JP2020051143A - 伸縮装置及び伸縮装置の設置方法 - Google Patents

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【課題】鉛直方向の変形を抑制しつつ水平方向の伸縮性を向上させた伸縮装置及び伸縮装置の設置方法を提供する。【解決手段】伸縮装置1において、橋梁2の一対の床版3の遊間4に設置されたゲル部材20を備え、ゲル部材20は、高強度を有するナノコンポジットゲル、環動ゲル及びダブルネットワークゲルのいずれかから形成されている。このため、温度変化等に伴う橋梁2の水平方向の伸縮変形に対する伸縮性を向上させることができる。また、伸縮装置1において、遊間4に設置され、ゲル部材20よりも高い剛性を有する補強部材10を備える。このため、大型自動車等の車両の輪荷重による鉛直方向の変形を抑制することができる。以上より、伸縮装置1によれば、鉛直方向の変形を抑制しつつ水平方向の伸縮性を向上させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、伸縮装置及び伸縮装置の設置方法に関するものである。
道路橋等の橋梁において、交通荷重による橋桁のたわみ及び温度変化に伴う伸縮等により生じる動きを吸収するために、橋梁の遊間には、伸縮継手、伸縮目地材及びジョイントとも呼ばれる伸縮装置が設けられている。道路橋では、車両の走行により、伸縮装置が設けられた部位に段差が生じ、振動及び騒音が発生することがある。伸縮装置が設けられた部位に生じる段差は、伸縮装置の早期劣化及び車輛走行性の悪化を引き起こす可能性がある。
この騒音・振動を解消するための対策として、伸縮装置によって区切られていた走行路を一様な路面に改良すること(一般にノージョイント化と呼ばれている)が行われつつある。例えば、特許文献1には、橋桁の隣接するRC床版の上部にそれぞれ設けた埋設空間に、高靭性繊維補強セメント複合材料からなるプレキャストジョイント部材を遊間を跨いで配置した構造が開示されている。特許文献1の構造では、プレキャストジョイント部材の両端部はアンカーボルト13等によりRC床版に定着され、埋設空間の隙間に樹脂モルタル等の間詰材が充填され、舗装体で覆われる。
特開2007‐309032号公報
ところで、支間長又は伸縮桁長が長い橋梁をノージョイント化して、振動及び騒音の発生を低減するために、伸縮装置の水平方向の伸縮性の向上が望まれている。また、併せて伸縮装置が設けられた部位における大型自動車等の車両の輪荷重による鉛直方向の変形を抑制することも望まれている。
そこで本発明は、鉛直方向の変形を抑制しつつ水平方向の伸縮性を向上させた伸縮装置及び伸縮装置の設置方法を提供することを目的とする。
本発明は、橋梁の遊間に設置されたゲル部材と、遊間に設置され、ゲル部材よりも高い剛性を有する補強部材とを備え、ゲル部材は、ナノコンポジットゲル、環動ゲル及びダブルネットワークゲルのいずれかから形成されている伸縮装置である。
この構成によれば、伸縮装置において、橋梁の遊間に設置されたゲル部材を備え、ゲル部材は、高強度を有するナノコンポジットゲル、環動ゲル及びダブルネットワークゲルのいずれかから形成されている。このため、温度変化等に伴う橋梁の水平方向の伸縮変形に対する伸縮性を向上させることができる。また、伸縮装置において、遊間に設置され、ゲル部材よりも高い剛性を有する補強部材を備える。このため、大型自動車等の車両の輪荷重による鉛直方向の変形を抑制することができる。以上より、鉛直方向の変形を抑制しつつ水平方向の伸縮性を向上させることができる。
この場合、ゲル部材は、ダブルネットワークゲルから形成されていることが好適である。
この構成によれば、ゲル部材は強度、靭性及び伸縮性に優れたダブルネットワークゲルから形成されているため、温度変化等に伴う橋梁の水平方向の伸縮変形に対する伸縮性を最も向上させることができる。
