JP2020056403A - ピストン式圧縮機 - Google Patents

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JP2020056403A
JP2020056403A JP2019173712A JP2019173712A JP2020056403A JP 2020056403 A JP2020056403 A JP 2020056403A JP 2019173712 A JP2019173712 A JP 2019173712A JP 2019173712 A JP2019173712 A JP 2019173712A JP 2020056403 A JP2020056403 A JP 2020056403A
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賢 島田
Masaru Shimada
賢 島田
山本 真也
Shinya Yamamoto
真也 山本
久弥 近藤
Hisaya Kondo
久弥 近藤
洋介 稲垣
Yosuke Inagaki
洋介 稲垣
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Abstract

【課題】高い制御性を発揮するとともに小型化を実現可能なピストン式圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、固定斜板5と、ピストン7と、吐出弁としての弁形成プレート9aと、制御弁13と、移動体10とを備えている。駆動軸3には、案内窓35aが形成されている。案内窓35aは、移動体10が配置されて第2連通路41と連通するとともに、移動体10を駆動軸心O方向に案内する。この圧縮機では、移動体10によって第1連通路22a〜22fと第2連通路41とが連通され、駆動軸3によって第1連通路22a〜22fと第2連通路41とが非連通とされる。移動体10と駆動軸3との間には、冷媒ガスが第2連通路41と第2軸孔23との間で漏出することを抑制する漏出抑制構造60が設けられている。【選択図】図14

Description

本発明はピストン式圧縮機に関する。
特許文献1に従来のピストン式圧縮機(以下、単に圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機は、ハウジングと、駆動軸と、固定斜板と、複数のピストンと、吐出弁と、制御弁と、移動体とを備えている。
ハウジングは、シリンダブロックを有している。シリンダブロックには、複数のシリンダボアが形成されている他、シリンダボアに連通する第1連通路が形成されている。また、ハウジングには、吐出室と、斜板室と、軸孔と、制御圧室とが形成されている。斜板室には圧縮機の外部から冷媒が吸入される。斜板室は軸孔と連通している。
駆動軸は、軸孔内に回転可能に支承されている。固定斜板は、駆動軸の回転によって斜板室内で回転可能であり、駆動軸に垂直な平面に対する傾斜角度が一定である。ピストンは、シリンダボア内に圧縮室を形成し、固定斜板に連結されている。圧縮室と吐出室との間には、圧縮室内の冷媒を吐出室に吐出させるリード弁式の吐出弁が設けられている。制御弁は、冷媒の圧力を制御して制御圧力とする。
移動体は、駆動軸の外周面に設けられており、軸孔内に配置されている。これにより、移動体は、軸孔と制御圧室とを区画している。移動体は、軸孔内で駆動軸と一体回転するとともに、制御圧力に基づいて駆動軸の駆動軸心方向に駆動軸に対して移動可能となっている。また、移動体の外周面には、第2連通路が形成されている。
この圧縮機では、駆動軸が回転し、固定斜板が回転することにより、ピストンがシリンダボア内を上死点と下死点との間で往復動する。ここで、ピストンが上死点から下死点に向かって移動する間、圧縮室は吸入行程中となる。この際、移動体によって第1連通路と第2連通路とが連通されることで、圧縮室に冷媒が吸入される。一方、移動体によって第1連通路と第2連通路とが非連通とされれば、ピストンが下死点から上死点に向かって移動し、圧縮室は吸入した冷媒を圧縮する圧縮行程中となり、続けて、圧縮した冷媒を吐出室に吐出する吐出行程中となる。
また、この圧縮機では、移動体の駆動軸心方向の位置に応じ、駆動軸の1回転当たりで第1連通路と第2連通路とが連通する駆動軸心周りの連通角度を変化させることが可能となっている。これにより、圧縮室から吐出室に吐出される冷媒の流量を変化させることが可能となっている。
特開平5−306680号公報
しかし、上記従来の圧縮機では、圧縮行程中や吐出行程中の圧縮室に連通する第1連通路を通じ、圧縮室内で圧縮された高圧の冷媒による荷重(以下、圧縮荷重という。)が移動体に作用する。これにより、移動体は、軸孔の内壁に押し付けられ、軸孔との摩擦力が大きくなることから、駆動軸心方向に好適に移動し難くなる。このため、この圧縮機では、制御性が懸念される。
このため、より大きな推力によって移動体が駆動軸心方向に移動できるように、移動体の受圧面積を大きくすると、移動体及び軸孔が大型化してしまう。この圧縮機は、大型であり、車両等への搭載性が損なわれてしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、高い制御性を発揮するとともに小型化を実現可能なピストン式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のピストン式圧縮機は、複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックを有し、吐出室と、斜板室と、軸孔とが形成されたハウジングと、
前記軸孔内に回転可能に支承された駆動軸と、
前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能であり、前記駆動軸に垂直な平面に対する傾斜角度が一定である固定斜板と、
前記シリンダボア内に圧縮室を形成し、前記固定斜板に連結されるピストンと、
前記圧縮室内の冷媒を前記吐出室に吐出させる吐出弁と、
前記駆動軸に設けられ、前記駆動軸と一体回転するとともに、制御圧力に基づいて駆動軸心方向に前記駆動軸に対して移動可能である移動体と、
前記制御圧力を制御する制御弁とを備え、
前記シリンダブロックには、前記シリンダボアに連通する第1連通路が形成され、
前記移動体又は前記駆動軸には、前記駆動軸の回転に伴い間欠的に前記第1連通路と連通する第2連通路が形成され、
前記移動体の前記駆動軸心方向の位置に応じて、前記圧縮室から前記吐出室に吐出される冷媒の流量が変化するピストン式圧縮機であって、
前記駆動軸には、前記軸孔内に開口し、前記移動体が配置されて前記第2連通路と連通するとともに、前記移動体を前記駆動軸心方向に案内する案内窓が形成され、
前記移動体によって前記第1連通路と前記第2連通路とが連通され、
前記駆動軸によって前記第1連通路と前記第2連通路とが非連通とされ、
前記移動体と前記駆動軸との間には、冷媒が前記第2連通路と前記軸孔との間で漏出することを抑制する漏出抑制構造が設けられていることを特徴とする。
本発明のピストン式圧縮機では、駆動軸によって第1連通路と第2連通路とが非連通とされるため、圧縮行程中や吐出行程中の圧縮室からの圧縮荷重は、第1連通路を通じて駆動軸に作用する。これにより、駆動軸が圧縮荷重を受け止めることで、移動体は駆動軸心方向に移動し易い。また、この圧縮機では、移動体を必要以上に大型化しなくても足りる。
したがって、本発明のピストン式圧縮機は、高い制御性を発揮するとともに小型化を実現できる。
ところで、駆動軸が回転する際、移動体には、圧縮荷重による問題とは別に遠心力が作用する。ここで、この圧縮機では、駆動軸に形成された案内窓に移動体が配置される構成であるため、移動体が遠心力によって軸孔内を駆動軸の径方向で駆動軸から離間するように移動する。このため、移動体と案内窓との隙間が大きくなり、冷媒が第2連通路と軸孔との間で漏出し易くなることで、圧縮機の作動時における効率が低下する懸念がある。
この点、この圧縮機では、移動体と駆動軸との間に設けられた漏出抑制構造は、冷媒が第2連通路と軸孔内との間で漏出することを抑制する。これにより、この圧縮機では、移動体に遠心力が作用しても、冷媒が第2連通路と軸孔との間で漏出することを抑制できることから、作動時の効率の低下を抑制することができる。
漏出抑制構造は、移動体に形成された当接部と、駆動軸に形成され、駆動軸心から移動体及び駆動軸を見て、当接部と重なり合いつつ当接する被当接部とからなることが好ましい。
また、漏出抑制構造は、移動体又は駆動軸に設けられ、移動体と駆動軸との間を封止する封止部材を有していることも好ましい。
これらの場合には、移動体と駆動軸との間に漏出抑制構造を容易に設けることが可能となる。また、これらの漏出抑制構造によれば、冷媒が第2連通路と軸孔との間で漏出することをより好適に抑制することが可能となる。
本発明の圧縮機において、ハウジングには吸入室が形成され得る。また、移動体は、案内窓に配置され、案内窓内を駆動軸心方向に移動可能な第1移動体と、駆動軸内に配置されて第1移動体と係合し、駆動軸内を駆動軸心方向に移動可能な第2移動体とからなり得る。さらに、第2連通路は、第1移動体に形成された本体通路と、第2移動体に形成されて本体通路と連通する連絡路とからなり得る。そして、連絡路及び本体通路は、吸入室と連通することが好ましい。
この場合には、移動体によって第1連通路と第2連通路とが連通されることにより、吸入室内の冷媒が第2連通路及び第1連通路を経て圧縮室に吸入される。このため、この圧縮機では、圧縮室に吸入される冷媒の流量を変化させたり、圧縮室から第1連通路を経て第2連通路に排出される冷媒の流量を変化させたりすることで、圧縮室から吐出室に吐出される冷媒の流量を変化させることができる。そして、この圧縮機では、漏出抑制構造によって、冷媒が本体通路及び連絡路と、軸孔との間で漏出することを抑制できる。
また、本発明の圧縮機において、ハウジングには吸入室が形成され得る。また、吸入室内の冷媒を圧縮室に吸入させる吸入弁をさらに備え得る。そして、移動体は、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室に連通する第1連通路と、再膨張行程中又は吸入行程中の圧縮室に連通する第1連通路と、第2連通路とを連通することも好ましい。
この場合には、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室から、再膨張行程中又は吸入行程中の圧縮室に導入される冷媒の流量を変化させることができる。これにより、吸入弁を通じて吸入室から圧縮室に吸入される冷媒の流量が変化するため、圧縮室から吐出室に吐出される冷媒の流量を変化させることができる。この際、この圧縮機では、漏出抑制構造によって、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室から、再膨張行程中又は吸入行程中の圧縮室に導入される冷媒が案内窓を経由して軸孔内に漏出することを抑制できる。
ここで、この圧縮機では、移動体によって、圧縮行程中の圧縮室に連通する第1連通路と、再膨張行程中又は吸入行程中の圧縮室に連通する第1連通路と、第2連通路とが連通される際には、駆動軸によって、吐出行程中の圧縮室に連通する第1連通路と、第2連通路とが非連通とされる。このため、この場合には、駆動軸が吐出行程中の圧縮室からの圧縮荷重を受け止めることで、移動体には、吐出行程中の圧縮室からの圧縮荷重が作用し難くなる。一方、移動体によって、吐出行程中の圧縮室に連通する第1連通路と、再膨張行程中又は吸入行程中の圧縮室に連通する第1連通路と、第2連通路とが連通される際には、駆動軸によって、圧縮行程中の圧縮室に連通する第1連通路と、第2連通路とが非連通とされる。このため、この場合には、駆動軸が圧縮行程中の圧縮室からの圧縮荷重を受け止めることで、移動体には、圧縮行程中の圧縮室からの圧縮荷重が作用し難くなる。
本発明のピストン式圧縮機は、高い制御性を発揮するとともに小型化を実現できる。
