JP2020055564A - プラスチックボトル - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化された角型のプラスチックボトルにおいて、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して外的衝撃力が付加されても、稜線付近の潰れが防止されるプラスチックボトルを提供する。【解決手段】肩部20、及び胴部30は、複数の壁部51と、該壁部51同士をつなぐコーナー部52とからなり、前記肩部20から前記胴部30に切り替わる周方向に延びる稜線50に沿って、前記壁部51、及び前記コーナー部52を横切る環状の第1周溝53を有する。前記肩部20は、前記稜線50より上方に、前記肩壁部21、及び前記肩コーナー部22を横切る環状の第2周溝23を1本から3本有し、第1周溝53と最下の第2周溝23の上下方向の間隔は、7mm以上15mm以下となるように配置され、更に、上下方向に隣り合う第2周溝23同士の間隔は、5mm以上12mm以下となるように配置されることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチックボトルに関し、より詳細には、軽量化されたプラスチックボトルの構造に関する。
例えば、飲料が充填される容器としてプラスチックボトルが用いられる。そして、プラスチックボトルの生産量は年々増加傾向にある。一方で、省資源化、ごみの減量化や、輸送時の環境負荷低減等による、エネルギー使用量、及び二酸化炭素排出量の低減の観点から原料の使用量を削減することによるプラスチックボトルの軽量化が取り組まれている。
プラスチックボトルを軽量化するとプラスチックボトルの容器の肉厚が薄くなる為、プラスチックボトルの強度が低下する傾向がある。プラスチックボトルは、複数本の容器の口が上を向いた状態で段ボール等に箱詰めにされたものを複数個積み上げ一つのパレットとして、保管、及び輸送される。その際に、プラスチックボトルが、その上下方向の荷重に耐える強度である座屈強度を充分に有していない場合には、座屈変形が生じ、荷崩れが発生するおそれがある。
更に、プラスチックボトルが、その水平方向の荷重に耐える強度である側壁強度を充分に有していない場合には、プラスチックボトルが横向きに積載される自動販売機内において下段にあるプラスチックボトルは側面に変形を生じやすくなり、自動販売機から正常に排出されなくなるおそれがある。なお、プラスチックボトルが、自動販売機から正常に排出されるか否かの特性はベンダー適性とも称される。
ところで、プラスチックボトルの形状には大別して、容器の胴部の断面が円形の丸ボトルと、容器の胴部の断面が略四角形の角ボトルとがある。丸ボトルでは、容器の周囲に貼り付けられるラベルが容器の真正面からみづらい場合がある。一方で、角ボトルでは、上述のような問題が生じにくく、更に、積載効率や陳列効率が優れており、これらの長所を有する角ボトルの需要は多い。
しかしながら、上述のような強度、特に座屈強度は、丸ボトルの場合には上下方向の荷重が円形の胴部に効果的に分散されるのに対し、胴部が面と、コーナー部を形成する柱(ピラー)とで構成される角ボトルでは柱の部分に偏荷重がかかってしまうので弱くなる。したがって、角ボトルを軽量化する際には強度の対策が特に必要となる。
特許文献1に開示されている合成樹脂製ブローボトルでは、ハンドリングや搬送時の外的衝撃力が付加されたとき、胴部の減圧吸収壁の上部から肩部の境界にかけて潰れ変形が生じる不具合を防止するために、胴部は、肩部に環状溝部を介してつながり、胴部の減圧吸収壁の直上位置に、環状溝部に沿って延在する短尺の補強リブが設けられている。
特開2013−95428号公報
特許文献1の合成樹脂製ブローボトルによれば、合成樹脂製ブローボトルの胴部は、肩部に環状溝部を介してつながり、胴部の減圧吸収壁の直上位置に、環状溝部に沿って延在する短尺の補強リブが設けられているので、肩部から胴部に切り替わる境界に設けられた環状溝部に対して胴部の上部における外的衝撃力が付加された場合に、潰れ変形を回避することができるとされている。
しかしながら、特許文献1では、肩部から胴部に切り替わる境界に設けられた環状溝部に対して、プラスチックボトルのハンドリングや搬送時等で発生する肩部の下部側における外的衝撃力が付加された場合の潰れに対する強度は何ら考慮されていない。
プラスチックボトルにおける肩部から胴部に切り替わる稜線付近の潰れは、プラスチックボトルがより軽量であるほどその現象は顕著となる。そして、プラスチックボトルに肩部から胴部に切り替わる稜線付近の潰れが生じると、外観が損なわれ、商品価値の低下による売れ残りの問題につながる。したがって、軽量化された角型のプラスチックボトルには、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して、肩部の下部側における強度の保持が必要とされる。
そこで本発明の目的は、軽量化された角型のプラスチックボトルにおいて、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して肩部の下部側における強度が保持され、外的衝撃力が付加されても、稜線付近の潰れが防止されるプラスチックボトルを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のプラスチックボトルは、口部と、肩部と、胴部と、底部と、を有し、前記肩部、及び前記胴部は、複数の壁部と、該壁部同士をつなぐコーナー部とからなり、前記肩部から前記胴部に切り替わる周方向に延びる稜線に沿って、前記壁部、及び前記コーナー部を横切る環状の第1周溝を有し、前記壁部は、肩壁部と、胴壁部とからなり、前記コーナー部は、肩コーナー部と、胴コーナー部とからなり、前記肩部は、前記稜線より上方に、前記肩壁部、及び前記肩コーナー部を横切る環状の第2周溝を少なくとも1本有することを特徴とする。
更に、前記第1周溝と最下の前記第2周溝の上下方向の間隔は、7mm以上15mm以下であることを特徴とする。
更に、前記第1周溝の深さは、前記壁部での深さより前記コーナー部での深さが大であることを特徴とする。
更に、前記第1周溝の最大深さb1に対する、前記第1周溝の最小深さb2の比b2/b1は、0.25以上0.95以下であることを特徴とする。
