JP2020056253A - 連動引戸用の連動装置及びこれを備える連動引戸 - Google Patents

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精一 北島
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【課題】連動引戸の開閉時において、衝突等の衝撃によって無端状ワイヤがプーリから外れるのを有効に防止する。【解決手段】連動引戸用の連動装置は、戸枠70に開閉可能に配置された3枚の引戸1を、連動して相対的に摺動させる連動装置10であって、中間に位置する中間引戸1Mの上端部又は下端部に、引戸1の摺動方向に離間して設けられる第一プーリ11及び第二プーリ12と、第一プーリ11と第二プーリ12との間に掛け渡されて、無限軌道を構成する無端状ワイヤ13と、中間引戸1Mの第1の対向面1a側に配置される第一引戸1Aを無端状ワイヤ13に連結する第一連結部材14と、中間引戸1Mの第2の対向面1b側に配置される第二引戸1Bを無端状ワイヤ13に連結する第二連結部材15と、第一プーリ11または第二プーリ12を、引戸1の摺動方向であって外側に向かって付勢して、無端状ワイヤ13に張力を付加する付勢機構20とを備えている。【選択図】図7

Description

本発明は連動引戸用の連動装置及びこれを備える連動引戸に関する。
複数枚の引戸に対して、いずれかの引戸を開閉させると、これに連動して他の引戸も開閉されるように構成された連動引戸が開発されている。従来の連動引戸の一例を、図22の分解斜視図に示す。この図に示す連動引戸は、引き違い開閉可能に配置された3枚の引戸101a、101b、101cを備え、3枚の引戸101a、101b、101cを摺動させるため、上枠に、3条の摺動溝103a、103b、103cが形成された上レール102が設置されている。一方、3枚の引戸101a、101b、101cの上端には、摺動部材104a、104b、104cが設けられている。これらの摺動部材104a、104b、104cは、それぞれ上レール102の摺動溝103a、103b、103cに挿入されている。各引戸101a、101b、101cは、上レール102で懸吊された状態で、上レール102の延長方向に沿って摺動自在に装着されている。また上レール102の幅方向の中央に摺動溝103bが位置されており、ここに挿入される摺動部材104bの両端には、各々プーリ105が回転自在に装着されている。このプーリ105には、無端状ワイヤ106が掛けられている。また、上レール102の幅方向の両側には摺動溝103a、103cが設けられており、ここに挿入される摺動部材104a、104cは、この無端状ワイヤ106に結合されている。
特開2000−130022号公報 特開2013−83093号公報
以上の連動引戸は、いずれかの引戸を他の引戸に対して相対的に移動させると、これに連動して3枚の引戸が開閉されるように構成されている。しかしながら、以上の連動引戸は、3枚の引戸を連動して開閉する際に、中央の引戸が障害物等に当たって移動が阻止されると、その衝撃で無端状ワイヤがプーリから外れてしまうことがあった。その原理を図23と図24に基づいて説明する。
図23の(a)〜(c)は、連動引戸を閉じた状態から開く状態を示す概略平面図であり、図において、引戸101cを開方向(図において左方向)に向かって移動させる状態を示している。このとき、図23の(b)で示すように、Aで示す位置、すなわち、引戸101cの進路に障害物109があると、引戸101cの端面が障害物109に当接して引戸101cの移動は阻止される。これに伴って中間の引戸101bの移動も阻止されるが、この場合、ユーザーが開方向に力Fを加えている引戸101cの移動が、障害物109で直接に阻止されることにより無端状ワイヤ106には負荷がかからず、無端状ワイヤ106がプーリ105から外れることはない。これに対して、図23の(c)で示すように、Bで示す位置、すなわち、中間の引戸101bの進路に障害物109があると、引戸101bの端面が障害物109に当接して引戸101bの移動は阻止される。これに伴って引戸101cの移動も阻止されるが、この場合、ユーザーは引戸101cに対して開方向に力Fを加えているので、引戸101cには、引き続き開方向への力Fが継続して作用し、これにより無端状ワイヤ106と引戸101cとの連結部分には図の矢印xで示す方向に負荷がかかる。この負荷により、無端状ワイヤ106は、開方向側のプーリ105aにおいて弛みが生じ、この弛みにより無端状ワイヤ106がプーリ105aから外れてしまう弊害が生じる。
また、図24の(a)〜(c)は、連動引戸を開いた状態から閉じる状態を示す概略平面図であり、図において、引戸101cを閉方向(図において右方向)に向かって移動させる状態を示している。このとき、図24の(b)で示すように、Cで示す位置、すなわち、引戸101cの進路に障害物109があると、引戸101cの端面が障害物109に当接して引戸101cの移動は阻止される。これに伴って中間の引戸101bの移動も阻止されるが、この場合、ユーザーが閉方向に力Fを加えている引戸101cの移動が、障害物109で直接に阻止されることにより無端状ワイヤ106には負荷がかからず、無端状ワイヤ106がプーリ105から外れることはない。これに対して、図24の(c)で示すように、Dで示す位置、すなわち、中間の引戸101bの進路に障害物109があると、引戸101bの端面が障害物109に当接して引戸101bの移動は阻止される。これに伴って引戸101cの移動も阻止されるが、この場合、ユーザーは引戸101cに対して閉方向に力Fを加えているので、引戸101cには、引き続き閉方向への力Fが継続して作用し、これにより無端状ワイヤ106と引戸101cとの連結部分には図の矢印yで示す方向に負荷がかかる。この負荷により、無端状ワイヤ106は、閉方向側のプーリ105bにおいて弛みが生じ、この弛みにより無端状ワイヤ106がプーリ105bから外れてしまう弊害が生じる。
このような弊害を防止するために、中間の引戸の両端に配置されるプーリに掛けられる無端状ワイヤに張力を付加する構造が提案されている(特許文献2参照)。この構造は、引戸の両端にプーリを配置すると共に、これらのプーリの間にも複数のプーリを配置しており、これらの全てのプーリに対して無端状ワイヤを掛け渡すと共に、中間に配置されるプーリの一つを弾性体で付勢して無端状ワイヤに張力を付加するようにしている。以上の構造によると、複数のプーリに掛けられる無端状ワイヤに対して張力を付加することができるので、無端状ワイヤの経時的な伸びを吸収して、無端状ワイヤが弛むのを阻止して、無端状ワイヤがプーリから外れるのを防止できる。
しかしながら、以上の構造では、衝突等の衝撃により生じる無端状ワイヤの弛みが、引戸の両端に配置されたプーリの近傍で発生するのに対し、両端に配置されたプーリの中間において無端状ワイヤに張力を付加するので、瞬間的に生じる無端状ワイヤの弛みに対して、張力を付加する機構が瞬時に対応できない問題点がある。すなわち、衝突等の衝撃により、無端状ワイヤに大きな負荷が加わって無端状ワイヤが瞬間的に弛んだ際に、この弛みを速やかに吸収することができず、結果的に無端状ワイヤがプーリから外れてしまう弊害を解消できない。
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的の一は、連動引戸の開閉時において衝突等の衝撃によって無端状ワイヤがプーリから外れるのを有効に防止できる連動引戸装置とこの連動引戸装置を備える連動引戸を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の第1の側面にかかる連動引戸用の連動装置は、戸枠に引き違い開閉可能に配置された3枚の引戸を、連動して相対的に摺動させるように構成された連動引戸用の連動装置であって、3枚の引戸のうち、中間に位置する中間引戸の上端部又は下端部に、引戸の摺動方向に離間して設けられる第一プーリ及び第二プーリと、第一プーリと第二プーリとの間に掛け渡されて、無限軌道を構成する無端状ワイヤと、中間引戸の第1の対向面側に配置される第一引戸を無端状ワイヤに連結するための第一連結部材と、中間引戸の第2の対向面側に配置される第二引戸を無端状ワイヤに連結するための第二連結部材と、第一プーリまたは第二プーリを、引戸の摺動方向であって外側に向かって付勢して、無端状ワイヤに張力を付加する付勢機構とを備えることを特徴とする。
以上の連動引戸用の連動装置によれば、連動引戸の開閉時において、中間引戸に離間して設けた第一プーリと第二プーリの間に掛け渡された無端状ワイヤが、衝突等の衝撃によってプーリから外れるのを有効に防止できる特長がある。それは、以上の連動装置が、第一プーリまたは第二プーリを、引戸の摺動方向であって外側に向かって付勢して、無端状ワイヤに張力を付加する付勢機構を備えているからである。以上の連動装置は、3枚の引戸が連動して相対的に摺動される状態で、中間引戸が障害物等により移動が阻止された際に、摺動する他の引戸の慣性により無端状ワイヤが弛む方向に負荷を受ける状態となっても、付勢機構で外側に向かって付勢されるプーリによって無端状ワイヤの弛みを速やかに吸収して無端状ワイヤがプーリから外れるのを防止できる。とくに、付勢機構は、無端状ワイヤが掛けられたプーリを、外側に向かって直接に付勢するので、一対のプーリを離間する方向、すなわちに無端状ワイヤに生じた弛みを吸収する方向にプーリを速やかに移動させることができ、これにより無端状ワイヤの弛みを瞬時に吸収して、無端状ワイヤがプーリから外れるのを確実に防止できる。
本発明は、連動引戸用の連動装置を以下に限定するものではないが、以下の構成とすることができる。第2の側面にかかる連動引戸用の連動装置によれば、付勢機構は、第一プーリまたは第二プーリを回転自在に支持するブラケットと、このブラケットを中間引戸に対して、引戸の摺動方向に摺動自在に連結するスライド機構と、ブラケットを引戸の摺動方向であって外側に向かって付勢する弾性体とを備えることができる。
上記構成によると、プーリを回転自在に支持するブラケットを、スライド機構を介して中間引戸に対して摺動自在に連結し、このブラケットを弾性体で外側に向かって付勢するので、無端状ワイヤを弛ませる方向に第一引戸や第二引戸から負荷がかかる状態においても、弾性体で付勢されるブラケットを介してプーリを速やかに外側方向にスライドさせて、プーリに掛けられた無端状ワイヤが脱落するのを確実に阻止できる。
