以下に、本発明に係る基板搬送装置および基板搬送装置を備える基板処理装置の実施形態を添付図面とともに説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
図1は、一実施形態による基板処理装置1000の全体構成を示す平面図である。図1に示される基板処理装置1000は、ロードユニット100、搬送ユニット200、研磨ユニット300、乾燥ユニット500、およびアンロードユニット600を有する。図示の実施形態において、搬送ユニット200は、2つの搬送ユニット200A、200Bを有し、研磨ユニット300は、2つの研磨ユニット300A、300Bを有する。一実施形態において、これらの各ユニットは、独立に形成することができる。これらのユニットを独立して形成することで、各ユニットの数を任意に組み合わせることで異なる構成の基板処理装置1000を簡易に形成することができる。また、基板処理装置1000は、制御装置900を備え、基板処理装置1000の各構成要素は制御装置900により制御される。一実施形態において、制御装置900は、入出力装置、演算装置、記憶装置などを備える一般的なコンピュータから構成することができる。
<ロードユニット>
ロードユニット100は、研磨および洗浄などの処理が行われる前の基板WFを基板処理装置1000内へ導入するためのユニットである。図2は、一実施形態によるロードユニット100を模式的に示す側面図である。一実施形態において、ロードユニット100は筐体102を備える。筐体102は基板WFを受け入れる側に入口開口104を備える。図2に示される実施形態においては、右側が入口側である。ロードユニット100は、入口開口104から処理対象である基板WFを受け入れる。ロードユニット100の上流(図2では右側)には、本開示による基板処理装置1000による基板WFの処理より前の処理工程が実施される処理装置が配置される。図2に示される実施形態において、ロードユニット100は、IDリーダー106を備える。IDリーダー106は、入口開口104から受け入れられた基板のIDを読み取る。基板処理装置1000は、読み取ったI
Dに応じて、基板WFに対して各種処理を行う。一実施形態において、IDリーダー106はなくてもよい。一実施形態において、ロードユニット100は、SMEMA(Surface Mount Equipment Manufacturers Association)の機械装置インタフェー規格(IPC-SMEMA-9851)に準拠するように構成される。
図2に示される実施形態において、ロードユニット100は、基板WFを搬送するための複数の搬送ローラ202を備えている。搬送ローラ202を回転させることで、搬送ローラ202上の基板WFを所定の方向(図2においては左方向)に搬送することができる。図示の実施形態において、ロードユニット100の筐体102は、基板WFの出口開口108を有する。ロードユニット100は、搬送ローラ202上の所定の位置における基板WFの存在の有無を検知するためのセンサ112を有する。センサ112は任意の形式のセンサとすることができ、たとえば光学式のセンサとすることができる。図2に示される実施形態においては、センサ112は筐体102内に3つ設けられており、1つは入口開口104付近に設けられるセンサ112aであり、1つはロードユニット100の中央付近に設けられるセンサ112bであり、もう1つは出口開口108付近に設けられるセンサ112cである。一実施形態において、これらのセンサ112による基板WFの検知に応じて、ロードユニット100の動作を制御することができる。たとえば、入口開口104付近のセンサ112aが基板WFの存在を検知したら、ロードユニット100内の搬送ローラ202の回転を始動するようにしてもよいし、また、搬送ローラ202の回転速度を変更してもよい。また、出口開口108付近のセンサ112cが基板WFの存在を検知したら、後続のユニットである搬送ユニット200Aの入口シャッタ218を開くようにしてもよい。
図3は、一実施形態による、ロードユニット100における搬送機構を示す斜視図である。図示の実施形態において、ロードユニット100の搬送機構は、複数の搬送ローラ202と、搬送ローラ202が取り付けられる複数のローラシャフト204とを有する。図示の実施形態においては、各ローラシャフト204には3つの搬送ローラ202が取り付けられている。基板WFは、搬送ローラ202上に配置され、搬送ローラ202が回転することで基板WFが搬送される。ローラシャフト204上の搬送ローラ202の取り付け位置は、基板WFを安定的に搬送することができる位置であれば任意とすることができる。ただし、搬送ローラ202は基板WFに接触するので、処理対象である基板WFに接触しても問題の無い領域に搬送ローラ202が接触するように配置すべきである。一実施形態において、ロードユニット100の搬送ローラ202は、導電性ポリマーから構成することができる。一実施形態において、搬送ローラ202は、ローラシャフト204などを介して電気的に接地される。これは、基板WFが帯電して基板WFを損傷することを防止するためである。また、一実施形態において、ロードユニット100に、基板WFの帯電を防止するためにイオナイザー(図示せず)を設けてもよい。
図4は、一実施形態による、処理対象物である基板WFを概略的に示す平面図である。図4に示されるように、一実施形態において、基板WFは略長方形(正方形を含む)の薄い板状の基板である。図4に示される基板WFは、パターン領域10および非パターン領域20を備えている。「パターン領域」は、配線や機能性チップなどを備えた領域であり、基板上に形成されるデバイスとして使用される領域であり、デバイスの機能に意味のある配線や機能性チップなどが備えられている。また、「非パターン領域」とは、基板上のデバイスとして使用されない領域である。図4に示される実施形態においては、基板WFは2つのパターン領域10を備え、それぞれパターン領域10が非パターン領域20に囲まれている。また、一実施形態において、基板WFは、非パターン領域20に基板WFのID情報を含むものとすることができ、たとえば、IDタグ12などを備えるものとすることができる。基板WFのIDは、上述のIDリーダー106で読み取り可能とすることができる。
図2、3に示されるロードユニット100は、図4に示される基板WFのパターン領域10が形成されている面が下面となるように基板WFを受け入れ、搬送する。そのため、搬送ローラ202は、基板WFの非パターン領域20にのみ接触するように配置されている。具体的には、図3に示されるように、搬送ローラ202は、基板WFの端部の非パターン領域20に接触する位置、および基板WFの中央の非パターン領域20に接触する位置に設けられている。搬送ローラ202の位置は、処理対象である基板WFに応じて変更することができる。そのため、図示の実施形態によれば、搬送ローラ202のローラシャフト204への取り付け位置を変更することで、異なる寸法や異なるパターンを備える基板WFの搬送に用いることができる。四角形の基板は、円形の半導体基板のように規格により寸法が決まっていないので、本開示の実施形態による搬送機構は、わずかな変更で様々な寸法の基板を搬送できるようになるので有利である。
