JP2017180095A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

容量可変型斜板式圧縮機 Download PDF

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健一 角口
Kenichi Kadoguchi
健一 角口
裕之 仲井間
Hiroyuki Nakaima
裕之 仲井間
幸司 川村
Koji Kawamura
幸司 川村
久弥 近藤
Hisaya Kondo
久弥 近藤
山本 真也
Shinya Yamamoto
真也 山本
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Abstract

【課題】製造を容易化するとともに、小型化を実現可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の圧縮機は、ハウジング1と駆動軸3とを備えている。ハウジング1には、斜板室33が形成されている他、連通室としての圧力調整室31が形成されている。また、ハウジングには、軸孔としての第2軸孔23bが形成されている。第2軸孔23bは、斜板室33及び圧力調整室31に接続しており、駆動軸3が挿通される。第2軸孔23b内には、封止部材としてのシールリング46と、規制部233とが設けられている。シールリング46は、自己の径を変更させる切欠き部46aを有している。また、駆動軸3は、第2軸孔23b内において規制部233よりも斜板室33側に位置し、シールリング46と当接しつつ、規制部233との間でシールリング46を挟持可能な当接部433を有している。【選択図】図8

Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、単に圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機は、ハウジングと、駆動軸と、斜板と、リンク機構と、複数のピストンと、区画体と、移動体と、制御圧室と、制御機構とを備えている。ハウジングには、複数のシリンダボアが形成されている他、斜板室及び連通室が形成されている。連通室は、制御圧室に連通している。また、ハウジングには、斜板室と連通室とに接続する軸孔が形成されている。
駆動軸は、軸孔に挿通されることにより、ハウジングに回転可能に支承されている。斜板は、斜板室内に設けられており、駆動軸の回転によって回転可能となっている。リンク機構は、駆動軸と斜板との間に設けられており、斜板の傾斜角度の変更を許容する。ここで、傾斜角度とは、駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する斜板の角度である。各ピストンは、各シリンダボア内を往復動して、各シリンダボア内に圧縮室を区画する。各ピストンと斜板との間には、変換機構としてのシューが設けられている。シューは、ピストン毎に対をなしており、斜板の回転によって、傾斜角度に応じたストロークで各ピストンを往復動させる。区画体は、駆動軸に設けられており、斜板室内で駆動軸と一体回転可能となっている。移動体は、駆動軸に設けられており、斜板室内で駆動軸と一体回転可能となっているとともに、駆動軸心方向に移動して傾斜角度を変更する。制御圧室は、区画体と移動体とにより区画されており、内部の圧力によって移動体を移動させる。制御機構は、連通室の圧力を制御することによって、制御圧室の圧力を制御する。
この圧縮機では、制御機構が連通室の圧力を減少させれば、制御圧室内の圧力が減少する。これにより、移動体が区画体に近づくように移動するため、リンク機構が斜板の傾斜角度を減少させる。こうして、この圧縮機では、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が減少する。一方、制御機構が連通室の圧力を増大させれば、制御圧室内の圧力を増大することから、移動体が区画体から離れるように移動する。これにより、リンク機構が斜板の傾斜角度を増大させ、吐出容量が増大する。
特開2014−92104号公報
上記のような構成の圧縮機では、軸孔と駆動軸との間に封止部材を設けることにより、封止部材によって駆動軸を駆動軸心回りで回転可能に保持しつつ、斜板室と連通室との間を封止することが行われる。この場合、一般的には、駆動軸の外周面に凹溝を形成し、凹溝内に封止部材を嵌め込むことにより、封止部材が凹溝の両壁面に挟持された状態で駆動軸に組み付けられる。そして、駆動軸とともに封止部材を軸孔に挿通することにより、軸孔と駆動軸との間に封止部材が設けられる。
しかし、この場合、軸孔と駆動軸との間に封止部材を設けるに当たって、予め駆動軸に凹溝を形成した上で、駆動軸に封止部材を組み付ける必要があることから、製造工程が増加する。また、封止部材を拡径させつつ封止部材を駆動軸に組み付けることになるため、封止部材に割れ等が生じ易い。これらのため、圧縮機の製造が困難となる。
さらに、駆動軸に凹溝を形成するためのスペースを確保する必要があるため、駆動軸の軸長が長くなり、結果として、圧縮機が大型化する。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、製造を容易化するとともに、小型化を実現可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、斜板室及び複数のシリンダボアが形成されたハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、
前記斜板室内に配置されて前記駆動軸とともに回転される斜板と、
前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、
前記各シリンダボアに収納され、前記斜板の回転によって前記傾斜角度に応じたストロークで往復動して前記各シリンダボア内に圧縮室を形成するピストンと、
前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能に設けられた区画体と、
前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能であり、かつ前記区画体に対して前記駆動軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更する移動体と、
前記区画体と前記移動体とにより区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、
前記制御圧室内の圧力を制御する制御機構とを備え、
