JP7295730B2 - 引き戸装置 - Google Patents
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Description
ところでこのものは戸体の開閉移動を吊りレール方式のものとし、そして開口部の上方空間に、これら開閉連動機構、吊りレール機構を構成するための各種の部材装置を組込んだ構成にしている。そしてこの場合に、前記戸先側と戸尻側との戸体同士は、無端の伝動ベルトを備えて構成されるベルト伝動機構を介して連動連結されている。具体的には、戸先側戸体に設けられる吊りローラ用のローラブラケットと戸尻側戸体に設けられる伝動ベルトとを連結部材を介して連結し、戸先側戸体が開閉作動した場合に、戸尻側戸体も同時的に開閉移動するように構成している。
さらにこのものでは、伝動ベルトを歯付きベルトとして戸体同士の連結関係が左右方向にずれない(変化しない)ようにすることがあり、このものでは、前記ビス孔を長孔にして、伝動ベルトに対する連結部材の取付け位置を微調整するため必要になる歯飛び調整に対応させることが要求され、このようにビス孔を長孔にした場合、連結部材の傾斜がさらに大きくなってしまう惧れがあり、このように連結部材が傾斜した場合、両戸体の開閉動作が所定通り行われないことになって、例えば全開時において一方の戸体(例えば戸先側の戸体)が完全に開放姿勢にならないような場合が発生する、傾斜姿勢になった連結部材が他部材に干渉して円滑な開閉作動が損なわれてしまう、さらには傾斜姿勢になった連結部材から伝動ベルトを捻る(捩じる)ような無理な負荷が働くことになって伝動ベルトの劣化や損耗が促進される等の不具合発生が想定され、これらに本発明の解決すべき課題がある。
請求項2の発明は、戸体の上端縁部に設けた吊りローラが、吊りレールを転動することで該戸体が左右方向に移動をして開口部の開閉を行うものであって、上側に位置し、伝動機構に設けた左右方向に移動する伝動体と、下側に位置する戸体の上端縁部とを連結部材を介して一連状に連結することで、前記戸体の左右方向の移動を、伝動体の左右方向の移動に連動して行うように構成してなる引き戸装置において、戸体の上端縁部と連結部材の下端部とのあいだの連結は、キー溝部にキー部が嵌入するキー嵌合により位置決めされる連結であって、前記キー嵌合は、戸体上端縁部の上下方向中間位置に配される左右方向に長いキー溝部に、連結部材の下端部に設けられる左右方向に長いキー部が嵌入するものであることを特徴とする引き戸装置である。
請求項3の発明は、連結部材の下端部にキー嵌合により連結される戸体の上端縁部は、吊りローラ用のローラブラケットであることを特徴とする請求項1または2記載の引き戸装置である。
請求項4の発明は、キー溝部は、ローラブラケットの上下方向中間位置に、左右方向に長い上下溝側片と左右方向一端側の溝底片とを供えて形成され、キー部は、連結部材の下端部に左右方向に長い上下側片を供えて形成され、キー嵌合は、キー部の上下側片がキー溝部の上下溝側片に挟まれる状態のキー嵌合であることを特徴とする請求項3記載の引き戸装置である。
請求項5の発明は、連結部材の下端部には、前記キー部を挟んだ上下に固定部材が貫通する左右方向に長い長孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の引き戸装置である。
請求項6の発明は、固定部材が貫通する長孔は、伝動ベルトの少なくとも1つ分の歯超えをする長さに設定されていることを特徴とする請求項5記載の引き戸装置である。
請求項7の発明は、戸体として、互いに隣接する第一戸体と第二戸体とが備えられ、第一戸体に設けた吊りローラが第二戸体に設けた吊りレールを転動することで第一戸体が第二戸体に対して左右相対移動をするものであり、伝動機構は第二戸体に設けられ、第一戸体に設けられる吊りローラ用のローラブラケットと前記伝動機構の伝動体とがキー嵌合により位置決めされる状態で連結部材を介して連結されていることを特徴とする請求項3乃至6の何れか1記載の引き戸装置である。
請求項8の発明は、キー嵌合は、キー溝部にキー部が嵌入することで連結部材の左右方向の倒れ変姿を規制しようとするものであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1記載の引き戸装置である。
しかも、上側の伝動体と下側の吊りローラ用のローラブラケットとのあいだを連結する連結部材の下端部がローラブラケットとキー嵌合により位置決めされているため、連結部材は、下端部がキー嵌合により位置決めされた起立姿勢に保持される状態になって戸体の開閉姿勢が乱れたり、連結部材が他部材に衝接したりすることを防止できることになる。