図3に示される実施形態において、ローラシャフト204の一端は、ギア206を介してモータ208により回転駆動される。一実施形態において、モータ208は、サーボモータとすることができる。サーボモータを使用することで、ローラシャフト204および搬送ローラ202の回転速度、つまり基板WFの搬送速度を制御することができる。また、一実施形態において、ギア206は、マグネットギアとすることができる。マグネットギアは非接触式の動力伝達機構なので、接触式のギアのように摩耗による微粒子の発生が生じず、また、給油などのメンテナンスも不要になる。ローラシャフト204の他端は、ベアリング等を介してベースなどの静止部材に回転可能に支持されている。後述する搬送ユニット200、乾燥ユニット500、およびアンロードユニット600においても、ローラシャフト204の一端がギア206を介してモータ208により回転駆動するように構成され、ローラシャフト204の他端は、ベアリング等を介してベースなどの静止部材に回転可能に支持されている。
図5は、図3に示される搬送ローラ202の付近を拡大した図である。図5に示されるように、搬送方向に隣接する搬送ローラ202の間には、支持部材210が配置されている。支持部材210は、搬送ローラ202により搬送される基板WFが、搬送ローラ202の間の隙間に潜り込むことを防止する。支持部材210は、基板WFが接触する搬送ローラ202の表面の高さよりもいくぶん低い位置に配置される。
図3、図5に示されるように、搬送される基板WFの幅方向に関して基板WFを支持するための複数のガイドローラ212を備える。なお、幅方向は、基板WFの搬送方向に垂直であり、基板WFの表面に平行な方向である。図3に示されるように、ガイドローラ212は、搬送中の基板WFの側面を支持するように構成される。ガイドローラ212の位置は、搬送する基板WFの寸法に応じて変更することができる。図示のガイドローラ212は、動力源に接続されておらず、自由に回転可能に構成される。一実施形態において、ガイドローラ212は、搬送する基板WFの幅に応じて位置を変更することができる。また、ガイドローラ212は、入口開口104および出口開口108の付近まで存在している。
図2、図3に示されるように、ロードユニット100は、入口開口104および出口開口108の付近に、補助ローラ214が設けられている。補助ローラ214は、搬送ローラ202と同程度の高さに配置される。補助ローラ214の位置は、搬送する基板WFの寸法に応じて変更することができる。補助ローラ214は、ユニットと他のユニットとの間に搬送中の基板WFが落ちないように基板WFを支持する。補助ローラ214は、動力源に接続されておらず、自由に回転可能に構成される。なお、後述する搬送ユニット200、乾燥ユニット500、およびアンロードユニット600においても、ガイドローラ212および補助ローラ214を入口付近および出口付近に設けるようにしてもよい。
一実施形態において、ロードユニット100は、受け入れた基板WFを反転させるための反転機(図示せず)を備えてもよい。図示の実施形態においては、ロードユニット100は、基板WFのパターン領域10が形成されている面が下面となるように基板WFを受け入れて搬送するが、上流の処理装置の仕様により基板WFのパターン領域10が形成されている面が上面となるようにロードユニット100に搬送された場合は、反転機により基板WFを反転させて、基板WFのパターン領域10が形成されている面が下面となるようにしてから、基板処理装置1000の後続の処理を行うようにしてもよい。
<搬送ユニット>
図6は一実施形態による、搬送ユニット200を模式的に示す側面図である。図1に示される基板処理装置1000は、2つの搬送ユニット200A、200Bを備えている。2つの搬送ユニット200A、200Bは同一の構成とすることができるので、以下において、一括して搬送ユニット200として説明する。
図7は、一実施形態による搬送ユニット200を示す斜視図である。なお、図7においては、図示の明瞭化のために、後述する上搬送ローラ290およびその駆動機構は省略している。図示の搬送ユニット200は、基板WFを搬送するための複数の搬送ローラ202を備えている。搬送ローラ202を回転させることで、搬送ローラ202上の基板WFを所定の方向に搬送することができる。搬送ユニット200の搬送ローラ202は、導電性ポリマーから形成されても、導電性のないポリマーから形成されてもよい。搬送ローラ202は、上述のロードユニット100の搬送機構と同様に、ローラシャフト204に取り付けられており、ギア206を介して、モータ208により駆動される。一実施形態において、モータ208はサーボモータとすることができ、ギア206は、歯車式とすることができるが、ロードユニット100と同様にマグネットギアとすることもできる。また、図示の搬送ユニット200は、ロードユニット100と同様に、搬送中の基板WFの側面を支持するガイドローラ212を備える。図示の搬送ユニット200は、搬送ローラ202上の所定の位置における基板WFの存在の有無を検知するためのセンサ216を有する。センサ216は任意の形式のセンサとすることができ、たとえば光学式のセンサとすることができる。図6に示される実施形態においては、センサ216は搬送ユニット200に7個(216a〜216g)設けられている。一実施形態において、これらのセンサ216a〜216gによる基板WFの検知に応じて、搬送ユニット200の動作を制御することができる。これらのそれぞれのセンサ216a〜216gの位置および役割は後述する。図6に示されるように、搬送ユニット200は、搬送ユニット200内に基板WFを受け入れるために開閉可能な入口シャッタ218を有する。なお、一実施形態において、搬送ユニット200は、ロードユニット100と同様に、基板WFが搬送方向に隣接する搬送ローラ202の間の隙間に潜り込むことを防止する支持部材210(図7に非図示)と搬送される基板WFの幅方向両側に関して基板WFを支持するための複数のガイドローラ212(図7に図示)も配置されている。
図6に示されるように、搬送ユニット200は、ストッパ220を有する。ストッパ220は、ストッパ移動機構222に接続されており、ストッパ220は搬送ローラ202上を移動する基板WFの搬送経路内に進入可能である。ストッパ220が基板WFの搬送経路内に位置しているときは、搬送ローラ202上を移動する基板WFの側面がストッパ220に接触し、移動中の基板WFをストッパ220の位置で停止させることができる。また、ストッパ220が基板WFの搬送経路から退避した位置にあるときは、基板WFは、搬送ローラ202上を移動することができる。ストッパ220による基板WFの停止位置は、後述のプッシャ230が搬送ローラ202上の基板WFを受け取ることができる位置(基板受け渡し位置)である。
図6、7に示されるように、搬送ユニット200はプッシャ230を有する。プッシャ230は、複数の搬送ローラ202の上にある基板WFを、複数の搬送ローラ202から離れるように持ち上げることができるように構成される。またプッシャ230は、保持している基板WFを搬送ユニット200の搬送ローラ202に受け渡すことができるように構成される。