前記ハウジングには、前記制御圧室と連通する連通室と、前記斜板室及び前記連通室に接続し、前記駆動軸が挿通される軸孔とが形成され、
前記軸孔内には、環状をなし、前記駆動軸を前記駆動軸心周りで回転可能に保持しつつ、前記斜板室と前記連通室との間を封止する封止部材と、前記封止部材が前記連通室側に移動することを規制する規制部とが設けられ、
前記封止部材は、自己の径を変更させる切欠き部を有し、
前記駆動軸は、前記軸孔内において前記規制部よりも前記斜板室側に位置し、前記封止部材と当接しつつ、前記規制部との間で前記封止部材を挟持可能な当接部を有していることを特徴とする。
本発明の圧縮機では、軸孔内に規制部が設けられるとともに、駆動軸に当接部が形成される。そして、径を変更させつつ封止部材を軸孔内に配置した状態で、軸孔に駆動軸を挿通することにより、封止部材が規制部と当接部とによって挟持されて保持される。こうして、軸孔と駆動軸との間に封止部材が設けられる。このように、この圧縮機では、軸孔と駆動軸との間に封止部材を設けるに当たって、事前に駆動軸に封止部材を組み付ける必要がないことから、製造を簡略化することができる。また、この圧縮機では、製造時に封止部材に割れ等も生じ難い。
さらに、この圧縮機では、封止部材が連通室側に移動することを規制するに当たって、駆動軸に規制部を設ける必要がないため、その分、駆動軸の軸長を短くすることができる。
したがって、本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、製造を容易化できるとともに、小型化を実現できる。
封止部材は、斜板室と連通室との差圧により軸孔の内周面と当接部とに当接することで斜板室と連通室との間を封止し得る。そして、封止部材の外径は、軸孔の内径よりも大きいことが好ましい。
この場合、封止部材は縮径した状態で軸孔内に配置される。これにより、封止部材は自己の復元力により軸孔の内周面に押し当たる状態となる。このため、斜板室と連通室との差圧が小さい場合であっても、封止部材が駆動軸とともに軸孔内で回転することが防止できる。このため、封止部材の回転によって軸孔が摩耗することを防止でき、斜板室と連通室との間の気密性が低下することが防止できる。
軸孔は、斜板室側に位置して第1内径を有する第1孔と、第1孔と同軸をなして連通室側に位置し、第1内径よりも小径の第2内径を有する第2孔と、第1孔と第2孔との間に形成された段差とを有し得る。また、封止部材は第1孔内に配置され得る。そして、段差が規制部であることが好ましい。
この場合、段差を規制部とすることにより、軸孔内に規制部を容易に設けることが可能となるとともに、規制部としての専用の部材が不要となる。このため、製造をより容易化することができる。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、製造を容易化できるとともに、小型化を実現できる。
図1は、実施例の圧縮機において、傾斜角度が最小の状態を示す断面図である。である。 図2は、実施例の圧縮機において、傾斜角度が最大の状態を示す断面図である。 図3は、実施例の圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。 図4は、実施例の圧縮機に係り、第1孔、第2孔及び規制部を示す要部拡大断面図である。 図5は、実施例の圧縮機に係り、駆動軸を示す要部拡大断面図である。 図6は、実施例の圧縮機に係り、封止部材を示す斜視図である。 図7は、実施例の圧縮機に係り、第1孔内に封止部材が配置された状態を示す要部拡大断面図である。 図8は、実施例の圧縮機に係り、軸孔に駆動軸が挿通された状態を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。この圧縮機は、車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
図1及び図2に示すように、実施例の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、複数のピストン9と、複数対のシュー11a、11bと、アクチュエータ13とを備えている。また、この圧縮機は、図3に示す制御機構15を備えている。
図1及び図2に示すように、ハウジング1は、フロントハウジング17と、リヤハウジング19と、第1シリンダブロック21と、第2シリンダブロック23と、第1弁形成プレート39と、第2弁形成プレート41とを有している。なお、本実施例では、フロントハウジング17が位置する側を圧縮機の前方側とし、リヤハウジング19が位置する側を圧縮機の後方側として、圧縮機の前後方向を規定している。また、図1及び図2の紙面の上方を圧縮機の上方側とし、紙面の下方を圧縮機の下方側として、圧縮機の上下方向を規定している。そして、図4以降では、図1及び図2に対応させて前後方向及び上下方向を表示する。なお、実施例における前後方向等は一例であり、本発明の圧縮機は、搭載される車両等に対応して、その姿勢が適宜変更される。
フロントハウジング17には、前方に向かって突出するボス17aが形成されている。ボス17a内には軸封装置25が設けられている。フロントハウジング17内には、第1吸入室27a及び第1吐出室29aが形成されている。第1吸入室27aは環状に形成されており、フロントハウジング17の内周側に位置している。第1吐出室29aも環状に形成されており、第1吸入室27aの外周側に位置している。
リヤハウジング19には、上記の制御機構15の一部が設けられている。また、リヤハウジング19には、第2吸入室27b、第2吐出室29b及び圧力調整室31が形成されている。圧力調整室31は、本発明における連通室の一例である。圧力調整室31は、リヤハウジング19の中心部分に位置している。第2吸入室27bは環状に形成されており、圧力調整室31の外周側に位置している。第2吐出室29bも環状に形成されており、第2吸入室27bの外周側に位置している。上記の第1吐出室29aと第2吐出室29bとは、図示しない吐出通路を通じて互いに連通している。また、吐出通路は図示しない吐出ポートに接続している。
第1シリンダブロック21は、フロントハウジング17と第2シリンダブロック23との間に設けられている。第1シリンダブロック21には、駆動軸3の駆動軸心O方向に延びる複数個の第1シリンダボア21aが形成されている。各第1シリンダボア21aは、それぞれ周方向に等角度間隔で配置されている。