また、補強部材は、上下方向に延在する隔壁と、隔壁により区画された複数のセルとを含むハニカム構造を有することが好適である。
この構成によれば、補強部材は、上下方向に延在する隔壁と、隔壁により区画された複数のセルとを含むハニカム構造を有するため、軽量な構造により大型自動車等の車両の輪荷重による鉛直方向の変形を抑制することができる。また、セル内にゲル部材が充填されることにより、ゲル部材の流動を抑制し、温度変化等に伴う橋梁の水平方向の伸縮変形に対する追従性をさらに向上させることができる。
この場合、補強部材の隔壁は樹脂により形成されていることが好適である。
この構成によれば、補強部材の隔壁は樹脂により形成されているため、補強部材の軽量化をさらに図ることができる。
また、補強部材の隔壁は、隔壁を貫通する孔部を含むことが好適である。
この構成によれば、補強部材の隔壁は隔壁を貫通する孔部を含むため、ゲル部材との一体性を向上させることができる。
また、本発明は、橋梁の遊間にゲル部材を設置するゲル部材設置工程と、遊間にゲル部材よりも高い剛性を有する補強部材を設置する補強部材設置工程とを備え、ゲル部材設置工程では、ナノコンポジットゲル、環動ゲル及びダブルネットワークゲルのいずれかから形成されているゲル部材を設置する伸縮装置の設置方法である。
この場合、ゲル部材設置工程では、ダブルネットワークゲルのいずれかから形成されているゲル部材を設置することが好適である。
また、補強部材設置工程では、上下方向に延在する隔壁と、隔壁により区画された複数のセルとを含むハニカム構造を有する補強部材を設置することが好適である。
この場合、補強部材設置工程では、補強部材の隔壁が樹脂により形成されている補強部材を設置することが好適である。
また、補強部材設置工程では、補強部材の隔壁が隔壁を貫通する孔部を含む補強部材を設置することが好適である。
本発明の伸縮装置及び伸縮装置の設置方法によれば、鉛直方向の変形を抑制しつつ水平方向の伸縮性を向上させることができる。
(A)は実施形態に係る伸縮装置を示す縦断面図であり、(B)は実施形態に係る伸縮装置を示す平面図である。 実施形態に係る伸縮装置の補強部材を示す斜視図である。 実施形態に係る伸縮装置の設置方法の遊間に埋設空間を形成する工程後の状態を示す縦断面図である。 実施形態に係る伸縮装置の設置方法の遊間にバックアップ材を設置した状態を示す縦断面図である。 実施形態に係る伸縮装置の設置方法の埋設空間にスライディングシート及び定着シートを設置した状態を示す縦断面図である。 (A)は実施形態に係る伸縮装置の設置方法の補強部材設置工程後の状態を示す縦断面図であり、(B)は実施形態に係る伸縮装置の設置方法の補強部材設置工程後の状態を示す平面図である。 (A)は実施形態に係る伸縮装置の設置方法のゲル部材設置工程後の状態を示す縦断面図であり、(B)は実施形態に係る伸縮装置の設置方法のゲル部材設置工程後の状態を示す平面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る伸縮装置及び伸縮装置の設置方法について詳細に説明する。図1(A)及び図1(B)に示すように、本実施形態の伸縮装置1は、道路橋等の橋梁2の一対の床版3の遊間4に設置される。遊間4には、合成樹脂、ゴム等から形成されたバックアップ材5が挿入されている。遊間4の上端には、本実施形態の伸縮装置1を埋設するための埋設空間6が設けられている。埋設空間6は、遊間4の周囲において、床版3がその表面から20〜40mm程度の深さに窪んだ凹部により形成される。埋設空間6の橋軸方向(図1(A)の水平方向)の長さは、例えば、1.1〜2.0mである。
