JP2020059766A - ブロック共重合体、硬化性組成物及び硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に引張強度が高く、機械強度に優れた材料を与えるイソブチレン系ブロック共重合体を提供する。【解決手段】イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロックとスチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロックとから構成され、式(1)で表される単量体ユニットを有するブロック共重合体。(式中、R1は水素原子、炭素数1〜18の置換もしくは非置換の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜18の置換もしくは非置換の不飽和炭化水素基、R2は置換もしくは非置換の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロックとスチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロックから構成されるブロック共重合体、該ブロック共重合体を含む硬化性組成物及びその硬化物に関する。
イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロックとスチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロックから構成されるブロック重合体のひとつとして、ポリスチレン−b−ポリイソブチレン−b−ポリスチレン(SIBS)が知られている。SIBSは、室温下でミクロ相分離構造を形成してゴム弾性を発揮し、高温下では液状化して良好な成形加工性を発揮する。このようなSIBSの機能をさらに向上するための試みとして、官能基を導入する技術が知られている(特許文献1〜3参照)。
特開2002−194020号公報 特開平11−222510号公報 特開平11−166025号公報
しかしながら、本発明者が検討したところ、従来知られている方法は機械物性向上の観点では依然改善の余地がるものであった。具体的には、特許文献1に記載された方法によると、圧縮永久歪は改善されるものの、一方で最大強度が低下することが判明した。また、特許文献2、3に記載された方法によると、重合体1分子あたりに導入される官能基の数に限界があり、物性改善の効果が現れにくいことが判明した。
したがって、本発明の目的は、機械強度に優れた(特に引張強度が高く、機械強度に優れた)材料を与えるイソブチレン系ブロック共重合体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定構造の単量体ユニットを有する特定の共重合体によって上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば以下の発明を提供する。
[1]イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロックとスチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロックとから構成され、式(1)で表される単量体ユニットを有するブロック共重合体。
Figure 2020059766


(式中、Rは水素原子、炭素数1〜18の置換もしくは非置換の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜18の置換もしくは非置換の不飽和炭化水素基、Rは置換もしくは非置換の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基を示す。)
[2]前記式(1)で表される単量体ユニット中のRが、式(2)で表される不飽和炭化水素基である[1]に記載のブロック共重合体。
Figure 2020059766

(式中、R及びRは水素原子、又は炭素数1〜16の置換もしくは非置換の飽和炭化水素基を示す。複数のRはそれぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。)
[3]前記式(1)で表される単量体ユニットを、前記ブロック共重合体を構成する全単量体ユニットに対して0.1〜10モル%有する[1]又は[2]に記載のブロック共重合体。
[4]前記式(1)で表される単量体ユニットが、イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロック中に存在する[1]〜[3]のいずれか1つに記載のブロック共重合体。
[5]前記スチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロックを、イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロックの両端に有する[1]〜[4]のいずれか1つに記載のブロック共重合体。
[6]重量平均分子量が50,000〜300,000である[1]〜[5]のいずれか1つに記載のブロック共重合体。
[7][1]〜[6]のいずれか1つに記載のブロック共重合体とラジカル重合開始剤とを含む硬化性組成物。
[8][7]に記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化物。
本発明のブロック共重合体は上記構成を有するため、それ自体を機械強度(特に引張強度)に優れた材料として、さらに分子内に有する特定の官能基を反応させて硬化物とすることによって、いっそう機械強度に優れた材料として用いることができる。
本発明の一実施形態について以下に説明する。但し、本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
