JP2018159277A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

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JP2018159277A
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賢 島田
Masaru Shimada
賢 島田
裕之 仲井間
Hiroyuki Nakaima
裕之 仲井間
友次 橋本
Tomoji Hashimoto
友次 橋本
昭洋 中島
Akihiro Nakajima
昭洋 中島
昇平 藤原
Shohei Fujiwara
昇平 藤原
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Abstract

【課題】吐出容量を好適に変更可能であり、かつ高い耐久性を発揮可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の圧縮機において、斜板5には上死点対応部T1が定義されている。また、リンク機構7は、被案内部としての第1、2斜板アーム5cと、案内部材71とを有している。第1、2斜板アーム5c、5dは斜板5と一体をなしている。第1、2斜板アーム5c、5dには、被案内面としての第1、2被案内面501、502がそれぞれ形成されている。第1、2被案内面501、502は、上死点対応部T1と駆動軸心Oとで決定される上死点面Dに直交する方向に延びている。案内部材71は、斜板5と移動体13aとの間に配置されている。案内部材71には、第1、2被案内面501、502がそれぞれ摺動可能な案内面としての第1、2案内面701、702が形成されている。案内部材71は、駆動軸3に回転可能に挿通されている。【選択図】図4

Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1の図5及び図6に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機は、ハウジングと、駆動軸と、斜板と、リンク機構と、複数のピストンと、区画体と、移動体と、制御圧室と、制御機構とを備えている。
ハウジングには、斜板室及び複数のシリンダボアが形成されている。駆動軸はハウジングに回転可能に支承されている。斜板は斜板室内に配置されており、駆動軸とともに回転可能となっている。リンク機構は斜板の傾斜角度の変更を許容する。ここで、傾斜角度とは、駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対して斜板がなす角度である。各ピストンは、各シリンダボアにそれぞれ収納されており、斜板の回転によって傾斜角度に応じたストロークでシリンダボア内を往復動可能となっている。区画体は、斜板室内で駆動軸に固定されている。移動体は、斜板室内で駆動軸と一体回転可能であり、かつ区画体に対して駆動軸心方向に移動可能となっている。これにより、移動体は斜板の傾斜角度を変更する。制御圧室は、区画体と前記移動体とによって区画されており、内部の圧力によって移動体を移動させる。制御機構は制御圧室内の圧力を調整する。
また、この圧縮機では、リンク機構が被案内部と案内部材とを有している。被案内部は斜板と一体をなしており、区画体に向かって延びている。被案内部には被案内面が形成されている。被案内面は、斜板においてピストンを上死点に位置させる上死点対応部と、駆動軸心とで決定される上死点面に直交する方向に延びている。一方、案内部材は区画体に固定されており、被案内面が摺動可能な案内面が形成されている。ここで、区画体が駆動軸に固定されていることから、案内部材は、駆動軸と一体回転のみ可能となっている。
この圧縮機では、駆動軸の回転が案内部材及び被案内部を通じて斜板に伝達され、斜板が駆動軸とともに回転する。そして、制御機構が制御圧室内の圧力を高くすれば、移動体が駆動軸心方向で区画体から遠ざかるように移動する。また、被案内面が案内面を摺動することにより、被案内部が区画体に近づく。これにより、リンク機構が斜板の傾斜角度を増大させる。こうして、この圧縮機では、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が増大する。一方、制御機構が制御圧室内の圧力を低くすれば、移動体が駆動軸心方向で区画体に近づくように移動する。また、被案内面が傾斜角度を増大する場合と反対方向で案内面を摺動することにより、被案内部が区画体から遠ざかる。これにより、リンク機構が斜板の傾斜角度を減少させ、吐出容量が減少する。
特開2014−199001号公報
しかし、斜板や案内部材等には加工精度のばらつきが不可避的に生じる他、斜板とリンク機構とを組み付けた状態には公差が存在する。このため、上記従来の圧縮機では、被案内部と案内部材とに位相のずれが生じ得る。この場合、案内面と被案内面とが平行な状態とならず、斜板が傾斜角度を変更する際に、被案内面が案内面を摺動し難くなる。このため、斜板が傾斜角度を変更し難く、吐出容量を好適に変更し難い。また、この場合には、被案内面や案内面が摩耗し易い。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、吐出容量を好適に変更可能であり、かつ高い耐久性を発揮可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、斜板室及び複数のシリンダボアが形成されたハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、
前記斜板室内に配置されて前記駆動軸とともに回転される斜板と、
前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、
前記各シリンダボアに収納され、前記斜板の回転によって前記傾斜角度に応じたストロークで往復動して前記各シリンダボア内に圧縮室を形成するピストンと、
前記斜板室内で前記駆動軸に設けられた区画体と、
前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能であり、かつ前記区画体に対して前記駆動軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更する移動体と、
前記区画体と前記移動体とにより区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、
