JP2020056931A - 撮像装置とその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレ補正機構を備えつつ、フリッカーの影響による1つの画像内における露出ムラを低減可能な撮像装置とその制御方法を提供すること。【解決手段】撮像装置は、撮像面に結像された光学像を光電変換して画像信号を出力する撮像素子と、開口が形成されているシャッタ地板、および開口を閉鎖する閉鎖状態と開口を開放する開放状態との間を走行可能な遮光部材を備えるシャッタと、ブレを検出する検出部と、ブレに応じて撮像素子を移動させる補正部と、画像信号に基づいて測光対象からの光の光量変化特性を算出する算出部と、光量変化特性に基づいて基準信号を生成する生成部と、基準信号、撮像素子の露光時間、および開口に対する撮像素子の位置に基づいて遮光部材の走行を開始させるタイミングを決定する決定部と、を有する。【選択図】図4
Description
本発明は、撮像装置、特に、防振機能およびフリッカーレス撮影機能を備える撮像装置とその制御方法に関する。
近年、撮影時のブレを補正する防振機能を備える撮像装置および撮影レンズが提案されている(特許文献1参照)。また、フリッカーが生じる光源下で撮影しても、良好な画像を取得可能なフリッカーレス撮影機能を備える撮像装置が提案されている(特許文献2)。
本体にブレ補正機構を備えるカメラでは、揺れを検出し、揺れを打ち消す方向へ撮像部を動かすことで、ブレを軽減する。このようなカメラのシャッタ開口は、撮像部が動いても有効光束をけらないように、本体にブレ補正機構を備えていないカメラのシャッタ開口に比べて大きく形成されている。
フリッカーレス撮影機能を備えるカメラでは、露光中の光量変化がより少なくなるように、シャッタ動作開始タイミングを遅らせる。例えば、光量変化が極大値になるタイミングと、露光開始タイミングと露光終了タイミングとの中心と、が略一致するように調整する。このような調整は、図10(a)に示されるように、シャッタ開口中心とセンサ中心とが一致する、本体にブレ補正機構を備えていないカメラでは特に問題になることはない。本体にブレ補正機構を備えるカメラでは、前述したように、撮像部のブレ補正用のストロークを考慮した分だけシャッタ開口が大きくなっている。このようなカメラでフリッカーレス撮影を行う場合、図10(b)に示されるように、センサ位置がシャッタ開口の上端側である場合や、下端側である場合、フリッカーレス撮影の撮影タイミングからずれてしまうおそれがある。そのため、1つの画面内における露出ムラが悪化してしまう。
特許文献3では、ブレ補正を行う際にシャッタを撮像部とともに移動させる撮像装置が開示されている。
しかしながら、特許文献3の撮像装置では、シャッタ開口を大きくする必要はないが、ブレ補正用の可動部分が重く大きくなってしまうため、駆動用コイルや磁石を大型化する必要がある。
本発明では、ブレ補正機構を備えつつ、フリッカーの影響による1つの画像内における露出ムラを低減可能な撮像装置とその制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての撮像装置は、撮像面に結像された光学像を光電変換して画像信号を出力する撮像素子と、開口が形成されているシャッタ地板、および開口を閉鎖する閉鎖状態と開口を開放する開放状態との間を走行可能な遮光部材を備えるシャッタと、ブレを検出する検出部と、ブレに応じて撮像素子を移動させる補正部と、画像信号に基づいて測光対象からの光の光量変化特性を算出する算出部と、光量変化特性に基づいて基準信号を生成する生成部と、基準信号、撮像素子の露光時間、および開口に対する撮像素子の位置に基づいて遮光部材の走行を開始させるタイミングを決定する決定部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ブレ補正機構を備えつつ、フリッカーの影響による1つの画像内における露出ムラを低減可能な撮像装置とその制御方法を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るカメラシステム100の説明図である。図1(a)および図1(b)はそれぞれ、カメラシステム100の中央断面図および電気的構成を示すブロック図である。カメラシステム100は、撮像装置1、および撮像装置1に着脱可能に取り付けられるレンズユニット2から構成されている。撮像装置1とレンズユニット2とは、電気接点11を介して電気的に接続される。なお、本実施形態では、レンズユニット2は、撮像装置1に着脱可能に取り付けられるように構成されているが、撮像装置1内に設けられていてもよい。