図1は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、最大流量時における断面図である。 図2は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、最少流量時における断面図である。 図3は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、駆動軸及び移動体等を示す分解図である。 図4は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、キャップを示す断面図である。 図5は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、図4のC−C断面を示す拡大断面図である。 図6は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、第1移動体を圧縮機の前方側から見た拡大正面図である。 図7は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、第2移動体を圧縮機の後方側から見た拡大背面図である。 図8は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、最大流量時における駆動軸及び移動体等を示す要部拡大断面図である。 図9は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、最少流量時における駆動軸及び移動体等を示す要部拡大断面図である。 図10は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、図1のA−A断面を示す要部拡大断面図である。 図11は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、図1に示す位置よりも移動体が前方に移動した状態を示す図10と同様の要部拡大断面図である。 図12は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、図2のB−B断面を示す要部拡大断面図である。 図13は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、移動体に遠心力が作用していない状態における駆動軸及び移動体を示す拡大断面図である。 図14は、実施例1のピストン式圧縮機に係り、移動体に遠心力が作用している状態における駆動軸及び移動体を示す拡大断面図である。 図15は、実施例2のピストン式圧縮機に係り、最大流量時における断面図である。 図16は、実施例2のピストン式圧縮機に係り、最少流量時における断面図である。 図17は、実施例2のピストン式圧縮機に係り、最大流量時における駆動軸及び移動体等を示す要部拡大断面図である。 図18は、実施例2のピストン式圧縮機に係り、最少流量時における駆動軸及び移動体等を示す要部拡大断面図である。 図19は、実施例2のピストン式圧縮機に係り、図15のD−D断面を示す要部拡大断面図である。 図20は、実施例2のピストン式圧縮機に係り、図15に示す位置よりも移動体が後方に移動した状態を示す図19と同様の要部拡大断面図である。 図21は、実施例2のピストン式圧縮機に係り、図16のE−E断面を示す要部拡大断面図である。 図22は、実施例3のピストン式圧縮機に係り、駆動軸及び移動体を示す図13と同様の拡大断面図である。 図23は、実施例4のピストン式圧縮機に係り、駆動軸及び移動体を示す図13と同様の拡大断面図である。 図24は、比較例のピストン式圧縮機に係り、移動体に遠心力が作用していない状態における駆動軸及び移動体を示す拡大断面図である。 図25は、比較例のピストン式圧縮機に係り、移動体に遠心力が作用している状態における駆動軸及び移動体を示す拡大断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1〜4を図面を参照しつつ説明する。これらの圧縮機は、片頭ピストン式圧縮機である。これらの圧縮機は、車両に搭載されており、空調装置の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1及び図2に示すように、実施例1の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、固定斜板5と、複数のピストン7と、弁形成プレート9aと、移動体10と、制御弁13とを備えている。弁形成プレート9aは、本発明の「吐出弁」の一例である。
ハウジング1は、フロントハウジング17と、リヤハウジング19と、シリンダブロック21とを有している。本実施例では、フロントハウジング17が位置する側を圧縮機の前方側とし、リヤハウジング19が位置する側を圧縮機の後方側として、圧縮機の前後方向を規定している。また、図1及び図2の紙面の上方を圧縮機の上方側とし、紙面の下方を圧縮機の下方側として、圧縮機の上下方向を規定している。そして、図3以降では、図1及び図2に対応させて前後方向及び上下方向を表示する。なお、実施例における前後方向等は一例であり、本発明の圧縮機は、搭載される車両に対応して、その姿勢が適宜変更される。
フロントハウジング17は、径方向に延びる前壁17aと、前壁17aと一体をなして、前壁17aから駆動軸3の駆動軸心O方向で後方に延びる周壁17bとを有しており、略円筒状をなしている。駆動軸心Oは、圧縮機の前後方向と平行に延びている。
前壁17aには、第1ボス部171と、第2ボス部172と、第1軸孔173とが形成されている。第1ボス部171は駆動軸心O方向で前方に向かって突出している。第1ボス部171内には軸封装置25が設けられている。第2ボス部172は後述する斜板室31内において、駆動軸心O方向で後方に向かって突出している。第1軸孔173は、駆動軸心O方向で前壁17aを貫通している。
リヤハウジング19には、吸入室28と、吸入口28aと、吐出室29と、吐出口29aとが形成されている。吸入室28は、リヤハウジング19の中心側に位置している。吸入口28aは、吸入室28と連通しており、リヤハウジング19の軸方向に延びてリヤハウジング19の外部に開いている。吸入口28aは、配管を介して蒸発器と接続している。これにより、吸入室28は、蒸発器を経た低圧の冷媒ガスが吸入口28aから吸入されることで吸入圧力となっている。吐出室29は環状に形成されており、吸入室28の外周側に位置している。吐出口29aは、吐出室29と連通しており、リヤハウジング19の径方向に延びてリヤハウジング19の外部に開いている。吐出口29aは、配管を介して凝縮器と接続している。吸入口28a及び吐出口29aの形状は適宜設計可能である。なお、配管、蒸発器及び凝縮器の図示は省略する。
シリンダブロック21は、フロントハウジング17とリヤハウジング19との間に位置している。図10〜図12に示すように、シリンダブロック21には、シリンダボア21a〜21fが形成されている。シリンダボア21a〜21fは、それぞれ周方向に等角度間隔で配置されている。図1及び図2に示すように、シリンダボア21a〜21fは、それぞれ駆動軸心O方向に延びている。なお、シリンダボア21a〜21fの個数は適宜設計可能である。
シリンダブロック21は、フロントハウジング17と接合されることにより、フロントハウジング17の前壁17a及び周壁17bとの間に斜板室31を形成している。斜板室31は、図示しない連絡通路によって吸入室28と連通している。
また、シリンダブロック21には、第2軸孔23が形成されている。第1軸孔173及び第2軸孔23は、本発明の「軸孔」の一例である。第2軸孔23は、シリンダブロック21の中心側に位置しており、シリンダブロック21を駆動軸心O方向に貫通している。第2軸孔23の後方側は、シリンダブロック21が弁形成プレート9aを介してリヤハウジング19と接合されることにより、吸入室28内に位置する。これにより、第2軸孔23は吸入室28と連通している。
一方、第2軸孔23の前方側には、環状溝24が形成されている。環状溝24は、第2軸孔23に円環状に凹設されており、第2軸孔23の内周面に臨んでいる。環状溝24は接続路26と接続している。接続路26は、シリンダブロック21及びリヤハウジング19に形成されており、駆動軸心O方向に延びている。
また、図10〜図12に示すように、シリンダブロック21には、第1連通路22a〜22fが形成されている。第1連通路22a〜22fの一端側はシリンダボア21a〜21fとそれぞれ接続している。第1連通路22a〜22fは、それぞれシリンダブロック21の径方向に延びている。これにより、第1連通路22a〜22fの他端側は、第2軸孔23と接続している。
図1及び図2に示すように、弁形成プレート9aは、リヤハウジング19とシリンダブロック21との間に設けられている。この弁形成プレート9aを介して、リヤハウジング19とシリンダブロック21とが接合されている。
弁形成プレート9aは、バルブプレート90と、吐出弁プレート92と、リテーナプレート93とを有している。バルブプレート90には、シリンダボア21a〜21fに連通する6つの吐出孔911が形成されている。シリンダボア21a〜21fは、各吐出孔911を通じて吐出室29に連通する。
吐出弁プレート92は、バルブプレート90の後面に設けられている。吐出弁プレート92には、弾性変形によって各吐出孔911を開閉可能な6つの吐出リード弁92aが設けられている。リテーナプレート93は、吐出弁プレート92の後面に設けられている。リテーナプレート93は、吐出リード弁92aの最大開度を規制する。
駆動軸3は、駆動軸本体33とキャップ35とで構成されており、駆動軸心O方向でハウジング1の前方側から後方側に向かって延びている。駆動軸本体33及びキャップ35は鉄鋼製であり、高圧の冷媒ガスの圧縮荷重に対する剛性を有している。駆動軸本体33は、駆動軸3の前側部分を構成している。駆動軸本体33は、ねじ部33aと、第1軸部33bと、第2軸部33cとを有している。ねじ部33aは、駆動軸本体33の前端、すなわち、駆動軸3の前端に位置している。このねじ部33aを介して駆動軸3は、図示しないプーリや電磁クラッチ等と連結されている。第1軸部33bは、ねじ部33aの後端と連続しており、駆動軸心O方向に延びている。
第2軸部33cは、第1軸部33bの後端と連続しており、駆動軸心O方向に延びている。第2軸部33cは、第1軸部33bよりも小径に形成されている。図3に示すように、第2軸部33cには、第1軸路33dが形成されている。第1軸路33dは、第2軸部33c内を駆動軸心O方向に延びており、第2軸部33cの後端面、つまり駆動軸本体33の後端面に開口している。また、第2軸部33cには、第1径路33eが形成されている。図8及び図9に示すように、第1径路33eは、第1軸路33dと連通しつつ、第2軸部33c内を駆動軸3の径方向に延びており、第2軸部33cの外周面に開口している。
図1及び図2に示すように、キャップ35は、駆動軸3の後側部分を構成している。図1〜図5に示すように、キャップ35は、第2軸孔23とほぼ同径をなす円筒状をなしており、駆動軸心O方向に延びている。図4及び図5に示すように、キャップ35には、案内窓35aが形成されている。案内窓35aは、キャップ35を周方向に半周に亘って形成されており、駆動軸心O方向に延びている。一方、キャップ35において、駆動軸心Oを挟んで案内窓35aの反対側に位置する部分は、本体部35bとされている。本体部35bは、案内窓35aに対向して駆動軸心O方向に延びる半円形の樋形状をなしている。なお、案内窓35aについて、キャップ35の周方向に半周よりも大きく形成しても良く、また、キャップ35の周方向に半周よりも小さく形成しても良い。
キャップ35内には、第2軸路35cが形成されている。第2軸路35cは、駆動軸心O方向に延びており、キャップ35を前後に貫通している。第2軸路35cは、第1径部351と、第2径部352と、第3径部353とで構成されている。第1径部351と、第2径部352と、第3径部353とは、互いに同軸をなしている。
第1径部351は、駆動軸本体33の第2軸部33cとほぼ同径に形成されている。第1径部351は、キャップ35の前端面に開口しており、後方に向かって延びている。第2径部352は、第1径部351の後端と接続しており、後方に向かって延びている。第2径部352は、図3に示す第1軸路33dとほぼ同径であって、第1径部351よりも小径に形成されている。これにより、第1径部351と第2径部352との間には、図4に示す第1段部354が形成されている。また、第1径部351と第2径部352とは、案内窓35aと連通している。これにより、第1、2径部351、352は、案内窓35aと連通する箇所において、キャップ35の外部と連通している。第3径部353は、第2径部352の後端と接続して後方に向かって延びており、キャップ35の後端面に開口している。第3径部353は、第2径部352よりも小径に形成されている。これにより、第2径部352と第3径部353との間には第2段部355が形成されている。
