JP2017096162A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

容量可変型斜板式圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2017096162A
JP2017096162A JP2015228848A JP2015228848A JP2017096162A JP 2017096162 A JP2017096162 A JP 2017096162A JP 2015228848 A JP2015228848 A JP 2015228848A JP 2015228848 A JP2015228848 A JP 2015228848A JP 2017096162 A JP2017096162 A JP 2017096162A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
swash plate
arm
compressor
support hole
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015228848A
Other languages
English (en)
Inventor
小林 裕之
Hiroyuki Kobayashi
裕之 小林
山本 真也
Shinya Yamamoto
真也 山本
隆容 鈴木
Takayasu Suzuki
隆容 鈴木
博道 小川
Hiromichi Ogawa
博道 小川
佑介 山▲崎▼
Yusuke Yamazaki
佑介 山▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2015228848A priority Critical patent/JP2017096162A/ja
Publication of JP2017096162A publication Critical patent/JP2017096162A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】高い耐久性を発揮可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の圧縮機では、斜板5に上死点対応部Tが形成されている。また、この圧縮機では仮想面Dが定義されている。移動体13aは、連結機構14を介して斜板5と連結されている。連結機構14は、仮想面Dを跨いで配置される第1アーム131及び第2アーム132と、第1アーム131と第2アーム132とに連結される被牽引部45cと、連結軸としての第3ピン47cとを有している。第1アーム131には第1支持孔131aが形成されており、第2アーム132には第2支持孔132aが形成されている。被牽引部45cには第3支持孔450が形成されている。第3ピン47cには、第1軸部470aと第2軸部470bとが形成されている。第2軸部470bは第1軸部470aよりも第1支持孔131aから遠い位置に設けられている。【選択図】図6

Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1の図1及び図3に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、単に圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機では、シリンダブロック、第1ハウジング及び第2ハウジングによってハウジングが形成されている。第1ハウジングは圧縮機の前方に配置されており、第2ハウジングは圧縮機の後方に配置されている。シリンダブロックは、第1ハウジングと第2ハウジングとの間に配置されている。シリンダブロックには、複数のシリンダボアが形成されている他、斜板室が形成されている。ハウジングには、駆動軸が回転可能に支承されている。斜板室内には、駆動軸の回転によって回転可能な斜板が設けられている。駆動軸と斜板との間には、リンク機構が設けられている。リンク機構は、斜板の傾斜角度の変更を許容する。ここで、傾斜角度とは、駆動軸の回転軸心に直交する方向に対する斜板の角度である。各シリンダボアには、ピストンが往復動可能に収納されている。ピストン毎に対をなすシューは、変換機構として、斜板の回転により、傾斜角度に応じたストロークで各ピストンをシリンダボア内で往復動させる。また、駆動軸には、回転軸心方向に移動して傾斜角度を変更する移動体が設けられている。移動体とシリンダブロックとの間には制御圧室が区画されている。制御圧室の圧力は制御機構によって制御される。
斜板には、各ピストンを上死点に位置させる上死点対応部が形成されている。また、この圧縮機では、上死点対応部及び回転軸心を含む仮想面が定義されている。
また、斜板には、フロントハウジング側に向かって延びる第1、2フロントアームが形成されている。第1フロントアームと第2フロントアームとは仮想面を跨いで配置されている。一方、駆動軸において、斜板よりもフロントハウジング側となる箇所には、ラグアームが固定されている。そして、第1、2フロントアームとラグアームとは、第1連結軸によって連結されている。これにより、斜板とラグアームとが連結されている。これらの第1、2フロントアーム及び第1連結軸によってリンク機構が形成されている。
この圧縮機では、例えば、制御機構が吐出室内の冷媒の圧力によって制御圧室内の圧力を上昇させれば、移動体がフロントハウジング側に向かって回転軸心方向に移動する。これにより、斜板の傾斜角度が増大する。こうして、この圧縮機では、駆動軸の1回転当たりの吐出容量を増大させる。
特開平5−172052号公報
ところで、この種の圧縮機では、作動時に各ピストンから斜板に圧縮反力が作用する。この圧縮反力は、斜板の回転方向において、仮想面を基準とした場合の回転方向の上流側に作用する。このため、斜板には、駆動軸の回転軸心に直交する方向周りで斜板を抉らせようとするモーメントが作用する。これにより、上記従来の圧縮機では、移動体の牽引部と第2連結軸とが接触する箇所が第2リヤアーム側よりも第1リヤアーム側に近づく。このため、この圧縮機では、傾斜角度の変更を行うに当たって移動体が斜板を牽引する際、第2リヤアーム側よりも第1リヤアーム側の荷重が大きくなる。このため、この圧縮機では、第1リヤアームが破断し易い。このため、この圧縮機は耐久性が低い。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、高い耐久性を発揮可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、斜板室及び複数のシリンダボアが形成されたハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、
前記斜板室内に配置されて前記駆動軸とともに回転される斜板と、
前記駆動軸の回転軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、
前記各シリンダボアに収納され、前記斜板の回転によって前記傾斜角度に応じたストロークで往復動して前記各シリンダボア内に圧縮室を形成するピストンと、
前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能に設けられた区画体と、
前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能であり、かつ前記区画体に対して前記回転軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更する移動体と、
前記区画体と前記移動体とにより区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、
前記制御圧室内の圧力を制御する制御機構とを備え、
前記斜板には、前記各ピストンを上死点に位置させる上死点対応部が形成され、
前記上点対応部及び前記回転軸心を含む仮想面が定義され、
前記移動体は、連結機構を介して前記斜板と連結され、前記制御圧室内の圧力が高くなることにより、前記斜板を牽引して前記傾斜角度を増大させ、
前記連結機構は、前記移動体に設けられ、前記仮想面を跨いで配置される第1アーム及び第2アームと、前記斜板に設けられ、前記第1アームと前記第2アームとの間に位置する被牽引部と、前記第1アーム、前記第2アーム及び前記被牽引部に挿通され、前記第1アーム、前記第2アーム及び前記被牽引部を1本で連結する連結軸とを有し、
前記第1アームは、前記斜板の回転方向において、前記仮想面を基準として前記第2アームよりも上流側に位置し、
前記第1アームには、前記連結軸を支持する第1支持孔が形成され、
前記第2アームには、前記連結軸を支持する第2支持孔が形成され、
前記被牽引部には、前記連結軸を支持する第3支持孔が形成され、
前記連結軸には、前記第3支持孔内に位置して第1外径を有する第1軸部と、前記第3支持孔内に位置して前記第1外径より大径の第2外径を有する第2軸部とが形成され、