撮像装置1は、カメラシステム制御回路5、撮像素子6、画像処理部7、メモリ手段8、表示手段9、操作検出部10、ブレ補正部(補正部)14、ブレ検出部(検出部)15、およびシャッタ機構16を備える。表示手段9は、背面表示装置9aおよびEVF(Electronic Viewfinder)9bから構成される。背面表示装置9aは、タッチパネルになっており、操作検出部10に接続されている。ブレ検出部15は、振動ジャイロセンサなどで構成され、撮影光学系3の光軸4周りの回転を含む撮像装置1の回転ブレを検出可能である。ブレ補正部14は、ブレ検出部15の検出結果に応じて、撮像素子6の撮像面に結像された光学像のぶれを低減するために撮像素子6を光軸4に直交する平面内で並進させるとともに光軸4周りに回転させる。レンズユニット2は、複数のレンズから構成される撮影光学系3、レンズシステム制御回路12、およびレンズ駆動手段13を備える。レンズ駆動手段13は、焦点レンズ、ブレ補正レンズ、および絞りなどを駆動する。
カメラシステム制御回路5は、図1(c)に示されるように、算出部5a、生成部5b、予測部5c、決定部5dを有する。算出部5aは、撮像素子6から出力される画像信号に基づいて、測光対象からの光の光量変化周期や光量が所定の条件を満たすタイミングなどの光量変化特性を算出する。生成部5bは、算出部5aにより算出された光量変化特性に基づいて基準信号となるフリッカー同期信号を生成する。予測部5cは、レリーズボタンの押下による撮影指示から所定時間後の撮像素子6の位置を予測する。決定部5dは、フッリカー同期信号、撮像素子6の露光時間、および後述するシャッタ機構16に形成された開口17aに対する撮像素子6の位置に基づいてシャッタ走行開始タイミングを決定する。
撮影光学系3、撮像素子6、およびシャッタ機構16は、撮像手段として機能する。メモリ手段8および表示手段9は、記録再生手段として機能する。カメラシステム制御回路5、操作検出部10、レンズシステム制御回路12、レンズ駆動手段13、ブレ補正部14、およびブレ検出部15は、制御手段として機能する。
撮像手段は、物体からの光を、撮影光学系3を介して撮像素子6の撮像面に光学像を結像する光学処理系である。撮像素子6から得られるピント評価量/適当な露光量に基づいて撮影光学系3を調整することで、適切な光量の物体光を撮像素子6に露光するとともに、撮像素子6の撮像面に光学像を結像する。シャッタ機構16は、開閉動作を行うことで撮像素子6の露光時間を制御する。撮像素子6は、光学像を光電変換して画像信号を出力する。
図2は、シャッタ機構16の説明図である。シャッタ機構16は、開口17aが形成されているシャッタ地板17を備える。開口17aの幅および高さは、図2(a)の点線で示されるように、撮像素子6が、光軸4に直交する平面内の最大並進運動および光軸4周りの最大回転運動を行う場合の移動範囲よりも大きく設定されている。そのため、撮像素子6が光軸4に直交する平面内の最大並進運動および光軸4周りの最大回転運動を行う場合でも、開口17aは撮像素子6に入射する光線をけらない。
図2(b)に示されるように、シャッタ機構16は、シャッタ先幕41およびシャッタ後幕42から構成される遮光部材を備える。各幕は、撮像素子6の撮像面への光を遮光するために開口17aを閉鎖する閉鎖状態と撮像素子6の撮像面に光を導くために開口17aを開放する開放状態との間を走行可能である。シャッタ先幕41は、露光時、閉鎖状態から開放状態になるように方向43へ走行する。シャッタ後幕42は、露光時、開放状態から閉鎖状態になるように方向44へ走行する。先幕スリット形成部41−1の位置により、露光開始タイミングが決まる。後述する先幕走行カーブは、先幕スリット形成部41−1の位置の時間変化を示す。また、後幕スリット形成部42−1の位置により、露光終了タイミングが決まる。後述する後幕走行カーブは、後幕スリット形成部42−1の位置の時間変化を示す。
カメラシステム制御回路5は、露光時、シャッタ先幕41およびシャッタ後幕42の走行開始タイミングを制御する。また、カメラシステム制御回路5は、シャッタ先幕41およびシャッタ後幕42の走行カーブ情報に基づいて、走行曲線の特定の箇所と走行方向(またはその反対方向)において所定量だけ離れた箇所との2点間の通過に要する時間を計算することができる。