<ブロック共重合体>
本発明のブロック共重合体は、イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロックとスチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロックとから構成され、後述の式(1)で表される単量体ユニットを分子内に少なくとも有するブロック重合体である。
なお、上記「主成分」とは、重合体ブロックを構成する単量体の全量(100モル%)に対して80モル%以上を占める成分であることを意味する。即ち、「イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロック」は、当該重合体ブロックを構成する単量体の全量(100モル%)に対するイソブチレンの割合(モル比)が80モル%以上(好ましくは90モル%以上、より好ましくは95〜100モル%)である重合体ブロックを意味する。また、「スチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロック」は、当該重合体ブロックを構成する単量体の全量(100モル%)に対するスチレンの割合(モル比)が80モル%以上(好ましくは90モル%以上、より好ましくは95〜100モル%)である重合体ブロックを意味する。
本発明のブロック共重合体においては、イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロックとスチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロックは、一つの重合体中にそれぞれ1つのみ存在していてもよいし、それぞれ2つ以上存在していてもよい。例えば、本発明のブロック共重合体は、ジブロックポリマーであってもよいし、トリブロックポリマー等のマルチブロックポリマーであってもよい。中でも、ブロック共重合体の機械物性の点から、スチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロックを、イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロックの両端に有するブロック重合体、すなわちSIBS系ポリマー、がより好ましい。
本発明のブロック共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、50,000〜300,000が好ましく、より好ましくは70,000〜200,000である。重量平均分子量を50,000以上とすることにより、機械物性及び耐熱性がより向上する傾向がある。一方、重量平均分子量を300,000以下とすることにより、ブロック共重合体をより安定に製造できる傾向がある。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)による標準ポリスチレン換算の分子量より算出される。
<式(1)で表される単量体ユニット>
本発明のブロック共重合体は、上述のように分子内に式(1)で表される単量体ユニットを少なくとも有する重合体である。
Figure 2020059766


式(1)中、Rは水素原子、炭素数1〜18の置換もしくは非置換の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜18の置換もしくは非置換の不飽和炭化水素基、Rは置換もしくは非置換の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基を示す。上記飽和炭化水素基及び不飽和炭化水素基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。上記置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基等が挙げられる。上記飽和炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基等が挙げられる。上記不飽和炭化水素基としては、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルケニル基等が挙げられる。
としては、炭素数2〜18の置換もしくは非置換の不飽和炭化水素基が好ましく、中でも、ブロック共重合体に付与できる機能の特色の点から、式(2)で表される不飽和炭化水素基がより好ましい。
Figure 2020059766

(式中、R及びRは水素原子、又は炭素数1〜16の置換もしくは非置換の飽和炭化水素基を示す。複数のRはそれぞれ、同一であっても、異なってもよい。)
特に、Rとしては、式(2)においてRが水素原子又はメチル基であり、Rが水素原子である基が原料の入手性の点で好ましい。
式(1)中、Rは、置換もしくは非置換の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基を示す。当該置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基等が挙げられる。当該アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜4の直鎖状アルキレン基が好ましく、より好ましくはメチレン基、エチレン基である。
本発明のブロック共重合体を構成する単量体ユニットの全量中の、式(1)で表される単量体ユニットの構成比率は0.1〜10モル%が好ましく、より好ましくは0.2〜5モル%、更に好ましくは0.5〜3モル%である。前記単量体ユニットの構成比率を0.1モル%以上とすることにより、ブロック共重合体及びその硬化物の引張強度がいっそう高く、機械強度に優れた材料となる傾向がある。一方、前記単量体ユニットの構成比率を10モル%以下とすることにより、ブロック共重合体をより容易に製造することができ、更にブロック共重合体の本来の特徴、すなわち室温下でのゴム弾性、高温下での良好な成形加工性がより良好に発揮される傾向がある。
