JP3155151B2 - 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱可塑性ポリエステ
ル系樹脂発泡体の製造方法に関するものである。とく
に、この発明は、押し出し発泡法によって、表面が平滑
で外観の良好な熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体を能
率よく製造することができる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル系樹脂(以下、P
ETという)を押し出し発泡させることは公知である。
PETは、結晶性の樹脂であるために発泡に適した粘度
を示す温度範囲が狭く、従って押し出し発泡させにくい
樹脂とされている。その上にPETは、200℃以上に
耐えるほどの耐熱性を持ち、金属に対する接着性が強い
ので、これを押し出し発泡させるには、口金とくにダイ
リップを滑りの良いものとして、PETを分解させない
で良く発泡させるように構成する必要があった。
【0003】PETを押し出し発泡させる際に、ダイリ
ップとしては溶融樹脂に接する面にクロムメッキを施し
たものが、これまで使われて来た。しかし、クロムメッ
キを施した面は溶融したポリエステル系樹脂によって擦
られると、発熱して樹脂の分解が起こり、そのためにダ
イリップに目ヤニ様の樹脂の分解物が付着し、それが発
泡体の表面に付着して発泡体の外観が悪くなるという問
題があった。
【0004】とくにPETを対象としてはいないが、一
般の樹脂を押し出し成形する際に、溶融樹脂の接するダ
イの内面に弗素化合物メッキ皮膜を形成することが、実
公昭61−39534号公報に記載されている。この弗
素化合物メッキ皮膜を形成する方法は、金属としてニッ
ケルを用いているので、PETの押し出し発泡に好適で
はない。
【0005】樹脂とダイリップ表面の摩擦を小さくする
方法として、ポリスチレン系樹脂発泡シートの製造方法
ではあるが、特願平4−345820号が提案してい
る。しかし、この提案に従って、内リップと外リップの
流路面をジルコニアで形成し、これをPETの押し出し
発泡に使用したところ、ダイ出口でPETに圧力をかけ
にくくなり、ダイ内で樹脂が発泡して荒れた外観を持っ
たシートしか得られなかった。
【0006】そればかりでなく、ジルコニア、アルミ
ナ、チタニアで形成されたダイリップは、僅かな衝撃を
加えただけで欠け易いので、ダイリップの交換が容易で
ないという問題があった。また、ダイリップに付着した
樹脂を取り除く作業時にジルコニア、アルミナ、チタニ
アの表面層を傷つけ、発泡体製造時にそのダイリップを
使うことができなくなるという問題があった。さらに、
ジルコニアセラミックスの部材を焼きバメ、接着、カシ
メにより支持させたダイリップは非常に高価であり、ジ
ルコニア、アルミナ、チタニアを溶射したダイリップは
エッジの加工精度を出すことが困難である、という問題
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述のよ
うな問題点を解消しようとしてなされたものである。す
なわち、シート状のPET発泡体を製造する場合には、
シート表面の荒れがなく、シート表面への樹脂分解物の
付着がなく、外観のすぐれたシートが得られ、ボード状
のPET発泡体を得ようとする場合には、樹脂を低圧領
域へ押し出した際のメルトフラクチャーが少なく、外観
のすぐれた発泡ボードが得られるようなPET発泡体の
製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明者は、上述の目
的がPETの押し出し発泡にあたって、押出機の先端に
取り付けたダイリップの改良によって達成できることを
見出した。すなわち、ダイリップの溶融樹脂に接する面
に、クロムメッキと弗素樹脂とによる特殊の表面加工を
施して、このダイリップをPETの押し出し発泡に用い
ると、樹脂の分解がなくなり、ダイリップの開口面積1
cm 2 当たり30リットル/時間以上の高割合で押し出
しても、良好な表面を持ったPET発泡体の得られるこ
とを見出した。この発明はこのような知見に基づいて完
成されたものである。
【0009】上述の特殊な表面加工とは、俗にテフロッ
クと呼ばれている表面加工である。その表面加工は、金
属の表面に例えば厚みが50〜70μmのクロムメッキ
を施し、このクロムメッキ面の表面を多孔性にし、この
クロムメッキ表面を加熱するとともに、この表面へ冷却
した弗素樹脂の微粉末を塗布し、樹脂粉末をクロムメッ
キ面に押しつけてクロムメッキ面に生成している小さな