さらに、第3の側面にかかる連動引戸用の連動装置によれば、付勢機構が、ブラケットを摺動自在に連結してなる固定部材を備えて、固定部材に対してブラケットを所定の方向に付勢するように弾性体を配置してプーリユニットを構成し、プーリユニットを中間引戸に固定して第一プーリまたは第二プーリを定位置に配置することができる。
上記構成によると、プーリを回転自在に支持するブラケットを、固定部材に対して所定の方向に付勢するように弾性体を配置してプーリユニットを構成し、このプーリユニットを中間引戸に固定することで第一プーリまたは第二プーリを定位置に配置するので、第一プーリや第二プーリを簡単かつ容易に、しかも所定の付勢状態で確実に定位置に配置でき、製造を簡素化して安価に多量生産できる。
さらに、第4の側面にかかる連動引戸用の連動装置によれば、弾性体はコイルスプリングとすることができる。上記構成によると、弾性体をコイルスプリングとして、ブラケットを外側に向かって付勢するので、弾性体を省スペースに配置しながら付勢機構をコンパクトにできる。
さらに、第5の側面にかかる連動引戸用の連動装置によれば、第一プーリと第二プーリに掛け渡された無端状ワイヤは、第一プーリと第二プーリの間において一対の直線部を形成し、一方の直線部に第一連結部材を固定すると共に、他方の直線部に第二連結部材を固定し、さらに、第一連結部材と第二連結部材とを、対向する一対の直線部に対して、点対称な位置に配置することができる。
上記構成により、無端状ワイヤの対向する一対の直線部に固定される第一連結部材と第二連結部材とを点対称な位置に配置することで、第一連結部材に連結される第一引戸と第二連結部材に連結される第二引戸とを、中間引戸に対して移動距離を等しくしながら互いに逆方向に移動させてスムーズに連動できる。
さらに、第6の側面にかかる連動引戸用の連動装置によれば、第一プーリまたは第二プーリは、中間引戸の摺動方向における先端面よりも外側に突出して配置することができる。
上記構成により、第一プーリと第二プーリの中心間距離を大きくすることができ、これにより第一プーリと第二プーリの間に形成される一対の直線部を長くすることができる。一対の直線部は、点対称な位置に第一連結部材と第二連結部材が固定されるので、一対の直線部を長くすることにより、第一連結部材と第二連結部材の可動範囲を広くでき、言い換えると、隣接する引戸同士が連動して摺動する範囲を広くして、連動引戸の開閉範囲を広くできる。
さらに、第7の側面にかかる連動引戸用の連動装置によれば、第一プーリと第二プーリは、中間引戸の上面に水平姿勢で配置することができる。
上記構成によると、第一プーリと第二プーリとを、中間引戸の上面に水平姿勢で配置するので、連動装置を中間引戸の上端であって、ユーザーから見えない部分に配置でき、外観を良くできる特徴がある。
さらにまた、第8の側面にかかる連動引戸用の連動装置によれば、さらに、第一プーリと第二プーリの間に配置された中間プーリを備え、第二プーリは、共通の回転軸上に設けられた2つのサブプーリを備え、無端状ワイヤを、一方のサブプーリから中間プーリを経由して他方のサブプーリに掛け渡すことができる。
上記構成によると、第一プーリと第二プーリに掛け渡した無端状ワイヤを、第二プーリのサブプーリを介して中間プーリに掛け渡すので、無端状ワイヤを一定の長さとしながら、第一プーリと第二プーリの中心間距離を第二プーリと中間プーリの中心間距離で調整できる。言い換えると、無限軌道を構成する1本の無端状ワイヤの軌跡を、第一プーリと第二プーリとの間に形成される第1の軌跡と、第二プーリと中間プーリとの間に形成される第2の軌跡とで構成するので、無端状ワイヤを所定の長さとしながら、第1の軌跡の全長を第2の軌跡の全長で調整できる。このように、第一プーリと第二プーリの間隔を中間プーリの連結位置で調整する構造は、横幅が異なる引戸に対して連動装置を設置する場合においても、無端状ワイヤの長さを変更することなく、第一プーリと第二プーリを中間引戸の最適な位置に簡単かつ容易に配置できる。とくに、この連動引戸用の連動装置は、第二プーリを共通の回転軸上に設けた2つのサブプーリで構成して、一方のサブプーリから中間プーリを経由して他方のサブプーリに無端状ワイヤを掛け渡すので、2つのサブプーリを省スペースに配置しながら、第一プーリと第二プーリと中間プーリとに無端状ワイヤを掛け渡すことができる。
本発明の第9の側面にかかる連動引戸は、戸枠に引き違い開閉可能に配置された3枚の引戸と、3枚の引戸を連動して相対的に摺動させるよう構成された連動装置とを備える連動引戸であって、3枚の引戸は、中間に配置されて連動装置が配設される中間引戸と、中間引戸の第1の対向面に対向して配置される第一引戸と、中間引戸の第2の対向面に対向して配置される第二引戸とからなり、連動装置は、中間引戸の上端部又は下端部に、引戸の摺動方向に離間して設けた第一プーリ及び第二プーリと、第一プーリと第二プーリとの間に掛け渡されて、無限軌道を構成する無端状ワイヤと、第一引戸を無端状ワイヤに連結する第一連結部材と、第二引戸を無端状ワイヤに連結する第二連結部材と、第一プーリまたは第二プーリを、引戸の摺動方向であって外側に向かって付勢して、無端状ワイヤに張力を付加する付勢機構とを備えることを特徴とする。
以上の連動引戸によれば、連動引戸の開閉時において、中間引戸に離間して設けた第一プーリと第二プーリの間に掛け渡された無端状ワイヤが、衝突等の衝撃によってプーリから外れるのを有効に防止できる特長がある。それは、以上の連動引戸が、中間引戸に設けた第一プーリまたは第二プーリを、引戸の摺動方向であって外側に向かって付勢して、無端状ワイヤに張力を付加する付勢機構を備えているからである。以上の連動引戸は、3枚の引戸が連動して相対的に摺動される状態で、中間引戸が障害物等により移動が阻止された際に、摺動する他の引戸の慣性により無端状ワイヤが弛む方向に負荷を受ける状態となっても、付勢機構で外側に向かって付勢されるプーリによって無端状ワイヤの弛みを速やかに吸収して無端状ワイヤがプーリから外れるのを防止できる。とくに、付勢機構は、無端状ワイヤが掛けられたプーリを、外側に向かって直接に付勢するので、一対のプーリを離間する方向、すなわちに無端状ワイヤに生じた弛みを吸収する方向にプーリを速やかに移動させることができ、これにより無端状ワイヤの弛みを瞬時に吸収して、無端状ワイヤがプーリから外れるのを確実に防止できる。
本発明は、連動引戸を以下に限定するものではないが、以下の構成とすることができる。第10の側面にかかる連動引戸によれば、さらに、第一連結部材が第一引戸との着脱を自在とした着脱機構を備え、あるいは、第二連結部材が第二引戸との着脱を自在とした着脱機構を備えることができる。
また、第11の側面にかかる連動引戸によれば、第一引戸と第二引戸は、少なくとも一方が固定端側引戸として戸枠に固定可能であって、他方を開閉端側引戸として戸枠に沿って移動可能としており、第一プーリまたは第二プーリのうち、開閉端側に配置されるプーリを付勢機構で付勢することができる。
さらに、第12の側面にかかる連動引戸によれば、連動引戸は、収納部の前面開口部を開閉自在に閉塞するように構成されて、第一引戸を中間引戸の前方であって収納部の手前側に配置し、第二引戸を中間引戸の後方であって収納部の奥側に配置し、第一引戸の戸先側に第一プーリを配置して、この第一プーリを付勢機構で付勢することができる。
上記構成によると、中間引戸の前方であって手前側に配置された第一引戸の戸先側に配置される第一プーリを付勢機構で外側に付勢するので、第一引戸を閉方向に閉じる際に死角となる領域に障害物が存在する場合においても、第一プーリにおける無端状ワイヤの脱落を有効に防止できる。
本発明の実施形態1に係る連動引戸の閉状態を示す正面図である。 図1に示す連動引戸のII−II線断面図である。 図2に示す連動引戸のIII−III線一部拡大断面図である。 図3に示す連動引戸の要部拡大断面図である。 図2に示す連動引戸の開状態の一例を示す水平断面図である。 図2に示す連動引戸の開状態の他の一例を示す水平断面図である。 図1に示す連動引戸の連動装置の正面図である。 図7に示す連動装置の平面図である。 図7に示す連動装置の第一プーリと付勢機構を示す拡大断面図である。 図9に示す付勢機構であって、第一プーリに無端状ワイヤを張設しない状態を示す断面図である。 図7に示す連動装置の第二プーリを示す拡大断面図である。ロック機構の動作を示す概略図である。 付勢機構の他の一例を示す断面図である。 着脱機構の一例を示す分解斜視図である。 図13に示す着脱機構の背面斜視図である。 本発明の実施形態2に係る連動引戸の連動装置の正面図である。 図15に示す連動装置の平面図である。 ロック機構の一例を示す概略図である。 図17に示すロック機構のロック状態を示す概略図である。 図18に示すロック機構を解除するロック解除機構の一例を示す概略断面図である。 図19に示すロック解除機構がロック状態を解除する状態を示す概略断面図である。 図19に示すロック解除機構のXXI−XXI線断面図である。 従来の3枚の連動引戸を示す分解斜視図である。 従来の連動引戸の無端状ワイヤがプーリから外れる原理の一例を示す概略図である。 従来の連動引戸の無端状ワイヤがプーリから外れる原理の他の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態に係る連動引戸用の連動装置及びこれを備える連動引戸を、図面に基づいて説明する。ただ、以下に示す例は、本発明の技術思想を具体化するための連動引戸用の連動装置及びこれを備える連動引戸を例示するものであって、連動引戸用の連動装置及びこれを備える連動引戸を以下のものに限定するものではない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
本発明の連動引戸用の連動装置とこれを備える連動引戸は、例えば食器棚や本棚等の収納棚の収納部の前面開口部を開閉自在に閉塞する連動引戸として用いられ、あるいは、建物の壁や間仕切り等に設けた開口部を開閉自在に閉塞する連動引戸として用いられる。以下、本発明の実施形態1及び実施形態2にかかる連動引戸用の連動装置及び連動引戸として、収納棚の収納部の前面開口部を開閉自在に閉塞する3枚の引戸を備える連動引戸について詳述する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る連動装置が設けられた連動引戸を図1〜図8に示す。各図において、図1は本発明の実施形態1に係る連動引戸を閉じた状態を示す正面図、図2は図1に示す連動引戸のII−II線水平断面図、図3は図2に示す連動引戸のIII−III線一部拡大断面図、図4は図3に示す連動引戸の要部拡大断面図、図5は図2に示す連動引戸を左側に開いた状態を示す水平断面図、図6は図2に示す連動引戸を右側に開いた状態を示す水平断面図、図7は図1に示す連動引戸の連動装置を示す拡大正面図、図8は図7に示す連動装置の平面図をそれぞれ示している。