更に、前記第1周溝の最大深さb1は、1.5mm以上6.5mm以下であることを特徴とする。
更に、前記第2周溝の深さは、前記壁部での深さより前記コーナー部での深さが大であることを特徴とする。
更に、前記第2周溝の最大深さb3に対する、前記第2周溝の最小深さb4の比b4/b3は、0.25以上0.95以下であることを特徴とする。
更に、前記第2周溝の最大深さb3は、1.5mm以上6.5mm以下であることを特徴とする。
更に、前記肩壁部、及び前記肩コーナー部は、最上の前記第2周溝の上部から前記口部に連接する範囲に、底面が3以上の多角形である略逆多角錐形状の凹部を有することを特徴とする。
更に、前記肩壁部の前記凹部の逆多角錐の頂点は、前記肩壁部の水平方向の略中心を結ぶ線の鉛直下方に位置し、前記肩コーナー部の前記凹部の逆多角錐の頂点は、前記肩コーナー部の水平方向の略中心を結ぶ線の鉛直下方に位置することを特徴とする。
更に、前記肩壁部の前記凹部は、逆三角錐形状であり、前記肩コーナー部の前記凹部は、逆四角錐形状であることを特徴とする。
本発明のプラスチックボトルによれば、口部と、肩部と、胴部と、底部と、を有し、肩部、及び胴部は、複数の壁部と、壁部同士をつなぐコーナー部とからなり、肩部から胴部に切り替わる周方向に延びる稜線に沿って、壁部、及びコーナー部を横切る環状の第1周溝を有し、壁部は、肩壁部と、胴壁部とからなり、コーナー部は、肩コーナー部と、胴コーナー部とからなり、肩部は、稜線より上方に、肩壁部、及び肩コーナー部を横切る環状の第2周溝を少なくとも1本有するので、軽量化した容器において、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して肩部の下部側における強度が保持され、外的衝撃力が付加されても、稜線付近の潰れを防止することができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、第1周溝と最下の第2周溝の上下方向の間隔は、7mm以上15mm以下であるので、軽量化した容器において、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して肩部の下部側における強度が保持され、外的衝撃力が付加されても、稜線付近の潰れを防止することができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、第1周溝の深さは、壁部での深さよりコーナー部での深さが大であるので、軽量化した容器において、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して肩部の下部側における強度が保持され、外的衝撃力が付加されても、稜線付近の潰れを防止することができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、第1周溝の最大深さb1に対する、第1周溝の最小深さb2の比b2/b1は、0.25以上0.95以下であるので、軽量化した容器において、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して肩部の下部側における強度が保持され、外的衝撃力が付加されても、稜線付近の潰れを防止することができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、第1周溝の最大深さb1は、1.5mm以上6.5mm以下であるので、軽量化した容器において、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して肩部の下部側における強度が保持され、外的衝撃力が付加されても、稜線付近の潰れを防止することができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、第2周溝の深さは、壁部での深さよりコーナー部での深さが大であるので、軽量化した容器において、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して肩部の下部側における強度が保持され、外的衝撃力が付加されても、稜線付近の潰れを防止することができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、第2周溝の最大深さb3に対する、第2周溝の最小深さb4の比b4/b3は、0.25以上0.95以下であるので、軽量化した容器において、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して肩部の下部側における強度が保持され、外的衝撃力が付加されても、稜線付近の潰れを防止することができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、第2周溝の最大深さb3は、1.5mm以上6.5mm以下であるので、軽量化した容器において、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して肩部の下部側における強度が保持され、外的衝撃力が付加されても、稜線付近の潰れを防止することができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、肩壁部、及び肩コーナー部は、最上の第2周溝の上部から口部に連接する範囲に、底面が3以上の多角形である略逆多角錐形状の凹部を有するので、肩部全体において強度をバランスよく高めることができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、肩壁部の凹部の逆多角錐の頂点は、肩壁部の水平方向の略中心を結ぶ線の鉛直下方に位置し、肩コーナー部の凹部の逆多角錐の頂点は、肩コーナー部の水平方向の略中心を結ぶ線の鉛直下方に位置するので、肩部全体において強度をバランスよく高めることができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、肩壁部の凹部は、逆三角錐形状であり、肩コーナー部の凹部は、逆四角錐形状であるので、肩部全体において強度をバランスよく高めることができる。
