
とが重要な課題となっている。
【0010】予備被覆層の表面にピンホールが発生した
個所に、スロット本体部を形成するために溶融した結晶
性熱可塑性樹脂層を押出し被覆すると、被覆により閉じ
こめられたピンホール内の空気が熱膨張して気泡とな
り、これがスロット本体部の溝底部分にあるときには、
溝底の膨れとなり、スロット本体部のリブ部分にあると
きには、リブの膨れとなる。
【0011】一方、予備被覆層に表面荒れがあるとき、
この外周にリブ部と谷部を有するスロット本体部が形成
されると、スロット本体部の断面形状に対応する回転口
金を通して溶融した結晶性熱可塑性樹脂を押出し被覆し
たときに、表面荒れのある部分でリブ部の巾が局部的に
変動する現象が発生し、この現象によってスロットの溝
巾が局部的に変動する。
【0012】この現象は、口金孔部中央を下方に向かっ
て走行する予備被覆層が設けられた抗張力線の外周表面
に、溶融樹脂を引き落とし状態で被覆するとき、予備被
覆層の表面粗さが変化している部分で、溶融樹脂の引き
落とし速度が脈動するために生じると考えられる。とこ
ろで、前述したように抗張力線を中央に配置して予備被
覆層を設け、その外周にスロット本体部を形成するスロ
ットの製造方法においては、通常、予備被覆層とスロッ
ト本体部に用いられる熱可塑性樹脂として、互いに相溶
性のある樹脂が選ばれる。
【0013】この場合、予備被覆層の外周にスロット本
体部の形成樹脂を溶融状態で被覆する際に、予備被覆層
の表面温度を高めておかないと両者の界面における接着
強度が充分得られない。しかし、予備被覆層の表面温度
を高める、スロット本体部のリブが傾斜しやすく、溝の
形状寸法精度が不十分になるという問題があった。本発
明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、光ファイバを収納す
る溝の形状および寸法精度が、数千メートル程度の長さ
で確保できる光ケーブル用スロットの製造方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、中央に抗張力線を配置し、前記抗張力線
の外周に熱可塑性樹脂の予備被覆層を設け、前記予備被
覆層の外周に結晶性熱可塑性樹脂により長手方向に延び
る溝を有するスロット本体部を押出し形成する光ケーブ
ル用スロットの製造方法において、前記予備被覆層を形
成する原料樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレンまた
は直鎖状低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとの
混合物を用い、前記原料樹脂の密度を0.925以上で
0.940未満の範囲内に設定することを特徴とする。
抗張力線の外周に予備被覆層を溶融押出する方法では、
直鎖状ポリエチレン又は直鎖状ポリエチレンと高密度ポ
リエチレンとの混合物からなる原料樹脂のメルトフロー
レイト(MI.)は、0.5から2.0(g/10分
間)程度のものが適している。なお、上記密度及びM
I.の測定はJIS K 6760により行われる。本
発明のスロット本体部を形成する結晶性熱可塑性樹脂
は、コストと性能上から最も適しているものとして高密
度ポリエチレンが挙げられる。本発明で選択した熱可塑
性樹脂からなる予備被覆層の外周に、高密度ポリエチレ
ンを溶融状態で押出してスロット本体部を形成すると、
予備被覆層の表面温度が比較的低い状態で、スロット本
体部は予備被覆層と強固に結合することになるので、ス
ロット本体部のリブの傾斜がなく溝形状および溝寸法精
度の良い光ケーブル用スロットが得られる。本発明にお
いては螺旋状溝を有するスロット本体部を被覆形成させ
る前に、予備被覆層を有する抗張力線の外径寸法精度を
高めるために、予備被覆層の表層を加熱により軟化状態
にしてから加熱した所定の径のダイスを通過させて表層
を削り取る整径処理を行うことが望ましい。本発明の予
備被覆層は、中央抗張力線と強固に結合していることが
望ましい。両者の結合が不十分な場合には、光ケーブル
の使用時の環境温度の変化により両者の熱膨張率の違い
により、両者の界面で剥離が生じて、スロット本体部の
螺旋状溝のピッチが局部的に変動し、このため光ファイ
バの伝送損失の原因となる。本発明の抗張力線として