亀裂内へ進入させて封入し、弗素樹脂とクロムメッキと
の複合皮膜を金属の表面に形成する、という方法であ
る。
【0010】従って、この発明は、押出機内で溶融混合
された熱可塑性樹脂と発泡剤との混合物を、上記押出機
の先端に取り付けたダイリップの隙間から低圧領域へ押
し出して発泡させる方法において、ダイリップの溶融樹
脂に接する面にまずクロムメッキを施し、クロムメッキ
の表面を粗面にし、次いでクロムメッキ面を加熱してお
き、この表面へ冷却した弗素樹脂の微粉末を塗布して、
樹脂粉末をクロムメッキ面に生じている小さな亀裂内に
封入して得られたダイリップを用い、熱可塑性樹脂とし
て芳香族ジカルボン酸とジオールとの縮合によって得ら
れたポリエステル系樹脂を用い、ダイリップの開口面積
1cm 2 当たり30リットル/時間以上の高割合で押し
出すことを特徴とする、熱可塑性ポリエステル系樹脂発
泡体の製造方法を提供するものである。
【0011】この発明ではテフロックと呼ばれる表面加
工をダイリップに適用し、こうして得られたダイリップ
を熱可塑性ポリエステル系樹脂の発泡押し出しに使用す
ることが最大の特徴とされるので、まずテフロック加工
について説明する。
【0012】テフロック加工では、まず金属表面にクロ
ムメッキを施すことが必要とされる。そのためには、金
属表面が処理されなければならない。その処理は例えば
金属表面の研磨である。次に、こうして処理された金属
表面にクロムメッキを施す。クロムメッキは、電気によ
って金属表面にクロム皮膜を付着させるのが好ましい。
こうして形成されたクロムの薄層はその表面に微細な亀
裂や小孔を自然に生じているが、テフロック加工をする
にはさらにクロムメッキの表面を化学的、機械的に処理
して粗面とすることが好ましい。テフロック処理はこの
ような粗面を利用するものである。
【0013】テフロック加工では、こうして得られたク
ロムメッキ面を加熱しておき、この表面へ冷却した弗素
樹脂の微粉末を塗布して、樹脂粉末をクロムメッキ面に
生じている小さな亀裂又は微孔内へ進入させる。クロム
メッキ面の加熱は、通常190〜210℃の範囲が適し
ている。この加熱はクロムメッキ面の亀裂を拡大させる
ためのものである。弗素樹脂の微粉末としては粒径が
0.5〜3μm程度のものが適しており、この樹脂粉末
を−70℃程度に冷却して収縮させ、この状態で加熱し
たクロムメッキ面へ塗布する。塗布後樹脂粉末をクロム
メッキ面に押し付けて粉末を亀裂内へ進入させ、封入す
る。その後、これを放置すると、自然にメッキ面の冷却
と樹脂の昇温とが起こり、これによって樹脂の焼嵌めが
行われて、ここにクロムメッキと弗素樹脂とから成る複
合皮膜が形成される。これがテフロック加工による皮膜
である。その後は、とくに弗素樹脂を加熱溶融する必要
がない。
【0014】テフロック加工では弗素樹脂としてポリテ
トラフルオロエチレン樹脂が専ら用いられる。
【0015】金属表面に弗素樹脂加工を行う方法として
は、この発明で行うテフロック加工のほかに、単なる弗
素樹脂のコーティング法、弗素樹脂の共析メッキ法など
が知られている。この発明者は、これらの方法によって
弗素樹脂をダイリップに付設し、PETの押し出し発泡
を試みたが、何れもテフロック加工によって得たダイリ
ップを用いた場合のように良好な効果を得ることができ
なかった。
【0016】上で云う共析メッキ法とは、弗素樹脂粉末
をメッキ液中に分散させてメッキを行う方法である。共
析メッキを行う方法には、電気メッキ法、置換メッキ
法、無電解メッキ法などがあるが、何れの方法によって
もテフロック加工を施した場合のような良好な結果は得
られなかった。とくに、無電解メッキ法にはニダックス
加工として知られている共析メッキ法があるので、ニダ
ックス加工を施したダイリップを用いたが、その結果は
テフロック加工を施したダイリップを用いた場合のよう
な良好な結果は得られなかった。
【0017】この発明で用いることのできる熱可塑性ポ
リエステル系樹脂は、前述のように、芳香族ジカルボン
酸と、ジオールとの縮合によって得られた鎖状の高分子
物である。好適な樹脂を挙げれば、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘ
キサンテレフタレート、ポリエチレン2、6−ナフタレ
ート等である。
【0018】熱可塑性ポリエステル系樹脂を発泡させる
ための発泡剤としては色々なものを用いることができ
る。大きく分けると、不活性ガス、飽和脂肪族炭化水
素、飽和脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化
炭化水素、エーテル、ケトン、等である。不活性ガスと