本実施形態に係るプラスチックボトルの一例が示された正面図である。 図1のプラスチックボトルの平面図である。 図1のプラスチックボトルの底面図である。 図2のI方向矢視図である。 図1の肩部から胴部に切り替わる稜線付近の部分拡大図である。 図5のII−II線の縮小断面図である。 (a)は図5のIII−III線の縮小断面図であり、(b)は図5のIV−IV線の縮小断面図である。 図5のV−V線の縮小断面図である。 図1の圧力吸収パネルを凹状パネルと凸状パネルに分解した分解図である。 図9(a)の下図のVII−VII線断面の拡大図である。 図9(a)の下図のVI−VI線断面の一部拡大図である。なお、矢印方向がプラスチックボトル1の外方を示している。 図1の補強溝の正面拡大図である。 本実施形態の別な構成を示す正面図である。 比較例1のプラスチックボトルの正面図である。 図14のプラスチックボトルの平面図である。 図14のプラスチックボトルの底面図である。 比較例2のプラスチックボトルの正面図である。 図17のプラスチックボトルの平面図である。 図17のプラスチックボトルの底面図である。 (a)は落下試験の落下方向を示す正面図、(b)は落下試験の落下方向を示す側面図である。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。図1は本実施形態に係るプラスチックボトル1の一例が示された正面図である。図2は図1のプラスチックボトル1の平面図であり、図3は図1のプラスチックボトル1の底面図である。図4は図2のI方向矢視図である。図5は図1の肩部から胴部に切り替わる稜線付近の部分拡大図である。なお、以下では、説明の便宜上、プラスチックボトル1を正立させた図1の状態において、容器内に内容物が充填されるプラスチックボトル1の口部10を上とする。
図1〜図5に示されるように、本実施形態に係るプラスチックボトル1は、口部10と、肩部20と、胴部30と、底部40と、を有する。そして、肩部20、及び胴部30は、複数の壁部51と、壁部51同士をつなぐコーナー部52とからなり、肩部20から胴部30に切り替わる周方向に延びる稜線50に沿って、壁部51、及びコーナー部52を横切る環状の第1周溝53を有し、壁部51は、肩壁部21と、胴壁部31とからなり、コーナー部52は、肩コーナー部22と、胴コーナー部32とからなり、肩部20は、稜線50より上方に、肩壁部21、及び肩コーナー部22を横切る環状の第2周溝23を少なくとも1本有することを特徴とする。
以下では、本実施形態に係るプラスチックボトル1の好適な態様の一例として、水平方向の断面視が略正方形の角ボトルを例示し、口部10から底部40に至るまでの各部の構成を上から順に詳細に説明する。
口部10は、内容物の充填口、及び注出口、あるいは飲み口となり、口部10に、図示せぬ蓋が取り付けられることによってプラスチックボトル1が密閉される。
図1に示すように、肩部20、及び胴部30は、複数の壁部51と、壁部51同士をつなぐコーナー部52とからなり、壁部51は、肩壁部21と、胴壁部31とに分割され、コーナー部52は、肩コーナー部22と、胴コーナー部32とに分割される。
肩部20は、その上側が口部10に連なり、一方で、その下側が胴部30に連なる。肩部20は、上方から下方に向かって拡径する略四角錐台の形状である。図2に示されるように、プラスチックボトル1は角ボトルであるため、肩部20は、互いに同一の形状からなる4つの肩壁部21を有しており、更に、隣接する肩壁部21同士の間には肩コーナー部22が形成されている。
肩部20は、詳細には、胴壁部31、及び胴コーナー部32に連接する。そして、肩部20から胴部30に切り替わる周方向に延びる稜線50に沿って、壁部51、及び、コーナー部52を横切る環状の第1周溝53を有する。また、肩部20は、稜線50より上方に、肩壁部21及び肩コーナー部22を横切る環状の第2周溝23を少なくとも1本有する。
この構成によって、肩部20から胴部30に切り替わる稜線50に対して肩部20の下部側における強度が保持され、プラスチックボトルのハンドリングや搬送時等で発生する外的衝撃力が付加されても、稜線付近が凹む、いわゆる肩潰れが防止される。
次に、第1周溝53の詳細について説明する。図5は図1の肩部20から胴部30に切り替わる稜線50付近の部分拡大図である。図6は図5のII−II線の縮小断面図である。図7(a)は図5のIII−III線の縮小断面図であり、図7(b)は図5のIV−IV線の縮小断面図である。図8は図5のV−V線の縮小断面図である。
図5に示すように、第1周溝53は、上側周面53aと、溝底面53bと、下側周面53cとから構成される。上側周面53aは、上方から下方に向けてプラスチックボトル1の内方へ傾斜する周面である。溝底面53bは、鉛直な周面である。下側周面53cは、上方から下方に向けてプラスチックボトル1の外方へ傾斜する周面である。そして、上側周面53aは溝底面53bの上縁と連なり、下側周面53cは溝底面53bの下縁と連なっている。なお、第1周溝53の形状は上述の構成に限定されるものではなく、例えば、プラスチックボトル1の内方に窪む円弧状やV字状の周溝であってもよい。
図7(a)、及び図8に示すように、第1周溝53の深さは、壁部51での深さとコーナー部52での深さとで異なり、壁部51での深さよりコーナー部52での深さが大であることが好ましい。そして、壁部51での深さは、周方向に略一定であり、第1周溝53における深さの最小部位であり、コーナー部52での深さは、周方向に略一定であり、第1周溝53における深さの最大部位となるように形成されるのが好ましい。なお、図8に示すように、ここでの第1周溝53の深さは、上側周面53aの最上部から溝底面53bまでのボトル軸に直交する水平方向の距離とする。
この構成によって、上下方向の荷重に対して溝底面53bが略円形状に変形する。したがって、側壁強度を向上しつつ、上下方向の荷重に対して稜線付近の形状が安定し、肩部20から胴部30に切り替わる稜線50付近における強度が向上し、外部からの衝撃による肩潰れが防止される。