また、第1シリンダブロック21には、駆動軸3を挿通させる第1軸孔21bが形成されている。第1軸孔21b内には第1滑り軸受22aが設けられている。さらに、第1シリンダブロック21には、第1軸孔21bに圧縮機の後方側から連通する第1凹部21cが形成されている。第1凹部21cは第1軸孔21bと同軸をなしている。第1凹部21cは、第1軸孔21bよりも内径が大きくされている。第1凹部21c内には、第1スラスト軸受35aが設けられている。また、第1シリンダブロック21には、前後方向に延びる第1連絡路37aが形成されている。
第2シリンダブロック23は、第1シリンダブロック21とリヤハウジング19との間に設けられている。第2シリンダブロック23は、第1シリンダブロック21に接合されることにより、第1シリンダブロック21との間に斜板室33を形成している。斜板室33は第1凹部21cと連通している。これにより、第1凹部21cは斜板室33の一部を構成している。また、斜板室33は第1連絡路37aと連通している。
第2シリンダブロック23には、駆動軸3の駆動軸心O方向に延びる複数個の第2シリンダボア23aが形成されている。各第2シリンダボア23aは、各第1シリンダボア21aと同様、周方向に等角度間隔でそれぞれ配置されており、各第1シリンダボア21aと同軸かつ前後で対になっている。また、各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとは同径に形成されている。なお、第1シリンダボア21aと第2シリンダボア23aとが対をなしていれば、これらの個数は適宜設計することができる。また、各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとで異なる径の大きさに形成しても良い。さらに、対をなす第1シリンダボア21a及び第2シリンダボア23aの軸心は、ずれていても良い。
図4に示すように、第2シリンダブロック23には、駆動軸3を挿通させる第2軸孔23bが形成されている。この第2軸孔23bが本発明における軸孔に相当する。第2軸孔23bの詳細は後述する。
また、第2シリンダブロック23には、第2軸孔23bに圧縮機の前方側から連通する第2凹部23cが形成されている。第2凹部23cは第2軸孔23bと同軸をなしている。第2凹部23cは、第2軸孔23bよりも内径が大きくされている。図1及び図2に示すように、第2凹部23cも斜板室33と連通しており、斜板室33の一部を構成している。
図4に示すように、第2軸孔23は、第2シリンダブロック23の後端に位置しており、前後方向に延びている。第2軸孔23は、リヤハウジング19と第1シリンダブロック23とが接合されることにより、前方で第2凹部23c、ひいては斜板室33に接続するとともに、後方で圧力調整室31に接続する。第2軸孔23は、第1孔231と、第2孔232と、規制部233とで構成されている。
第1孔231は、第2軸孔23の前方側、すなわち、第2軸孔23における斜板室33側に位置している。第1孔231は、第1内径L1を有する円柱状に形成されており、第2シリンダブロック23の前後方向に延びている。
第2孔232は、第2軸孔23の後端、すなわち、第2軸孔23における圧力調整室31側に位置している。第2孔232は、大径部232aと小径部232bとからなる。大径部232aは、第2内径L2を有する円柱状に形成されている。大径部232aは、第1孔231と同軸で第2シリンダブロック23の前後方向に延びており、第2シリンダブロック23の後端面に開口している。ここで、第2内径L2は第1内径L1よりも小径となっている。
小径部232bは、大径部232aの前方に位置している。小径部232bは、第3内径L3を有する円柱状に形成されており、大径部232aと同軸で第2シリンダブロック23の前後方向に延びている。これにより、第2孔232は、小径部232bを通じて第1孔231と接続している。ここで、第3内径L3は、第1内径L1及び第2内径L2よりも小径となっている。つまり、大径部232a及び小径部232bは、共に第1孔231よりも小径に形成されており、第2孔232は、第1孔231よりも小径となっている。
このように、第2内径L2及び第3内径L1が第1内径L1よりも小径であることから、第1孔231と、第2孔232との間、より詳細には、第1孔231と第2孔232の小径部232bとの間には、段差が形成されている。そして、規制部233は、この段差によって構成されている。上記のように、第3内径L3が第1内径L1よりも小径であることから、規制部233は、第1孔231の内周面よりも第2軸孔23の径方向の内側に向かって突出する形状となっている。
また、第2シリンダブロック23には、テーパ面23dが形成されている。テーパ面23dは、第2凹部23cと第2軸孔23bとの間に位置している。テーパ面23dは、第2凹部23cの後端と接続している。そして、テーパ面23dは、第2凹部23c及び第2軸孔23bと同軸で前方から後方に向かって縮径しつつ延び、第1孔231の前端に接続している。こうして、テーパ面23dは、第2凹部23cと第2軸孔23bとを接続している。なお、テーパ面23dの形成を省略しても良い。
図1及び図2に示すように、第2シリンダブロック23には、吸入ポート330と、第2連絡路37bとが形成されている。斜板室33は、吸入ポート330を介して管路を構成する図示しない蒸発器と接続している。第2連絡路37bは、前後方向に延びており、斜板室33と連通している。
第1弁形成プレート39は、フロントハウジング17と第1シリンダブロック21との間に設けられている。この第1弁形成プレート39を介して、フロントハウジング17と第1シリンダブロック21とが接合されている。
第1弁形成プレート39には、第1シリンダボア21aと同数の第1吸入孔390a及び第1吐出孔390bが形成されている他、第1吸入連通孔390cが形成されている。各第1シリンダボア21aは、各第1吸入孔390aを通じて第1吸入室27aと連通する。また、各第1シリンダボア21aは、各第1吐出孔390bを通じて第1吐出室29aと連通する。そして、第1吸入連通孔390cを通じて、第1吸入室27aと第1連絡路37aとが連通する。
第2弁形成プレート41は、リヤハウジング19と第2シリンダブロック23との間に設けられている。この第2弁形成プレート41を介して、リヤハウジング19と第1シリンダブロック23とが接合されている。
第2弁形成プレート41には、第2シリンダボア23aと同数の第2吸入孔410a及び第2吐出孔410bが形成されている他、第2吸入連通孔410cが形成されている。各第2シリンダボア23aは、各第2吸入孔410aを通じて第2吸入室27bと連通する。また、各第2シリンダボア23aは、各第2吐出孔410bを通じて第2吐出室29bと連通する。そして、第2吸入連通孔410cを通じて、第2吸入室27bと第2連絡路37bとが連通する。