本発明のブロック共重合体は、式(1)で表される単量体ユニットを一種のみ有していてもよいし、二種以上を有していてもよい。
本発明のブロック共重合体における式(1)で表される単量体ユニットは、当該ブロック共重合体中の任意の重合体ブロックに選択的に導入することが可能である。例えば、前記式(1)で表される単量体ユニットは、イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロック、スチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロック、及びブロック共重合体の末端などに導入が可能である。前記式(1)で表される単量体ユニットは、いずれか1つの重合体ブロックのみに導入されていてもよいし、2つ以上の重合体ブロックにそれぞれ導入されていてもよい。
中でも、前記式(1)で表される単量体ユニットは、Tgが常温以下で流動性のあるイソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロック中に存在する方が機能としては効果が高いため好ましい。一方、前記式(1)で表される単量体ユニットは、スチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロックに存在する場合にはスチレン系のミクロ相分離ドメイン形成を阻害する可能性があるため、スチレン系単量体を重合してなる重合体ブロック中に多く存在することは好ましくない。また、前記式(1)で表される単量体ユニットがブロック共重合体の末端のみに存在する場合、当該単量体ユニットの量が少ないためにその効果も高くなく好ましくない。
本発明のブロック共重合体のイソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロックを構成する単量体ユニットの全量中の、式(1)で表される単量体ユニットの構成比率は、0.1〜10モル%が好ましく、より好ましくは0.2〜5モル%、更に好ましくは0.5〜3モル%である。上記重合体ブロック中に式(1)で表される単量体ユニットを上記範囲で有することにより、ブロック共重合体の機械強度がより向上する傾向がある。
本発明のブロック共重合体のスチレン系単量体を重合してなる重合体ブロックを構成する単量体ユニットの全量中の、式(1)で表される単量体ユニットの構成比率は、0〜20モル%が好ましく、より好ましくは0〜10モル%である。上記重合体ブロック中に式(1)で表される単量体ユニットを上記範囲で有することにより、ブロック共重合体の機械強度がより向上する傾向がある。
<ブロック共重合体の製造方法>
本発明のブロック共重合体の製造方法は特に限定されず、公知乃至慣用の方法を利用した方法を適用できる。本発明のブロック共重合体の製造方法としては、例えば、(i)重合することにより式(1)で表される単量体ユニットを与える重合性単量体を、イソブチレン系単量体やスチレン系単量体等と共重合する方法;(ii)下記式(3)で表される単量体ユニットを含むブロック共重合体に対して下記式(4)で表される化合物を反応させて、本発明のブロック共重合体を得る方法、等が挙げられる。前者の方法は製造プロセスが短く経済的ではあるが、ブロック共重合体の重合には一般的にリビング重合による必要があり、製造の難易度が非常に高いため、後者の方法がより好ましい。
Figure 2020059766

Figure 2020059766
式(3)におけるLは脱離基を示し、その具体例としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子)、トシル基等が挙げられる。
式(4)におけるMはアルカリ金属イオン又は第4級アンモニウムイオンを示す。
[重合工程]
本発明のブロック共重合体の製造方法において重合性単量体を製造するための重合方法としては、カルボカチオンを生長種とするリビングカチオン重合法を用いることが好ましい。即ち、本発明のブロック共重合体の製造方法は、リビングカチオン重合法を実施する重合工程を含むことが好ましい。リビングカチオン重合法によると、ある種類の単量体が重合により重合体に転化された後、新たに別の種類の単量体を追加し引き続き重合することで複数種の重合体ブロックで構成されたブロック共重合体が得られる。リビングカチオン重合中にカルボカチオンの生長種が重合反応以外の副反応を起こすとブロック共重合体は得られ難くなるため、適度にカルボカチオンを安定化させる必要がある。具体的には、カルボカチオンの適度な安定化のため、ルイス酸、及び電子供与体の種類と量の調整、溶媒の極性の調整、重合中の温度の調整、不純物量の調整が重要となる。
上記(i)の方法は、本重合プロセス中に、重合することにより式(1)で表される単量体ユニットを与える重合性単量体をイソブチレン系単量体やスチレン系単量体と共に共重合させる方法である。しかしながら、前記重合性単量体が重合中にカルボカチオンを不安定化させる要因になり得るため、製造難易度が高く好ましくない。
上記(ii)の方法は、式(3)で表される単量体ユニットを含むブロック共重合体に対して式(4)で表される化合物を反応させて本発明のブロック共重合体を得る方法である。式(3)で表される単量体ユニットを含むブロック共重合体を得る方法としては、[方法a]上述の重合工程で直接得る方法(例えば、イソブチレン系単量体と、スチレン系単量体と、式(3)で表される単量体ユニットを与える重合性単量体とを上記重合工程に付す方法);[方法b]上述の重合工程により式(5)で表される単量体ユニットを含むブロック共重合体を得、当該単量体ユニットを式(3)で表される単量体ユニットに変換する方法、等が挙げられる。重合することにより式(3)で表される単量体ユニットを与える重合性単量体としては、例えば、ハロゲン化アルキルスチレン等が挙げられる。また、重合により式(5)で表される単量体ユニットを与える重合性単量体としては、アルキルスチレン、アルケニルスチレン等が挙げられる。