しては、炭酸ガス、窒素等を用いることができ、飽和脂
肪族炭化水素としてはブタン、ペンタン、ヘキサン等を
用いることができ、飽和脂環族炭化水素としてはシクロ
ペンタン、シクロヘキサンを用いることができ、ハロゲ
ン化炭化水素としてはトリクロロトリフルオロエチレン
を用いることができ、エーテルとしてはジメチルエーテ
ルを用いることができ、ケトンとしてはアセトンを用い
ることができる。
【0019】この発明で用いることのできる押出機は、
一般に熱可塑性樹脂を押し出し発泡するのに用いられて
いるものをそのまま用いることができる。その押出機
は、1軸押出機でも2軸押出機でもよく、またタンデム
押出機でもよい。押出機にはシリンダーの途中に発泡剤
の圧入口を設けておき、圧入口から発泡剤を押入する。
【0020】ダイリップにおいてテフロック加工を施す
べき部分は、溶融したPETに接触すべき面すべてであ
ることが望ましいが、場合によってはその一部であって
もよい。例えば、図1は、ボード状のPET発泡体を押
し出し発泡させる場合のダイリップの縦断面を示してい
る。図1では、PETがダイリップ2内の樹脂流路23
を通り隙間24から押し出され、偏向板25で冷却され
て板状に成形される。この場合には、ダイリップ2のP
ETに触れる全面21がテフロック加工されている。
【0021】図2はシート状のPET発泡体を押し出し
発泡させる場合のダイリップ1の縦断面を示している。
図2ではPETが樹脂流路13を通り隙間14から押し
出され、マンドレル15により拡大されるとともに冷却
され、その後切り開かれてシート状に成形される。この
場合には、ダイリップ1のPETに触れる面のうち、面
11だけがテフロック加工されていてもよい。すなわ
ち、内リップがテフロック加工されるだけでもよい。
【0022】PETを押し出し発泡させるには、発泡を
容易にするために酸二無水物、多官能エポキシ化合物、
又は金属化合物を、単独若しくは組み合わせてPETに
添加する。この添加より、PETは分子内に架橋結合又
は分岐を生じて、溶融粘度及び溶融張力を変える。この
ために、PETを高速度で押し出して発泡させようとす
ると、メルトフラクチャを引き起こし成形品の外観が悪
くなる。ところが、ダイリップにテフロック加工を施す
と、PETを高速度で押し出し発泡させても、発泡体が
メルトフラクチャを起こさないで、外観の良好な発泡体
が得られる。
【0023】上述のことを図1に示したような装置によ
り発泡ボードを得ようとする場合について、具体的に説
明すると次のとおりである。従来のダイリップを用い
て、図1に示したような方式でボード状のPET発泡体
を得ようとする場合に、PETの温度を溶融温度より1
0℃だけ高い温度でダイリップの開口面積1cm2 当り
30リットル以上とすることが工業的生産上好ましい
が、このような高速度でPETを押し出し発泡させる
と、PETがメルトフラクチャを引き起こし、発泡体の
外観が悪くなる。ところが、この発明方法に従い、図1
に示したようにテフロック加工をしたダイリップを用い
てPETを押し出し発泡させると、開口面積1cm2
り30リットル以上になってもPETはメルトフラクチ
ャを全く起こさず、外観の良好な発泡体が得られる。
【0024】同様に図2に示したような装置により発泡
シートを得ようとする場合も、従来のダイリップを用い
て図2に示したような方式でPET発泡シートを得よう
とすると、ダイリップの開口面積1cm2 当り30リッ
トル以上にすると、PETとリップ表面との摩擦が大き
くて、PETが発熱し、分解して内リップ側に目ヤニ状
の異物が溜まり、これがPET発泡シートの表面に付着
してシートの外観が悪くなった。ところが、この発明方
法に従い、図2に示したようにテフロック加工を施した
ダイリップを用いると30リットル以上の高速度で押し
出しても目ヤニの発生がなく、外観の良好なPET発泡
シートを得ることができた。
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、ダイリップの溶融樹
脂に接する面にまずクロムメッキを施し、クロムメッキ
の表面を粗面にし、次いでクロムメッキ面を加熱してお
き、この表面へ冷却した弗素樹脂の微粉末を塗布し、樹
脂粉末をクロムメッキ面に生じている小さな亀裂内へ封
入してダイリップを構成することとしているので、この
表面は恰かもクロムメッキの亀裂中へ弗素樹脂の微粉末
が焼嵌めされたような関係になって、クロムの薄層と弗
素樹脂とが強固に結合し、これが互いに入り交じった複
合皮膜が形成されている。この複合皮膜のために表面は
耐摩耗性が増し、しかも溶融されたPETの滑りがよく