埋設空間6の内面の遊間4の周囲には、スライディングシート7が設置されている。スライディングシート7は、埋設空間6において、床版3と伸縮装置1との摩擦係数を小さくするために設置されている。スライディングシート7は、例えば、埋設空間6の内面に設置されたゴム入りアスファルトのシートの上面にアルミ箔を貼った物を適用することができる。また、スライディングシート7は、例えば、埋設空間6の内面に設置されたゴム入りアスファルトのシートの上面にアルミ箔を貼った物と、伸縮装置1に下面に設置された抗張力繊維メッシュにゴム入りアスファルトを含浸させたシートの下面にアルミ箔を貼った物との2層により形成されてもよい。スライディングシート7が設置されている範囲が自由長となる。
埋設空間6の内面のスライディングシート7の周囲には、定着シート8が設置されている。定着シート8は、例えば、抗張力繊維メッシュにゴム入りアスファルトを溶着させた物を適用することができる。
本実施形態の伸縮装置1は、橋梁2の遊間4に設置されたゲル部材20と、遊間4に設置され、ゲル部材20よりも高い剛性を有する補強部材10とを備える。図1(A)、図1(B)及び図2に示すように、補強部材10はアンカー11により一対の床版3のそれぞれに固定されている。図2に示すように、補強部材10は、上下方向に延在する隔壁12と、隔壁12により区画された正六角柱状の複数のセル13とを含むハニカム構造を有する。
補強部材10の隔壁12の高さは、例えば、埋設空間6の深さ以下の10〜40mm程度にすることができる。正六角柱状のセル13の底面の一辺の長さは、例えば、20〜40mm程度にすることができる。なお、セル13の形状は、六角柱状に限定されず、三角柱状及び四角柱状等のその他の形状であってもよい。
補強部材10の隔壁12は、隔壁12を貫通する孔部14を含む。また、補強部材10の端部のセル13は、セル13の対向する隔壁12に架け渡されたアンカー支持部15とアンカー支持部15に設けられたアンカー孔部16を含む。アンカー孔部16に挿通されたアンカー11は、定着シート8を介して床版3に打ち込まれる。これにより、補強部材10が埋設空間6に定着される。
補強部材10の隔壁12は、樹脂により形成されている。具体的には、補強部材10の隔壁12は、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber-Reinforced Plastics)及び炭素繊維強化プラスチック(CFRP: Carbon-Fiber-Reinforced Plastics)のいずれかにより形成することができる。
伸縮装置1には、床版3の遊間4を通過する車両の輪荷重に相当する鉛直荷重が直接に載荷される。このため、この荷重に対する耐荷力及びその繰り返される載荷に対する疲労耐久性を有するように、設計にあたっては作用する力を適切に設定しなければならない。以下、日本道路協会発行の「道路橋示方書・同解説I共通編」(以下、「道示I」と呼ぶ)の「4.2.3伸縮装置に作用する力」及び図−2.2.1「T荷重」の記載を参考に伸縮装置1に作用する荷重を計算する。
例えば、車両の片輪による活荷重を100000Nと仮定する。また、活荷重による衝撃荷重は、フィンガージョイント等では活荷重の100%が一般的であり、ゴム材及び鋼材からなる伸縮装置では活荷重の40%が一般的である。本実施形態の伸縮装置1では、ゴム材及び鋼材からなる伸縮装置の例に従い、衝撃荷重は活荷重の40%であると仮定する。ここで、車両の片輪による荷重が作用する範囲を500mm×200mmの範囲であると仮定すると、伸縮装置1に作用する活荷重は、100000N÷(500mm×200mm)=1N/mmである。
上記のように、衝撃荷重は活荷重の40%であると仮定すると、伸縮装置1に作用する衝撃荷重は、1N/mm×0.4=0.4N/mmである。よって、伸縮装置1が受ける鉛直方向の荷重は、1N/mm+0.4N/mm=1.4N/mmである。したがって、補強部材10の隔壁12の樹脂に要求される圧縮強度は、例えば、1.4N/mm以上である。なお、状況に応じて、補強部材10の隔壁12は、高耐食性溶融亜鉛・アルミニウム・マグネシウム合金めっき鋼板等の金属により形成されていてもよい。