Figure 2020059766


式(5)中、Rは、置換もしくは非置換の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を示す。置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基等が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
上記[方法a]と[方法b]については、重合時のカルボカチオンの安定化の観点から、[方法b]が好ましい。上記[方法b]における変換の方法としては、公知乃至慣用の方法を適用することができ、特に限定されないが、Lがハロゲン原子の場合(ハロゲン化反応の場合)の例について、以下に説明する。
ハロゲン化反応は特に限定されないがハロゲン単体又はハロゲンを供給できる化合物と、式(5)で表される単量体ユニットを有するブロック共重合体を共存させ、ラジカル反応により、式(5)で表される単量体ユニットをハロゲン化し、式(3)で表される単量体ユニットにハロゲン化する方法が挙げられる。
[官能化工程]
上記(ii)の方法においては、重合工程の後、式(3)で表される単量体ユニットを含むブロック共重合体に対して式(4)で表される化合物(官能化剤)を反応させる工程(「官能化工程」と称する場合がある)を実施する。当該官能化工程における官能化方法は、重合工程で得られた重合体の分子量を著しく変化させない方法であり、式(1)で表される単量体ユニットが導入できる方法であれば特に限定されない。なお、分子量を著しく変化させる現象としては、重合体の分解、架橋が挙げられる。
上記官能化方法は、式(4)で表される化合物による求核置換反応を利用したものであり、公知乃至慣用の方法を利用して実施できる。式(4)で表される化合物の使用量は、特に限定されないが、ブロック共重合体中の式(3)で表される単量体ユニットに対して、0.5〜100モル%が好ましく、1〜50モル%がより好ましい。
上記官能化方法に際しては、反応を促進させるため相間移動触媒を併用してもよい。相間移動触媒としては、具体的には、長鎖アルキル基を有するアンモニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。
上記官能化方法に際して使用される溶媒は、特に限定されないが、ブロック共重合体の良溶媒であるハロゲン化水素系溶媒、非ハロゲン系溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒等)、式(4)で表される化合物の良溶媒である水、アルコール類、カルボニル系溶媒、スルホニル系溶媒等が例示される。これら溶媒は単独で用いても良いし、複数種を混合して用いても良い。反応性の点で、ブロック共重合体と式(4)で現される化合物の両方を溶解できる溶媒が好ましい。複数種類の溶媒を用い、溶媒同士が相溶しない場合、及びブロック重合体、或いは求核剤のどちらか一方が溶解しにくい場合は、上記相間移動触媒を併用することが反応促進に繋がるため好ましい。
上記官能化方法を実施する際の温度(反応温度)は、特に限定されないが、ブロック共重合体の分子量が著しく変化しない範囲、および求核剤の官能基が他の反応を起こさない程度に制御して加熱することが好ましい。具体的には、20〜200℃が好ましく、30〜150℃がより好ましく、60〜120℃が反応活性の点で更に好ましい。
上記方法で得られた本発明のブロック共重合体は、公知乃至慣用の方法で精製処理を実施することにより、得ることができる。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、本発明のブロック共重合体とラジカル重合開始剤とを必須成分として含有する。本発明の硬化性組成物は、本発明のブロック共重合体とラジカル重合開始剤以外の成分(例えば、重合性モノマー、可塑剤、溶剤、充填材、着色剤、酸化防止剤等の安定剤、安定化助剤等)を含んでいてもよい。
本発明の硬化性組成物においては、本発明のブロック共重合体は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の硬化性組成物における本発明のブロック共重合体の含有量は、特に限定されないが、硬化性組成物の固形分(100重量%)に対して、5〜100重量%が好ましい。
<ラジカル重合開始剤>
本発明の硬化性組成物におけるラジカル重合開始剤としては、熱、酸化還元反応、活性エネルギー線(UV、可視光、電子線)等の外部刺激により活性化され、式(1)で表される単量体ユニットにラジカルを発生させる化合物であればよく、特に限定されない。