(連動引戸100)
図1〜図8に示す連動引戸100は、収納棚80の前面を開閉自在に閉塞する引き違い引戸として使用する一例を示している。図に示す収納棚80は、内側に収納部81を備えると共に、この収納部81の前面開口部の外周に沿って戸枠70を設けて、この戸枠70に開閉自在に連動引戸100を配置している。図の連動引戸100は、戸枠70に開閉可能に配置された3枚の引戸1と、3枚の引戸1を連動して相対的に摺動させるように構成された連動装置10とを備えている。戸枠70は、上下の横枠71を左右の縦枠72で連結してなる方形状の枠形に形成されており、3枚の引戸1を上下の横枠71に沿って水平方向に摺動できるように配置している。
(引戸1)
3枚の引戸1は、中間に配置される中間引戸1Mと、中間引戸1Mの第1の対向面1a側に配置される第一引戸1Aと、中間引戸1Mの第2の対向面1b側に配置される第二引戸1Bとからなる。図に示す引戸1は、四方を木製の枠体85で囲む構造として、枠体85の中央部に設けた開口部に中央パネル86を配置する構造としている。この引戸1は、中央パネル86を透明なガラス板として、収納部81の内部を外部から視認できる構造にでき、あるいは、中央パネル86を磨りガラスや化粧板として種々の装飾を施すこともできる。
図1に示す3枚の引戸1は、下面の両端部にキャスタ87が取り付けられている。また、戸枠70の下枠71Bには、図3の断面図に示すように、引戸1の各キャスタ87が走行するトラックとして3列の走行レーン73が形成されている。さらに、上枠71Aには、図4の拡大断面図に示すように、3枚の引戸1の各上端を支持する3列の溝部74が形成されている。以上の引戸1は、下枠71Bに設けた走行レーン73上でキャスタ87を走行させることで、上下の横枠71に沿って摺動させる構造としている。ただ、引戸は、下面にキャスタを設けることなく、吊り下げ式とすることもできる。この引戸は、上面にキャスタを設けて、戸枠の上枠に設けた走行レーンに沿って摺動させることができる。なお、本明細書において、「引戸を摺動させる」とは、キャスタを走行レーンに沿って走行させて引戸を移動させる状態を含む広い意味で使用する。
図1と図2に示す連動引戸100は、3枚の引戸1を展開して広げて、収納部81の前面開口部を閉塞する閉状態を示している。これらの図に示す連動引戸100は、中間引戸1Mを中央にして、中間引戸1Mの前方であって収納棚81の手前側(図3において右側)に第一引戸1Aを配置し、中間引戸1Mの後方であって収納棚80の奥側(図3において左側)に第二引戸1Bを配置している。図1と図2の連動引戸100は、中間引戸1Mの前方に配置される第一引戸1Aの摺動領域を、中間引戸1Mに対して右側の領域とし、中間引戸1Mの後方に配置される第二引戸1Bの摺動領域を、中間引戸1Mに対して左側の領域としている。この連動引戸100は、3枚の引戸1が閉じられた閉状態では、中間引戸1Mの右側端部と第一引戸1Aの左側端部とが重なり、中間引戸1Mの左側端部と第二引戸1Bの右側端部とが重なり、左右方向に連なった状態となって収納部81の前面であって、戸枠70の全面を閉塞している。また、連動引戸100は、収納部81の前面開口部を開放する開状態では、中間引戸1Mと第一引戸1Aと第二引戸1Bとが左右いずれかの縦枠72に向かって移動されて、互いに重なり合う積層状態に収納される。すなわち、連動引戸100は、図5に示すように、3枚の引戸1が左側の第2縦枠72Bに移動する状態では、収納部81の中央部及び右側部が開放され、図6に示すように、3枚の引戸1が右側の第1縦枠72Aに移動する状態では、収納部81の中央部及び左側部が開放される。
(連動装置10)
連動装置10は、3枚の引戸1のうち、中間に位置する中間引戸1Mの上端部又は下端部に配置されて、3枚の引戸1を連動して移動できるように第一引戸1Aと第二引戸1Bに連結される。図1〜図8に示す連動引戸100は、中間引戸1Mの上面1cに連動装置10を配置している。図の連動装置10は、中間引戸1Mの上面1cに沿って、引戸1の摺動方向に離間して設けた第一プーリ11及び第二プーリ12と、第一プーリ11と第二プーリ12の間に掛け渡された無端状ワイヤ13と、第一引戸1Aを無端状ワイヤ13に連結する第一連結部材14と、第二引戸1Bを無端状ワイヤ13に連結する第二連結部材15と、第一プーリ11を引戸1の摺動方向であって外側に向かって付勢する付勢機構20とを備えている。
(第一プーリ11、第二プーリ12)
第一プーリ11と第二プーリ12は、中間引戸1Mの上面1cであって、長手方向の両端に位置して配置している。第一プーリ11と第二プーリ12は、中間引戸1Mの上面1cに対して平行な水平姿勢で回転自在に配置している。言い換えると、第一プーリ11と第二プーリ12は、その回転軸29が中間引戸1Mの上面に対して垂直姿勢となるように配置している。図7と図8に示す第一プーリ11と第二プーリ12は、回転軸29が固定されたブラケット21、22を介して中間引戸1Mの上面1cに固定している。
第一プーリ11は、中間引戸1Mの上面1cの第1の端部1xであって、第一引戸1Aが中間引戸1Mに対して摺動される側(図2及び図8において右側)の端部に配置している。第二プーリ12は、中間引戸1Mの上面1cの第2の端部1yであって、第二引戸1Bが中間引戸1Mに対して摺動される側(図2及び図8において左側)の端部に配置している。図に示す第一プーリ11と第二プーリ12は、中間引戸1Mの摺動方向における先端面よりも外側に突出して配置している。第一プーリ11と第二プーリ12とを中間引戸1Mの先端面から外側に突出して配置するために、図に示す連動装置10は、第一プーリ11が連結されたブラケット21と第二プーリ12が連結されたブラケット22を、それぞれ中間引戸1Mの両端の先端面から突出させる姿勢で中間引戸1Mの上面1cに固定している。
第一プーリ11と第二プーリ12は、図8の平面図に示すように、その外径を中間引戸1Mの厚みよりやや大きくしており、第一プーリ11と第二プーリ12に掛け渡される無端状ワイヤ13の直線部13A、13Bを、中間引戸1Mの両側の対向面に接近して配置している。ただ、第一プーリ11と第二プーリ12は、その外径を中間引戸1Mの厚みとほぼ等しくし、あるいはやや小さくすることもできる。この構造によると、第一プーリ11と第二プーリ12を中間引戸1Mの厚さの範囲内に収めることができる。
(ブラケット21、22)
図7〜図11に示すブラケット21、22は金属プレートで、その横幅を引戸1の厚さとほぼ等しくする所定の幅で、中間引戸1Mの摺動方向に延長された板状として、中間引戸1Mの上面に固定している。ブラケット21、22は、先端部にプーリを支持する回転軸29を立設して設けて、この回転軸29にプーリを連結すると共に、後部を中間引戸1Mの上面に固定している。さらに、図に示すブラケット21、22は、プーリよりも先端側に、無端状ワイヤ13がプーリから外れるのを抑制する脱落防止部23を設けている。
ブラケット21は、図9と図10に示すように、先端部に設けた回転軸29に第一プーリ11を回転自在に連結しており、中間引戸1Mの上面1cの第1の端部1xに固定されている。さらに、ブラケット21は、第一プーリ11よりも先端側において、上方に垂直に折曲された折曲片21aを両側に設けると共に、これらの折曲片21aを第一プーリ11の外周面に接近させて無端状ワイヤ13の脱落防止部23としている。このブラケット21は、詳細には後述するが、付勢機構20を介して中間引戸1Mの上面1cに連結されている。
ブラケット22は、図11に示すように、先端部に設けた回転軸29に第二プーリ12を回転自在に連結しており、中間引戸1Mの上面1cの第2の端部1yに固定されている。さらに、ブラケット22は、第二プーリ11よりも先端側において、上方に垂直に折曲された折曲片22aを両側に設けると共に、これらの折曲片22aを第二プーリ12の外周面に接近させて無端状ワイヤ13の脱落防止部23としている。さらに、ブラケット22は、先端縁において、上方に垂直に折曲された折曲片22bを設けて、ストッパ部24としている。このブラケット22は、中間引戸1Mが摺動されて、第二の端部1yが縦枠72に接近する状態で、先端面から突出するブラケット22のストッパ部24を縦枠72の内面に当接させて停止することができる。以上のブラケット22は、後部を貫通する止ネジ39を介して、中間引戸1Mの上面1cに固定している。
図7及び図8の連動引戸100は、ブラケット21、22の先端部を中間引戸1Mの上面1cの両端よりも外側に突出する状態で配置して、第一プーリ11と第二プーリ12を中間引戸1Mの先端面よりも外側に配置している。このように中間引戸1Mの両端の先端面から突出する姿勢で第一プーリ11と第二プーリ12とを配置する構造は、第一プーリ11と第二プーリ12との中心間距離(L1)を長く取ることができ、第一プーリ11と第二プーリ12に掛け渡される無端状ワイヤ13の対向する直線部13A、13Bを長くすることができる。このため、無端状ワイヤ13に固定された第一連結部材14及び第二連結部材15が移動する範囲を、中間引戸1Mの上面1cの長手方向のほぼ全域とすることができる。これによって、連動引戸100を閉じた状態から開いた状態まで、中間引戸1Mに対して第一引戸1Aと第二引戸1Bを移動させる範囲を広くして、3枚の引戸1による開閉領域を広くできる。このことは、各引戸1の横幅を広くすることなく、連動引戸100の開閉領域を広くすることを意味しており、各引戸1を低コストにしながら開閉領域を広くでき、しかも連動引戸100全体を軽量にできる。
なお、第一プーリと第二プーリは、必ずしも中間引戸の先端面よりも外側に突出する状態で配置する構造には特定しない。第一プーリと第二プーリは、中間引戸の両端の先端面よりも内側に配置することもできるからである。
(無端状ワイヤ13)
