JP2020058592A - 筐体、及び加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】開いた蓋体が自重で勝手に閉じたり、開いた蓋体による重心の変化で本体が転倒したりする事態を防止することができ、安全に且つ安心して使用できる筐体を提供する。【解決手段】本体と、本体の背面側に配置されたヒンジ部と、ヒンジ部を介して回動自在に取り付けられ、本体の上部を覆い本体と共に内部空間を形成する蓋体と、を備え、蓋体を本体に対して閉めるように回動させた際、軸50の回動に伴い、U字状のバネ52の抵抗力が大きくなるように、U字状のバネに当接するカム51も回動させるようにした。【選択図】図5

Description

本発明は、本体とこの本体の上面を塞ぐ蓋体とで、内部空間を形成する筐体、特には、被調理物の加熱調理室を形成した加熱調理器に関するものである。
従来、加熱調理器は、加熱調理器本体と、この加熱調理器本体に回動自在にヒンジ連結された蓋体と、を有する構成が知られている。加熱調理器は、加熱調理器本体と蓋体とで形成された内部空間を被調理物の加熱調理室とし、加熱調理器本体の内部に設置したヒーターで、被調理物を載せたプレート又は焼き網等を加熱して調理が行われる。例えば特許文献1には、一対の金属製の加熱プレートの間に形成された加熱調理室にパン生地を挟んで、これらの加熱プレートをヒーターで加熱することによりパン生地を焼き上げるパン類焼生成機が開示されている。一対の金属製の加熱プレートは、背面側がヒンジ連結されており、上側の加熱プレートを持ち上げて背面側に回動させることで、加熱調理室を開くことができる。
特開2000−152879号公報
例えばオーブントースターのような加熱調理器では、広い加熱調理空間を有するが、密閉性が悪くなるため、例えば食パン等の被調理物を加熱した際に、当該被調理物が乾燥しやすくなる。一方、特許文献1に開示されたパン類焼生成機に代表されるように、一対の加熱プレートをヒンジ連結した構成では、2つ加熱プレートで加熱調理空間をしっかり密閉できるため、オーブントースターのような加熱調理器に比べて密閉性を確保することができる。しかし、この加熱調理器は、加熱調理した被調理物を取り出しやすくするために蓋体側の内部空間を広く形成する必要があり、蓋体の形状が大きくなる。また、加熱調理器本体とは別に、蓋体側にも加熱装置を設けて加熱調理の効率を高めた構成とすると、蓋体の形状を更に大きくする必要がある。そのため、蓋体を回動させて加熱調理空間を開放した際に、開いた蓋体が自重で勝手に閉じて、加熱調理器本体と蓋体との間に使用者の手が挟まる虞がある。また、開いた蓋体による重心の変化で加熱調理器本体が後方に転倒する虞があり、思わぬ事態に繋がりかねない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、広い加熱調理空間と密閉性を両立させた構造であっても、開いた蓋体が自重で勝手に閉じたり、開いた蓋体による重心の変化で加熱調理器本体が転倒したりする事態を防止でき、安全に且つ安心して使用できる加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明に係る筐体は、本体と、本体の背面側に配置されたヒンジ部と、ヒンジ部を介して回動自在に取り付けられ、本体の上部を覆い本体と内部空間を形成する蓋体と、を備え、ヒンジ部は、回動する軸と、軸に固定されたカムと、カムに当接するバネとを有し、カムは、蓋体を本体に向けて閉める軸の回動動作に連動し、バネの抵抗力を強めるように回動するようにした。
本発明に係る筐体によれば、ヒンジ部を回転軸として回動する蓋体を目標の回動位置で保持する保持機構を備えているので、開いた蓋体が自重で勝手に閉じたり、開いた蓋体による重心の変化で本体が転倒したりする事態を防止することができ、安全に且つ安心して使用できる。
実施の形態1に係る加熱調理器の外観斜視図である。 実施の形態1に係る加熱調理器であって蓋体を閉じた状態を示した縦断面概略図である。 実施の形態1に係る加熱調理器であって蓋体を回動させる途中段階を示した縦断面概略図である。 実施の形態1に係る加熱調理器であって蓋体を回動させて略90度の位置に起こした状態を示した縦断面概略図である。 実施の形態1に係る加熱調理器のヒンジ部周辺の拡大図である。 実施の形態1に係る加熱調理器のヒンジ部の構造図である。 実施の形態1に係る加熱調理器のヒンジ部の蓋開時の変化を示す動作図である。 実施の形態2に係る加熱調理器のヒンジ部の構造を示す構造図である。 実施の形態2に係る加熱調理器のヒンジ部の蓋開時の変化を示す動作図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