前記第2軸部は、前記第1軸部よりも前記第1支持孔から遠い位置に設けられていることを特徴とする。
本発明の圧縮機では、連結軸に対して、第1外径を有する第1軸部と第2外径を有する第2軸部とが形成されている。そして、第2外径は第1外径よりも大径であることから、第2軸部は第1軸部よりも大径となっている。このため、この圧縮機では、移動体が斜板を牽引して傾斜角度を増大させるに当たり、連結軸は第2軸部で第3支持孔に接触する。ここで、連結軸において、第2軸部は第1軸部よりも第1支持孔から遠い位置に設けられているため、連結軸が第3支持孔に接触して第3支持孔に支持される箇所、すなわち支点は、第1支持孔から遠ざかり、その分、第2支持孔に近づく。
このため、この圧縮機では、支点が第1支持孔から遠ざかった分だけ、移動体が斜板を牽引する際に第1アームに作用する荷重が小さくなる。一方、支点が第2支持孔に近づいた分だけ、移動体が斜板を牽引する際に第2アームに作用する荷重は大きくなる。これにより、この圧縮機では、移動体が斜板を牽引する際における、第1アームに作用する荷重と第2アームに作用する荷重とをバランスさせることができる。このため、この圧縮機では、第1アームが破断し難くなる。
したがって、本発明の圧縮機は高い耐久性を発揮する。
特に、この圧縮機では、上記のように、移動体が斜板を牽引する際における、第1アーム側に作用する荷重と第2アーム側に作用する荷重とをバランスさせることができる。このため、この圧縮機では、斜板の傾斜角度の変更に当たり、移動体が駆動軸の回転軸心方向にスムーズに移動でき、斜板の傾斜角度を好適に変更することができる。このため、この圧縮機では、制御性を高くすることができる。
連結軸において、第1軸部と第2軸部との間には段部が形成されていることが好ましい。この場合には、段部によって、連結軸に第1軸部と第2軸部とを容易に形成することができる。
連結軸には、少なくとも第3支持孔内に位置し、第1支持孔側から第2支持孔側に向かって拡径するテーパ面が形成されていることも好ましい。この場合にも、テーパ面によって、連結軸に第1径部と第2径部とを容易に形成することができる。
本発明の圧縮機は高い耐久性を発揮する。
図1は、実施例1の圧縮機において、傾斜角度が最小の状態を示す断面図である。 図2は、実施例1の圧縮機において、傾斜角度が最大の状態を示す断面図である。 図3は、実施例1の圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。 図4は、実施例1の圧縮機における斜板を示している。図(A)は斜板の正面図である。図(B)は斜板の断面図である。 図5は、実施例1の圧縮機における移動体を示す上面図である。 図6は、実施例1の圧縮機に係り、図1におけるX−X断面を示す模式断面図である。 図7は、実施例1の圧縮機に係り、図6におけるY−Y断面を示す断面図である。 図8は、実施例1の圧縮機に係り、移動体が斜板を牽引している状態を示す図7と同方向の断面を示す断面図である。 図9は、比較例の圧縮機に係り、移動体が斜板を牽引している状態を示す図7と同方向の断面を示す断面図である。 図10は、実施例2の圧縮機に係り、図7と同方向の断面を示す断面図である。 図11は、実施例3の圧縮機に係り、図7と同方向の断面を示す断面図である。 図12は、実施例4の圧縮機に係り、図7と同方向の断面を示す断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1〜4を図面を参照しつつ説明する。これらの圧縮機は、いずれも車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1及び図2に示すように、実施例1の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、複数のピストン9と、複数対のシュー11a、11bと、アクチュエータ13とを備えている。また、この圧縮機は、図3に示すように、制御機構15を備えている。
図1及び図2に示すように、ハウジング1は、第1ハウジング17と、第2ハウジング19と、第1シリンダブロック21と、第2シリンダブロック23と、第1弁形成プレート39と、第2弁形成プレート41とを有している。なお、本実施例では、第1ハウジング17が位置する側を圧縮機の前方側とし、第2ハウジング19が位置する側を圧縮機の後方側として、圧縮機の前後方向を規定している。また、図1及び図2の紙面の上方を圧縮機の上方側とし、紙面の下方を圧縮機の下方側として、圧縮機の上下方向を規定している。そして、図4以降では、図1及び図2に対応させて前後方向、上下方向及び左右方向を表示する。また、上下方向については、第1方向D1と規定する。なお、実施例1における前後方向等は一例である。本発明の圧縮機は、搭載される車両等に対応して、その取付姿勢が適宜変更される。
第1ハウジング17には、前方に向かって突出するボス17aが形成されている。このボス17a内には軸封装置25が設けられている。第1ハウジング17内には、第1吸入室27a及び第1吐出室29aが形成されている。第1吸入室27aは環状に形成されており、第1ハウジング17の内周側に位置している。第1吐出室29aも環状に形成されており、第1吸入室27aの外周側に位置している。
さらに、第1ハウジング17には、第1前方側連通路18aが形成されている。第1前方側連通路18aは、前端側が第1吐出室29aに連通しており、後端側が第1ハウジング17の後端面に開口している。
第2ハウジング19には、上記の制御機構15の一部が設けられている。また、第2ハウジング19には、第2吸入室27b、第2吐出室29b及び圧力調整室31が形成されている。圧力調整室31は、第2ハウジング19の中心部分に位置している。第2吸入室27bは環状に形成されており、圧力調整室31の外周側に位置している。第2吐出室29bも環状に形成されており、第2吸入室27bの外周側に位置している。
さらに、第2ハウジング19には、第1後方側連通路20aが形成されている。この第1後方側連通路20aは、後端側が第2吐出室29bに連通しており、前端側が第2ハウジング19の前端面に開口している。
第1シリンダブロック21は、圧縮機の前方側であって、第1ハウジング17と第2シリンダブロック23との間に設けられている。第1シリンダブロック21には、回転軸心O方向に延びる複数個の第1シリンダボア21aが形成されている。これらの第1シリンダボア21aは、それぞれ周方向に等角度間隔で配置されている。
また、第1シリンダブロック21には、駆動軸3を挿通させる第1軸孔21bが形成されている。第1軸孔21b内には、第1滑り軸受22aが設けられている。さらに、第1シリンダブロック21には、第1軸孔21bに圧縮機の後方側から連通する第1凹部21cが形成されている。第1凹部21cは第1軸孔21bと同軸をなしている。第1凹部21cは、第1軸孔21bよりも内径が大きくされている。第1凹部21c内には、第1スラスト軸受35aが設けられている。
第1シリンダブロック21には、後述する各第1吸入リード弁391aの最大開度を規制する第1リテーナ溝21dが凹設されている。さらに、第1シリンダブロック21には、第1連絡路37aと、第2前方側連通路18bとが形成されている。これらの第1連絡路37a及び第2前方側連通路18bは、それぞれ前端が第1シリンダブロック21の前端面に開口しており、後端が第1シリンダブロック21の後端面に開口している。
第2シリンダブロック23は、圧縮機の後方側であって、第1シリンダブロック21と第2ハウジング19との間に設けられている。第2シリンダブロック23は、第1シリンダブロック21に接合されることにより、第1シリンダブロック21との間に斜板室33を形成している。斜板室33は第1凹部21cと連通している。これにより、第1凹部21cは斜板室33の一部を構成している。また、斜板室33は第1連絡路37aと連通している。
第2シリンダブロック23には、回転軸心O方向に延びる複数個の第2シリンダボア23aが形成されている。各第2シリンダボア23aは、各第1シリンダボア21aと同様、周方向に等角度間隔でそれぞれ配置されており、各第1シリンダボア21aと同軸かつ前後で対になっている。また、各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとは同径に形成されている。なお、第1シリンダボア21aと第2シリンダボア23aとが対をなしていれば、これらの個数は適宜設計することができる。また、各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとで異なる径の大きさに形成しても良い。さらに、対をなす第1シリンダボア21a及び第2シリンダボア23aの軸心が同軸であっても良く、ずれていても良い。
第2シリンダブロック23には、駆動軸3を挿通させる第2軸孔23bが形成されている。第2軸孔23b内には、第2滑り軸受22bが設けられている。なお、上記の第1滑り軸受22a及び第2滑り軸受22bに換えて、それぞれ転がり軸受を設けても良い。
