JP2020049887A - 押出成形装置及びゴム押出機に用いられる口金並びにゴム成型方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貼り付けたゴムの位置ずれや回転支持体からの剥離を起こさず、ゴムの一部が口金端面に固着しないようにして、ゴムを所望の形状に成型する。【解決手段】ゴム押出成型装置は、ゴム押出機10と、ゴム押出機10から口金1を介して押し出したゴム3を貼り付ける回転支持体2とを備え、口金端面7aにおけるゴム離型性は、回転支持体2のゴム離型性よりも大きい。【選択図】図2
Description
本発明は、ゴム押出成形装置及びゴム押出機に用いられる口金並びにゴム成型方法に関する。
タイヤ等のゴム製品の製造方法において、従来、ゴム押出機により口金の開口部を介してゴムを押し出し、押し出したゴムを、回転支持体の表面に貼り付けながらゴムを成型する方法が記載されている(例えば、下記特許文献1)。
押し出したゴムを、回転支持体の表面に貼り付ける工程を詳説する。図4(a)に示されるように、ゴム3は、押出成形ヘッド5のゴム流路4を通って、口金1の開口部6から押し出される。押し出されたゴム3は、回転支持体2に粘着し回転支持体2の回転に伴って開口部6の回転方向下流側へ流れていく。その際、流れていくゴム3は、口金端面7の開口部6の回転方向下流側領域7aと接触しているため、ゴム3は、当該領域7aへの粘着力に起因する粘着抵抗に逆らって下流側に流れていく。
ところで、成型後、回転支持体に貼り付けられたゴムは回転支持体から取り外され(以降、「脱型」という。)、次工程に送られる。回転支持体に貼り付けられたゴムの脱型は、ゴムの粘着力に抗って行われるため、容易ではない。今般、脱型を容易にするために、回転支持体に、ゴムの離型性を向上させる表面処理を施す方法を採用することや、ゴムに熱を加えると粘着力が向上するという性質を活かして、ゴム押出機から押し出すゴムの温度を上げて回転支持体へ貼り付け、貼り付けたゴムの温度が低下し粘着力が低下してから脱型させる方法を採用することが知られている。
しかしながら、回転支持体にゴムの離型性を向上させる表面処理を施すと、当然ながら、ゴムの回転支持体に対する粘着力が低下する。そうすると、回転支持体に粘着することで回転支持体の回転に伴って流れていくゴムが、口金端面7の開口部6の回転方向下流側領域7aの粘着抵抗を受け、例えば図4(b)のように、ゴムが回転支持体から剥離したり、位置ずれを起こして変形したりする問題が生じるようになった。ゴムの温度を上げた場合も同様である。
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたもので、貼り付けたゴムの回転支持体からの剥離や位置ずれを起こさないようにして、ゴムを所望の形状に成型することを目的としている。
本発明のゴム押出成型装置は、ゴム押出機と、前記ゴム押出機から口金の端面に設けられた開口部を介して押し出したゴムを貼り付ける回転支持体とを備え、前記口金の端面におけるゴム離型性は、前記回転支持体のゴム離型性よりも大きいことを特徴とする。
かかる構成により、次の効果が得られる。
口金の端面におけるゴム離型性が、回転支持体のゴム離型性よりも大きいことは、回転支持体に対するゴムの粘着力が、口金の端面に対するゴムの粘着力より大きいことを意味する。そうすると、口金端面の開口部の回転方向下流側領域を流れていくゴムは、同領域から粘着抵抗を受けるものの、その粘着抵抗力はゴムの回転支持体に対する粘着力に対して小さいため、貼り付けたゴムの回転支持体からの剥離や位置ずれを誘発しない。よって、ゴムを所望の形状に成型できる。
口金の端面におけるゴム離型性が、回転支持体のゴム離型性よりも大きいことは、回転支持体に対するゴムの粘着力が、口金の端面に対するゴムの粘着力より大きいことを意味する。そうすると、口金端面の開口部の回転方向下流側領域を流れていくゴムは、同領域から粘着抵抗を受けるものの、その粘着抵抗力はゴムの回転支持体に対する粘着力に対して小さいため、貼り付けたゴムの回転支持体からの剥離や位置ずれを誘発しない。よって、ゴムを所望の形状に成型できる。
前記端面における平均表面粗さは、前記回転支持体の平均表面粗さよりも大きい。前記端面は、ブラスト処理された面でもよく、ゴム離型性材料で覆われた面でもよい。
本発明の、ゴム押出機から回転支持体に向かって押し出すゴムの開口部を備える口金は、前記口金の前記開口部が設けられた端面におけるゴム離型性は、前記回転支持体のゴム離型性よりも大きいことを特徴とする。また、前記端面における平均表面粗さは、前記回転支持体の平均表面粗さより大きくてもよい。前記端面は、ブラスト処理された面でもよく、ゴム離型性材料で覆われた面であってもよい。
本発明のゴム成型方法は、上記の口金を備えるゴム押出成型装置、又は、上記のゴム押出成型装置を使用して、ゴムを成型することを特徴とする。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、ゴム押出成型装置の一実施形態を示している。このゴム押出成型装置は、口金1を有する押出成形ヘッド5と、不図示のギアポンプとを含むゴム押出機10と、回転支持体2とを備え、ゴム押出機10から口金1を介してゴム3を押し出し、押し出したゴム3を回転する回転支持体2に貼り付けていく。