図8は、一実施形態によるプッシャ230を示す斜視図である。図9は、図8に示されるプッシャ230を矢印9の方に見た部分断面図である。図9は、プッシャ230とともに、搬送ローラ202、搬送ローラ202上の基板受け渡し位置に配置された基板WF、および基板WFを受け取るトップリング302を概略的に示している。図8、9に示される実施形態において、プッシャ230は、第1ステージ232および第2ステージ270を備える。第1ステージ232は、基板WFをプッシャ230から後述するトップリング302に受け渡す時に、トップリング302のリテーナ部材308を支持するためのステージである。第1ステージ232は、複数の支持柱234を備える。図10は、一実施形態による、第1ステージ232の支持柱の1つを示す側面図である。図10に示されるように、支持柱234の一方の端部はトップリング302のリテーナ部材308を支持する平坦な支持面234a、およびトップリング302を案内するための傾斜面234bを備える。一実施形態において、複数の支持柱234のうちの4つの角部にある支持柱234が図10に示されるような支持面234aおよび傾斜面234bを備えるようにしてもよい。4つの角部の支持柱234により形成される凹部でリテーナ部材308を位置合わせできる。4つの角部以外の支持柱234は支持面234aのみを備えていてもよい。各支持柱234の他方の端部は、共通のベース236に連結されている。また、各支持柱234は、搬送ローラ202に干渉しない位置に設けられ、図9に示される実施形態においては、各支持柱234は、搬送ローラ202の間に配置されている。第2ステージ270は、搬送ローラ202上の基板WFを受け取るように構成される。第2ステージ270は、複数の支持柱272を備える。図11は、一実施形態による、第2ステージ270の支持柱272の1つを示す側面図である。図11に示されるように、支持柱272の一方の端部は、基板WFを支持する平坦な支持面272aを備える。各支持柱272の他方の端部は共通のベース274に連結されている。また、各支持柱272は、搬送ローラ202に干渉しない位置に設けられ、図9に示される実施形態においては、各支持柱272は、搬送ローラ202の間に配置されている。また、各支持柱272は、基板WFの非パターン領域20を支持するように配置される。第1ステージ232および第2ステージ270は、以下で詳述するように、それぞれ昇降機構に連結されており、それぞれ高さ方向(z方向)に移動可能である。
第1ステージ232は、高さ方向(z方向)に移動可能に構成される。一実施形態において、プッシャ230は第1昇降機構231を有する。一実施形態において、図8、9に示されるように、プッシャ230の第1昇降機構231は、空圧式の昇降機構であり、シリンダ240およびピストン242を備える。ピストン242の端部は、可動台座244に連結されている。シリンダ240は、固定台座246に連結されている。固定台座246は、搬送ユニット200の全体を覆う筐体201または搬送ユニット200を設置する床面などに固定される。シリンダ240内の空気圧を調整することにより、ピストン242が移動し、可動台座244を高さ方向(z方向)に移動させることができる。可動台座244が高さ方向に移動することで、第1ステージ232および第2ステージ270が高さ方向に移動することができる。図示の実施形態において、可動台座244の上には、第1ステージ232および第2ステージ270を水平面内で移動させることが可能なXYステージ248が搭載されている。XYステージ248は、直動ガイドなどにより直交する2方向に移動可能に構成される公知のXYステージとすることができる。図示の実施形態において、XYステージ248の上には、回転ステージ250が搭載されている。回転ステージ250は、XY平面(水平面)において回転可能に構成される。換言すれば、回転
ステージ250はz軸を中心に回転可能に構成される。回転ステージ250は、回転軸受などで構成される公知の回転ステージ250を採用することができる。回転ステージ250の上には、第2昇降機構233が搭載されている。第2昇降機構233は、シリンダ252およびピストン254を有する。シリンダ252は第1ステージ232のベース236が連結されている。また、シリンダ252には移動可能なピストン254が連結されており、シリンダ252内の空気圧を調整することで、ピストン254を移動することができる。ピストン254の端部には、第2ステージ270のベース274が連結されている。そのため、シリンダ252内の空気圧を調整することで、ピストン254および第2ステージ270を高さ方向(z方向)に移動させることができる。また、上述の構成によれば、第1昇降機構231は、第1ステージ232および第2ステージ270の両方を高さ方向(z方向)に移動させ、第2昇降機構233は、第2ステージ270を第1ステージ232に対して高さ方向(z方向)に移動させることができる。また、第1ステージ232および第2ステージ270は、XYステージ248により、水平面内で直交する2方向(xy方向)に移動可能である。さらに、第1ステージ232および第2ステージ270は、回転ステージ250により、水平面内(z軸を中心に)で回転可能である。そのため、プッシャ230と後述するトップリング302との間で基板WFを授受するときに、プッシャ230とトップリング302との位置合わせを行うことができる。なお、図示の実施形態においては、第1昇降機構231および第2昇降機構233は、空圧式の昇降機構であるが、これらの昇降機構は液圧式でもよく、またモータおよびボールネジなどを使用した電動式の昇降機構としてもよい。
第1昇降機構231により、第1ステージ232および第2ステージ270は下位置および上位置の間を移動することができる。図9は、第1ステージ232および第2ステージ270が下位置にあるときを示している。第1ステージ232および第2ステージ270が下位置にあるときは、図9に示されるように第1ステージ232の支持柱234の端部および第2ステージ270の支持柱272の端部は、搬送ローラ202の基板WFを支持する面より低い位置にある。図12は、第1ステージ232および第2ステージ270が上位置にあるときを示している。第1ステージ232および第2ステージ270が上位置にあるときは、第1ステージ232の支持柱234の端部および第2ステージ270の支持柱272の端部は、搬送ローラ202の基板を支持する面より高い位置にある。すなわち、第1ステージ232および第2ステージ270が下位置から上位置に移動するときに、搬送ローラ202上に配置された基板WFを第2ステージ270で持ち上げて受け取ることができる。図13は、第1ステージ232および第2ステージ270が上位置にあり、さらに第2ステージ270が、第1ステージ232に対して上昇した位置にあるときを示している。基板WFをプッシャ230から後述するトップリング302に受け渡すときは、図13に示されるように、基板WFを保持する第2ステージ270を第1ステージ232に対して上昇させる。
図14、図15は、図8に示されるプッシャ230を矢印14、15の方に見た部分断面図である。図14は、プッシャ230とともに、搬送ローラ202、ガイドローラ212、搬送ローラ202上の基板受け渡し位置に配置された基板WF、および基板WFを受け取るトップリング302を概略的に示している。図15は、図14の状態からプッシャ230が下位置に移動して、基板WFが搬送ローラ202上に配置された状態を示す図である。一実施形態による搬送ユニットおいて、図14、15に示されるように、基板受け渡し領域におけるガイドローラ212は、円筒部212aと、円筒部212aから上方向に直径が小さくなるテーパ部212bとを備える。ガイドローラ212のテーパ部212bは、プッシャ230から基板WFが搬送ローラ202上に受け渡されるときに、基板WFが正しい位置(図示の実施形態においては、幅方向に対向する2つの円筒部212aの間の位置)に受け渡されるように基板WFを案内する。たとえば、基板WFに反りがある場合、プッシャ230とトップリング302とを位置合わせして、トップリング302か