前記制御圧室内の圧力を制御する制御機構とを備え、
前記斜板には、前記ピストンを上死点に位置させる上死点対応部が定義され、
前記リンク機構は、前記斜板と一体をなし、前記上死点対応部と前記駆動軸心とで決定される上死点面に直交する方向に延びる被案内面が形成された被案内部と、前記斜板と前記移動体との間に配置され、前記被案内面が摺動可能な案内面が形成された案内部材とを有する容量可変型斜板式圧縮機であって、
前記案内部材は、前記駆動軸に回転可能に挿通されていることを特徴とする。
本発明の圧縮機では、案内部材が駆動軸に回転可能に挿通されている。このため、斜板や案内部材等の加工精度のばらつきの他、斜板とリンク機構との組み付け状態の公差によって、被案内部と案内部材とに位相のずれが生じても、案内部材が駆動軸に対して相対回転することにより、その位相のずれを吸収することができる。これにより、斜板が傾斜角度を変更する際に、被案内面が案内面と平行な状態で案内面を摺動できるため、被案内面は案内面を摺動し易い。このため、斜板が傾斜角度を好適に変更できる。また、被案内面が案内面と平行な状態で案内面を摺動することにより、被案内面や案内面が摩耗し難い。
したがって、本発明の圧縮機は、吐出容量を好適に変更可能であり、かつ高い耐久性を発揮可能である。
特に、この圧縮機では、案内部材が駆動軸に対して相対回転することで被案内部と案内部材との位相のずれを吸収できるため、斜板や案内部材等に対して過度に高い加工精度を要求したり、斜板とリンク機構との組み付け等に対して過度に高い精度を要求したりする必要がない。このため、この圧縮機は、製造が容易であり、製造コストも低廉化できる。
案内部材と区画体とは一体をなしていることが好ましい。この場合には、部品点数を削減できるため、製造コストを低廉化することができる。
被案内面は、上死点面を跨いで対をなす第1被案内面及び第2被案内面からなり得る。また、被案内部は、第1被案内面が形成された第1被案内部と、第2被案内面が形成された第2被案内部とからなり得る。そして、案内面は、第1被案内面が摺動可能な第1案内面と、第2被案内面が摺動可能な第2案内面とからなることが好ましい。
この場合、この圧縮機では、案内部材が駆動軸に対して相対回転することで被案内部と案内部材との位相のずれを吸収できるため、例えば、第1被案内面と第1案内面とは当接する一方、第2被案内面と第2案内面とは当接しないような状態が生じることを抑制することができる。このため、斜板が傾斜角度を変更する際に、第1被案内面が第1案内面を好適に摺動することができるとともに、第2被案内面が第2案内面を好適に摺動することができる。
本発明の圧縮機は、吐出容量を好適に変更可能であり、かつ高い耐久性を発揮可能である。
図1は、実施例1の圧縮機において、傾斜角度が最小の状態を示す断面図である。 図2は、実施例1の圧縮機において、傾斜角度が最大の状態を示す断面図である。 図3は、実施例1の圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。 図4は、実施例1の圧縮機に係り、斜板及びリンク機構等を示す要部拡大断面図である。 図5は、実施例1の圧縮機に係り、被案内部及び案内部材等を示す模式図である。 図6は、実施例1の圧縮機に係り、被案内面が案内面と当接した状態を示す模式図である。 図7は、実施例2の圧縮機に係り、斜板及びリンク機構等を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。これらの圧縮機は、車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1及び図2に示すように、実施例の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、複数のピストン9と、複数対のシュー11a、11bと、アクチュエータ13とを備えている。また、この圧縮機は、図3に示す制御機構15を備えている。
図1及び図2に示すように、ハウジング1は、フロントハウジング17と、リヤハウジング19と、第1シリンダブロック21と、第2シリンダブロック23と、第1弁形成プレート39と、第2弁形成プレート41とを有している。本実施例では、フロントハウジング17が位置する側を圧縮機の前方側とし、リヤハウジング19が位置する側を圧縮機の後方側として、圧縮機の前後方向を規定している。また、図1及び図2の紙面の上方を圧縮機の上方側とし、紙面の下方を圧縮機の下方側として、圧縮機の上下方向を規定している。そして、図4以降では、図1及び図2に対応させて前後方向及び上下方向を表示する。なお、実施例における前後方向等は一例であり、本発明の圧縮機は、搭載される車両等に対応して、その姿勢が適宜変更される。
フロントハウジング17には、前方に向かって突出するボス17aが形成されている。ボス17a内には軸封装置25が設けられている。また、フロントハウジング17内には、第1吸入室27a及び第1吐出室29aが形成されている。第1吸入室27aはフロントハウジング17の中心側に位置している。第1吐出室29aは環状に形成されており、第1吸入室27aの外周側に位置している。
リヤハウジング19には、上記の制御機構15の一部が設けられている。また、リヤハウジング19には、第2吸入室27b、第2吐出室29b及び圧力調整室31が形成されている。圧力調整室31は、リヤハウジング19の中心側に位置している。第2吸入室27bは環状に形成されており、圧力調整室31の外周側に位置している。第2吐出室29bも環状に形成されており、第2吸入室27bの外周側に位置している。上記の第1吐出室29aと第2吐出室29bとは、図示しない吐出通路を通じて互いに連通している。また、吐出通路は図示しない吐出ポートに接続している。
第1シリンダブロック21は、フロントハウジング17と第2シリンダブロック23との間に設けられている。第1シリンダブロック21には、駆動軸3の駆動軸心O方向に延びる複数個の第1シリンダボア21aが形成されている。各第1シリンダボア21aは、それぞれ周方向に等角度間隔で配置されている。
また、第1シリンダブロック21には、駆動軸3を挿通させる第1軸孔21bが形成されている。第1軸孔21b内には第1滑り軸受22aが設けられている。さらに、第1シリンダブロック21には、第1軸孔21bに圧縮機の後方側から連通する第1凹部21cが形成されている。第1凹部21cは第1軸孔21bと同軸をなしている。第1凹部21cは、第1軸孔21bよりも内径が大きくされている。第1凹部21c内には、第1スラスト軸受35aが設けられている。また、第1シリンダブロック21には、前後方向に延びる第1連絡路37aが形成されている。