また、第2シリンダブロック23には、第2軸孔23bに圧縮機の前方側から連通する第2凹部23cが形成されている。第2凹部23cは第2軸孔22bと同軸をなしている。第2凹部23cは、第2軸孔22bよりも内径が大きくされている。第2凹部23cも斜板室33と連通しており、斜板室33の一部を構成している。第2凹部23c内には、第2スラスト軸受35bが設けられている。
また、第2シリンダブロック23には、後述する各第2吸入リード弁411aの最大開度を規制する第2リテーナ溝23dが凹設されている。さらに、第2シリンダブロック23には、吐出ポート230と、合流吐出室231と、第3前方側連通路18cと、第2後方側連通路20bと、吸入ポート330と、第2連絡路37bとが形成されている。吐出ポート230と合流吐出室231とは、互いに連通している。この合流吐出室231は、吐出ポート230を介して管路を構成する図示しない凝縮器と接続している。斜板室33は、吸入ポート330を介して管路を構成する図示しない蒸発器と接続している。
第3前方側連通路18cは、第2前方側連通路18bと合流吐出室231とに連通している。第2後方側連通路20bは、前端側が合流吐出室231に連通しており、後端側が第2シリンダブロック23の後端面に開口している。第2連絡路37bは前端側が斜板室33に開口しており、後端側が第2シリンダブロック23の後端面に開口している。これにより、斜板室33は第2連絡路37bと連通している。
第1弁形成プレート39は、第1ハウジング17と第1シリンダブロック21との間に設けられている。この第1弁形成プレート39を介して、第1ハウジング17と第1シリンダブロック21とが接合されている。
第1弁形成プレート39は、第1バルブプレート390と、第1吸入弁プレート391と、第1吐出弁プレート392と、第1リテーナプレート393とを有している。第1バルブプレート390、第1吐出弁プレート392及び第1リテーナプレート393には、第1シリンダボア21aと同数の第1吸入孔390aが形成されている。第1バルブプレート390及び第1吸入弁プレート391には、第1シリンダボア21aと同数の第1吐出孔390bが形成されている。さらに、第1バルブプレート390、第1吸入弁プレート391、第1吐出弁プレート392及び第1リテーナプレート393には、第1吸入連通孔390cが形成されている。第1バルブプレート390及び第1吸入弁プレート391には、第1吐出連通孔390dが形成されている。
各第1シリンダボア21aは、各第1吸入孔390aを通じて第1吸入室27aと連通する。また、各第1シリンダボア21aは、各第1吐出孔390bを通じて第1吐出室29aと連通する。第1吸入連通孔390cを通じて、第1吸入室27aと第1連絡路37aとが連通する。第1吐出連通孔390dを通じて、第1前方側連通路18aと第2前方側連通路18bとが連通する。
第1吸入弁プレート391は、第1バルブプレート390の後面に設けられている。第1吸入弁プレート391には、弾性変形により各第1吸入孔390aを開閉可能な第1吸入リード弁391aが複数形成されている。第1吐出弁プレート392は、第1バルブプレート390の前面に設けられている。第1吐出弁プレート392には、弾性変形により各第1吐出孔390bを開閉可能な第1吐出リード弁392aが複数形成されている。第1リテーナプレート393は、第1吐出弁プレート392の前面に設けられている。第1リテーナプレート393は、各第1吐出リード弁392aの最大開度を規制する。
第2弁形成プレート41は、第2ハウジング19と第2シリンダブロック23との間に設けられている。この第2弁形成プレート41を介して、第2ハウジング19と第2シリンダブロック23とが接合されている。
第2弁形成プレート41は、第2バルブプレート410と、第2吸入弁プレート411と、第2吐出弁プレート412と、第2リテーナプレート413とを有している。第2バルブプレート410、第2吐出弁プレート412及び第2リテーナプレート413には、第2シリンダボア23aと同数の第2吸入孔410aが形成されている。第2バルブプレート410及び第2吸入弁プレート411には、第2シリンダボア23aと同数の第2吐出孔410bが形成されている。さらに、第2バルブプレート410、第2吸入弁プレート411、第2吐出弁プレート412及び第2リテーナプレート413には、第2吸入連通孔410cが形成されている。第2バルブプレート410及び第2吸入弁プレート411には、第2吐出連通孔410dが形成されている。
各第2シリンダボア23aは、各第2吸入孔410aを通じて第2吸入室27bと連通する。また、各第2シリンダボア23aは、各第2吐出孔410bを通じて第2吐出室29bと連通する。第2吸入連通孔410cを通じて、第2吸入室27bと第2連絡路37bとが連通する。第2吐出連通孔410dを通じて、第1後方側連通路20aと第2後方側連通路20bとが連通する。
第2吸入弁プレート411は、第2バルブプレート410の前面に設けられている。第2吸入弁プレート411には、弾性変形により各第2吸入孔410aを開閉可能な第2吸入リード弁411aが複数形成されている。第2吐出弁プレート412は、第2バルブプレート410の後面に設けられている。第2吐出弁プレート412には、弾性変形により各第2吐出孔410bを開閉可能な第2吐出リード弁412aが複数形成されている。第2リテーナプレート413は、第2吐出弁プレート412の後面に設けられている。第2リテーナプレート413は、各第2吐出リード弁412aの最大開度を規制する。
第1前方側連通路18a、第1吐出連通孔390d、第2前方側連通路18b及び第3前方側連通路18cによって、第1吐出連通路18が形成されている。さらに、第1後方側連通路20a、第2吐出連通孔410d及び第2後方側連通路20bによって、第2吐出連通路20が形成されている。
第1、2連絡路37a、37b及び第1、2吸入連通孔390c、410cにより、第1、2吸入室27a、27bと斜板室33とが互いに連通している。このため、第1、2吸入室27a、27b内と斜板室33内とは、圧力がほぼ等しくなっている。そして、斜板室33には、吸入ポート330を通じて蒸発器を経た低圧の冷媒ガスが流入することから、斜板室33内及び第1、2吸入室27a、27b内は、第1、2吐出室29a、29b内よりも低圧である。
駆動軸3は、駆動軸本体30と第1支持部材43aと第2支持部材43bとで構成されている。駆動軸本体30は、軸方向でハウジング1の前方側から後方側に向かって延びている。駆動軸本体30の前端側には、第1小径部30aが形成されている。駆動軸本体30の後端側には、第2小径部30bが形成されている。駆動軸本体30は、ハウジング1内において、軸封装置25内及び第1、2滑り軸受22a、22b内に挿通されている。これにより、駆動軸本体30、ひいては、駆動軸3はハウジング1に支持されており、圧縮機の前後方向と平行な回転軸心O周りで回転可能となっている。回転軸心Oと第1方向D1とは直交している。また、駆動軸本体30がハウジング1に支持されることにより、駆動軸本体30の前端は、ボス17a内において軸封装置25に挿通されている。駆動軸本体30の後端は、圧力調整室31内に突出している。
この駆動軸本体30には、上記の斜板5とリンク機構7とアクチュエータ13とが設けられている。これらの斜板5とリンク機構7とアクチュエータ13とは、それぞれ斜板室33内に配置されている。
駆動軸本体30の前端には、ねじ部3aが形成されている。このねじ部3aを介して駆動軸3は、図示しないプーリ又は電磁クラッチと連結されている。
第1支持部材43aは、回転軸心Oを中心軸とする円筒状に形成されている。第1支持部材43aは、駆動軸本体30の第1小径部30aに圧入されており、第1軸孔21b内において第1滑り軸受22aに支持されている。この第1支持部材43aの後端側には、第1フランジ430が形成されているとともに、後述する第2ピン47bが挿通される取付部(図示略)が形成されている。第1フランジ430は、第1凹部21cの前壁との間で、第1スラスト軸受35aを軸方向から挟持している。
また、第1支持部材43aには、復帰ばね44aの前端が挿通されている。この復帰ばね44aには、回転軸心O方向で、第1フランジ430側から斜板5側に向かって延びている。
第2支持部材43bも、回転軸心Oを中心軸とする円筒状に形成されている。第2支持部材43bは、駆動軸本体30の第2小径部30bの後端側に圧入されており、第2軸孔23b内において第2滑り軸受22bに支持されている。第2支持部材43bの前端には、第2フランジ431が形成されている。第2フランジ431は、第2凹部23cの後壁との間で、第2スラスト軸受35bを軸方向から挟持している。
また、第2支持部材43bにおいて、第2フランジ431よりも後端側となる位置には、Oリング51a、51bが設けられている。これらのOリング51a、51bにより、圧力調整室31と第2凹部23cとの間、ひいては、圧力調整室31と斜板室33との間が封止されている。