らプッシャ230へと基板WFを受け渡し、またその後にプッシャ230から搬送ローラ202へ基板WFを受け渡す場合でも、基板WFが正しい位置からずれる場合がある。そのような場合でも、ガイドローラ212のテーパ部212bにより、受け渡し時に基板WFを正しい位置に案内することができる。なお、搬送ユニットにおける「基板受け渡し領域」は、基板WFが基板受け渡し位置にあるときに、基板WFが位置する搬送ユニットの領域である。たとえば、図9、12、13は、基板受け渡し領域が図示されている。なお、基板受け渡し領域以外の領域においては、ガイドローラ212は、テーパ部212bを備えずに、たとえば図3、5に示されるように円筒部のみのガイドローラ212としてもよい。
図6、7に示される搬送ユニット200は、洗浄部を有する。図6、7に示されるように、洗浄部は洗浄ノズル284を有する。洗浄ノズル284は、搬送ローラ202の上側に配置される上洗浄ノズル284aと、下側に配置される下洗浄ノズル284bとを有する。上洗浄ノズル284aおよび下洗浄ノズル284bは、図示しない洗浄液の供給源に接続される。上洗浄ノズル284aは、搬送ローラ202上を搬送される基板WFの上面に洗浄液を供給するように構成される。下洗浄ノズル284bは、搬送ローラ202上を搬送される基板WFの下面に洗浄液を供給するように構成される。上洗浄ノズル284aおよび下洗浄ノズル284bは、搬送ローラ202上を搬送される基板WFの幅と同程度、またはそれ以上の幅を備え、基板WFが搬送ローラ202上を搬送されることで、基板WFの全面が洗浄されるように構成される。図6、図7に示されるように、洗浄部は、搬送ユニット200の基板受け渡し領域よりも下流側に位置している。
図6に示されるように、洗浄部において、搬送ローラ202の上には上搬送ローラ290が配置されている。上搬送ローラ290は、動力源に接続されており、回転可能に構成されている。一実施形態において、上搬送ローラ290は、搬送ローラ202と同様にギア206およびモータ208により駆動されるように構成される。
図16は、洗浄部における搬送ローラ202および上搬送ローラ290を示す斜視図である。図17Aは、図16中の矢印17Aの方から見た、搬送ローラ202および上搬送ローラ290を示す図である。図17Bは、図17Aの一部を拡大した図である。図18Aは、図17Aの矢印18Aの方から見た図である。図18Bは、図16の矢印18Bの方から見た部分断面図である。図示のように、上搬送ローラ290は、上ローラシャフト291に取り付けられている。図16に示される実施形態において、上ローラシャフト291に3個の上搬送ローラ290が取り付けられている。一実施形態において、上搬送ローラ290は、搬送ローラ202の上に所定の間隔を空けて配置される。所定の間隔は、搬送される基板WFの厚さと同程度とすることができる。この所定の間隔は、後述するように調整可能である。上搬送ローラ290の寸法は任意であり、搬送ローラ202と同じ寸法でもよく、異なる寸法でもよい。一実施形態において、図16、17に示されるように、上搬送ローラ290の直径は、搬送ローラ202の直径よりも小さい。上搬送ローラ290の直径を小さくすることで、搬送ユニット200の全体の寸法を小さくすることができる。
図16、17に示されるように、ローラシャフト204にはギア282aが取り付けられており、上ローラシャフト291にはギア282bが取り付けられている。ローラシャフト204の回転力は、ギア 282a、282bを介して上ローラシャフト291に伝達される。一実施形態において、ギア282a、282bはマグネットギアとすることができ、また、機械式のギアとしてもよい。搬送ローラ202および上搬送ローラ290の寸法に応じて、搬送ローラ202および上搬送ローラ290の回転速度が適切になるようにギア282a、282bを調整したり、各ギアのサイズや使用を変更することができる。
図16、17に示されるように、上ローラシャフト291の端部は、L字形の連結部材292にベアリング等を介して連結されている。図18に示されるように、連結部材292には、3つのネジ294a、294b、294cが挿入されている。連結部材292は、2つのネジ294a、294cによりベース295に連結されている。2つのネジ294a、294cのそれぞれのネジ頭と、連結部材292の上面との間にはバネなどの弾性部材296が設けられており、弾性部材296により連結部材292はベース295に向けて付勢されている。そのため、連結部材292は、弾性部材296によりベース295に向けて付勢されているが、上方向に移動可能である。ベース295は、搬送ローラ202に対して固定された部材、たとえばローラシャフト204などを支持する部材に固定されている。ネジ292a、292cの間に配置されているネジ294bの先端はベース295に接触しており、ネジ294bの挿入深さにより、連結部材292とベース295との間の最小距離を調整することができる。換言すれば、ネジ294bの挿入深さにより、ローラシャフト204と上ローラシャフト291との間の最小距離、つまり搬送ローラ202と上搬送ローラ290との間の最小距離を調整することができる。搬送ローラ202と上搬送ローラ290との間の最小距離は、搬送する基板WFの厚さに応じて適宜決めればよい。上述のように、連結部材292は、弾性部材296によりベース295に向けて付勢された状態で、上方向に移動可能である。そのため、搬送する基板WFに凹凸がある場合や、基板WFに反りがある場合にでも、上搬送ローラ290を基板WFに常に接触させて上搬送ローラ290の回転力を基板WFに伝達でき、搬送ローラ202と上搬送ローラ290とで基板WFを安定的に搬送することができる。なお、上搬送ローラ290の上ローラシャフト291への取り付け位置は、搬送ローラ202とともに搬送する基板WFの寸法に応じて変更することができる。なお、図16、17Aに示されるように、L字形の連結部材292、3つのネジ294a、294b、294c、ベース295、および弾性部材296は、上ローラシャフト291の両方の端部に設けられている。
一実施形態において、上述の上搬送ローラ290は、基板受け渡し領域以外の領域に設けることができる。たとえば、上搬送ローラ290を基板受け渡し領域の下流にある洗浄部に設けることができ、また、基板受け渡し領域の上流側に設けてもよい。さらに、上搬送ローラ290は、上述したロードユニット100、後述する乾燥ユニット500、およびアンロードユニット600に設けてもよい。
図6に示されるように、センサ216dは、洗浄部の入口付近に配置されている。一実施形態において、センサ216dにより基板WFを検知したら、洗浄ノズル284から洗浄液を噴射して基板WFの洗浄を開始することができる。また、基板WFの洗浄中は、搬送ローラ202の回転数を洗浄用の速度にしてもよい。図6の実施形態において、センサ216fは洗浄部出口点付近に配置される。一実施形態において、センサ216fにより基板WFを検知したら、洗浄ノズル284からの洗浄液の噴射を終了することができる。基板WFの洗浄中は、搬送ローラ202および上搬送ローラ290により基板WFが挟まれて搬送されるので、洗浄液の噴射中であっても基板WFを安定的に搬送することができる。