無端状ワイヤ13は、図8に示すように、第一プーリ11と第二プーリ12との間に掛け渡されて無限軌道を構成している。無端状ワイヤ13は、金属製のワイヤであって、好ましくは複数の鋼線を撚って1本の線材としたものが使用できる。鋼線の撚り線からなる無端状ワイヤ13は、両端を連結して無限軌道を形成している。第一プーリ11と第二プーリ12に掛け渡される無端状ワイヤ13は、第一プーリ11と第二プーリ12の間において、一対の直線部13A、13Bを形成している。一対の直線部13A、13Bは、中間引戸1Mの両側の対向面に沿って配置されており、無端状ワイヤ13が移動する状態では、互いに逆方向に移動するように構成される。
以上の例では、無端状ワイヤ13に金属製のワイヤを用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。無端状ワイヤは、プーリ間の滑りを防止するために、金属製のワイヤに代えて、あるいはこれに加えて、例えば、タイミングベルトを使用することもできる。
(第一連結部材14、第二連結部材15)
図8の無端状ワイヤ13は、一方の直線部であって、第1の対向面1a側に配置される直線部13Aに第一連結部材14を介して第一引戸1Aを連結し、他方の直線部であって、第2の対向面1b側に配置される直線部13Bに第二連結部材15を介して第二引戸1Bを連結している。第一連結部材14と第二連結部材15は、無端状ワイヤ13の平面視において、細長いトラック状に張られた無端状ワイヤ13の点対称の位置に固定している。この構成によって、第一引戸1A又は第二引戸1Bが中間引戸1Mに対して相対的に移動すると、対向する直線部13A、13Bに固定された第一連結部材14と第二連結部材15が、第一プーリ11と第二プーリ12で形成されたトラック状の軌道の直線部分に沿って、すなわち、直線部13A、13Bの軌跡に沿って移動する。この結果、対向する直線部13A、13Bに固定された第一連結部材14と第二連結部材15が互いに逆方向に同じ距離だけ移動し、第一引戸1Aと第二引戸1Bが中間引戸1Mに対して相対的に同じ距離だけ移動する。このように、第一引戸1Aと第二引戸1Bが中間引戸1Mに対して互いに逆方向に相対的に移動することで、3枚の引戸1は互いに連動して摺動し、開閉される。
第一連結部材14は、図8に示すように、中間引戸1Mの第1の対向面1a側に配置されており、第一引戸1Aを無端状ワイヤ13の第1の対向面1a側の直線部13Aに連結している。第一連結部材14は、図4に示すように、第一引戸1Aに連結するための引戸連結部16と、無端状ワイヤ13に連結するためのワイヤ連結部17とを備える。引戸連結部16とワイヤ連結部17は一体的に形成でき、例えば、第一連結部材14は、金属製の平板を折曲加工して引戸連結部16とワイヤ連結部17とを形成している。
第一連結部材14は、引戸連結部16を第一引戸1Aの対向面の上端部であって、第2縦枠72B側の端部に連結している。この連結位置は、図2及び図8に示す閉状態では、第一プーリ11を設けた第1の端部1xと対向する端部となり、図5及び図6に示す開状態では、第二プーリ12を設けた第2の端部1yと対向する端部となる。また、ワイヤ連結部17を無端状ワイヤ13の直線部13Aに連結する位置は、図2及び図8に示す閉状態では第一プーリ11の近傍に位置し、図5及び図6に示す開状態では第二プーリ12の近傍に位置するように特定される。
第二連結部材15は、図8に示すように、中間引戸1Mの第2の対向面1b側に配置されており、第二引戸1Bを無端状ワイヤ13の第2の対向面1b側の直線部13Bに連結している。第二連結部材15は、図4に示すように、第二引戸1Bに連結するための引戸連結部16と、無端状ワイヤ13に連結するためのワイヤ連結部17とを備える。この第二連結部材15には、前述の第一連結部材14と同じものが使用でき、金属製の平板を折曲加工して引戸連結部16とワイヤ連結部17とを形成している。
第二連結部材15は、引戸連結部16を第二引戸1Bの対向面の上端部であって、第1縦枠72A側の端部に連結している。この連結位置は、図2及び図8に示す閉状態では、第二プーリ12を設けた第2の端部1yと対向する端部となり、図5及び図6に示す開状態では、第一プーリ11を設けた第1の端部1xと対向する端部となる。また、ワイヤ連結部17を無端状ワイヤ13の直線部13Bに連結する位置は、図2及び図8に示す閉状態では第二プーリ12の近傍に位置し、図5及び図6に示す開状態では第一プーリ11の近傍に位置するように特定される。
第一連結部材14及び第二連結部材15は、引戸連結部16を第一引戸1Aや第二引戸1Bに着脱自在な構造で連結することができる。第一連結部材14及び第二連結部材15は、詳細には後述するが、着脱自在な着脱機構50を介して第一引戸1Aや第二引戸1Bにされる。ただ、引戸連結部は、ネジ止めにより第一引戸や第二引戸に固定することもできる。また、第一連結部材14及び第二連結部材15は、ワイヤ連結部17の先端部をかしめて無端状ワイヤ13に固定している。ただ、ワイヤ連結部の連結構造は、かしめ構造に限定しない。ワイヤ連結部は、例えば、無端状ワイヤを金属板で挟み込んで固定することもできる。
なお、中間引戸1Mに対して第一引戸1A、第二引戸1Bを移動させるとき、第一引戸1A、第二引戸1Bがオーバーランして、第一引戸1A、第二引戸1Bを無端状ワイヤ13にそれぞれ連結している第一連結部材14、第二連結部材15が第一プーリ11や第二プーリ12に乗り上がることを防止するために、中間引戸1Mの第1の対向面1a側に第一引戸1Aのオーバーランを防止するストッパ(図示せず)を設け、中間引戸1Mの第2の対向面1b側に第二引戸1Bのオーバーランを防止するストッパ(図示せず)を設けることもできる。
(付勢機構20)
第一プーリ11と第二プーリ12に掛け渡された無端状ワイヤ13は、付勢機構20によって張力が付加されている。付勢機構20は、第一プーリ11または第二プーリ12を、互いに離間する方向、すなわち、中間引戸1Mの摺動方向であって外側に向かって付勢することにより無端状ワイヤ13に張力を付加している。図7と図8に示す連動装置10は、中間引戸1Mの第1の端部1xに設けた第一プーリ11を付勢機構20で外側に向かって付勢する構造としている。ただ、連動装置は、中間引戸の第2の端部に設けた第二プーリを付勢機構で外側に向かって付勢することも、第一プーリと第2プーリの両方を付勢機構で付勢する構造とすることもできる。
図7〜図10に示す付勢機構20は、第一プーリ11を回転自在に支持するブラケット21と、このブラケット21を中間引戸1Mに対して、引戸1の摺動方向に摺動自在に連結するスライド機構26と、ブラケット21を中間引戸1Mの摺動方向であって外側に向かって付勢する弾性体27とを備えている。図に示す付勢機構20は、ブラケット21を摺動自在に連結してなる固定部材28を備えており、この固定部材28に対してブラケット21を所定の方向に付勢するように弾性体27を配置している。
(ブラケット21)
ブラケット21は、前述のように、金属プレートの先端部の上面側に回転自在に第一プーリ11を連結している。図9及び図10のブラケット21は、金属プレートの後部を摺動部21Aとして、中間引戸1Mの上面1cに固定された固定部材28に対して摺動できるように、スライド機構26を介して固定部材28に連結している。さらに、図に示すブラケット21は、第一プーリ11よりも先端側において、中央部を下方に垂直に折曲して折曲片21bを設けており、この折曲片21bを弾性体27で押圧される押圧部25としている。
(スライド機構26)
スライド機構26は、ブラケット21を引戸1の摺動方向に摺動自在に連結している。図8〜図10に示すスライド機構26は、中間引戸1Mの上面1cに固定される固定部材28に対して、往復運動できるようにブラケット21を連結している。図のスライド機構26は、ブラケット21の摺動部21Aに設けたガイドスリット31と、このガイドスリット31に案内されて、ブラケット21を固定部材28に固定する連結ガイド部32とを備えている。
ガイドスリット31は、ブラケット21の後部に設けた摺動部21Aの中央部に、所定のスリット幅で長手方向に延長して開口して設けている。連結ガイド部32は、ガイドスリット31を貫通する状態で固定部材28に固定されて、ブラケット21を固定部材28に対して外れないように連結する。図9と図10に示す連結ガイド部32は、円柱状の軸部33Aの後端に頭部33Bを連結してなるガイドピン33としている。このガイドピン33は、軸部33Aの外径をガイドスリット31のスリット幅よりもわずかに小さくすると共に、頭部33Bの外形をガイドスリット31のスリット幅よりも大きくしている。このガイドピン33は、軸部をガイドスリット31に貫通させて固定部材28に固定することにより、頭部と固定部材28とでブラケット21を挟着して外れないように連結すると共に、ガイドスリット31に沿ってガイドピン33を相対的に移動させる状態で、ブラケット21を固定部材28に対して往復運動できるようにしている。図に示すスライド機構26は、ガイドスリット31の延長方向に離間して2本のガイドピン33を固定しており、これによりスライド機構26の方向性を高めている。以上のスライド機構26は、簡単な構造でブラケット21を固定部材28に対して摺動自在に連結できる。ただ、スライド機構は、ブラケットを中間引戸の上面に沿って引戸の摺動方向に往復運動できる他の全ての機構が採用できる。
(弾性体27)
弾性体27は、ブラケット21を、中間引戸1Mの摺動方向であって外側に向かって付勢する。図9と図10に示す弾性体27は、ブラケット21を固定部材28に対して所定の方向に付勢している。弾性体27には、コイルスプリング27Aが使用できる。図に示すコイルスプリング27Aは押しバネで、一端を固定部材28に、他端をブラケット21に連結して、コイルスプリング27Aの弾性力でブラケット21を外側方向に付勢するようにしている。ただ、弾性体であるコイルスプリングには、詳細には後述するが、引きバネを使用することもできる。また、弾性体は、コイルスプリングには限定せず、ゴム状弾性体や板バネ等を使用することもできる。
(固定部材28)
固定部材28は、中間引戸1Mの上面1cに固定されており、スライド機構26を介してブラケット21を摺動自在に連結している。図9と図10に示す固定部材28は、中間引戸1Mの摺動方向に延長された板状の金属プレートで、その横幅を引戸1の厚さとほぼ等しくしている。板状の固定部材28は、中間引戸1Mの上面1cに配置される部分を固定部28Aとして、止ネジ39を介して中間引戸1Mの上面1cに固定している。板状の固定部材28は、固定部28Aの上面にブラケット21の摺動部21Aを積層して配置している。