画像処理部7は、内部にA/D変換器、ホワイトバランス調整回路、ガンマ補正回路、および補間演算回路等を備え、記録用の画像を生成する。また、画像処理部7は、色補間処理手段を備え、ベイヤ配列の信号から色補間(デモザイキング)処理を施してカラー画像を生成する。また、画像処理部7は、画像、動画、および音声などの圧縮を行う。
メモリ手段8は、カメラシステム制御回路5からの出力を保持する。また、メモリ手段8は、前述したシャッタ先幕41およびシャッタ後幕42の走行カーブ情報を保持している。
カメラシステム制御回路5は、撮像の際のタイミング信号などを生成して出力する。また、カメラシステム制御回路5は、外部操作に応じて、撮像手段、画像処理部7、および記録再生手段を制御する。例えば、ユーザー操作による不図示のレリーズボタンの押下を操作検出部10が検出すると、カメラシステム制御回路5は、撮像素子6の駆動や、画像処理部7の動作および圧縮処理などを制御する。これにより、静止画および動画の撮影が可能である。また、カメラシステム制御回路5は、表示手段9によって情報表示を行う情報表示装置の各セグメントの状態を制御する。さらに、カメラシステム制御回路5は、表示手段9にユーザーに提示する像を表示する。
以下、光学系の調整動作について説明する。カメラシステム制御回路5は、画像処理部7に接続されており、撮像素子6から出力される画像信号に基づいて焦点位置や絞り値を求める。すなわち、カメラシステム制御回路5は、撮像素子6から出力される画像信号に基づいて測光動作および焦点検出動作を行い、露出条件(Fナンバーやシャッタスピード等)を決定する。
算出部5aは、前述したように、撮像素子6から出力される画像信号に基づいて、測光対象からの光の光量変化周期や光量が所定の条件を満たすタイミングなどの光量変化特性を算出する。ここで、光量が所定の条件を満たすタイミングとは、例えば、光量が最大となるタイミングや光量が最小となるタイミングである。
カメラシステム制御回路5は、電気接点11を介してレンズシステム制御回路12に指令を出す。レンズシステム制御回路12は、指令に基づいてレンズ駆動手段13を制御する。手ブレ補正を行うモードでは、撮像素子6から出力された画像信号に基づいてレンズ駆動手段13を介してブレ補正レンズが制御される。
カメラシステム制御回路5は、撮像素子6の撮像面に結像された光学像のぶれを低減するために、ブレ検出部15からの信号に基づいて目標値を算出するとともに、算出された目標値に基づいてブレ補正部14の駆動制御を行う。
以下、図3を参照して、ブレ補正部14について説明する。図3は、ブレ補正部14の分解斜視図である。ブレ補正部14は、制御用の電気的構成を有するが、簡単のため、図3では、ブレ補正を行う機構のみを示している。図3の一点鎖線は、光軸4に平行な線である。図3において、移動しない部材(=固定部)には100番台の番号が付されている。また、移動する部材(=可動部)には200番台の番号が付されている。さらに、固定部と可動部との間で挟持されるボールには300番台の番号が付されている。
上部ヨーク101、上部磁石103a,103b,103c,103d,103e,103f、下部磁石107a,107b,107c,107d,107e,107fおよび下部ヨーク108は磁気回路(閉磁路)を形成している。上部磁石103a,103b,103c,103d,103e,103fは、上部ヨーク101に吸着した状態で接着固定されている。下部磁石107a,107b,107c,107d,107e,107fは、下部ヨーク108に吸着した状態で接着固定されている。上部磁石103a,103b,103c,103d,103e,103fおよび下部磁石107a,107b,107c,107d,107e,107fはそれぞれ、光軸方向(図3の上下方向)に沿って着磁されている。また、隣接する磁石(例えば、上部磁石103a,103b)は、互いに異なる向きに着磁されている。また、対向する磁石(例えば、上部磁石103aと下部磁石107a)は、互いに同じ向きに着磁されている。このような構成により、上部ヨーク101と下部ヨーク108との間に光軸方向へ強い磁束密度が生じる。