図示を省略するものの、第1弁形成プレート39には、弾性変形により各第1吸入孔390aを開閉可能な吸入リード弁と、弾性変形により各第2吐出孔390bを開閉可能な吐出リード弁と、吐出リード弁の最大開度を規制するリテーナプレートとが設けられている。第2弁形成プレート41についても同様である。また、第1シリンダブロック21及び第2シリンダブロック23には、各吸入リード弁の最大開度を規制するリテーナ溝がそれぞれ設けられている。
第1、2連絡路37a、37b及び第1、2吸入連通孔390c、410cにより、第1、2吸入室27a、27bと斜板室33とが互いに連通している。このため、第1、2吸入室27a、27b内と斜板室33内とは、圧力がほぼ等しくなっている。そして、斜板室33には、吸入ポート330を通じて蒸発器を経た低圧の冷媒ガスが流入することから、斜板室33内及び第1、2吸入室27a、27b内は、第1、2吐出室29a、29b内よりも低圧である。
駆動軸3は、駆動軸本体30と第1支持部材43aと第2支持部材43bとで構成されている。また、駆動軸3の前端には、ねじ部3aが形成されている。このねじ部3aを介して駆動軸3は、図示しないプーリ又は電磁クラッチと連結されている。また、駆動軸3には、軸路3b及び径路3cが形成されている。なお、軸路3b及び径路3cの詳細は後述する。
駆動軸本体30は、軸方向でハウジング1の前方側から後方側に向かって延びている。駆動軸本体30の前方側には、第1小径部30aが形成されている。駆動軸本体30の後方側には、第2小径部30bが形成されている。
また、駆動軸本体30には、上記の斜板5とリンク機構7とアクチュエータ13とが設けられている。これらの斜板5とリンク機構7とアクチュエータ13とは、それぞれ斜板室33内に配置されている。
第1支持部材43aは、駆動軸3の駆動軸心Oを中心軸とする円筒状に形成されている。第1支持部材43aは、駆動軸本体30の第1小径部30aに圧入されている。第1支持部材43aには、径方向の外側に突出する第1フランジ430が形成されている他、後述する第2ピン47bが挿通される取付部(図示略)が形成されている。
また、第1支持部材43aには、復帰ばね44aが挿通されている。この復帰ばね44aには、駆動軸心O方向で、第1フランジ430側から斜板5側に向かって延びている。
図5に示すように、第2支持部材43bについても、駆動軸3の駆動軸心Oを中心軸とする円筒状に形成されている。第2支持部材43bは、駆動軸本体30の第2小径部30bに圧入されており、第2小径部30bの後端に位置している。第2支持部材43bは、第1外径L4を有する本体部431を有している。また、第2支持部材43bの前端には、径方向の外側に突出して、本体部431よりも大径をなす第2フランジ432が形成されている。また、本体部431の外周面431aにおいて、第2フランジ432よりも後方には、径方向の外側に突出して第1外径L4よりも大径をなす当接部433が形成されている。ここで、当接部433は、第2フランジ432よりも小径であって、かつ、図4に示す第1孔231の第1内径L1よりも小径となっている。また、当接部433は、図4に示す第2孔232の小径部232bの第3内径L3よりも大径となっている。
また、この圧縮機は、図6に示すシールリング46が設けられている。シールリング46は本発明における封止部材の一例である。シールリング46は、第2外径L5と第4内径L6とを有する円環状に形成されている。また、シールリング46は、クランク形状に形成された切欠き部46aを有している。この切欠き部46aにより、シールリング46は、径方向に押圧することで第2外径L5及び第4内径L6を縮径させることが可能となっている。なお、切欠き部46aの形状は適宜変更することが可能である。
ここで、シールリング46の第2外径L5は、シールリング46が径方向に押圧されていない自然状態では、図4に示す第1孔231の第1内径L1よりも大径となっている。一方、第2外径L5は、シールリング46が径方向に押圧されることにより、第1孔231の第1内径L1よりも小径となるまで縮径することが可能となっている。また、図6に示すシールリング46の第4内径L6は、自然状態では、図5に示す第2支持部材43bの本体部431の第1外径L4よりも大径となっている。一方、第4内径L6は、シールリング46が径方向に押圧されることにより、図7に示す第5内径L7に縮径することが可能となっている。第5内径L7は、図5に示す第1外径L4より大径である。つまり、シールリング46の内径は、径方向に押圧された場合であっても、第2支持部材43bの本体部431よりも大径の状態を維持する。
図7に示すように、この圧縮機では、第2軸孔23bの第2孔232内に第2滑り軸受22bが設けられる。より詳細には、第2滑り軸受22bは、第2孔232の大径部232a内に設けられる。また、シールリング46を縮径させつつ、テーパ面23d側から第1孔231内に進入させる。これにより、第1孔231内にシールリング46が設けられる。この際、上記のように、シールリング46は、第4内径L6から第5内径L7に縮径する。また、シールリング46は、第1孔231内で規制部233に当接することにより、第2軸孔23b内において、第1孔231よりも圧力調整室31側に移動することが規制される。そして、第2凹部23cの後端に第2スラスト軸受35bが設けられる。なお、上記の第1滑り軸受22a及び第2滑り軸受22bに変えて、転がり軸受を採用しても良い。
この状態で、図1及び図2に示すように、駆動軸3は、ハウジング1内において、軸封装置25、第1吸入室27a、第1、2軸孔21b、23b、第1、2スラスト軸受35a、35b、斜板室33、シールリング46及び圧力調整室31に挿通されている。具体的には、圧縮機の前方側、すなわち、フロントハウジング17及び第1シリンダブロック21側では、駆動軸本体30及び第1支持部材43aが斜板室33側から、第1スラスト軸受35a、第1軸孔21b、第1吸入室27a及び軸封装置25に挿通される。そして、第1支持部材43aは、第1軸孔21b内で第1滑り軸受22aに支持される。また、第1支持部材43aの第1フランジ430は、第1凹部21cの前壁との間で、第1スラスト軸受35aを軸方向から挟持する。