斜板5は環状の平板形状をなしており、前面5aと後面5bとを有している。前面5aは、斜板室33内において圧縮機の前方側に面している。後面5bは、斜板室33内において圧縮機の後方側に面している。また、図4に示すように、斜板5には、上死点対応部Tと下死点対応部Uとが形成されている。ここで、上死点対応部Tは、図1に示す各ピストン9において、後述する第1頭部9aを上死点に位置させる。一方、下死点対応部Uは第1頭部9aを下死点に位置させる。また、図4に示すように、この圧縮機では、上死点対応部Tと下死点対応部Uと回転軸心Oとを含む仮想面Dが定義されている。
斜板5はリングプレート45を有している。このリングプレート45は環状の平板形状に形成されており、中心部に挿通孔45aが形成されている。斜板5は、斜板室33内において挿通孔45aに駆動軸本体30が挿通されることにより、駆動軸3に取り付けられている(図1参照)。
また、図4の(A)に示すように、リングプレート45において、上死点対応部T側となる箇所には、溝部45bが形成されている。同図の(B)に示すように、溝部45bは斜板5の前面5aから後面5bまで貫通している。一方、リングプレート45において、下死点対応部U側となる箇所には、被牽引部45cが形成されている。被牽引部45cは、後述する第1、2アーム131、132の間に位置するように、リングプレート45に1つだけ形成されており、斜板5の後方に向かって突出している。同図の(A)に示すように、被牽引部45cには、円筒状をなす第3支持孔450が貫設されている。第3支持孔450は、仮想面Dに対して直交する第2方向D2に延びている。
図1に示すように、リンク機構7はラグアーム49を有している。ラグアーム49は、斜板室33内において、斜板5よりも前方に配置されており、斜板5と第1支持部材43aとの間に位置している。ラグアーム49は、前端側から後端側に向かって略L字形状となるように形成されている。また、ラグアーム49の後端側には、ウェイト部49aが形成されている。ウェイト部49aは、アクチュエータ13の周方向におよそ半周にわたって延びている。なお、ウェイト部49aの形状は適宜設計することが可能である。
ラグアーム49の後端側は、第1ピン47aによってリングプレート45と連結されている。第1ピン47aは上記の第2方向D2に延びている。これにより、ラグアーム49は、第1ピン47aの軸心を第1揺動軸心M1として、リングプレート45、すなわち斜板5に対し、第1揺動軸心M1周りで揺動可能に支持されている。この第1揺動軸心M1は、第2方向D2に延びている。
ラグアーム49の前端側は、第2ピン47bによって第1支持部材43aと連結されている。第2ピン47bも第2方向D2に延びている。これにより、ラグアーム49は、第2ピン47bの軸心を第2揺動軸心M2として、第1支持部材43a、すなわち駆動軸3に対し、第2揺動軸心M2周りで揺動可能に支持されている。第2揺動軸心M2は第1揺動軸心M1と平行に延びている。これらのラグアーム49、第1、2ピン47a、47bに加えて、後述する第1、2アーム131、132及び第3ピン47cによって、本発明におけるリンク機構7が構成されている。
ウェイト部49aは、ラグアーム49の後端側、つまり、第1揺動軸心M1を基準として第2揺動軸心M2とは反対側に延在して設けられている。このため、ラグアーム49が第1ピン47aによってリングプレート45に支持されることで、ウェイト部49aはリングプレート45の溝部45bを通って、リングプレート45の後面、つまり斜板5の後面5b側に位置する。そして、斜板5が回転軸心O周りに回転することにより発生する遠心力が斜板5の後面5b側でウェイト部49aにも作用する。
この圧縮機では、斜板5と駆動軸3とがリンク機構7によって連結されることにより、斜板5は駆動軸3と共に回転することが可能となっている。また、ラグアーム49の両端がそれぞれ第1揺動軸心M1及び第2揺動軸心M2周りで揺動することにより、斜板5は、図1に示す最小値から図2に示す最大値まで傾斜角度を変更することが可能となっている。
図1及び図2に示すように、各ピストン9は、それぞれ前端側に第1頭部9aを有しており、後端側に第2頭部9bを有している。つまり、各ピストン9は両頭ピストンである。各第1頭部9aは、それぞれ各第1シリンダボア21a内を往復動可能に収納されている。これらの各第1頭部9aと第1弁形成プレート39とにより、第1シリンダボア21a内にそれぞれ第1圧縮室53aが形成されている。各第2頭部9bは、それぞれ第2シリンダボア23a内を往復動可能に収納されている。これらの各第2頭部9bと第2弁形成プレート41とにより、第2シリンダボア23a内にそれぞれ第2圧縮室53bが形成されている。
また、各ピストン9の中央には係合部9cが形成されている。各係合部9c内には、半球状のシュー11a、11bがそれぞれ設けられている。これらのシュー11a、11bによって斜板5の回転がピストン9の往復動に変換されるようになっている。シュー11a、11bが本発明における変換機構に相当している。こうして、斜板5の傾斜角度に応じたストロークで、各第1頭部9aがそれぞれ第1シリンダボア21a内を往復動することが可能となっているとともに、各第2頭部9bがそれぞれ第2シリンダボア23a内を往復動することが可能となっている。
ここで、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度の変更に伴い各ピストン9のストロークが変化することで、各第1頭部9aと各第2頭部9bの各上死点位置が移動する。具体的には、斜板5の傾斜角度が小さくなるに伴って、各第1頭部9aの上死点位置よりも各第2頭部9bの上死点位置が大きく移動する。
アクチュエータ13は、斜板室33内に配置されている。より具体的には、アクチュエータ13は、斜板室33内において、斜板5よりも後方側、つまり、アクチュエータ13は、斜板室33内において斜板5を基準として第2シリンダブロック23側に位置している。これにより、アクチュエータ13は、第2凹部23c内に進入することが可能となっている。
アクチュエータ13は、移動体13aと区画体13bと制御圧室13cとを有している。制御圧室13cは、移動体13aと区画体13bとの間に形成されている。
図5に示すように、移動体13aは、移動体本体130と、第1アーム131と、第2アーム132とを有している。図1及び図2に示すように、移動体本体130は、後壁133と周壁134とを有している。後壁133は移動体13aの後方に位置しており、回転軸心Oから離れる方向で径方向に延びている。また、後壁133には、駆動軸本体30の第2小径部30bを挿通する挿通孔130aが貫設されている。挿通孔130a内にはOリング51cが設けられている。周壁134は、後壁133の外周縁と連続し、移動体13aの前方に向かって延びている。これらの後壁133及び周壁134により、移動体本体130は有底の円筒状をなしている。
図5に示すように、第1アーム131及び第2アーム132は、共に周壁134の前端に形成されており、移動体本体130から圧縮機の前方に向かって延びている。第1アーム131と第2アーム132とは、移動体13aにおいて、一定の間隔を設けつつ、斜板5の仮想面Dを跨いで配置されている。具体的には、第1アーム131は、周壁134の前端において、斜板5の仮想面Dを基準にして第2方向D2の一方側に形成されている。第2アーム132は、周壁134の前端において、斜板5の仮想面Dを基準にして第2方向D2の他方側に形成されている。
第1アーム131には、第2方向D2に延びる円筒状の第1支持孔131aが形成されている。第1支持孔131aは、第1アーム131を第2方向D2に貫通しており、第1支持孔131aの両端面は共に開放されている。また、第2アーム132には、圧縮機の第2方向D2に延びる円筒状の第2支持孔132aが形成されている。第2支持孔132aも、第2アーム132を第2方向D2に貫通しており、第2支持孔132aの両端面は共に開放されている。これらの第1支持孔131aと第2支持孔132aとは同軸をなしている。また、第2支持孔132aは第1支持孔131aよりも大径に形成されている。なお、第1支持孔131aを第2支持孔132aと同径に形成しても良い。
図1及び図2に示すように、区画体13bは、移動体本体130の内径とほぼ同径の円板状に形成されている。区画体13bは中心に挿通孔136が貫設されている。また、区画体13bの外周にはOリング51dが設けられている。
移動体13aの挿通孔130aには、駆動軸本体30の第2小径部30bが挿通されている。これにより、移動体13aは駆動軸本体30を回転軸心O方向に移動することが可能となっている。一方、区画体13bの挿通孔136に対して、第2小径部30bが圧入されている。これにより、区画体13bは駆動軸本体30に固定され、区画体13bは駆動軸本体30と共に回転可能となっている。なお、区画体13bについても回転軸心O方向に移動可能に第2小径部30bに挿通しても良い。