そのうえ、上側の伝動体と下側のローラブラケットとを連結する連結部材の下端部がローラブラケットとキー嵌合により位置決めされるため、ローラブラケットと連結部材下端部とを長孔を用いて左右方向の位置調整ができるものでありながら、連結部材の姿勢保持が確実にでき、戸体の開閉姿勢の乱れや連結部材が他部材に衝接したりする不具合を防止できることになる。
請求項2の発明とすることにより、伝動体が左右方向に移動することに連動して戸体の左右方向の移動を行うものにおいて、連結部材と戸体との連結がキー嵌合により連結されたものである結果、連結部材が傾斜状になって戸体の開閉姿勢が乱れたり、連結部材が他部材に衝接したりすることを防止できることになる。
そのうえ、キー嵌合を、連結部材側に設けられるキー部とローラブラケットに設けられるキー溝部とによるものとし、そして固定部材が貫通する孔が、キー部を挟んだ上下に設けられる長孔となっているため、キー嵌合による連結部材の位置決めによる姿勢保持ができながら、長孔を利用しての位置調整ができることになり、組付け性、メンテナンス性の向上が図れることになる。
請求項3の発明とすることにより、キー嵌合は、連結部材側に設けられるキー部とローラブラケットに設けられるキー溝部とによるものであるため、構造を簡単なものにできる。
請求項4の発明とすることにより、キー嵌合が、キー部の上下側片がキー溝部の上下溝側片に挟まれる状態のキー嵌合となって正確に位置決めされたキーものとなる。
請求項5の発明とすることにより、キー嵌合を、連結部材側に設けられるキー部とローラブラケットに設けられるキー溝部とによるものとし、そして固定部材が貫通する孔が、キー部を挟んだ上下に設けられる長孔となっているため、キー嵌合による連結部材の位置決めによる姿勢保持ができながら、長孔を利用しての位置調整ができることになり、組付け性、メンテナンス性の向上が図れることになる。
請求項6の発明とすることにより、伝動体が歯付きの伝動ベルトであったときの微調整が、該歯の一つ分を越える長さに設定される長孔によってできることになって、歯付きの伝動ベルトを採用したものであっても、組付け性、メンテナンス性が損なわれることが回避される。
請求項7の発明とすることにより、戸体が、互いに隣接する第一、第二戸体を備えたもので構成され、そして第一戸体に設けた吊りローラが第二戸体に設けた吊りレールを転動することで第一戸体が第二戸体に対して左右相対移動をする引き戸装置において、伝動機構を第二戸体に設けたものにおいても、第一戸体側の吊りローラ用のローラブラケットと前記伝動機構の伝動体とをキー嵌合により位置決めできるようにし、これによって、第一、第二戸体の開閉を、連結部材が傾斜状になることを防止して円滑な開閉作動ができることになる。
請求項8の発明とすることにより、連結部材の左右方向の倒れ防止を、キー嵌合という簡単な構成によって確実にできることになる。
一方、戸袋部4から引き出された全閉姿勢では、戸体Dは、第二戸体3の戸尻側端縁部3cが戸袋部4の開口端縁部4bに積層する(重なり合う)状態で第二戸体3が戸袋部4から引き出され、第一戸体2の戸先側端縁部2aが開口部Eの戸先側端部に設けた戸当り5に当接すると共に、戸尻側端縁部2bが第二戸体3の開口端縁部3bに積層する(重なり合う)状態で第一戸体2が第二戸体3から引き出される構成になっている。
尚、このように互いに隣接する戸体同士を入れ子継手状に連結して本発明を実施する構成は、本実施の形態のように二枚の戸体2、3のものに限定されず、三枚以上の戸体においても同様にして実施できる。さらに本発明の戸体としては、このような入れ子継手方式の戸体Dのものに限定されることはなく、後述するように伝動機構に設けられる伝動体の移動に基づいて開閉する戸体であれば、引き違い戸方式の戸体、さらには一枚板状の戸体であっても実施できることは言うまでもない。
前記第一ローラブラケット6の起立片部6bは、本実施の形態においては、下片部6aの左右方向中央部位において該下片部6aよりも幅狭な状態で下片部6aから起立する下側起立片部6cと、該下側起立片部6cよりも左右方向幅広になってはいるが下片部6aよりは幅狭な上側起立片部6dとを備えた一枚板状のもので形成されているが、上側起立片部6dの左右両端縁部には、支軸7a側が溝底となった左右方向に長いキー溝部6eが上下方向中央位置(中間位置)に形成され、該キー溝部6eをあいだに挟む状態で上下に丸孔状のビス孔6fが形成されている。