ラジカル重合開始剤としては、ジイソブチロイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネイト、ジ−n−プロピルパーオキシデカネイト、ジイソプロピルパーオキシデカネイト、ジ−sec−ブチルパーオキシジカルボネイト、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカネイト、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカルボネイト、t−ヘキシルパーオキシネオデカネイト、t−ブチルパーオキシネオデカネイト、t−ヘキシルパーオキシピバレイト、t−ブチルパーオキシピバレイト、ジ(3,5,5−トリメチルヘキノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−トリメチル−2−エチルヘキサノエイト、ジスクシニックアシッドパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキシノイルペーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エキルヘキシノエイト、t−ブチルパーオキシ−2−エキルヘキシノエイト、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネイト、t−ブチルパーオキシラウレイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネイト、t−ヘキシルパーオキシベンゾエイト、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテイト、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、n―ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレイト、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゾエイト、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、過酸化水素等の過酸化物系ラジカル開始剤、2,2‘−アゾビス−イソブチロニトリル、2,2‘−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2‘−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,4‘−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等のアゾ系ラジカル開始剤、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名IRGACURE651、BASFジャパン製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名IRGACURE184、BASFジャパン製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名DAROCUR1173、BASFジャパン製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名IRGACURE2959、BASFジャパン製)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名IRGACURE907、BASFジャパン製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名IRGACURE369、BASFジャパン製)、2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリンー4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(商品名IRGACURE379、BASFジャパン製)、ジベンゾイル、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2-ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル-プロパン−1−オン(商品名IRGACURE127、BASFジャパン製)、1−〔4−(4−ベンゾイキシルフェニルサルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン(商品名ESURE1001M)、メチルベンゾイルフォ−メート(商品名SPEEDCURE MBF LAMBSON製)、O−エトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名SPEEDCURE PDO LAMBSON製)、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン(商品名ESCURE KIP150 LAMBERTI製)、 1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]1,2−オクタンジオン(商品名IRGACURE OXE 01、BASFジャパン製)、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(0−アセチルオキシム)エタノン(商品名IRGACURE OXE 02、BASFジャパン製)、4−ベンゾイル−4‘メチルジフェニルサルファイド、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’,4“−(ヘキサメチルトリアミノ)トリフェニルメタン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名DAROCUR TPO、BASFジャパン製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名IRGACURE819、BASFジャパン製)、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニル−エトキシ−フォスフィンオキサイド(商品名DAROCUR TPO−L、LAMBSON製)、商品名SPEEDCURE XKm(LAMBSON製)等のアシルフォスフィンオキサイド系ラジカル開始剤が挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤は、単独若しくは2種以上を組み合わせて用いてもよいし、他の化合物と組み合わせて用いてもよい。