また、キャップ35の前端側には、第1環状凹溝356と第2環状凹溝357とが形成されている。第1環状凹溝356には第1シールリング358が設けられており、第2環状凹溝357には第2シールリング359が設けられている。第1、2シールリング358、359は、PTFE等の樹脂で形成されている。また、キャップ35の前端側において、第1環状凹溝356と第2環状凹溝357との間、すなわち、第1シールリング358と第2シールリング359との間となる位置には、第2径路35dが形成されている。第2径路35dは、第1径部351と連通しつつ、キャップ35内を径方向に延びており、キャップ35の外周面に開口している。
さらに、図3〜図5に示すように、キャップ35は、第1規制面301と、第2規制面302と、対向面303と、案内面304とを有している。図4に示すように、第1規制面301は、キャップ35の内周側から外周側に向かって平面状に延びており、案内窓35aに後向きに面している。第2規制面302は、第1規制面301と対向しつつキャップ35の内周側から外周側に向かって平面状に延びており、案内窓35aに前向きに面している。図3に示すように、対向面303及び案内面304は、案内窓35a内、つまり、第1規制面301と第2規制面302との間に位置しており、本体部35bの端面を構成している。対向面303と案内面304とは、駆動軸心Oを挟んで配置されており、互いに平行で駆動軸心O方向に平面状に延びている。より具体的には、図5に示すように、案内面304は、対向面303よりも駆動軸3が後述するR1方向に回転する際の先行側に位置している。
図3に示すように、対向面303には、第1凹部61が形成されており、案内面304には、第2凹部63が形成されている。第1凹部61及び第2凹部63は、本発明の「被当接部」の一例である。第1凹部61は、対向面303において最も外周側となる位置に形成されており、対向面303に沿って駆動軸心O方向に延びている。第2凹部63は、案内面304において最も外周側となる位置に形成されており、案内面304に沿って駆動軸心O方向に延びている。第1、2凹部61、63は、それぞれ、対向面303及び案内面304の前端から後端まで延びている。
より具体的には、図5に示すように、第1凹部61は、対向面303に凹設されており、第1壁面61aと第2壁面61bとを有している。第1壁面61aは、対向面303と連続しており、本体部35b内をキャップ35の周方向で平面状に延びている。第2壁面61bは、対向面303とは反対側で第1壁面61aと連続しており、本体部35bの外周面、すなわちキャップ35の外周面まで延びている。これらの第1壁面61a及び第2壁面61bにより、第1凹部61は、案内窓35a内に開口しているとともに、キャップ35の外周面に開口している。
第2凹部63は、案内面304に凹設されており、第3壁面63aと第4壁面63bとを有している。第3壁面63aは、案内面304と連続しており、第1壁面61aと同様に、本体部35b内をキャップ35の周方向で平面状に延びている。第4壁面63bは、案内面304とは反対側で第3壁面63aと連続しており、第2壁面61bと同様に、キャップ35の外周面まで延びている。これらの第3壁面63a及び第4壁面63bにより、第2凹部63も、案内窓35a内に開口しているとともに、キャップ35の外周面に開口している。つまり、第1凹部61と第2凹部63とは、駆動軸心Oを挟んで配置されており、対称の形状をなしている。
図8及び図9に示すように、駆動軸本体33の第2軸部33cは、キャップ35に圧入されている。より具体的には、第2軸路35cの第1径部351に対して、第2軸部33cの後端側が圧入されている。そして、第2軸部33cの後端が第1段部354に当接することにより、第1径部351内で第2軸部33cが位置決めされる。この際、第1径路33eと第2径路35dとが整合することで、互いに連通している。こうして、駆動軸本体33とキャップ35とが一体化されることにより、駆動軸3が形成されている。
図1及び図2に示すように、駆動軸3は、駆動軸本体33の第1軸部33bを第1軸孔173に支承させるとともに、キャップ35を第2軸孔23に支承させることにより、ハウジング1に回転可能に挿通されている。これにより、駆動軸3は駆動軸心O周りで回転可能となっている。より具体的には、本実施例では、駆動軸3は、図5及び図10〜図12等に示すR1方向に回転する。
ここで、キャップ35が第2軸孔23に支承されることにより、図8及び図9に示すように、環状溝24と第2径路35d及び第1径路33eとが対向する。これにより、第1、2径路33e、35dを通じて、環状溝24と第1軸路33dとが連通する。そして、第1、2シールリング358、359によって、第2軸孔23内と環状溝24との間が封止される。また、キャップ35が第2軸孔23に支承されることで、キャップ35の後端が第2軸孔23内から突出しつつ吸入室28内に延びる状態となる。これにより、第3径部353を通じて、第2軸路35cが吸入室28と繋がっている。一方、図1及び図2に示すように、第1ボス部171内では、軸封装置25に駆動軸3が挿通される。これにより、軸封装置25は、ハウジング1の内部とハウジング1の外部との間を封止する。
また、キャップ35が第2軸孔23に支承されることにより、図10〜図12に示すように、案内窓35aは、第1連通路22a〜22fのうち、再膨張行程中又は吸入行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fに対向する。一方、本体部35bは、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fに対向する。
図1及び図2に示すように、固定斜板5は、駆動軸本体33の第2軸部33cに圧入されることで、駆動軸本体33に固定されている。この際、固定斜板5は、第2軸部33cと第1軸部33bとの間に形成された段部33fに当接することで、駆動軸本体33に対する位置決めがされている。こうして、固定斜板5は、斜板室31内に配置されており、駆動軸3が回転することによって、斜板室31内で駆動軸3とともに回転可能となっている。ここで、固定斜板5は、駆動軸3に垂直な平面に対する傾斜角度が一定となっている。また、斜板室31内において、第2ボス部172と固定斜板5との間には、スラスト軸受6が設けられている。
各ピストン7は、シリンダボア21a〜21f内にそれぞれ収容されている。各ピストン7と、弁形成プレート9aとにより、図10〜図12に示すように、シリンダボア21a〜21f内に圧縮室45a〜45fがそれぞれ形成されている。圧縮室45a〜45fは、それぞれ第1連通路22a〜22fと連通している。
図1及び図2に示すように、各ピストン7には、係合部7aが形成されている。係合部7a内には、半球状のシュー8a、8bがそれぞれ設けられている。これらのシュー8a、8bによって、ピストン7は固定斜板5に連結されている。これにより、各シュー8a、8bは、固定斜板5の回転をピストン7の往復動に変換する変換機構として機能する。このため、ピストン7は、それぞれシリンダボア21a〜21f内をピストン7の上死点とピストン7の下死点との間で往復動することが可能となっている。以下では、ピストン7の上死点及びピストン7の下死点について、それぞれ上死点及び下死点と記載する。
図3に示すように、移動体10は、第1移動体11と第2移動体12とで構成されている。第1移動体11は、周壁部11aと立壁部11bとを有している。図6及び図10〜図12に示すように、周壁部11aは、キャップ35とほぼ同径をなす半円の樋状に形成されており、駆動軸心O方向に延びている。ここで、周壁部11aにおける駆動軸心O方向の長さは、案内窓35aにおける駆動軸心O方向の長さに比べて短く設定されている。図6に示すように、周壁部11aは、表面111と裏面112と摺動面113とを有している。摺動面113は、表面111と裏面112との間に位置している。
摺動面113には、第1突出部65と第2突出部67とが形成されている。第1突出部65及び第2突出部67は、本発明の「当接部」の一例である。図13及び図14に示すように、第1突出部65及び第2突出部67は、第1凹部61及び第2凹部63とともに、漏出抑制構造60を構成している。
第1突出部65と第2突出部67とは、摺動面113から周壁部11aの周方向、つまり、摺動面113からキャップ35の本体部35bに向かって突出している。
より具体的には、第1突出部65は、第1凹部61に対応するように、摺動面113における外周側に形成されている。第1突出部65は、第1壁面65aと第2壁面65bとを有している。第1壁面65aは、摺動面113と連続しつつ、周壁部11aの周方向に平面状に延びている。第2壁面65bは、平面状に延びており、第1壁面65aの先端と、周壁部11aの表面111とに連続している。
第2突出部67は、駆動軸心Oを挟んで第1突出部65の反対側に位置している。第2突出部67は、第2凹部63に対応するように、摺動面113の外周側に形成されている。第2突出部67は、第3壁面67aと第4壁面67bとを有している。第3壁面67aは、第1壁面65aと同様、摺動面113と連続しつつ、周壁部11aの周方向に平面状に延びている。第4壁面67bは、第2壁面65bと同様、平面状に延びており、第3壁面67aの先端と、周壁部11aの表面111とに連続している。図3に示すように、第1突出部65と第2突出部67とは、駆動軸心O方向で、周壁部11aの前端から後端まで延びている。
また、周壁部11aには、本体通路41aが形成されている。図6に示すように、本体通路41aは、表面111から裏面112まで貫通している。また、図1〜3に示すように、本体通路41aは、周壁部11aにおいて、前後方向に延びるように形成されている。そして、本体通路41aは、後端から前端に向かうにつれて、次第に周壁部11aの周方向に大きく形成されている。つまり、周壁部11aの周方向に小さく形成された第1部位411が本体通路41aの後端側に位置しており、周壁部11aの周方向に大きく形成された第2部位412が本体通路41aの前端側に位置している。なお、本体通路41aの形状は適宜設計可能である。
図8及び図9に示すように、立壁部11bは、周壁部11aの裏面112に対して一体で形成されている。立壁部11bは、第1移動体11の後方側に配置されており、駆動軸心O方向に直交して上下に延びる板状をなしている。図6に示すように、立壁部11bには、半円状をなす切欠き部114が形成されている。なお、切欠き部114の形状は適宜設計可能である他、切欠き部114の形成を省略することもできる。
図3、図7〜図9に示すように、第2移動体12は、第1軸路33d及び第2軸路35cの第2径部352とほぼ同径をなす略円筒状に形成されている。第2移動体12の後端には、平面状をなす係合部12aが形成されている。また、第2移動体12には、連絡路41bが形成されている。上記の本体通路41a及び連絡路41bによって、第2連通路41が形成されている。
連絡路41bは、第2移動体12内を駆動軸心O方向に延びており、第2移動体12の後端に開口している。また、連絡路41bにおける係合部12a側は、第2移動体12の外周面に開口している。ここで、図8及び図9に示すように、連絡路41bは、第2移動体12内を駆動軸心O方向に貫通しておらず、第2移動体12の前端には開口していない。これにより、第2移動体12には、平面状をなす第1面121と第2面122とが形成されている。第1面121は、第2移動体12の前端面を構成しており、前方に面している。第2面122は、連絡路41bの前方に位置しており、後方に面している。なお、係合部12aは、立壁部11bと係合可能であれば、形状を適宜設計可能である。
また、第2移動体12において、第1面121と第2面122との間、つまり、連絡路41bよりも前方側となる箇所には、リング溝12cが形成されている。リング溝12cには、Oリング37が設けられている。