一方、図8に示すように、圧縮機の後方側、すなわち、第2シリンダブロック23及びリヤハウジング19側では、駆動軸本体30及び第2支持部材43bが斜板室33側から、第2スラスト軸受35b、第2軸孔23b及び圧力調整室31に挿通される。ここで、第2支持部材43bの本体部431は、第2軸孔23bの第2孔232内で第2滑り軸受22bに支持される。また、第2支持部材43bの当接部433は、第1孔231内に侵入し、規制部233よりも第2凹部23c側、つまり、第2軸孔23b内において、斜板室33側に位置する。そして、当接部433は、シールリング46と当接しつつ、規制部233との間でシールリング46を軸方向から挟持する。さらに、第2支持部材43bの第2フランジ432は、第2凹部23cの後壁との間で、第2スラスト軸受35bを軸方向から挟持する。
こうして、この圧縮機では、駆動軸3がハウジング1に支承され、圧縮機の前後方向と平行な駆動軸心O周りで回転可能となっている。また、シールリング46は、第1孔231内で第2支持部材43b、ひいては駆動軸3を駆動軸心O周りで回転可能に保持しつつ、斜板室33と圧力調整室31との間を封止する。上記のように、第1孔231内にシールリング46が設けられることにより、シールリング46の内径は第5内径L7となるものの、第5内径L7は、第2支持部材43bの本体部431の第1外径L4よりも大径である。このため、シールリング46は、本体部431の外周面431aと接触しない。
図1及び図2に示すように、斜板5は環状の平板形状をなしており、前面5aと後面5bとを有している。前面5aは、斜板室33内において圧縮機の前方側、つまり、フロントハウジング17側に面している。後面5bは、斜板室33内において圧縮機の後方側、つまり、リヤハウジング19側に面している。
斜板5はリングプレート45を有している。このリングプレート45は環状の平板形状に形成されており、中心部に挿通孔45aが形成されている。斜板5は、斜板室33内において挿通孔45aに駆動軸本体30が挿通されることにより、駆動軸3に取り付けられている。また、リングプレート45には、斜板5の前面5a側から後面5b側まで貫通する溝部45bが形成されている。さらに、リングプレート45には、斜板5の後方に突出する連結部45cが形成されている。連結部45cは、駆動軸心Oを基準として、溝部45bの反対側に位置している。
リンク機構7はラグアーム49を有している。ラグアーム49は、斜板室33内において、斜板5よりも前方に配置されており、斜板5と第1支持部材43aとの間に位置している。ラグアーム49は、前方から後方に向かって略L字形状となるように形成されている。また、ラグアーム49には、ウェイト部49aが形成されている。なお、ウェイト部49aの形状は適宜設計することが可能である。
ラグアーム49の後端側は、第1ピン47aによってリングプレート45と連結されている。これにより、ラグアーム49は、第1ピン47aの軸心を第1揺動軸心M1として、リングプレート45、すなわち斜板5に対し、第1揺動軸心M1周りで揺動可能に支持されている。
ラグアーム49の前端側は、第2ピン47bによって第1支持部材43aと連結されている。これにより、ラグアーム49は、第2ピン47bの軸心を第2揺動軸心M2として、第1支持部材43a、すなわち駆動軸3に対し、第2揺動軸心M2周りで揺動可能に支持されている。これらのラグアーム49、第1、2ピン47a、47bに加えて、後述する連結アーム132及び第3ピン47cによって、本発明におけるリンク機構7が構成されている。
ウェイト部49aは、ラグアーム49の後端、つまり、第1揺動軸心M1を基準として第2揺動軸心M2とは反対側に延在して設けられている。このため、ラグアーム49が第1ピン47aによってリングプレート45に支持されることで、ウェイト部49aはリングプレート45の溝部45bを通って、リングプレート45の後面、つまり斜板5の後面5b側に位置する。そして、斜板5が駆動軸心O周りに回転することにより発生する遠心力が斜板5の後面5b側でウェイト部49aにも作用する。
この圧縮機では、斜板5と駆動軸3とがリンク機構7によって連結されることにより、斜板5は駆動軸3と共に回転することが可能となっている。また、ラグアーム49の両端がそれぞれ第1揺動軸心M1及び第2揺動軸心M2周りで揺動することにより、斜板5は、図1に示す最小値から図2に示す最大値まで傾斜角度を変更することが可能となっている。
図1及び図2に示すように、各ピストン9は、それぞれ前端に第1頭部9aを有しており、後端に第2頭部9bを有している。つまり、各ピストン9は両頭ピストンである。各第1頭部9aは、それぞれ各第1シリンダボア21a内を往復動可能に収納されている。これらの各第1頭部9aと第1弁形成プレート39とにより、各第1シリンダボア21a内にそれぞれ第1圧縮室53aが形成されている。各第2頭部9bは、それぞれ第2シリンダボア23a内を往復動可能に収納されている。これらの各第2頭部9bと第2弁形成プレート41とにより、各第2シリンダボア23a内にそれぞれ第2圧縮室53bが形成されている。
また、各ピストン9の中央には係合部9cが形成されている。各係合部9c内には、半球状のシュー11a、11bがそれぞれ設けられている。これらのシュー11a、11bは、変換機構として斜板5の回転をピストン9の往復動に変換する。こうして、斜板5の傾斜角度に応じたストロークで、各第1頭部9aがそれぞれ第1シリンダボア21a内を往復動することが可能となっているとともに、各第2頭部9bがそれぞれ第2シリンダボア23a内を往復動することが可能となっている。
ここで、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度の変更に伴い各ピストン9のストロークが変化することで、リンク機構7は、各第1頭部9aと各第2頭部9bとの各上死点位置を移動させる。具体的には、図1に示すように、リンク機構7は、斜板5の傾斜角度が小さくなるに伴って、各第1頭部9aの上死点位置よりも各第2頭部9bの上死点位置を大きく移動させる。
アクチュエータ13は、斜板室33内において斜板5よりも後方側に配置されている。より具体的には、アクチュエータ13は、斜板室33内において、斜板5を基準として第2シリンダブロック23側に位置している。これにより、アクチュエータ13は、第2凹部23c内に進入することが可能となっている。
アクチュエータ13は、移動体13aと区画体13bと制御圧室13cとを有している。制御圧室13cは、移動体13aと区画体13bとの間に形成されている。
移動体13aは、後壁130と、周壁131と、一対の連結アーム132とを有している。なお、図1及び図2では、連結アーム132の一方のみを図示している。