先ず、実施の形態1に係る加熱調理器を図1〜図7に基づいて説明する。図1は、実施の形態1に係る加熱調理器の外観斜視図である。図2は、実施の形態1に係る加熱調理器であって蓋体を閉じた状態を示した縦断面概略図である。図3は、実施の形態1に係る加熱調理器であって蓋体を回動させる途中段階を示した縦断面概略図である。図4は、実施の形態1に係る加熱調理器であって蓋体を回動させて略90度の位置に起こした状態を示した縦断面概略図である。図1〜図4に示すように、実施の形態1に係る加熱調理器100は、加熱調理器本体1と、加熱調理器本体1の背面側に設けられたヒンジ部19を介して開閉自在に取り付けられた蓋体2とを備え、これらで、内部にものを収納することができる筐体を構成している。
加熱調理器本体1の内部は、遮蔽板10によって上部空間と下部空間とに区切られている。上部空間には、加熱プレート11と、底面加熱装置12と、断熱部材13と、ヒーター押さ板14と、温度検知手段15とが設けられている。下部空間には、操作部16の操作基板17と、制御部90と、コードリール91と、が設けられている。
蓋体2の内部には、内筐体20と、上面加熱装置21と、断熱部材22と、ヒーター押さ板23と、遮蔽板24と、シール部材25とが設けられている。蓋体2の外面には、持ち手部26が設けられている。
遮蔽板10は、下部空間に配置した操作基板17、制御部90、及びコードリール91が高温にならないように保護するためのものである。遮蔽板10は、例えば反射率が高く、耐熱温度も高いアルミメッキ鋼板が好適である。
加熱プレート11は、加熱調理器本体1の上面に設けられ、食パンなどの被調理物30が載置されるものである。この加熱プレート11は、アルミニウムなどの熱伝導性の高い金属製の板材をプレス成形により形成されたものである。加熱プレート11の表面は、平面状でもよいし、波型でもよい。
また、加熱プレート11には、耐熱性が高く、放射率の高い塗料がコーティングされている。塗料は、例えばシリコーン系又はフッ素系の耐熱塗料である。塗料は、セラミック塗料でもよい。
底面加熱装置12は、加熱プレート11の下面側に設けられ、加熱プレート11からの熱伝導により被調理物30を下方から加熱する。底面加熱装置12は、例えば面状ヒーターであり、加熱調理器本体1の内壁面に固定されたヒーター押さ板14によって支持されている。底面加熱装置12とヒーター押さ板14との間には、例えばガラスウール等の断熱部材13が設けられている。面状ヒーターとしては、マイカ板に電熱体を巻いた面状ヒーター、又は電熱体をセラミックで挟んで形成したセラミックヒーターなどがある。面状ヒーターで成る底面加熱装置12は、加熱調理器本体1を小型化することができるとともに、被調理物30の均一加熱が可能となるため、焼きムラを少なくすることができる。
底面加熱装置12を設置する範囲は、被調理物30を載せることができる範囲と同程度である。また、底面加熱装置12と加熱プレート11の間には、底面加熱装置12の熱効率が上がり、加熱効率を上げることができるように、黒鉛シートを設けてもよい。
温度検知手段15は、加熱プレート11の下面側に設けられ、加熱プレート11の温度を検知するものである。温度検知手段15は、例えばサーミスタなどの温度センサーである。温度検知手段15は、バネ等の弾性体で加熱プレート11の下面に押しつけられている。加熱プレート11に対する接触圧を一定とし、正確に加熱温度を検知するためである。
操作部16は、加熱装置の動作に関する入力操作を受け付けるものである。
この操作部16には、各種加熱条件や調理条件を設定することができる複数の設定用スイッチ、具体的には、モード設定操作手段16a、厚さ設定操作手段16b、焼き色設定操作手段16c、及び、スタート/ストップ手段16dが設けられている。
モード設定操作手段16aは、調理条件を設定するもので、1回押すことによって、「常温パン」、「フレンチトースト」、「具材のせパン」、「冷凍パン」の順に切り替わり、何れか1つを選択するようになっている。
ここで、「常温パン」とは、常温で保存された状態の食パンである。
「フレンチトースト」とは、食パン内部に溶き卵、牛乳などの単一の液体または複数食材を混合した液体をしみこませた後、加熱して仕上げる料理である。なお、必ずしも液体をパンの中心まで染みこませる必要はなく、一部でもよい。また、染みこませる液体の量も問わないが、加熱前の水分量は加熱前のパン単体よりも多くなる。