図6に示されるように、搬送ユニット200は、開閉可能な出口シャッタ286を有する。また、搬送ユニット200は、出口付近にセンサ216gを備える。一実施形態において、センサ216gにより基板WFを検知したら、出口シャッタ286を開き、次のユニットに基板WFを搬送するようにしてもよい。一実施形態において、センサ216gにより基板WFを検知したら、出口シャッタ286を開かずに、搬送ローラ202での基板WFの搬送を停止し、次のユニットの処理を待ち、次のユニットの基板受け入れ準備が整った後に、出口シャッタ286を開き、基板WFを次のユニットへ搬送するようにしてもよい。
<研磨ユニット>
図19は一実施形態による、研磨ユニット300を概略的に示す斜視図である。図1に示される基板処理装置1000は、2つの研磨ユニット300A、300Bを備えている。2つの研磨ユニット300A、300Bは同一の構成とすることができるので、以下において、一括して研磨ユニット300として説明する。
図19に示されるように、研磨ユニット300は、研磨テーブル350と、トップリング302と、を備える。研磨テーブル350は、テーブルシャフト351に支持される。研磨テーブル350は、図示していない駆動部によって、矢印ACで示すように、テーブルシャフト351の軸心周りに回転するようになっている。研磨テーブル350には、研磨パッド352が貼り付けられる。一実施形態において、研磨パッド352は、研磨テーブル350からの剥離を容易にするための層を介して貼り付けられてもよい。そのような層は、たとえばシリコーン層やフッ素系樹脂層などがあり、例えば特開2014−176950号公報などに記載されているものを使用してもよい。トップリング302は、基板WFを保持して研磨パッド352に押圧する。トップリング302は、図示していない駆動源によって回転駆動される。基板WFは、トップリング302に保持されて研磨パッド352に押圧されることによって研磨される。
一実施形態において、研磨パッド352の表面には溝が設けられる。かかる溝は、研磨パッド352の表面に供給された研磨液の流れを制御するためのものである。溝の大きさや深さ、断面形状、パターンは任意である。
図19に示されるように、研磨ユニット300は、研磨パッド352に研磨液又はドレッシング液を供給するための研磨液供給ノズル354を備える。研磨液は、例えば、スラリである。ドレッシング液は、例えば、純水である。また、図19に示されるように、研磨テーブル350およびテーブルシャフト351には、研磨液を供給するための通路353が設けられている。通路353は、研磨テーブル350の表面の開口部355に連通している。研磨テーブル350の開口部355に対応する位置において研磨パッド352は貫通孔357が形成されており、通路353を通る研磨液は、研磨テーブル350の開口部355および研磨パッド352の貫通孔357から研磨パッド352の表面に供給される。なお、研磨テーブル350の開口部355および研磨パッド352の貫通孔357は、1つであっても複数でもよい。また、研磨テーブル350の開口部355および研磨パッド352の貫通孔357の位置は任意であるが、一実施形態においては研磨テーブル350の中心付近に配置される。また、研磨ユニット300は、研磨パッド352のコンディショニングを行うためのドレッサ356を備える。また、研磨ユニット300は、液体、又は、液体と気体との混合流体、を研磨パッド352に向けて噴射するためのアトマイザ358を備える。アトマイザ358から噴射される液体は、例えば、純水であり、気体は、例えば、窒素ガスである。
トップリング302は、トップリングシャフト304によって支持される。トップリング302は、図示していない駆動部によって、矢印ABで示すように、トップリングシャフト304の軸心周りに回転するようになっている。また、トップリングシャフト304は、図示しない駆動機構により、上下方向に移動可能である。
基板WFは、トップリング302の研磨パッド352と対向する面に真空吸着によって保持される。研磨時には、研磨液供給ノズル354から、および/または研磨パッド352の貫通孔357から研磨パッド352の研磨面に研磨液が供給される。また、研磨時には、研磨テーブル350及びトップリング302が回転駆動される。基板WFは、トップリング302によって研磨パッド352の研磨面に押圧されることによって研磨される。
図19に示されるように、トップリングシャフト304は、アーム360に連結されており、アーム360は、回転軸362を中心に揺動可能である。基板WFの研磨中に、トップリング302が研磨パッド352の中心を通過するように、アーム360を固定あるいは揺動させてもよい。また、基板WFの研磨中に、基板WFが研磨パッド352の貫通孔357を覆うようにアーム360を固定または揺動させてもよい。図1に示されるように、揺動可能なアーム360により、トップリング302は、搬送ユニット200の方へ移動可能である。トップリング302が、搬送ユニット200の基板受け渡し位置に移動することで、図9、図12、図13などともに上述したように、トップリング302は、プッシャ230から基板WFを受け取ることができる。また、研磨ユニット300での基板WFの研磨後に、基板WFをトップリング302からプッシャ230に基板WFを受け渡すことができる。なお、トップリング302は、不図示の回転角度検知器によりその回転角度が検出され、上述のプッシャ230との基板WFの受け取り/受け渡しの際に4つの角部の支持柱234により形成される凹部でトップリング302のリテーナ部材308をプッシャ230と位置合わせできるように予め回転を停止するよう構成されている。
図20は、一実施形態による、トップリング302の構造を模式的に示す側面断面図である。トップリング302は、トップリングシャフト304の下端に連結されている。トップリング302は、略四角形状のヘッド本体306と、ヘッド本体306の下部に配置されたリテーナ部材308と、を備えている。ヘッド本体306は金属やセラミックス等の強度および剛性が高い材料から形成することができる。また、リテーナ部材308は、剛性の高い樹脂材またはセラミックス等から形成することができる。
ヘッド本体306およびリテーナ部材308の内側に形成された空間内には、基板WFに当接する弾性パッド310が収容されている。弾性パッド310とヘッド本体306との間には、圧力室(エアバッグ)P1が設けられている。圧力室P1は弾性パッド310とヘッド本体306とによって形成されている。圧力室P1には流体路312を介して加圧空気等の加圧流体が供給され、あるいは真空引きがされるようになっている。図20に示される実施形態において、圧力室P1は保持する基板WFの全面に渡って形成される。一実施形態として、弾性パッド310とヘッド本体306とにより、複数の圧力室を形成するように構成することができる。複数の圧力室を形成する場合、各圧力室に連絡する流体路を設け、各圧力室の圧力を独立に制御するように構成してもよい。