後壁130は移動体13aの後方に位置しており、駆動軸心Oから離れる方向で径方向に延びている。また、後壁130には挿通孔130aが貫設されている。挿通孔130a内にはOリング51aが設けられている。周壁131は、後壁130の外周縁と連続し、移動体13aの前方に向かって延びている。これらの後壁130及び周壁131により、移動体13aは有底の円筒状をなしている。各連結アーム132は周壁131の前端にそれぞれ形成されており、周壁131から圧縮機の前方に向かって延びている。
区画体13bは、移動体13aの内径とほぼ同径をなす略円板状に形成されている。区画体13bは中心に挿通孔133が貫設されている。また、区画体13bの外周面にはOリング51bが設けられている。
移動体13aの挿通孔130aには、駆動軸本体30の第2小径部30bが挿通されている。これにより、移動体13aは、第2小径部30bを駆動軸心O方向に移動することが可能となっている。一方、区画体13bの挿通孔133に対して、第2小径部30bが圧入されている。これにより、区画体13bは第2小径部30bに固定され、区画体13bは駆動軸本体30と共に回転可能となっている。なお、区画体13bについても駆動軸心O方向に移動可能に第2小径部30bに挿通する構成としても良い。
また、区画体13bは、第2小径部30bに固定されることによって、移動体13a内に配置され、周囲が周壁131によって取り囲まれた状態となっている。これにより、移動体13aが駆動軸心O方向に移動するに当たり、周壁131の内周面と、区画体13bの外周面とが摺動する。
そして、区画体13bが周壁131によって取り囲まれることにより、移動体13aと区画体13bとの間に制御圧室13cが形成されている。この制御圧室13cは、後壁130と周壁131と区画体13bとによって斜板室33から区画されている。また、Oリング51aは移動体13aと第2小径部30bとの間で弾性変形し、Oリング51bは移動体13aと区画体13bとの間で弾性変形する。これにより、Oリング51a、51bは、制御圧室13cと斜板室33との間を封止する。
各牽引アーム132と、リングプレート45の連結部45cとは、第3ピン47cによって連結されている。これにより、斜板5は、第3ピン47cの軸心を第3軸心M3として、第3軸心M3周りで移動体13aに揺動可能に連結されている。ここで、第1ピン47aと第3ピン47cとは、駆動軸本体30を挟んで対向して配置されている。つまり、各牽引アーム132は、駆動軸心Oを基準として、溝部45bとは反対側でリングプレート45に連結されている。
また、区画体13bとリングプレート45との間には、傾角減少ばね44bが設けられている。具体的には、この傾角減少ばね44bの後端は、区画体13bに当接するように配置されており、傾角減少ばね44bの前端は、リングプレート45に当接するように配置されている。傾角減少ばね44bは、区画体13bとリングプレート45とが互いに離れるように双方を付勢する。
軸路3bは、駆動軸本体30の第2小径部30b内に形成されている。軸路3bの後端は第2小径部30bの後端面に開口しており、圧力調整室31に連通している。軸路3bは、駆動軸心O方向で第2小径部30bの前端側まで延びている。径路3cは、軸路3bの前端側と接続しつつ第2小径部30bの径方向に延びており、第2小径部30bの外周面に開口している。上記のように駆動軸本体30にアクチュエータ13が設けられることにより、径路3cは制御圧室13c内に開口する。こうして、軸路3b及び径路3cによって、圧力調整室31と制御圧室13cとが連通している。
図3に示すように、制御機構15は、抽気通路15aと、給気通路15bと、制御弁15cと、オリフィス15dと、軸路3bと、径路3cとを有している。
抽気通路15aは、圧力調整室31と第2吸入室27bとに接続されている。この抽気通路15aと軸路3bと径路3cとによって、制御圧室13cと圧力調整室31と第2吸入室27bとが連通している。給気通路15bは、圧力調整室31と第2吐出室29bとに接続されている。この給気通路15bと軸路3bと径路3cとによって、制御圧室13cと圧力調整室31と第2吐出室29bとが連通している。給気通路15bには、オリフィス15dが設けられている。
制御弁15cは抽気通路15aに設けられている。この制御弁15cは、第2吸入室27b内の圧力に基づき、抽気通路15aの開度を調整することが可能となっている。
この圧縮機では、図1及び図2に示す吸入ポート330に対して蒸発器に繋がる配管が接続されるとともに、吐出ポートに対して凝縮器に繋がる配管が接続される。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸3が回転することにより、斜板5が回転する。これにより、各ピストン9では、各第1頭部9aが各第1シリンダボア21a内を往復動し、各第2頭部9bが各第2シリンダボア23a内を往復動する。このため、第1、2圧縮室53a、53bがピストン9のストロークに応じて容積変化を生じる。このため、この圧縮機では、第1、2吸入室27a、27bから第1、2圧縮室53a、53bへ冷媒ガスを吸入する吸入行程と、第1、2圧縮室53a、53bにおいて冷媒ガスが圧縮される圧縮行程と、圧縮された冷媒ガスが第1、2吐出室29a、29bに吐出される吐出行程等とが繰り返し行われることとなる。第1、2吐出室29a、29bに吐出された冷媒ガスは、吐出通路を経て吐出ポートから配管を介して凝縮器に吐出される。
そして、これらの吸入行程等が行われる間、斜板5、リングプレート45、ラグアーム49及び第1ピン47aからなる回転体には斜板5の傾斜角度を小さくするピストン圧縮力が作用する。そして、斜板5の傾斜角度が変更されれば、ピストン9のストロークの増減による容量制御を行うことが可能である。
具体的には、図3に示す制御機構15において、制御弁15cが抽気通路15aの開度を大きくすれば、圧力調整室31内の圧力、ひいては制御圧室13c内の圧力が第2吸入室27b内の圧力とほぼ等しくなり、制御圧室13c内と斜板室33内との差圧である可変差圧が小さくなる。このため、斜板5に作用するピストン圧縮力によって、図1に示すように、アクチュエータ13の移動体13aが駆動軸本体30の第2小径部30bを前方側に向かって移動する。