区画体13bは、移動体本体130内に配置されており、その周囲が周壁134によって取り囲まれた状態となっている。これにより、移動体13aが回転軸心O方向に移動するに当たり、周壁134の内周面と、区画体13bの外周面とが摺動する。
そして、区画体13bが周壁134によって取り囲まれることにより、移動体13aと区画体13bとの間に制御圧室13cが形成されている。この制御圧室13cは、後壁133と周壁134と区画体13bとによって斜板室33から区画されている。
図6に示すように、移動体13aと斜板5とは、連結機構14によって連結されている。連結機構14は、第1アーム131、第2アーム132、被牽引部45c及び第3ピン47cからなる。第3ピン47cが本発明における連結軸に相当している。
第3ピン47cは、図7に示すように、第2方向D2に延びるように形成されている。第3ピン47cにおいて、軸方向の略中央には段部471が形成されている。この段部471により、第3ピン47cには、互いに同軸をなす第1軸部470aと第2軸部470bとが形成されている。第1軸部470aは、第1外径L1を有する円柱状をなしており、段部471側から第2方向D2の一方側に向かって延びている。第2軸部470bは、第2外径L2を有する円柱状をなしており、第1軸部470aと連続しつつ、段部471側から第2方向D2の他方側に向かって延びている。ここで、第2外径L2は第1外径L1よりも大きく形成されている。このため、第2軸部470bは第1軸部470aよりも大径をなしている。このように、第3ピン47cでは、段部471を境界にして外径の大きさが変化している。
移動体13aと斜板5とを連結するに当たっては、第1アーム131と第2アーム132との間に、斜板5の被牽引部45cを配置させる。そして、第1アーム131の第1支持孔131aと、第2アーム132の第2支持孔132aと、被牽引部45cの第3支持孔450とに対して、第3ピン47cを第2アーム132側から軸方向に挿通する。この際、第3ピン47cについて、第1支持孔131a内に第1軸部470aが位置し、第2支持孔132a内に第2軸部470bが位置するように挿通する。これにより、第3支持孔450内には、第1軸部470aと第2軸部470bの両方が配置されるものの、第3支持孔450内において、第2軸部470bは、第2方向D2で第1軸部470よりも第1支持孔131aから遠い位置に設けられている。
こうして、第1アーム131と、第2アーム132と、被牽引部45cとが1本の第3ピン47cによって連結され、移動体13aと斜板5とが連結されている。これにより、斜板5は、図1及び図2に示すように、第3ピン47cの軸心を作用軸心M3として、作用軸心M3周りで移動体13aに揺動可能に支持されている。この作用軸心M3は、第1、2揺動軸心M1、M2と平行に延びている。
図示を省略するものの、第3ピン47cの軸方向の両端、すなわち、第1軸部470aにおける第2方向D2の一方側の端部と、第2軸部470bにおける第2方向D2の他方側の端部とには、サークリップが取り付けられている。これにより、この圧縮機では、第1支持孔131a及び第2支持孔132aから第3ピン47cが脱落することが防止されている。なお、第1支持孔131aや第2支持孔132に第1軸部470aや第2軸部470bを圧入することによって、第1支持孔131a及び第2支持孔132aから第3ピン47cが脱落することを防止しても良い。
この圧縮機では、上記のように駆動軸3が回転軸心O周りで回転することにより、斜板5は、回転軸心O周りで図6に示す回転方向R1に回転する。ここで、移動体13aと斜板5とが連結されることにより、第1アーム131は、斜板5の回転方向R1において、仮想面Dを基準として、第2アーム132よりも上流側に位置している。なお、図6では、説明を容易にするため、移動体13aを仮想線で示している他、第1、2アーム131、132の形状を簡略化して図示している。また、第2シリンダブロック23及びラグアーム49等の図示を省略している。
また、図1及び図2に示すように、区画体13bとリングプレート45との間には、傾角減少バネ44bが設けられている。具体的には、この傾角減少バネ44bの後端は、区画体13bに当接するように配置されており、傾角減少バネ44bの前端は、リングプレート45に当接するように配置されている。傾角減少バネ44bは、区画体13bとリングプレート45とが互いに離れるように双方を付勢する。
第2小径部30b内には、後端から前方に向かって回転軸心O方向に延びる軸路3bと、軸路3bの前端から径方向に延びて駆動軸本体30の外周面に開く径路3cとが形成されている。軸路3bの後端は圧力調整室31に連通している。一方、径路3cは、制御圧室13cに連通している。これにより、制御圧室13cは、径路3c及び軸路3bを通じて、圧力調整室31と連通している。
図3に示すように、制御機構15は、抽気通路15aと給気通路15bと制御弁15cとオリフィス15dと、軸路3bと、径路3cとを有している。
抽気通路15aは、圧力調整室31と第2吸入室27bとに接続されている。この抽気通路15aと軸路3bと径路3cとによって、制御圧室13cと圧力調整室31と第2吸入室27bとが連通している。給気通路15bは、圧力調整室31と第2吐出室29bとに接続されている。この給気通路15bと軸路3bと径路3cとによって、制御圧室13cと圧力調整室31と第2吐出室29bとが連通している。給気通路15bには、オリフィス15dが設けられている。
制御弁15cは抽気通路15aに設けられている。この制御弁15cは、第2吸入室27b内の圧力に基づき、抽気通路15aの開度を調整することが可能となっている。
この圧縮機では、図1及び図2に示す吸入ポート330に対して蒸発器に繋がる配管が接続されるとともに、吐出ポート230に対して凝縮器に繋がる配管が接続される。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸3が回転することにより、斜板5が回転し、各ピストン9が第1シリンダボア21a内及び第2シリンダボア23a内を往復動する。このため、第1、2圧縮室53a、53bがピストンストロークに応じて容積変化を生じる。このため、この圧縮機では、第1、2圧縮室53a、53bへ冷媒ガスを吸入する吸入行程と、第1、2圧縮室53a、53bにおいて冷媒ガスが圧縮される圧縮行程と、圧縮された冷媒ガスが第1、2吐出室29a、29bに吐出される吐出行程等とが繰り返し行われることとなる。
第1吐出室29aに吐出された冷媒ガスは、第1吐出連通路18を経て合流吐出室231に至る。同様に、第2吐出室29bに吐出された冷媒ガスは、第2吐出連通路20を経て合流吐出室231に至る。そして、合流吐出室231に至った冷媒ガスは、吐出ポート230から配管を介して凝縮器に吐出される。
そして、これらの吸入行程等が行われる間、斜板5、リングプレート45、ラグアーム49及び第1ピン47aからなる回転体には斜板5の傾斜角度を小さくするピストン圧縮力が作用する。そして、斜板5の傾斜角度が変更されれば、ピストン9のストロークの増減による容量制御を行うことが可能である。
具体的には、図3に示す制御機構15において、制御弁15cが抽気通路15aの開度を大きくすれば、圧力調整室31内の圧力、ひいては制御圧室13c内の圧力が第2吸入室27b内の圧力とほぼ等しくなり、制御圧室13c内と斜板室33内との差圧である可変差圧が小さくなる。このため、斜板5に作用するピストン圧縮力によって、図1に示すように、アクチュエータ13の移動体13aが斜板室33の前方側に向かって移動する。
これにより、この圧縮機では、各ピストン9を介して斜板5に作用する圧縮反力によって、斜板5は傾斜角度が減少する方向に付勢される。なお、圧縮反力は、各ピストン9によって斜板5に作用するピストン圧縮力の合力である。このため、第1、2アーム131、132及び被牽引部45cを通じて、移動体13aは斜板5に牽引される状態となり、回転軸心O方向で斜板室33の前方側へ移動する。また、斜板5では、リングプレート45が復帰バネ44aの後端と当接する。そして、移動体13aが斜板室33の前方側へ移動することにより、この圧縮機では、復帰バネ44aの付勢力に抗しつつ、斜板5が作用軸心M3周りで時計回り方向に揺動する。また、ラグアーム49の後端が第1揺動軸心M1周りで反時計回り方向に揺動するとともに、ラグアーム49の前端が第2揺動軸心M2周りで反時計回り方向に揺動する。このため、ラグアーム49の前端側が第1支持部材43aの第1フランジ430に近づく。これらにより、斜板5は、作用軸心M3を作用点とし、第1揺動軸心M1を支点として揺動する。このため、第1方向、すなわち、駆動軸3の回転軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が減少し、各ピストン9のストロークが減少する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が小さくなる。