ゲル部材20は、ナノコンポジットゲル、環動ゲル及びダブルネットワークゲルのいずれかから形成されている。ナノコンポジットゲル(NCゲル)は、温度応答性ゲルとして最も代表的なポリ(N−イソプロピノレアクヲノレアミド)(PNIPA)ヒドロゲルを対象とし、有機高分子(PNIPA)と無機クレイ(ヘクトライト)をナノレベルで複合化して得られる持異的な「有機/無機ネットワーク構造」を持つヒドロゲルである。環動ゲルは、超分子の一つであるポリロタキサン(ポリエチレングリコール(PEG)にα−シクロデキストリン(CD)が包接されたもの)を用いた架橋点が自由に動く高分子ゲルである。
ダブルネットワークゲル(DNゲル)は、硬くて脆い供電解質性のゲル(ポリ[2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸]ゲル:PAMPSゲルなど)と柔軟に変形できる中性のゲル又はポリマー(ポリアクリルアミド:PAAmなど)の組み合わせによって互いに独立な2種の高分子網目構造を持つゲルである。つまり、ダブルネットワークゲルは、硬くて脆い高分子電解質と柔軟で伸びやすい中性高分子性質との異なる2種の網目構造を持っており、一般的なゲルよりも強度、靭性及び伸縮性に優れている。そのため、本実施形態では、ゲル部材20はダブルネットワークゲルにより形成されている。
ここで、橋梁2の橋種は鋼橋であり、支間長は30m=30000mmであり床版3の上面までの桁高は1.50m=1500mmであると仮定し、伸縮装置1の水平方向の移動量を算出する。伸縮装置1の水平方向の移動量は、温度変化の影響及び活荷重によるたわみによる変位を考慮する。温度変化の影響は、道示Iの「2.2.10温度変化」及び表−2.2.16「支承の移動量および伸縮装置算定に用いる温度変位の範囲」の記載を参考にして算出する。
ここで、表−2.2.16の温度変化範囲が普通の地方に比べて大きく、厳しい条件である寒冷な地方での温度変化を受けたときの伸縮量について、鋼橋の温度変化範囲が「−20℃〜+40℃」とされているから、鋼橋の温度変化範囲は60℃である。また、鋼桁の線膨張係数は、12×10−6である。したがって、鋼桁の温度変化の影響による伸縮装置1の水平方向の移動量は、60℃×12×10−6×30000mm=21.6mmである。
活荷重のたわみによる移動量については、道示Iの「4.1.3支承部の移動量」解説(6)の記載を参考にして算出する。道示Iの「4.1.3支承部の移動量」解説(6)の記載より、鋼桁の回転角θは、1/150である。したがって、活荷重による桁上部のたわみによる伸縮装置1の水平方向の移動量は、1500mm×1/150=10.0mmである。以上より、温度変化と活荷重によるたわみを考慮した伸縮装置1の水平方向の移動量は、21.6+10.0≒32mmとなる。したがって、支間長が30m以上の橋梁2の移動量を吸収するためには、少なくとも、伸縮量32mmの材料を用いることが要求される。
ゲル部材20のダブルネットワークゲルに要求される引張強度は、例えば、11N/mm以上である。また、上記のように、支間長30mの橋梁2は、移動量が32mmとなり、最低でも必要な引張ひずみは、自由長を1000mmとし、安全率を3とすると、32÷1000×3≒0.1となる。したがって、ゲル部材20のダブルネットワークゲルに要求される引張ひずみは、0.1以上である。本実施形態では、補強部材10のセル13の内部も含む埋設空間6の全体にゲル部材20のダブルネットワークゲルが充填されている。ゲル部材20の上方は、アスファルトによる舗装体9により覆われている。