上部ヨーク101と下部ヨーク108との間には、強い吸引力が生じるが、本実施形態では、メインスペーサ105a,105b,105cおよび補助スペーサ104a,104bにより上部磁石と下部磁石との間を適当な間隔に保つことができる。適当な間隔とは、上部磁石と下部磁石との間にコイル205a,205b,205cおよびFPC201を適当な空隙を確保しつつ配置可能な間隔である。メインスペーサ105a,105b,105cには、ネジ穴が設けられている。上部ヨーク101は、ビス102a,102b,102cによってメインスペーサ105a,105b,105cに固定される。メインスペーサ105a,105b,105cの胴部には、ゴムが設置されている。設置されたゴムは、可動部の機械的端部(いわゆるストッパー)を形成している。
下部ヨーク108は、ビス109a,109b,109cによってベース板110に固定される。ベース板110には、下部磁石107a,107b,107c,107d,107e,107fを避けるように穴が設けられている。下部磁石107a,107b,107c,107d,107e,107fは、ベース板110よりも厚み方向の寸法が大きく、これらの穴から突出する。
可動部203は、マグネシウムダイキャストまたはアルミダイキャストであり、軽量で剛性が高い。可動部203には、各要素が固定されている。FPC201には、図3で見えない側の面の、位置検出素子取り付け位置202a、202b,202cに対応する位置に位置検出素子が取り付けられている。位置検出素子として、前述した磁気回路を利用して位置を検出できるように、例えば、ホール素子などを用いることができる。ホール素子は小型であるため、コイル205a,205b,205cの巻き線の内側に配置される。可動部203には、撮像素子6、コイル205a,205b,205cおよびホール素子が接続されている。
ベース板110には、固定部転動板106a,106b,106cが接着固定されている。可動部203には、可動部転動板204a,204b,204cが接着固定されている。これらの転動板は、ボール301a,301b,301cの転動面を形成する。転動板を別途設けることで表面粗さや硬さなどを好ましい状態に設計することが容易となる。
コイル205a,205b,205cに電流を流すことで、フレミング左手の法則に従う力が発生し、可動部203を移動させることができる。また、位置検出素子であるホール素子の信号を用いることでフィードバック制御を行うことができる。ホール素子の信号値を適当に制御することで、可動部203を光軸4に直交する平面内で並進させることができるとともに、光軸4周りに回転させることができる。
以下、撮像素子6をブレ補正駆動しつつ、フリッカーの影響を低減させた撮影を行うための動作について説明する。図4は、撮像素子6をブレ補正駆動しつつ、フリッカーの影響を低減させた撮影を行うための撮像装置1の動作を説明するフローチャートである。図5は、撮像装置1の動作シーケンスの説明図である。図5では、横軸を時間として、上からシフト変位、ユーザー操作、防振制御、フリッカー同期信号、測光・焦点検出、撮像素子6の位置予測、およびシャッタ幕走行の動作タイミングが示されている。
以下、図4のフローチャートに沿って、撮像装置1の動作を説明する。図4のフローチャートは、撮像装置1の電源がONすることで開始される。図5では、タイミング51に対応する。
ステップS101では、カメラシステム制御回路5は、絞り優先/シャッタ優先等の各種設定値から構成される撮影設定を読み込む。
ステップS102では、カメラシステム制御回路5は、撮像装置1の電源がOFFされたかどうかを判定する。電源がOFFされた場合、本フローを終了し、電源がOFFされていない場合、ステップS103に進む。
ステップS103では、カメラシステム制御回路5は、測光・焦点検出を行う。カメラシステム制御回路5は、ライブビュー画像を取り込む場合の露出条件などを決定する。図5では、測光・焦点検出のグラフでタイミング51の後にOFFからONへの遷移に対応する。
ステップS104では、カメラシステム制御回路5は、ライブビュー表示を行う。これにより、背面表示装置9aまたはEVF9bに画像が表示される。図5では、タイミング51からタイミング52の間に対応する。
ステップS105では、カメラシステム制御回路5は、レリーズボタンが半押しされたかどうか(S1スイッチがONされたかどうか)を判定する。S1スイッチがONされた場合、ステップS106に進み、S1スイッチがONされていない場合、ステップS102に戻る。
ステップS106では、カメラシステム制御回路5は、防振制御を開始する。図5では、防振制御のグラフでタイミング52の後にOFFからONへの遷移に対応する。