さらに、固定部材28は、その先端部に、弾性体27であるコイルスプリング27Aを定位置に配置するための保持部28Bを設けている。図9と図10に示す保持部28Bは、中間引戸1Mの上面1cに固定される固定部28Aの先端縁に連結されて、中間引戸1Mの先端面に沿って下方に折曲された降下部28aと、降下部28aの下端縁に連結されて水平方向に折曲された水平部28bと、水平部28bの先端縁に連結されて上方に折曲された立上部28cとからなる。この保持部28Bは、降下部28aと水平部28bと立上部28cとにより、側面視をコ字状とする上方開口の保持スペース28Cを形成しており、この保持スペース28Cの内側に弾性体27であるコイルスプリング27Aを水平姿勢で配置している。図に示す保持部28Bは、互いに対向する降下部28aと立上部28cとを連結する中心ロッド34を備えており、この中心ロッド34をコイルスプリング27Aの中心に挿通して、コイルスプリング27Aを中心ロッド34の周囲に配置している。これにより、コイルスプリング27Aを中心ロッド34に沿って伸縮できるようにしている。
図9と図10に示す中心ロッド34は、後端にネジ頭を有するボルト35で構成しており、このボルト35を立上部28cに貫通して設けたねじ穴にねじ込むことにより、立上部28cに固定している。さらに、ボルト35は、その先端を降下部28aの中心穴に挿入しており、ボルト35のネジ部を降下部28aと立上部28cの間に配置して中心ロッド34としている。図の固定部材28は、保持部28Bの先端であって、立上部28cに挿通されたボルト35の頭部をストッパ部としている。この固定部材28は、中間引戸1Mが摺動されて第一の端部1xが縦枠72に接近する状態で、中間引戸1Mの先端面から突出する保持部28Bの先端をストッパ部として縦枠72の内面に当接させて、中間引戸1Mの移動を停止することができる。
さらに、図9と図10の付勢機構20は、固定部材28の対向する降下部28aと立上部28cの間に、ブラケット21の先端部に設けた押圧部25を配置すると共に、この押圧部25にも中心ロッド34を貫通させている。図に示す押圧部25は、中央部に貫通孔25aを開口しており、この貫通孔25aに中心ロッド34を挿通して、押圧部25を中心ロッド34に沿ってスライド移動できるようにしている。このように、中心ロッド34は、コイルスプリング27Aを水平姿勢に保持して伸縮方向を安定させるためのガイドとして機能させるだけでなく、固定部材28に対して摺動するブラケット21の先端側に設けた押圧部25のスライドガイドとしても機能させている。これにより、ブラケット21をより安定して中間引戸1Mの摺動方向にスライドできる。
中心ロッド34に挿通されるコイルスプリング27Aは、保持スペース28Cの内側において、保持部28Bの降下部28aと、ブラケット21の押圧部25との間に配置している。押しバネであるコイルプリング27Aは、一端を固定部材28の降下部28aの内側に配置し、他端をブラケット21の押圧部25の内側に配置している。コイルスプリング27Aは、図9に示すように、弾性変形する収縮状態において、押圧部25を中間引戸1Mの先端面から離れる外側方向に押圧して、ブラケット21に連結された第一プーリ11を中間引戸1Mの先端面から離れる方向に付勢して無端状ワイヤ13に張力を付加する。第一プーリ11が無端状ワイヤ13に張力を付加できるようにするために、第一プーリ11に無端状ワイヤ13を掛け渡す状態では、コイルスプリング27Aが自然長よりも短くなるように弾性変形されて、第一プーリ11が連結されたブラケット21を外側に向かって移動する方向に付勢する構造としている。
なお、付勢機構20は、第一プーリ11に無端状ワイヤ13を張設しない状態では、図10に示すように、自然長に復元するコイルスプリング27Aで押圧される押圧部25が固定部材28の立上部28cに接近し、第一プーリ11に無端状ワイヤ13を掛け渡す状態では、図9に示すように、第一プーリ11を第二プーリ12に向かって移動させて、コイルスプリング27Aを収縮する状態として、コイルスプリング27Aの弾性力により第一プーリ11を外側方向に付勢して無端状ワイヤ13に張力を付加できるようにする。具体的には、第一プーリ11と第二プーリ12の間に無端状ワイヤ13を掛け渡さない状態では、コイルスプリング27Aの復元力により押圧部25が立上部28cに接近ないし当接するようにコイルスプリング27Aの長さを調整する。そして、第一プーリ11と第二プーリ12との間に無端状ワイヤ13を掛け渡す状態では、収縮するコイルスプリング27Aの復元力により第一プーリ11が弾性的に外側方向に付勢されるように、無端状ワイヤ13の張設状態を調整する。以上のように、付勢機構20は、第一プーリ11と第二プーリ12に無端状ワイヤ13を掛け渡した状態で、収縮するコイルスプリング27Aの復元力によりブラケット21を外側に向かって付勢し、ブラケット21に固定された第一プーリ11を介して無端状ワイヤ13に張力を付勢するように調整される。
図9と図10に示す付勢機構20は、第一プーリ11を固定したブラケット21をスライド自在に固定部材28に連結すると共に、このブラケット21を固定部材28に対してスライド方向に離れるように付勢する弾性体27を配置してなるプーリユニット19として中間引戸1Mの上面1cに配置している。すなわち、第一プーリ11を固定したブラケット21と固定部材28と弾性体27とを一体的に連結することで、付勢機構20を備えるプーリユニット19を構成している。このプーリユニット19は、固定部材28の固定部28Aを止ネジ39を介して中間引戸1Mに固定することで、付勢機構20を介して第一プーリ11を定位置に配置できる。このように、プーリが固定されるブラケットと付勢機構20とを備えるプーリユニット19を構成することで、付勢機構20の安定した動作を保証しながら、連動引戸の組み立てを簡単にして製造コストを低減できる特徴がある。
(付勢機構の他の例)
以上の例では、弾性体27として押しバネであるコイルスプリング27Aを備える付勢機構20を示しているが、コイルスプリングは引きバネとすることもできる。コイルスプリングを引きバネとする付勢機構の一例を図12に示す。図12に示す付勢機構40は、第一プーリ11を回転自在に支持するブラケット41をスライド機構26を介して摺動自在に固定部材48に連結すると共に、このブラケット41を、引きバネであるコイルスプリング27Bを介して、中間引戸1Mの摺動方向であって外側に向かって付勢している。このブラケット41は、先端部に設けた回転軸29に第一プーリ11を回転自在に連結すると共に、第一プーリ11よりも先端側には、上方に垂直に折曲された折曲片41aを両側に設けて脱落防止部23とし、さらに、先端縁に上方に折曲された折曲片41bを設けてストッパ部24としている。さらに、このブラケット41は、引きバネであるコイルスプリング27Bの一端を連結するために、後端に断面視L字状に折曲された折曲片41cを設けて連結部42としている。
さらに、図12の固定部材48は、コイルスプリング27Bの他端を連結するための連結固定部43を、スライド機構26のガイドスリット31の中央部に立設して設けている。図に示す連結固定部43は、コイルスプリング27Bの他端を連結可能な固定ピンとしている。ただ、連結固定部は、固定部材に設けた折曲片や固定壁としてガイドスリットに配置することができる。さらに、ガイドスリットに配置される連結固定部は、スライド機構のガイドピンに兼用することもできる。
図12に示す付勢機構40は、コイルプリング27Bの一端をブラケット41の連結部42に、他端を固定部材48に固定された連結固定部43にそれぞれ連結している。引きバネであるコイルスプリング27Bは、図12に示すように、弾性変形する伸長状態において、固定部材48に対して摺動自在に連結されたブラケット41の連結部42に引張り力を作用させる。これにより、ブラケット41に連結された第一プーリ11を中間引戸1Mの摺動方向であって外側方向に付勢して無端状ワイヤ13に張力を付加する。第一プーリ11が無端状ワイヤ13に張力を付加できるようにするために、第一プーリ11に無端状ワイヤ13を掛け渡す状態では、図12で示すように、コイルスプリング27Bが自然長から長くなる方向に弾性変形されて、第一プーリ11が連結されたブラケット41を外側に向かって移動する方向に付勢する構造としている。
なお、付勢機構40は、第一プーリ11に無端状ワイヤ13を張設しない状態では、自然長に復元するコイルスプリング27Bに付勢されるブラケット41のガイドスリット31の一端(図において左端)が連結ガイド部に32に接近し、第一プーリ11に無端状ワイヤ13を掛け渡す状態では、図12に示すように、第一プーリ11を第二プーリ12に向かって移動させて、コイルスプリング27Bを伸長する状態として、コイルスプリング27Bの弾性力により第一プーリ11を外側方向に付勢して無端状ワイヤ13に張力を付加できるようにする。具体的には、第一プーリ11と第二プーリ12の間に無端状ワイヤ13を掛け渡さない状態では、コイルスプリング27Bの復元力により、ブラケット41のガイドスリット31の一端(図において左端)が連結ガイド部に32に接近ないし当接するようにコイルスプリング27Bの長さを調整する。そして、第一プーリ11と第二プーリ12との間に無端状ワイヤ13を掛け渡す状態では、伸長するコイルスプリング27Bの復元力により第一プーリ11が弾性的に外側方向に付勢されるように、無端状ワイヤ13の張設状態を調整する。以上のように、付勢機構40は、第一プーリ11と第二プーリ12に無端状ワイヤ13を掛け渡した状態で、伸長するコイルスプリング27Bの復元力によりブラケット41を外側に向かって付勢し、ブラケット41に固定された第一プーリ11を介して無端状ワイヤ13に張力を付勢するように調整される。
以上の付勢機構40も、第一プーリ11を固定したブラケット41をスライド自在に固定部材48に連結すると共に、このブラケット41を固定部材48に対して離れる方向に付勢する弾性体27を配置してなるプーリユニット49として中間引戸1Mの上面1cに配置している。すなわち、第一プーリ11を固定したブラケット41と固定部材48と弾性体27とを一体的に連結することで、付勢機構40を備えるプーリユニット49を構成している。
なお、第二プーリ12を外側に向かって付勢して無端状ワイヤ13に張力を付加する付勢機構については、詳細な説明は省略するが、以上に記載する第一プーリを付勢する付勢機構と同様の構造とすることができる。
