JP2020050412A - カバー部材付きスパウト - Google Patents
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Abstract
Description
また、従来、このようなRTH製剤の用途においては、例えば特許文献2に例示されるとおり、パウチに溶着されるスパウトにオスコネクタ部を形成し、カテーテルに取り付けられるコネクタにメスコネクタ部を形成するのが、一般的であった。
しかしながら特許文献3に示されるメスコネクタ(注出ポート)では、破断力を発生する部位を薄肉部14から離れた位置に置いて当該薄肉部14を破断させる構成であるため、薄肉部14に至るまで破断力が効率的に伝わらず封止体30自体が途中でねじれてしまい、その結果として薄肉部14が完全に破断しないという開封性の課題は否めない。
<カバー部材付きスパウト100>
図1は、第1実施形態におけるカバー部材付きスパウト100の外観およびYZ平面で切断した断面をそれぞれ示す斜視図である。
また、以下で詳述する構成以外については、公知のスパウト構造を種々参考にすることができる。
図2(a)にも示すとおり、本実施形態における筒部10は、閉塞体11を含んで構成されている。より具体的には図1(b)および図2(b)にも示すとおり、筒部10および溶着部20の内周面にはZ方向に沿って貫通する流路FPが形成されている。また、筒部10の上端部には螺状突起17が形成されており、後述する被係合部材であるチューブTの雌ネジTsと螺合可能なように構成されている。
なお本実施形態の嵌合用円柱部12は、底面部19を基点としてZ方向上側に延びる円柱状の部材である。
図3及び4から理解されるとおり、折り取り用プラグ41は、カバー部材40の頂部40cの内側からZ方向下方に向けて垂下するように設けられている。
なお図4から明らかなとおり、折り取り用プラグ41の外周面と筒部10の内周面10cとの間には、閉塞体11が離脱した後でリシールができないように所定の間隙が形成されている。
一対の突起部44p、qは、一対の弧状部43p、qの下端面(図4では折り取り用プラグ41の下端部)のうち中央部分からそれぞれ下方に突出するように設けられている(図5(a)および(b)を参照)。この突起部44のZ方向における突起量は、収容溝部15a内に収まる範囲内において特に制限はないが、収容溝部15aの深さ(Z方向における大きさ)よりも若干小さい程度が望ましい。なお図示からも分かるとおり、一対の突起部44p、qの内面は、被嵌合窪部42の内面に沿って形成されているため、嵌合用円柱部12の下端部を挟むように密着している。
また本実施形態では、第1ねじり機構FTMにおいて一対の係合リブ13が並ぶ方向(Y方向)と、第2ねじり機構STMにおいて一対の突起部44が並ぶ方向(X方向)は、互いに直交する(十字状である)ことが望ましい。
次に図4及び5を参照して、本実施形態における第1ねじり機構FTMについて詳述する。第1ねじり機構FTMは、閉塞体11における一対の係合リブ13p、qと、折り取り用プラグ41における一対の弧状部43p、qとで構成されている。
すなわち、図4におけるA−A断面で示す箇所が本実施形態の第1ねじり機構FTMに相当し、その詳細な構造は図5(a)で示されている。
すなわちカバー部材40を開封方向(Z軸周り、θz方向とも称する)にねじると、弧状部43p、qの当接面43aと一対の係合リブ13p、qとが係合することで第1の折り取り力f1(図5中の点線矢印を参照)を作用させることが可能となる。
次に図4及び5を参照して、本実施形態における第2ねじり機構STMについて詳述する。第2ねじり機構FTMは、閉塞体11における下側(Z方向の下方)に設けられた裾柱部14p、qと、折り取り用プラグ41の頂面(Z方向の下端)に設けられた一対の突起部44p、qとを含んで構成されている。
本実施形態においては、閉塞体11及び折り取り用プラグ41は、上述した第1ねじり機構FTMよりも軸方向(Z方向)の下方で且つ弱化部WPよりも軸方向の上方に第2の折り取り力f2を作用させる第2ねじり機構を有するように構成されている。
この突起部44は、弧状部43の下端(Z方向の下方端)から上記した軸方向の下方に突出するように設けられている。また、収容溝部15aは、閉塞体11の下部に位置する一対の裾柱部14p、qの側面14a、14b同士が対向することで形成されるとともに、上記した突起部44を収容してこの突起部44の側面44a、44bが折り取り時にそれぞれ当接可能なように形成されている。
これにより、後述のとおり折り取り時に摘み部46を摘まんでカバー部材40を時計回り及び反時計回りのいずれの方向で捩じったとしても、第1ねじり機構FTMと第2ねじり機構STMが軸周りにおいて互いに異なる位置で作用することとなる。