基板WFの周端部はリテーナ部材308に囲まれており、研磨中に基板WFがヘッド本体306から飛び出さないようになっている。リテーナ部材308とヘッド本体306との間には弾性バッグ314が配置されており、その弾性バッグ314の内部には圧力室Prが形成されている。リテーナ部材308は、弾性バッグ314の膨張/収縮によりヘッド本体306に対して相対的に上下動可能となっている。圧力室Prには流体路316が連通しており、加圧空気等の加圧流体が流体路316を通じて圧力室Prに供給されるようになっている。圧力室Prの内部圧力は調整可能となっている。したがって、基板WFの研磨パッド352に対する押圧力とは独立してリテーナ部材308の研磨パッド352に対する押圧力を調整することができる。図20に示される実施形態によるトップリング302において、複数のリテーナ部材308を備えるように構成し、各リテーナ部材308を各弾性バッグにより、それぞれ独立して各リテーナ部材308の研磨パッド352に対する押圧力を調整することができる。また、一実施形態において、略四角のリング状の1つのリテーナ部材308、および1つの弾性バッグ314を採用してもよい。
<乾燥ユニット>
乾燥ユニットは、基板WFを乾燥させるための装置である。図1に示される基板処理装置1000においては、乾燥ユニット500は、研磨ユニット300で研磨された後に、搬
送ユニット200の洗浄部で洗浄された基板WFを乾燥させる。図1に示されるように、乾燥ユニット500は、搬送ユニット200の下流に配置される。
図21は、一実施形態による乾燥ユニット500を模式的に示す側面図である。乾燥ユニット500は、基板WFを搬送するための搬送ローラ202および上搬送ローラ290を有する。一実施形態において、乾燥ユニット500の搬送ローラ202および上搬送ローラ290は、導電性ポリマーから構成することができる。搬送ローラ202および上搬送ローラ290は、ローラシャフト204および上ローラシャフト291などを介して電気的に接地される。これは、基板WFが帯電して基板WFを損傷することを防止するためである。また、一実施形態において、乾燥ユニット500に、基板WFの帯電を防止するためにイオナイザー(図示せず)を設けてもよい。乾燥ユニット500の搬送ローラ202および上搬送ローラ290は、搬送ユニット200の搬送ローラ202および上搬送ローラ290と同様にギア206、282およびモータ208により駆動される。図21に示されるように、乾燥ユニット500の入口側には、入口シャッタ502を備える。入口シャッタ502は、開閉可能に構成される。図21に示されるように、乾燥ユニット500は、搬送ローラ202上の所定の位置における基板WFの存在の有無を検知するためのセンサ504を有する。センサ504は任意の形式のセンサとすることができ、たとえば光学式のセンサとすることができる。図21に示される実施形態においては、センサ504は乾燥ユニット500に3個(504a〜504c)設けられている。一実施形態において、これらのセンサ504a〜504cによる基板WFの検知に応じて、乾燥ユニット500の動作を制御することができる。これらのそれぞれのセンサ504a〜504cの位置および役割は後述する。
図21に示される実施形態において、乾燥ユニット500は、搬送ローラ202上を搬送される基板WFに向けて気体を噴射するためのノズル530を有する。気体は、たとえば圧縮された空気または窒素とすることができる。図示の実施形態において、ノズル530は、搬送ローラ202の下側に配置される下ノズル530aと、搬送ローラ202の上側に配置される上ノズル530bと、を有する。下ノズル530aは、搬送ローラ202上を搬送される基板WFの下面に気体を噴射するように配置される。また、上ノズル530bは、搬送ローラ202上を搬送される基板WFの上面に気体を噴射するように配置される。下ノズル530aおよび上ノズル530bは、搬送される基板WFの幅と同程度あるいはそれ以上の幅を有する。そのため、下ノズル530aおよび上ノズル530bにより搬送される基板WFの全体に渡って気体を噴きつけることができる。乾燥ユニット500は、下ノズル530aおよび上ノズル530bにより搬送される基板WF上の水滴を吹き飛ばすことで、基板WFを乾燥させることができる。なお、下ノズル530aおよび上ノズル530bは、それぞれ1つ設けてもよいし、基板WFの搬送方向に複数設けてもよい。図21に示される実施形態では上ノズル530bと下ノズル530aとをそれぞれ3個設けている。各ノズル530の形式としては気体供給口が基板WFの幅程度に伸びるスリット状とすることができる。
図21に示される乾燥ユニット500は、搬送ローラ202の上に配置される上搬送ローラ290を有している。上搬送ローラ290の構造および駆動機構は搬送ユニット200において説明したものと同様とすることができるので、説明を省略する。
一実施形態において、乾燥ユニット500は、図21に示されるように、出口側に出口シャッタ540が配置されている。出口シャッタ540は、開閉可能に構成される。乾燥ユニット500により基板WFが乾燥されると、出口シャッタ540を開いて乾燥後の基板WFを乾燥ユニット500の外へ搬送することができる。
上述の実施形態による乾燥ユニット500は、搬送ローラ202および上搬送ローラ2
90により基板WFを上下方向から挟んで搬送する。そのため、ノズル530により気体が基板WFに噴きつけられても、基板WFを安定して搬送することができる。
<アンロードユニット>
アンロードユニット600は、研磨および洗浄などの処理が行われた後の基板WFを基板処理装置1000の外へ搬出するためのユニットである。図1に示される基板処理装置1000においては、アンロードユニット600は、乾燥ユニット500で乾燥された後の基板を受け入れる。図1に示されるように、アンロードユニット600は、乾燥ユニット500の下流に配置される。
図22は、一実施形態によるアンロードユニット600を模式的に示す側面図である。一実施形態において、アンロードユニット600は筐体602を備える。筐体602は基板WFを受け入れる側に入口開口604を備える。図22に示される実施形態においては、右側が入口側である。アンロードユニット600は、入口開口604から基板WFを受け入れる。一実施形態において、アンロードユニット600は、SMEMA(Surface Mount Equipment Manufacturers Association)の機械装置インタフェー規格(IPC-SMEMA-9851)に準拠するように構成される。
図22に示される実施形態において、アンロードユニット600は、基板WFを搬送するための複数の搬送ローラ202を備えている。搬送ローラ202を回転させることで、搬送ローラ202上の基板を所定の方向に搬送することができる。一実施形態において、アンロードユニット600の搬送ローラ202は、導電性ポリマーから構成することができる。一実施形態において、搬送ローラ202は、ローラシャフト204などを介して電気的に接地される。これは、基板WFが帯電して基板WFを損傷することを防止するためである。また、一実施形態において、アンロードユニット600に、基板WFの帯電を防止するためにイオナイザー(図示せず)を設けてもよい。