本発明の硬化性組成物におけるラジカル重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、本発明のブロック共重合体100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましい。含有量を上記範囲とすることにより、機械強度に優れる硬化物をいっそう効率的に取得できる傾向がある。
本発明の硬化性組成物を硬化させることにより、当該硬化性組成物を硬化してなる硬化物を得ることができる。硬化の手段は特に限定されず、加熱、酸化還元反応、活性エネルギー線の照射、活性エネルギー線の照射の公知乃至慣用の手段を適用することができる。
<用途>
本発明のブロック共重合体は、ガスバリア性、柔軟性、成形加工性、ゴム的特性、機械的強度及び圧縮永久歪み特性などの物性に優れている。したがって、例えば以下の用途に利用可能である。ただし、本発明のブロック共重合体の用途は、下記に限定されない。
(1)改質剤:熱可塑性樹脂改質剤、熱硬化性樹脂改質剤、アスファルト改質剤、及びゴム改質剤。
(2)接着剤及び粘着剤:ホットメルト系接着剤、水系接着剤、溶剤系接着剤及び粘着剤。
(3)粘度調整剤:オイル及び潤滑油などに添加する粘度調整剤。
(4)コーティング剤:塗料などに利用するベースレジン及びシーラント。
(5)PVC代替材料
(6)制振材、防振材及び緩衝材:制振材、防振材、緩衝材、靴底、グリップ
(7)防音材及び吸音材:自動車内外装材、自動車天井材、鉄道車両用材及び配管用材。
(8)シール材:ガスバリア用材、土木シート、防水シート、包装輸送資材、シーラント、医療用薬栓及びシリンジガスケット。
(9)チューブ:医療用チューブ、インク用チューブ、及び食品用チューブ。
(10)発泡体:ビーズ発泡、徐圧発泡及び押出発泡などの発泡成形により製造される発泡体、並びに化学発泡及び物理発泡における発泡剤のキャリヤー。
(11)その他:衣料、難燃剤、閉蓋具、キャップ、バッグ、ガスケット、ホース、シューズ、運動用具類、発泡性耐火シート、食品用容器、ICトレー、CD−ROMシャーシ、ホイールキャップ、弾性糸、不織布、ワイヤーハーネス、紙おむつのバックシート、2色成形用コンパウンド材、水中ゴーグル、パソコン用マウス、クッション及びストッパー。
実施例1
ガラス容器内を窒素で置換した後、塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)2503ml及びヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)1073mlを入れた。上記ガラス容器内(反応系内)を−50℃以下に冷却した後、イソブチレンモノマー875ml(9.3mol)を加えた。次に、p−ジクミルクロライド1.46g(6.3mmol)及びトリエチルアミン1.9gを加えた。次に、チタン(IV)イソプロポキシド18mlを加え、反応系内を−70℃まで冷却した。さらに、四塩化チタン48mLを加えて、重合を開始した。四塩化チタンを投入してから間もなく、p−メチルスチレン30g(0.25mol)を30分間かけて一定の速度で反応系中に滴下した。四塩化チタンを投入してから125分後に、イソブチレン及びp−メチルスチレンの99重量%が消費されていることをガスクロマトグラフィーにより確認し、スチレンモノマー126ml(1.1mol)を投入した。スチレンモノマーを投入してから32分後に四塩化チタン16mlを投入し、更に28分後にスチレンモノマーの82重量%が消費されたことをガスクロマトグラフィーにより確認した。その後、反応溶液を水酸化ナトリウム水溶液及び純水で、廃水のpHが6〜7になるまで洗浄して重合を停止させた。その後、水洗した有機相を加熱乾燥させて、溶媒等を除去し、重合体[ポリスチレン−b−ポリ(イソブチレン/p−メチルスチレン)−b−ポリスチレン]を取得した。
上記で得られた重合体246gを塩化ブチルとヘキサンの混合溶媒(体積比9/1)1185gに溶解させた後、臭素15.6g(0.1mol)を添加し、ここに紫外光を照射した。紫外光照射開始から5時間後、ポリマー中のp−メチルスチリル基の70mol%が消費されたことをプロトンNMRで確認した。そして、反応溶液を亜硫酸ナトリウム水溶液および純水でpHが6〜7になるまで洗浄して反応を停止させた。その後、水洗した有機相を加熱乾燥させて溶媒等を除去して、ポリマーA[ポリスチレン−b−ポリ(イソブチレン/p−メチルスチレン/臭素化p−メチルスチレン)−b−ポリスチレン]を得た。ポリマーAの重量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、119,800であった。
上記で得られたポリマーA20gに、トルエン96gを添加して溶解させた。そこに4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル2mg、キョーワード700SEN−S80mg、テトラブチルアンモニウムブロミド1.5g及びアクリル酸カリウム16.6gを添加して、100℃で加熱攪拌した。加熱攪拌開始から30分後、p−ブロモメチルスチリル基の100%が消費され、その代わりにアクリロイル基が導入されたことをプロトンNMRで確認した。そして、反応溶液を純水でpHが6〜7になるまで洗浄して反応を停止させた。その後、水洗した有機相を加熱乾燥させて溶媒等を除去して、ポリマーB[ポリスチレン−b−ポリ(イソブチレン/p−メチルスチレン/p−アクリロイルオキシメチルスチレン)−b−ポリスチレン]を得た。ポリマーBの重量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、114,200であった。