「具材のせパン」とは、食パンの上にチーズなどパン以外の具材がのせられたものである。なお、具材については、マヨネーズなどの調味料、野菜、肉、魚、果物などでもよく、または、それらを複数組み合わせたものでもよい。
「冷凍パン」とは、冷凍庫内で保存され、凍った状態の食パンである。なお、冷凍庫内での保管方法、保管期間などは問わない。
厚さ設定操作手段16bは、パンの厚さを設定するものであり、1回押すことによって、「4枚切」、「5枚切」、「6枚切」、「8枚切」の順に切り替わり、何れか1つを選択するようになっている。ここでいう「厚さ」とは、食パン一斤を切り分けるときに、4枚、5枚、6枚、8枚の何れかで切り分けられ、食パン一斤をその枚数で切り分けたときの厚さのことを言っている。例えば4枚切の厚さは約30mm/枚、6枚切の厚さは約20mm/枚となっている。
焼き色設定操作手段16cは、使用者が調理する被加熱物である食パンなどの「焼き色」を設定する、言い換えると仕上がりを設定するものであり、1回押すことによって、「薄い」、「普通」、「濃い」の3種類の焼き色、及び焼き色を付けるために加熱時間を延長する「延長」の順に切り替わり、何れか1つを選択するようになっている。
なお、使用者が、モード設定操作手段16a、厚さ設定操作手段16b、焼き色設定操作手段16cで、条件設定した後、スタート/ストップ手段16dを押すと、加熱調理器100は加熱を開始、また、次に、押すことで加熱を停止させることができる。
モード設定操作手段16a、厚さ設定操作手段16b、焼き色設定操作手段16cの上方向には、それぞれ、横方向に4つ並んだLEDで構成されたモード設定操作表示部16e、厚さ設定操作表示部16f、焼き色設定操作表示部16gがあり、各操作手段を1回押すことに、点灯が横に移るようになっている。これにより、設定操作している使用者は、いま、どのような設定になっているかを把握することができる。
また、スタート/ストップ手段16dの上方向には、1つのLEDであるスタート/ストップ表示部16hがあり、加熱中は点灯、停止中は消灯することで、使用者は加熱中か、否かを知ることができる。
操作基板17は、加熱調理器本体1の内部の前面側に設けられ、操作部16から入力された信号を処理するための回路が実装されたものであり、この信号を処理した後、制御部90に出力するものである。
制御部90は、加熱調理器本体1の内部に設けられ、操作部16からの入力に基づいて、図示省略の電源基板に制御信号を出力するものである。なお、制御部90は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンなどの演算装置とその動作を規定するソフトウェアで構成することもできる。
なお、電源基板は、加熱調理器本体1の内部の背面側に設けられている。電源基板は、商用電源を高周波電力に変換して底面加熱装置12および上面加熱装置21に供給するための回路が実装されたものである。電源基板は、インバーター回路を構成するスイッチング素子などの部品で構成されている。
コードリール91は、商用交流電源と接続する電源コードの巻き取るものであり、加熱調理器本体1の内部の背面側に設けられている。コードリール91は、加熱調理器100を運ぶ際に電源コードが邪魔にならないようにするために設けられている。コードリール91は、蓋体2を開いた際に加熱調理器本体1が転倒しないように、重心位置を配慮した位置に配置されている。なお、コードリール91に代えてマグネットプラグを設けて電源コードを接続する構成、又はコードリール91を設けることなく電源コードのみで構成してよい。
また、加熱調理器本体1の上面であって加熱プレート11の後方には、蓋体2に向かって立ち上がる本体上枠18が設けられている。本体上枠18と加熱調理器本体1の背面との間に形成された空間に、ヒンジ部19が設けられている。
蓋体2は、ヒンジ部19を介して加熱調理器本体1に回動自在に取り付けられている。蓋体2は、内部の中央部分が上方に向かって凹んだ内筐体20を有している。内筐体20は、例えばアルミメッキ鋼板を絞り加工して形成されている。内筐体20には、耐熱性が高く、放射率の高い塗料が塗装されている。塗料は、例えばセラミック塗料、又はシリコーン系若しくはフッ素系の耐熱塗料である。内筐体20の塗装は、内面側にのみ施してもよいし、内面及び外面の両面に施してもよい。なお、蓋体2は、内筐体20が接触する部分を耐熱温度の高い樹脂で形成することが望ましい。耐熱温度の高い樹脂とは、例えばフェノール、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂又はナイロン等である。