以上の連動装置10は、付勢機構20、40が、無端状ワイヤ13に張力を付加することにより、一対の直線部13A、13Bをピンと張られた状態に保持している。これにより、一対の直線部13A、13Bに連結された第一連結部材14及び第二連結部材15を安定して移動させて、中間引戸1Mの両面に配置された第一引戸1A及び第二引戸1Bを連動して相対的に摺動できる。また、以上の付勢機構20、40は、第一プーリ11を外側方向に常時付勢しており、連動引戸100を使用するにつれて、経時的に無端状ワイヤ13の張力が低下するなど、変動した場合でも、このような張力の変化に応じて弾性体27でもって一定の張力に調整できる利点が得られる。さらにまた、以上の付勢機構20、40は、第一プーリ11を回転自在に支持するブラケット21、41を、スライド機構26を介して固定部材28、48に対して摺動自在に連結し、このブラケット21、41を弾性体27で直接に外側に向かって付勢するので、無端状ワイヤ13を弛ませる方向に第一引戸1Aや第二引戸1Bから負荷がかかる状態においても、弾性体27で付勢されるブラケット21、41を介して第一プーリ11を速やかに外側方向に移動させて、第一プーリ11に掛けられた無端状ワイヤ13が外れるのを確実に阻止できる。
とくに、図1〜図3に示す連動引戸100は、収納部81の前面開口部を開閉自在に閉塞するように配置されており、第一引戸1Aを中間引戸1Mの前方であって収納部81の手前側に配置し、第二引戸1Bを中間引戸1Mの後方であって収納部81の奥側に配置すると共に、第一引戸1Aの戸先側に第一プーリ11を配置して、この第一プーリ11を付勢機構20で付勢している。以上の構造は、中間引戸1Mの前方であって手前側に配置された第一引戸1Aの戸先側に配置される第一プーリ11を付勢機構20で外側に付勢するので、第一引戸1Aを閉方向に閉じる際に死角となる領域に障害物が存在し、この障害物が中間引戸を停止させる状態においても、第一プーリにおける無端状ワイヤの脱落を有効に防止できる。言い換えると、連動引戸を閉じる際に死角ができやすい領域側に配置されるプーリに付勢機構を設けることで、このプーリに掛け渡された無端状ワイヤの脱落を有効に防止できる。
以上のように、本発明の連動装置10によれば、中間引戸1Mに離間して設けた第一プーリ11または第二プーリ12を付勢機構20でもって引戸1の摺動方向であって外側に向かって付勢するので、無端状ワイヤ13の張力を容易に調整でき、また無端状ワイヤ13に対して外部から負荷が加わる状態においても、付勢機構20によって第一プーリ11または第二プーリ12を外側方向に直接付勢するので、無端状ワイヤ13の弛みに対して速やかに反応して吸収して、無端状ワイヤ13がプーリから外れるのを確実に防止できる。
(中間プーリ18)
さらに、図7と図8に示す連動装置10は、第一プーリ11と第二プーリ12の間に、中間プーリ18を備えており、第二プーリ12に掛けられる無端状ワイヤ13を、中間プーリ18にも掛け渡している。図11に示す第二プーリ12は、中間プーリ18に無端状ワイヤ13を掛け渡すために、共通の回転軸29に対して回転自在に連結された2つのサブプーリ12A、12Bを上下に備えている。一対のサブプーリ12A、12Bは、同じ外径に形成されている。連動機構10は、第二プーリ12に掛ける無端状ワイヤ13を、一方のサブプーリ12Aから中間プーリ18を経由して他方のサブプーリ12Bに掛け渡している。これにより、無限軌道を構成する1本の無端状ワイヤ13の軌跡を、第一プーリ11と第二プーリ12との間に形成される第1の軌跡13Xと、第二プーリ12と中間プーリ18との間に形成される第2の軌跡13Yとで構成している。
中間プーリ18は、平面視において第一プーリ11及び第二プーリ12の間に張られた無端状ワイヤ13で形成される一対の直線部13A、13Bの間に位置するよう配置している。この中間プーリ18は、第一プーリ11及び第二プーリ12よりも外径を小さく形成している。これにより、中間プーリ18が、無端状ワイヤ13の直線部13A、13Bと干渉するのを防止して、無端状ワイヤをスムーズに移動できるようにしている。したがって、中間プーリ18の外径は、より好ましくは、一対の直線部13A、13Bの線間距離よりも小さく形成される。
中間プーリ18は、中間ブラケット38を介して中間引戸1Mの中央部に水平姿勢で配置している。中間ブラケット38は、金属プレートで、その横幅を引戸1の厚さより小さくする所定の幅で、中間引戸1Mの摺動方向に延長された板状として、中間引戸1Mの上面に固定している。中間ブラケット38は、中央部に中間プーリ18を支持する回転軸29を立設して設けており、この回転軸29に中間プーリ18を回転自在に連結すると共に、両端部を止ネジ39を介して中間引戸1Mの上面に固定している。
このように、第一プーリ11と第二プーリ12との間に中間プーリ18を設けて、無端状ワイヤ13の軌跡を第1の軌跡13Xと第2の軌跡13Yとで構成する構造は、無端状ワイヤ13の長さを一定の長さとしながら、第1の軌跡13Xの全長を第2の軌跡13Yの全長で調整できる。すなわち、連動装置10が装着される中間引戸1Mの横幅に応じて第一プーリ11と第二プーリ12の中心間距離(L1)が最適となるように、第二プーリ12と中間プーリ18の中心間距離(L2)で調整することができる。
以上の連動装置10は、一定の長さの無端状ワイヤ13を使用しながら、引戸1のサイズである摺動方向の横幅によって決まる第一プーリ11と第二プーリ12との間の距離に応じて、無端状ワイヤ13の余剰分の長さを中間プーリ18の設置位置で吸収することができる。いいかえると、無端状ワイヤ13の長さを、予め中間引戸1Mの最大長さに合わせておき、これよりも小さい中間引戸1Mに対しては、中間プーリ18の設置位置を変更することで、無端状ワイヤ13の余剰分の長さを吸収する。また、付勢機構20を付加することで、無端状ワイヤ13の張力を適切に調整することができる。なお、中間引戸1Mの摺動方向の横幅は、戸枠70の大きさによって種々のものが考えられる一方、引戸1の厚さについては、概ね一定であることから、薄い厚さの引戸に設置可能な連動装置10となるように、プーリの外径等を予め設計しておくことで、共通の連動装置10でもって、多くのタイプの引戸1に対して連動機能を付加することが可能となる。このようにして、第一プーリ11と第二プーリ12との間の距離、言い換えると引戸1の長さに関わらず、一定の長さの無端状ワイヤ13を共通して使用することができる。これによって、一つのタイプの連動装置10でもって、異なる幅寸法の引戸1に対応することができる。このように、引戸1のサイズが異なる場合であっても、中間プーリ18の固定位置を変更することにより対応できるので、異なるサイズの引戸毎に連動装置を個別に用意することなく、共通の連動装置を用意することで足り、管理や製造コストの削減が実現される。
以上の連動引戸100は、中間引戸1Mの上面1cに連動装置10を配置している。この連動装置10は、上枠71Aの溝部74に外部から見えない状態で設置されるので、中間引戸1Mの外観をすっきりとさせることができる。この構成は、例えば引戸1の底面を走行レーン73上に載置して摺動させるような、引戸1の上面側に空間のある構成において好適に利用できる。ただ、連動引戸は、必ずしも連動装置10を中間引戸1Mの上面1cに配置する必要はない。連動引戸は、例えば、前述のように、中間引戸、第一引戸、及び第二引戸の上面側を上枠に吊り下げた状態で移動可能な構造とする場合には、連動装置を中間引戸の下面に設置することもできる。
(着脱機構50)
以上の構成では、第一引戸1Aと第二引戸1Bは、それぞれ第一連結部材14、第二連結部材15を介して、無端状ワイヤ13に固定している。このため、第一連結部材14や第二連結部材15を第一引戸1Aや第二引戸1Bに対して着脱自在に連結することで、第一引戸1Aや第二引戸1Bを戸枠70から脱離しやすくして、設置や補修、交換作業を容易にすることができる。このような構成を実現するために、図4に示す第一連結部材14と第二連結部材15は、着脱機構50を介して第一引戸1Aと第二引戸1Bに連結している。
第一連結部材14は、図13と図14に示すように、引戸連結部16と、この上端で折曲されたワイヤ連結部17を備えている。ワイヤ連結部17は、無端状ワイヤ13の直線部13Aをかしめて固定している。引戸連結部16は平板状で、着脱機構50を介して第一引戸1Aに連結している。具体的には、連結部側着脱機構50Aとして引戸連結部16に磁石51を固定している。磁石51にはネオジム磁石のような磁力の強い希土類焼結磁石が好適に利用できる。また図13の例では、中央を開口した円形の磁石51を用いており、ねじ穴16aを開口した引戸連結部16とねじ止めにより容易に固定できる。この例では、縦方向に延長された引戸連結部16の二箇所に磁石51を固定している。
さらに、第一引戸1Aにも、中間引戸1M側の第一連結部材14との引戸側着脱機構50Bを設けている。引戸側着脱機構50Bには、連結部側着脱機構50Aと対応して、例えば金属板52が利用できる。具体的には、図14の斜視図に示すように、金属板52を固定している。金属板52は、第一引戸1Aの、第一連結部材14との接合部分に形成された凹部53に埋設されている。凹部53は、第一連結部材14の引戸連結部16よりも大きく開口され、好ましくは引戸連結部16の外形に沿ってほぼ同じ大きさとする。これにより、第一引戸1Aを操作する際、第一連結部材14と第一引戸1Aとのがたつきを回避できる。図14の例では、凹部53を垂直方向に延長し、かつ端縁を面取りしたトラック形状としている。この形状であれば、円形の磁石51とのクリアランスを調整し易くできる。また必要に応じて引戸連結部16に形成するねじ穴16aの少なくとも一方を長孔として、磁石51の取り付け位置の微調整を可能とすることで、連結部側着脱機構50Aである磁石51を、第一引戸1Aの凹部53に隙間なく挿入できる。さらに、凹部53の深さは、図4の垂直断面図に示すように、金属板52の厚さと、凹部53に挿入される磁石51の挿入部分の厚さの和と等しくなる。これにより、連結部側着脱機構50Aである磁石51をスムーズに凹部53に案内しながら、凹部53内の金属板52に吸着させて、引戸連結部16を第一引戸1Aに確実に連結してスムーズな開閉動作が可能となる。
以上のように、第一連結部材14と第一引戸1Aとを着脱式とすることで、第一引戸1Aを戸枠70に装着する際、着脱機構50でもって装着するのみで足り、ねじ止め等の作業をなくして、取り付け作業を大幅に簡略化できる。また同様に、メンテナンス時や修理時においても、第一引戸1Aを戸枠70から取り外す際の作業性が向上する。一方で、通常の使用時においては、着脱機構50でもって第一引戸1Aと第一連結部材14との連結状態が維持され、無端状ワイヤ13を介した連続開閉動作も実現される。特にネオジム磁石のような磁力の強い磁石は、保持力が強く、長期にわたって安定して使用できる。一方で、第一引戸1Aから第一連結部材14を分離する際には、第一連結部材14と第一引戸1Aとの間にマイナスドライバの先端を挿入するなどして、こじ開けるようにして分離することができる。