第2シリンダブロック23は、第1シリンダブロック21とリヤハウジング19との間に設けられている。第2シリンダブロック23は、第1シリンダブロック21に接合されることにより、第1シリンダブロック21との間に斜板室33を形成している。斜板室33は第1凹部21cと連通している。これにより、第1凹部21cは斜板室33の一部を構成している。また、斜板室33は第1連絡路37aと連通している。
第2シリンダブロック23には、駆動軸3の駆動軸心O方向に延びる複数個の第2シリンダボア23aが形成されている。各第2シリンダボア23aは、各第1シリンダボア21aと同様、周方向に等角度間隔でそれぞれ配置されており、各第1シリンダボア21aと同軸かつ前後で対になっている。また、各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとは同径に形成されている。なお、第1シリンダボア21aと第2シリンダボア23aとが対をなしていれば、これらの個数は適宜設計することができる。また、各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとで異なる径の大きさに形成しても良い。さらに、対をなす第1シリンダボア21a及び第2シリンダボア23aの軸心は、ずれていても良い。
第2シリンダブロック23には、駆動軸3を挿通させる第2軸孔23bが形成されている。第2軸孔23b内には第2滑り軸受22bが設けられている。また、第2シリンダブロック23には、第2軸孔23bに圧縮機の前方側から連通する第2凹部23cが形成されている。第2凹部23cは第2軸孔23bと同軸をなしている。第2凹部23cは、第2軸孔23bよりも内径が大きくされている。第2凹部23c内には、第2スラスト軸受35bが設けられている。図1及び図2に示すように、第2凹部23cも斜板室33と連通しており、斜板室33の一部を構成している。
さらに、第2シリンダブロック23には、吸入ポート330と、第2連絡路37bとが形成されている。斜板室33は、吸入ポート330を介して管路を構成する図示しない蒸発器と接続している。第2連絡路37bは、前後方向に延びており、斜板室33と連通している。
第1弁形成プレート39は、フロントハウジング17の後端面と第1シリンダブロック21の前端面との間に設けられている。この第1弁形成プレート39を介して、フロントハウジング17と第1シリンダブロック21とが接合されている。
第1弁形成プレート39には、第1シリンダボア21aと同数の第1吸入孔390a及び第1吐出孔390bが形成されている。また、第1弁形成プレート39には、第1吸入連通孔390cが形成されている。各第1シリンダボア21aは、各第1吸入孔390aを通じて第1吸入室27aと連通する。また、各第1シリンダボア21aは、各第1吐出孔390bを通じて第1吐出室29aと連通する。そして、第1吸入連通孔390cを通じて、第1吸入室27aと第1連絡路37aとが連通する。
第2弁形成プレート41は、リヤハウジング19の前端面と第2シリンダブロック23の後端面との間に設けられている。この第2弁形成プレート41を介して、リヤハウジング19と第1シリンダブロック23とが接合されている。
第2弁形成プレート41には、第2シリンダボア23aと同数の第2吸入孔410a及び第2吐出孔410bが形成されている。また、第2弁形成プレート41には、第2吸入連通孔410cが形成されている。各第2シリンダボア23aは、各第2吸入孔410aを通じて第2吸入室27bと連通する。また、各第2シリンダボア23aは、各第2吐出孔410bを通じて第2吐出室29bと連通する。そして、第2吸入連通孔410cを通じて、第2吸入室27bと第2連絡路37bとが連通する。
図示を省略するものの、第1弁形成プレート39には、弾性変形により各第1吸入孔390aを開閉可能な吸入リード弁と、弾性変形により各第2吐出孔390bを開閉可能な吐出リード弁と、吐出リード弁の最大開度を規制するリテーナプレートとが設けられている。第2弁形成プレート41についても同様である。また、第1シリンダブロック21及び第2シリンダブロック23には、各吸入リード弁の最大開度を規制するリテーナ溝がそれぞれ設けられている。
第1、2連絡路37a、37b及び第1、2吸入連通孔390c、410cにより、第1、2吸入室27a、27bと斜板室33とが互いに連通している。このため、第1、2吸入室27a、27b内と斜板室33内とは、圧力がほぼ等しくなっている。そして、斜板室33には、吸入ポート330を通じて蒸発器を経た低圧の冷媒ガスが流入することから、斜板室33内及び第1、2吸入室27a、27b内は、第1、2吐出室29a、29b内よりも低圧である。
駆動軸3は、駆動軸本体30と第1支持部材43aと第2支持部材43bとで構成されている。また、駆動軸3の前端には、ねじ部3aが形成されている。このねじ部3aを介して駆動軸3は、図示しないプーリ又は電磁クラッチと連結されている。
駆動軸本体30は、軸方向でハウジング1の前方側から後方側に向かって延びている。駆動軸本体30は、第1径部30aと、第2径部30bと、第3径部30cとを有している。また、駆動軸本体30には、軸路3b及び径路3cが形成されている。これらの軸路3b及び径路3cの詳細は後述する。
第1径部30aは駆動軸本体30における前後方向の略中央に位置している。第2径部30bは、駆動軸本体30における前方側に位置しており、第1径部30aの前端と連続している。第2径部30bは、第1径部30aよりも小径となっている。これにより、第1径部30aと第2径部30bとの間には、図4に示す第1段差30dが形成されている。第3径部30cは、駆動軸本体30における後方側に位置しており、第1径部30aの後端と連続している。第3径部30cも第1径部30aよりも小径であり、第1径部30aと第3径部30cとの間には、第2段差30eが形成されている。なお、第2径部30bと第3径部30cとは同径となっている。
第1支持部材43aは、駆動軸3の駆動軸心Oを中心軸とする円筒状に形成されている。第1支持部材43aは、駆動軸本体30の第2径部30bに圧入されている。第1支持部材43aの後端は第1段差30dと当接している。また、図1及び図2に示すように、第1支持部材43aには、径方向の外側に突出する第1フランジ430が形成されている。さらに、第1支持部材43aには、後述する第2ピン47bが挿通される取付部(図示略)が形成されている。