図示の実施形態において、アンロードユニット600の筐体602は、基板WFの出口開口608を有する。アンロードユニット600は、搬送ローラ202上の所定の位置における基板WFの存在の有無を検知するためのセンサ612を有する。センサ612は任意の形式のセンサとすることができ、たとえば光学式のセンサとすることができる。図22に示される実施形態においては、センサ612は筐体602内に3つ設けられており、1つは入口開口604付近に設けられるセンサ612aであり、1つはアンロードユニット600の中央付近に設けられるセンサ612bであり、もう1つは出口開口608付近に設けられるセンサ612cである。一実施形態において、これらのセンサ612による基板WFの検知に応じて、アンロードユニット600の動作を制御することができる。たとえば、入口開口604付近のセンサ612aが基板WFの存在を検知したら、アンロードユニット600内の搬送ローラ202の回転を始動するようにしてもよいし、また、搬送ローラ202の回転速度を変更してもよい。一実施形態において、ロードユニット100で反転機が必要な場合は、アンロードユニット600も、基板WFを反転させるための反転機(図示せず)を備えてもよい。
以下において、上述した基板処理装置1000による基板WFの搬送経路を説明する。基板処理装置1000の動作は、制御装置900により制御される。基板処理装置1000の上流には、他の処理装置が配置されている。上流側の他の処理装置にて処理された基板WFは基板処理装置1000のロードユニット100の入口開口104から搬入される。上述の実施形態においては、基板WFは、研磨ユニット300により研磨される面が下向きで搬送される。一実施形態において、ロードユニット100のセンサ112aにより基板WFを検知したら、ロードユニット100の搬送ローラ202の動作を開始させるように構成することができる。また、ロードユニット100に導入された基板WFはリーダ
ー106により基板WFのIDが読み取られる。読み取られたIDに応じて基板処理装置1000での処理を決定してもよい。また、読み取ったIDにより、導入された基板WFが基板処理装置1000による処理対象ではないと判断されたら、搬送ローラ202による搬送を停止してもよい。搬送ローラ202によりロードユニット100内を基板WFが搬送されると、センサ112cにより基板WFが検知される。センサ112cにより基板WFが検知され、且つ、搬送ユニット200Aで基板WFの受け入れ準備ができている場合は、搬送ユニット200Aの入口シャッタ218が開き、搬送ローラ202により基板WFがロードユニット100から搬送ユニット200Aへ搬送される。搬送ユニット200Aで基板WFの受け入れ準備ができていない場合は、ロードユニット100の搬送ローラ202の動作を停止して、搬送ユニット200Aの受け入れ準備ができるのを待つ。
基板WFが搬送ユニット200Aに搬送されると、搬送ユニット200Aの入口側に配置されたセンサ216aが基板WFを検知する。センサ216aにより、基板WFの後ろが通過したことが確認されると、入口シャッタ218を閉じる。その後、センサ216bにより基板WFの位置を監視しながら、搬送ユニット200Aの搬送ローラ202で基板WFが搬送される。このときストッパ移動機構222によりストッパ220が基板WFの搬送経路内に移動されている。搬送ローラ202上を搬送されてきた基板WFは、ストッパ220に接触して基板WFが停止される。また、センサ216cはストッパ220の位置に配置されており、センサ216cにより基板WFを検知すると搬送ローラ202の動作を停止する。ストッパ220の位置(基板受け渡し位置)で停止した基板WFは、プッシャ230を介して、研磨ユニット300Aのトップリング302に受け渡される。
基板WFが基板受け渡し位置で停止されると、研磨ユニット300Aのアーム360を揺動させて、トップリング302を搬送ユニット200Aの基板WFの上に位置させる。図9は、プッシャ230が、プッシャ230による基板の受け渡しを開始するときの下位置にある状態を示している。図9に示される下位置から、第1昇降機構231により、第1ステージ232および第2ステージ270を上昇させる。第1ステージ232および第2ステージ270が上昇するときに、第1ステージ232の支持柱234および第2ステージ270の支持柱272が搬送ローラ202の間を通る。そのとき、第2ステージ270の支持柱272が基板WFを下から持ち上げる。第1昇降機構231により第1ステージ232および第2ステージ270が上昇した位置にあるとき、上述のようにXYステージ248および回転ステージ250により、プッシャ230の水平面内での位置および角度向きを調整して、第1ステージ232の支持柱234が、トップリング302のリテーナ部材308を支持するように位置合わせを行う。図12は、第1昇降機構231により第1ステージ232および第2ステージ270が上昇した位置にあり、第1ステージ232の支持柱234が、トップリング302のリテーナ部材308を支持している状態を示している。この状態において、第2昇降機構233により第2ステージ270を第1ステージ232に対して上昇させる。この状態において、基板WFは、トップリング302の弾性パッド310の下面に配置される。図13は、基板WFがトップリング302の弾性パッド310の下面に配置された状態を示している。次に、トップリング302は、真空吸着により基板WFを弾性パッド310の下面に保持する。
トップリング302に基板WFを保持させたら、アーム360を揺動させて、基板WFを保持するトップリング302が研磨ユニット300Aの研磨パッド352に対向する位置にくるようにする。その後、研磨テーブル350およびトップリング302を回転させながら、基板WFを研磨パッド352に押し当てて基板WFを研磨する。基板WFの研磨中は、研磨液供給ノズル354および通路353を通じて研磨液を研磨パッド352の表面に供給する。
研磨ユニット300Aでの基板WFの研磨が終了すると、アーム360を揺動させて、
基板WFを保持するトップリング302を搬送ユニット200Aの基板受け渡し位置まで移動させる。図12に示されるように、トップリング302のリテーナ部材308が第1ステージ232に支持されるようにプッシャ230の第1ステージ232を移動させる。その後、トップリング302の真空吸着を開放し、基板WFを第2ステージ270の支持柱272に支持させる。その後、図9に示されるようにプッシャ230を下降させて、基板WFを搬送ローラ202上に受け渡す。このとき、図14、図15に示されるように、基板WFの位置が多少ずれていたとしても、ガイドローラ212のテーパ部212bにより、受け渡し時に基板WFを搬送ユニット200A上の正しい位置に案内することができる。
なお、研磨ユニット300Aで基板WFの研磨が終了すると、研磨ユニット300Aでは、ドレッサ356およびアトマイザ358などを用いて研磨パッド352のドレッシング、洗浄などが行われる。
研磨ユニット300Aから搬送ユニット200Aに基板WFが受け渡されると、搬送ローラ202を再び始動して基板WFを搬送する。センサ216dは基板WFの洗浄を開始する位置に設けられており、センサ216dにより基板WFを検知すると基板WFの洗浄を開始する。基板WFの洗浄をするときは、搬送ローラ202の回転速度を洗浄用の速度に変更してもよい。搬送ローラ202で基板WFを搬送しながら、上洗浄ノズル284aおよび下洗浄ノズル284bから洗浄液を基板WFに向けて噴射して基板WFを洗浄する。センサ216eは洗浄部内に配置されており、センサ216eにより基板WFの位置を監視しながら、基板WFを洗浄しながら基板WFが搬送される。センサ216fは、基板WFの洗浄を終了する位置に配置されており、センサ216fにより基板WFを検知すると、上洗浄ノズル284aおよび下洗浄ノズル284bからの洗浄液の噴射を停止する。また、基板WFの洗浄を終了すると、搬送ローラ202の回転速度を搬送用の速度に変更する。センサ216gは、搬送ユニット200Aの出口付近に配置されている。センサ216gが基板WFを検知し、次のユニットである搬送ユニット200Bで基板WFの受け入れ準備ができていれば、出口シャッタ286を開いて基板WFを搬送ユニット200Aから搬送ユニット200Bへ搬送する。なお、センサ216gで基板WFを検知したときに、研磨ユニット300Bで基板WFの受け入れ準備が出来ていなければ、基板WFの受け入れ準備ができるまで搬送ローラ202の回転を停止して基板WFを待機させる。