また、上述した第一連結部材14と第一引戸1Aとの着脱機構50は、第二連結部材15と第二引戸1Bとの着脱機構50にも同様に適用できる。すなわち図4の垂直断面図に示すように、第二連結部材15は、引戸連結部16とワイヤ連結部17を備えている。ワイヤ連結部17は、無端状ワイヤ13の他方の直線部13Bをかしめて固定する。引戸連結部16に連結部側着脱機構50Aとして磁石51を固定すること、また第二引戸1Bに引戸側着脱機構50Bとして金属板52及び凹部53を備えることも、上述の通りである。
なお、以上の例では、連結部側着脱機構50Aに磁石51を、引戸側着脱機構50Bに金属板52を用いた例を説明したが、逆に連結部側着脱機構に金属板を、引戸側着脱機構に磁石を用いてもよいことはいうまでもない。また、本発明は着脱機構を磁石を用いた構成に限定せず、十分な連結力を維持しつつ、着脱 可能な既存の連結機構が適宜利用できる。例えば面ファスナを使用したり、フックやホックといった連結部材を利用してもよい。
(実施形態2)
以上説明した連動引戸用の連動装置10では、第一プーリ11と第二プーリ12との間に中間プーリ18を配置した例を説明した。この構成によると、無端状ワイヤ13を一定の長さとしながら、第二プーリ12と中間プーリ18の中心間距離(L2)を調整することで、第一プーリ11と第二プーリ12の中心間距離(L1)を最適な長さとすることができる。すなわち、幅が異なる引戸1に対して、無端状ワイヤ13の長さを変更することなくセットできる特徴が実現できる。
ただ、本発明の連動引戸及び連動装置は、必ずしも中間プーリを設ける必要はない。本発明の実施形態2にかかる連動引戸及び連動装置として、中間プーリを備えていない連動引戸及び連動装置の一例を図15及び図16に示す。これらの図に示す連動引戸200及び連動装置30は、中間プーリを備えることなく、中間引戸1Mの両端に第一プーリ11と第二プーリ12を配置すると共に、第一プーリ11と第二プーリ12とに無端状ワイヤ13を掛け渡して細長いトラック状の軌跡を形成している。なお、これらの図において、実施形態1の説明と重複する部分については、同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
図15と図16に示す連動装置30は、中間引戸1Mの両端部に第一プーリ11と第二プーリ12とを設けて、これらのプーリに掛け渡された無端状ワイヤ13で無限軌道を形成している。第二プーリ12は、2個のサブプーリで構成することなく1つのプーリで構成している。連動装置30は、付勢機構20を介して第一プーリ11を中間引戸1Mに固定しており、第一プーリ11と第二プーリ12に掛け渡される無端状ワイヤ13に対して、常に張力を付加するように付勢機構20で付勢している。この構造の連動装置30も、前述の連動装置20と同様に、一方のプーリである第一プーリ11を付勢機構20を介して中間引戸1Mの上面1cに固定している。このため、無端状ワイヤ13に対して作用する外力によって生じる弛みを、付勢機構20で付勢される第一プーリ11を介して速やかに吸収して弛みを解消し、無端状ワイヤ13がプーリから外れるのを防止する構造としている。さらに、連動装置は、図示しないが、第二プーリを、付勢機構を介して中間引戸に固定することもできる。
以上の連動引戸200及び連動装置30は、中間引戸1Mの横幅に応じて、すなわち、中間引戸1Mの上面1cに固定される第一プーリ11と第二プーリ12の中心間距離に応じて、無端状ワイヤ13の長さを調整する。この無端状ワイヤ13は、第一プーリ11と第二プーリ12の間に掛け渡された状態で、付勢機構20により第一プーリ11が外側方向に付勢されて無端状ワイヤ13に張力が付加される状態となるように張設状態が調整される。この連動装置30は、引戸1の幅に応じて無端状ワイヤ13の長さを調整することで、第一プーリ11と第二プーリ12に掛け渡される無端状ワイヤ13の張力を最適な状態に調整できる。
以上の連動装置30は、第二プーリ12を2個のサブプーリで構成することなく1つのプーリで構成すると共に、中間プーリを省略して、無端状ワイヤ13の長さを必要最小限の長さとすることができるので、構造を簡単にして低コストにできる。
以上の実施形態に係る連動引戸100は、戸枠70に対して引き違い開閉可能に配置する状態で、3枚の引戸1を連動して移動させる際に、第一引戸1Aと第二引戸1Bのいずれか一方を固定端側引戸として戸枠70に固定可能とすることで、他方の引戸1を開閉端側引戸として戸枠70に沿って移動させて、連動引戸100を閉じることができる。すなわち、連動引戸100は、図1に示す閉状態で、第二引戸1Bを戸枠70に固定することで、図5に示すように、中間引戸1Mと第一引戸1Aを左側の第2縦枠72Bに向かって移動し、あるいは、図5に示す開状態から、中間引戸1Mと第一引戸1Aを閉じる方向に移動させることができる。また、連動引戸100は、図1に示す閉状態で、第一引戸1Bを戸枠70に固定することで、図6に示すように、中間引戸1Mと第二引戸1Bを右側の第1縦枠72Aに向かって移動し、あるいは、図6に示す開状態から、中間引戸1Mと第一引戸1Aを閉じる方向に移動させることができる。
(ロック機構60)
このことを実現するために、連動引戸100とこの連動引戸100が配置される戸枠70は、好ましくは、第一引戸1Aと第二引戸1Bを固定するためのロック機構を備えている。図17〜図21に示す連動引戸100と戸枠70は、第一引戸1Aが閉じられて第1縦枠72Aに当接する状態で第一引戸1Aをロックし、あるいは、第二引戸1Bが閉じられて第2縦枠72Bに当接する状態で第二引戸1Bをロックするロック機構60を備えている。以下、第一引戸1Aをロックするロック機構60について、図17〜図21に基づいて説明する。
図17〜図21に示すロック機構60は、第一引戸1Aの上面の戸先側に設けた係合凸部61と、上枠71Aの溝部74に設けられた回動ストッパ62とを備えている。回動ストッパ62は、水平方向の軸心を中心として、第1縦枠72A側の端部を上下に回動可能に配置されると共に、下方に向かってバネ68で付勢された状態に保持されている。
図17の矢印Aで示すように、第一引戸1Aを第1縦枠72Aに向かって閉じて行くと、上面の戸先側に設けた係合凸部61が、バネ68で付勢されて下方に回動している回動ストッパ62に当接する。第1縦枠72Aに向かって移動する係合凸部61は、バネ68の付勢力に抗して回動ストッパ62を上方に押し上げる。図18の矢印Bで示すように、第一引戸1Aがさらに閉じられて、第1縦枠72Aに当接すると、図19に示すように、回動ストッパ62は、バネ68の付勢力によって下方に回動した位置に戻る。このとき、回動ストッパ62の先端面62aが係合凸部61の後端面61aに当接して係合凸部61は係止される。このように、第一引戸1Aは、戸先側が第1縦枠72Aに当接する閉状態では、係合凸部61が回動ストッパ62に係止されてロック状態に保持される。
次に、第一引戸1Aのロックを解除する手順について説明する。図に示すロック機構60は、係合凸部61と回動ストッパ62との係止状態を解除するためのロック解除機構63を備えている。図に示すロック解除機構63は、係合凸部61の後端面61aに対して出し入れ自在に配置されたガイド部材64と、第一引戸1Aの戸先側に配置されて、ガイド部材64の出し入れを操作する操作部65とを備えている。
係合凸部61は、回動ストッパ62のロック状態を解除するために、後端面61aに対してガイド部材64を出し入れ自在に配置している。図に示すガイド部材64は、後端面61aから出し入れされる先端部に傾斜面64aを備えている。この傾斜面64aは、ガイド部材64の先端部の上面を、先端から後方に向かって次第に高くなる形状として設けている。以上のガイド部材64は、図20に示すように、後端面61aから押し出される状態で、回動ストッパ62を傾斜面64aに沿って押し上げて、回動ストッパ62のロック状態を解除する
また、第一引戸1Aは、戸先側に、指先を挿入可能なスリット隙間67を上下方向に延長して開口しており、このスリット隙間67の内側に、ガイド部材64の出し入れをコントロールする操作部65を配置している。図21に示す操作部65は、スリット隙間67の内部において、上下に延長して配置されたハンドルバー65Aとしている。ハンドルバー65Aは、図21において側縁部に設けた上下方向に延びる軸心を中心として回動可能であって、図19に示すように、その上端を第一引戸1Aの上面まで延長している。図21に示すハンドルバー65Aは、スリット隙間67の開口部側の側縁部をループ状に成形しており、このループ部65aの上端に挿入される連結ピン66を介して、第一引戸1Aの上面に固定される係合凸部61の内部に設けたガイド部材64に連結している。さらに、ハンドルバー65Aは、ループ部65a側の側部がスリット隙間67の内側に突出するようにバネ69で付勢された状態に保持されている。
以上のロック解除機構63は、ハンドルバー65Aを回動させると、図20に示すように、係合凸部61の後端面61aからガイド部材64が突出する。ガイド部材64の先端部には傾斜面64aが形成されており、ガイド部材64が押し出されると、この傾斜面64aが回動部材62に当接して、回動部材62を上方に押し上げる。この状態で、係合凸部61の後端面61aと回動部材62の先端面62aとの係止状態が解除されて、係合凸部61は開方向に移動可能となる。これによって、図18の矢印Cで示すように、第一引戸1Aを開方向に移動させることができる。
以上の連動引戸100は、図1に示す閉状態であって、第二引戸1Bを戸枠70にロックした状態において、第一引戸1Aを開方向に移動させて収納部81の前面を開放する。第一引戸1Aが第二引戸1B側に移動すると、第一引戸1Aに取り付けられた第一連結部材14を介して、連動装置10の無端状ワイヤ13が動かされる。これによって、無端状ワイヤ13の一方の直線部13Aに固定された第一連結部材14と、他方の直線部13Bに固定された第二連結部材15とが中間引戸1Mの中央部に向かって移動する。この状態で、第一引戸1Aは中間引戸1Mの第1の対向面1aに沿って相対的に移動し、第二引戸1Bは中間引戸1Mの第2の対向面1bに沿って相対的に移動する。