加熱調理器100の内部には、蓋体2が閉じられた状態において、加熱プレート11と内筐体20とで囲まれることにより加熱調理室31が形成される。この加熱調理室31には、被調理物30が収容される。加熱調理室31の大部分は、蓋体2の内筐体20によって形成されている。これは、加熱プレート11に載置した被調理物30を加熱調理後に取り出し易くするためである。
上面加熱装置21は、内筐体20の上面に設けられ、内筐体20を介して加熱調理室31を加熱するものであり、内筐体20からの輻射熱により被調理物30を上方から加熱する。上面加熱装置21は、例えば底面加熱装置12と同様の面状ヒーターであり、加熱調理器本体1の内壁面に固定されたヒーター押さ板23によって上面が押さえつけられて固定されている。上面加熱装置21とヒーター押さ板23との間には、例えばガラスウール等の断熱部材22が設けられている。面状ヒーターとしては、マイカ板に電熱体を巻いた面状ヒーター、又は電熱体をセラミックで挟んで形成したセラミックヒーターなどがある。
上面加熱装置21を設置する範囲は、被調理物30を載せることができる範囲と同程度である。また、上面加熱装置21は、加熱プレート11側の表面に黒鉛シートを設けてもよい。黒鉛シートによって、上面加熱装置21の熱効率が上がり、加熱効率を上げることができるからである。
遮蔽板24は、ヒーター押さ板23の上方に配置され、上面加熱装置21によって蓋体2の天面が高温にならないように保護するために設けられている。遮蔽板24は、例えば反射率が高く、耐熱温度も高いアルミメッキ鋼板が好適である。
シール部材25は、内筐体20の側壁の下端に沿って設けられている。シール部材25は、蓋体2が閉じられた状態において、蓋体2の自重により加熱プレート11の周縁部と密着し、密閉度の高い加熱調理室31を形成するために設けられている。シール部材25は、例えばシリコーン又はフッ素ゴム等の耐熱性の高い材料で形成されている。なお、シール部材25と加熱プレート11の周縁部とは、例えばラッチ機構のように機械的に蓋体2を閉じる構成で密着させてもよい。
持ち手部26は、蓋体2の前面側の外面に前方へ向かって突出して設けられ、使用者が蓋体2を回動操作する際に掴むものである。なお、持ち手部26は、ここでは前方に向かって突出させたが、例えば、蓋体2の左右側面外側へ向けて突出させて、設けてもよい。
このような構成の加熱調理器100において、蓋体2を回動させて加熱調理室31を開放した際に、開いた状態の蓋体2が自重で勝手に閉じてしまうと、加熱調理器本体1と蓋体2との間に使用者の手が挟まって怪我をする虞がある。また、蓋体2を回動させて加熱調理室31を開放した際に、蓋体2の重さで加熱調理器本体1が後方に転倒してしまい思わぬ事態が発生する虞がある。そこで、実施の形態1の加熱調理器100では、ヒンジ部19で回動する蓋体2を目標の回動位置で保持する機構が設けられている。
図5は、実施の形態1に係る加熱調理器のヒンジ部19を示した要部断面図である。
ヒンジ部19は、加熱調理器本体1の操作部16の方向から見たときの左右方向に沿って延びる鋼鉄の棒状部材である軸50と、この軸50の外周面を被覆するように取り付けられ、軸50の回転に連動して同一方向に回動するカム51と、カム51の回動を制動させる、SUS製でU字形状のバネ52とを有する保持機構53とで、主に構成されている。
また、U字形状のバネ52は、本体上枠18と加熱調理器本体1の背面との間に形成された空間に設けられた支持台54の上面に設けられ、この支持台54は、バネ52の方向と直行する面に配置された規制部材55を有している。
支持台54は調整バネ(図示せず)で高さが調整できるようになっており、本体組立後にバネ力の調整が可能となっているので、蓋体2の閉まるスピードの調整が可能である。
なお、U字形状のバネ52の形状、及び材質は蓋体2の大きさ、重さ等に応じて適宜最良のものを設けるものとする。
カム51は、強度と摺動性を有する材質 例えばポリアセタール等が望ましい。
軸50には、円を直線で切り欠いた小判形のカット部が形成されている。
カム51は、内面を軸50のカット部に適合する形状とすることで、軸50の回転に連動して回動させることができる。なお、このように構成されたカム51とU字形状のバネ52を複数個配置した保持機構53を設けてもよい。複数個配置することで、カム51及びU字形状のバネ52の1個当たりの負荷を小さくし、機構を小型化できる。