第2移動体12は、係合部12aを案内窓35a側に向けた状態、つまり、連絡路41bを案内窓35aに対向させた状態で、キャップ35の第2径部352内に配置されている。また、キャップ35内において、第2移動体12は、前端側を第1軸路33d内に進入させている。これにより、第1軸路33d内、すなわち駆動軸3内には、駆動軸本体33と第2移動体12とによって区画された制御圧室27が形成されている。制御圧室27は、第1径路33e及び第2径路35dを通じて、環状溝24と連通している。これらの接続路26、環状溝24及び第1、2径路33e、35dによって、第2給気通路13cが形成されている。また、制御圧室27と、第2径部352との間は、Oリング37によって封止されている。
ここで、環状溝24は第2軸孔23に円環状に凹設されているため、駆動軸3が回転しても、環状溝24と第2径路35d及び第1径路33eとは、常に対向する。このため、駆動軸3が回転しても、環状溝24と制御圧室27とは、常に連通するようになっている。
また、キャップ35内、すなわち駆動軸3内には、第2径部352、第3径部353及び切欠き部114によって、吸入通路39が形成されている。吸入通路39は、連絡路41b、ひいては第2連通路41と吸入室28とを連通している。これにより、吸入通路39及び連絡路41bは、吸入圧力となっている。ここで、吸入通路39は、第2移動体12によって、制御圧室27と区画されている。これにより、吸入通路39と制御圧室27とは非連通となっている。
第1移動体11は、立壁部11bを第2移動体12に向けた状態で、案内窓35a内に設けられている。これにより、第1移動体11の周壁部11aは、駆動軸心Oを挟んでキャップ35の本体部35bの反対側に位置して、第2軸孔23内に露出する。ここで、周壁部11aは、キャップ35とほぼ同径をなす半円の樋状であることから、第1移動体11は、案内窓35a内に設けられることにより、本体部35bとともに第2軸孔23とほぼ同径をなす円筒体を構成する。これにより、第1移動体11は、本体部35bとともに第2軸孔23と整合する。
さらに、第1移動体11は、案内窓35a内に設けられた状態で、立壁部11bを第2移動体12の係合部12aに当接させている。これにより、立壁部11bと係合部12aとが係合されることで、第1移動体11と第2移動体12とが組み付けられている。こうして、連通路41bは、本体通路41aと対向しつつ、本体通路41aと連通する。つまり、連通路41b及び本体通路41aは、吸入室28に連通する。
また、図13に示すように、第1移動体11が案内窓35a内に設けられることにより、キャップ35の対向面303及び案内面304は、第1移動体11の摺動面113及び立壁部11bの端面と対向する。
そして、第1移動体11が案内窓35a内に設けられることにより、第1突出部65が第1凹部61内に進入するとともに、第2突出部67が第2凹部63内に進入する。この際、第1突出部65の第1壁面65aと、第1凹部61の第1壁面61aとが対向しつつ当接する。また、第2突出部67の第3壁面67aと、第2凹部63の第3壁面63aとが対向しつつ当接する。つまり、この圧縮機では、駆動軸心Oからキャップ35及び第1移動体11を見ることにより、第1突出部65と第1凹部61とが重なり合いつつ当接しているとともに、第2突出部67と第2凹部63とが重なり合いつつ当接している。こうして、漏出抑制構造60が第1移動体11とキャップ35との間に設けられている。ここで、この圧縮機では、第1突出部65の第2壁面65bと、第1凹部61の第2壁面61bとは、僅かに離間した状態で対向している。同様に、第2突出部67の第4壁面67bと、第2凹部63の第4壁面63bとも、僅かに離間した状態で対向している。なお、駆動軸3が回転していない状態において、第2壁面65bと第2壁面61bとが当接するとともに、第4壁面67bと第4壁面63bとが当接する構成としても良い。
この圧縮機では、駆動軸3が駆動軸心O周りに回転することにより、案内面304の他、第2突出部67の第3壁面67aと、第2凹部63の第3壁面63aとが当接する箇所を通じて、第1移動体11に駆動軸3の回転が伝達される。これにより、第1移動体11、ひいては移動体10は、駆動軸3とともに駆動軸心O周りに回転可能となっている。ここで、立壁部11bと係合部12aとが係合することにより、第2移動体12は、第1軸路33d内及び第2径部352内において、第1移動体11から独立して駆動軸心O周りに回転することが規制されている。
また、キャップ35内において、第1移動体11の立壁部11bと、第2移動体12の第2面122とには、吸入圧力が作用する。一方、第2移動体12の第1面121には、制御圧力が作用する。なお、制御圧力については後述する。
そして、立壁部11bと係合部12aとが係合することにより、第1移動体11と第2移動体12とが駆動軸心O方向に一体で移動可能となっている。具体的には、第1移動体11は、摺動面113が案内面304に案内されることで、案内窓35a内を駆動軸心O方向で前後に移動可能となっている。一方、第2移動体12は、第1軸路33d及び第2径部352内を摺動することにより、駆動軸心O方向で前後に移動可能となっている。こうして、移動体10は、第2軸孔23内において、駆動軸3に対して駆動軸心O方向で前後に移動可能となっている。
また、第2連通路41では、駆動軸3が回転することによって、図10〜図12に示すように、本体通路41aが第1連通路22a〜22fと間欠的に連通する。そして、第2連通路41は、第1移動体11の案内窓35a内における位置に応じて、駆動軸3の1回転当たりで第1連通路22a〜22fと連通する駆動軸心O周りの連通角度が変化する。以下、駆動軸3の1回転当たりで第1連通路22a〜22fと第2連通路41とが連通する駆動軸心O周りの連通角度を単に連通角度と記載する。なお、図4〜図9では、説明を容易にするため、図1及び図2に示す状態よりも、駆動軸3及び固定斜板5が駆動軸心O周りに回転した状態におけるキャップ35や第1、2移動体11、12を図示している。また、図8〜図14では、説明を容易にするため、本体通路41aの形状等を簡略化して図示している。後述する図17〜図25についても同様である。
また、図8及び図9に示すように、キャップ35内において、第2段部355と、移動体10との間には、付勢ばね43が設けられている。付勢ばね43は、移動体10をキャップ35の前方に向けて付勢している。
図1及び図2に示すように、制御弁13は、リヤハウジング19に設けられている。制御弁13は、リヤハウジング19に形成された検知通路13aによって吸入室28と接続している。また、制御弁13は、リヤハウジング19に形成された第1給気通路13bによって吐出室29と接続している。さらに、制御弁13は、接続路26、ひいては第2給気通路13cによって、制御圧室27と接続している。制御圧室27には、第1、2給気通路13b、13c及び制御弁13を通じて、吐出室29内の冷媒ガスの一部が導入される。また、制御圧室27は、図示しない抽気通路によって斜板室28と接続している。これにより、制御圧室27の冷媒ガスは、抽気通路によって、吸入室28に導出される。
制御弁13は、検知通路13aを通じて吸入室28内の冷媒ガスの圧力である吸入圧力を感知することにより、弁開度を調整する。これにより、制御弁13は、第1、2給気通路13b、13cを経て、吐出室29から制御圧室27に導入される冷媒ガスの流量を調整する。具体的には、制御弁13は、弁開度を大きくすることにより、第1、2給気通路13b、13cを経て吐出室29から制御圧室27に導入される冷媒ガスの流量を増大させる。一方、制御弁13は、弁開度を小さくすることにより、第1、2給気通路13b、13cを経て吐出室29から制御圧室27に導入される冷媒ガスの流量を減少させる。こうして、制御弁13は、制御圧室27から吸入室28に導出される冷媒ガスの流量に対して、吐出室29から制御圧室27に導入される冷媒ガスの流量を変化させることで、制御圧室27の冷媒ガスの圧力である制御圧力を制御する。なお、制御圧室27は、抽気通路によって斜板室31と接続しても良い。
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸3が駆動軸心O周りで回転することにより、斜板室31内で固定斜板5が回転する。これにより、ピストン7がシリンダボア21a〜21f内を上死点と下死点との間で往復動する。このため、圧縮室45a〜45fでは、内部の冷媒ガスが再膨張する再膨張行程と、吸入室28から冷媒ガスを吸入する吸入行程と、内部の冷媒ガスを圧縮する圧縮行程と、圧縮された冷媒ガスを吐出室29に吐出する吐出行程とが繰り返し行われることとなる。吐出室29内の冷媒ガスは、吐出口29aを経て凝縮器に吐出される。
具体的には、この圧縮機において、駆動軸3が図1、図2及び図10〜図12に示す回転角度にある際、圧縮室45aは、再膨張行程乃至吸入行程の初期段階となる。そして、圧縮室45a、圧縮室45b及び圧縮室45cの順で吸入行程が進行する。つまり、圧縮室45bは吸入行程の中期段階となる。そして、圧縮室45cは、吸入行程の後期段階となり、ピストン7が下死点に位置する。一方、圧縮室45d、圧縮室45e及び圧縮室45fの順で圧縮行程が進行する。つまり、圧縮室45fは、圧縮行程の後期段階から吐出行程に移行する段階にあり、ピストン7が上死点に位置する。
そして、この圧縮機では、第1移動体11が案内窓35a内に設けられることにより、第1移動体11は、再膨張行程中又は吸入行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fに対向する。より具体的には、駆動軸3が図1、図2及び図10〜図12に示す回転角度にある際、第1移動体11は、圧縮室45aに連通する第1連通路22aと、圧縮室45bに連通する第1連通路22bと、圧縮室45cに連通する第1連通路22cとに対向する。そして、駆動軸3が図10に示す状態よりもさらにR1方向に回転すれば、圧縮室45fが再膨張行程乃至吸入行程の初期段階に移行することから、第1移動体11は、圧縮室45fに連通する第1連通路22fと、圧縮室45aに連通する第1連通路22aと、圧縮室45bに連通する第1連通路22bとに対向する。こうして、駆動軸3が回転することにより、第1移動体11は、再膨張行程中又は吸入行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと順次対向する。
これにより、吸入行程中の圧縮室45a〜45fには、吸入通路39、第2連通路41及び第1連通路22a〜22fを通じて、吸入室28内の冷媒ガスが吸入される。
一方、キャップ35の本体部35bは、駆動軸心Oを挟んで案内窓35aの反対側、すなわち、第1移動体11の反対側に位置している。このため、本体部35bは、第1連通路22a〜22fのうち、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと対向する。より具体的には、駆動軸3が図1、図2及び図10〜図12に示す回転角度にある際、本体部35bは、圧縮室45dに連通する第1連通路22dと、圧縮室45eに連通する第1連通路22eと、圧縮室45fに連通する第1連通路22fとに対向する。こうして、本体部35eは、駆動軸3が回転することにより、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fに順次対向する。
そして、この圧縮機では、移動体10を駆動軸3に対して駆動軸心O方向に移動させることにより、駆動軸3の1回転当たりで吸入室28から圧縮室45a〜45fに吸入される冷媒ガスの流量を変更することができる。これにより、この圧縮機では、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を変更することができる。
具体的には、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を増大させる場合には、制御弁13が弁開度を大きくすることで、吐出室29から制御圧室27に導入される冷媒ガスの流量を増大させる。こうして、制御弁13が制御圧室27の制御圧力を増大させる。これにより、制御圧力と吸入圧力との差圧である可変差圧が大きくなる。
このため、移動体10では、第2移動体12が付勢ばね43の付勢力に抗しつつ、図9に示す位置から第1軸路33d内及び第2径部352内を駆動軸心O方向で後方に移動し始める。これにより、第1移動体11は、案内窓35a内を駆動軸心O方向で後方に移動し始める。このため、第2連通路41は、第1連通路22a〜22fに対して後方に相対移動する。こうして、この圧縮機では、連通角度が徐々に大きくなる。