一実施形態において、搬送ユニット200Bでの基板WFの処理は、上述した搬送ユニット200Aと同様とすることができる。この処理では、典型的には同一の基板WFを研磨ユニット300Aと研磨ユニット300Bとで2段研磨する場合を含む。また、一実施形態において、基板WFの研磨は、研磨ユニット300Aまたは研磨ユニット300Bの一方でのみ(1段研磨だけ)行ってもよい。たとえば、研磨ユニット300Aでのみ基板WFの研磨およびを行い、研磨ユニット300Bでは研磨を行わない場合、搬送ユニット200Bでは、研磨ユニット300Bへの基板WFの受け渡しおよび洗浄は行わずに、搬送ローラ202で基板を搬送して次のユニットである乾燥ユニット500へ基板WFを受け渡す。また、研磨ユニット300Aでは研磨を行わずに研磨ユニット300Bでのみ基板の研磨を行う場合、搬送ユニット200Aでは研磨ユニット300Aへの基板WFの受け渡しおよび洗浄は行わずに、搬送ローラ202で基板を搬送して次のユニットである搬送ユニット200Bへ基板WFを受け渡す。
図1に示される基板処理装置1000において、基板WFは、搬送ユニット200Bから乾燥ユニット500に搬送される。乾燥ユニット500に基板WFを受け入れるときは、搬送ユニット200Bの出口シャッタ286および乾燥ユニット500の入口シャッタ502が開き、搬送ローラ202により基板WFを搬送ユニット200Bから乾燥ユニット500に搬送する。基板WFが乾燥ユニット500の入口付近に配置されたセンサ50
4aを通り過ぎたことが検知されると、乾燥ユニット500の入口シャッタ502および搬送ユニット200Bの出口シャッタ286を閉じる。センサ504bは、乾燥ユニット500による基板WFの乾燥を開始する位置に配置されており、搬送ローラ202により基板WFが乾燥ユニット500内を搬送されてセンサ504bが基板WFを検知すると、下ノズル530aおよび上ノズル530bから気体の噴射を開始する。センサ504cは、乾燥ユニット500の出口付近に配置されており、センサ504cが基板WFを検知すると、下ノズル530aおよび上ノズル530bからの気体の噴射を停止する。また、センサ504cで基板WFを検知すると、出口シャッタ540を開いて、基板WFを乾燥ユニット500からアンロードユニット600に搬送する。
アンロードユニット600に搬送された基板WFは、センサ612a〜612cに監視されながら搬送ローラ202により出口まで搬送され、出口開口608から基板処理装置1000の外へ搬送される。600の出口側には、基板WFの次の処理工程のための他の処理装置が配置されており、アンロードユニット600から次の処理工程の処理装置に引き渡される。
図1に示される基板処理装置1000においては、搬送ユニット200および研磨ユニット300は、それぞれ2つ設けられているが、搬送ユニット200および研磨ユニット300はそれぞれ1つでもよいし、それぞれ3個以上でもよい。また、上述したように、ロードユニット100、搬送ユニット200、研磨ユニット300、乾燥ユニット500、およびアンロードユニット600は、それぞれ独立したユニットとして構成することができる。
上述の実施形態から少なくとも以下の技術的思想が把握される。
[形態1]形態1によれば、四角形の基板を搬送するための基板搬送装置が提供され、かかる基板搬送装置は、基板の下面を支持するように構成される複数の第1搬送ローラと、前記複数の第1搬送ローラが取り付けられる複数の第1ローラシャフトと、基板の上面を支持するように構成される複数の第2搬送ローラと、前記複数の第2搬送ローラが取り付けられる複数の第2ローラシャフトと、前記第1ローラシャフトおよび前記第2ローラシャフトを回転させるためのモータと、を備える。
[形態2]形態2によれば、形態1による基板搬送装置において、さらに、マグネットギアを有し、前記マグネットギアを介して前記モータは前記第1ローラシャフトおよび第2ローラシャフトを回転させる。
[形態3]形態3によれば、形態1または形態2による基板搬送装置において、前記第2ローラの直径は、前記第1ローラの直径よりも小さい。
[形態4]形態4によれば、形態1から形態3のいずれか1つの形態による基板搬送装置において、さらに、前記第2搬送ローラを前記第1搬送ローラの方向に向けて付勢するように構成された弾性部材を有する。
[形態5]形態5によれば、形態1から形態4のいずれか1つの形態による基板搬送装置において、基板は、デバイスとして使用されない非パターン領域を有し、前記複数の第1搬送ローラおよび前記複数の第2搬送ローラは、基板の非パターン領域に接触可能に配置される。
[形態6]形態6によれば、四角形の基板を搬送するための基板搬送装置が提供され、基板搬送装置は、基板の下面を支持するように構成される複数の第1搬送ローラと、前記複数の搬送ローラが取り付けられる複数の第1ローラシャフトと、前記複数の第1ローラ
シャフトを回転させるためのモータと、前記複数の第1搬送ローラの上にある基板を、前記複数の第1搬送ローラから離れるように持ち上げるためのプッシャと、を有し、前記プッシャは、前記複数の第1ローラシャフトの間の隙間を通過することが可能なステージを有し、前記基板搬送装置は、基板受け渡し領域において、基板の搬送方向に垂直である幅方向に基板を支持する複数のガイドローラを有し、前記基板受け渡し領域における前記複数のガイドローラの各々は、円筒部と、前記円筒部から上方向に直径が小さくなるテーパ部と、を有する。
[形態7]形態7によれば、形態6による基板搬送装置において、前記基板受け渡し領域以外の領域において、基板の上面を支持するように構成される複数の第2搬送ローラと、前記複数の第2搬送ローラが取り付けられる複数の第2ローラシャフトと、を備え、前記モータは、前記第1ローラシャフトとともに前記第2ローラシャフトを回転させるように構成される。
[形態8]形態8によれば、形態7による基板搬送装置において、さらに、マグネットギアを有し、前記マグネットギアを介して前記モータは前記第1ローラシャフトおよび第2ローラシャフトを回転させる。
[形態9]形態9によれば、形態7または形態8に記載の基板搬送装置であって、前記第2ローラの直径は、前記第1ローラの直径よりも小さい。
[形態10]形態10によれば、形態7から形態9のいずれか1つの形態に記載の基板搬送装置であって、さらに、前記第2搬送ローラを前記第1搬送ローラの方向に向けて付勢するように構成された弾性部材を有する。
[形態11]形態11によれば、形態7から形態10のいずれか1つの形態による基板搬送装置であって、基板は、デバイスとして使用されない非パターン領域を有し、前記複数の第1搬送ローラおよび前記複数の第2搬送ローラは、基板の非パターン領域に接触可能に配置される。