第2支持部材43bも、駆動軸3の駆動軸心Oを中心軸とする円筒状に形成されている。第2支持部材43bは、駆動軸本体30の第3径部30cに圧入されている。第2支持部材43bの前端には、径方向の外側に突出する第2フランジ431が形成されている。また、第2支持部材43bにおいて第2フランジ431よりも後方側には、第1シールリング46a及び第2シールリング46bが設けられている。
駆動軸3は、ハウジング1内において、軸封装置25内及び第1、2軸孔21b、23b内に挿通されている。これにより、第1支持部材43aは第1軸孔21bに支承されており、第2支持部材43bは第2軸孔23bに支承されている。また、第1支持部材43aでは、第1フランジ430が第1凹部21cの前壁との間で第1スラスト軸受35aを挟持する。そして、第2支持部材43bでは、第2フランジ431が第2凹部23cの後壁との間で第2スラスト軸受35bを挟持する。こうして、駆動軸3はハウジング1に支承されており、圧縮機の前後方向と平行な駆動軸心O周りで回転可能となっている。また、駆動軸3がハウジング1に支承されることにより、軸封装置25は、駆動軸3を挿通した状態でフロントハウジング17の外部と第1吸入室27aとの間を封止する。さらに、第1、2シールリング46a、46bは、第2凹部23cと圧力調整室31との間、ひいては、斜板室33と圧力調整室31との間を封止する。
また、図4に示すように、駆動軸3には、上記の斜板5、リンク機構7及びアクチュエータ13が設けられている。これにより、斜板5、リンク機構7及びアクチュエータ13は、斜板室33内に配置されている。
斜板5は環状の平板形状をなしており、前面5aと後面5bとを有している。前面5aは、斜板室33内において圧縮機の前方側、つまり、フロントハウジング17側に面している。後面5bは、斜板室33内において圧縮機の後方側、つまり、リヤハウジング19側に面している。
また、斜板5には、後述するピストン9の第1頭部9aを上死点に位置させる上死点対応部T1と、第1頭部9aを下死点に位置させる下死点対応部T2とが定義されている。そして、この圧縮機では、上死点対応部T1と、下死点対応部T2と、駆動軸心Oとによって、図5及び図6に示す仮想の上死点面Dが決定されている。なお、上死点対応部T1は第2頭部9bを下死点に位置させる。また、下死点対応部T2は第2頭部9bを上死点に位置させる。
図4に示すように、斜板5はリングプレート45を有している。このリングプレート45は環状の平板形状に形成されており、中心部に挿通孔45aが形成されている。斜板5は、斜板室33内において挿通孔45aに駆動軸本体30が挿通されることにより、駆動軸3に取り付けられている。また、リングプレート45には、斜板5の前面5a側から後面5b側まで貫通する溝部45bが形成されている。さらに、リングプレート45には、斜板5の後方に突出する連結部45cが形成されている。連結部45cは、駆動軸心Oを基準として、溝部45bの反対側に位置している。
リンク機構7は、図5及び図6に示す第1斜板アーム5cと、第2斜板アーム5dと、案内部材71と、図4に示すラグアーム49とを有している。第1斜板アーム5cは本発明における「第1案内部」の一例であり、第2斜板アーム5dは本発明における「第2案内部」の一例である。
図5に示すように、第1斜板アーム5cと第2斜板アーム5dとは上死点面Dを跨いで対をなしており、それぞれリングプレート45に設けられている。これらの第1斜板アーム5c及び第2斜板アーム5dは、リングプレート45が斜板5に固定されることにより、斜板5と一体をなしている。なお、図5では、説明を容易にするため、斜板5及びリングプレート45を簡略化して図示しており、リングプレート45の溝部45bや連結部45cの図示を省略しているとともに、駆動軸本体30を仮想線で図示している。また、図1、図2、図4及び図7では、第1斜板アーム5cのみを図示している。
図5に示すように、第1斜板アーム5c及び第2斜板アーム5dは、斜板5の後面5b側から圧縮機の後方に向かって延びている。第1斜板アーム5cの後端には第1被案内面501が形成されている。また、第2斜板アーム5dの後端には第2被案内面502が形成されている。ここで、第1斜板アーム5cと第2斜板アーム5dとが上死点面Dを跨いで対をなしていることから、第1被案内面501と第2被案内面502とについても、上死点面Dを跨いで対をなしている。
また、第1被案内面501は、上死点面Dに直交する方向に延びるとともに、後述する第1案内面701に向かって突出する曲面状に形成されている(図4参照)。図5及び図6に示す第2被案内面502も第1被案内面501と同様に、上死点面Dに直交する方向に延びるとともに、後述する第2案内面702に向かって突出する曲面状に形成されている。つまり、第1被案内面501及び第2被案内面502は、それぞれ上死点面Dに直交する方向に延びる母線を有する曲面状に形成されている。
図4に示すように、案内部材71は、回転軸心O方向に延びる略円筒状に形成されている。また、案内部材71の後端には、区画体13bが設けられている。これにより、この圧縮機では、案内部材71と区画体13bとが一体をなしている。なお、区画体13bについての詳細は後述する。
図5及び図6に示すように、案内部材71には、上死点面Dを跨いで対をなす第1案内面701と第2案内面702とが形成されている。第1案内面701は、図4に示すように、案内部材71の前端から後方に向かうにつれて、駆動軸心Oから遠ざかるように直線状に傾斜する形状をなしている。第2案内面702についても同様である。また、案内部材71には、駆動軸心O方向に延びて区画体13bまで貫通する挿通孔71aが形成されている。挿通孔71a内にはOリング51aが設けられている。
この圧縮機では、挿通孔71a内に第3径部30cが挿通されることにより、案内部材71及び区画体13bは、斜板室33内で駆動軸本体30に回転可能に挿通されている。これにより、案内部材71は区画体13bと共に駆動軸本体30と一体回転可能となっている。さらに、図5及び図6の実線矢印で示すように、案内部材71は、区画体13bと共に駆動軸本体30に対して駆動軸心O周りで相対回転となっている。また、図4に示すように、案内部材71は、駆動軸本体30に挿通された状態で前端が第2段差30eに当接している。これにより、案内部材71及び区画体13bは、駆動軸心O方向で駆動軸本体30の前方側に移動することが規制されている。
ラグアーム49は、斜板室33内において、斜板5よりも前方に配置されており、斜板5と第1支持部材43aとの間に位置している。ラグアーム49は、前方から後方に向かって略L字形状となるように形成されている。また、ラグアーム49には、ウェイト部49aが形成されている。なお、ウェイト部49aの形状は適宜設計することが可能である。