ステップS107では、カメラシステム制御回路5は、測光・焦点検出を行う。カメラシステム制御回路5は、撮像素子6から出力される画像信号に応じて、絞り値やシャッタスピード(TV)を決定する。図5では、測光・焦点検出のグラフでタイミング52の後にOFFからONへの遷移に対応する。
ステップS108では、カメラシステム制御回路5は、フリッカー検出用に複数回の電荷の蓄積および画像信号の読み出しを行う。本実施形態では、電荷の蓄積および画像信号の読み出しは、フレームレート600fps、すなわち約1.667ms周期で連続して12回行われる。600fpsは、あらかじめ想定されるフリッカー周波数(100Hzと120Hz)の最小公倍数に等しい値である。また、フレームレート600fpsで12回蓄積を行うことで、全体として20msの期間で蓄積を行うことになる。そのため、商用電源周波数が50Hz,60Hzのどちらであっても、フリッカー光源の光量変化が2周期含まれる。
ステップS109では、カメラシステム制御回路5は、撮像素子6から出力される画像信号に基づいてフリッカー検出演算を行う。
本実施形態では、n回目の蓄積を「蓄積n」、蓄積nの読み出しを「読み出しn」、読み出しnの結果から得られる測光値を「AE(n)」とする。なお、各蓄積により得られる測光値は1つであるが、フリッカー光源の光量は蓄積期間中も一定ではない。そこで、各蓄積により得られる測光値を、各蓄積期間中の中心時点におけるフリッカー光源の光量に対応する値とみなす。
商用電源周波数が50Hzである場合のフリッカー光源の光量変化周期は約10msであり、10[ms]÷1,667[ms]≒6である。そのため、6回周期でフリッカー光源の光量が略等しくなる。すなわち、AE(n)≒AE(n+6)の関係となる。
商用電源周波数が60Hzである場合のフリッカー光源の光量変化周期は約8.33msであり、8,33[ms]÷1,667[ms]≒5である。そのため、5回周期でフリッカー光源の光量が略等しくなる。すなわち、AE(n)≒AE(n+5)の関係となる。
光量変化がない光源下であれば、測光値AE(n)は蓄積回nによらず略一定である。そこで、カメラシステム制御回路5は、フリッカー検出用の蓄積を行うことで取得された複数の測光値に基づいて、以下の式(1),(2)を用いて評価値を算出する。
式(1)を用いて算出される評価値をF50、式(2)を用いて算出される評価値をF60として、評価値F50,F60を所定の閾値F_thと比較することで、フリッカー検出が行われる。具体的には、F50<F_th、かつF60<F_thである場合、フリッカー検出用の蓄積を行うことで取得された複数の測光値のすべてが略等しいといえるため、フリッカーが生じていないと判定される。F50<F_th、かつF60≧F_thである場合、フリッカー検出用の蓄積を行うことで取得された複数の測光値が、5回周期で略等しい値となっているが、6回周期では略等しい値となっていないといえる。そのため、光量変化周期が10msのフリッカーが生じている(商用電源周波数が50Hzのフリッカー光源下である)と判定される。
また、ステップS109では、算出部5aは、フリッカー光源下である場合、フリッカー光源の特徴点(ピーク位置やボトム位置)などの光量変化特性を求める。
ステップS110では、生成部5bは、光量変化特性に基づいてフリッカー同期信号を生成する。フリッカー同期信号は、フリッカー光源の光量変化の1周期ごとに繰り返し生成され、フリッカー光源の光量変化の所定のタイミングに同期させた信号である。フリッカー同期信号が生成されるタイミングt_Flickerは、フリッカー検出用の蓄積開始時を0[ms]とした場合、以下の式(3)を用いて設定される。
t_Flicker=t_peak−T_ShutterResponse−(T_Run+TVmax)/2+T×n (3)
ここで、t_peakは、フリッカー検出用の蓄積開始時を0[ms]とした場合のピークタイミングである。T_ShutterResponseは、シャッタ開始信号から実際に遮光部材が走行して開口17aを開放し始めるまでのタイムラグである。T_Runは、先幕スリット形成部41−1または後幕スリット形成部42−1が開口17aの上端から下端まで走行するのに要する時間である。撮像素子6の全撮像領域を同時に露光開始させる場合、T_Runは0とすればよい。TVmaxは、フリッカーの影響を低減させるシャッタ制御を行うか否かの閾値となるシャッタスピードであり、あらかじめ設定されている。Tは、光量変化周期である。nは、自然数である。