上記で得られたポリマーB100重量部に対して、安定化助剤としてDHT−4Vを5重量部、酸化防止剤としてADK STAB AO−50を0.5重量部、更に活性エネルギー線重合開始剤としてDAROCURE1173を0.2重量部、及びIRGACURE819を0.1重量部加えて、150℃、50rpmで3分間混練して、硬化性組成物を得た。
上記硬化性組成物を150℃に予熱したプレス機で加圧して、2.0mm厚のシートを得た。JIS K 6251に準拠し、上記シートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを試験片として引張試験を実施した。引張速度は200mm/分とした。表1に示すように、試験片100%伸張時の強度(M100):0.69MPa、破断点強度(Tb):4.50MPa、破断点伸び(Eb):1205%であった。
実施例2
上記方法で得られたポリマーB100重量部に対して、安定化助剤としてDHT−4Vを5重量部、酸化防止剤としてADK STAB AO−50を0.5重量部、更に活性エネルギー線重合開始剤としてDAROCURE1173を0.2重量部、及びIRGACURE819を0.1重量部加えて、150℃、50rpmで3分間混練して、硬化性組成物を得た。
上記硬化性組成物を150℃に予熱したプレス機で加圧して、2.0mm厚のシートを得た。JIS K 6251に準拠し、上記シートをダンベルで7号型に打抜いたものを、空気雰囲気下、UV照射装置(Fusion UV、Hバルブ)を用いて400mW、5000mJの条件で光を照射し、これを試験片として引張試験を実施した。引張速度は200mm/分とした。表1に示すように、サンプル片100%伸張時の強度(M100):0.73MPa、破断点強度(Tb):5.33MPa、破断点伸び(Eb):1012%であった。得られた硬化物の重量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、ゲル化しており測定できなかった。
実施例3
反応容器内を窒素で置換した後、塩化ブチル(蒸留で乾燥したもの)1689kg及びヘキサン(蒸留で乾燥したもの)140kgを入れた。上記反応系内を−50℃以下に冷却した後、イソブチレンモノマー318kg(8.1kmol)を加えた。次に、p−ジクミルクロライド0.85kg(3.7mol)、p−メチルスチレン12kg(8.1kmol)及びα−ピコリン3.2kgを加え、反応系内を−70℃まで冷却した。さらに、四塩化チタン22kgを加えて、重合を開始した。四塩化チタンを投入してから30分後に、イソブチレンモノマー136kg、塩化ブチル724kg、及びヘキサン60kgを追加した。四塩化チタンを投入してから110分後に、イソブチレン及びp−メチルスチレンの99重量%が消費されていることをガスクロマトグラフィーにより確認し、スチレンモノマー94kg(904mol)を投入した。スチレンモノマーを投入してから130分後にスチレンモノマーの89重量%が消費されたことをガスクロマトグラフィーにより確認した。その後、反応溶液を純水で、廃水のpHが6〜7になるまで洗浄して重合を停止させた。その後、水洗した有機相を加熱乾燥させて、溶媒等を除去し、重合体[ポリスチレン−b−ポリ(イソブチレン/p−メチルスチレン)−b−ポリスチレン]を取得した。
上記で得られた重合体450kgを塩化ブチルとヘキサンの混合溶媒(体積比9/1)2550kgに溶解させた後、臭素25kg(155mol)を添加し、ここに紫外光を照射した。紫外光照射開始から1時間後、ポリマー中のp−メチルスチリル基の76mol%が消費されたことをプロトンNMRで確認した。そして、反応溶液を亜硫酸ナトリウムおよびKW500でpHが6〜7になるまで攪拌して反応を停止させた。その後、溶媒に不溶な物質をろ過で除いた後加熱乾燥させて溶媒等を除去して、ポリマーC[ポリスチレン−b−ポリ(イソブチレン/p−メチルスチレン/臭素化p−メチルスチレン)−b−ポリスチレン]を得た。ポリマーCの重量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、155,000であった。
上記で得られたポリマーC200gに、トルエン963gを添加して溶解させた。そこに4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル20mg、キョーワード700SEN−S800mg、テトラブチルアンモニウムブロミド1.5g及びアクリル酸カリウム16gを添加して、100℃で加熱攪拌した。加熱攪拌開始から60分後、p−ブロモメチルスチリル基の100%が消費され、その代わりにアクリロイル基が導入されたことをプロトンNMRで確認した。そして、反応溶液をろ過して不溶物を取り除いた。その後、反応溶液を加熱乾燥させて溶媒等を除去して、ポリマーD[ポリスチレン−b−ポリ(イソブチレン/p−メチルスチレン/p−アクリロイルオキシメチルスチレン)−b−ポリスチレン]を得た。ポリマーDの重量平均分子量(GPC法、標準ポリスチレン換算)は、160,500であった。
上記で得られたポリマーD100重量部に対して、安定化助剤としてDHT−4Vを5重量部、酸化防止剤としてADK STAB AO−50を0.5重量部、更に活性エネルギー線重合開始剤としてDAROCURE1173を0.2重量部、及びIRGACURE819を0.1重量部加えて、150℃、50rpmで3分間混練して、硬化性組成物を得た。
上記硬化性組成物を180℃に予熱したプレス機で加圧して、0.5mm厚のシートを得た。JIS K 6251に準拠し、上記シートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを試験片として引張試験を実施した。引張速度は200mm/分とした。表1に示すように、試験片100%伸張時の強度(M100):1.34MPa、破断点強度(Tb):13.55MPa、破断点伸び(Eb):990%であった。