は、繊維強化合成樹脂を用いることができる。繊維強化
合成樹脂と予備被覆層は、例えば、特公平04−216
5号公報に開示されているようなアンカー接着構造によ
り強固に結合させることができる。この場合、繊維強化
合成樹脂の表面に接着材の薄層を設け、この薄層を介し
て予備被覆層と結合させることができる。本発明の抗張
力線には、単鋼線を用いることができる。単鋼線を抗張
力線に採用した場合には、その表面に予め特公平04−
31364号公報に示されているような接着性熱可塑性
樹脂の薄層を設けることにより、この薄層を介して単鋼
線と予備被覆層を強固に結合させることができる。本発
明の抗張力線には、撚鋼線を用いることができる。撚構
造を有する抗張力線の凹凸部分に予備被覆層を形成する
と、凹凸部分に熱可塑性樹脂が密着充填されるため、抗
張力線と予備被覆層はアンカー係止力により強固に結合
される。
【0015】
【作用】上記構成の光ケーブル用スロットの製造方法に
よれば、後述する実施例からも明らかなように、予備被
覆層を形成する原料樹脂(熱可塑性樹脂)として、直鎖
状低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレン
と高密度ポリエチレンとの混合物を用い、原料樹脂の密
度を0.925以上で0.940未満の範囲内に設定す
ることにより、予備被覆層の表面にピンホールが発生す
ることを防止することができる。ここで、ピンホールと
は、表面の微小な陥没部分であり、その発生の頻度は被
覆される抗張力線の表面状態、被覆樹脂の性質及び予備
被覆層の表面を整径する条件により影響を受ける。抗張
力線の表面状態は、抗張力線の種類により異なるが、特
に、アンカー接着効果により予備被覆層が強固に結合し
た繊維強化合成樹脂を抗張力線とする場合には、以下の
メカニズムによりピンホールが発生する。繊維強化合成
樹脂は、例えば、長繊維状の補強繊維束に液状の熱硬化
性樹脂を含浸させ所定の外径と補強繊維/樹脂の比率に
なるように複数の絞りダイスを通過させて得られる未硬
化FRPに、溶融熱可塑性樹脂を被覆して被覆層(予備
被覆層)を冷却固化してから、加圧蒸気による加熱加圧
硬化槽中を通過させて内部の未硬化FRP中の熱硬化性
樹脂を硬化反応させる方法により製造される。このよう
な構造の繊維強化合成樹脂を抗張力線として使用した場
合には、予備被覆層内への補強繊維の立ち上がりがピン
ホール発生の原因となり、整径処理を行なうと顕在化す
る。未硬化のFRPを溶融被覆する予備被覆層の形成用
熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレンも用いられ
ているが、直鎖状低密度ポリエチレンが適している。し
かし、直鎖状低密度ポリエチレンを用いても、密度が
0.925未満の場合には、予備被覆層のピンホールに
起因するスロット本体部の溝底及びリブ部の気泡による
膨れ現象の発生頻度が、密度が低いものほど高くなるこ
とが判明した。その理由として、直鎖状低密度ポリエチ
レンの融点は、通常、密度の低下につれて低下し、予備
被覆した未硬化FRPを加圧蒸気加熱により硬化させる
過程で、軟化する程度が大きい予備被覆層では、補強繊
維の立ち上がりを抑えきれなくなることが考えられる。
このような補強繊維の立ち上がりを押さえるためには、
予備被覆層の軟化の程度を小さくする必要があり、この
ために本発明では、予備被覆層を形成する原料樹脂とし
て、直鎖状低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリ
エチレンと高密度ポリエチレンとの混合物を用い、原料
樹脂の密度を0.925以上 に規定している。一方、
予備被覆層の表面荒れの発生は、予備被覆層を形成する
熱可塑性樹脂として、密度が0.940未満の直鎖状低
密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンと高密
度ポリエチレンとの混合物を用いることにより防止する
ことができた。表面荒れは、予備被覆層の表面粗さが長
手方向にわたって局部的に変化して部分的に表面粗さの
大きい部分ができる現象であって、被覆樹脂の性質と予
備被覆層の表面を整径する条件により影響を受ける。予
備被覆層を形成する樹脂として、密度が0.95の高密