ラグアーム49の後端側は、第1ピン47aによってリングプレート45と連結されている。これにより、ラグアーム49は、第1ピン47aの軸心を第1揺動軸心M1として、リングプレート45、すなわち斜板5に対し、第1揺動軸心M1周りで揺動可能に支持されている。
ラグアーム49の前端側は、第2ピン47bによって第1支持部材43aと連結されている。これにより、ラグアーム49は、第2ピン47bの軸心を第2揺動軸心M2として、第1支持部材43a、すなわち駆動軸3に対し、第2揺動軸心M2周りで揺動可能に支持されている。こうして、ラグアーム49は、駆動軸3と斜板5とを連結している。
これらの第1、2斜板アーム5c、5d、案内部材71、ラグアーム49、第1、2ピン47a、47bに加えて、後述する連結アーム132及び第3ピン47cによって、本発明におけるリンク機構7が構成されている。
ウェイト部49aは、ラグアーム49の後端、つまり、第1揺動軸心M1を基準として第2揺動軸心M2とは反対側に延在して設けられている。このため、ラグアーム49が第1ピン47aによってリングプレート45に支持されることで、ウェイト部49aはリングプレート45の溝部45bを通って、リングプレート45の後面、つまり斜板5の後面5b側に位置する。そして、斜板5が駆動軸心O周りに回転することにより発生する遠心力が斜板5の後面5b側でウェイト部49aにも作用する。
図1及び図2に示すように、各ピストン9は、それぞれ前端に第1頭部9aを有しており、後端に第2頭部9bを有している。つまり、各ピストン9は両頭ピストンである。各第1頭部9aは、それぞれ各第1シリンダボア21a内を往復動可能に収納されている。これらの各第1頭部9aと第1弁形成プレート39とにより、各第1シリンダボア21a内にそれぞれ第1圧縮室53aが形成されている。各第2頭部9bは、それぞれ第2シリンダボア23a内を往復動可能に収納されている。これらの各第2頭部9bと第2弁形成プレート41とにより、各第2シリンダボア23a内にそれぞれ第2圧縮室53bが形成されている。
また、各ピストン9の中央には係合部9cが形成されている。各係合部9c内には、半球状のシュー11a、11bがそれぞれ設けられている。これらのシュー11a、11bは、変換機構として斜板5の回転をピストン9の往復動に変換する。こうして、斜板5の傾斜角度に応じたストロークで、各第1頭部9aがそれぞれ第1シリンダボア21a内を往復動することが可能となっているとともに、各第2頭部9bがそれぞれ第2シリンダボア23a内を往復動することが可能となっている。
図4に示すように、アクチュエータ13は、斜板室33内において斜板5よりも後方側に配置されている。これにより、アクチュエータ13は、第2凹部23c内に進入することが可能となっている。アクチュエータ13は、移動体13aと区画体13bと制御圧室13cとを有している。
移動体13aは、後壁130と、周壁131と、一対の連結アーム132とを有している。なお、図1、図2及び図4では、連結アーム132の一方のみを図示している。
後壁130は移動体13aの後方に位置しており、駆動軸心Oから離れる方向で径方向に延びる略円盤形状とされている。また、後壁130には、挿通孔130aが貫設されている。挿通孔130a内にはOリング51bが設けられている。周壁131は、後壁130の外周縁と連続し、移動体13aの前方に向かって延びている。これらの後壁130及び周壁131により、移動体13aは有底の略円筒状をなしている。
各連結アーム132は、上死点面Dを跨ぐようにして周壁131の前端にそれぞれ形成されており、周壁131から圧縮機の前方に向かって延びている。各連結アーム132には、それぞれ長孔132aが形成されている。長孔132aは移動体13aの径方向に延びている。また、長孔132aは、駆動軸心Oから離れるにつれて連結アーム132の後方に向かうように傾斜している。
区画体13bは、板状をなす円環形状に形成されている。区画体13bは、案内部材71よりも大径であって、移動体13aの内径とほぼ同径となっている。区画体13bの外周面にはOリング51cが設けられている。上記のように、案内部材71及び区画体13bが駆動軸本体30に回転可能に挿通されることにより、区画体13bは、移動体13a内に配置されて周囲が周壁131によって取り囲まれている。
移動体13aの挿通孔130aには、駆動軸本体30の第3径部30cが挿通されている。これにより、移動体13aは駆動軸本体30と共に回転可能であるとともに、区画体13bに対して駆動軸本体30を駆動軸心O方向に移動することが可能となっている。この際、周壁131の内周面と、区画体13bの外周面とが摺動する。
そして、区画体13bが周壁131によって取り囲まれることにより、移動体13aと区画体13bとの間に制御圧室13cが形成されている。この制御圧室13cは、後壁130と周壁131と区画体13bとによって斜板室33から区画されている。また、Oリング51aは案内部材71と第3径部30cとの間で弾性変形し、Oリング51bは移動体13aと第3径部30cとの間で弾性変形し、Oリング51cは移動体13aと区画体13bとの間で弾性変形する。これにより、Oリング51a〜51cは、制御圧室13cと斜板室33との間を封止する。
この圧縮機では、牽引アーム132同士の間に連結部45cを配置した状態で、各牽引アーム132と連結部45cとを第3ピン47cによって連結する。これにより、第3ピン47cは長孔132a内を移動可能となっている。こうして、斜板5と移動体13aとが組み付けられている。また、斜板5と移動体13aとが組み付けられることにより、案内部材71が斜板5と移動体13aとの間に配置される。これにより、図6に示すように、第1斜板アーム5cでは、第1案内面501が案内部材71の第1案内面701に当接する。同様に、第2斜板アーム5dでは、第2案内面502が第2案内面702に当接する。ここで、第1被案内面501及び第2被案内面502は、上死点面Dに直交する方向に延びる母線を有する曲面状をなしている。このため、第1被案内面501は、接触位置P1において第1案内面701と線接触しており、第2被案内面502は、接触位置P2において第2案内面702と線接触している。