そしてこのように形成される左右方向に長いキー溝部6eは、図8から明らかなように、左右方向に長い上下の溝側片6eaと、左右方向一端側の溝底片6ebとにより形成されたものになっている。
そして前述したように戸体Dが全開した状態(図4参照)では、戸先側の第一ローラブラケット6の戸先側端部6gが、第二戸体3の開口端縁部3bよりも戸先側に位置する、つまり第二戸体3から突出した位置に位置するように設定されている。
さらに13は前記第一吊りレール8の上側部8bに設けられるベルト伝動機構(本発明の「伝動機構」に相当する。)であって、該ベルト伝動機構13は戸尻側、戸先側のプーリ13a、13bを備えているが、戸尻側プーリ13aは、第二戸体3の上側位置で、かつ戸尻側の第二ローラブラケット9よりも戸先側位置に位置する状態で該戸尻側第二ローラブラケット下部材9bの下部に設けられ、戸先側プーリ13bは、戸先側の第二ローラブラケット9よりも戸先側に位置する状態で、第一吊りレール8の戸先側端縁部からさらに戸先側に延出するよう該第一吊りレール8に設けられた延出材8dに支持されており、そしてこれらプーリ13a、13bは歯付きのものであって、歯同士が互いに噛合する状態で無端(リング状)の歯部14a付きの伝動ベルト(本発明の「伝動体」に相当する。)14が戸先側の第二ローラブラケット下部材9bを前後から挟む状態で巻回されている。
因みに本発明において、伝動機構としてはベルト伝動機構のものに限定されず、伝動体としてベルト式ではなく、チェーン式、ワイヤ式等の各種のものを採用した伝動機構を用いて実施することができる。
このようにして伝動ベルト14に連結された連結部材16の上端部16aには、戸尻側に延出する状態で連結金具19がビス19aを介してさらに連結されている。
そして連結部材下端部16bが、前述したように戸体Dの閉鎖姿勢で戸袋部4から突出している第一ローラブラケット6の戸先側端部6gに設けられるキー溝部6eにキー部20が左右方向戸尻側に向けて嵌入するキー嵌合をすることになる。この場合のキー嵌合は、図7、9から明らかなように、キー部20の上下側片20bがキー溝部6eの上下溝側片6eaに挟まれる状態のキー嵌合となり、このようなキー嵌合をすることで、連結部材16は、取付け姿勢(縦姿勢)に位置決めされた取付け姿勢になり、この取付け姿勢になった状態で、第一ローラブラケット6側のビス孔6fと連結部材下端部16bに設けた長孔16cとにビス16dを螺入することで第一ローラブラケット6と伝動ベルト14との位置決めされた連結が連結部材16を介してできるようになっている。
そしてこの場合に、連結部材下端部16bに設けられる長孔16cの長さは、伝動ベルト14の歯部14aの1ピッチ分の長さよりも長い設定になっていて、伝動ベルト14に対する連結部材下端部16bの連結位置の調整が、伝動ベルト14の歯飛びをする状態でできるようになっている。
因みに本実施の形態では、キー溝部6eは前後方向に開口した状態で形成されているため、キー部20は、前述したように左右方向の嵌入ではなく、前後方向の嵌入でも組み付けることができる。そしてこのような左右方向、前後方向の嵌入作業を容易にするため、キー溝部6eやキー部20の入り口部位を面取りする等の配慮をすることができ、本実施の形態ではキー溝部6eの入り口部位を面取りしている。
また22は制動装置であって、該制動装置22は、第二ローラブラケット9に連結されたものであり、戸体Dの移動速度に制動を与えることによって戸体Dの開閉速度が予め設定される速度以上にならないようにするためのものであり、これも汎用のものを採用しており、その詳細は省略する。
因みに本実施の形態では、自閉装置21を設けて開放した戸体Dを自閉する構成にしているが、これに限定されず、逆に自開装置(自動開放装置)を設けて閉鎖した戸体Dを自開する構成にしてもよく、さらにこのような自閉装置、自開装置を用いることなく、手動による開閉を行うようにしたものであっても本発明を実施することができる。
尚、本発明を実施するにあたり、第一戸体2の連結部材16に対する連結部材を第一ローラブラケット6としたがこれに限定されるものでなく、第一戸体2に連結部材16と連結するための専用の部材を設けたものでも実施することができる。
そして第一ローラブラケット6の上側起立片部6dに、上下方向中間位置に配される左右方向に長いキー溝部6eが設けられ、連結部材16の下端部16bに、前記キー溝部6eに嵌入する左右方向に長いキー部20と、該キー部20を挟んだ上下にビス16dが貫通する左右方向に長い長孔16cとが設けられた構造になっているため、キー嵌合による連結部材の位置決めによる姿勢保持ができながら、長孔16cを利用しての位置調整ができることになり、組付け性、メンテナンス性の向上が図れることになる。