度ポリエチレンを用いた場合には、整径処理を経た予備
被覆層の表面粗さが大きくなり、予備被覆層の表面荒れ
に起因するスロット本体部のリブ巾の局部的な変動が発
生する頻度が多いことが判明した。これに対して高密度
ポリエチレンに直鎖状ポリエチレンを混合して、密度を
下げるにつれて整径処理を経た予備被覆層の表面平滑性
が改良され、密度が0.94未満になると、表面が非常
に滑らかになる。密度が0.94以下の直鎖状低密度ポ
リエチレン単独の場合においても予備被覆層の表面平滑
度は高く、これらの予備被覆層の外周にスロット本体部
を形成させた場合にはリブ巾の局部的な変動が発生する
頻度は極めて低くなった。また、スロット本体部を形成
する結晶性熱可塑性樹脂として高密度ポリエチレンを用
いる場合、予備被覆層を形成する樹脂として高密度ポリ
エチレンを用いるとき、予備被覆層とスロット本体部の
接着強度が十分になるまで、予備被覆層表面温度を高め
るとスロット本体部のリブが傾斜し易くなる傾向があっ
た。これに対して高密度ポリエチレンに直鎖状低密度ポ
リエチレンを混合して密度を下げるにつれて、十分な接
着強度を得るために必要な予備被覆層の表面温度を低く
するができるようになり、密度が0.94未満になると
充分な接着強度が得られる温度が低くなり、この温度に
おいては、スロット本体部のリブが傾斜する現象が全く
発生しなかった。
【0016】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について添付図
面に基づいて説明する。図1は、本発明にかかる光ケー
ブル用スロットの製造方法の実施例および比較例で製造
したスロット1の断面図であり、スロット1は、中央に
配置された抗張力線2と、この抗張力線2の外周に被覆
形成された予備被覆層3と、予備被覆層3の外周に被覆
形成された本体部4とを有している。
【0017】本体部4には、長手方向に沿って螺旋状に
延びる複数の光ファイバ収納用の溝5が形成されてお
り、各溝5は、上端側が開口したものであって、周方向
に隣接する一対のリブ部6によりそれぞれ側方が画成さ
れている。
【0018】(実施例1)アンカー接着構造により結合
した予備被覆層3を有する繊維強化合成樹脂である抗張
力線2を製造する工程と、この外周にスロット本体部4
を形成する工程を連続して行った。
【0019】抗張力線2の製造工程 補強繊維である単糸径13μmのガラスロービングに、
不飽和ポリエステル樹脂(三井東圧化学製:商品名H−
8100)に対し過酸化物系触媒2部を添加した熱硬化
樹脂を含浸させ、絞りダイスにより外径3.6mm,ガ
ラス含有率75%に成形した未硬化FRPを、クロスヘ
ッドダイに挿通して予備被覆層形成樹脂を溶融押出して
厚さ1mmの環状に被覆し、その直後に予備被覆層3を
水冷固化させた。
【0020】このとき、予備被覆層形成樹脂として直鎖
状低密度ポリエチレン(日本ユニカー製:商品名NUC
G−5350;密度:0.929,MI.:1.3)を
用いた。引き続き蒸気圧3.7Kg/cm2 ,140°
Cの硬化槽に導入して未硬化FRPを硬化させて、外径
寸法5.5±0.15mmの被覆層を有するFRP抗張
力線2を得た。
【0021】FRP抗張力線2は、その後、特公昭63
−58691号公報に示された方法,装置により整径処
理を行なった。この整径処理は、ダイス孔径寸法が、そ
れぞれ5.8mm,5.4mm,5.0mmである予熱
ダイス、第1整径ダイス、第2整径ダイスを一列状に配
置し、予備被覆層3を有する抗張力線2をこの順に通過
させることにより、予備被覆層3は、予熱ダイスにより
加熱され軟化状態になり、つづいて第1整径ダイス、第
2整径ダイスにより表層を削りとられて、外径寸法が
5.0±0.05mmの予備被覆層3を有するFRP抗
張力線2が得られる。
【0022】スロット本体部4の形成工程 引き続き、FRP抗張力線2の予備被覆層3の表面温度
が50°Cになるまで予熱し、これをクロスヘッドダイ
に設けたスロット本体部を形成させる回転口金の断面中
央を走行させ、溶融した高密度ポリエチレン(昭和電工
製:商品名ショウレックス2002E;密度:0.9
5,MI.:0.2)を回転口金から吐出させ、予備被
覆層3を有するFRP抗張力線2の外周にスロット本体
部4を形成した。
【0023】得られたスロット1は、図1の断面形状で