第1周溝53の最大深さb1に対する、第1周溝53の最小深さb2の比b2/b1は、0.25以上0.95以下とすることが好ましい。この比b2/b1が小であると、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。また、外部からの衝撃に対し、荷重を効果的に分散することができず、肩部20から胴部30に切り替わる稜線50付近における強度の向上が図れない。一方で、この比b2/b1が大であると、コーナー部52に荷重が集中しやすくなり、座屈強度が低下する。
第1周溝53のコーナー部52での深さb1、つまり最大深さは、1.5mm以上6.5mm以下であることが好ましく、2.0以上4.5mm以下であることがより好ましい。深さが小であると、胴部30の側壁強度が向上しにくくなる。一方で、深さが大であると、プラスチックボトル1の成形時に、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。更に、上下方向の荷重に対する第1周溝53の圧縮変形量が大きくなる。
なお、第1周溝53の深さは、壁部51とコーナー部52で均一としてもよいが、その際は、側壁強度と垂直荷重に対する強度を高める観点から、第1周溝53の厚みにつき、コーナー部52の厚みより壁部51での厚みを大とすることが好ましい。そして、壁部51での厚みは、周方向に略一定であり、第1周溝53における厚みの最大部位であり、コーナー部52での厚みは、周方向に略一定であり、第1周溝53における厚みの最小部位となるように形成されるのが好ましい。
図示していないが、第1周溝53の最大厚みt1に対する、第1周溝53の最小厚みt2の比t2/t1は、0.40以上0.75以下とすることが好ましい。この比t2/t1が小であると、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。また、外部からの衝撃に対し、荷重を効果的に分散することができず、肩部20から胴部30に切り替わる稜線50付近における強度の向上が図れない。一方で、この比t2/t1が大であると、コーナー部52に荷重が集中しやすくなり、座屈強度が低下する。
第1周溝53の壁部51での厚みt1、つまり最大厚みは、0.3mm以上0.7mm以下であることが好ましく、0.35mm以上0.6mm以下であることがより好ましい。厚みが小であると、胴部30の側壁強度が向上しにくくなる。一方で、厚みが大であると、プラスチックボトル1の成形時に、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。更に、上下方向の荷重に対する第1周溝53の圧縮変形量が大きくなる。
次に、第2周溝23の詳細について説明する。図5に示すように、第2周溝23は、上側周面23aと、溝底面23bと、下側周面23cとから構成される。上側周面23aは、上方から下方に向けてプラスチックボトル1の内方へ傾斜する周面である。溝底面23bは、鉛直な周面である。下側周面23cは、上方から下方に向けてプラスチックボトル1の外方へ傾斜する周面である。そして、上側周面23aは溝底面23bの上縁と連なり、下側周面23cは溝底面23bの下縁と連なっている。なお、第2周溝23の形状は上述の構成に限定されるものではなく、例えば、プラスチックボトル1の内方に窪む円弧状やV字状の周溝であってもよい。
図7(b)、及び図8に示すように、第2周溝23の深さは、肩壁部21での深さと肩コーナー部22での深さとで異なり、肩壁部21での深さより肩コーナー部22での深さが大である。肩壁部21での深さは、周方向に略一定であり、第2周溝23における深さの最小部位である。肩コーナー部22での深さは、周方向に略一定であり、第2周溝23における深さの最大部位となるように形成されるのが好ましい。なお、図8に示すように、ここでの第2周溝23の深さは、上側周面23aの最上部から溝底面23bまでのボトル軸に直交する水平方向の距離とする。
この構成によって、外部からの衝撃に対し、荷重を効果的に分散することができ、肩部20から胴部30に切り替わる稜線50付近における強度が向上し、肩潰れが防止される。
第2周溝23の最大深さb3に対する、第2周溝23の最小深さb4の比b4/b3は、0.25以上0.95以下とすることが好ましい。この比b4/b3が小であると、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。また、外部からの衝撃に対し、荷重を効果的に分散することができず、肩部20から胴部30に切り替わる稜線50付近における強度の向上が図れない。一方で、この比b4/b3が大であると、肩コーナー部22に荷重が集中しやすくなり、座屈強度が低下する。
第2周溝23のコーナー部22での深さb3、つまり最大深さは、1.5mm以上6.5mm以下であることが好ましく、2.0mm以上4.5mm以下であることがより好ましい。深さが小であると、胴部30の側壁強度が向上しにくくなる。一方で、深さが大であると、プラスチックボトル1の成形時に、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。更に、上下方向の荷重に対する第2周溝23の圧縮変形量が大きくなる。
なお、第2周溝23の深さは、肩壁部21と肩コーナー部22で均一としてもよいが、その際は、側壁強度と垂直荷重に対する強度を高める観点から、第2周溝23の厚みにつき、肩コーナー部22の厚みより肩壁部21での厚みを大とすることが好ましい。そして、肩壁部21での厚みは、周方向に略一定であり、第2周溝23における厚みの最大部位であり、肩コーナー部22での厚みは、周方向に略一定であり、第2周溝23における厚みの最小部位となるように形成されるのが好ましい。
図示していないが、第2周溝23の最大厚みt3に対する、第2周溝23の最小厚みt4の比t4/t3は、0.40以上0.75以下とすることが好ましい。この比t4/t3が小であると、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。また、外部からの衝撃に対し、荷重を効果的に分散することができず、肩部20から胴部30に切り替わる稜線50付近における強度の向上が図れない。一方で、この比t4/t3が大であると、コーナー部52に荷重が集中しやすくなり、座屈強度が低下する。