なお、軸50にキー溝を形成し、カム51の内面をキー溝に嵌る形状としてもよい。また、軸50とカム51とをネジ等の接合部材を使用して接合してもよい。
図6は、ヒンジ部19をさらに拡大した、加熱調理器のヒンジ部の構造図で、図7は、加熱調理器のヒンジ部の蓋開時の変化を示す動作図である。
カム51の外面には、外方へ突き出す第1の凸部51aと第2の凸部51bが軸50の周方向に沿って設けられている。
第1の凸部51aでは、凸部の頂上部分が平面部51aaになっており、そこから軸50による回動方向に向かってなだらかな2つの曲面部51abがつながっている。
また、第2の凸部51bでは、凸部の頂上部分が平面部51baになっており、そこから軸50の周方向の一方になだらかな曲面部51bbがつながり、他一方は垂直に切り欠いた切り欠き部51bcがつながっている。なお、曲面部51bbは、その断面において、軸50の回転中心からの径(距離)が平面部51baに向けて、漸次増加するような円弧状になっている。そのため、曲面部51bbと平面部51baとの境界でU字形状のバネ52を最大の力で押し付けるようなる。
次に、蓋体2を開状態から閉状態に回動させるときの、ヒンジ部19の状態について、図7に基づいて説明する。
図7(a)は、蓋体2が開いた状態、すなわち、図4に示す状態にあるときのヒンジ部19の状態を示している。
この状態では、第2の凸部51bの平面部51baが、規制部材55の平面部分に当接し、軸50が勝手に回動することを規制している。また、第2の凸部51bの曲面部51bbの端部がU字状のバネ52の上平面部に当接している。
この状態で、使用者が蓋体2を閉じるように、持ち手部26をもって蓋体2と加熱調理器本体1の方向に向けて軸50で回動させると、カム51も一緒になって回動し、図7(b)に示すように、第2の凸部51bの平面部51baが、規制部材55の平面部分から外れる。同時に、第2の凸部51bの曲面部51bbはU字状のバネ52の上平面部を動くが、軸50の回転中心からの径(距離)が平面部51baに向けて漸次増加するような円弧状になっているので、蓋閉めの回動に伴い、U字状のバネ52を下方側に押しつけていき、U字状のバネ52による抵抗力(上方向に向く力)が徐々に大きくなっていく。
蓋体2が閉まると、図7(c)に示すように、第2の凸部51bの平面部51baがU字形状のバネ52の上平面部に当接し、U字状のバネ52が最大の抵抗力を保つ状態になるとともに、第1の凸部51aの平面部51aaが規制部材55の平面部分に当接する。
このような構成においては、例えば図7(b)のような、蓋体2を途中まで閉じるような状態で使用者が持ち手部26から手を離したとしても、U字状のバネ52の押されたことに伴う抵抗力があるためその状態を維持、蓋体2が、自重でそのまま加熱調理器本体1に向かって落ちてしまうことを防ぐことになる。
また、逆に蓋体2を開く時はU字状のバネ52の抵抗力が蓋体2を開く回動に伴い小さくなるため、加熱調理器本体1が持ち上がってしまうようなことがなく、蓋体2をスムーズに開くことができる。
このように、実施の形態1の加熱調理器100は、ヒンジ部19が回動する蓋体2を制動する保持機構53を備えているので、開いた蓋体2が閉じてきた時に、誤って指等を出しても挟み込んで怪我をする事態を防止することができ、安全に且つ安心して使用できる。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2におけるヒンジ部19の構造を示す拡大図であり、図6とは、使用するバネの形状が異なる。
図8では、V字状のバネ56を用いており、また、第2の凸部51bが、曲面部51bbにつながる斜面部51bdを有している。
次に、蓋体2を開状態から閉状態に回動させるときの、ヒンジ部19の状態について、図9に基づいて説明する。
図9(a)は、蓋体2が開いた状態、すなわち、図4に示す状態にあるときのヒンジ部19の状態を示している。
この状態では、第2の凸部51bの平面部51baが、規制部材55の平面部分に当接し、斜面部51bdがV字状のバネ56の上平面部に当接し、軸50が勝手に回動することを規制している。
この状態で、使用者が蓋体2を閉じるように、持ち手部26をもって蓋体2と加熱調理器本体1の方向に向けて軸50で回動させると、カム51も一緒になって回動し、図9(b)に示すように、第2の凸部51bの平面部51baが、規制部材55の平面部分から外れ、斜面部51bdがV字状のバネ56から外れる。同時に、第2の凸部51bの曲面部51bbはV字状のバネ56の上平面部を動くが、軸50の回転中心からの径(距離)が平面部51baに向けて漸次増加するような円弧状になっているので、蓋閉めの回転に伴い、V字状のバネ56を下方側に押しつけていき、V字状のバネ56による抵抗力(上方向に向く力)が徐々に大きくなっていく。