あり、外径8.3mm,溝巾1.5mm,溝深さ1.3
mmの6条の螺旋状溝5を有し、螺旋のピッチは500
mmであった。上記,工程により連続的に40Km
の光ケーブル用スロット1を製造したが、予備被覆層3
の表面のピンホールに起因するスロット本体部4の溝底
面あるいはリブ部6の気泡による膨れや、予備被覆層3
の表面荒れに起因するリブ部6の巾の局部的な変動など
の異常欠陥個所は、一切発生しなかった。また、リブ部
6が傾斜した個所もなく、溝巾の寸法精度も充分であっ
た。
【0024】(実施例2)予備被覆層3の形成樹脂とし
て、直鎖状低密度ポリエチレン(日本ユニカー製:商品
名NUCG−5210;密度:0.920,MI.:
1.0)と高密度ポリエチレン(日本石油化学製:商品
名スタフレンE809M;密度:0.95,MI.:
1.1)とを等量混合し、密度が0.935,MI.が
1.0の混合物を用いた以外は、実施例1と同様な製造
条件で、連続的に40Kmの光ケーブル用スロット1を
製造したが異常個所は一切発生しなかった。
【0025】(比較例1)予備被覆層3の形成樹脂とし
て、密度が0.920で、MIが1.0の直鎖状低密度
ポリエチレン(日本ユニカー製:商品名NUCG−52
10)を用いた以外は、実施例1と同様な製造条件で、
連続的に40Kmの光ケーブル用スロットを製造したが
気泡発生個所が3カ所あった。
【0026】(比較例2)予備被覆層3の形成樹脂とし
て、密度が0.920で、MIが0.67の直鎖状低密
度ポリエチレン(日本ユニカー製:商品名NUCG−7
641)を用いた以外は、実施例1と同様な製造条件
で、連続的に40Kmの光ケーブル用スロットを製造し
たが気泡発生個所が2カ所あった。
【0027】(比較例3)予備被覆層3の形成樹脂とし
て、密度が0.95で、MIが1.1の高密度ポリエチ
レン(日本石油化学製:商品名スタフレンE809M)
を用いて予備被覆層の表面を90°Cまで予熱した以外
は、実施例1と同様な製造条件で、光ケーブル用スロッ
トを連続的に製造したところ、6.4Km製造した時点
でリブ部6の巾異常の発生があった。また、この部分に
おいてはリブ部6の傾斜が認められた。
【0028】(比較例4)予備被覆層3の形成樹脂とし
て、高密度ポリエチレン(日本石油化学製:商品名スタ
フレンE809M)2部と直鎖状低密度ポリエチレン
(日本ユニカー製:商品名NUCG−5210)1部を
混合した、密度が0.94で、MIが1.0の混合物を
用いて、予備被覆層の表面を90°Cまで予熱した以外
は、実施例1と同様な製造条件で、35Km製造した時
点でリブ巾異常の発生があった。また、この部分におい
てはリブ部6の傾斜がみられた。
【0029】以上の結果を表1にまとめて示す。
【表1】
【0030】(実施例3)外径1.4mmの単鋼線の外
周に2層押出し被覆により、内層および外層を形成し
た。内層は、その厚みが0.2mmであって、接着性熱
可塑性樹脂の一種であるマレイン酸変成ポリエチレン
(日本ユニカー製:商品名GA−006)を使用した。
この内層の外側に直鎖低密度ポリエチレン(日本ユニカ
ー製:商品名NUCG−5350;密度:0.929,
MI.:1.3)の外層を設けて、外径寸法が5.5±
0.15mmの被覆単鋼線を作成した。
【0031】この被覆単鋼線は、その後、実施例1と同
様の整径処理を施し、外径寸法が5.5±0.05mm
の予備被覆層を有する単鋼線にした。引き続き実施例1
と同様のスロット本体部の形成工程により、光ケーブル
用スロットを連続的に40Km製造したが異常個所は発
生しなかった。
【0032】(実施例4)線径1.0mmの亜鉛メッキ
鋼線を、(1+6)本の構造に撚合わせた見掛けの外径
が3.0mmの撚鋼線の外周に、直鎖状低密度ポリエチ
レン(日本ユニカー製:商品名NUCG−5350;密
度:0.929,MI.:1.3)を押出し被覆して、
外径寸法が5.5±0.15mmの被覆撚鋼線を作成し
た。
【0033】この被覆撚鋼線は、その後、実施例1と同
様の整径処理を施し、外径寸法が5.5±0.05mm
の予備被覆層を有する撚鋼線とした。引き続き実施例1
と同様のスロット本体部の形成工程により、光ケーブル
用スロットを連続的に40Km製造したが異常個所は発
生しなかった。
【0034】
【発明の効果】以上、実施例により詳細に説明したよう