こうして、この圧縮機では、斜板5と駆動軸3と移動体13aとがリンク機構7によって連結されることにより、リンク機構7は、ラグアーム49を通じて駆動軸3の回転を斜板5に伝達する。こうして、斜板5は駆動軸3と共に回転することが可能となっている。そして、ラグアーム49の両端がそれぞれ第1揺動軸心M1及び第2揺動軸心M2周りで揺動するとともに、第1、2被案内面501、502がそれぞれ第1、2案内面701、702を摺動することにより、斜板5は、図1に示す最小値から図2に示す最大値まで傾斜角度を変更することが可能となっている。また、図示を省略するものの、斜板5の前面5aと第1支持部材43aの第1フランジ430との間には復帰ばねが設けられており、斜板5の後面5bと区画体13bとの間には傾角減少ばねが設けられている。
そして、斜板5の傾斜角度の変更に伴い各ピストン9のストロークが変化することで、リンク機構7は、各第1頭部9aと各第2頭部9bとの各上死点の位置を移動させる。具体的には、図1に示すように、リンク機構7は、斜板5の傾斜角度が減少するのに伴って、各第1頭部9aの上死点の位置よりも各第2頭部9bの上死点の位置を大きく移動させる。
軸路3bは、駆動軸本体30内において、駆動軸心O方向に延びている。軸路3bの後端は駆動軸本体30の後端面に開口しており、圧力調整室31に連通している。径路3cは、軸路3bの前端と接続しつつ駆動軸本体30の径方向に延びており、第3径部30cにおいて、駆動軸本体30の外周面に開口している。上記のように駆動軸本体30にアクチュエータ13が設けられることにより、径路3cは制御圧室13c内に開口する状態となる。こうして、軸路3b及び径路3cによって、圧力調整室31と制御圧室13cとが連通している。
図3に示すように、制御機構15は、抽気通路15aと、給気通路15bと、制御弁15cと、オリフィス15dと、軸路3bと、径路3cとを有している。
抽気通路15aは、圧力調整室31と第2吸入室27bとに接続されている。この抽気通路15aと軸路3bと径路3cとによって、制御圧室13cと圧力調整室31と第2吸入室27bとが連通している。給気通路15bは、圧力調整室31と第2吐出室29bとに接続されている。この給気通路15bと軸路3bと径路3cとによって、制御圧室13cと圧力調整室31と第2吐出室29bとが連通している。給気通路15bには、オリフィス15dが設けられている。
制御弁15cは抽気通路15aに設けられている。この制御弁15cは、第2吸入室27b内の圧力に基づき、抽気通路15aの開度を調整することが可能となっている。
この圧縮機では、図1及び図2に示す吸入ポート330に対して蒸発器に繋がる配管が接続されるとともに、図示しない吐出ポートに対して凝縮器に繋がる配管が接続される。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸3が回転することにより、上記のように、リンク機構7が駆動軸3の回転を斜板5に伝達するため、斜板5が回転する。これにより、各ピストン9では、各第1頭部9aが各第1シリンダボア21a内を往復動し、各第2頭部9bが各第2シリンダボア23a内を往復動する。このため、第1、2圧縮室53a、53bがピストン9のストロークに応じて容積変化を生じる。このため、この圧縮機では、第1、2吸入室27a、27bから第1、2圧縮室53a、53bへ冷媒ガスを吸入する吸入行程と、第1、2圧縮室53a、53bにおいて冷媒ガスが圧縮される圧縮行程と、圧縮された冷媒ガスが第1、2吐出室29a、29bに吐出される吐出行程等とが繰り返し行われることとなる。第1、2吐出室29a、29bに吐出された冷媒ガスは、吐出通路を経て吐出ポートから配管を介して凝縮器に吐出される。
そして、これらの吸入行程等が行われる間、斜板5、リングプレート45、ラグアーム49及び第1ピン47aからなる回転体には斜板5の傾斜角度を小さくするピストン圧縮力が作用する。そして、斜板5の傾斜角度が変更されれば、ピストン9のストロークの増減による容量制御を行うことが可能である。
具体的には、図3に示す制御機構15において、制御弁15cが抽気通路15aの開度を小さくすれば、第2吐出室29b内の冷媒ガスの圧力によって圧力調整室31の圧力が上昇し、制御圧室13cの圧力が上昇する。このため、制御圧室13cと斜板室33との差圧である可変差圧が大きくなる。
これにより、この圧縮機では、各ピストン9を介して斜板5に作用する圧縮反力に抗しつつ、移動体13aは、区画体13b及び案内部材71に対して、図1に示す位置から駆動軸心O方向で駆動軸本体30を後方側に向かって移動する。このため、図2に示すように、移動体13aの後壁130が駆動軸心O方向で区画体13b及び案内部材71から遠ざかる。ここで、案内部材71の前端が駆動軸本体30の第2段差30eに当接しているため、制御圧室13cの圧力が上昇しても、案内部材71及び区画体13bは、駆動軸心O方向で駆動軸本体30の前方側に移動することがない。なお、圧縮反力は、各ピストン9によって斜板5に作用するピストン圧縮力の合力である。
これにより、この圧縮機では、各連結アーム132、連結部45c及び第3ピン47cを通じて、移動体13aは斜板5を駆動軸心O方向で斜板室33の後方へ牽引する。このため、この圧縮機では、ラグアーム49の後端側が第1揺動軸心M1周りに揺動するとともに、ラグアーム49の前端側が第2揺動軸心M2周りに揺動する。このため、ラグアーム49の前端側が第1支持部材43aの第1フランジ430から後方に遠ざかる。また、第3ピン47cが駆動軸本体30の径方向で駆動軸心Oに近づくように長孔132aの内周面を摺動する。さらに、第1、2被案内面501、502がそれぞれ第1、2案内面701、702を後方に向かって摺動する。これにより、第1斜板アーム5c及び第2斜板アーム5dが区画体13bに近づく。これらにより、駆動軸3の駆動軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が増大し、各ピストン9のストロークが増大する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が増大する。
一方、図3に示す制御機構15において、制御弁15cが抽気通路15aの開度を大きくすれば、圧力調整室31の圧力、ひいては制御圧室13cの圧力が第2吸入室27bの圧力とほぼ等しくなり、可変差圧が小さくなる。