そして、可変差圧が最大となることにより、図8に示すように、移動体10では、第1移動体11が案内窓35a内を最も後方に移動した状態となり、第2規制面302と当接する。これにより、第1軸路33d内及び第2径部352内における第2移動体12の後方への移動も規制される。このように、第1移動体11が案内窓35a内を最も後方に移動することにより、第2連通路41では、本体通路41aの第2部位412において第1連通路22a〜22fと連通する状態となる。これにより、この圧縮機では、連通角度が最大となる。
このため、図10に示すように、第1移動体11は、第1連通路22a〜22cと第2連通路41とを連通させる。すなわち、第1移動体11は、再膨張行程乃至吸入行程の初期段階にある圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと、吸入行程の中期段階にある圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと、吸入行程の後期段階にある圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと、第2連通路41とを連通させる。一方、本体部35bは、第1連通路22d〜22fと対向することで、第1連通路22d〜22fと第2連通路41とを非連通にする。すなわち、本体部35bは、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと対向することで、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと、第2連通路41とを非連通にする。
こうして、連通角度が最大であるときには、圧縮室45a〜45fには、吸入行程の初期段階から後期段階までの間に、吸入通路39、第2連通路41及び第1連通路22a〜22fを通じて、吸入室28から冷媒ガスが吸入される。このため、吸入室28から圧縮室45a〜45fに吸入される冷媒ガスの流量が最も多くなる。これにより、この圧縮機では、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量が最大となる。
一方、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を減少させる場合には、制御弁13が弁開度を小さくすることで、吐出室29から制御圧室27に導入される冷媒ガスの流量を減少させる。こうして、制御弁13が制御圧室27の制御圧力を減少させる。これにより、可変差圧が小さくなる。
このため、移動体10では、第1、2移動体11、12が付勢ばね43の付勢力によって、図8に示す位置から駆動軸心O方向で前方に移動し始める。つまり、第1移動体11が案内窓35a内を駆動軸心O方向で前方に移動し始めるとともに、第2移動体12が第1軸路33d内及び第2径部352内を駆動軸心O方向で前方に移動し始める。これにより、第2連通路41は、第1連通路22a〜22fに対して前方に相対移動する。このため、第2連通路41では、本体通路41aにおいて第2部位412よりも第1移動体11の周壁部11aの周方向に小さく形成された部位によって、第1連通路22a〜22fと連通する状態となる。こうして、この圧縮機では、連通角度が徐々に小さくなる。
この状態では、図11に示すように、第1移動体11は、第1連通路22a、22bと第2連通路41とを連通させる。すなわち、第1移動体11は、再膨張行程乃至吸入行程の初期段階にある圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと、吸入行程の中期段階にある圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと、第2連通路41とを連通させる。また、この際も、本体部35bは、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと、第2連通路41とを非連通とする。また、この状態では、第1移動体11の周壁部11aにより、第1連通路22cのように、吸入行程の後期段階にある圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと、第2連通路41とが非連通とされる。
このように、連通角度が小さくなることにより、圧縮室45a〜45fには、吸入行程の初期段階から中期段階までの間に、吸入通路39、第2連通路41及び第1連通路22a〜22fを通じて、吸入室28から冷媒ガスが吸入される。このため、連通角度が最大である場合に比べて、吸入室28から圧縮室45a〜45fに吸入される冷媒ガスの流量が減少する。こうして、この圧縮機では、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量が減少する。
そして、制御弁13が制御圧室27の制御圧力をさらに減少させることで、可変差圧が最小となる。これにより、図9に示すように、移動体10では、第1移動体11が案内窓35a内を最も前方に移動した状態となり、第1規制面301と当接する。これにより、第1軸路33d内及び第2径部352内における第2移動体12の前方への移動も規制される。このように、第1移動体11が案内窓35a内を最も前方に移動することにより、第2連通路41は、本体通路41aの第1部位411において第1連通路22a〜22fと連通する状態となる。これにより、この圧縮機では、連通角度が最小となる。
このため、図12に示すように、第1移動体11は、第1連通路22aと第2連通路41とを連通させる。すなわち、第1移動体11は、再膨張行程乃至吸入行程の初期段階にある圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fのみ、第2連通路41と連通させる。この際も、本体部35bは、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと、第2連通路41とを非連通とする。また、周壁部11aにより、第1連通路22b、22cと第2連通路41とが非連通とされる。すなわち、周壁部11aにより、吸入行程の中期段階にある圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと、吸入行程の後期段階にある圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと、第2連通路41とが非連通とされる。
このように、連通角度が最小となることにより、圧縮室45a〜45fには、吸入行程の初期段階にあるときだけ、吸入通路39、第2連通路41及び第1連通路22a〜22fを通じて、吸入室28から冷媒ガスが吸入される。このため、吸入室28から圧縮室45a〜45fに吸入される冷媒ガスの流量が最も少なくなる。こうして、この圧縮機では、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量が最少となる。
ここで、この圧縮機では、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fと連通する第1連通路22a〜22fを通じて、圧縮行程で圧縮された高圧の冷媒ガスの一部が第2軸孔23内に向かって流通する。この点、この圧縮機では、第2軸孔23内において、キャップ35の本体部35bが圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと対向する。これにより、本体部35bは、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fと、第2連通路41とを非連通にする。そして、キャップ35は鉄鋼製であることから、この圧縮機では、キャップ35、つまり駆動軸3は、圧縮行程中や吐出行程中の圧縮室45a〜45fからの圧縮荷重を受け止めることができる。
このため、移動体10には圧縮荷重が作用し難くなることで、移動体10は駆動軸心O方向に移動し易くなっている。これにより、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりで各圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を変化させ易くなっている。また、この圧縮機では、大きな推力を得るために移動体10を大型化させる必要もない。
したがって、実施例1の圧縮機は、高い制御性を発揮するとともに小型化を実現できる。
また、駆動軸3が回転する際、移動体10には、圧縮荷重による問題とは別に遠心力が作用する。この点、この圧縮機では、移動体10の第1移動体11が遠心力によって駆動軸3の径方向でキャップ35から離間するように移動しても、作動時における効率の低下を抑制することが可能となっている。この作用について、比較例との対比を基に説明する。
図24に示すように、比較例の圧縮機では、キャップ35の対向面303及び案内面304に対し、それぞれ第1、2凹部61、63が形成されてない。また、比較例の圧縮機では、第1移動体11の摺動面113に対し、第1、2突出部65、67が形成されてない。つまり、比較例の圧縮機では、第1移動体11とキャップ35との間に漏出抑制構造60が設けられていない。比較例の圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様である。
このような構成である比較例の圧縮機では、駆動軸3の回転によって、移動体10に遠心力が作用することで、図25の白色矢印で示すように、第1移動体11が第2軸孔23内を駆動軸3の径方向でキャップ35から離間するように移動する。このため、第1移動体11と案内窓35aとの隙間が大きくなる。ここで、第2軸路23内には、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fを通じて、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45f内の高圧の冷媒ガスの一部が不可避的に流入する。このため、第2軸路23内は、キャップ35内に比べて高圧の雰囲気となる。これらにより、比較例の圧縮機では、図25の破線矢印で示すように、第1移動体11と案内窓35aとの隙間を通じて、冷媒ガスが第2軸孔23と第2連通路41との間で漏出し易くなる。より具体的には、比較例の圧縮機では、第2軸孔23内において、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fの近傍に存在する高圧の冷媒ガスが、第1移動体11と案内窓35aとの隙間を通じて、本体通路41aや連通路41bに漏出し易くなる。換言すれば、第1移動体11と案内窓35aとの隙間を経て、第2軸孔23内の高圧の冷媒ガスが第2連通路41に流入し易くなる。この結果、比較例の圧縮機では、吐出行程において、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量が減少し易くなることから、作動時における効率が低下し易くなる。
これに対し、実施例1の圧縮機には、図13に示すように、漏出抑制構造60としての第1、2凹部61、63及び第1、2突出部65、67が形成されている。そして、第1凹部61の第1壁面61aと、第2凹部63の第3壁面63aとは、キャップ35の周方向で平面状に延びている。また、第1突出部65の第1壁面65aと、第2突出部67の第3壁面67aとは、周壁部11aの周方向で平面状に延びている。これにより、実施例1の圧縮機では、図14に示すように、たとえ遠心力によって第1移動体11が第2軸孔23内を駆動軸3の径方向でキャップ35から離間するように移動しても、第1壁面61aと第1壁面65aとは、当接した状態を維持しつつ駆動軸3の径方向にずれるのみであるため、双方の隙間は小さいままでほぼ変化することがない。このため、図14の破線矢印で示すように、第2軸孔23内の高圧の冷媒ガスは、第1壁面61aと第1壁面65aとの間を流通し難くなる。第3壁面63aと第3壁面67aとについても同様である。こうして、実施例1の圧縮機では、第1移動体11と案内窓35aとの隙間を通じて、冷媒ガスが第2軸孔23と第2連通路41との間で漏出することを抑制できる。つまり、第2軸孔23内の高圧の冷媒ガスが、本体通路41a及び連通路41bに漏出することを抑制できる。これにより、実施例1の圧縮機では、吐出行程において、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量が減少し難くなることから、作動時における効率の低下を抑制できる。なお、図14では、説明を容易にするため、遠心力によって第1移動体11とキャップ35とが離間した状態を誇張して図示している。図25についても同様である。