に、本発明にかかる光ケーブル用スロットの製造方法に
よれば、数千メートルという非常に長い連続製造におい
ても、光ファイバを収納する溝の形状および寸法精度を
十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光ケーブル用スロットの製造方
法で製造されるスロットの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 スロット 2 抗張力線 3 予備被覆層 4 スロット本体部 5 溝 6 リブ部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】この場合、予備被覆層の外周にスロット本
体部の形成樹脂を溶融状態で被覆する際に、予備被覆層
の表面温度を高めておかないと両者の界面における接着
強度が充分得られない。しかし、予備被覆層の表面温度
を高めるスロット本体部のリブが傾斜しやすく、溝の
形状寸法精度が不十分になるという問題があった。本発
明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、光ファイバを収納す
る溝の形状および寸法精度が、数千メートル程度の長さ
で確保できる光ケーブル用スロットの製造方法を提供す
ることにある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央に抗張力線を配置し、前記抗張力線
    の外周に熱可塑性樹脂の予備被覆層を設け、前記予備被
    覆層の外周に結晶性熱可塑性樹脂により長手方向に延び
    る溝を有するスロット本体部を押出し形成する光ケーブ
    ル用スロットの製造方法において、 前記予備被覆層を形成する原料樹脂として、直鎖状低密
    度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンと高密
    度ポリエチレンとの混合物を用い、前記原料樹脂の密度
    を0.925以上で0.940未満の範囲内に設定する
    ことを特徴とする光ケーブル用スロットの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記スロット本体部の押出し形成の前
    に、前記予備被覆層を加熱により軟化状態にした後に、
    所定の径のダイスを通過させて前記予備被覆層の表層を
    削りとる整径処理を施すことを特徴とする請求項1記載
    の光ケーブル用スロットの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記抗張力線は、繊維強化合成樹脂であ
    り、当該抗張力線と前記予備被覆層とがアンカー接着構
    造又は接着材層の介在により結合していることを特徴と
    する請求項1または2記載の光ケーブル用スロットの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記抗張力線は、単鋼線であり、当該抗
    張力線と前記予備被覆層とが接着性熱可塑性樹脂層を介
    して結合していることを特徴とする請求項1または2記
    載の光ケーブル用スロットの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記抗張力線は、撚鋼線であり、当該抗
    張力線と前記予備被覆層とがアンカー係止構造により結
    合していることを特徴とする請求項1または2記載の光
    ケーブル用スロットの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記スロット本体部の形成用熱可塑性樹
    脂は、高密度ポリエチレンからなることを特徴とする請
    求項1から5のいずれか1項記載の光ケーブル用スロッ
    トの製造方法。
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JP2020060610A (ja) * 2018-10-05 2020-04-16 住友電気工業株式会社 光ファイバケーブル用のスロットロッドおよび光ファイバケーブル

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