図2は、図1のA部の拡大図である。ゴム3は、粘着した回転支持体2の回転に伴って口金1の開口部6の回転方向下流側へ流れていく。ゴム3は流れながら、開口部6の回転方向下流側の口金端面7aと接触し、口金端面7aから粘着抵抗を受ける。しかしながら、口金端面7aはゴム離型性を高める表面処理が、回転支持体2のゴム離型性よりも大きくなる程度に施されている。これは、ゴム3の回転支持体2に対する粘着力が、ゴム3の口金端面7aに対する粘着力よりも大きいことを意味する。そうすると、口金端面7の開口部6の回転方向下流側領域7aに接触しつつ流れていくゴムは、同領域7aから粘着抵抗を受けるものの、その粘着抵抗力は、ゴムの回転支持体2に対する粘着力に対して小さいため、貼り付けたゴム3の回転支持体2からの剥離や位置ずれを誘発しない。よって、ゴムを所望の形状に成型できる。
口金端面7のゴム離型性を高める表面処理には、複数の方法がある。第1は、口金端面7を粗面化する方法であり、第2は口金端面7をゴム離型性材料で覆う方法である。
口金端面7を粗面化する方法として、例えば、ブラスト処理やエッチング処理が挙げられる。ブラスト処理は、実用性に優れた処理法のひとつであり、砂状の投射材を口金端面に高速に吹き付けることで、口金端面を表面研削して粗面化する。投射材の材料や粒径、投射速度は、口金材料の硬度等の材料特性や粗面化の程度に応じて決定する。
口金端面7をゴム離型性材料で覆う方法として、例えば、離型性材料を塗布したり、離型性材料をめっきしたり、溶射で被膜を形成したり、離型性フィルム又はテープを貼り付けたりする方法が挙げられる。離型性材料としては、PTFE等のフッ素系樹脂材料の類など、種々の材料を使用できる。
口金端面7は、少なくとも口金端面7における開口部の回転方向下流側領域7aを粗面化すればよく、必ずしも口金端面7の全面を粗面化する必要はない。口金端面7をゴム離型性材料で覆う場合も同様である。しかしながら、開口部6の回転方向下流側領域7a以外の領域にもゴム3が付着する可能性や処理工数を考慮して、口金端面7の全面に粗面化処理やゴム離型性材料で覆う処理を施してもよい。
図3はゴム押出成型装置の他の実施形態を示している。この実施形態において、回転支持体2は回転円盤であり、ゴム押出機10の口金1からゴム3を押し出しながら、回転円盤を周回させる。この実施形態においても、口金1の端面におけるゴム離型性を、回転円盤のゴム離型性よりも大きくすることが、上記課題の解決に有効である。
本発明において、「ブラスト処理された面」は、処理面が、投射材の衝突による局所的な窪みや切削が不規則に生じている状態にあることを表しており、この状態は、他の粗面化手段により生じた処理面の状態とは構造的に区別し得るものである。すなわち、「ブラスト処理された」という表現は、粗面化された面の状態を示すためのものであり、物の発明において明確に構造を特定するものである。
本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
1…口金
2…回転支持体
3…ゴム
4…ゴム流路
5…押出成形ヘッド
6…開口部
7…口金端面
10…ゴム押出機
2…回転支持体
3…ゴム
4…ゴム流路
5…押出成形ヘッド
6…開口部
7…口金端面
10…ゴム押出機
Claims (9)
- ゴム押出機と、前記ゴム押出機から口金の端面に設けられた開口部を介して押し出したゴムを貼り付ける回転支持体とを備え、前記口金の端面におけるゴム離型性は、前記回転支持体のゴム離型性よりも大きいことを特徴とする、ゴム押出成型装置。
- 前記端面における平均表面粗さは、前記回転支持体の平均表面粗さよりも大きい、請求項1に記載のゴム押出成型装置。
- 前記端面は、ブラスト処理された面である、請求項2に記載のゴム押出成型装置。
- 前記端面は、ゴム離型性材料で覆われた面である、請求項1に記載のゴム押出成型装置。
- ゴム押出機から回転支持体に向かって押し出すゴムの開口部を備える口金であって、前記口金の前記開口部が設けられた端面におけるゴム離型性は、前記回転支持体のゴム離型性よりも大きいことを特徴とする、口金。
- 前記端面における平均表面粗さは、前記回転支持体の平均表面粗さよりも大きい、請求項5に記載の口金。
- 前記端面は、ブラスト処理された面である、請求項6に記載の口金。
- 前記端面は、ゴム離型性材料で覆われた面である、請求項5に記載の口金。
- 請求項5乃至8のいずれか一項に記載の口金を備えるゴム押出成型装置、又は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のゴム押出成型装置を使用して、ゴムを成型するゴム成型方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018184087A JP2020049887A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | 押出成形装置及びゴム押出機に用いられる口金並びにゴム成型方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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2018
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