また、この圧縮機では、ウェイト部49aに作用した遠心力も斜板5に付与される。このため、この圧縮機では、斜板5が傾斜角度を減少させる方向に変位し易くなっている。
そして、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が小さくなり、各ピストン9のストロークが減少することにより、各第2頭部9bの上死点位置が第2弁形成プレート41から遠ざかる。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度がゼロ度に近づくことで、第1圧縮室53a側では僅かに圧縮仕事が行われる一方、第2圧縮室53b側では圧縮仕事が行われなくなる。
一方、図3に示す制御機構15において、制御弁15cが抽気通路15aの開度を小さくすれば、第2吐出室29b内の冷媒ガスの圧力によって圧力調整室31内の圧力が上昇し、制御圧室13c内の圧力が上昇する。このため、可変差圧が大きくなる。これにより、アクチュエータ13では、斜板5に作用するピストン圧縮力に抗して、移動体13aが図1に示す位置から斜板室33を回転軸心O方向で後方側に向かって移動し、図2に示すように、第2凹部23c内に侵入する。
これにより、この圧縮機では、傾角減少バネ44bの付勢力に抗しつつ、第1、2アーム131、132及び被牽引部45cを通じて、移動体13aは斜板5を回転軸心O方向で斜板室33の後方側へ牽引する。この圧縮機では、斜板5が作用軸心M3周りで反時計回り方向に揺動する。また、ラグアーム49の後端が第1揺動軸心M1周りで時計回り方向に揺動するとともに、ラグアーム49の前端が第2揺動軸心M2周りで時計回り方向に揺動する。このため、ラグアーム49の前端側が第1支持部材43aの第1フランジ430から後方に遠ざかる。これらにより、斜板5は、作用軸心M3及び第1揺動軸心M1をそれぞれ作用点及び支点として、上述の傾斜角度が小さくなる場合と反対方向に揺動する。このため、第1方向D1に対する斜板5の傾斜角度が増大し、各ピストン9のストロークが増大する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が大きくなる。
図6及び図7に示すように、この圧縮機では、第1、2アーム131、132と被牽引部45cとが第3ピン47cで連結されることによって、移動体13と斜板5とが連結されている。ここで、この圧縮機では、上記のように作動時に各ピストン9から斜板5に圧縮反力が作用する。この圧縮反力は、図6に示す斜板の回転方向R1において、仮想面Dを基準とした場合の回転方向の上流側に作用する。このため、図8に示すように、斜板5には、第1方向D1周りで斜板5をR2方向に抉らせようとするモーメントが作用する。つまり、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を増大させるにあたり、移動体13aは、R2方向に抉られた状態にある斜板5を牽引力Fで斜板5を回転軸心O方向で後方に牽引する。ここで、第1、2アーム131、132と被牽引部45cとが第3ピン47cで連結されているため、移動体13aは、第1、2アーム131、132を通じて斜板5を牽引する。また、移動体13が牽引力Fで斜板5を回転軸心O方向で後方に牽引するに当たり、第3ピン47cは斜板5側に突出するように僅かに湾曲する。なお、説明を容易にするため、図8及び図9では、斜板5の抉りや第3ピン47cの湾曲を誇張して図示している。
図9に比較例の圧縮機を示す。比較例の圧縮機では、第1、2支持孔131a、132a及び第3支持孔450に対して、第3ピン61が挿通されている。第3ピン61は、第3外径L3のみを有する円柱状に形成されており、第2方向D2に延びている。つまり、第3ピン61には、第3ピン47cにおける段部471のように外径の大きさが変化する部分が存在していない。また、比較例の圧縮機では、第1支持孔131aと第2支持孔132aとが同径に形成されている。比較例の圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
斜板5の傾斜角度を増大するに際して、上記のように第3ピン61が湾曲することから、第1支持孔131aは第3ピン61を内壁の全面で支持することはない。つまり、第1支持孔131aは、第1支持孔131aの内壁と第3ピン61とが接触する第1支持領域P1において第3ピン61を支持する。同様に、第2支持孔132aは、第2支持孔132aの内壁と第3ピン61とが接触する第2支持領域P2において第3ピン61を支持する。また、第3支持孔450は、第3支持孔450の内壁と第3ピン61とが接触する支点P3において第3ピン61を支持する。
また、移動体13aは、第1、2アーム131、132を通じて斜板5を牽引するため、移動体13aが斜板5を牽引する際の牽引力Fは、第1支持領域P1において第1アーム131が斜板5を牽引する牽引力F1と、第2支持領域P2において第2アーム132が斜板5を牽引する牽引力F2との合力となる。ここで、斜板5がR2方向に抉られるため、支点P3の位置は、第2方向D2で第1支持領域P1側、すなわち、第1アーム131側に近づく。具体的には、比較例の圧縮機では、第3支持孔450が円筒状であることから、支点P3の位置は、第3支持孔450における第1支持孔131側の端面となる。これにより、第1支持領域P1から支点P3までの距離a1は、第2支持領域P2から支点P3までの距離b1に比べて短くなる。このため、比較例の圧縮機では、牽引力F1は牽引力F2に比べて大きくなる。また、移動体13aが牽引力Fで斜板5を牽引する際には、反力F’が作用するため、第1アーム131には牽引力F1と反対方向に反力F1’が作用し、第2アーム132には牽引力F2と反対方向に反力F2’が作用する。このように、比較例の圧縮機では、移動体13aが斜板5を牽引して傾斜角度を増大させるに当たり、第1アーム131側に作用する荷重と、第2アーム132側に作用する荷重との差が大きくなる。このため、比較例の圧縮機では、第1アーム131が破断し易くなる。
図8に示すように、実施例1の圧縮機においても、移動体13aが牽引力Fで斜板5を牽引するに当たって、第1アーム131は、第1支持領域P1において、牽引力F1で斜板5を牽引し、第2アーム132は、第2支持領域P2において、牽引力F2で斜板5を牽引する。ここで、実施例1の圧縮機では、第3ピン47cには、段部471によって、第1軸部470aと第2軸部470bとが形成されている。そして、第2軸部470bの第2外径L2は、第1軸部470aの第1外径L1よりも大径であることから、第3ピン47cにおいて、第2軸部470bは、第1軸部470aよりも大径となっている。このため、斜板5の傾斜角度を増大するに際して、第3ピン47cでは、第2軸部470bが第3支持部450の内壁と接触する。より詳細には、第3ピン47cは、第1軸部470aから第2軸部470bに変化する段部471において、第3支持部450の内壁と接触する。これにより、実施例1の圧縮機では、第3支持部450の内壁と段部471とが接触する箇所が支点P3となり、斜板5の傾斜角度を増大するに際して、第3ピン47cは、支点P3で第3支持孔450に支持される。ここで、段部471は、第3ピン47cの軸方向の略中央に形成されている。このように、実施例1の圧縮機では、第1、2支持孔131a、132及び第3支持孔450に対して上記のように第3ピン47cが挿通されることにより、段部451、ひいては、第2軸部470bは、第3軸孔450内において、第2方向D2で第1軸部470aよりも第1支持孔131aから遠い位置に設けられる。
このため、実施例1の圧縮機では、上記のように斜板5がR2方向に抉られていても、比較例の圧縮機に比べて、支点P3の位置が第3支持孔450の軸方向の略中央側となる。つまり、実施例1の圧縮機では、比較例の圧縮機に比べて、支点P3の位置が第2方向D2で第1支持領域P1から遠ざかり、その分、第2支持領域P2に近づく。これにより、実施例1の圧縮機では、第1支持領域P1から支点P3までの距離a2は、比較例の圧縮機における第1支持領域P1から支点P3までの距離a1よりも長くなる。反面、実施例1の圧縮機では、第2支持領域P2から支点P3までの距離b2は、比較例の圧縮機における第2支持領域P2から支点P3までの距離b1よりも短くなる。換言すれば、実施例1の圧縮機では、距離a2と距離b2との長さの差が小さくなる。
こうして、実施例1の圧縮機では、支点P3が第1支持領域P1から遠くなった分だけ、第1支持領域P1において第1アーム131が斜板5を牽引する牽引力F1が小さくなり、それに応じて、第1アーム131に作用する反力F1’も小さくなる。一方、実施例1の圧縮機では、支点P3が第2支持領域P2に近づいた分だけ、第2支持領域P2において第2アーム132が斜板5を牽引する牽引力F2が大きくなり、それに応じて、第2アーム132に作用する反力F2’も大きくなる。これにより、実施例1の圧縮機では、移動体13aが斜板5を牽引する際に第1アーム131に作用する荷重が小さくなり、その分、第2アーム132に作用する荷重が大きくなる。この結果、第1アーム131に作用する荷重と第2アーム132に作用する荷重とをバランスさせることができる。なお、実施例1の圧縮機において、第1、2アーム131、132にそれぞれ作用する荷重をバランスさせることができれば、双方を完全に均衡させる場合のみに限らず、双方の大きさに一定程度の差があっても良い。