なお本実施形態ではZ方向において異なる2箇所で折り取り力が作用する例を示したが、この例に限定されず3箇所以上の位置で折り取り力を作用させてもよい。このうち少なくとも1箇所は弱化部WPの近傍の位置/近接した位置に配置されることが望ましい。
さらに本実施形態では、図4及び5から容易に理解されるとおり、弱化部WPに対して近接した位置で上記した折り取り力がそれぞれ作用することになる。
すると図6及び図7に示されるとおり、カバー部材40による回転によって折り取り時に作用する力が効率的に弱化部WPに伝達されることになり、閉塞体11が破断部WP´を境界にして筒部10から離脱可能となる。これにより、本実施形態においては、閉塞体11が意図せず捩れてしまうことなどが防止され、折り取り時に弱化部WPが破断不能となってしまうことを回避することができる。
一方で図7に示すとおり、折り取り前のスパウト30における筒部10の内部には閉塞体11が弱化部WPを介して接続されていたが、折り取り後でカバー部材40を離脱させた後は破断部WP´だけが残留して閉塞体11は除去され開孔が形成された状態となる。
すなわち図8に示すとおり、例えば容器をRTH製剤として利用する場合には、ISO80369−3に準拠した患者側のチューブTが筒部10の先端に係合される。このとき筒部10の上端部には螺状突起17が形成されており、当該螺状突起17がチューブTの雌ネジTsと螺合される。
なお本実施形態では、図8に示すように、チューブTのオスコネクタ部Taの下端よりも下方側に径小部10dが形成されているため、弱化部WPの破断後に筒部10の内周面側に残存する破断部WP´の残存部(バリ)が、オスコネクタ部Taと接触するおそれがなく、オスコネクタ部Taの挿入を阻害することを回避できる。これにより、筒部10上端側の内周面10cとオスコネクタ部Taの外周面とを良好に密着させることができ、更なるシール性の向上を図ることができる。
以上説明した本実施形態のカバー部材付きスパウト100によれば、容器に保存された内容物の衛生状態を維持しつつ、第1ねじり機構FTM及び第2ねじり機構STMを用いた最適な開封性と、閉塞体11及び折り取りプラグ41用を用いた組み立ての容易性とを高い次元で両立させることが可能となっている。
<カバー部材付きスパウト200>
図9は、第2実施形態におけるカバー部材付きスパウト200をYZ平面で切った断面を示す模式図である。なお、本実施形態では、上記した第1実施形態と機能が同じ構成要素には同じ番号を付して適宜その説明は省略する。
すなわち、図10(b)に示すとおり、第2ねじり機構STMを構成する一対の裾柱部14p、qのうち紙面上側(+Y方向)に位置する裾柱部14pは、嵌合用円柱部12から径方向外側に向かうにつれて拡大する扇形状となるように両側の側面14aがX軸およびY軸と交差する方向に延在するように配置されている。また同図から明らかなとおり、裾柱部14pは、両側の側面14aの端部から弧状となるように外側側面を有して構成されている。
一方で上記した裾柱部14pの両側における側面14aとそれぞれ対向するように、突起部44pの側面44aと突起部44qの側面44aは、それぞれX軸およびY軸と交差する方向に上記した側面14aと平行して延在するように各々配置されている。
一方で突起部44pの側面44bと突起部44qの側面44bは、それぞれX軸およびY軸と交差する方向に裾柱部14qの側面14bと平行して延在するように各々配置されている。
さらに同図から明らかなとおり、突起部44pは、側面44aと側面44bの端部同士が接続されるように弧状の側面を有して構成されている(突起部44qも同様)。
このように本実施形態では、嵌合用円柱部12を中心としてX字状となるように、裾柱部14p及び14qの両側における側面14a及び14bと、突起部44p及び44qの側面44a及び44bとが、それぞれ対向して配置されるように構成されている。
なお、同図において紙面左側に位置する収容溝部15bの形態については、上記と同様であるのでその説明は省略する。
以上の構成により、一対の収容溝部15b(突起部44についても同様)は、係合リブ13に対して対称となるように配置される。
また、図11に示すとおり、折り取り時における裾柱部の側面14と突起部の側面44とが当接する面の軸方向長さL4は、本実施形態では嵌合用円柱部12の長さL3(底面部19の上面から嵌合用円柱部12の上端までの長さ)の30%〜35%程度となっている。しかしながら本発明はこの態様に限られず、L4がL3の10〜50%程度の範囲内で設定されていてもよい。
すなわち同図に示すとおり、本実施形態のカバー部材付きスパウト200は、閉塞体11に形成された第1アンダーカット部12aと、この第1アンダーカット部12aに対応するように折り取り用プラグ41に形成された第2アンダーカット部42aを有することが主とした特徴となっている。