比較例1
上記方法で得られたポリマーA(アクリロイル基が導入されていないブロック重合体)100重量部に対して、安定化助剤としてDHT−4Vを5重量部、酸化防止剤としてADK STAB AO−50を0.5重量部、更に活性エネルギー線重合開始剤としてDAROCURE1173を0.2重量部、及びIRGACURE819を0.1重量部加えて、150℃、50rpmで3分間混練して、硬化性組成物を得た。
上記硬化性組成物を150℃に予熱したプレス機で加圧して、2.0mm厚のシートを得た。JIS K 6251に準拠し、上記シートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを試験片として引張試験を実施した。引張速度は200mm/分とした。表1に示すように、サンプル片100%伸張時の強度(M100):0.74MPa、破断点強度(Tb):3.36MPa、破断点伸び(Eb):1063%であった。
比較例2
上記方法で得られたポリマーA(アクリロイル基が導入されていないブロック重合体)100重量部に対して、安定化助剤としてDHT−4Vを5重量部、酸化防止剤としてADK STAB AO−50を0.5重量部、更に活性エネルギー線重合開始剤としてDAROCURE1173を0.2重量部、及びIRGACURE819を0.1重量部加えて、150℃、50rpmで3分間混練して、硬化性組成物を得た。
上記硬化性組成物を150℃に予熱したプレス機で加圧して、2.0mm厚のシートを得た。JIS K 6251に準拠し、上記シートをダンベルで7号型に打抜いたものを、空気雰囲気下、UV照射装置(Fusion UV、Hバルブ)を用いて400mW、5000mJの条件で光を照射し、これを試験片として引張試験を実施した。引張速度は200mm/分とした。表1に示すように、サンプル片100%伸張時の強度(M100):0.70MPa、破断点強度(Tb):3.39MPa、破断点伸び(Eb):1065%であった。
比較例3
上記方法で得られたポリマーC(アクリロイル基が導入されていないブロック重合体)100重量部に対して、安定化助剤としてDHT−4Vを5重量部、酸化防止剤としてADK STAB AO−50を0.5重量部、更に活性エネルギー線重合開始剤としてDAROCURE1173を0.2重量部、及びIRGACURE819を0.1重量部加えて、150℃、50rpmで3分間混練して、硬化性組成物を得た。
上記硬化性組成物を150℃に予熱したプレス機で加圧して、2.0mm厚のシートを得た。JIS K 6251に準拠し、上記シートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを試験片として引張試験を実施した。引張速度は200mm/分とした。表2に示すように、サンプル片100%伸張時の強度(M100):1.07MPa、破断点強度(Tb):10.82MPa、破断点伸び(Eb):1282%であった。
Figure 2020059766

Claims (8)

  1. イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロックとスチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロックとから構成され、式(1)で表される単量体ユニットを有するブロック共重合体。
    Figure 2020059766


    (式中、Rは水素原子、炭素数1〜18の置換もしくは非置換の飽和炭化水素基、又は炭素数2〜18の置換もしくは非置換の不飽和炭化水素基、Rは置換もしくは非置換の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基を示す。)
  2. 前記式(1)で表される単量体ユニット中のRが、式(2)で表される不飽和炭化水素基である請求項1に記載のブロック共重合体。
    Figure 2020059766


    (式中、R及びRは水素原子、又は炭素数1〜16の置換もしくは非置換の飽和炭化水素基を示す。複数のRはそれぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。)
  3. 前記式(1)で表される単量体ユニットを、前記ブロック共重合体を構成する全単量体ユニットに対して0.1〜10モル%有する請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
  4. 前記式(1)で表される単量体ユニットが、イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロック中に存在する請求項1〜3のいずれか1項に記載のブロック共重合体。
  5. 前記スチレン系単量体を主成分として重合してなる重合体ブロックを、イソブチレンを主成分として重合してなる重合体ブロックの両端に有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のブロック共重合体。
  6. 重量平均分子量が50,000〜300,000である請求項1〜5のいずれか1項に記載のブロック共重合体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のブロック共重合体とラジカル重合開始剤とを含む硬化性組成物。
  8. 請求項7に記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化物。
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