こうして、実施例1の圧縮機では、斜板5の傾斜角度の変更に当たり、第1アーム131側に作用する荷重で第1アーム131が破断することを防止することができる。
したがって、実施例1の圧縮機は高い耐久性を発揮する。
特に、この圧縮機では、上記のように、移動体13aが斜板5を牽引する際における、第1アーム131側に作用する荷重と第2アーム132側に作用する荷重とをバランスさせることができる。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度の変更に当たり、移動体13aが駆動軸の回転軸心方向にスムーズに移動でき、斜板5の傾斜角度を好適に変更することができる。このため、この圧縮機では、制御性も高くなっている。
また、この圧縮機では、第3ピン47cに段部471を形成することにより、第3ピン47cに対して、第1外径L1を有する第1軸部470aと第2外径L2を有する第2軸部470bとを容易に形成することが可能となっている。
(実施例2)
実施例2の圧縮機では、実施例1の圧縮機における第3ピン47cに代えて、図10に示す第3ピン63が設けられている。第3ピン63も第2方向D2に延びるように形成されている。第3ピン63は、第1テーパ面630aと第2軸部630bとが形成されている。第1テーパ面630aが本発明におけるテーパ面に相当する。
第1テーパ面630aは、第2方向D2の一方側から他方側に向かって拡径するように延びている。つまり、第1テーパ面630aは、第1支持孔131a側から第2支持孔132a側に向かって拡径するように延びている。そして、第3ピン63を第1、2支持孔131a、132a及び第3支持孔450に挿通した状態において、第1テーパ面630aの一部は、第3支持孔450内に位置している。この第1テーパ面630aにより、第3ピン63には、第3支持孔450内に位置して第1外径L4を有する第1軸部631が形成されている。
第2軸部630bは、上記の第2軸部470bと同様に第2外径L2を有する円柱状をなしている。第2軸部630bは、第3ピン63の軸方向の略中央で第1テーパ面630aと連続して第2方向D2の他方側に向かって延びている。これにより、第3ピン63についても、第3支持孔450内において、第2軸部630bは、第2方向D2で第1軸部631よりも第1支持孔131aから遠い位置に設けられている。ここで、第2外径L2は、第1外径L4よりも大きく形成されている。このため、第2軸部630bは第1軸部631よりも大径をなしている。このため、斜板5の傾斜角度を増大するに際して、第3ピン63は、第2軸部630bで第3支持孔450に支持されるようになっている。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様である。
(実施例3)
実施例3の圧縮機では、実施例1の圧縮機における第3ピン47cに代えて、図11に示す第3ピン65が設けられている。第3ピン65も第2方向D2に延びるように形成されている。第3ピン65cは、第1テーパ面650aと第2テーパ面650bとが形成されている。第1テーパ面650aが本発明におけるテーパ面に相当する。
第1テーパ面650aは、第2方向D2の一方側から他方側に向かって拡径するように延びている。つまり、第1テーパ面650aは、上記の第1テーパ面630aと同様、第1支持孔131a側から第2支持孔132a側に向かって拡径するように延びている。そして、第3ピン65cを第1、2支持孔131a、132a及び第3支持孔450に挿通した状態において、第1テーパ面650aの一部は、第3支持孔450内に位置している。この第1テーパ面650aにより、上記の第3ピン63と同様、第3ピン65には、第3支持孔450内に位置して第1外径L4を有する第1軸部651が形成されている。
第2テーパ面650bは、第3ピン65の軸方向の略中央で第1テーパ面630aと連続しつつ、第2支持孔132a側、つまり、第2方向D2の他方側に向かって縮径するように延びている。これにより、第3ピン65では、第1テーパ面630aと第2テーパ面630bとの間に第2外径L2を有する第2軸部653が形成されている。ここで、第2テーパ面650bは、第3ピン65の軸方向の略中央で第1テーパ面630aと連続している。このため、第3ピン65についても、第1、2支持孔131a、132a及び第3支持孔450に挿通された際、第2軸部653は、第3支持孔450内において、第2方向D2で第1軸部631よりも第1支持孔131aから遠い位置に設けられている。そして、上記のように第2外径L2は、第1外径L4よりも大きいことから、第2軸部653は第1軸部651よりも大径をなしている。このため、斜板5の傾斜角度を増大するに際して、第3ピン65は、第2軸部653で第3支持孔450に支持されるようになっている。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様である。
(実施例4)
実施例4の圧縮機では、実施例1の圧縮機における第3ピン47cに代えて、図12に示す第3ピン67が設けられている。第3ピン67も第2方向D2に延びるように形成されている。第3ピン67は、第1外径L5を有して第2方向D2に円柱状に延びる軸本体67aと、第2外径L2を有する突出部670bとからなる。第2外径L2は、第1外径L5よりも大きく形成されており、突出部670は、軸本体67aよりも大径をなしている。この突出部670bが本発明における第2軸部に相当する。
突出部670bは、軸本体67aの軸方向の略中央、すなわち、第3ピン67の軸方向の略中央に形成されている。これにより、軸本体67aには、突出部670b側から第2方向の一方側に向かって延びる第1軸部670aと、突出部670b側から第2方向の他方側に向かって延びる第3軸部670cとが形成されている。第1、2支持孔131a、132a及び第3支持孔450に第3ピン67を挿通した際、第3ピン67では、突出部670bは第3支持孔450内において、第3支持孔450の軸方向の略中央に位置する。そして、第1軸部670aは、突出部670bよりも第1支持孔131a側に位置し、第3軸部670cは、突出部670bよりも第2支持孔132a側に位置する。つまり、第3ピン67では、突出部670bは、第3支持孔450内において、第2方向D2で第1軸部670aよりも第1支持孔131aから遠い位置に設けられている。そして、第2外径L2は、第1外径L5よりも大きいことから、斜板5の傾斜角度を増大するに際して、第3ピン67は、突出部670bで第3支持孔450に支持されるようになっている。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様である。
これらの実施例2〜4の圧縮機についても、実施例1の圧縮機と同様の作用を奏することが可能となっている。
以上において、本発明を実施例1〜4に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜4に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1の圧縮機では、第3ピン47cの軸方向の略中央に段部451を形成している。しかし、これに限らず、第3支持孔450内において、第1挿通孔131側の端面よりも遠い位置で第3ピン47cが支持されるように、第3ピン47cにおける段部471の位置、すなわち、第2軸部470bが形成される位置を適宜設計しても良い。実施例2〜4の圧縮機における第2軸部630b、653及び突出部670bの各位置についても同様である。
また、第1シリンダブロック21に各第1シリンダボア21aを形成せずに圧縮機を構成しても良い。
さらに、アクチュエータ13について、斜板室33内において斜板5を基準として第1シリンダブロック21側に配置しても良い。
また、制御機構15について、給気通路15bに対して制御弁15cを設けるとともに、抽気通路15aにオリフィス15dを設ける構成としても良い。この場合には、制御弁15cによって、給気通路15bの開度を調整することが可能となる。これにより、第2吐出室29b内の冷媒ガスの圧力によって制御圧室13cを迅速に高圧とすることができ、迅速に吐出容量を増大させることが可能となる。
本発明は空調装置等に利用可能である。
1…ハウジング
3…駆動軸
5…斜板
7…リンク機構
9…ピストン
11a、11b…シュー(変換機構)
13…アクチュエータ
13a…移動体
13b…区画体
13c…制御圧室
14…連結機構
15…制御機構
21a…第1シリンダボア(シリンダボア)