また、この圧縮機では、漏出抑制構造60が第1、2凹部61、63及び第1、2突出部65、67によって構成されている。このため、漏出抑制構造60を簡素化しつつ、第1移動体11とキャップ35との間に漏出抑制構造60を容易に設けることが可能となっている。ここで、この漏出抑制構造60では、第1凹部61の第2壁面61bと、第1突出部65の第2壁面65bとの当接の有無や、第2凹部63の第4壁面63bと、第2突出部67の第4壁面67bとの当接の有無は、冷媒ガスが第2軸孔23と第2連通路41との間で漏出することを抑制するに当たって、特に影響を及ぼすことがない。これにより、第1、2凹部61、63の深さについての寸法精度の他、第1、2突出部65、67が突出する長さについての寸法精度を緩和することができる。このため、この圧縮機では、第1、2凹部61、63や第1、2突出部65、67の形成を容易化することが可能となっている。
また、この圧縮機では、接続路26、環状溝24及び第1、2径路33e、35dによって、第2給気通路13cが形成されている。そして、環状溝24は第2軸孔23に円環状に凹設されていることから、駆動軸3が回転しても、環状溝24と第1、2径路33e、35dとが常に対向する。これにより、この圧縮機では、駆動軸3が回転しても、第2給気通路13cによって、制御圧室27と制御弁13とを常に接続させることが可能となっている。このため、この圧縮機では、制御圧室27内の制御圧力を好適に調整することが可能となっている。
さらに、この圧縮機では、第1、2給気通路13b、13cを経て吐出室29から制御圧室27に導入される冷媒ガスの流量を制御弁13によって変化させる入れ側制御を行っている。このため、制御圧室27を迅速に高圧にすることができ、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を速やかに増大させることができる。
(実施例2)
図15及び図16に示すように、実施例2の圧縮機では、実施例1の圧縮機における弁形成プレート9a及び移動体10に換えて、弁形成プレート9b及び移動体14を備えている。弁形成プレート9bは、本発明の「吐出弁」及び「吸入弁」の一例である。弁形成プレート9aと同様、弁形成プレート9bも、リヤハウジング19とシリンダブロック21との間に設けられている。これにより、この圧縮機でも、弁形成プレート9bを介して、リヤハウジング19とシリンダブロック21とが接合されている。
弁形成プレート9bは、バルブプレート90、吐出弁プレート92及びリテーナプレート93に加えて、吸入弁プレート91を有している。そして、弁形成プレート9bでは、バルブプレート90及び吸入弁プレート91に対し、弁形成プレート9aと同様の6つの吐出孔911が形成されている。また、バルブプレート90、吐出弁プレート92及びリテーナプレート93には、シリンダボア21a〜21fに連通する6つの吸入孔910が形成されている。これにより、この圧縮機では、シリンダボア21a〜21fは、各吸入孔910を通じて吸入室28に連通するとともに、各吐出孔911を通じて吐出室29に連通する。
吸入弁プレート91は、バルブプレート90の前面に設けられている。吸入弁プレート91には、弾性変形によって各吸入孔910を開閉可能な6つの吸入リード弁91aが設けられている。各吸入リード弁91aは、シリンダブロック21に形成されたリテーナ溝20によって開度が規制されるようになっている。
移動体14は、第1移動体11と第2移動体16とで構成されている。ここで、この圧縮機では、実施例1の圧縮機に比べて、本体通路41aの前後方向の長さが短く設定されている。また、図17及び図18に示すように、この圧縮機では、第1移動体11の立壁部11bに対して、切欠き部114が形成されていない。
第2移動体16は、第1軸路33d及び第2軸路35cの第2径部352とほぼ同径をなす略円柱状に形成されている。つまり、第2移動体16は中実に形成されており、前方側に面する第1面161と、後方側に面する第2面162とが形成されている。また、第2移動体16の後端には、平面状をなす係合部16aが形成されている。また、第2移動体16の前方側には、リング溝16bが形成されている。リング溝16bには、Oリング37が設けられている。なお、係合部16aは、立壁部11bと係合可能であれば、形状を適宜設計可能である。
この圧縮機においても、第2移動体16は、係合部16aを案内窓35a側に向けた状態で、キャップ35の第2径部352内に配置されている。そして、第2移動体16は、前端側を第1軸路33d内に進入させている。こうして、この圧縮機では、駆動軸本体33と第2移動体16とによって区画されることで、駆動軸3内に制御圧室27が形成されている。
また、移動体14では、立壁部11bと係合部16aとが係合されることで、第1移動体11と第2移動体16とが組み付けられている。これにより、立壁部11bと、第2移動体16の第2面162とには、第2、3径部352、353を通じて吸入圧力が作用する。一方、第2移動体16の第1面161には、制御圧力が作用する。
ここで、この圧縮機では、第2移動体16が中実に形成されていることから、実施例1の圧縮機と異なり、第2移動体16には連絡路41bが存在していない。これにより、この圧縮機では、第2連通路41が本体通路41aのみで構成されている。また、この圧縮機では、立壁部11bに切欠き部114が形成されていないことから、第2、3径部352、353と、本体通路41aとが非連通、ひいては、吸入室28と第2連通路41とが非連通となっている。つまり、この圧縮機では、実施例1の圧縮機における吸入通路39に相当する構成が存在しない。
この圧縮機では、図15及び図16に示す各吸入リード弁91aが各吸入孔910を開くことにより、吸入行程中の圧縮室45a〜45fに対して、吸入室28内の冷媒ガスが吸入される。ここで、圧縮室45a〜45fのうち、圧縮行程中又は吐出行程中の圧縮室45a〜45fを第1特定圧縮室451と規定し、再膨張行程中又は吸入行程中の圧縮室45a〜45fを第2特定圧縮室452と規定する。
具体的には、この圧縮機では、駆動軸3が図15、図16及び図19〜図21に示す回転角度にある際、圧縮室45aは、圧縮行程の後期段階から吐出行程に移行する段階にあり、ピストン7が上死点に位置する。そして、圧縮室45bは、再膨張行程乃至吸入行程の初期段階となる。つまり、圧縮室45b、圧縮室45c及び圧縮室45dの順で吸入行程が進行する。これにより、圧縮室45cは、吸入行程の中期段階となる。また、圧縮室45dは、吸入行程の後期段階となり、ピストン7が下死点に位置する。一方、圧縮室45e、圧縮室45f及び圧縮室45aの順で圧縮行程が進行する。これにより、圧縮室45eは、圧縮行程の初期段階となり、圧縮室45fは、圧縮行程の中期段階となる。このように、駆動軸3が図15、図16及び図19〜図21に示す回転角度にある場合には、圧縮室45e、圧縮室45f及び圧縮室45aが第1特定圧縮室451となり、圧縮室45b〜45dが第2特定圧縮室452となる。そして、第1特定圧縮室451のうち、圧縮室45a内が最も高圧となる。
また、この圧縮機では、案内窓35a及び第1移動体11は、最も高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、その第1特定圧縮室451に隣り合う第2特定圧縮室452に連通する第1連通路22a〜22fと、その第2特定圧縮室452に隣り合う第2特定圧縮室452に連通する第1連通路22a〜22fとに対向する。また、キャップ35の本体部35bは、2番目に高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、3番目に高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、その第1特定圧縮室451に隣り合う第2特定圧縮室452に連通する第1連通路22a〜22fとに対向する。つまり、駆動軸3が図19に示す回転角度にある場合には、案内窓35a及び第1移動体11は、第1連通路22aと、第1連通路22bと、第1連通路22cとに対向する。また、本体部35bは、第1連通路22fと、第1連通路22eと、第1連通路22dとに対向する。
そして、駆動軸3が図19に示す状態よりもさらにR1方向に回転すれば、圧縮室45fが最も高圧の状態にある第1特定圧縮室451となり、圧縮室45eが2番目に高圧の状態にある第1特定圧縮室451となる。このため、案内窓35a及び第1移動体11は、第1連通路22fと、第1連通路22aと、第1連通路22bとに対向する。そして、本体部35bは、第1連通路22eと、第1連通路22dと、第1連通路22cとに対向する。このように、連通窓35a及び第1移動体11は、駆動軸3が回転することにより、最も高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、その第1特定圧縮室451に隣り合う第2特定圧縮室452に連通する第1連通路22a〜22fと、その第2特定圧縮室452に隣り合う第2特定圧縮室452に連通する第1連通路22a〜22fとに順次対向する。一方、本体部35bは、2番目に高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、3番目に高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、その第1特定圧縮室451に隣り合う第2特定圧縮室452に連通する第1連通路22a〜22fとに順次対向する。この圧縮機における他の構成は、実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については、同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
この圧縮機では、移動体14を駆動軸心O方向に移動させることにより、駆動軸3の1回転当たりで吸入室28から圧縮室45a〜45fに吸入される冷媒ガスの流量を変更することができる。これにより、この圧縮機でも、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を変更することができる。
具体的には、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を増大させる場合には、制御弁13によって制御圧室27の制御圧力を減少させ、可変差圧を小さくする。
このため、移動体14では、第1、2移動体11、16が付勢ばね43の付勢力によって、図18に示す位置から駆動軸心O方向で前方に移動し始める。つまり、第1移動体11が案内窓35a内を駆動軸心O方向で前方に移動し始めるとともに、第2移動体16が第1軸路33d内及び第2径部352内を駆動軸心O方向で前方に移動し始める。これにより、本体通路41a、すなわち第2連通路41が第1連通路22a〜22fに対して前方に相対移動することで、この圧縮機では、連通角度が徐々に小さくなる。
そして、制御弁13によって、制御圧室27の制御圧力をさらに減少させて、可変差圧を最小にすることにより、図17に示すように、第1移動体11が案内窓35a内を最も前方に移動した状態となる。上記のように、この圧縮機では、実施例1の圧縮機に比べて、本体通路41aの前後方向の長さが短く設定されている。このため、第1移動体11が案内窓35a内を最も前方に移動した状態では、第1移動体11では、周壁部11aの表面111が第1連通路22a〜22fと対向することで、第1連通路22a〜22fと第2連通路41とが非連通となる。このため、連通角度が最小、つまりゼロとなる。このため、この場合には、図19に示すように、駆動軸3が駆動軸心O周りで回転しても、第2連通路41は、第1連通路22a〜22fのいずれとも非連通の状態となる。