これにより、この圧縮機では、各ピストン9を介して斜板5に作用する圧縮反力によって、斜板5は傾斜角度が減少する方向に付勢される。なお、圧縮反力は、各ピストン9によって斜板5に作用するピストン圧縮力の合力である。このため、各連結アーム132及び連結部45cを通じて、移動体13aは斜板5に牽引される状態となり、駆動軸心O方向で斜板室33の前方へ移動する。これにより、斜板5では、リングプレート45が復帰ばね44aの後端と当接する。そして、移動体13aが斜板室33の前方側へ移動することにより、この圧縮機では、復帰ばね44aの付勢力に抗しつつ、斜板5が作用軸心M3周りで揺動する。また、ラグアーム49の後端側が第1揺動軸心M1周りで揺動するとともに、ラグアーム49の前端側が第2揺動軸心M2周りで揺動する。このため、ラグアーム49の前端側が第1支持部材43aの第1フランジ430に近づく。これらにより、斜板5は、作用軸心M3を作用点とし、第1揺動軸心M1を支点として揺動する。このため、駆動軸3の駆動軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が減少し、各ピストン9のストロークが減少する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が小さくなる。
また、この圧縮機では、ウェイト部49aに作用した遠心力も斜板5に付与される。このため、この圧縮機では、斜板5が傾斜角度を減少させる方向に変位し易くなっている。
そして、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が小さくなり、各ピストン9のストロークが減少することにより、各第2頭部9bの上死点位置が第2弁形成プレート41から遠ざかる。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度がゼロ度に近づくことで、第1圧縮室53a側では、冷媒ガスが吐出リード弁を僅かに開いて圧縮仕事を行うものの、第2圧縮室53b側では、冷媒ガスが吐出リード弁を開くことができず、圧縮仕事を行わない。
一方、図3に示す制御機構15において、制御弁15cが抽気通路15aの開度を小さくすれば、第2吐出室29b内の冷媒ガスの圧力によって圧力調整室31内の圧力が上昇し、制御圧室13c内の圧力が上昇する。このため、可変差圧が大きくなる。これにより、アクチュエータ13では、斜板5に作用するピストン圧縮力に抗して、移動体13aが図1に示す位置から駆動軸心O方向で第2小径部30bの後方側に向かって移動し、図2に示すように、第2凹部23c内に侵入する。
これにより、この圧縮機では、傾角減少ばね44bの付勢力に抗しつつ、各連結アーム132及び連結部45cを通じて、移動体13aは斜板5を駆動軸心O方向で斜板室33の後方へ牽引する。このため、この圧縮機では、傾斜角度が小さくなる場合とは反対方向で斜板5が作用軸心M3周りに揺動する。また、ラグアーム49の後端側は、傾斜角度が小さくなる場合とは反対方向で第1揺動軸心M1周りに揺動し、ラグアーム49の前端側は、傾斜角度が小さくなる場合とは反対方向で第2揺動軸心M2周りに揺動する。このため、ラグアーム49の前端側が第1支持部材43aの第1フランジ430から後方に遠ざかる。これらにより、斜板5は、作用軸心M3及び第1揺動軸心M1をそれぞれ作用点及び支点として、傾斜角度が小さくなる場合と反対方向に揺動する。このため、駆動軸3の駆動軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が増大し、各ピストン9のストロークが増大する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が増大する。
図8に示すように、この圧縮機では、第2軸孔23の第1孔231内において、シールリング46が駆動軸3を駆動軸心O周りで回転可能に保持しつつ、斜板室33と圧力調整室31との間を封止する。これにより、斜板室33と圧力調整室31との間の気密性が確保されている。ここで、圧力調整室31内の圧力が高くなり、圧力調整室31内と斜板室33内との差圧が大きくなれば、シールリング46は、圧力調整室31の圧力によって、第1孔231内を前方、つまり斜板室33側に移動し、第2支持部材43aの当接部433に強く当接する。これにより、圧力調整室31内と斜板室33内との差圧が大きくなるにつれて、シールリング46は、斜板室33と圧力調整室31との間をより好適に封止することが可能となっている。
そして、この圧縮機では、第2軸孔23内に規制部233が設けられているとともに、第2支持部材43aに当接部433が形成されている。これにより、この圧縮機では、シールリング46を縮径させつつ第1孔231内に配置した状態で、斜板室33側から第2軸孔23bに駆動軸本体30及び第2支持部材43bを挿通することで、シールリング46は、規制部233と当接部433とによって挟持されて保持される。こうして、この圧縮機では、第2軸孔23bと駆動軸3との間、より具体的には、第1孔231と第2支持部材43bとの間にシールリング46が設けられる。このように、この圧縮機では、第1孔231と第2支持部材43bとの間にシールリング46を設けるに当たって、事前に第2支持部材43bの本体部431にシールリング46を組み付ける必要がない。このため、この圧縮機では、製造を簡略化することが可能となっている。また、この圧縮機では、製造時にシールリング46を拡径させる必要がないため、シールリング46に割れ等も生じ難くなっている。
さらに、この圧縮機では、第2軸孔23b内に規制部233が設けられ、この規制部233にシールリング46が当接することで、第2軸孔23b内において、シールリング46は、第1孔231よりも圧力調整室31側に移動することが規制されている。このように、この圧縮機では、シールリング46が圧力調整室31側に移動することを規制するに当たり、第2支持部材43bに規制部233を設けて当接部433との間でシールリング46を挟持する必要がない。これにより、この圧縮機では、第2支持部材43bに規制部233を設けない分、第2支持部材43b、ひいては、駆動軸3の軸長を短くすることが可能となっている。
したがって、この圧縮機は、製造を容易化できるとともに、小型化を実現できる。
特に、この圧縮機では、シールリング46が自然状態では第2外径L5を有していることから、シールリング46は、第1孔231の第1内径L1、ひいては、第2軸孔23bよりも大径となっている。このため、上記のように縮径した状態で第1孔231内に配置されことにより、シールリング46は、第2外径L5に復元しようとする自己の復元力によって、第1孔231内で拡径しようとする。この結果、シールリング46は、第1孔231の内周面に押し当たる状態となる。このため、この圧縮機では、圧力調整室31内の圧力が低く、斜板室33と圧力調整室31との差圧が小さい場合であっても、シールリング46が駆動軸3とともに第1孔231内で回転することが防止されている。このため、この圧縮機では、シールリング46の回転によって第2軸孔23bが摩耗することを防止でき、斜板室33と圧力調整室31との間の気密性が低下することが防止されている。このため、この圧縮機では、圧力調整室31内の圧力、ひいては制御圧室13c内の圧力を好適に調整することができ、吐出容量を好適に変更することが可能となっている。