以下、本実施形態の伸縮装置の設置方法について説明する。以下の例では、既設の橋梁2において、既設の伸縮装置が撤去され、本実施形態の伸縮装置1が設置される場合について説明する。以下の作業は、例えば、夜間において短時間で行われる。図3に示すように、橋梁2の一対の床版3の遊間4の部位が切断された後に、既設の伸縮装置が撤去され、埋設空間6が設けられる。なお、本実施形態の伸縮装置1が新設される場合には、上記工程は省略することができる。既設の伸縮装置が撤去された後に、埋設空間6の内面に不陸がある場合には、内面が平坦になるように整形される。また、埋設空間6の内面に樹脂モルタル等が打設され、埋設空間6の内面が平坦にされる。
図4に示すように、遊間4にバックアップ材5が挿入される。図5に示すように、埋設空間6の内面の遊間4の付近にスライディングシート7が設置される。また、埋設空間6のスライディングシート7の周囲に定着シート8が設置される。図6(A)及び図6(B)に示すように、遊間4にゲル部材20よりも高い剛性を有する補強部材10を設置する補強部材設置工程が行われる。補強部材設置工程では、補強部材10は軽量であるため、人力で補強部材10を埋設空間6に配置することができる。埋設空間6に置かれた補強部材10のアンカー支持部15のアンカー孔部16にアンカー11が挿通される。アンカー孔部16に挿通されたアンカー11は定着シート8を介して床版3に打ち込まれる。これにより、埋設空間6に補強部材10が設置される。
図7(A)及び図7(B)に示すように、橋梁2の遊間4にゲル部材20を設置するゲル部材設置工程が行われる。ゲル部材設置工程では、例えば、埋設空間6に、ゲル部材20を形成するダブルネットワークゲルの原料溶液が充填される。原料溶液は、補強部材10のセル13の内部も含む埋設空間6の全体に充填される。
原料溶液は、例えば、主剤であるA液と、硬化剤を含むB液とから成り、A液とB液とを混合させた状態で埋設空間6に充填することにより、原料溶液の硬化が開始される。原料溶液は、1〜2時間程度で硬化する。原料溶液の配合を変えることにより、硬化時間を調整することができる。また、原料溶液は硬化時に、厚み数cmの硬化で約90℃の反応熱が発生する。原料溶液の樹脂分の低減により、反応熱を調整することができる。また、ゲル部材20の剛性を高め、鉛直方向の変形に対してゲル部材20が抵抗するように、ダブルネットワークゲルの原料溶液に砂を配合してもよい。ゲル部材設置工程の後に、図1に示すように、ゲル部材20の上方に舗装体9を設置することにより、本実施形態の伸縮装置1の設置方法が終了する。
本実施形態によれば、伸縮装置1において、橋梁2の一対の床版3の遊間4に設置されたゲル部材20を備え、ゲル部材20は、高強度を有するナノコンポジットゲル、環動ゲル及びダブルネットワークゲルのいずれかから形成されている。このため、温度変化等に伴う橋梁2の水平方向の伸縮変形に対する伸縮性を向上させることができる。また、伸縮装置1において、遊間4に設置され、ゲル部材20よりも高い剛性を有する補強部材10を備える。このため、大型自動車等の車両の輪荷重による鉛直方向の変形を抑制することができる。以上より、本実施形態の伸縮装置1によれば、鉛直方向の変形を抑制しつつ水平方向の伸縮性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、ゲル部材20は強度、靭性及び伸縮性に優れたダブルネットワークゲルから形成されているため、温度変化等に伴う橋梁の水平方向の伸縮変形に対する伸縮性を最も向上させることができる。
つまり、従来の伸縮装置では、支間長が16.5mを超える橋梁や、伸縮桁長が25mを超える橋梁のノージョイント化には対応できない。一方、本実施形態のダブルネットワークゲルによるゲル部材20は、従来の伸縮装置と同様の引張強度を持ちながら、従来の伸縮装置の数十倍の引張ひずみを有する。そのため、支間長30m以上の橋梁2におけるノージョイント化が可能となる。また、ノージョイント化することにより、騒音が改善される。