これにより、この圧縮機では、各ピストン9を介して斜板5に作用する圧縮反力によって、斜板5は傾斜角度が減少する方向に付勢される。これにより、この圧縮機では、各ピストン9を介して斜板5に作用する圧縮反力によって、斜板5は傾斜角度が減少する方向に付勢される。このため、図1に示すように、各連結アーム132、連結部45c及び第3ピン47cを通じて、移動体13aが斜板5によって駆動軸心O方向で斜板室33の前方側に牽引される状態となる。このため、ラグアーム49の後端側は、傾斜角度が増大する場合とは反対方向で第1揺動軸心M1周りに揺動し、ラグアーム49の前端側は、傾斜角度が増大する場合とは反対方向で第2揺動軸心M2周りに揺動する。このため、ラグアーム49の前端側が第1支持部材43aの第1フランジ430に近づく。また、第3ピン47cが駆動軸本体30の径方向で駆動軸心Oから遠ざかるように長孔132aの内周面を摺動する。さらに、第1、2被案内面501、502がそれぞれ第1、2案内面701、702を前方に向かって摺動する。これにより、第1斜板アーム5c及び第2斜板アーム5dが区画体13bから遠ざかる。これらにより、駆動軸3の駆動軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が減少し、各ピストン9のストロークが減少する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が減少する。
また、この圧縮機では、ウェイト部49aに作用した遠心力も斜板5に付与される。このため、この圧縮機では、斜板5が傾斜角度を減少させる方向に変位し易くなっている。
そして、このように、斜板5の傾斜角度が減少し、各ピストン9のストロークが減少することで、リンク機構7は、各第2頭部9bの上死点の位置を大きく移動させる。これにより、各第2頭部9bの上死点の位置が第2弁形成プレート41から遠ざかる。一方、リンク機構7は、斜板5の傾斜角度に係らず、各第1頭部9aの上死点の位置を殆ど移動させない。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が最小値である場合を含め、傾斜角度が最小値に近づくことで、第1圧縮室53aでは、冷媒ガスの圧縮仕事が行われ、内部の冷媒ガスが吐出リード弁を開いて第1吐出室29aに吐出されるものの、第2圧縮室53bでは、内部の冷媒ガスが吐出リード弁を開かないため、冷媒ガスが第2吐出室29bに吐出されなくなる。
この圧縮機では、案内部材71と区画体13bとが一体をなしており、これらの案内部材71及び区画体13bが駆動軸本体30の第3径部30cに回転可能に挿通されている。このため、斜板5や案内部材71等の加工精度のばらつきの他、斜板5と駆動軸3と移動体13aとリンク機構7との組み付け状態の公差によって、第1、2斜板アーム5c、5dと案内部材71とに位相のずれが生じても、図5及び図6の実線矢印で示すように、案内部材71が区画体13bと共に駆動軸本体30に対して駆動軸心O周りで相対回転することにより、その位相のずれを吸収することができる。このため、この圧縮機では、第1斜板アーム5cの第1被案内面501は、接触位置P1において、案内部材71の第1案内面701に対して上死点面Dに直交する方向で線接触することが可能となっている。同様に、第2斜板アーム5dの第2被案内面502は、接触位置P2において、案内部材71の第2案内面702に対して上死点面Dに直交する方向で線接触することが可能となっている。これにより、この圧縮機では、斜板5が傾斜角度を変更する際に、第1被案内面501が第1案内面701と平行な状態で第1案内面701を摺動でき、また、第2被案内面502が第2案内面702と平行な状態で第2案内面702を摺動できる。これにより、第1、2被案内面501、502は、それぞれ第1、2案内面701、702を摺動し易くなっている。このため、斜板5が傾斜角度を好適に変更可能となっている。また、第1、2被案内面501、502が第1、2案内面701、702と平行な状態でそれぞれ第1、2案内面701、702を摺動することにより、第1、2被案内面501、502や第1、2案内面701、702が摩耗し難くなっている。
したがって、実施例1の圧縮機は、吐出容量を好適に変更可能であり、かつ高い耐久性を発揮可能である。
特に、この圧縮機では、案内部材71が区画体13bと共に駆動軸本体30に対して駆動軸心O周りで相対回転することで、第1、2斜板アーム5c、5dと案内部材71との位相のずれを吸収できる。このため、斜板5や案内部材71等に対して過度に高い加工精度を要求したり、斜板5と駆動軸3と移動体13aとリンク機構7との組み付け等に対して過度に高い精度を要求したりする必要がない。このため、この圧縮機は、製造が容易となっており、製造コストを低廉化することが可能となっている。
また、案内部材71と区画体13bとが一体をなしているため、この圧縮機では、案内部材71と区画体13bとが別体である場合に比べて、部品点数が削減されている。この点においても、この圧縮機では、製造コストを低廉化することが可能となっている。
さらに、この圧縮機では、第1被案内面501と第2被案内面502とが上死点面Dを跨いで対をなしており、第1被案内面501が形成された第1斜板アーム5cと、第2被案内面502が形成された第2斜板アーム5dとについても、上死点面Dを跨いで対をなしている。そして、案内部材71において、第1案内面701と第2案内面702とが上死点面Dを跨いで対をなしている。この圧縮機では、案内部材71が区画体13bと共に駆動軸本体30に対して駆動軸心O周りで相対回転することで、第1、2斜板アーム5c、5dと案内部材71との位相のずれを吸収できるため、例えば、第1被案内面501と第1案内面701とは当接する一方、第2被案内面502と第2案内面702とは当接しないような状態が生じることを抑制することが可能となっている。これによっても、斜板5が傾斜角度を変更する際に、第1被案内面501が第1案内面701を好適に摺動することが可能となっているとともに、第2被案内面502が第2案内面702を好適に摺動することが可能となっている。
(実施例2)
実施例2の圧縮機は、実施例1の圧縮機における案内部材71及び区画体13bに換えて、リンク機構7が図7に示す案内部材73を有している。また、アクチュエータ13が区画体13dを有している。この圧縮機では、実施例1の圧縮機と異なり、案内部材73と区画体13dとが別体をなしている。
案内部材73は、案内部材71と同様、回転軸心O方向に延びる略円筒状に形成されている。また、案内部材73にも第1案内面701と第2案内面702とが形成されている。案内部材73においても、第1案内面701と第2案内面702とは、上死点面Dを跨いで配置されている。さらに、案内部材73には、駆動軸心O方向に延びて前端面から後端面まで貫通する挿通孔73aが形成されている。