そして、無端状ワイヤ13の一方の直線部13Aに固定された第一連結部材14と、他方の直線部13Bに固定された第二連結部材15とが中間引戸1Mの中央部ですれ違い、逆方向に移動する。さらに、第二引戸1Bが中間引戸1Mの第2の対向面1b側に重なり、第一引戸1Aが中間引戸1Mの第1の対向面1a側に重なった状態で、図5に示すように、連動引戸100は開状態となる。連動引戸100は、3枚の引戸1が左側の第2縦枠72Bに移動する開状態となって、収納部81の中央部及び右側部が開放される。
また、連動引戸100は、図1に示す閉状態であって、第一引戸1Aを戸枠70にロックした状態において、第二引戸1Bを開方向に移動させて収納部81の前面を開放する。第二引戸1Bが第一引戸1A側に移動すると、第二引戸1Bに取り付けられた第二連結部材15を介して、連動装置10の無端状ワイヤ13が動かされる。これによって、無端状ワイヤ13の一方の直線部13Bに固定された第二連結部材15と、他方の直線部13Aに固定された第一連結部材14とが中間引戸1Mの中央部に向かって移動する。この状態で、第二引戸1Bは中間引戸1Mの第2の対向面1bに沿って相対的に移動し、第一引戸1Aは中間引戸1Mの第1の対向面1aに沿って相対的に移動する。そして、図6に示すように、第二引戸1Bが中間引戸1Mの第2の対向面1b側に重なり、第一引戸1Aが中間引戸1Mの第1の対向面1a側に重なった状態で、連動引戸100は開状態となる。連動引戸100は、3枚の引戸1が右側の第1縦枠72Aに移動する開状態となって、収納部81の中央部及び左側部が開放される。
以上の例では、中間引戸1Mと第一引戸1Aと第二引戸1Bとの3枚の引戸で構成した連動引戸100について説明したが、本発明は、引戸の枚数を3枚に限定するものでなく、4枚以上とすることもできる。あるいは、中間引戸と第一引戸のみで構成し、あるいは中間引戸と第二引戸のみで構成することもできる。
本発明の連動引戸用の連動装置及びこれを備える連動引戸は、家屋等に設置される連動引戸や連動窓、あるいは食器棚や収納棚の引戸等に好適に使用できる。
100、200…連動引戸
1…引戸
1M…中間引戸
1a…第1の対向面
1b…第2の対向面
1c…上面
1x…第1の端部
1y…第2の端部
1A…第一引戸
1B…第二引戸
10、30…連動装置
11…第一プーリ
12…第二プーリ
12A…サブプーリ
12B…サブプーリ
13…無端上ワイヤ
13X…第1の軌跡
13Y…第2の軌跡
13A…直線部
13B…直線部
14…第一連結部材
15…第二連結部材
16…引戸連結部
16a…ねじ穴
17…ワイヤ連結部
18…中間プーリ
19、49…プーリユニット
20…付勢機構
21…ブラケット
21A…摺動部
21a…折曲片
21b…折曲片
22…ブラケット
22a…折曲片
22b…折曲片
23…脱落防止部
24…ストッパ部
25…押圧部
25a…貫通孔
26…スライド機構
27…弾性体
27A…コイルスプリング
27B…コイルスプリング
28…固定部材
28A…固定部
28B…保持部
28a…降下部
28b…水平部
28c…立上部
28C…保持スペース
29…回転軸
31…ガイドスリット
32…連結ガイド部
33…ガイドピン
33A…軸部
33B…頭部
34…中心ロッド
35…ボルト
38…中間ブラケット
39…止ネジ
40…付勢機構
41…ブラケット
41A…摺動部
41a…折曲片
41b…折曲片
41c…折曲片
42…連結部
43…連結固定部
48…固定部材
50…脱着機構
50A…連結部側着脱機構
50B…引戸側着脱機構
51…磁石
52…金属板
53…凹部
60…ロック機構
61…係合凸部
61a…後端面
62…回動ストッパ
62a…先端面
63…ロック解除機構
64…ガイド部材
64a…傾斜面
65…操作部
65A…ハンドルバー
65a…ループ部
66…連結ピン
67…スリット隙間
68…バネ
69…バネ
70…戸枠
71…横枠
71A…上枠
71B…下枠
72…縦枠
72A…第1縦枠
72B…第2縦枠
73…走行レーン
74…溝部
80…収納棚
81…収納部
85…ガラス板
86…枠体
87…キャスタ
101a、101b、101c…引戸
102…上レール
103a、103b、103c…摺動溝
104a、104b、104c…摺動部材
105…プーリ
106…無端状ワイヤ
109…障害物

Claims (12)

  1. 戸枠に引き違い開閉可能に配置された3枚の引戸を、連動して相対的に摺動させるように構成された連動引戸用の連動装置であって、
    3枚の引戸のうち、中間に位置する中間引戸の上端部又は下端部に、引戸の摺動方向に離間して設けられる第一プーリ及び第二プーリと、
    前記第一プーリと前記第二プーリとの間に掛け渡されて、無限軌道を構成する無端状ワイヤと、
    中間引戸の第1の対向面側に配置される第一引戸を前記無端状ワイヤに連結するための第一連結部材と、
    中間引戸の第2の対向面側に配置される第二引戸を前記無端状ワイヤに連結するための第二連結部材と、
    前記第一プーリまたは前記第二プーリを、引戸の摺動方向であって外側に向かって付勢して、前記無端状ワイヤに張力を付加する付勢機構と、
    を備えることを特徴とする連動引戸用の連動装置。
  2. 請求項1に記載される連動引戸用の連動装置であって、
    前記付勢機構が、
    前記第一プーリまたは前記第二プーリを回転自在に支持するブラケットと、
    前記ブラケットを、中間引戸に対して、引戸の摺動方向に摺動自在に連結するスライド機構と、
    前記ブラケットを、引戸の摺動方向であって外側に向かって付勢する弾性体と、
    を備えることを特徴とする連動引戸用の連動装置。
  3. 請求項2に記載される連動引戸用の連動装置であって、
    前記付勢機構が、前記ブラケットを摺動自在に連結してなる固定部材を備えており、前記固定部材に対して前記ブラケットを所定の方向に付勢するように前記弾性体を配置してプーリユニットを構成しており、
    前記プーリユニットが中間引戸に固定されて前記第一プーリまたは前記第二プーリが定位置に配置されてなることを特徴とする連動引戸用の連動装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一に記載される連動引戸用の連動装置であって、
    前記弾性体がコイルスプリングであることを特徴とする連動引戸用の連動装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一に記載される連動引戸用の連動装置であって、
    前記第一プーリと前記第二プーリに掛け渡された前記無端状ワイヤは、該第一プーリと該第二プーリの間において一対の直線部を形成しており、
    一方の直線部に前記第一連結部材を固定すると共に、他方の直線部に前記第二連結部材を固定しており、
    さらに、前記第一連結部材と前記第二連結部材が、対向する一対の直線部に対して、点対称な位置に配置されてなる連動引戸用の連動装置。
  6. 請求項5に記載される連動引戸用の連動装置であって、
    前記第一プーリまたは前記第二プーリが、中間引戸の摺動方向における先端面よりも外側に突出して配置されてなる連動引戸用の連動装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一に記載の連動引戸用の連動装置であって、
    前記第一プーリと前記第二プーリが、中間引戸の上面に、水平姿勢で配置されてなることを特徴とする連動引戸用の連動装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一に記載される連動引戸用の連動装置であって、さらに、
    前記第一プーリと前記第二プーリの間に、中間プーリを備えており、
    前記第二プーリは、共通の回転軸上に設けられた2つのサブプーリを備え、
    前記無端状ワイヤが、一方のサブプーリから前記中間プーリを経由して他方のサブプーリに掛け渡されてなる連動引戸用の連動装置。
  9. 戸枠に引き違い開閉可能に配置された3枚の引戸と、
    前記3枚の引戸を連動して相対的に摺動させるよう構成された連動装置と、
    を備える連動引戸であって、
    前記3枚の引戸は、
    中間に配置されて前記連動装置が配設される中間引戸と、
    前記中間引戸の第1の対向面に対向して配置される第一引戸と、
    前記中間引戸の第2の対向面に対向して配置される第二引戸とからなり、
    前記連動装置は、
    前記中間引戸の上端部又は下端部に、該引戸の摺動方向に離間して設けた第一プーリ及び第二プーリと、
    前記第一プーリと前記第二プーリとの間に掛け渡されて、無限軌道を構成する無端状ワイヤと、
    前記第一引戸を前記無端状ワイヤに連結する第一連結部材と、
    前記第二引戸を前記無端状ワイヤに連結する第二連結部材と、
    前記第一プーリまたは前記第二プーリを、該引戸の摺動方向であって外側に向かって付勢して、前記無端状ワイヤに張力を付加する付勢機構と、
    を備えることを特徴とする連動引戸。
  10. 請求項9に記載の連動引戸であって、さらに、
    前記第一連結部材が前記第一引戸との着脱を自在とした着脱機構を備え、あるいは、前記第二連結部材が前記第二引戸との着脱を自在とした着脱機構を備えることを特徴とする連動引戸。
  11. 請求項9または10に記載の連動引戸であって、
    前記第一引戸と前記第二引戸は、少なくとも一方が固定端側引戸として戸枠に固定可能であって、他方を開閉端側引戸として戸枠に沿って移動可能としており、
    前記第一プーリまたは前記第二プーリのうち、開閉端側に配置されるプーリを前記付勢機構で付勢してなることを特徴とする連動引戸。
  12. 請求項9から11のいずれか一に記載の連動引戸であって、
    当該連動引戸は、収納部の前面開口部を開閉自在に閉塞するように構成されており、
    前記第一引戸を前記中間引戸の前方であって収納部の手前側に配置し、前記第二引戸を前記中間引戸の後方であって収納部の奥側に配置しており、
    前記第一引戸の戸先側に前記第一プーリを配置すると共に、前記第一プーリを前記付勢機構で付勢して前記無端状ワイヤに張力を付加することを特徴とする連動引戸。
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