こうして、連通角度が最小である場合には、ピストン7が上死点から下死点に向けて移動し、圧縮室45a〜45fの容積が拡大して圧縮室45a〜45f内の圧力が吸入室28よりも低くなることで、吸入リード弁91aが開いて吸入室28と圧縮室45a〜45f、より詳細には、吸入室28と第2特定圧縮室452とが連通する。このため、吸入室28から吸入圧力の冷媒ガスが圧縮室45a〜45fに吸入される。これにより、連通角度が最小である場合には、吸入室28から圧縮室45a〜45fに吸入される冷媒ガスの流量が最大となる。そして、吸入室28から圧縮室45a〜45fに吸入された冷媒ガスは、圧縮行程で圧縮された後、吐出行程において吐出リード弁92aが開くことにより、吐出室29に吐出される。この結果、この圧縮機では、吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量が最大となる。
一方、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を減少させる場合には、制御弁13が制御圧室27の制御圧力を増大させる。これにより、可変差圧が大きくなる。
このため、移動体14では、第2移動体16が付勢ばね43の付勢力に抗しつつ、図17に示す位置から第1軸路33d内及び第2径部352内を駆動軸心O方向で後方に移動し始める。これにより、第1移動体11が案内窓35a内を駆動軸心O方向で後方に移動し始めることで、第2連通路41は、第1連通路22a〜22fに対して後方に相対移動する。このため、第2連通路41は、第1部位411において第1連通路22a〜22fと連通する状態となる。これにより、この圧縮機では、連通角度が最小よりも大きくなる。
これにより、図20に示すように、第1移動体11は、第1連通路22a及び第1連通路22bと、第2連通路41とを連通させる。つまり、第1移動体11は、最も高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、その第1特定圧縮室451に隣り合う第2特定圧縮室452に連通する第1連通路22a〜22fと、第2連通路41とを連通させる。このため、第1連通路22a、第2連通路41及び第1連通路22bを通じて、圧縮室45a内の高圧の冷媒ガスの一部が圧縮室45b内に導入される。
ここで、第2連通路41が第1部位411において第1連通路22a〜22fと連通する状態では、第1連通路22cのように、吸入行程の中期段階にある圧縮室45a〜45fに連通する第1連通路22a〜22fは、周壁部11aの表面111に対向することで、第2連通路41とは非連通となる。また、第1連通路22d〜22fのように、2番目に高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、3番目に高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、その第1特定圧縮室451に隣り合う第2特定圧縮室452に連通する第1連通路22a〜22fとについては、キャップ35の本体部35bと対向することで、第2連通路41とは非連通となる。
このように、連通角度が最小よりも大きくなることで、第1連通路22a〜22f及び第2連通路41を通じて、最も高圧の第1特定圧縮室451内の冷媒ガスが第2特定圧縮室452内に導入され、第2特定圧縮室452内で再膨張する。つまり、吐出行程中の圧縮室45a〜45f内の冷媒ガスが、再膨張行程乃至吸入行程の初期段階にある圧縮室45a〜45f内に導入されて再膨張する。このため、ピストン7が上死点から下死点に向かって移動しても、第2特定圧縮室452内の圧力が吸入室28内の吸入圧力よりも低くならないと、吸入リード弁91aは開かず、その間は吸入室28から冷媒ガスが第2特定圧縮室452内に吸入されない。このため、この圧縮機では、吸入行程中の圧縮室45a〜45fに吸入される冷媒ガスの流量が減少することで、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量が減少する。
つまり、この圧縮機では、連通角度が最小よりも大きくなることで、連通角度が最小である場合に比べて、冷媒ガスを圧縮する際の仕事量が減少するとともに、冷媒ガスが再膨張する際の仕事量も減少することになる。
そして、可変差圧が最大となることで、図18に示すように、第1移動体11は案内窓35a内を最も後方に移動した状態となる。これにより、第2連通路41は、第2部位412において、第1連通路22a〜22fと連通する状態となる。こうして、連通角度が最大となる。
これにより、図21に示すように、第1移動体11は、第1連通路22a〜22cと、第2連通路41とを連通させる。つまり、第1移動体11は、最も高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、その第1特定圧縮室451に隣り合う第2特定圧縮室452に連通する第1連通路22a〜22fと、その第2特定圧縮室452に隣り合う第2特定圧縮室452に連通する第1連通路22a〜22fと、第2連通路41とを連通させる。これにより、第1連通路22a、第2連通路41、第1連通路22b及び第1連通路22cを通じて、圧縮室45a内の高圧の冷媒ガスの一部が圧縮室45b、45c内に導入される。なお、この状態においても、2番目に高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、3番目に高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、その第1特定圧縮室451に隣り合う第2特定圧縮室452に連通する第1連通路22a〜22fとについては、キャップ35の本体部35bと対向することで、第2連通路41とは非連通となる。
こうして、連通角度が最大の状態では、第1連通路22a〜22f及び第2連通路41を通じて、吐出行程中の圧縮室45a〜45fから、再膨張行程乃至吸入行程の初期段階にある圧縮室45a〜45fと、吸入行程の中期段階にある圧縮室45a〜45fとに冷媒ガスが導入される。すなわち、最も高圧の第1特定圧縮室451内から第2特定圧縮室452内に導入される冷媒ガスの流量が増大する。この結果、この圧縮機では、吸入行程中の圧縮室45a〜45fに吸入される冷媒ガスの流量がより減少することで、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量が最少となる。つまり、連通角度が最大の状態では、冷媒ガスを圧縮する際の仕事量がより減少するとともに、冷媒ガスが再膨張する際の仕事量もより減少することになる。
そして、この圧縮機では、第2軸孔23内において、キャップ35の本体部35bは、2番目に高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、3番目に高圧の状態にある第1特定圧縮室451に連通する第1連通路22a〜22fと、その第1特定圧縮室451に隣り合う第2特定圧縮室452に連通する第1連通路22a〜22fと常に対向する。これにより、これらの第1連通路22a〜22fと第2連通路41とを非連通にする。こうして、この圧縮機では、キャップ35、つまり駆動軸3は、圧縮行程の初期段階や中期段階にある圧縮室45a〜45fからの圧縮荷重を受け止めることが可能となっている。このため、この圧縮機も、移動体14に圧縮荷重が作用し難くなっている。
そして、この圧縮機では、漏出抑制構造60によって、冷媒ガスが第2軸孔23と第2連通路41との間で漏出することを抑制することにより、第2連通路41を流通する冷媒ガス、つまり、第1特定圧縮室451内から第2特定圧縮室452内に導入される冷媒ガスが案内窓35aを経由して第2軸孔23内に漏出することを好適に抑制できる。このため、第1特定圧縮室451内から第2特定圧縮室452内へ導入される冷媒ガスの流量を安定させることが可能となることから、この圧縮機でも、作動時における効率の低下を抑制できる。こうして、この圧縮機では、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を安定的に変化させることが可能となっている。この圧縮機における他の作用は、実施例1の圧縮機と同様である。
(実施例3)
図22に示すように、実施例3の圧縮機では、対向面303に第3凹部71が凹設されており、案内面304に第4凹部73が凹設されている。第3凹部71及び第4凹部73も、本発明の「被当接部」の一例である。実施例1の圧縮機における第1、2凹部61、63と同様、第3、4凹部71、73は、それぞれ対向面303及び案内面304に沿いつつ、駆動軸心O方向で対向面303及び案内面304の前端から後端まで延びている。
第3凹部71は、第1〜3壁面71a〜71cを有している。第1壁面71aは、対向面303と連続しており、本体部35b内をキャップ35の周方向で平面状に延びている。第2壁面71bは、対向面303とは反対側で第1壁面71aと連続しており、本体部35b内をキャップ35の外周面に向かって延びている。第3壁面71cは、第1壁面71aと対向しつつ、第1壁面71aと平行に延びており、対向面303と第2壁面71bとに連続している。第4凹部73は、第1〜3壁面73a〜73cを有している。第1〜3壁面73a〜73cは、それぞれ第3凹部71の第1〜3壁面71a〜71cと同様の構成であり、詳細な説明を省略する。
また、この圧縮機では、摺動面113に第3突出部75と第4突出部77とが形成されている。第3突出部75及び第4突出部77も、本発明の「当接部」の一例である。そして、第3、4突出部75、77は、第3、4凹部71、73とともに、漏出抑制構造70を構成している。
第3、4突出部75、77は、それぞれ第3、4凹部71、73に対応するように、摺動面113に形成されている。つまり、実施例1の圧縮機における第1、2突出部65、67と同様、第3、4突出部75、77も、摺動面113において駆動軸心Oを挟んで配置されており、それぞれ駆動軸心O方向で、周壁部11aの前端から後端まで延びている。
第3突出部75は、第1〜3壁面75a〜75cを有している。第1壁面75aは、摺動面113と連続しつつ、周壁部11aの周方向に平面状に延びている。第2壁面75bは、第1壁面75aの先端と連続しており、表面111側に向かって周壁部11aの径方向に平面状に延びている。第3壁面75cは、第1壁面75aと対向しつつ、第1壁面75aと平行に延びており、摺動面113と第2壁面75bとに連続している。第4突出部77は、第1〜3壁面77a〜77cを有している。第1〜3壁面77a〜77cは、それぞれ第3突出部75の第1〜3壁面75a〜75cと同様の構成であり、詳細な説明を省略する。
この圧縮機では、第1移動体11が案内窓35a内に設けられることにより、第3突出部75が第3凹部71内に進入するとともに、第4突出部77が第4凹部73内に進入する。この際、第3突出部75の第1壁面75aと、第3凹部71の第1壁面71aとが対向しつつ当接する。また、第3突出部75の第3壁面75cと、第3凹部71の第3壁面71cとが対向しつつ当接する。第3突出部75の第2壁面75bと、第3凹部71の第2壁面71bとは、僅かに離間した状態で対向する。第4突出部77の第1〜3壁面77a〜77cと、第4凹部73の第1〜3壁面73a〜73cとについても同様である。こうして、この圧縮機では、駆動軸心Oからキャップ35及び第1移動体11を見ることにより、第3突出部75と第3凹部71とが重なり合いつつ当接しているとともに、第4突出部77と第4凹部73とが重なり合いつつ当接している。こうして、この圧縮機では、漏出抑制構造70が第1移動体11とキャップ35との間に設けられている。この圧縮機における他の構成は、実施例1の圧縮機と同様である。
この圧縮機では、漏出抑制構造70によって、冷媒ガスが第2軸孔23と第2連通路41との間で漏出することを抑制できる。ここで、この圧縮機では、第3突出部75と第3凹部71とにおいて、第1壁面75aと第1壁面71aとが当接するだけでなく、第3壁面75cと第3壁面71cとについても当接しているため、冷媒ガスが第2軸孔23と第2連通路41との間で漏出することをより好適に抑制できる。第4突出部77と第4凹部73とについても同様である。この圧縮機における他の作用は、実施例1の圧縮機と同様である。
(実施例4)
図23に示すように、実施例4の圧縮機では、対向面303に第1凹溝81が凹設されており、案内面304に第2凹溝83が凹設されている。第1、2凹溝81、83は、それぞれ、駆動軸心O方向で、対向面303及び案内面304の前端から後端まで延びている。