第2周溝23の肩壁部21での厚みt3、つまり最大厚みは、0.3mm以上0.7mm以下であることが好ましく、0.35mm以上0.6mm以下であることがより好ましい。厚みが小であると、胴部30の側壁強度が向上しにくくなる。一方で、厚みが大であると、プラスチックボトル1の成形時に、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。更に、上下方向の荷重に対する第2周溝23の圧縮変形量が大きくなる。
ここで、図5に示すとおり、第1周溝53と最下の第2周溝23の上下方向の間隔iは、7mm以上15mm以下となるように配置されることが好ましい。この間隔iが小であると、第2周溝23が1本の場合に、肩部の下部側の特に稜線付近の強度しか維持されず、肩部の下部側に外的衝撃力が付加された場合に、肩潰れが防止されにくくなる。また、プラスチックボトル1の成形時に、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。一方で、この間隔が大であると、第1周溝53と最下の第2周溝23との間がクッションになって垂直座屈が弱くなりやすく、補強されていないクッション部分に外力が付加された場合に肩潰れが発生してしまう。
更に、肩部の第2周溝23は、1本から3本形成されるのが好ましい。4本以上となるとプラスチックボトル1の成形時に、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。更に、上下方向に隣り合う第2周溝23同士の間隔は、5mm以上12mm以下となるように配置されることが好ましい。この間隔が小であると、肩部の下部側に付加された外的衝撃力による肩潰れの防止が不充分になる。また、プラスチックボトル1の成形時に、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。一方、間隔が大であると、隣り合う第2周溝との間がクッションになって垂直座屈が弱くなりやすく、補強されていないクッション部分に外力が付加された場合に肩潰れが発生してしまう。
次に、図5、及び図6に示すように、肩壁部21、及び肩コーナー部22は、最上の第2周溝23の上部から口部10に連接する範囲に、底面が3以上の多角形である略逆多角錐形状の凹部60を有することが、肩部20全体において強度をバランスよく高める観点から好ましい。本実施形態では、肩壁部21の凹部60は逆三角錐形状、肩コーナー部22の凹部60は逆四角錐形状、とされているが、本発明はこれに限定されず、適宜設計することができる。ただし、肩部20全体において強度をバランスよく高める観点からは、3〜4角錐形状がより好ましい。
なお、肩壁部21の凹部60の逆三角錐の頂点61は、肩壁部21の水平方向の略中心を結ぶ線の鉛直下方に位置し、肩コーナー部22の凹部60の逆四角錐の頂点62は、肩コーナー部22の水平方向の略中心を結ぶ線の鉛直下方に位置することが、肩部20全体において強度をバランスよく高める観点から好ましい。
胴部30は、互いに同一の形状からなる4つの胴壁部31を有しており、全体として略正四角筒の形状を有している。更に、隣接する胴壁部31同士の間には胴コーナー部32が形成されている。更に、胴壁部31は、上胴壁部31Aと、下胴壁部31Bとに分割され、更に、胴コーナー部32は、上胴コーナー部32Aと、下胴コーナー部32Bとに分割されている。なお、胴部30は、正四角筒形状に限定されるものではなく、多面筒形状であれば良く、特に偶数の多面筒形状であれば、自動販売機に好適に利用可能であるため、より好ましい。更に、胴部30は長四角筒形状であっても良い。
次に、プラスチックボトル1の胴壁部31の詳細について説明する。図9(a)の下図は、図1のプラスチックボトルにおける上胴壁部31Aの正面拡大図である。図9(a)の上図は、図9(a)の下図のVI−VI線の断面図を図9(a)の下図の各部位に対応させて示している。図9(b)、及び図9(c)の下図は、図9(a)の圧力吸収パネル35を、凹状パネルと凸状パネルに分解した分解図である。図9(b)、及び図9(c)の上図は、各分解図の各部位に対応させた図9(a)の下図のVI−VI線の断面図を示している。図10の左図は、図9(a)のVII−VII線断面の拡大図である。図10の左図は、右図の圧力吸収パネル35の各部位に対応させて示している。なお、図10の左図においては、矢印方向がプラスチックボトル1の外方を示している。図11は、図9(a)のVI−VI線断面の一部拡大図である。なお、図11においては、矢印方向がプラスチックボトル1の外方を示している。
図1、及び図12に示すように、胴壁部31は、上下方向の略中間部において、上胴壁部31Aと、下胴壁部31Bとに分割され、それぞれ圧力吸収パネル35を備える。圧力吸収パネル35は、プラスチックボトル1の内部の圧力変化、特に減圧変化を吸収し、かつプラスチックボトル1の強度、特に側壁強度を保持する。また、圧力吸収パネル35は、圧力分散して胴膨れを防止する観点から、各角部がR面取りされた略矩形状であることが好ましい。
以下では、圧力吸収パネル35について説明するが、上胴壁部31Aと下胴壁部31Bとも同様の形態であるため、上胴壁部31Aについてのみ取り上げて説明し、下胴壁部31Bの構造は省略する。
図9、図10及び図11に示すように、圧力吸収パネル35は、上胴壁部31Aに縦窓状に設けられ、凸状パネル33の周囲を取り囲むように凹状パネル34が形成される。凸状パネル33、及び凹状パネル34は、略矩形状であり、凸状パネル33の表面33aは、胴壁部31の最外方面31aより内方に位置するように形成されている。
凸状パネル33の深さd1は、0.5〜5mm、好ましくは1〜3mmであり、凹状パネル34の深さd2は、1〜7mm、好ましくは1.5〜4mmである。d1,d2には、d1<d2の関係があり、深さd1,d2が小さ過ぎると、プラスチックボトル1の内圧変化による荷重を吸収しにくくなり、一方で、深さd1,d2が大き過ぎると、プラスチックボトル1の成形時に、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。
また、凹状パネルの深さd2に対する、凸状パネルの深さd1の比d1/d2は、0.5以上0.9以下であることが、効率的に圧力を分散して胴膨れを防止する観点から好ましい。