ここで、t_peakは、フリッカー検出用の蓄積開始時を0[ms]とした場合のピークタイミングである。T_ShutterResponseは、シャッタ開始信号から実際に遮光部材が走行して開口17aを開放し始めるまでのタイムラグである。T_Runは、先幕スリット形成部41−1または後幕スリット形成部42−1が開口17aの上端から下端まで走行するのに要する時間である。撮像素子6の全撮像領域を同時に露光開始させる場合、T_Runは0とすればよい。TVmaxは、フリッカーの影響を低減させるシャッタ制御を行うか否かの閾値となるシャッタスピードであり、あらかじめ設定されている。Tは、光量変化周期である。nは、自然数である。
本実施形態では、シャッタスピードTVmaxを1/125(秒)とする。シャッタスピードTVmaxが1/100秒より遅い場合、フリッカー光源の光量変化周期の1周期分以上の期間で露光を行うことになるため、フリッカーの影響が少なくなる。また、露光を行う期間が、フリッカー光源の光量変化周期の1周期分に満たないシャッタスピードであっても、フリッカー光源の光量変化周期の1周期分に近ければ、比較的フリッカーの影響が少ないと考えられる。
また、フリッカー同期信号は式(3)を用いて設定されるため、必ずしも、フリッカー波形の特徴点(例えば、光量のボトムやピーク)とタイミングとが一致するわけではない。
ステップS111では、カメラシステム制御回路5は、レリーズボタンの全押しがされたかどうか(S2スイッチがONされたかどうか)を判定する。S2スイッチがONされた場合、ステップS113に進み、S2スイッチがONされていない場合、ステップS112に進む。
ステップS112では、カメラシステム制御回路5は、S1スイッチのONが継続されているかどうかを判定する。S1スイッチのONが継続されている場合、ステップS108に戻り、ステップS108からステップS110までの処理が再度実行され、フリッカー光源の光量変化周期や光量のピークのタイミングが更新される。また、S1スイッチのONが継続されていない場合、ステップS102に戻る。
ステップS113では、予測部5cは、これまでの防振振幅と周波数が継続すると仮定し、フリッカー同期信号から予想される、撮像素子6が露光されるタイミングにおける撮像素子6の位置を算出する。
ステップS114では、決定部5dは、ステップS113で予測された撮像素子6の位置に基づいて、調整時間T_SensorAdjustを決定する。図5では、タイミング53に対応する。調整時間T_SensorAdjustは、後述するウェイト時間T_ShWaitの終了から、遮光部材の走行開始を指示するシャッタ走行開始信号までの時間である。決定部5dは、撮像素子6が開口17aの中心からずれた量、撮像素子6のサイズ、および遮光部材の走行カーブに基づいて、調整時間T_SensorAdjustを決定する。ここで、走行カーブは先幕走行カーブであっても、後幕走行カーブであっても構わないが、電子先幕用シャッタの走行カーブ情報が保持されている場合、データ容量を少なくする観点から電子先幕用シャッタの走行カーブ情報を使用することが望ましい。図6は、遮光部材の走行カーブを示す図である。横軸は時間、縦軸は遮光部材の走行方向の距離を示している。図6に示されるように、調整時間T_SensorAdjustを算出する際の基準は、遮光部材が開口17aの上端を通過する時間t1と、開口17aの下端を通過する時間t2と、の中間のタイミングとする。このようなタイミングとしているのは、本実施形態では、フリッカー同期信号を生成する際に時間T_Runの半分の値を使っているためである。ただし、このようなタイミングは一例であり、他のタイミングとしてもよい。調整時間T_SensorAdjustは、撮像素子6がシャッタ走行方向へ移動した距離だけ基準位置からずれた場合、スリット通過タイミングとしてどれくらいずれているかを示す。撮像素子6が開口17aの中心からずれていない場合、調整時間T_SensorAdjustはゼロである。調整時間T_SensorAdjustは、撮像素子6が開口17aの上端側にずれた場合、プラスになり、撮像素子6が開口17aの下端側にずれた場合、マイナスになる。
ステップS115では、カメラシステム制御回路5は、S2スイッチがONされてから最初のフリッカー同期信号t_Flickerを起点に、ウェイト時間T_ShWaitと調整時間T_SensorAdjustを合計したタイマーのカウントを開始する。最初のフリッカー同期信号t_Flickerの生成タイミングは、図5のタイミング54に対応する。ウェイト時間T_ShWaitは、フリッカー同期信号t_Flickerから撮像素子6の位置に応じて可変となるタイマーが開始するまでの時間差である。ウェイト時間T_ShWaitは、例えば、シャッタスピードごとに以下の式(4)を用いて設定される。