したがってカバー部材40が筒部10に装着された後は、これら第1アンダーカット部12aと第2アンダーカット部42aが干渉することで被嵌合窪部42内に閉塞体11が残留しやすくなる。これにより、上記のとおり開封時に弱化部WPが破断した後は、より効果的にカバー部材40とともに閉塞体11が筒部10から離脱することが可能となる。
<カバー部材付きスパウト300>
図12は、第3実施形態におけるカバー部材付きスパウト300を、図5に対応してXY平面で切った断面をそれぞれ示す模式図である。
上記と同様に、本実施形態では、既述した第1実施形態及び第2実施形態と機能が同じ構成要素については同じ番号を付してその説明は適宜省略する。
すなわち本実施形態では、折り取り用プラグ41の突起部44における幅L1(図12のY方向長さ)が、カバー部材付きスパウト100の突起部44における幅よりも大きくなるように構成されている。したがって本実施形態では、閉塞体11に設けられた収容溝部15aの大きさも、上記突起部44の幅L1に対応して拡大されている。
(L2/4)<L1<(L2/1.5)
より好ましくは(L2/3)<L1<(L2/2)
なお上記関係は一例であって、弱化部WPを破断するために必要とする折り取り力を発揮させるため、突起部44の幅L1は適宜調整可能である。
例えば図2及び5のとおり上記した実施形態では、嵌合用円柱部12の頂点(+Z方向の端部)と係合リブ13の頂点(+Z方向の端部)とは、ほぼZ方向における高さ(底面部19からの高さ)が等しくなっていた。しかしながら、例えば嵌合用円柱部12の頂点を係合リブ13の頂点よりも高くしてもよい。
また、ガタつき抑制リブ18は、筒部10の外周面10b又はカバー部材40の内周面40bの全周(Z軸周り)にわたって形成してもよいし、断続した複数個所(2つなど)のように全周の少なくとも一部で形成される形態であってもよい。
また、上記各実施形態や変形例では、スパウト40とカバー部材40とは分離可能な態様で説明したが、この形態に限られず、これらが折り取り時に容易に破断可能な破断部などを介して初期は一体として構成されていてもよい。
20:溶着部
30:スパウト
40:カバー部材
WP:弱化部
FTM:第1ねじり機構
STM:第2ねじり機構
100、200、300:カバー部材付きスパウト
Claims (6)
- 筒部と、前記筒部の基端側に設けられて容器本体と融着される溶着部と、を備えるスパウトと、前記筒部の外周面を覆うカバー部材とからなるカバー部材付きスパウトであって、
前記筒部の内周面には弱化部を介して折り取り可能な閉塞体が一体形成され、
前記閉塞体は、軸方向の上方に延在する嵌合用円柱部と、前記嵌合用円柱部の外周面から径方向に突出する一対の係合リブとを備え、
前記カバー部材の内側には、前記閉塞体を挟むように前記軸方向の下方に延出する折り取り用プラグが形成され、
前記折り取り用プラグは、前記嵌合用円柱部と嵌合可能な被嵌合窪部と、前記係合リブと係合可能な当接面とを有する一対の弧状部と、を備えており、
前記カバー部材を開封方向にねじると、前記当接面と前記一対の係合リブとが係合することで構成される第1ねじり機構が第1の折り取り力を作用させ、
前記閉塞体及び前記折り取り用プラグは、前記第1ねじり機構よりも前記軸方向の下方で且つ前記弱化部よりも前記軸方向の上方に第2の折り取り力を作用させる第2ねじり機構を有する、
ことを特徴とするカバー部材付きスパウト。 - 前記一対の係合リブは、前記嵌合用円柱部と共に前記閉塞体の底面部から前記軸方向の上方に沿って延在する請求項1に記載のカバー部材付きスパウト。
- 前記第2ねじり機構においては、前記軸方向と直交する周方向に関して前記第1ねじり機構とは異なる位置で、前記折り取り用プラグが前記閉塞体に対して当接する請求項1又は2に記載のカバー部材付きスパウト。
- 前記第2ねじり機構は、
前記弧状部の下端から前記軸方向の下方に突出する突起部と、
前記閉塞体の下部に位置する一対の裾柱部の側面同士が対向することで形成され、前記突起部を収容して当接可能な収容溝部と、
を含んでなる請求項1〜3のいずれか一項に記載のカバー部材付きスパウト。 - 前記裾柱部と前記突起部とが対向する互いの側面は、前記係合リブと前記弧状部とが対向する互いの側面に対して、直行する方向または斜めに交差する方向に延在する請求項4に記載のカバー部材付きスパウト。
- 前記嵌合用円柱部には、折り取り後に前記閉塞体を前記カバー部材の内側に留置するための径方向外方に突出する第1アンダーカット部が形成されると共に、
前記被嵌合窪部には、前記カバー部材が前記筒部に装着されるときに前記第1アンダーカット部を乗り越え可能な、径方向内方に突出する第2アンダーカット部が形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のカバー部材付きスパウト。
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