蓋体2が閉まると、図9(c)に示すように、第2の凸部51bの曲面部51bbの平面部51baに連なる境界部分がV字状のバネ56の上平面部に当接し、V字状のバネ56が最大の抵抗力を保つ状態になるとともに、第1の凸部51aの平面部51aaが規制部材55の平面部分に当接する。
このような構成においては、例えば図9(b)のような、蓋体2を途中まで閉じるような状態で使用者が持ち手部26から手を離したとしても、V字状のバネ56の押されたことに伴う抵抗力があるためその状態を維持、蓋体2が、自重でそのまま加熱調理器本体1に向かって落ちてしまうことを防ぐことになる。
また、逆に蓋体2を開く時はV字状のバネ56の抵抗力が蓋体2を開く回動に伴い小さくなるため、加熱調理器本体1が持ち上がってしまうようなことがなく、蓋体2をスムーズに開くことができる。
このように、実施の形態2の加熱調理器100は、ヒンジ部19が回動する蓋体2を制動する保持機構53を備えているので、開いた蓋体2が閉じてきた時に、誤って指等を出しても挟み込んで怪我をする事態を防止することができ、安全に且つ安心して使用できる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、図示した加熱調理器100の構成は、一例であって、上述した内容に限定されるものではなく、他の構成要素を含んだ加熱調理器であっても同様に実施することができる。
また、加熱調理器でなくとも、本体とヒンジ部と蓋体とを有する筐体であれば、実施の形態に記載した保持機構を使用することができる。
1 加熱調理器本体、2 蓋体、10 遮蔽板、11 加熱プレート、12 底面加熱装置、13 断熱部材、14 ヒーター押さえ板、15 温度検知手段、16 操作部、16a モード設定操作手段、16b 厚さ設定操作手段、16c 焼き色設定操作手段、16d スタート/ストップ手段、16e モード設定操作表示部、16f 厚さ設定操作表示部、16g 焼き色設定操作表示部、16h スタート/ストップ表示部、17 操作基板、18 本体上枠、19 ヒンジ部、20 内筐体、21 上面加熱装置、22 断熱部材、23 ヒーター押さえ板、24 遮蔽板、25 シール部材、26 持ち手部、27 押込部、30 被調理物、31 加熱調理室、50 軸、51 カム、51a 第1の凸部、51aa 平面部、51ba 曲面部、51b 第2の凸部、51ba 平面部、51bb 曲面部、51bc 切り欠き部、51bd 斜面部、52 U字状のバネ、53 保持機構、54 支持台、55 規制部材、56 V字状のバネ、90 制御部、91 コードリール、100 加熱調理器。

Claims (6)

  1. 本体と、
    前記本体の背面側に配置されたヒンジ部と、
    前記ヒンジ部を介して回動自在に前記本体に取り付けられ、前記本体の上部を覆い前記本体と共に内部空間を形成する蓋体と、を備え、
    前記ヒンジ部は、回動する軸と、前記軸に固定されたカムと、前記カムに当接するバネとを有し、
    前記カムは、前記蓋体を前記本体に向けて閉める前記軸の回動に連動し、前記バネの抵抗力を強めるように回動する
    ことを特徴とする筐体。
  2. カムは、軸の回動中心からの径が漸次増加するような円弧状の曲面部を有し、蓋体を本体に向けて閉める前記軸の回動中に、前記曲面部がバネに当接していることを特徴とする請求項1に記載の筐体。
  3. カムは、曲面部につながる平面部を有し、蓋体を本体上に配置する閉めた状態時、前記平面部がバネに当接していることを特徴とする請求項2に記載の筐体。
  4. カムは、曲面部につながる斜面部を有し、蓋体を本体に垂直に配置した開いた状態時、前記斜面部がバネに当接することを特徴とする請求項2又は3に記載の筐体。
  5. バネはU字形状又はV字形状であることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の筐体。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の筐体と、前記内部空間を加熱する加熱手段とを有することを特徴とする加熱調理器。
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