T_ShWait=(TVmax−TV)/2 (4)
(ただし、TV<所定秒時)
シャッタスピードごとのウェイト時間T_ShWaitは、あらかじめ算出され、撮像装置1に保持されていてもよい。
(ただし、TV<所定秒時)
シャッタスピードごとのウェイト時間T_ShWaitは、あらかじめ算出され、撮像装置1に保持されていてもよい。
図7は、撮像素子6が開口17aの中心に位置する場合の、フリッカー同期信号とシャッタ走行開始信号との関係を示す図である。撮像素子6が開口17aの中心に位置するため、シャッタ走行範囲の上方と下方がほぼ均等に、撮像素子6の露光範囲からはずれる。そのため、ウェイト時間T_SensorAdjustをゼロとし、ウェイト時間T_ShWaitの分だけ遮光部材の走行開始を遅らせる。これにより、撮像素子6が存在する範囲内における光量変化ができるだけ少なくなるようにシャッタ走行開始タイミングが制御される。
図8は、撮像素子6が開口17aの上端側に位置する場合の、フリッカー同期信号とシャッタ走行開始信号の関係を示す図である。撮像素子6が開口17aの上端側に位置する場合、シャッタ走行範囲の下方は撮像素子6の露光範囲からはずれるため、その範囲を除いた部分がフリッカー光源の光量変化が少ない領域に収まる必要がある。そこで、ウェイト時間T_ShWaitに加えてシャッタスピードごとの調整時間T_SensorAdjust(値としてはプラス)分だけ遮光部材の走行開始を遅らせる。これにより、撮像素子6が存在する範囲内における光量変化ができるだけ少なくなるようにシャッタ走行開始タイミングが制御される。
図9は、撮像素子6が開口17aの下端側に位置する場合の、フリッカー同期信号とシャッタ走行開始信号との関係を示す図である。撮像素子6が開口17aの下端側に位置する場合、シャッタ走行範囲の上方は撮像素子6の露光範囲からはずれるため、その範囲を除いた部分がフリッカー光源の光量変化が少ない領域に収まる必要がある。そこで、ウェイト時間T_ShWaitに加えてシャッタスピードごとの調整時間T_SensorAdjust(値としてはマイナス)分だけ遮光部材の走行開始を早くする。これにより、撮像素子6が存在する範囲内における光量変化ができるだけ少なくなるようにシャッタ走行開始タイミングが制御される。
上述したように、本実施形態では、ウェイト時間T_ShWaitおよび調整時間T_SensorAdjustを設定する。これにより、撮像素子6がブレ補正のために開口17aの中心から移動した場合でも、フリッカー光源の光量のピークのタイミングが撮像素子6の撮像領域の最初のラインの露光開始から最後のラインの露光終了までの期間の中心に略一致するように制御できる。
ステップS116では、カメラシステム制御回路5は、露光を行う。ステップS115のタイマーが終了したタイミングで、シャッタ走行開始信号が生成される。図5では、タイミング55に対応する。その後、生成されたシャッタ走行開始信号に応じて遮光部材が駆動し、撮影が行われる。撮像素子6は、被写体像を取得する。
以上説明したように、本実施形態では、フリッカーの影響を低減させるシャッタ制御を実行する。具体的には、フリッカー同期信号に対してシャッタスピードに応じたウェイト時間T_ShWaitに調整時間T_SensorAdjustを加えた(引いた)だけシャッタ開始信号を遅らせて(前倒しして)いる。そのため、図7および図8に示されるように、撮像素子6が開口17aの中心からずれた場合でも、フリッカー光源の光量のピークのタイミングが撮像素子6の撮像領域の最初のラインの露光開始から最後のラインの露光終了までの期間の中心に略一致する。このように、フリッカーの特徴点のタイミングと撮像素子6の位置とに基づいて撮影タイミングを制御することにより、フリッカーの影響による1つの画像内における露出ムラを低減することができる。
なお、本実施形態では、ステップS113で撮像素子6の位置を予測しているが、本発明はこれに限定されない。一般的には、ブレの周波数はフリッカー周波数に比べて十分に小さいので、撮像素子6の位置の予測は必須ではなく、ステップS111での撮像素子6の位置で代用することも可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1 撮像装置