また、この圧縮機では、摺動面113に第3凹溝85と第4凹溝87とが凹設されている。摺動面113において、第3、4凹溝85、87は、それぞれ第1、2凹溝81、83に対応するように形成されている。つまり、第3、4凹溝85、87は、摺動面113において駆動軸心Oを挟んで配置されており、それぞれ駆動軸心O方向で、周壁部11aの前端から後端まで延びている。ここで、第3、4凹溝85、87における駆動軸心O方向に直交する方向の幅の長さは、第1、2凹溝81、83における駆動軸心O方向に直交する方向の幅の長さと、ほぼ等しく設定されている。
第3凹溝85内には、第1封止部材91が設けられており、第4凹溝87内には、第2封止部材93が設けられている。第1封止部材91及び第2封止部材93は、本発明の「封止部材」の一例である。そして、この圧縮機では、第1〜4凹溝81、83、85、87と、第1、2封止部材91、93とによって、漏出抑制構造90が構成されている。
第1、2封止部材91、93は、PTFE等の樹脂によって形成されており、矩形状をなしている。第1、2封止部材91、93は、それぞれ駆動軸心O方向で第3、4凹溝85、87の前端から後端まで延びている。また、第1、2封止部材91、93における駆動軸心O方向に直交する方向の幅の長さは、第1〜4凹溝81、83、85、87における駆動軸心O方向に直交する方向の幅の長さと、ほぼ等しく設定されている。第1封止部材91は、自己の一部を第3凹溝85から突出させた状態で、第3凹溝85に固定されている。第2封止部材93も同様に、自己の一部を第4凹溝87から突出させた状態で、第4凹溝87に固定されている。
この圧縮機では、第1移動体11が案内窓35a内に設けられることにより、第1封止部材91が第1凹溝81内に進入するとともに、第2封止部材93が第2凹溝83内に進入する。この際、第1、2封止部材91、93は、それぞれ第1、2凹溝81、83の底面から僅かに離間した状態となっている。こうして、この圧縮機では、漏出抑制構造90が第1移動体11とキャップ35との間に設けられている。これにより、第1凹溝81と第3凹溝85との間は、第1封止部材91によって封止されており、第2凹溝83と第4凹溝87との間は、第2封止部材93によって封止されている。そして、第1移動体11が案内窓35a内を駆動軸心O方向に移動することにより、第1、2封止部材91、93は、それぞれ第1、2凹溝81、83を駆動軸心O方向に摺動する。この圧縮機における他の構成は、実施例1の圧縮機と同様である。
この圧縮機では、漏出抑制構造90によって、冷媒ガスが第2軸孔23と第2連通路41との間で漏出することを抑制できる。こうして、この圧縮機でも、実施例1、3の圧縮機と同様の作用を奏することが可能となっている。
以上において、本発明を実施例1〜4に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜4に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1〜4の圧縮機を両頭ピストン式圧縮機として構成しても良い。
また、実施例2の圧縮機について、漏出抑制構造70や漏出抑制構造90を採用しても良い。
さらに、実施例1〜4の圧縮機について、駆動軸3内に第2連通路41を形成し、案内窓35aを通じて、第1連通路22a〜22fと第2連通路41とを連通させる構成としても良い。この構成によっても、案内窓35a内における移動体10や移動体14の位置に応じて、駆動軸3の1回転当たりで第1連通路22a〜22fと第2連通路41とが連通する駆動軸心O周りの連通角度を変化させることができる。
また、実施例1、2の圧縮機について、第1突出部65及び第1凹部61のみによって、漏出抑制構造60を構成しても良い。つまり、第1移動体11とキャップ35との間であって、駆動軸心Oを挟んで案内面304とは反対側となる位置にのみ、漏出抑制構造60を設ける構成としても良い。実施例3、4の漏出抑制構造70、90についても同様である。
さらに、実施例1の圧縮機について、制御弁13が制御圧室27の制御圧力を減少させることで、連通角度が増大する構成としても良い。実施例3、4の圧縮機についても同様である。
また、実施例2の圧縮機について、制御弁13が制御圧室27の制御圧力を増大させることで、連通角度が増大する構成としても良い。
さらに、実施例1の圧縮機について、連通角度の変化により、圧縮室45a〜45f内から第1連通路22a〜22f及び第2連通路41に排出する冷媒ガスの流量を変化させることで、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を変化させる構成としても良い。実施例3、4の圧縮機についても同様である。
また、実施例2の圧縮機について、第1連通路22a〜22f及び第2連通路41を通じて、2番目に高圧の第1特定圧縮室451から第2特定圧縮室452に冷媒ガスを導入する構成、つまり、圧縮行程中の圧縮室45a〜45f内から、再膨張行程中や吸入行程中の圧縮室45a〜45f内に冷媒ガスを導入する構成としても良い。
さらに、実施例1、3、4の圧縮機について、リヤハウジング19に吸入室28を形成しない一方、リヤハウジング19に制御圧室27を形成するとともに、斜板室31が吸入室を兼ねる構成とし、斜板室31と第1軸路33dとを連通させることで、第1軸路33d内が吸入圧力となる構成としても良い。
また、実施例1〜4の圧縮機について、各シュー8a、8bに換えて、固定斜板5の後面側にスラスト軸受を介して揺動板を支持するとともに、揺動板とピストン7とをコンロッドによって連接するワッブル型の変換機構を採用しても良い。
さらに、実施例1〜4の圧縮機について、第2移動体12、16は、第2径部352と摺動せずに、第2移動体12、16と第2径部352との間に間隙が形成されていても良い。
また、実施例4の圧縮機について、第1、2封止部材91、93をそれぞれ第1、2凹溝81、83に固定することにより、第1移動体11を案内窓35a内に設けた際、第1、2封止部材91、93がそれぞれ第3、4凹溝85、87内に進入する構成としても良い。
さらに、実施例1〜4の圧縮機では、第1移動体11の案内窓35a内における位置、すなわち、移動体10、14の駆動軸心O方向の位置に応じて、連通角度を変化させることにより、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を変化させている。しかし、これに限らず、移動体10、14の駆動軸心O方向の位置に応じて、第1連通路22a〜22fと第2連通路41との連通面積が変化することにより、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を変化させる構成としても良い。
また、実施例1〜4の圧縮機において、外部から制御弁13への電流のONとOFFとを切り替えて制御圧力を制御する外部制御を行っても良く、外部からの電流に依らずに制御圧力を制御する内部制御を行っても良い。ここで、制御弁13への電流をOFFにすることによって弁開度を大きくするように構成すると、圧縮機の停止時において、弁開度が大きくなり、制御圧室27の制御圧力を低くできる。このため、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量が最少の状態で圧縮機を起動できることから、起動ショックを低減することができる。
さらに、実施例1〜4の圧縮機において、抽気通路を経て制御圧室27から吸入室28に導出される冷媒ガスの流量を制御弁13によって変化させる抜き側制御を行っても良い。この場合には、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量を変化させるに当たって使用する吐出室29内の冷媒ガスの量を少なくできることから、圧縮機の効率を上げることができる。また、この場合、制御弁13への電流をOFFにすることによって弁開度を大きくするように構成すると、圧縮機の停止時において、弁開度が大きくなり、制御圧室27の制御圧力を低くできる。このため、圧縮室45a〜45fから吐出室29に吐出される冷媒ガスの流量が最少の状態で圧縮機を起動できることから、起動ショックを低減することができる。
また、実施例1〜4の圧縮機において、制御弁13に換えて、抽気通路と給気通路との両者で開度を調整可能な三方弁を採用しても良い。
本発明は車両の空調装置等に利用可能である。
1…ハウジング
3…駆動軸
5…固定斜板
7…ピストン
9a…弁形成プレート(吐出弁)
9b…弁形成プレート(吐出弁、吸入弁)
10…移動体
11…第1移動体
12…第2移動体
13…制御弁
14…移動体
16…第2移動体
21…シリンダブロック
21a〜21f…シリンダボア
22a〜22f…第1連通路
23…第2軸孔(軸孔)
28…吸入室
29…吐出室
31…斜板室
39…吸入通路
41…第2連通路
41a…本体通路
41b…連絡路
45a〜45f…圧縮室
60…漏出抑制構造
61…第1凹部(被当接部)
63…第2凹部(被当接部)
65…第1突出部(当接部)
67…第2突出部(当接部)
70…漏出抑制構造
71…第3凹部(被当接部)
73…第4凹部(被当接部)
75…第3突出部(当接部)
77…第4突出部(当接部)
90…漏出抑制構造
91…第1封止部材(封止部材)
93…第2封止部材(封止部材)
173…第1軸孔(軸孔)
O…駆動軸心

Claims (5)

  1. 複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックを有し、吐出室と、斜板室と、軸孔とが形成されたハウジングと、
    前記軸孔内に回転可能に支承された駆動軸と、
    前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能であり、前記駆動軸に垂直な平面に対する傾斜角度が一定である固定斜板と、
    前記シリンダボア内に圧縮室を形成し、前記固定斜板に連結されるピストンと、
    前記圧縮室内の冷媒を前記吐出室に吐出させる吐出弁と、
    前記駆動軸に設けられ、前記駆動軸と一体回転するとともに、制御圧力に基づいて駆動軸心方向に前記駆動軸に対して移動可能である移動体と、
    前記制御圧力を制御する制御弁とを備え、
    前記シリンダブロックには、前記シリンダボアに連通する第1連通路が形成され、
    前記移動体又は前記駆動軸には、前記駆動軸の回転に伴い間欠的に前記第1連通路と連通する第2連通路が形成され、
    前記移動体の前記駆動軸心方向の位置に応じて、前記圧縮室から前記吐出室に吐出される冷媒の流量が変化するピストン式圧縮機であって、
    前記駆動軸には、前記軸孔内に開口し、前記移動体が配置されて前記第2連通路と連通するとともに、前記移動体を前記駆動軸心方向に案内する案内窓が形成され、
    前記移動体によって前記第1連通路と前記第2連通路とが連通され、
    前記駆動軸によって前記第1連通路と前記第2連通路とが非連通とされ、
    前記移動体と前記駆動軸との間には、冷媒が前記第2連通路と前記軸孔との間で漏出することを抑制する漏出抑制構造が設けられていることを特徴とするピストン式圧縮機。
  2. 前記漏出抑制構造は、前記移動体に形成された当接部と、前記駆動軸に形成され、前記駆動軸心から前記移動体及び前記駆動軸を見て、前記当接部と重なり合いつつ当接する被当接部とからなる請求項1記載のピストン式圧縮機。
  3. 前記漏出抑制構造は、前記移動体又は前記駆動軸に設けられ、前記移動体と前記駆動軸との間を封止する封止部材を有している請求項1記載のピストン式圧縮機。
  4. 前記ハウジングには吸入室が形成され、
    前記移動体は、前記案内窓に配置され、前記案内窓内を前記駆動軸心方向に移動可能な第1移動体と、前記駆動軸内に配置されて前記第1移動体と係合し、前記駆動軸内を前記駆動軸心方向に移動可能な第2移動体とからなり、
    前記第2連通路は、前記第1移動体に形成された本体通路と、前記第2移動体に形成されて前記本体通路と連通する連絡路とからなり、
    前記連絡路及び前記本体通路は、前記吸入室と連通する請求項1乃至3のいずれか1項記載のピストン式圧縮機。
  5. 前記ハウジングには吸入室が形成され、
    前記吸入室内の冷媒を前記圧縮室に吸入させる吸入弁をさらに備え、
    前記移動体は、圧縮行程中又は吐出行程中の前記圧縮室に連通する前記第1連通路と、再膨張行程中又は吸入行程中の前記圧縮室に連通する前記第1連通路と、前記第2連通路とを連通する請求項1乃至3のいずれか1項記載のピストン式圧縮機。
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