また、本実施形態では、補強部材10は、上下方向に延在する隔壁12と、隔壁12により区画された複数のセル13とを含むハニカム構造を有するため、軽量な構造により大型自動車等の車両の輪荷重による鉛直方向の変形を抑制することができる。また、セル13の中にゲル部材20が充填されることにより、ゲル部材20の流動を抑制し、温度変化等に伴う橋梁2の水平方向の伸縮変形に対する追従性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、補強部材10の隔壁12は樹脂により形成されているため、補強部材10の軽量化をさらに図ることができる。
また、本実施形態では、補強部材10の隔壁12は隔壁12を貫通する孔部14を含むため、補強部材10とゲル部材20との付着が良くなり、ゲル部材20との一体性を向上させることができる。
本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。また、上述した実施形態に記載されている技術的事項を利用して変形例を構成することも可能である。例えば、上記実施形態では、補強部材設置工程の後にゲル部材設置工程が行われたが、可能であれば、ゲル部材設置工程と同時又はゲル部材設置工程の後に補強部材設置工程が行われてもよい。
1…伸縮装置、2…橋梁、3…床版、4…遊間、5…バックアップ材、6…埋設空間、7…スライディングシート、8…定着シート、9…舗装体、10…補強部材、11…アンカー、12…隔壁、13…セル、14…孔部、15…アンカー支持部、16…アンカー孔部、20…ゲル部材。

Claims (10)

  1. 橋梁の遊間に設置されたゲル部材と、
    前記遊間に設置され、前記ゲル部材よりも高い剛性を有する補強部材と、
    を備え、
    前記ゲル部材は、ナノコンポジットゲル、環動ゲル及びダブルネットワークゲルのいずれかから形成されている、伸縮装置。
  2. 前記ゲル部材は、ダブルネットワークゲルから形成されている、請求項1に記載の伸縮装置。
  3. 前記補強部材は、上下方向に延在する隔壁と、前記隔壁により区画された複数のセルとを含むハニカム構造を有する、請求項1又は2に記載の伸縮装置。
  4. 前記補強部材の前記隔壁は、樹脂により形成されている、請求項3に記載の伸縮装置。
  5. 前記補強部材の前記隔壁は、前記隔壁を貫通する孔部を含む、請求項3又は4に記載の伸縮装置。
  6. 橋梁の遊間にゲル部材を設置するゲル部材設置工程と、
    前記遊間に前記ゲル部材よりも高い剛性を有する補強部材を設置する補強部材設置工程と、
    を備え、
    前記ゲル部材設置工程では、ナノコンポジットゲル、環動ゲル及びダブルネットワークゲルのいずれかから形成されている前記ゲル部材を設置する、伸縮装置の設置方法。
  7. 前記ゲル部材設置工程では、ダブルネットワークゲルのいずれかから形成されている前記ゲル部材を設置する、請求項6に記載の伸縮装置の設置方法。
  8. 前記補強部材設置工程では、上下方向に延在する隔壁と、前記隔壁により区画された複数のセルとを含むハニカム構造を有する前記補強部材を設置する、請求項6又は7に記載の伸縮装置の設置方法。
  9. 前記補強部材設置工程では、補強部材の前記隔壁が樹脂により形成されている前記補強部材を設置する、請求項8に記載の伸縮装置の設置方法。
  10. 前記補強部材設置工程では、補強部材の前記隔壁が前記隔壁を貫通する孔部を含む前記補強部材を設置する、請求項8又は9に記載の伸縮装置の設置方法。
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