案内部材73は、挿通孔73a内に第1径部30aが挿通されることにより、斜板室33内で駆動軸本体30に回転可能に挿通されている。これにより、案内部材73は斜板5と移動体13aとの間に配置されている。また、挿通孔73a内に第1径部30aが挿通されることにより、案内部材73は、駆動軸本体30と一体回転可能となっている。さらに、案内部材73は、案内部材71と同様、駆動軸本体30に対して駆動軸心O周りで相対回転となっている。
区画体13dには、挿通孔133が設けられている。これにより、区画体13dは、板状をなす円環形状に形成されている。区画体13dは、移動体13aの内径とほぼ同径となっている。また、区画体13dの外周面にもOリング51cが設けられている。区画体13dは、挿通孔133に対して、第3径部30cが圧入されることにより、駆動軸本体30に固定されている。このため、区画体13dは、駆動軸本体30と一体回転のみ可能となっている。また、区画体13dは、駆動軸本体30に固定された状態で第2段差30eと当接している。
こうして、区画体13dについても移動体13a内に配置され、周囲が周壁131によって取り囲まれた状態となっている。これにより、移動体13aが駆動軸心O方向に移動するに当たり、周壁131の内周面と、区画体13dの外周面とが摺動する。そして、アクチュエータ13では、後壁130と周壁131と区画体13dとによって、制御圧室13cが区画されている。また、実施例1の圧縮機と同様、斜板5の後面5bと区画体13dとの間には傾角減少ばね(図示略)が設けられている。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
この圧縮機では、案内部材73が駆動軸本体30の第1径部30aに回転可能に挿通されている。このため、第1、2斜板アーム5c、5dと案内部材73とに位相のずれが生じても、案内部材73が駆動軸本体30に対して駆動軸心O周りで相対回転することにより、その位相のずれを吸収することができる。こうして、この圧縮機においても、実施例1の圧縮機と同様の作用を奏することが可能となっている。
また、この圧縮機では、案内部材73と区画体13dとが別体をなしており、案内部材73は駆動軸本体30に対して駆動軸心O周りで相対回転可能である一方、区画体13dは駆動軸本体30に固定されている。このため、この圧縮機では、実施例1の圧縮機に比べて部品点数が増加しているものの、区画体13dを駆動軸本体30に固定することにより、制御圧室13c内の冷媒ガスが斜板室33へ漏れることをより抑制することが可能となっている。また、この圧縮機では、案内部材73や区画体13dの設計の自由度を高くすることが可能となっている。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、第1シリンダブロック21にのみ第1シリンダボア21aを形成し、各ピストン9は第1頭部9aのみを有することにより、片頭式の圧縮機としても良い。
また、制御機構15について、給気通路15bに対して制御弁15cを設けるとともに、抽気通路15aに固定絞り15dを設ける構成としても良い。この場合には、制御弁15cによって、給気通路15bの開度を調整することが可能となる。これにより、第2吐出室29b内の冷媒ガスの圧力によって制御圧室13cを迅速に高圧とすることができ、迅速に吐出容量を増大させることが可能となる。
本発明は空調装置等に利用可能である。
1…ハウジング
3…駆動軸
5…斜板
5c…第1斜板アーム(被案内部、第1被案内部)
5d…第2斜板アーム(被案内部、第2被案内部)
7…リンク機構
9…ピストン
13a…移動体
13b…区画体
13c…制御圧室
13d…区画体
15…制御機構
21a…第1シリンダボア(シリンダボア)
23a…第2シリンダボア(シリンダボア)
33…斜板室
71…案内部材
73…案内部材
501…第1被案内面(被案内面)
502…第2被案内面(被案内面)
701…第1案内面(案内面)
702…第2案内面(案内面)
D…上死点面
O…駆動軸心
T1…上死点対応部

Claims (3)

  1. 斜板室及び複数のシリンダボアが形成されたハウジングと、
    前記ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、
    前記斜板室内に配置されて前記駆動軸とともに回転される斜板と、
    前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、
    前記各シリンダボアに収納され、前記斜板の回転によって前記傾斜角度に応じたストロークで往復動して前記各シリンダボア内に圧縮室を形成するピストンと、
    前記斜板室内で前記駆動軸に設けられた区画体と、
    前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能であり、かつ前記区画体に対して前記駆動軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更する移動体と、
    前記区画体と前記移動体とにより区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、
    前記制御圧室内の圧力を制御する制御機構とを備え、
    前記斜板には、前記ピストンを上死点に位置させる上死点対応部が定義され、
    前記リンク機構は、前記斜板と一体をなし、前記上死点対応部と前記駆動軸心とで決定される上死点面に直交する方向に延びる被案内面が形成された被案内部と、前記斜板と前記移動体との間に配置され、前記被案内面が摺動可能な案内面が形成された案内部材とを有する容量可変型斜板式圧縮機であって、
    前記案内部材は、前記駆動軸に回転可能に挿通されていることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記案内部材と前記区画体とは一体をなしている請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記被案内面は、前記上死点面を跨いで対をなす第1被案内面及び第2被案内面からなり、
    前記被案内部は、前記第1被案内面が形成された第1被案内部と、前記第2被案内面が形成された第2被案内部とからなり、
    前記案内面は、前記第1被案内面が摺動可能な第1案内面と、前記第2被案内面が摺動可能な第2案内面とからなる請求項1又は2記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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