5a 算出部
5b 生成部
5d 決定部
6 撮像素子
14 ブレ補正部(補正部)
15 ブレ検出手段(検出部)
16 シャッタ機構(シャッタ)
17 シャッタ地板
17a 開口
5a 算出部
5b 生成部
5d 決定部
6 撮像素子
14 ブレ補正部(補正部)
15 ブレ検出手段(検出部)
16 シャッタ機構(シャッタ)
17 シャッタ地板
17a 開口
Claims (5)
- 撮像面に結像された光学像を光電変換して画像信号を出力する撮像素子と、
開口が形成されているシャッタ地板、および前記開口を閉鎖する閉鎖状態と前記開口を開放する開放状態との間を走行可能な遮光部材を備えるシャッタと、
ブレを検出する検出部と、
前記ブレに応じて前記撮像素子を移動させる補正部と、
前記画像信号に基づいて測光対象からの光の光量変化特性を算出する算出部と、
前記光量変化特性に基づいて基準信号を生成する生成部と、
前記基準信号、前記撮像素子の露光時間、および前記開口に対する前記撮像素子の位置に基づいて前記遮光部材の走行を開始させるタイミングを決定する決定部と、を有することを特徴とする撮像装置。 - 前記撮像素子が露光されるタイミングにおける、前記開口に対する前記撮像素子の位置を予測する予測部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記決定部は、前記撮像素子の露光時間ごとの、前記基準信号が生成されるタイミングと前記遮光部材を走行させるタイミングとの時間差に関する情報に基づいて前記遮光部材を走行させるタイミングを決定することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
- 前記決定部は、電子先幕用シャッタの走行カーブ情報に基づいて前記遮光部材を走行させるタイミングを決定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 撮像面に結像された光学像を光電変換して画像信号を出力する撮像素子と、開口が形成されているシャッタ地板、および前記開口を閉鎖する閉鎖状態と前記開口を開放する開放状態との間を走行可能な遮光部材を備えるシャッタと、ブレを検出する検出部と、前記ブレに応じて前記撮像素子を移動させる補正部と、を有する撮像装置の制御方法であって、
前記画像信号に基づいて測光対象からの光の光量変化特性を算出するステップと、
前記光量変化特性に基づいて基準信号を生成するステップと、
前記基準信号、前記撮像素子の露光時間、および前記開口に対する前記撮像素子の位置に基づいて前記遮光部材の走行を開始させるタイミングを決定するステップと、を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018187964A JP2020056931A (ja) | 2018-10-03 | 2018-10-03 | 撮像装置とその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018187964A JP2020056931A (ja) | 2018-10-03 | 2018-10-03 | 撮像装置とその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020056931A true JP2020056931A (ja) | 2020-04-09 |
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ID=70107204
Family Applications (1)
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JP2018187964A Pending JP2020056931A (ja) | 2018-10-03 | 2018-10-03 | 撮像装置とその制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020056931A (ja) |
-
2018
- 2018-10-03 JP JP2018187964A patent/JP2020056931A/ja active Pending
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