なっている。従って、溶融されたPETが発泡材を含
み、発泡しようとしてダイリップ表面を強く押圧しつつ
押し出されても、PETはダイリップ表面に付着して分
解されることがなく、そのままの形で押し出されて、表
面状態の良好な発泡体を形成する。
【0026】しかも、テフロック加工をした表面は損傷
し難いので、テフロック加工をしたダイリップの取り扱
いが容易である。また、テフロック加工をした表面は耐
摩耗性が大きいから、ダイリップを長期にわたって使用
することができる。この発明は、このような利益を与え
るものである。さらに、テフロック加工をした表面はP
ETとの剥離性が良いので、短時間で溶融PETをダイ
リップから取り除くことができるだけでなく、PETが
冷え固まったあとでも銅の角棒又はヘラを用いてテフロ
ック加工面を傷つけることなくPETを短時間で取り除
くことができる。この発明は、このような利益を与える
ものである。
【0027】
【実施例】以下に実施例と比較例とを挙げて、この発明
方法のすぐれている所以を具体的に明らかにする。
【0028】
【実施例1】PET樹脂(帝人社製TR8580)10
0重量部、タルク1.0重量部、炭酸ソーダ0.05重
量部、無水ピロメリット酸0.35重量部をタンブラー
にて混合し、この混合物を単軸押出機(口径:65m
m、L/D:35)のホッパーに供給して溶融混合し、
この溶融混合物に押出機途中からブタン(発泡剤)を
0.8重量部圧入した。この樹脂混合物は押出機のヘッ
ド部を通って、口径80φmm、間隙0.5mmの金型
(内リップの樹脂接触面:硬質クロムメッキ層を存し、
該クロムメッキ層面に四フッ化エチレン樹脂の多数微細
な介在物を存せしめた表面層〔大森クローム鍍金(株)
社製テフロック加工〕、外リップの樹脂接触面:クロム
メッキ)から大気中に押し出された。
【0029】この時のダイリップ開口面積1cm2 当た
りの押出量は40.6リットルで、リップ出口の樹脂温
度は277℃だった。
【0030】金型から押し出された発泡体は、冷却マン
ドレルで冷却、切開され熱可塑性ポリエステル系樹脂発
泡シートとして巻き取られた。 (単軸押出機の操作条件) 押出機の供給部の温度:280℃ 押出機の圧縮部の温度:285℃ 押出機の溶融部の温度:267℃ 押出機のヘッドの温度:267℃ 金型の温度 :267℃
【0031】得られた発泡シートは厚み1.0mm、密
度0.3g/ccで、押出開始4時間後から2時間目ヤ
ニを観察したが目ヤニは全く無く、外観の美麗なシート
だった。
【0032】また押し出し後、内リップを取り外し、銅
の角棒(幅20mm、厚み4mm、長さ250mm)で
付着樹脂を取り除く作業を行ったが、3分間以内に全て
の樹脂を取り除く事が出来た。
【0033】
【実施例2】熱可塑性ポリエステル系樹脂をポリエチレ
ン2、6−ナフタレート、 押出機の供給部の温度:285℃ 押出機の圧縮部の温度:285℃ 押出機の溶融部の温度:275℃ 押出機のヘッドの温度:275℃ 金型の温度 :275℃
【0034】発泡剤の量を1.2重量部とした以外は実
施例1と同じ方法で発泡シートを製造した。
【0035】得られた発泡シートは厚み1.5mm、密
度0.22g/ccで、押出開始4時間後から2時間目
ヤニを観察したが目ヤニは全く無く、外観の美麗なシー
トだった。更に押出機をそのまま72時間連続運転し押
出機を停止するまでの2時間目ヤニを観察したが目ヤニ
は全く無かった。
【0036】
【実施例3】PET樹脂(帝人社製TR8580)10
0重量部、タルク0.5重量部、炭酸ソーダ0.05重
量部、無水ピロメリット酸0.35重量部をタンブラー
にて混合し、この混合物を単軸押出機(口径:65m
m、L/D:35)のホッパーに供給して溶融混合し、
この溶融混合物に押出機途中からブタン(発泡剤)を
1.5重量部圧入した。この樹脂混合物は押出機のヘッ
ド部を通って、スリット幅65mm、間隙1.5mmの
金型(樹脂接触面:硬質クロムメッキ層を存し、該クロ
ムメッキ層面に四フッ化エチレン樹脂の多数微細な介在
物を存せしめた表面層〔大森クローム鍍金(株)社製テ
フロック加工〕)から大気中に押し出された。
【0037】この時のダイリップ開口面積1cm2 当た
りの押出量は30.8リットルで、リップ出口の樹脂温
度は280℃だった。
【0038】金型から押し出された発泡体は、偏向板で
冷却、成形された。 (単軸押出機の操作条件) 押出機の供給部の温度:280℃ 押出機の圧縮部の温度:285℃ 押出機の溶融部の温度:270℃ 押出機のヘッドの温度:270℃ 金型の温度 :270℃
【0039】得られた発泡体は厚み16mm、密度0.