また、第1孔231内に設けられた際のシールリング46の第5内径L7は、第2支持部材43bの第1外径L4よりも大径となっているため、シールリング46は、第2支持部材43bの本体部341の外周面431aと接触することがない。つまり、シールリング46は、当接部433を除いて、第2支持部材43bとは接触しない。この点においても、この圧縮機では、シールリング46が駆動軸3とともに第1孔231内で回転することが防止されている。
さらに、この圧縮機では、第2シリンダブロック23にテーパ面23dが形成されている。このため、テーパ面23dによってシールリング46を案内することで、シールリング46を縮径させつつ第1孔231内に容易に配置することが可能となっている。
また、第2軸孔23b内に形成された段差によって規制部233を構成することにより、この圧縮機では、規制部233としての専用の部材を第2軸孔23b内に設ける必要がない。この点においても、この圧縮機では、製造を容易化することが可能となっている。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、第1シリンダブロック21にのみ第1シリンダボア21aを設けるとともに、ピストン9において第1頭部9aのみを設けることにより、片頭ピストン式の容量可変型斜板式圧縮機を構成しても良い。
また、斜板室33内において、アクチュエータ13を斜板5よりも前方に配置し、リンク機構7を斜板5よりも後方に配置する構成としても良い。
さらに、実施例の圧縮機では、第2軸孔23b内に形成された段差によって規制部233を構成している。しかし、これに限らず、第2軸孔23b内にサークリップ等を設けることにより、サークリップ等で規制部233を構成しても良い。また、第2軸孔23b内に設けられた第2滑り軸受22b等が規制部233を兼ねても良い。
さらに、制御機構15について、給気通路15bに対して制御弁15cを設けるとともに、抽気通路15aにオリフィス15dを設ける構成としても良い。この場合には、制御弁15cによって、給気通路15bの開度を調整することが可能となる。これにより、第2吐出室29b内の冷媒ガスの圧力によって制御圧室13c内を迅速に高圧とすることができ、迅速に吐出容量を増大させることが可能となる。
また、制御弁15cに変えて、流量制御弁によって抽気通路15a又は給気通路15bの開度を調整する構成としても良い。この場合、冷凍回路の吐出領域内に第1圧力監視点が設定されるとともに、冷凍回路の吐出領域内において、第1圧力監視点よりも冷媒ガスの流通方向の下流であって、第1圧力監視点よりも低圧となる箇所に第2圧力監視点が設定される。これにより、流量制御弁は、第1圧力監視点と第2圧力監視点との差圧に基づき、抽気通路15a又は給気通路15bの開度を調整することが可能となる。
本発明は空調装置等に利用可能である。
1…ハウジング
3…駆動軸
5…斜板
7…リンク機構
9…ピストン
13a…移動体
13b…区画体
13c…制御圧室
15…制御機構
23b…第2軸孔(軸孔)
31…圧力調整室(連通室)
33…斜板室
46…シールリング(封止部材)
46a…切欠き部
231…第1孔
232…第2孔
233…規制部
433…当接部

Claims (3)

  1. 斜板室及び複数のシリンダボアが形成されたハウジングと、
    前記ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、
    前記斜板室内に配置されて前記駆動軸とともに回転される斜板と、
    前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、
    前記各シリンダボアに収納され、前記斜板の回転によって前記傾斜角度に応じたストロークで往復動して前記各シリンダボア内に圧縮室を形成するピストンと、
    前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能に設けられた区画体と、
    前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能であり、かつ前記区画体に対して前記駆動軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更する移動体と、
    前記区画体と前記移動体とにより区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、
    前記制御圧室内の圧力を制御する制御機構とを備え、
    前記ハウジングには、前記制御圧室と連通する連通室と、前記斜板室及び前記連通室に接続し、前記駆動軸が挿通される軸孔とが形成され、
    前記軸孔内には、環状をなし、前記駆動軸を前記駆動軸心周りで回転可能に保持しつつ、前記斜板室と前記連通室との間を封止する封止部材と、前記封止部材が前記連通室側に移動することを規制する規制部とが設けられ、
    前記封止部材は、自己の径を変更させる切欠き部を有し、
    前記駆動軸は、前記軸孔内において前記規制部よりも前記斜板室側に位置し、前記封止部材と当接しつつ、前記規制部との間で前記封止部材を挟持可能な当接部を有していることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記封止部材は、前記斜板室と前記連通室との差圧により前記軸孔の内周面と前記当接部とに当接することで前記斜板室と前記連通室との間を封止し、
    前記封止部材の外径は、前記軸孔の内径よりも大きい請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記軸孔は、前記斜板室側に位置して第1内径を有する第1孔と、前記第1孔と同軸をなして前記連通室側に位置し、前記第1内径よりも小径の第2内径を有する第2孔と、前記第1孔と前記第2孔との間に形成された段差とを有し、
    前記封止部材は前記第1孔内に配置され、
    前記段差が前記規制部である請求項1又は2記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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