凸状パネル33の側面33bにおける傾斜角度θ1については、5度≦θ1≦80度であることが好ましく、凹状パネル34の側面34bにおける傾斜角度θ2については、5度≦θ1≦80度であることが好ましい。ブロー成形性や、成形後の離型性を考慮すると、30度≦θ1≦60度,30度≦θ2≦60度であることがより好ましい。なお、θ1,θ2はすべて同一の値であっても良く、互いに異なる値であっても良い。
なお、1つのプラスチックボトル1、又は1つの圧力吸収パネル35において、各寸法d1,d2,θ1,θ2等は、各々がすべて同じ値である必要はなく、上述した関係を満たす異なる値で適宜設計することができる。更に、上述の上胴壁部31Aの圧力吸収パネル35の構成は、下胴壁部31Bの圧力吸収パネル35の構成に、矛盾しない範囲で任意に組み合わせ可能である。
プラスチックボトル1はわずかながら、酸素の透過性を有している。そして、プラスチックボトル1内での保存が長期間に及ぶと、内容物によっては酸化が起こり、これによって、プラスチックボトル1内が減圧する。その他にも、内容物の充填時と、保管時との温度差によってもプラスチックボトル1の内部の圧力が変化する。内部で減圧が生じたプラスチックボトル1は内方に引っ張られて変形が生じる。
このとき、圧力吸収パネル35は、凸状パネル33の表面33a、凸状パネル33の側面33b、凹状パネル34の底面34a、凹状パネル34の側面34bとの凹凸面が伸ばされることによって容易に内方に向けて変形する。圧力吸収パネル35は、プラスチックボトル1内が減圧された際に、プラスチックボトル1の内方に凹むことによって、プラスチックボトル1全体の変形を防止する役割を果たす。すなわち、プラスチックボトル1に水頭圧がかかっても、圧力吸収パネル35の凹凸面にける剛性が高まり、圧力分散することで、胴膨れを防止することができる。
なお、圧力吸収パネル35は、プラスチックボトル1内が増圧された際にもプラスチックボトル1全体の変形を防止する役割を果たす。このような構成を有する圧力吸収パネル35によって、プラスチックボトル1の開栓時に、プラスチックボトル1の壁が内方へ押圧されて内容物が口部10から押し出されてこぼれることも防止することができる。そして、圧力吸収パネル35は、胴部30の剛性を高めることができる。
プラスチックボトル1の上胴壁部31Aはラベルが装着される部位である。ラベルは、例えば、プラスチックボトル1に被せられた筒状のポリスチレン(PS:PolyStyrene)や、ポリエチレンテレフタラート(PET:PolyEthylene Terephthalate)等の熱収縮性フィルムに熱風を当てて収縮させるシュリンクラベルによって装着される。そして、筒状の熱収縮性フィルムの寸法は予め定められた値に決まっているので、上胴壁部31Aが膨れていると、熱収縮性フィルムが詰まったり、入らなかったりする不具合が生じる。
そこで、圧力吸収パネル35は、プラスチックボトル1の上胴壁部31Aの外方には出っ張らないように構成されるのが好ましい。すなわち、凸状パネル33の表面33aが胴壁部31の最外方面31aより内方に位置することが好ましい。これによって、上胴壁部31Aへのラベルの装着が円滑に行われ、段ボール等への箱詰めの積載効率にも優れ、生産性を向上させることができる。更に、圧力吸収パネル35を備えることによって、プラスチックボトル1に内容物が充填された商品の外観を良好に保ち、商品価値の低下を防止することができる。
上胴壁部31Aと、下胴壁部31Bとの間には、胴壁部31、及び胴コーナー部32を横切る環状の補強溝38を有することが好ましい。補強溝38は、胴部30の水平方向の荷重に耐える強度である側壁強度を向上させる。底部40の接地面から補強溝38までの高さH2と、プラスチックボトル1の全高H1との比H2/H1が0.3以上0.8以下であることが強度をより保持しながら胴膨れをより防止する本実施形態の効果を適切に発揮させる観点から好ましい。比H2/H1が0.3未満であると、プラスチックボトル1の成形時に底部40側まで樹脂が到達しにくい為、白化等の賦形不良が生じやすくなる。一方で、比H2/H1が0.8より大であると、側壁強度が低下することになる。
上胴壁部31A、及び上胴コーナー部32Aは、上方から下方に向かって縮径するとともに補強溝38に連なるように先細り形状に形成され、下胴壁部31B、及び下胴コーナー部32Bは、下方から上方に向かって縮径するとともに補強溝38に連なるように先細り形状に形成され、補強溝38が胴部30の最小径になるようにくびれることが、持ち運びやすさ、飲みやすさ、及び胴膨れをより防止する効果を適切に発揮させる観点から好ましい。
ここで、補強溝38の構成について詳述する。図12は補強溝38の正面部分の拡大図である。補強溝38は、胴コーナー部32の両端部から中央に向け、幅広となるように形成される。すなわち、胴コーナー部32の両端部における補強溝38の幅c1より、胴コーナー部32の中央における補強溝38の幅c2が大である。この構成によって、胴部30の剛性を高めることができる。
c2/c1の比は1.1〜3.0であることが座屈強度、及び賦形性の観点から好ましい。c2/c1の比が1.1よりも小であると、応力の集中を防止する効果が発揮されにくくなる。一方で、c2/c1の比が3.0よりも大であると、垂直荷重時に屈曲点になってしまう。
本実施形態に係るプラスチックボトル1にはサイズによる限定はなく、種々のサイズに対して適用することができる。例えば、プラスチックボトル1の容積が200ml〜2000mlであっても良く、特に、容積が500ml〜1000mlであるプラスチックボトル1に対して好適である。とりわけ、プラスチックボトル1の全高H1が120mm〜260mmであり、胴部30の直径が40mm〜70mmであることが好ましく、本実施形態に係るプラスチックボトル1の奏する効果を好適に得ることができる。
プラスチックボトル1を構成する熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、又はこれらの共重合体等の熱可塑性ポリエステル、これらの樹脂、あるいは他の樹脂とのブレンド物が好適であり、特に、ポリエチレンテレフタレート等のエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルを好適に使用することができる。更に、アクリロニトリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等も使用することができる。更に、植物由来のバイオマス系プラスチック、例えば、ポリ乳酸(PLA)を用いることも可能である。上述された樹脂には、成形品の品質を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、着色剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、核剤、酸化防止剤、帯電防止剤等を配合することができる。なお、プラスチックボトル1は、過酸化水素、過酢酸を添加して無菌化させることが好ましい。