23a…第2シリンダボア(シリンダボア)
45c…被牽引部
47c、61、63、65、67…第3ピン(連結軸)
131…第1アーム
131a…第1支持孔
132…第2アーム
132a…第2支持孔
450…第3支持孔
470a、631、651、670a…第1軸部
470b、630b、653…第2軸部
471…段部
630a、650a…第1テーパ面(テーパ面)
670b…突出部(第2軸部)
D…仮想面
L1、L3、L4、L5…第1外径
L2…第2外径
T…上死点対応部

Claims (3)

  1. 斜板室及び複数のシリンダボアが形成されたハウジングと、
    前記ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、
    前記斜板室内に配置されて前記駆動軸とともに回転される斜板と、
    前記駆動軸の回転軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、
    前記各シリンダボアに収納され、前記斜板の回転によって前記傾斜角度に応じたストロークで往復動して前記各シリンダボア内に圧縮室を形成するピストンと、
    前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能に設けられた区画体と、
    前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能であり、かつ前記区画体に対して前記回転軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更する移動体と、
    前記区画体と前記移動体とにより区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、
    前記制御圧室内の圧力を制御する制御機構とを備え、
    前記斜板には、前記各ピストンを上死点に位置させる上死点対応部が形成され、
    前記上点対応部及び前記回転軸心を含む仮想面が定義され、
    前記移動体は、連結機構を介して前記斜板と連結され、前記制御圧室内の圧力が高くなることにより、前記斜板を牽引して前記傾斜角度を増大させ、
    前記連結機構は、前記移動体に設けられ、前記仮想面を跨いで配置される第1アーム及び第2アームと、前記斜板に設けられ、前記第1アームと前記第2アームとの間に位置する被牽引部と、前記第1アーム、前記第2アーム及び前記被牽引部に挿通され、前記第1アーム、前記第2アーム及び前記被牽引部を1本で連結する連結軸とを有し、
    前記第1アームは、前記斜板の回転方向において、前記仮想面を基準として前記第2アームよりも上流側に位置し、
    前記第1アームには、前記連結軸を支持する第1支持孔が形成され、
    前記第2アームには、前記連結軸を支持する第2支持孔が形成され、
    前記被牽引部には、前記連結軸を支持する第3支持孔が形成され、
    前記連結軸には、前記第3支持孔内に位置して第1外径を有する第1軸部と、前記第3支持孔内に位置して前記第1外径より大径の第2外径を有する第2軸部とが形成され、
    前記第2軸部は、前記第1軸部よりも前記第1支持孔から遠い位置に設けられていることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記連結軸において、前記第1軸部と前記第2軸部との間には段部が形成されている請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記連結軸には、少なくとも前記第3支持孔内に位置し、前記第1支持孔側から前記第2支持孔側に向かって拡径するテーパ面が形成されている請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
JP2015228848A 2015-11-24 2015-11-24 容量可変型斜板式圧縮機 Pending JP2017096162A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015228848A JP2017096162A (ja) 2015-11-24 2015-11-24 容量可変型斜板式圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015228848A JP2017096162A (ja) 2015-11-24 2015-11-24 容量可変型斜板式圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017096162A true JP2017096162A (ja) 2017-06-01

Family

ID=58803402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015228848A Pending JP2017096162A (ja) 2015-11-24 2015-11-24 容量可変型斜板式圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017096162A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6083291B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP5983657B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2014190266A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP6015614B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
WO2014156799A1 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP6201852B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2017096163A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP6194837B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2017096162A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2017096161A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2017096160A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
WO2014157208A1 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2016160749A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2016014343A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP6179439B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP5949805B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2017166336A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2017180095A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2017096159A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2017172367A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2018145929A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2018159277A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP2017172420A (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP6115397B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JP6032228B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機