15g/ccで、外観の美麗なボード状発泡体だった。
【0040】
【比較例1】内リップの樹脂接触面をクロムメッキとし
た以外は実施例1と同じ方法で押し出した。得られた発
泡シートは厚み1.0mm、密度0.3g/ccで、押
出開始4時間後から2時間目ヤニを観察した結果、12
1個の目ヤニが発生した。
【0041】または実施例1と同じ方法で付着樹脂を取
り除く作業を行ったが、10分たっても樹脂を取り除く
事が出来ず、樹脂が冷え固まったので再加熱して取り除
いたが、全ての樹脂を取り除くのに47分かかった。
【0042】
【比較例2】ダイリップの樹脂接触面をクロムメッキと
した以外は実施例2と同じ方法で押し出した。得られた
発泡体は厚み16mm、密度0.15g/ccで、鱗状
表面層の外観の悪いボード状発泡体だった。
【0043】
【比較例3】ダイリップの樹脂接触面をニダックス加工
とした以外は実施例2と同じ方法で押し出した。得られ
た発泡シートは厚み1.5mm、密度0.22g/cc
で、押出開始4時間後から2時間目ヤニを観察したが目
ヤニは全く無く、外観の美麗なシートだったが、更に押
出機をそのまま72時間連続運転し押出機を停止するま
での2時間目ヤニを観察した結果、9個の目ヤニが発生
した。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法に従って、PET発泡ボードを得
ようとする場合の装置の縦断面図である。
【図2】この発明方法に従って、PET発泡シートを得
ようとする場合の装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ダイリップ 2 ダイリップ 11 テフロック加工を施した面 13 樹脂流路 14 隙間 15 マンドレル 21 テフロック加工を施した面 23 樹脂流路 24 隙間 25 偏向板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機内で溶融混合された熱可塑性樹脂
    と発泡剤との混合物を、上記押出機の先端に取り付けた
    ダイリップの隙間から低圧領域へ押し出して発泡させる
    方法において、ダイリップの溶融樹脂に接する面にまず
    クロムメッキを施し、クロムメッキの表面を粗面にし、
    次いでクロムメッキ面を加熱しておき、この表面へ冷却
    した弗素樹脂の微粉末を塗布し、樹脂粉末をクロムメッ
    キ面に生じている小さな亀裂内に封入して得られたダイ
    リップを用い、熱可塑性樹脂として芳香族ジカルボン酸
    とジオールとの縮合によって得られたポリエステル系樹
    脂を用い、ダイリップの開口面積1cm 2 当たり30リ
    ットル/時間以上の高割合で押し出すことを特徴とす
    る、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 押出機内で溶融混合された熱可塑性樹脂
    と発泡剤との混合物を、上記押出機の先端に取り付けた
    ダイリップの隙間から低圧領域へ押し出して発泡させる
    方法において、ダイリップの溶融樹脂に接する面にまず
    クロムメッキを施し、クロムメッキの表面を粗面にし、
    次いでクロムメッキ面を加熱しておき、この表面へ冷却
    した弗素樹脂の微粉末を塗布し、樹脂粉末をクロムメッ
    キ面に生じている小さな亀裂内に封入して得られたダイ
    リップを用い、熱可塑性樹脂として芳香族ジカルボン酸
    とジオールとの縮合によって得られたポリエステル系樹
    脂を用いポリエステル樹脂の溶融温度より少なくとも1
    0°C高い温度で、ダイリップの開口面積1cm 2 当た
    り30リットル/時間以上の高割合で押し出すことを特
    徴とする、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方
    法。
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