この場合に、ビス16dが貫通する長孔16cは、伝動ベルト14の少なくとも1つ分の歯部14aの歯超えをする長さに設定されているため、伝動ベルト14が歯付きのものであっても、伝動ベルト14の取付け位置の微調整が、該歯部14aの一つ分を越える長さに設定される長孔16cによってできることになって、歯付きの伝動ベルト14を採用しながら組付け性、メンテナンス性が損なわれることが回避される。
2 第一戸体
3 第二戸体
6 第一ローラブラケット
6e キー溝部
6f ビス孔
7 第一吊りローラ
8 第一吊りレール
9 第二ローラブラケット
10 第二吊りローラ
13 ベルト伝動機構
14 伝動ベルト(伝動体)
14a 歯部
16 連結部材
16a 上端部
16b 下端部
16c 長孔
20 キー部
D 戸体
E 開口部
Claims (8)
- 戸体の上端縁部に設けた吊りローラが、吊りレールを転動することで該戸体が左右方向に移動をして開口部の開閉を行うものであって、
上側に位置し、伝動機構に設けた左右方向に移動する伝動体と、下側に位置する戸体の上端縁部とを連結部材を介して一連状に連結することで、
前記戸体の左右方向の移動を、伝動体の左右方向の移動に連動して行うように構成してなる引き戸装置において、
戸体の上端縁部と連結部材の下端部とのあいだの連結は、キー溝部にキー部が嵌入するキー嵌合により位置決めされる連結であって、
伝動体は歯付きの伝動ベルトであり、連結部材と伝動ベルトとは、連結部材の上端部に伝動ベルトの歯が噛合することにより左右方向の位置決めがなされる固定であり、ローラブラケットと連結部材下端部とは、ローラブラケットまたは連結部材に設けられる長孔に固定部材が貫通することで固定されていることを特徴とする引き戸装置。 - 戸体の上端縁部に設けた吊りローラが、吊りレールを転動することで該戸体が左右方向に移動をして開口部の開閉を行うものであって、
上側に位置し、伝動機構に設けた左右方向に移動する伝動体と、下側に位置する戸体の上端縁部とを連結部材を介して一連状に連結することで、
前記戸体の左右方向の移動を、伝動体の左右方向の移動に連動して行うように構成してなる引き戸装置において、
戸体の上端縁部と連結部材の下端部とのあいだの連結は、キー溝部にキー部が嵌入するキー嵌合により位置決めされる連結であって、
前記キー嵌合は、戸体上端縁部の上下方向中間位置に配される左右方向に長いキー溝部に、連結部材の下端部に設けられる左右方向に長いキー部が嵌入するものであることを特徴とする引き戸装置。 - 連結部材の下端部にキー嵌合により連結される戸体の上端縁部は、吊りローラ用のローラブラケットであることを特徴とする請求項1または2記載の引き戸装置。
- キー溝部は、ローラブラケットの上下方向中間位置に、左右方向に長い上下溝側片と左右方向一端側の溝底片とを供えて形成され、キー部は、連結部材の下端部に左右方向に長い上下側片を供えて形成され、キー嵌合は、キー部の上下側片がキー溝部の上下溝側片に挟まれる状態のキー嵌合であることを特徴とする請求項3記載の引き戸装置。
- 連結部材の下端部には、前記キー部を挟んだ上下に固定部材が貫通する左右方向に長い長孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の引き戸装置。
- 固定部材が貫通する長孔は、伝動ベルトの少なくとも1つ分の歯超えをする長さに設定されていることを特徴とする請求項5記載の引き戸装置。
- 戸体として、互いに隣接する第一戸体と第二戸体とが備えられ、第一戸体に設けた吊りローラが第二戸体に設けた吊りレールを転動することで第一戸体が第二戸体に対して左右相対移動をするものであり、伝動機構は第二戸体に設けられ、第一戸体に設けられる吊りローラ用のローラブラケットと前記伝動機構の伝動体とがキー嵌合により位置決めされる状態で連結部材を介して連結されていることを特徴とする請求項3乃至6の何れか1記載の引き戸装置。
- キー嵌合は、キー溝部にキー部が嵌入することで連結部材の左右方向の倒れ変姿を規制しようとするものであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1記載の引き戸装置。
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