プラスチックボトル1を構成するエチレンテレフタレート系熱可塑性樹脂として、エステル反復部分の大部分、一般に70モル%以上をエチレンテレフタレート単位が占めるものであり、ガラス転移点(Tg)が50〜90℃であり、融点(Tm)が200〜275℃の範囲にあるものが好適である。また、エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレートが耐圧性等の点で特に優れているものの、エチレンテレフタレート単位以外に、イソフタル酸や、ナフタレンジカルボン酸等の二塩基酸と、プロピレングリコール等のジオールからなるエステル単位を少量含む共重合ポリエステルも使用することができる。
更に、プラスチックボトル1は、二層以上の熱可塑性ポリエステル層により構成することもできる。更に、プラスチックボトル1は、二層以上の熱可塑性ポリエステル層により構成する場合には、層間にバリア層や、酸素吸収層等の中間層を備えることができる。酸素吸収層としては、酸化可能有機成分、及び遷移金属触媒の組み合わせ、あるいは実質的に酸化しないガスバリア性樹脂等を含む層を使用することができる。
プラスチックボトル1は、上述の材料を射出成形して製作したプリフォームをブロー成形によって成形することにより作製することができる。
以上に説明がなされたように、本実施形態に係るプラスチックボトル1は、口部10と、肩部20と、胴部30と、底部40と、を有し、そして、肩部20、及び胴部30は、複数の壁部51と、壁部51同士をつなぐコーナー部52とからなり、肩部20から胴部30に切り替わる周方向に延びる稜線50に沿って、壁部51、及びコーナー部52を横切る環状の第1周溝53を有し、壁部51は、肩壁部21と、胴壁部31とからなり、コーナー部52は、肩コーナー部22と、胴コーナー部32とからなり、肩部20は、稜線50より上方に、肩壁部21、及び肩コーナー部22を横切る環状の第2周溝23を少なくとも1本有する。そして、本実施形態に係る構成によれば、軽量化された角型のプラスチックボトル1において、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して肩部の下部側における強度が保持され、外的衝撃力が付加されても、稜線付近の潰れが防止される。
以下に、実施例、及び比較例を示して、本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<材料>
[実施例1]
図1に示される本実施形態に係るプラスチックボトル1が用いられた。すなわち、プラスチックボトル1は、口部10と、肩部20と、胴部30と、底部40と、を有し、肩部20、及び胴部30は、複数の壁部51と、壁部51同士をつなぐコーナー部52とからなり、肩部20から胴部30に切り替わる周方向に延びる稜線50に沿って、壁部51、及びコーナー部52を横切る環状の第1周溝53を有し、壁部51は、肩壁部21と、胴壁部31とからなり、コーナー部52は、肩コーナー部22と、胴コーナー部32とからなり、肩部20は、稜線50より上方に、肩壁部21、及び肩コーナー部22を横切る環状の第2周溝23を1本有するなどといった特徴を有している。
プラスチックボトル1は、ポリエチレンテレフタレート製であり、重量が30gで、容量が720mlであった。プラスチックボトル1は、プリフォームをブロー成形することによって作製された。
[実施例2]
図13に、実施例2を示す。このプラスチックボトル100は、稜線150より上方に第2周溝123が2本形成されている。この第2周溝の本数以外は、実施例1と同じ構成である。
[比較例1]
図14〜図16に示される、口部210と、肩部220と、胴部230と、底部240とを備えた構成であって、720ml用のプラスチックボトル200が従来形状のプラスチックボトルの比較例1として供試された。
ここで、図14はプラスチックボトル200の正面図、図15は図14のプラスチックボトル200の平面図、図16は図14のプラスチックボトル200の底面図である。肩部220、及び胴部230は、実施例1に対し肩部220から胴部230に切り替わる周方向に延びる稜線250に沿った環状の第1周溝、稜線250より上方の肩部の第2周溝、及び最上の第2周溝より上方の肩部の略逆多角錐形状の凹部が設けられていない以外、ほぼ実施例1のプラスチックボトルと同じ構成である。
このような構成のプラスチックボトル200は、30gのプリフォームがブロー成形されることで作製された。なお、ブロー成形時に賦形不良が発生することはなかった。
[比較例2]
図17〜図19に示される、口部310と、肩部320と、胴部330と、底部340とを備えた構成であって、720ml用のプラスチックボトル300が従来形状のプラスチックボトルの比較例2として供試された。
ここで、図17はプラスチックボトル300の正面図、図18は図17のプラスチックボトル300の平面図、図19は図17のプラスチックボトル300の底面図である。
肩部320の肩壁部321は、水平方向、及び鉛直方向等に分割されたパネルによって形成され、肩部320の肩コーナー部322は、水平方向に分割されたパネルによって形成されている以外、ほぼ比較例1のプラスチックボトルと同じ構成である。
このような構成のプラスチックボトル300は、30gのプリフォームがブロー成形されることで作製された。なお、ブロー成形時に賦形不良が発生することはなかった。
<方法>
(落下試験)
実施例1、2、並びに比較例1、2のプラスチックボトルにヘッドスペースが20mlになるように緑茶が充填され、口部がキャップによって密封された。この内容物が充填されたプラスチックボトルが、縦3本、横5本に配列されて段ボール400に箱詰めされた。図20に示すように、このプラスチックボトルが詰められた段ボール400を、ボトル軸が水平となるように横持ちした状態で、60cmの高さから手を放して集合落下させ、各プラスチックボトルにつき肩潰れの有無を目視で観察した(落下方向は、図20の矢印参照)。
表1には、落下位置の高さ、1回の落下試験に使用されたボトル数(1箱15本)、1回の落下試験によって肩潰れが発生したボトル数、及び肩潰れの評価(〇:肩潰れなし、×:肩潰れ発生)が示されている。
Figure 2020055564
(総合評価)
表1の評価結果から明らかなように、実施例1、2のプラスチックボトルは、比較例1、2のプラスチックボトルに比べて、落下時の衝撃力による肩潰れ防止に優れていることが確認された。
上述された実施例1、2から、本実施形態に係るプラスチックボトル1、100は、その構成によって、軽量化された角型のプラスチックボトルにおいて、肩部から胴部に切り替わる稜線に対して肩部の下部側における強度が保持され、外的衝撃力が付加されても、稜線付近の潰れが防止されるものであることが示された。
本開示は、無菌充填用、耐熱用等の種々のプラスチックボトルに好適に利用することができる。しかしながら、本開示は、上述された実施形態、及び実施例に限定されるものではない。本開示のプラスチックボトルは、内容物に、例えば、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、果汁、清涼飲料等の各種非炭酸飲料、あるいはしょうゆ、ソース、みりん等の調味料、食用油、酒類を含む食品等、洗剤、シャンプー、化粧品、医薬品、その他を収容した、あらゆる容器に有用であり、容器の横倒し積載が可能であるので自動販売機等による販売にも適している。
1 プラスチックボトル
10 口部
20 肩部
21 肩壁部
22 肩コーナー部
23(23a,23b,23c) 第2周溝(上側周面,溝底面,下側周面)
30 胴部
31 胴壁部
31a 胴壁部の最外方面
31A 上胴壁部
31B 下胴壁部
32 胴コーナー部
32A 上胴コーナー部
32B 下胴コーナー部
33 凸状パネル
33a 凸状パネルの表面
33b 凸状パネルの側面
34 凹状パネル
34a 凹状パネルの底面
34b 凹状パネルの側面
35 圧力吸収パネル
38 補強溝
40 底部
50 稜線
51 壁部
52 コーナー部
53(53a,53b,53c) 第1周溝(上側周面,溝底面,下側周面)
60 凹部
61 肩壁部の凹部の逆三角錐の頂点
62 肩コーナー部の凹部の逆四角錐の頂点
b1 第1周溝の最大深さ
b2 第1周溝の最小深さ
b3 第2周溝の最大深さ
b4 第2周溝の最小深さ
i 第1周溝と最下の第2周溝の上下方向の間隔
H1 プラスチックボトルの全高
H2 底部の接地面から補強溝までの高さ
d1 凸状パネルの深さ
d2 凹状パネルの深さ
θ1 凸状パネルの側面における傾斜角度
θ2 凹状パネルの側面における傾斜角度
c1 胴コーナー部の両端部における補強溝の幅
c2 胴コーナー部の中央における補強溝の幅

Claims (11)

  1. 口部と、
    肩部と、
    胴部と、
    底部と、
    を有し、
    前記肩部、及び前記胴部は、複数の壁部と、該壁部同士をつなぐコーナー部とからなり、
    前記肩部から前記胴部に切り替わる周方向に延びる稜線に沿って、前記壁部、及び前記コーナー部を横切る環状の第1周溝を有し、
    前記壁部は、肩壁部と、胴壁部とからなり、
    前記コーナー部は、肩コーナー部と、胴コーナー部とからなり、
    前記肩部は、前記稜線より上方に、前記肩壁部、及び前記肩コーナー部を横切る環状の第2周溝を少なくとも1本有することを特徴とする、
    プラスチックボトル。
  2. 前記第1周溝と最下の前記第2周溝の上下方向の間隔は、7mm以上15mm以下であることを特徴とする、
    請求項1に記載のプラスチックボトル。
  3. 前記第1周溝の深さは、前記壁部での深さより前記コーナー部での深さが大であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のプラスチックボトル。
  4. 前記第1周溝の最大深さb1に対する、前記第1周溝の最小深さb2の比b2/b1は、0.25以上0.95以下であることを特徴とする、
    請求項3に記載のプラスチックボトル。
  5. 前記第1周溝の最大深さb1は、1.5mm以上6.5mm以下であることを特徴とする、
    請求項4に記載のプラスチックボトル。
  6. 前記第2周溝の深さは、前記壁部での深さより前記コーナー部での深さが大であることを特徴とする、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  7. 前記第2周溝の最大深さb3に対する、前記第2周溝の最小深さb4の比b4/b3は、0.25以上0.95以下であることを特徴とする、
    請求項6に記載のプラスチックボトル。
  8. 前記第2周溝の最大深さb3は、1.5mm以上6.5mm以下であることを特徴とする、
    請求項7に記載のプラスチックボトル。
  9. 前記肩壁部、及び前記肩コーナー部は、最上の前記第2周溝の上部から前記口部に連接する範囲に、底面が3以上の多角形である略逆多角錐形状の凹部を有することを特徴とする、
    請求項1乃至8のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  10. 前記肩壁部の前記凹部の逆多角錐の頂点は、前記肩壁部の水平方向の略中心を結ぶ線の鉛直下方に位置し、
    前記肩コーナー部の前記凹部の逆多角錐の頂点は、前記肩コーナー部の水平方向の略中心を結ぶ線の鉛直下方に位置することを特徴とする、
    請求項9に記載のプラスチックボトル。
  11. 前記肩壁部の前記凹部は、逆三角錐形状であり、
    前記肩コーナー部の前記凹部は、逆四角錐形状であることを特徴とする、
    請求項9乃至10のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
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